JP5388102B2 - 調味料製造方法 - Google Patents
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出汁をとること、鰹節、雑節、昆布、乾椎茸の何れかを水に入れて、加熱することにより行なわれる。
この様な抽出残渣を廃棄することは、貴重な天然資源の浪費であり、改善することが望まれる。
また、係る廃棄は、近年の環境問題意識の高まりと、ゴミ発生量を出来る限り減少しようとする社会的な要請とも、反している。
そのため、従来から、出汁をとった後の鰹節、雑節、昆布、乾椎茸(鰹節の抽出残渣、雑節の抽出残渣、昆布の抽出残渣、乾椎茸の抽出残渣)を有効利用する技術が望まれている。
しかし、その様な有効利用を可能とする技術は、現時点では、未だに提案されていない。
しかし、いわゆる「食の安全」について大変に関心が高まっている昨今では、消費者における天然素材由来の調味料に対する要請が強い。上述した(特許文献1に記載されている鰹節だし様の風味調味料の様な)調味料では、その様な消費者の要請に応えることが困難である。
ここで、「なまり」を作る際の煮熟工程とは、4つ割にされたカツオを煮籠に並べ、当該煮籠を熱湯が充填された煮釜に入れて煮る工程である。そして、煮釜の熱湯が、前記廃液(いわゆる「煮汁」)となる。
或いは、前記発酵工程を開始してから所定期間を経過した後に(発酵工程を開始して7日目〜20日目、好ましくは15日目)、アルコールを添加するのが好ましい。
そして、本発明により製造された調味料は、天然素材の材料のみが生じ得る旨みや風味を有している。特に、鰹節、雑節或いはその抽出残渣を用いた場合には、「節(鰹節、雑節)」様の風味を持つ調味料を製造することが出来る。
また、鰹節、雑節、昆布、乾椎茸、それ等の抽出残渣は、「出汁」をとるための天然素材であり、安全な「天然素材」からの旨み及び風味を提供することが出来るので、「食の安全」を求める消費者の要請にも応えることが出来る。
そして、液体の調味料であれば、固体或いは粉体の調味料に比較して、調理の際や、食卓において使用し易いという利点がある。
ここで、酵素を使用せず、安価に提供可能な麹を使用しているので、製造コストを低く抑えることが出来る。
また、酵素を用いた場合には、(酵素による分解では)苦味や雑味が強く、いわゆる「癖」のある味になり易い傾向があるが、麹を用いた本発明では、その様な問題はなく、万人が美味に感じられる調味料を製造することが出来る。
そして、本発明により製造された調味料は、動物性タンパク質等に由来する「生臭さ」がないので、誰にとっても味わい易く、美味に感じられる。
麹と酵母菌とによる並行発酵により、発酵が早期に終了するので、製品製造期間を短縮することが可能になる。
それに加えて、酵母菌が存在することにより、発酵工程における腐敗を防止することが出来る。
従来の醸造技術においては、発酵・熟成を行なう工程でpHが高いと酵母菌が減少してしまうため、発酵が進行して、pHが低下した後でなければ、酵母菌を添加することが出来なかった。そのため、従来の醸造技術では、発酵の当初から、酵母菌による並行発酵や、腐敗防止という生物学的作用効果を発揮させることは出来なかった。
これに対して、本発明では、乳酸菌12を添加してpHの増加が抑制されるので、発酵当初から酵母菌を添加することが可能であり、酵母菌による生物学的作用効果(発酵の進行、腐敗の抑制)を、発酵当初から発揮することが出来る。
ここで、従来の醸造では、高温にすると雑菌の繁殖力が旺盛になるため、醸造過程において温度を高温に設定することは困難であった。それに対して本発明の製造方法によれば、上述したように、乳酸菌により雑菌の繁殖が抑制されるので、発酵工程における温度を上昇して、発酵を促進させることが出来る。
その結果、消費者に「生臭い」と感じさせることなく、多数の消費者の嗜好に合致した「美味しい」調味料を製造することが出来る。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示している。
第1実施形態では、鰹節、雑節等の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、椎茸(好ましくは乾椎茸)等のきのこの抽出残渣を用いて、調味料を製造している。
図1において、算用数字で示す符号は材料或いはその種類を模式的に示しており、「S」をつけた符号は製造における各種工程を模式的に示している。
