JP5408333B2 - Tftアレイ検査方法およびtftアレイ検査装置 - Google Patents

Tftアレイ検査方法およびtftアレイ検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶基板等のTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査に関し、特に、TFTアレイの欠陥検出に用いる検出強度のデータ処理に関する。
液晶アレイ検査装置等のアレイ検査装置において、液晶基板等の基板上を撮像して得られる撮像画像として、光学的に撮像して得られる光学撮像画像、あるいは、電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像を用いることができる。
TFTディスプレイ装置に用いるTFTアレイ基板の製造工程では、製造されたTFTアレイ基板が正しく駆動するかの検査が行われる(特許文献1,2)。
例えば、検査対象である基板のアレイに検査信号を印加してアレイを所定電位状態とし、基板上に電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを二次元的に照射して走査し、このビーム走査で得られる走査画像に基づいてTFTのアレイを検査するアレイ検査装置が知られている。TFTアレイ検査では、例えば、電子線の照射によって放出される二次電子をフォトマルチプライヤなどによってアナログ信号に変換して検出し、この検出信号の信号強度に基づいてアレイ欠陥を判定している。
TFT基板のアレイとピクセルは対応して形成されており、アレイに駆動信号を印加することによって特定のピクセルを駆動することができる。TFTアレイ検査において、一般に、アレイに所定パターンの駆動信号を印加して基板内に形成されたパネルの各ピクセルを所定パターンで駆動し、これらのピクセルに電子線を照射し、照射点から放出される二次電子を検出する。この電子線照射をパネル内で走査して行うことによって、パネル内の各ピクセルから検出信号を取得している。
ピクセルに対する荷電ビームの走査において、従来、各ピクセルに対して例えば4×4点あるいは4×3点の荷電ビームを照射して照射点をサンプリング点とし、一ピクセルについて複数のサンプリング点の検出信号を検出し、この検出信号を用いてピクセルに対応するアレイの欠陥を検出するための信号強度を算出している。
図14は、従来のサンプリング例を説明するための概略図である。図14において、一つのピクセルに対して4×4点の合計16点の荷電ビームを照射して各照射点をサンプリング点とし、各サンプリング点で検出される検出信号を用いて欠陥検出のための検出信号を取得している。図14において、各ピクセルには隣接するピクセル間で異なる電位を生じさせ電圧パターンの検査信号が印加されている。
各ピクセルの欠陥検出は、ピクセル内の4×4点あるいは4×3点のサンプリング点の検出信号から欠陥検出用の信号強度を算出し、この信号強度とあらかじめ定めておいたしきい値と比較することによって行う。
特開2004−271516号公報 特開2004−309488号公報 特開2002−26093号公報
基板のアレイ検査を行うには、パネル上に形成された各ピクセルについて荷電ビーム走査によって検出信号を検出する必要がある。従来、各ピクセルにおいて、前記したように例えば4×4点あるいは4×3点等の複数のサンプリング点について検出信号を取得している。
欠陥判定はピクセルを単位として行う。欠陥ピクセルを検出することによって、そのピクセルを駆動するアレイ部分に短絡や開放等の欠陥があることを検出してアレイ検査を行うことができる。アレイの欠陥種の判定は、パネル上の各ピクセルの電圧パターンを変えることによって変更することができる。各ピクセルの電圧パターンは、例えば、縦方向あるいは横方向のアレイに印加する電圧パターンを変えることで変更することができる。
ピクセルを単位とする欠陥判定は、各ピクセルのサンプリング点で検出して複数の検出信号に基づいて欠陥判定用の信号強度を算出し、この信号強度をあらかじめ定めておいた欠陥判定用のしきい値と比較することによって行っている。
この欠陥判定用の信号強度を算出する際、各ピクセルのサンプリング点で検出される検出信号にノイズ分が含まれる場合がある。このノイズ分は検出信号の信号強度を本来の値からずらすことになる。そのため、ノイズ分を含む検出信号の信号強度に基づいて欠陥判定を行うと、正常ピクセルを欠陥ピクセルとして判定したり、あるいは欠陥ピクセルを正常ピクセルとして判定するといった誤検出を行うおそれがある。
そこで、本発明は上記課題を解決して、検出信号に付加されるノイズ分に影響されることなく欠陥ピクセルを検出してアレイ検査を行うことを目的とする。
本願の発明者は、パネル上に荷電ビームを走査して得られる信号画像には、欠陥により生じる当該欠陥種に特有な欠陥形状と、ノイズによってノイズ形状とが現れ、欠陥形状とノイズ形状とはそれらの形状によって峻別することができることを見出した。
