JP2008178899A - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

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Hisatake Okumura
尚丈 奥村
Kenji Yoshimoto
憲司 吉本
Isao Hiratani
勲 平谷
Hiroyuki Shiokawa
博之 塩川
Arihito Mizobe
有人 溝部
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Abstract

【課題】首部の折損や亀裂の発生を防止することができる一体形浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】溶融金属の導入孔1aのある上端面が平面であって、上端部分は板状の上部板状部分1となっており、上部板状部分1の下方には溶融金属流通経路である内孔2aを有する管状部分2が一体に形成されており、上部板状部分1の下面と管状部分2の上部はメタルケース4で覆われており、溶融金属の流量を制御する装置に、上部板状部分の相対する2側面1b,1bに接する下面を保持部として、スライド動作により着脱され、上部板状部分1の上端の平面は、その上方に設置された他の耐火物の下端の平面に加圧密着される連続鋳造用浸漬ノズル(一体形浸漬ノズル)において、管状部分2上部のメタルケースと上部板状部分1下面のメタルケースとに接合され、管状部分2上部のメタルケース4との接合部分を起点にして管状部分2から外方に延びる補強用リブ8を設置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融金属の流量を制御する装置にスライド動作により着脱する連続鋳造用浸漬ノズルに関し、とくにその上部板状部分と管状部分が一体となっている連続鋳造用浸漬ノズルの補強構造に関する。
溶融金属の流量を制御する装置には、孔を有する2又は3枚の平板状の耐火物プレートを摺動させることで流量を制御する、いわゆるスライディングノズルが多く使用されている。
このスライディングノズルの下方には、タンディッシュの場合、鋳型内へ溶鋼を注入する浸漬ノズルが接合される。そして、一部ではスライディングノズルの下部プレートとその下方の浸漬ノズルとが一体化された構造の耐火物(以下「一体形浸漬ノズル」という。)が使用され、この一体形浸漬ノズルはスライド動作により流量を制御する装置に着脱可能となっている。
このような一体形浸漬ノズルにおいては、上部板状部分と下方の管状部分との境界部、すなわち形状変化点である首部付近に構造上最も応力が集中しやすいことから、首部付近をメタルケースで覆って機械的に補強している。
しかし、このようなメタルケースによる補強にもかかわらず、一体形浸漬ノズルの首部に折損や亀裂などが生じることがある。折損が生じた場合には鋳造を停止せざるをえず、溶鋼の飛散による危険等をも生じる。また亀裂が生じた場合には、この亀裂から内孔に外気を引き込み、一体形浸漬ノズルの侵食、局部損傷若しくは内孔の閉塞、ひいては鋼品質の低下などの問題を惹き起こすことがある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、管状部分の側部にU形状の金属部材を配置し、このU形状の金属部材を、上部板状部分の下面を覆うメタルケースの一部及び管状部分の上部に固定するように設置した一体形浸漬ノズルの補強構造が提案されている。
しかしながら、この特許文献1の補強構造は、上部板状部分にかかる垂直方向やねじれの応力に対する補強を第一の目的としており、またこの補強部分の一体形浸漬ノズルの管状部分との固定は、例えば後述する図6の例では、保持部側の管状部分中央部(管状部分のメタルケース上)のごく短い長さに限られていて、しかもその首部から保持部側方向の上部板状部分には接合部を有さない構造なので、この保持部側の上部板状部分と管状部分の間に発生する応力を分散したり補強する効果は得られない。そのようなことから、この補強構造では依然、首部の折損を生じることがある。
また、特許文献2には、首部にコーン形のシート状の鉄板を配置し、これを上部板状部分下面の一部と管状部分上部外周の一部とに溶接で固定して、首部を補強することが提案されている。