ただし、図1を参照して説明したのと同一の態様で、雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣を用いても調味料を製造することが出来る。
また、鰹節、雑節等の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣の何れかを単独で使用するのみならず、複数種類を混合して用いても、調味料を製造することが出来る。
加熱された鰹節1と水2とは、ステップS2で濾過されて、濾液(すなわち鰹出汁)3と、鰹節の抽出残渣4とに分離される。
図1では示されていないが、鰹出汁3は、例えば別種の調味料として製品化され、或いは、調理用に使用される。
一方、鰹節の抽出残渣4は秤量され(ステップS3)、秤量された鰹節の抽出残渣4は、図示しない発酵槽に投入されて(ラインL1参照)、攪拌、混合される(ステップS20)。
なお水2は、鰹出汁3を抽出するのに使用されている。
蒸煮した大豆5を用意して、所定量を秤量する(ステップS4)。
また、小麦6を秤量し(ステップS5)、種麹7を秤量する(ステップS6)。そして秤量された小麦6と種麹7とを混合する(ステップS8)。
図示の実施形態において、種麹としては、アスペルギルス(Aspergillus)属の「Aspergillus oryzae」を使用した。或いは、種麹として、同じくアスペルギルス(Aspergillus)属の「Aspergillus sojae」を用いることも可能である。
「Eurotium herbariorum」は、脂質を分解する能力が強く(リパーゼ活性が高く)、タンパク質分解能力は弱い(プロテアーゼ活性は低い)ので、例えば、脂質を多く包含する雑節の場合には、上述した麹(Aspergillus oryzae、Aspergillus sojae)と「Eurotium herbariorum」を併用することが有効である。
図1では明示されていないが、製麹工程(ステップS9)では、蒸煮大豆5、小麦6、種麹7との混合物を室温(例えば25℃)で静置する(いわゆる「寝かした」状態)。
「寝かした」状態においては、種麹の生物学的作用による発酵熱が生じて、蒸煮大豆5、小麦6、種麹7との混合物が昇温する。そのため、適当な間隔を空けて当該混合物を攪拌し、発酵熱を空中に拡散して、混合物自体を降温させる必要がある。
適切に「寝かして」培養した結果、大豆麹8が生成されたならば、秤量して(ステップS10)、ステップS20で攪拌、混合する。
食塩9を秤量し(ステップS11)、水10(混合工程で添加される水分)を秤量し(ステップS12)、秤量された食塩を水に溶かして食塩水とせしめ(ステップS13)、当該食塩水をステップS20で攪拌、混合する。
食塩9は、雑菌の繁殖を抑制し、雑菌による汚染を防止するために添加される。
ここで、鰹節1と混合される水2は鰹出汁3を抽出するのに使用され、ステップS20で攪拌、混合はされないのに対して、水10はその全量がステップS20で攪拌、混合されることになる。
鰹節製造の中間工程として煮熟工程があり、「なまり」は煮熟工程で作られる。煮熟工程では、4つ割にされたカツオを煮籠に並べ、当該煮籠を熱湯が充填された煮釜に入れて煮る。この際、煮釜に残留した熱湯が、前記廃液(いわゆる「煮汁」)である。
なお、水10を添加する場合には、煮汁は添加しない。
また、廃液(煮汁)には、全窒素として0.2〜0.6(g/100ml)が包含されているので、「旨味」をより一層付加することが出来るという効果がある。
ここで、出願人が行なった実験では、全窒素0.6(g/100ml)の煮汁を2〜7倍以上に濃縮し、全窒素4.3(g/100ml)まで濃縮可能であることが分かっている。その様な濃縮した煮汁も使用可能である。
ここで、耐塩性酵母菌11は、「Zygosaccharomyces rouxii」を用いた。或いは、「Candida versatilus」を用いることも可能である。
また乳酸菌12としては、「Pediococcus halophilus」を用いた。
係る並行発酵が行われることにより、発酵・熟成工程S21が早期に終了するので、調味料の製造期間を短縮することが出来る。
また、耐塩性酵母菌11が存在することにより、発酵・熟成工程S21における腐敗を防止することが出来る。