本発明は、この新たに見出した知見に基づいて、信号画像に現れる形状の中から欠陥形状をノイズ形状から峻別して検出し、この欠陥形状の検出によって欠陥ピクセルおよびこの欠陥ピクセルに対応するアレイ欠陥を検出してアレイを検査するものである。
本発明は、TFT基板のパネルに所定電圧の検査信号を印加してアレイを駆動し、このパネル上に荷電ビームを照射して走査し、この荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査であり、アレイ検査方法の態様およびアレイ検査装置の態様とすることができる。
本発明のアレイ検査方法の態様は、荷電ビームの照射によってパネル上のサンプリング点の信号強度を検出する検出工程と、検出工程で検出したサンプリング点の信号強度を2値化して2値化画像を求める2値化工程と、2値化工程で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、この照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う照合工程と、照合工程の照合結果により、照合対象形状の中に登録形状が含まれるか否かを判別し、照合対象形状の中に、登録形状が少なくとも一つ含まれている場合に当該照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別し、照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合に照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する欠陥判別工程とを備え、欠陥判別工程で欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
本発明のアレイ検査装置の態様は、荷電ビームの照射によってパネル上のサンプリング点の信号強度を検出する検出部と、検出工程で検出したサンプリング点の信号強度を2値化して2値化画像を求める2値化部と、2値化部で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、この照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う照合部と、照合部の照合結果により、照合対象形状の中に登録形状が含まれるか否かを判別し、照合対象形状の中に、登録形状が少なくとも一つ含まれている場合に当該照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別し、照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合に照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する欠陥判別部とを備え、欠陥判別部で欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
検出工程および検出部において、荷電ビームとして電子線を用いて、この電子線をパネル上に照射し、パネル上のサンプリング点から放出される二次電子を検出し、この二次電子の検出信号の信号強度を検出する。検出工程で得られる信号強度は、パネル上のサンプリング点の電圧に依存して変化し、アレイ欠陥によってピクセルに欠陥がある場合には、このピクセル上のサンプリング点で得られる信号強度は正常なピクセルから得られる信号強度と異なる値となり、この信号強度によって正常ピクセルと欠陥ピクセルとを判別する。
2値化工程および2値化部は、サンプリング点の信号強度と予め定めておいたしきい値とを比較し、サンプリング点に対応する位置に比較結果に応じて2値を対応付けることにより2値化画像を形成する。
検出工程および検出部で得られる信号強度は、正常ピクセルおよび欠陥ピクセルにおいて各状態に応じた強度分布を有し、それぞれ信号強度はばらつきを含んでいる。そのため、この信号強度により信号画像を形成すると、信号強度がばらつくことによって形状が変化するため、形状を特定することができず、形状に基づいて正常ピクセルと欠陥ピクセルとを判別することが困難となる。そこで、本発明では、検出信号の信号強度を2値化することによって、信号強度のばらつきによる形状が不定となることを避け、形状による正常ピクセルと欠陥ピクセルとの判別を可能とする。
照合工程および照合装置は、複数の登録形状を備え、これら複数の登録形状の中から選択した登録形状毎に照合対象形状との形状を比較する。
信号画像上に現れる欠陥による形状は、欠陥の種類や欠陥のピクセル上の位置によって異なり、その形状を予め求めておくことができる。本発明は、この欠陥による形状を予め求めて登録形状として用意しておく。登録形状は2値化したデータとすることで、2値化工程で求めた2値化画像の照合対象形状と比較する。
この形状比較において、同一の照合対象形状について、複数の登録形状からの登録形状を選択する選択処理と、この選択処理で選択した登録形状と照合対象形状との形状を比較する形状比較処理とを、欠陥判別において欠陥と判別されるまで繰り返す。