しかしながらこの場合、管状部分のモーメント等により首部にかかる機械的な応力は、コーン形のシート状の鉄板の面を曲げる応力、すなわち変形しやすい鉄板の厚み方向への曲げ応力として働くことになり、管状部分の拘束等の補強としての効果は大きくない。また、上部板状部分の下面を保持装置で保持する一体形浸漬ノズルでは、その保持装置と管状部分との間のスペースが狭く、広いスペースを必要とするこのような構造は採用できない。
さらに、特許文献1及び特許文献2における補強用の金属部材の設置には、何れも保持部側のメタルケースに長尺若しくは広範囲の溶接を必要とする。このことは、メタルケースの変形を生じる一因となり、メタルケースに変形が生じると内部の耐火物に局部的な応力集中を生じやすくなって、かえって折損や亀裂等のトラブルを惹き起こす原因となる。さらには溶接や溶接後の精度調整等にかかる時間、労力等も大きく、生産コストが上昇する等、産業上の短所も多い。
このように、一体形浸漬ノズルの首部の亀裂や損傷に起因するトラブルに関しては依然として十分な解決策が提案されていない。
特表2002−532252号公報 米国特許第5467904号明細書
本発明は、前述のような首部の折損や亀裂の発生を防止することができる一体形浸漬ノズルを提供し、ひいては連続鋳造操業の安定及び鋳片品質の低下防止を目的とする。
本発明は、溶融金属の導入孔のある上端面が平面であって、上端部分は所定の厚みを有する板状(以下、単に「上部板状部分」という。)となっており、前記上部板状部分の下方には溶融金属流通経路である内孔を有する管状部分が前記上部板状部分と一体に形成されており、前記上部板状部分の下面と前記管状部分の上部はメタルケースで覆われており、溶融金属の流量を制御する装置に、前記上部板状部分の相対する2側面に接する下面を保持部として、スライド動作により着脱され、前記上部板状部分の上端の平面は、その上方に設置された他の耐火物の下端の平面に加圧密着される連続鋳造用浸漬ノズル(一体形浸漬ノズル)において、前記管状部分上部のメタルケースと前記上部板状部分下面のメタルケースとに接合され、前記管状部分上部のメタルケースとの接合部分を起点にして前記管状部分から外方に延びる補強用リブを設置したことを特徴とするものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者は、一体形浸漬ノズルにおいて首部に発生する折損や亀裂は、保持部側に集中していること、及びその折損や亀裂の発生は次のようなメカニズムによることを知見した。
保持部は一体形浸漬ノズルの自重を支持するだけでなく、鋳造の操業中には約80MPaの強い力でその上方の耐火物に常時圧着されている。通鋼により一体形浸漬ノズルの温度が上昇し、その耐火物は熱により膨張するが、保持部部分の耐火物は強い力で拘束されて剛性が大きくなっているので、熱膨脹を長さ又は体積の変化に変換することができず、ますます剛性が大きくなると共に、内部には保持の加圧方向に大きな圧縮応力が発生する。この圧縮応力はとくに一体形浸漬ノズルの内孔付近を最大として、強く拘束されている保持部側にかけて持続的に存在する。
一方、一体形浸漬ノズルの管状部分には保持部のような強い拘束力は働いていない。したがって、保持部から管状部分に至る境界部分、すなわち首部には、圧縮応力の極めて大きい差により曲げ応力が生じ、かつ首部が凹構造の底部にあたることとも相俟って応力が集中する。
この応力の集中により保持部付近の首部の耐火物に破壊が生じ、その結果が一体形浸漬ノズルの首部での折損や亀裂となって現れる。
これに対して、非保持部側(保持部側に対し90度をなす側)では強い拘束力は働いていないので、上部板状部分から管状部分に至る首部での応力変化や集中は小さく、前記のメカニズムに基づく曲げ応力も小さいので、首部の耐火物の破壊には至らないと推測される。
なお、このような一体形浸漬ノズルは、非保持部側の方向にスライドさせること、振動等を生じさせる主な要因である鋳型への溶鋼の吹き出しの方向(吐出孔の方向)が非保持部側であること等から、このような一体形ノズルの単なる動きに伴う機械的な衝撃や加圧による首部の亀裂や折損は非保持部側が起点となることも考えられるが、実際に首部に生じる折損や亀裂の殆どは保持部側方向であるという事実が、前述の推測を裏付けるものと考えられる。
そこで、本発明は、一体形浸漬ノズルにおいて、主に保持部側の首部付近を強化し、首部付近で発生する曲げ応力による耐火物とメタルケースの変形を抑制し、もって首部付近での耐火物の破壊を抑制するものである。