さらに、雑菌の繁殖を抑制し、雑菌による汚染を防止するため食塩9を添加しても、酵母菌11は耐塩性を有しているので、食塩9により耐塩性酵母菌11による発酵作用、腐敗の防止作用が抑制されてしまうことはない。
発酵・熟成工程S21においてpHが高いと耐塩性酵母菌11が減少してしまう恐れがある。そのため、例えば、従来における醤油の製造技術では、pHが低下しないと酵母菌を添加することが出来なかった。
これに対して、図示の実施形態では、乳酸菌12を加えてpHの増加が抑制されるので、発酵・熟成工程S21の当初から(換言すれば、その前段階である攪拌・混合工程S20から)耐塩性酵母菌11を添加しても、当該酵母菌が減少してしまうことが防止され、上述した耐塩性酵母菌11の生物学的作用効果(発酵の進行、腐敗の抑制)が、発酵・熟成工程S21の当初から発揮されるというメリットがある。
これに加えて、乳酸菌12は雑菌の繁殖を抑制するので、発酵工程における雑菌の繁殖を防止することが出来る。そのため、雑菌の繁殖が抑制しつつ、発酵・熟成工程S21を高温下で行なって、発酵を促進させることが出来る。
図示はされていないが、熟成工程(ステップS21)において、7日目〜20日目(好ましくは15日目)に酵母菌を追加する(後熟酵母菌を入れる)のが好ましい。後熟酵母菌を入れることにより、いわゆる「発酵臭」が強くなり過ぎることが防止できるからである。
後熟酵母菌を入れることにより発酵臭が抑制出来るのは、アルコール発酵菌である酵母菌が乳酸菌と拮抗して、乳酸菌による過剰な作用を抑制するためと思われる。
後熟酵母菌としては、Zygosaccharomyces rouxiiか、Candida versatilusの何れかであるのが好ましい。また、後熟酵母菌添加量は、前記混合液1gに対して菌数が103以上、好ましくは1gに対して105以上である。
この場合も、添加されるアルコールにより、乳酸菌による過剰な作用が抑制されることにより、発酵臭が抑制されると思量する。
これに対して、出願人が行なった別の実験では、熟成工程(ステップS21)の間に一回も攪拌せず、いわゆる「寝かしたまま」の状態であっても、良好な調味料が製造できることが確認されている。
すなわち、熟成工程(ステップS21)において、3日〜7日に一度、前記混合液を攪拌しても良いし、或いは、攪拌することなく、いわゆる「寝かしたまま」の状態でも良い。
そのため、ステップS22において、発酵・熟成工程S21を終了する時機について判断する(発酵終了時決定工程:終点チェック工程)。
図2を参照して後述するように、旨みにおける支配的な組成であるグルタミン酸の含有量は、発酵初期には増加し続けるが、最大値になると、それ以降は減少してしまう。
グルタミン酸含有量が前計測時のグルタミン酸含有量に比較して減少した時点は、グルタミン酸含有量のピークを越えた直後であり、この時点で発酵・熟成工程S21を終了すれば、発酵食品として最も旨みがある状態にすることが出来る。
なお、グルタミン酸含有量のピーク近傍の期間であれば、製造された調味料が「美味しい」と感じられる旨は、表3を参照して後述される。
実験2でも述べられているが、pHが最も低下するタイミングと、グルタミン酸の含有量のピークとは、殆ど一致する。計測されたpHが前計測時のpHよりも上昇した時点は、pHが最も低下するタイミングの近傍であり、グルタミン酸含有量のピーク近傍の時点でもある。
そのため、計測されたpHが前計測時のpHよりも上昇した時点で発酵・熟成工程S21を終了すれば、最も旨みがある状態の発酵食品を提供することが出来る。
ステップS22で発酵・熟成工程が終了した旨が判断されたならば、係る混合液を圧搾して、濾過する(ステップS23:第1の濾過工程)。
ここで、火入れ工程S24により、濾液は褐変する。
ステップS25では、火入れ工程S24により褐変した濾液に対して、さらに圧搾及び濾過を行なう(第2の濾過工程)。そして、ステップS25で濾過された濾液が、製品として、容器に充填され、梱包等の出荷に必要な工程に送られる(ステップS26)。
また、ステップS25で濾過された濾液やステップS26の製品を原料として、各種調味料を製造することも可能である。
ただし、耐塩性酵母菌及び乳酸菌における配合幅の「+」という表示は、「ゼロでなければ良い」ことを意味している。
表1における抽出残渣は鰹節の抽出残渣である。
また、表1における水は、図1において符号10で示す水を意味している。そして、図1を参照して説明したように、煮汁は水10に代えて使用されるものであり、水10が添加される場合には、煮汁は添加されない。