同一のピクセル内に複数の欠陥が存在する場合も考えられるが、複数の登録形状の内の少なくとも一つの登録形状が検出されれば、そのピクセルは欠陥ピクセルであることが判別され、さらに別の欠陥を検出する必要はない。そこで、この形状比較では、欠陥判別工程において欠陥と判別された場合には、そのピクセルを欠陥ピクセルとし、次のピクセルの形状比較を行う。
照合対象形状と登録形状との照合は、2値化画像のデータ処理によって行うことができ、種々の処理態様とすることができる。
例えば、登録形状の形状を窓とし、2値化画像に対して窓を移動させながらデータ上で重ね合わせ、この窓内にある2値化画像のデータが窓の形状と一致するか否かを判別するデータ処理、登録形状に対応するマッチングフィルタに2値化画像のデータを通すことによって判別するデータ処理、照合対象形状に対応する正方行列および登録形状に対応する正方行列を形成し、一方の正方行列の逆行列と他方の正方行列との積を求め、この積が単位行列であるか否かによって判別するデータ処理等を用いることができる。
本発明によれば、検出信号に付加されるノイズ分に影響されることなく欠陥ピクセルを検出してアレイ検査を行うことができる。
本発明のTFTアレイ検査の工程を説明するためのフローチャートである。 本発明のTFTアレイ検査の信号画像を形成するまでの工程を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の2値化画像を説明するためのフローチャートである。 本発明のTFTアレイ検査の2値化画像を説明するためのフローチャートである。 本発明のTFTアレイ検査の2値化画像を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の照合を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の照合を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の照合処理例を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の照合処理例を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査の照合処理例を説明するための説明図である。 本発明のTFTアレイ検査を行う検査装置の一構成例を説明するための図である。 欠陥検出部の一構成例を説明するための図である。 隣接する複数のピクセルにおける欠陥判別を行う例を説明するための図である。 従来のサンプリング例を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1〜10を用いて本発明のTFTアレイ検査の各工程を説明し、図11,12を用いて本発明のTFTアレイ検査による装置構成例を説明し、図13を用いて欠陥形状が複数のピクセル間に跨る例を説明する。
はじめに、本発明のTFTアレイ検査の各工程について、図1の本発明のTFTアレイ検査の工程を説明するためのフローチャート、図2の本発明のTFTアレイ検査の信号画像を形成するまでの工程を説明するための説明図、図3,4の本発明のTFTアレイ検査の2値化画像を説明するためのフローチャート、図5の本発明のTFTアレイ検査の2値化画像を説明するための説明図、図6,7の本発明のTFTアレイ検査の照合を説明するための説明図、図8〜10の本発明のTFTアレイ検査の照合処理例を説明するための説明図を用いて説明する。
本発明のTFTアレイ検査は、荷電ビームの照射によってパネル上のサンプリング点の信号強度を検出する検出工程(S1)と、検出工程(S1)で検出したサンプリング点の信号強度を2値化して2値化画像を求める2値化工程(S4)と、2値化工程(S4)で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、この照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う照合工程(S8)と、照合工程の照合結果により、照合対象形状の中に登録形状が含まれるか否かを判別し、照合対象形状の中に、登録形状が少なくとも一つ含まれている場合に当該照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別し、照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合に照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する欠陥判別工程(S9〜S12)とを備える。欠陥判別工程(S9〜S12)で欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