その具体的な手段として、首部付近に補強用リブを設置する。より具体的には、補強用リブは、管状部分上部のメタルケースと上部板状部分下面のメタルケースとに接合され、管状部分上部のメタルケースとの接合部分を起点にして管状部分から外方(管状部分が円筒の場合には半径外側方向)に放射状に延びるように設置される。この補強用リブを設置することで、首部付近における管状部分の横方向(半径方向)の拘束力が強化され、上部板状部分に対する曲げ方向の変形が抑制される。なお、この補強用リブがない場合は、首部付近における管状部分の横方向の拘束力はメタルケースの強度のみであって弱い。
補強用リブは保持部側の管状部分側面の中央を貫く線上に設置することが最も好ましいが、管状部分の側面と保持部を支持する保持装置の端部との間の隙間が小さく十分な大きさの補強用リブを設置することが困難であることが多い。そこで、補強用リブは、できるだけ保持部側の管状部分側面の中央側に寄せて、少なくとも4箇所以上の複数箇所に設置することが好ましい。補強用リブの設置位置が保持部側の管状部分側面の中央側から離れるにしたがって、管状部分の保持部側への補強効果が小さくなり、また上部板状部分の保持部付近での曲げ応力の集中点が生じやすくなる。
より具体的には、補強用リブは、それが管状部分から外方に延びる方向に沿った直線が、保持部側の側面に沿った直線と非平行である、言い換えれば、補強用リブの横長手方向の中心線を延長した直線が、保持部側の側面に沿った直線と0(ゼロ)度を超える角度(図4のθ度)で交差するように設置することが必要である。この角度は最大で90度であるが、45度以上のできるだけ大きい角度、すなわちできるだけ直角に近い角度となるように設置することが好ましい。その理由は、この角度が小さくなるにしたがって、補強用リブの面方向の曲げ応力が大きくなって補強の効果が著しく減衰するからであり、0(ゼロ)度すなわち保持部側の側面に対し平行である場合は、補強の効果が最小になって破壊の危険が最大になり、90度でほぼ補強の効果が最大になって破壊の危険が最小になるからである。
補強用リブの横方向の長さ(図5のW)は、保持装置との取り合い上許される範囲で可能な限り長くすることが好ましい。具体的には、補強用リブの長さは、その横方向の端部が、上部板状部分の保持部側の側面に最も近い管状部分の最外部よりも保持部側の側面側に位置する(図4のΔWが0以上である)ような長さで、スペースの制約上許される最大の長さにすることが好ましい。これは、補強用リブの横方向の端部には、首部とは別に曲げ応力が集中しやすいが、一体形浸漬ノズルの管状部分が補強用リブの端部よりも保持部側の側面側にあれば、補強用リブではなく一体形浸漬ノズルの管状部分に応力が集中することになるからである。
補強用リブの下方向(一体形浸漬ノズルの軸方向)の長さ(図5のL2)は、上部板状部分との接合部分の長さ(図5のW)以上にすることが好ましい。これは、補強用リブには上部板状部分側との接合部分と管状部分側との接合部分とに挟まれた範囲を圧縮する方向の応力が発生するが、この応力をできる限り広範囲に分散させるためであり、また管状部分との接合部分の長さを長くすることで、応力が開放されて集中しやすい補強用リブの下端部を首部からできる限り離れた位置に設置するためである。
また、補強用リブは、保持部側の2側面間の中心線(一体形浸漬ノズルのスライド方向と平行な直線)に対し左右対称に設置することが好ましい。左右の補強用リブの剛性の差が大きくなると、応力の分布が変わって一体形浸漬ノズルの首部に曲げモーメントが生じる等により、折損や亀裂が発生する可能性がある。
さらに、補強用リブは、保持部側の2側面の中央を貫く中心線(一体形浸漬ノズルのスライド方向と直角な直線)に対しても、同様に左右対称に設置することがより好ましい。
補強用リブの厚みは、接合部分のメタルケースの厚み以上、すなわちメタルケースの厚みを下回らない厚みであることが好ましい。補強用リブを保持部側の2側面の中央を貫く中心線から遠い位置に設置する場合で現実的な範囲の最大程度と考えられる保持部側120度程度(図4のθが約30度)の位置に補強用リブを設置することを想定すると、その位置の管状部分のメタルケースの、保持部側の側面に垂直な方向(保持部側の2側面を結ぶ線の方向)の長さがメタルケース厚みの2倍程度になるので、補強用のリブの厚みは管状部分のメタルケース厚みの約2倍以上が好ましい。