一方、鰹節の抽出残渣の添加量が50重量%より多い場合には、抽出残渣4、大豆麹8、食塩9を溶融した水10、耐塩性酵母菌11、乳酸菌12の混合物は、発酵・熟成工程が終了した後(ステップS22以降)、粘性の高い流動体状となってしまい、圧搾及び濾過(ステップS23)が困難になってしまう。
製品である調味料に一定以上の窒素含有量があり、旨みや風味が十分であり、且つ、製造工程において、発酵、熟成され、液化された前記混合物の粘度が高くなり過ぎないためには、鰹節の抽出残渣の添加量が5重量%〜50重量%、より好ましくは20重量%〜40重量%とするべきことが、判明した。
出願人が行なった官能試験の結果、大豆麹の添加量が20重量%を超えると、製品である調味料の味が醤油の様になってしまい、「鰹風味の調味料」とは言えなくなってしまうからである。
ここで、大豆麹の添加量の加減については、「+」、すなわちゼロでなければ良い。大豆麹が添加されてさえいれば、その添加量が少なくても、発酵、熟成する期間を調整することにより、十分な発酵、熟成が期待できるからである。
出願人が行なった官能試験では、大豆麹の添加量が5重量%〜10重量%の範囲であれば、旨みと風味のバランスがとれた調味料が製造された。
その様な場合には、麹菌はゼロでなければ良く、好ましくは、単位質量あたり103以上存在すれば良い。
一方、水の添加量が90重量%を超えた場合には、製品である調味料における窒素含有量が少なくなり、旨みや風味が乏しくなることが分かった。
そして出願人の実験では、製造工程において、発酵、熟成された混合物の粘度が高くなり過ぎず、且つ、製品である調味料に一定以上の窒素含有量があり、旨みや風味が十分となるためには、水の添加量が10重量%〜90重量%、より好ましくは40重量%〜67重量%とするべきことが、判明した。
なお、煮汁を代用した場合における添加量の範囲と、その範囲を外れた場合のデメリットについても、水と同様である。
一方、官能実験の結果、食塩添加量が18重量%を超えてしまうと、製造された調味料における塩気が強すぎて、いわゆる「しょっぱい」味になってしまうことが分かった。
したがって、食塩添加量は5重量%〜18重量%とするべきである。出願人が別途行なった実験によれば、食塩添加量は8重量%〜15重量%が好適であることが分かった。
図1を参照して説明したように、耐塩性酵母菌が存在しないと発酵・熟成工程が長期化すると共に、腐敗が生じる恐れがあり、雑菌が繁殖し、それによる汚染の問題が生じてしまう。
また、乳酸菌が存在しないと、pHが高くなって耐塩性酵母菌が減少してしまうと共に、雑菌が繁殖してしまう。
出願人が行なった発酵実験である実験1について説明する。
下表2で示すように、雑節(図2における試験区1)、昆布(図2における試験区2)、鰹節(図2における試験区3)を大豆麹によって45日間に亘って発酵し、毎日、各種アミノ酸の含有量を計測した。
それと共に、発酵工程にある雑節、昆布、鰹節の味について、毎日、官能検査を行なった。
表2
図2から明らかなように、旨みについて大きな影響を及ぼすグルタミン酸については、その含有量にピークが存在する。
そして、ピークを過ぎても発酵を続けていると、「旨みの指標」ともいうべきグルタミン酸含有量は減少する。
下表3において、「×」は風味や旨みが感じられなかったことを意味しており、「△」は風味や旨みが感じられたが比較的弱かったことを意味しており、「○」は風味や旨みが十分に感じられたことを意味している。
表3
表3と図2とを比較することにより得られる結果、すなわち、官能検査で「美味しい」と判定された範囲と、図2におけるグルタミン酸含有量がピークになる範囲とが概略一致するという結果より、ステップS22(図1)において、発酵、熟成の終了時点を判断するのに、グルタミン酸の含有量で判断することの妥当性が明らかとなった。
すなわち、発酵、熟成は、風味、旨みがあると感じられる範囲で終了するべきであり、官能試験により風味、旨みがあると感じられる範囲と、グルタミン酸の含有量がピークになる範囲とは概略一致している。そのため、発酵、熟成の終了は、官能試験で風味、旨みを直接判断することのみならず、グルタミン酸の含有量によって、判断することが出来るのである。
図3から明らかなように、発酵の初期にはpHが低下するが、ある時点からpHが上昇する。