はじめに、TFT基板のパネルに所定電圧の検査信号を印加してアレイを駆動し、このパネル上に荷電ビームを照射して走査し、この荷電ビーム走査によって照射点から放出される信号を検出する。荷電ビームとして電子線を用いた場合には、二次電子の検出信号が検出される。ここで、荷電ビームの照射点は、検出信号を検出するサンプリング点に対応することになる。図2(a)はサンプリング点を模式的に示している。
荷電ビームとして電子線を用いた場合には、二次電子が放出され、この二次電子を検出して得られる検出信号に取得する(S1)。
検出した検出信号をサンプリング点と共に検出データとして記録する。ここで、サンプリング点は、検出信号が得られる点であり、パネル上において荷電ビームが照射される点に対応している(S2)。
走査によって得られるサンプリング点の位置は、パネル上に形成されたピクセルとの位置関係が不明であり、このままではピクセルに対応するサンプリング点を特定することができず、アレイの欠陥検出を行うことができない。
本発明は、サンプリング点をピクセルに対する関係を識別するために、パネルのピクセルに対してサンプリング点を対応付けることによって、各ピクセル内に含まれるサンプリング点を求める。
この対応付けは、例えば、サンプリング点の位置は検査対象であるパネル上の位置であり、このパネルが形成されている基板を支持するステージ上の位置と荷電ビームの照射位置から求めることができる他、ピクセルに所定の電圧パターンを形成し、隣接する点間の信号強度を検出し、信号強度の差異によってピクセル間の境界を求め、この境界によってピクセルに対するサンプリング点対応関係を求めることで行うことができる。これによって、サンプリング点とピクセルとの対応関係を求め、検出データにおいてピクセルを識別する。図2(b)はサンプリング点とピクセルとの対応関係を示している (S3)。
前記検出データは、その位置と信号強度から信号画像を形成することができる。しかしながら、この信号強度は、正常ピクセルおよび欠陥ピクセルにおいて各状態に応じた強度分布を有し、それぞれ信号強度はばらつきを含んでいる。図2(c)はサンプリング点における検出信号の信号強度から求めた信号画像と、ピクセルとの関係を模式的に示している。このように、ばらつきを含む信号強度により信号画像を形成すると、信号強度のばらつきによって形状が変化するため、形状を特定することが困難であり、ピクセルの正常および欠陥の判別に利用することは難しい。
そこで、検出信号の信号強度を2値化することによって、信号強度のばらつきによる形状が不定となることを避け、形状に基づいてピクセルの正常と欠陥との判別が可能となるようにする。
2値化工程によって信号画像から2値化画像を形成する。2値化の処理は、サンプリング点の信号強度と予め定めておいたしきい値とを比較して行う。比較結果に応じて2値を定め、サンプリング点に対応する位置に対応付ける。これによって2値化画像を形成する。
図3は2値化を説明するための図である。ピクセルの欠陥は、ピクセルの電圧において二つの態様で現れる。一つの態様は、欠陥ピクセルの電圧が正常ピクセルの電圧よりも低い電圧で現れる場合であり、黒欠陥と呼ばれる。他方の態様は、欠陥ピクセルの電圧が正常ピクセルの電圧よりも高い電圧で現れる場合であり、白欠陥と呼ばれる。
図3(a)は黒欠陥の場合の2値化を表している。この場合には、信号強度を2値化するしきい値として欠陥強度maxを予め定めておき、信号強度が欠陥強度maxよりも低い信号画像の位置を欠陥に対応付け、信号強度が欠陥強度maxよりも高い信号画像の位置を正常に対応付ける。
図3(b)は白欠陥の場合の2値化を表している。この場合には、信号強度を2値化するしきい値として欠陥強度min(<欠陥強度max)を予め定めておき、信号強度が欠陥強度minよりも高い信号画像の位置を欠陥に対応付け、信号強度が欠陥強度minよりも低い信号画像の位置を正常に対応付ける。
図4は黒欠陥の2値化の手順を表すフローチャートである。黒欠陥の2値化は、S2で記憶しておいたサンプリング点の信号強度を読み出し(S4a)、読み出した信号強度と黒欠陥のしきい値である欠陥強度maxと比較する(S4b)。
信号強度が欠陥強度maxよりも大きい場合には、その信号強度は正常レベルであるとして、そのサンプリング点に対応する信号画像の位置に正常ピクセルを表す値を設定する(S4c)。一方、信号強度が欠陥強度max以下である場合には、その信号強度は欠陥レベルであるとして、そのサンプリング点に対応する信号画像の位置に欠陥ピクセルを表す値を設定する。2値化により正常ピクセルおよび欠陥ピクセルに対応つけて設定する値は、例えば"0"および"1"など任意に定めることができる(S4d)。
全サンプリング点の信号強度についてS4a〜S4dの処理を行って、信号画像から2値信号画像を形成する(S4e)。
図5は白欠陥の2値化の手順を表すフローチャートである。白欠陥の2値化は、S2で記憶しておいたサンプリング点の信号強度を読み出し(S4A)、読み出した信号強度と白欠陥のしきい値である欠陥強度minと比較する(S4B)。