また、補強用リブとメタルケースとの接合は溶接によって行うことが好ましい。具体的には、補強用リブの上端面は上部板状部分下面のメタルケースに溶接し、管状部分に接する面は管状部分外周のメタルケースに溶接し、またそれらの溶接は全溶接が好ましい。これは、接着材等では接着性を維持することが困難であり、点溶接では非溶接部分が剛性を弱めて、補強用リブによる補強効果が減少するからである。
補強用リブは、その剛性がメタルケースよりも小さくならないように設計し、材質上は鋳造時の高い温度下での使用でもメタルケースの剛性よりも小さくならないように、少なくともメタルケースと同じ材料、又はメタルケースの材料よりも高い剛性や軟化特性を有する材質にすることが好ましい。具体的には、生産コスト、加工のしやすさ等の点から、メタルケースと共に普通鋼又はステンレス鋼とすることが好ましい。
本発明によれば、一体形浸漬ノズルにおける首部の折損や亀裂の発生を防止することができる。その結果、鋳造途中のトラブル発生を防止することができ、安定かつ安全な操業を行うことが可能になる。また、亀裂の発生が防止されることで内孔への空気の巻き込み等による一体形浸漬ノズル用耐火物の溶損やアルミナ介在物の付着あるいは閉塞も軽減できる。その結果、鋳片品質の低下を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一体形浸漬ノズルの一実施形態を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図2は、図1の一体形浸漬ノズルの使用状態を示す要部の正面図である。
図1に示すように、本発明の一体形浸漬ノズルは、その上端部分が板状の上部板状部分1となっており、上部板状部分1の下方に円筒状の管状部分2が一体に形成されている。上部板状部分1の上端面は平面であり、その中心に溶融金属の導入孔1aを有する。また、管状部分2は、その軸方向中心に導入孔1aと連通し溶融金属流通経路となる内孔2aを有し、下端付近に溶融金属の吐出孔2bを有する。また、管状部分2の中間付近の外周部は鋳型内溶融金属上面に存在するパウダーによる強い化学的侵食を受けるため、この部分(パウダー部2c)には、ZrO含有耐火物等のとくに耐食性に優れた耐火物が配置されている。
また、上部板状部分1と管状部分2の境界部分である首部3の付近はメタルケース4で覆われ保護されている。この実施形態では、上部板状部分1の側面と下面及び管状部分の側面(外周)上部をメタルケース4で覆っている。
この一体形浸漬ノズルは、図2に示すように、上部板状部分1の相対する側面に接する下面を保持部5として保持装置6に保持され、スライド動作により溶融金属の流量を制御する装置に着脱される。保持装置6は、一体形浸漬ノズルのスライド動作時のガイドとしての機能も有する。なお、スライド動作のスライド方向は、図1(a)の矢印方向であり、保持部5側の側面は、図1(a)の左右の側面1b,1bである。そして、一体形浸漬ノズルの使用時には、上部板状部分1の上端の平面は、その上方に設置された上部耐火物7の下端の平面に加圧密着される。
このような使用形態であることから、上部板状部分1は、大きな面圧に耐え得る高強度でかつ摺動性にも優れた耐熱材料で形成するのが好ましい。具体的には、上部板状部分1は、アルミナ−黒鉛質、ジルコニア−黒鉛質等の耐火物で形成することが好ましい。一方、管状部分2には、とくに高い耐スポーリング性が要求されるため、一般に黒鉛含有量の多い耐火物が使用される。
このような構成において、本発明では、主に保持部5側の首部3付近を強化するために、首部3付近に補強用リブ8を設置する。具体的には、補強用リブ8は、管状部分2上部のメタルケース2と上部板状部分1下面のメタルケース4とに接合され、管状部分2上部のメタルケース4との接合部分を起点にして管状部分2から外方(管状部分2の半径外側方向)に放射状に延びるように設置される。
図1の実施形態では、保持部側の補強のために上部板状部分1の対角線に沿って4箇所と、保持部側の側面1b,1bの中央部分に保持部側の側面1b,1bに直角をなして2箇所の合計6箇所に補強用リブ8を設置しており、さらに付加的に反保持部側の補強のためにも1b,1b間の中央を貫く線に平行な方向に2箇所設置し、総合計8箇所に設置している。これらの補強用リブ8は、保持部側の側面1b,1bの面間の中心線Xに対し、左右対称に設置されている。また、各補強用リブ8とメタルケース4とは全溶接によって接合されている。