明確には図示してはいないが、出願人の実験では、pHが最も低下する発酵日数と、表3の官能検査で「美味しい」と感じられる領域とが近接している。
したがって、計測したpHが前回計測したpHよりも高くなった段階で、官能検査で「美味しい」と感じられる様になる。
そして、計測したpHが前回計測したpHよりも高くなった時期と官能検査で「美味しい」と感じられる領域とは広い範囲に亘って重複しているので、計測したpHが前回計測したpHよりも高くなった時期を以って、発酵、熟成の終了時期とすることも妥当である。
主として図1で説明した第1実施形態では、鰹節の抽出残渣(雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣、或いは鰹節の抽出残渣、雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣を複数種類混合した抽出残渣の場合もある)を秤量して、原料として混合しているが、図4の第2実施形態では、出汁をとっていない鰹節を、調味料製造の原料として使用している。
図4において、ステップS31では、原材料である鰹節1A(雑節その他の魚節、昆布等の海藻、乾椎茸等のきのこ、或いは鰹節、雑節その他の魚節、昆布等の海藻、乾椎茸等のきのこを複数種類混合した材料であっても良い)を秤量し、そしてラインL11で示す様に、図示しない発酵槽にて混合・攪拌する(ステップS20A)。
図4の第2実施形態において、その他の原料や工程は、図1を参照して説明した第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、鰹節の抽出残渣と、出汁をとる前の鰹節とを、調味料の原料として使用している。
図5において、鰹節の抽出残渣4(雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣、或いは鰹節の抽出残渣、雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣を複数種類混合した抽出残渣の場合もある)と、鰹節1A(雑節その他の魚節、昆布等の海藻、乾椎茸等のきのこ、或いは鰹節、雑節その他の魚節、昆布等の海藻、乾椎茸等のきのこを複数種類混合した材料であっても良い)とを秤量し(ステップS32)、ラインL12で示す様に、図示しない発酵槽にて混合・攪拌する(ステップS20B)。
図5の第3実施形態において、その他の原料や工程は、第1実施形態或いは第2実施形態と同様である。
図1、図4、図5で示す実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)では、小麦6と種麹7とを混合(ステップS7)した後、蒸煮大豆5と混合して(ステップS8)、製麹工程(ステップS9)に移行する。
それに対して、図6の第4実施形態では、製麹工程以前における材料を混合する順序が、図1、図4、図5で示す各実施形態とは異なっている。
図6において、ステップS35の製麹工程における作業は、図1、図4、図5における製麹工程(ステップS9)と同様である。
図6の製麹工程(ステップS35)で製造された大豆麹8Aは、秤量されて(ステップS10)、攪拌、混合(ステップS20C)を行なうべく、図示しない発酵槽に投入される(ラインL22参照)。
ここで、図6の第4実施形態では、鰹節の抽出残渣4(雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣、或いは鰹節の抽出残渣、雑節その他の魚節の抽出残渣、昆布等の海藻の抽出残渣、乾椎茸等のきのこの抽出残渣を複数種類混合した抽出残渣も含む)を図示しない発酵槽に投入しているが(ラインL1参照)、雑節その他の魚節、昆布等の海藻、乾椎茸等のきのこ1A(図4参照)を図示しない発酵槽に投入しても良く(図4のラインL11参照)、或いは、節1と抽出残渣4の双方を図示しない発酵槽に投入して、混合、攪拌しても良い(図5のラインL12参照)。
図1、図4〜図6の各実施形態では、発酵により液化した混合物を圧搾して、濾過し(ステップS23)、分離した濾液を加熱して、麹や酵母を失活せしめている(ステップS24:火入れ工程)。
これに対して、図7の第5実施形態では、発酵により液化した混合物を圧搾、濾過した後(ステップS23の後)、分離した濾液を加熱せずに(ステップS24の火入れ工程を行なうことなく)、麹や酵母が失活していない状態で、製品として、容器に充填され、梱包等の出荷に必要な工程に送られる(ステップS38)。