信号強度が欠陥強度min以上である場合には、その信号強度は欠陥レベルであるとして、そのサンプリング点に対応する信号画像の位置に欠陥ピクセルを表す値を設定する(S4C)。一方、信号強度が欠陥強度minよりも小さい場合には、その信号強度は正常レベルであるとして、そのサンプリング点に対応する信号画像の位置に正常ピクセルを表す値を設定する。2値化により正常ピクセルおよび欠陥ピクセルに対応つけて設定する値は、例えば"0"および"1"など任意に定めることができる(S4D)。
全サンプリング点の信号強度についてS4A〜S4Dの処理を行って、信号画像から2値信号画像を形成する(S4E)。
2値化処理によって得られた2値化データを記録する。2値化データは、例えば2値化処理で設定した値およびピクセル内における位置とすることができる(S5)。
2値化画像から欠陥を検出するために、2値化画像中に現れる照合対象形状と登録形状と比較して照合し、照合対象形状内に登録形状が含まれているか否かを判別する。照合対象形状は、2値化処理によって欠陥レベルと判別された点の集合によって形成される形状であり、欠陥によって生じる点の集合により形成される形状、あるいはノイズによる点の集合により形成される形状を含んでいる。照合対象形状内に登録形状が含まれていると判別された場合には、そのピクセルは欠陥ピクセルと判別する。
登録形状は、欠陥ピクセルに現れる2値画像中の形状を予め求めておく。この登録形状は、照合処理をソフトウエアで行う場合にはその形状を表すデータを記録しておく他、照合処理をハードウエアで行う場合にはその形状を表す素子配置によって構成することができる。
記録しておいた2値化画像から2値化データを読み出し(S6)、読み出した2値化データと登録形状の2値化データとを比較し(S7)、照合対象形状の中に登録形状が含まれているか否かを判別する(S8)。登録形状が含まれている場合にはその形状が含まれるピクセルを欠陥ピクセルとして判別する(S9)。登録形状が含まれていない場合には、登録されている別の登録形状についてS7,S8の処理を繰り返して登録形状の有無を判別し、登録された全登録形状について含まれていない場合には(S10)、そのピクセルは正常ピクセルとして判別する(S11)。S6〜S11の処理を全照合対象形状について行って、2値化画像から欠陥ピクセルを検出する(S12)。
図6,図7は照合の一例を示している。図6(a),図7(a)は黒欠陥の2値化画像の一例を示し、図中の白い部分は正常レベルを示し、黒い部分は欠陥レベルを示している。欠陥レベルには、欠陥による部分とノイズによる部分が含まれるため、照合対象形状と登録形状とを照合することによってノイズによらず欠陥による形状を判別する。
図6(b)〜図6(g)に示すピクセルは、2値化画像中の照合対象形状と登録形状との照合例を示している。図6(b)〜図6(e)に示すピクセルの照合、および図6(g)に示すピクセルの照合では、2値化画像中に登録形状が含まれていないため、これらのピクセルは正常ピクセルと判別する。一方、図6(f)に示すピクセルの照合では、2値化画像中に登録形状が含まれていると判別されるため、このピクセルは欠陥ピクセルと判別する。
図7は、図6で示した一つの登録形状による照合によって欠陥ピクセルを検出した後、別の登録形状によって照合を行う例を示している。
図7(b)〜図7(g)に示すピクセルは、2値化画像中の照合対象形状と登録形状との照合例を示している。図7(b)〜図7(e)に示すピクセルの照合では、2値化画像中に登録形状が含まれていないため、これらのピクセルは正常ピクセルと判別する。図7(f)に示すピクセルは、前記した図6(f)のピクセルの照合によって登録形状が検出されているため、ここでの登録形状の照合は不要であり省略される。図7(g)に示す照合では、2値化画像中に登録形状が含まれていると判別し、このピクセルは欠陥ピクセルと判別する。
次に、図8〜図10を用いて照合処理の一例を示す。照合対象形状と登録形状との照合は、2値化画像のデータ処理によって行うことができ、種々の処理態様とすることができる。
図8は、登録形状の形状を窓とし、2値化画像に対して窓を移動させながらデータ上で重ね合わせ、この窓内にある2値化画像のデータが窓の形状と一致するか否かを判別するデータ処理例を示している。
図8(a)は一ピクセルの2値化画像例を示し、図中の白い部分は正常レベルを示し、黒い部分は欠陥レベルを示している。図8(b)は登録形状の例を示している。この照合例では、登録形状を窓として2値化画像とデータ上で重ね合わせ、この窓内にある2値化画像のデータが窓の形状と一致するか否かを判別することで照合を行う。図8(c)〜図8(h)は、2値化画像に対して窓を順にずらしながら重ね合わせる例を模式的に示している。図8(c)、図8(e)〜図8(h)に示す重ね合わせでは、2値化画像は登録形状の窓と一致しない部分があるため、照合対象形状は欠陥形状でないと判別する。一方、図8(d)に示す重ね合わせでは、2値化画像は登録形状の窓と一致するため、照合対象形状は欠陥形状であると判別する。
2値化画像と窓と画像の重ね合わせは、ピクセルの2値化画像の中から登録形状の窓に対応するデータを抽出し、それぞれ対応する画素位置の2値を比較することで行うことができる。