図3は本発明の他の実施形態を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のB−B断面図である。この実施形態では、上部板状部分1の対角線上の4箇所に加え、保持部側の側面1b,1bの中央部分に対向するメタルケース4を厚くして補強用板8aとしている。この保持部側の側面1b,1bの中央部分に対向する補強用板8aは、メタルケース4自体の厚みを厚くすること、又はメタルケース4の外面に他の金属板を溶接等で接合する等の方法によって設置できる。
図4は本発明の他の実施形態を示す底面図である。この実施形態では、上部板状部分1の対角線上の4箇所のみに補強用リブ8を設置している。
この図4を参照して補強用リブ8の好ましい形態を説明すると、補強用リブ8の横方向の長さは、横方向の端部が、上部板状部分1の保持部側の側面1b,1bに最も近い管状部分の最外部2dよりも保持部側の側面側1b,1bに位置する(図4のΔWが0以上である)ような長さとすることが好ましい。また、補強用リブ8は、その横長手方向の中心線を延長した直線が、保持部側の側面1b,1bに沿った直線と0(ゼロ)度を超える角度θ度で交差するように設置することが必要であり、約45度以上が好ましく、約60度以上がより好ましい。
図5は補強用リブの形状例を示し、図4のC−C断面に対応する図である。なお、図5の左側と右側では異なる補強用リブ8の形状例を示している。
補強用リブ8は、図5の左側に示すように上方から下方にかけて勾配を有する三角形類似の形状としてもよく、図5の右側に示すようにほぼ長方形の形状としてもよいが、補強用リブ8の剛性を高めるためには一体形浸漬ノズルの横方向(半径方向)の長さWと下方向の長さL2はできるだけ長くすることが好ましい。これは、前述の通り、補強用リブ8には上部板状部分1との接合部分と管状部分2との接合部分とに挟まれた範囲を圧縮する方向の応力が発生ことから、上部板状部分1側との接合部分の長さWと管状部分2側との接合部分の長さL2を長くして応力を広く分散させると共に、補強用リブ8内の圧縮応力により補強用リブ8が一体形浸漬ノズルの軸方向に変形することを防止するためである。
メタルケース4の首部は、応力の変化を緩和し、分散させるためには急な角度を有するよりも、図5の左側に示すような面取り、又は図5の右側に示すようなR形状とすることが好ましい。また、メタルケース4とその内側の耐火物の間には、応力を分散するために、モルタルその他の耐火物やセラミックファイバー等からなる充填材9を充填することが好ましい。
本発明の一体形浸漬ノズルの効果を、有限要素法で応力解析した結果を示す。
一体形浸漬ノズルの材質は表1のとおりで、上部板状部分はカーボン含有量を相対的に低含有量である22質量%としたAl−SiO−C質、管状部分はカーボン含有量を相対的に高含有量である29質量%としたAl−SiO−C質とした。表1には、これらの耐火物の物性も併せて示す。
Figure 2008178899
本実施例の形状等の条件は、次の通りである。
(1)上部板状部分の形状:上端面は保持部側の側面長さ210mm×反保持部側の側面長さ200mm、厚み(図5のL1)=32mm
(2)管状部分の形状:外径157mm、内径80mm、
(3)メタルケース:厚み3.2mmで均一な厚み
(4)補強用リブ:図4に示す形態で4箇所に設置、図4の角度θ=40度、図4のΔW=2mm、図5の横方向の長さW=26.5mm、図5の縦方向の長さL2=50mm、L2/L1=1.56、形状は図5の左側に示す形状、材質SS400、
(5)保持力=全押しつけ力:8kN
なお、管状部分の中間付近の外周部には、前述のとおりパウダー部としてはZrO含有の耐火物が配置されているが、本実施例の計算ではこのパウダー部の要素は組み込んでいない。
また、比較例として、補強用リブの代わりに特許文献1に開示されているU形状の金属部材による補強を行った一体形浸漬ノズルについても有限要素法で応力解析した。
このU形状の金属部材による補強は、図6に示すように、上部板状部材1下面のメタルケース(図示省略)の下側に2つのU字型(コ字型)の金属部材10を突き合わせるようにして設置することによって行った。このU字型の金属部材10の縦方向の長さ(図6(b)のL3)は25mm、厚みは5.0mmとした。その他の条件は実施例と同じである。