また、ステップS23で圧搾して濾過して分離した濾液、或いは、ステップS38の製品を原料として、各種調味料を製造することも可能である。
図7の第5実施形態において、その他の原料や工程は、図1の第1実施形態と同様である。
また、図7では、小麦6と種麹7を混合(ステップS7)した後に蒸煮大豆5と混合して(ステップS8)して大豆麹8を製造しているが、図6の第4実施形態と同様に、蒸煮大豆5と小麦6とを混合し(図6のステップS33)、その後、蒸煮大豆5を混合(図6のステップS34)して、大豆麹8A(図6)を製造しても良い。
2・・・水
3・・・鰹出汁
4・・・鰹節の抽出残渣
5・・・蒸煮大豆
6・・・小麦
7・・・種麹
8、8A・・・大豆麹
9・・・食塩
10・・・水(煮汁)
11・・・耐塩性酵母菌
12・・・乳酸菌
Claims (6)
- 鰹節抽出残渣と、麹(8、8A)と、酵母菌(11)と、乳酸菌(12)と、水分(10)とを撹拌混合する混合工程(S20、S20A、S20B、S20C)と、その混合工程で生成された混合液を発酵・熟成する発酵・熟成工程(S21)と、発酵・熟成工程が終了した混合液を濾過する濾過工程(S23)とを有する調味料製造方法において、蒸煮した大豆(5)と小麦(6)と種麹(7)とを混合して(S8)、麹を培養し(S9)、その製麹した大豆麹(8)を前記混合工程において撹拌混合すると共に、食塩(9)を水(10)に溶解させた(S13)食塩水を前記混合工程において撹拌混合し、前記混合工程における混合の割合は全体を100重量%とすると鰹節抽出残渣20〜40%、大豆麹5〜10%、水40〜67%そして食塩8〜15%であり、前記発酵・熟成工程は16日から28日の間であることを特徴とする調味料製造方法。
- 鰹節抽出残渣と、麹(8、8A)と、酵母菌(11)と、乳酸菌(12)と、水分(10)とを撹拌混合する混合工程(S20、S20A、S20B、S20C)と、その混合工程で生成された混合液を発酵・熟成する発酵・熟成工程(S21)と、発酵・熟成工程が終了した混合液を濾過する濾過工程(S23)とを有する調味料製造方法において、蒸煮した大豆(5)と小麦(6)と種麹(7)とを混合して(S8)、麹を培養し(S9)、その製麹した大豆麹(8)を前記混合工程において撹拌混合すると共に、食塩(9)を水(10)に溶解させた(S13)食塩水を前記混合工程において撹拌混合し、前記混合工程における混合の割合は全体を100重量%とすると鰹節抽出残渣20〜40%、大豆麹5〜10%、水40〜67%そして食塩8〜15%であり、前記発酵・熟成工程(S21)は混合液中のグルタミン酸の量を計測して計測されたグルタミン酸の量が前計測時のグルタミン酸量に比較して減少した時点に終了することを特徴とする調味料製造方法。
- 鰹節抽出残渣と、麹(8、8A)と、酵母菌(11)と、乳酸菌(12)と、水分(10)とを撹拌混合する混合工程(S20、S20A、S20B、S20C)と、その混合工程で生成された混合液を発酵・熟成する発酵・熟成工程(S21)と、発酵・熟成工程が終了した混合液を濾過する濾過工程(S23)とを有する調味料製造方法において、蒸煮した大豆(5)と小麦(6)と種麹(7)とを混合して(S8)、麹を培養し(S9)、その製麹した大豆麹(8)を前記混合工程において撹拌混合すると共に、食塩(9)を水(10)に溶解させた(S13)食塩水を前記混合工程において撹拌混合し、前記混合工程における混合の割合は全体を100重量%とすると鰹節抽出残渣20〜40%、大豆麹5〜10%、水40〜67%そして食塩8〜15%であり、前記発酵・熟成工程(S21)は混合液中のpHを計測して計測されたpHが前計測時のpHよりも上昇した時点に終了することを特徴とする調味料製造方法。
- 前記混合工程で添加される水分(10)としては、水か、鰹節製造における「なまり」を作る際の煮熟工程における廃液の何れかを用いる請求項1〜3の何れか1項の調味料製造方法。
- 前記発酵・熟成工程を開始してから所定期間を経過した後に酵母菌を添加する請求項1〜4の何れか1項の調味料製造方法。
- 前記発酵・熟成工程を開始してから所定期間を経過した後にアルコールを添加する請求項1〜4の何れか1項の調味料製造方法。
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