図9は、登録形状に対応するマッチングフィルタに2値化画像のデータを通すことによって判別するデータ処理例を示している。
図9に示すマッチングフィルタの構成は、登録形状を含む正方行列を形成し、この正方行列に対応して遅延素子、アンド回路、およびオア回路によって構成するものである。例えば、正方行列の左上から右下に向かって、行方向と列方向とによって信号が入力するものとして、各信号の値の間に遅延素子を配置し、各遅延素子の出力の内で"1"に対応する遅延素子の出力にアンド回路を配置し、さらに、登録形状が備える全アンド回路の出力にアンド回路を配置する。アンド回路の他方の入力端には"1"を入力する。
例えば、図9では、登録形状の2値化信号に対して正方行列P,Q,Rを形成する。正方行列内で登録形状の2値化信号以外の要素は"×"で示している。正方行列Pの2値化信号の内"1"に対応してアンド回路200〜203を形成し、アンド回路200〜203の出力をアンド回路204に入力する。同様に、正方行列Qの2値化信号の内"1"に対応してアンド回路300〜303を形成し、アンド回路300〜303の出力をアンド回路304に入力し、正方行列Rの2値化信号の内"1"に対応してアンド回路400〜403を形成し、アンド回路400〜403の出力をアンド回路404に入力し、アンド回路204,304,404に出力をオア回路500に入力する。
このマッチングフィルタに照合対象形状の2値化信号を順に入力すると、照合対象形状内に登録形状が含まれる場合には、オア回路500から出力が得られる。図9の例では、正方行列Qに対応したアンド回路304からのみ信号が出力され、オア回路500から出力が得られる。オア回路500から出力が得られることによって、欠陥判別を行うことができる。
オア回路500から出力が得られない場合には、ピクセルは正常であると判別することができる。
このマッチングフィルタによる場合には、予め定めておいた登録形状に対応したマッチングフィルタをハードウエアで構成しておき、各ピクセルの2値化画像の2値化信号を順に入力することで欠陥判別を行うことができる。
次に、図10を用いて行列式の演算によって欠陥判別を行う例を示す。この欠陥判別では、照合対象形状に対応する正方行列を形成すると共に、登録形状に対応する正方行列を形成し、一方の正方行列の逆行列と他方の正方行列との積を求め、この積が単位行列であるか否かによって判別する。
図10(a)は照合対象形状に対応する正方行列を形成する例を示し、図10(b)は登録形状に対応する正方行列を形成する例を示している。
図10(b)に示した登録形状の例は3行であるため、対応する正方行列は3行×3列となる。この登録形状に対応する正方行列A1は3列目に[000]を追加して形成する。照合対象形状内の登録形状が含まれるか否かの判定では、登録形状が備える"1"の要素配列の他に、"0"の要素配列が"1"である場合も含んで欠陥判別するため、上記の正方行列A1に加えて、要素配列"0"を"1"に反転させた正方行列A2,A3,A4も用意する。
この登録形状から形成した正方行列A1〜A4との積を演算するために、照合対象形状から3行×3列の正方行列を形成する。図10(a)では、照合対象形状から形成される4行×4列の正方行列Bから3行×3列の正方行列B1〜B6を形成する。このとき、3列目に[000]を追加して正方行列を形成する。
登録形状から形成した正方行列A1〜A4は正則行列であるので、それぞれ逆行列A1−1〜A4−1を形成し、照合対象形状から形成した正方行列B1〜B6との積を求める。
図10(c)は正方行列Bと正方行列Aの逆行列A−1との積を示している。正方行列Bと逆行列A−1との積が単位行列である場合には、正方行列Bと正方行列Aとが一致していることを示している。このことは、照合対象形状と登録形状とが一致していることを示している。
図10(c)では、正方行列Bと正方行列A3の逆行列A3−1との積が単位行列Eとなり、照合対象形状内に登録形状が含まれることを示している。
次に、本発明のTFTアレイ検査を行う検査装置の一構成例について図11を用いて説明する。
図11は、本発明のTFTアレイ検査を行う検査装置の一構成例を説明するための図である。図11に示す構成例では、液晶基板等のTFT基板に電子線を照射し、TFT基板から放出される二次電子を検出し、二次電子の検出信号から信号画像を形成し、この信号画像に基づいて欠陥検出を行う構成例を示している。本発明は、検査対象の基板は液晶基板に限らず、また、基板走査は電子線に限らずイオンビーム等の荷電ビームとすることができる。また、検出信号は照射する荷電ビームに依存し、二次電子に限られるものではない。
図11において、TFTアレイ検査装置1は、液晶基板等のTFT基板100を載置しXY方向に搬送自在とするステージ2と、ステージ2の上方位置にステージ2から離して配置された電子銃3と、TFT基板100のパネル101のピクセル(図示していない)から放出される二次電子を検出する検出器4とを備える。電子銃3および検出器4は複数の組みを設けることができる。