図7はモデル図及び応力解析結果を示し、(a)は実施例、(b)は比較例である。
最大発生応力は比較例3.0MPaに対し、実施例は2.4MPaと20%低減することができることがわかる。また、比較例においても首部での折損や亀裂等の発生頻度が極めて高い状況ではないことから、最大発生応力を比較例を基準とするレベルよりも低減することで、首部での折損や亀裂等の発生を大幅に抑制することが可能と判断できる。
本発明の一体形浸漬ノズルの一実施形態を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の一体形浸漬ノズルの使用状態を示す要部の正面図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 本発明の他の実施形態を示す底面図である。 補強用リブの形状例を示し、図4のC−C断面に対応する図である。 従来のU形状の金属部材による補強構造(比較例)を示し、(a)は底面図、(b)は(a)のD−D断面である。 一体形浸漬ノズルのモデル図及び応力解析結果を示し、(a)は本発明の実施例、(b)は比較例である。
符号の説明
1 上部板状部分
1a 導入孔
1b 保持部側の側面
2 管状部分
2a 内孔
2b 吐出孔
2c パウダー部
2d 最外部
3 首部
4 メタルケース
5 保持部
6 保持装置
7 上部耐火物
8 補強用リブ
8a 補強用板
9 充填材
10 U字型の金属部材

Claims (8)

  1. 溶融金属の導入孔のある上端面が平面であって、上端部分は所定の厚みを有する板状(以下、単に「上部板状部分」という。)となっており、前記上部板状部分の下方には溶融金属流通経路である内孔を有する管状部分が前記上部板状部分と一体に形成されており、前記上部板状部分の下面と前記管状部分の上部はメタルケースで覆われており、溶融金属の流量を制御する装置に、前記上部板状部分の相対する2側面に接する下面を保持部として、スライド動作により着脱され、前記上部板状部分の上端の平面は、その上方に設置された他の耐火物の下端の平面に加圧密着される連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、
    前記管状部分上部のメタルケースと前記上部板状部分下面のメタルケースとに接合され、前記管状部分上部のメタルケースとの接合部分を起点にして前記管状部分から外方に延びる補強用リブを設置したことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 前記補強用リブが4箇所以上に設置されている請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. 前記補強用リブが前記保持部側に設置されている請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 前記管状部分から外方に延びる補強用リブの端部が、前記保持部側の側面に最も近い管状部分の最外部よりも前記保持部側の側面側に位置する請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  5. 前記補強用リブが前記管状部分から外方に延びる方向に沿った直線が、前記保持部側の側面に沿った直線と非平行である請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  6. 前記補強用リブが、前記保持部側の2側面間の中心線に対し、対称に設置されている請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  7. 前記補強用リブの厚みが、接合部分のメタルケースの厚み以上である請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  8. 前記補強用リブとメタルケースとの接合部分は溶接されており、かつ前記溶接は全溶接である請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
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