ステージ駆動制御部6はステージ2の駆動を制御し、電子線走査制御部5は電子銃3が照射する電子線の照射方向を制御して、TFT基板100上の電子線の走査を制御する。信号処理部10は、検出器4で検出して二次電子の検出信号を信号処理して欠陥検出部11に送る。欠陥検出部11は、信号処理部10から送られた検出信号に基づいてピクセルの欠陥を検出し、検出位置によって欠陥ピクセルおよび対応する欠陥アレイを検出する。
なお、ピクセルおよびアレイはTFT基板のパネルに形成され、各ピクセルはアレイに対して電圧を印加することによって駆動されるため、ピクセルの欠陥検出は、そのピクセルに対するアレイ検査に対応している。
電子線走査制御部5,ステージ駆動制御部6,信号処理部10、欠陥検出部11の各部の駆動動作は制御部7によって制御される。また、制御部7は、TFTアレイ検査装置1の全体の動作を含む制御を行う機能を有し、これらの制御を行うCPUおよびCPUを制御するプログラム記憶するメモリ等によって構成することができる。
ステージ2は、TFT基板100を載置するとともに、ステージ駆動制御部6によってX軸方向およびY軸方向に移動自在であり、また、電子銃Gから照射される電子線は電子線走査制御部5によってX軸方向あるいはY軸方向に振らせることができる。ステージ駆動制御部6および電子線走査制御部5は単独あるいは協働動作によって、電子線をTFT基板100上で走査させ、TFT基板100のパネル101の各ピクセルに照射させることができる。
図12は、欠陥検出部20の一構成例を説明するための図であり、ソフトウエアによるデータ処理で欠陥検出を行う構成について示している。
図12において、検出部21は、信号処理部10から送られた検出信号から信号画像を形成し、得られた信号画像の信号強度や検出位置を検出データ25aとして記憶部25に記憶する。2値化部22は、検出部21で検出したサンプリング点の信号強度を2値化し、2値化画像を求める。求めた2値化画像のデータは、2値化データ25bとして記憶部25に記憶する。
照合部23は、2値化部22で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、この照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う。この照合において、記憶部25から2値化データ25bと登録形状データ25cを読み出す。
欠陥判別部24は、照合部23の照合結果により、照合対象形状の中に登録形状が含まれるか否かを判別し、照合対象形状の中に登録形状が少なくとも一つ含まれている場合にその照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別する。一方、照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合には、その照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する。欠陥判別部24は、欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
上記の説明では、主に一ピクセル内に登録形状が含まれているか否かを判別しているが、照合対象形状と登録形状との比較による欠陥検出は、一ピクセル内での判別に限らず、隣接する複数のピクセルにおいて欠陥判別を行うことができる。
図13は、隣接する複数のピクセルにおける欠陥判別を行う例を示している。図13(a)において、横方向に隣接する2つのピクセル間に跨って欠陥が発生する例、縦方向に隣接する2つのピクセル間に跨って欠陥が発生する例、および横方向および縦方向に隣接する4つのピクセル間に跨って欠陥が発生する例を示し、これらの箇所に登録形状が検出される。
図13(b)は、横方向に隣接する2つのピクセル間に跨って欠陥が発生する場合に登録形状を検出する例を示している。この場合には、横方向に隣接する2つのピクセルを判定範囲とし、この判定範囲内にある照合対象形状について前記したと同様に登録形状を検出することで欠陥検出を行う。
図13(c)は、縦方向に隣接する2つのピクセル間に跨って欠陥が発生する場合に登録形状を検出する例を示している。この場合には、縦方向に隣接する2つのピクセルを判定範囲とし、この判定範囲内にある照合対象形状について前記したと同様に登録形状を検出することで欠陥検出を行う。
図13(d)は、横方向および縦方向に隣接する4つのピクセル間に跨って欠陥が発生する場合に登録形状を検出する例を示している。この場合には、横方向および縦方向に隣接する4つのピクセルを判定範囲とし、この判定範囲内にある照合対象形状について前記したと同様に登録形状を検出することで欠陥検出を行う。
本発明は、TFT基板は液晶基板や有機ELとすることができ、液晶基板や有機ELを形成する成膜装置の他、種々の半導体基板を形成する成膜装置に適用することができる。
1 アレイ検査装置
2 ステージ
3 電子銃
4 検出器
5 電子線走査制御部
6 ステージ駆動制御部
7 制御部
10 信号処理部
11 欠陥検出部
20 欠陥検出部
21 検出部
22 値化部
23 照合部
24 欠陥判別部
25 記憶部
25a 検出データ
25b 2値化データ
25c 登録形状データ
100 基板
101 パネル
200-204 アンド回路
300-304 アンド回路
400-404 アンド回路
500 オア回路

Claims (8)

  1. TFT基板のパネルに所定電圧の検査信号を印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査において、
    前記荷電ビームの照射によってパネル上のサンプリング点の信号強度を検出する検出工程と、
    前記検出工程で検出したサンプリング点の信号強度を2値化し、2値化画像を求める2値化工程と、
    前記2値化工程で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、当該照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う照合工程と、
    前記照合工程の照合結果により、前記照合対象形状の中に前記登録形状が含まれるか否かを判別し、
    前記照合対象形状の中に、前記登録形状が少なくとも一つ含まれている場合に当該照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別し、
    前記照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合に当該照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する欠陥判別工程とを備え、
    前記欠陥判別工程で欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査方法。
  2. 前記2値化工程は、サンプリング点の信号強度と予め定めておいたしきい値とを比較し、前記サンプリング点に対応する位置に前記比較の結果に応じて2値を対応付けることにより2値化画像を形成することを特徴とする、請求項1に記載のTFTアレイ検査方法。
  3. 前記照合工程は、
    複数の登録形状を備え、当該複数の登録形状の中から選択した登録形状毎に照合対象形状との形状を比較することを特徴とする、請求項1又は2に記載のTFTアレイ検査方法。
  4. 前記照合工程は、
    同一の照合対象形状について、前記複数の登録形状からの登録形状を選択する選択工程と、当該選択工程で選択した登録形状と照合対象形状との形状を比較する形状比較工程とを、欠陥判別工程において欠陥と判別されるまで繰り返すことを特徴とする、請求項3に記載のTFTアレイ検査方法。
  5. TFT基板のパネルに所定電圧の検査信号を印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査において、
    前記荷電ビームの照射によってパネル上のサンプリング点の信号強度を検出する検出部と、
    前記検出部で検出したサンプリング点の信号強度を2値化し、2値化画像を求める2値化部と、
    前記2値化部で求めた2値化画像に含まれる形状を照合対象形状とし、当該照合対象形状と予め登録しておいた登録形状との形状を比較して照合を行う照合部と、
    前記照合部の照合結果により、前記照合対象形状の中に前記登録形状が含まれるか否かを判別し、
    前記照合対象形状の中に、前記登録形状が少なくとも一つ含まれている場合に当該照合対象形状を含むピクセルを欠陥と判別し、

    前記照合対象形状の中に、登録された全ての登録形状の何れの登録形状も含まれていない場合に当該照合対象形状を含むピクセルを正常と判別する欠陥判別部とを備え、
    前記欠陥判別部で欠陥と判別されたピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査装置。
  6. 前記2値化工程は、サンプリング点の信号強度と予め定めておいたしきい値とを比較し、前記サンプリング点に対応する位置に前記比較の結果に応じて2値を対応付けることにより2値化画像を形成することを特徴とする、請求項5に記載のTFTアレイ検査装置。
  7. 前記照合部は、
    複数の登録形状を備え、当該複数の登録形状の中から選択した登録形状毎に照合対象形状との形状を比較することを特徴とする、請求項5又は6に記載のTFTアレイ検査装置。
  8. 前記照合部は、
    同一の照合対象形状について、前記複数の登録形状からの登録形状を選択する選択工程と、当該選択工程で選択した登録形状と照合対象形状との形状を比較する形状比較工程とを、欠陥判別工程において欠陥と判別されるまで繰り返すことを特徴とする、請求項7に記載のTFTアレイ検査装置。
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