JP3025586B2 - 調味料の製造方法 - Google Patents
調味料の製造方法Info
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- JP3025586B2 JP3025586B2 JP4220903A JP22090392A JP3025586B2 JP 3025586 B2 JP3025586 B2 JP 3025586B2 JP 4220903 A JP4220903 A JP 4220903A JP 22090392 A JP22090392 A JP 22090392A JP 3025586 B2 JP3025586 B2 JP 3025586B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調味料の製造方法、さ
らに詳しくは、節抽出残渣を有効に利用して、節香気
(だし様香気)が顕著に付与され、香味共にすぐれた調
味料を短期間に製造する方法に関するものである。
らに詳しくは、節抽出残渣を有効に利用して、節香気
(だし様香気)が顕著に付与され、香味共にすぐれた調
味料を短期間に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】節類は、その特有の節香気と呈味性を有
する極めてすぐれた調味物であり、特にその抽出物が調
味料として広く利用されている。従来、この節類の抽出
の際に生じる節抽出残渣の有効利用法として、例えば節
抽出残渣に、分解により旨味アミノ酸を生成する昆布、
エビ類、小麦グルテン、椎茸などのを0.5〜5%加
え、酵素分解するだしの製造方法(特開平1−3008
72号公報)などが知られている。
する極めてすぐれた調味物であり、特にその抽出物が調
味料として広く利用されている。従来、この節類の抽出
の際に生じる節抽出残渣の有効利用法として、例えば節
抽出残渣に、分解により旨味アミノ酸を生成する昆布、
エビ類、小麦グルテン、椎茸などのを0.5〜5%加
え、酵素分解するだしの製造方法(特開平1−3008
72号公報)などが知られている。
【0003】しかしながら、この方法は、主に節抽出残
渣の呈味成分の有効利用に着目したものであり、そして
得られたものは、節香気を有していず、添加物に由来す
る香気が付与されたに過ぎないものであって、香気の観
点からは必ずしも満足すべきものでない。このことは、
節抽出残渣が節香気を実質的に有していないことに起因
しており、これがために、該節抽出残渣の有効利用はか
なり制限されている。
渣の呈味成分の有効利用に着目したものであり、そして
得られたものは、節香気を有していず、添加物に由来す
る香気が付与されたに過ぎないものであって、香気の観
点からは必ずしも満足すべきものでない。このことは、
節抽出残渣が節香気を実質的に有していないことに起因
しており、これがために、該節抽出残渣の有効利用はか
なり制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、節香気を実
質的に有していないこの節抽出残渣を用いて、節香気が
顕著に付与され、香味共にすぐれた調味料を短期間に製
造することを目的としてなされたものである。
質的に有していないこの節抽出残渣を用いて、節香気が
顕著に付与され、香味共にすぐれた調味料を短期間に製
造することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために種々研究を重ねた結果、節抽出残渣と
醤油麹を食塩水と共に仕込み、これを醤油酵母を用いて
短期間発酵させることにより、節香気が顕著に付与さ
れ、香味共にすぐれた調味料を製造し得ることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、節抽出残渣と醤油麹を食塩水と共に
仕込み、この仕込と同時又はその直後に醤油酵母を添加
し、5〜14日間発酵させることを特徴とする調味料の
製造方法である。
を達成するために種々研究を重ねた結果、節抽出残渣と
醤油麹を食塩水と共に仕込み、これを醤油酵母を用いて
短期間発酵させることにより、節香気が顕著に付与さ
れ、香味共にすぐれた調味料を製造し得ることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、節抽出残渣と醤油麹を食塩水と共に
仕込み、この仕込と同時又はその直後に醤油酵母を添加
し、5〜14日間発酵させることを特徴とする調味料の
製造方法である。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。先
ず、本発明において節抽出残渣としては、例えば鰹節、
鯖節、宗田節などの節類を粉砕したもの、削ったものな
どに、常法による抽出処理、例えば水、アルコールなど
を用い、加熱又は加熱せずの通常の抽出処理を施し、だ
しを採取した残渣が用いられる。該節抽出残渣は、前記
のごとく節香気を実質的に有していないものである。そ
して、その使用に際しては、湿潤状態(例えば浸漬、散
水などにより、水分を適度に含有させた状態)とするこ
とが好ましい。
ず、本発明において節抽出残渣としては、例えば鰹節、
鯖節、宗田節などの節類を粉砕したもの、削ったものな
どに、常法による抽出処理、例えば水、アルコールなど
を用い、加熱又は加熱せずの通常の抽出処理を施し、だ
しを採取した残渣が用いられる。該節抽出残渣は、前記
のごとく節香気を実質的に有していないものである。そ
して、その使用に際しては、湿潤状態(例えば浸漬、散
水などにより、水分を適度に含有させた状態)とするこ
とが好ましい。
【0007】また、醤油麹としては、特に限定されず、
通常の醤油麹、例えば蛋白質原料及び炭水化物原料を常
法により原料処理し(原料組織の軟化、蛋白質の変性、
澱粉のα化、殺菌など)、これに醤油用麹菌(例えばを
アスペルギルス・オリーゼ、アスペルギルス・ソーヤな
ど)を接種、培養して得られる醤油麹などが有効に用い
られる。この蛋白質原料としては、例えば大豆、脱脂大
豆(脱脂加工大豆)、脱皮大豆、大豆蛋白ミール、小麦
グルテン、トウモロコシグルテンなどが、また炭水化物
原料としては、例えば小麦、大麦、米、トウモロコシな
どが用いられる。
通常の醤油麹、例えば蛋白質原料及び炭水化物原料を常
法により原料処理し(原料組織の軟化、蛋白質の変性、
澱粉のα化、殺菌など)、これに醤油用麹菌(例えばを
アスペルギルス・オリーゼ、アスペルギルス・ソーヤな
ど)を接種、培養して得られる醤油麹などが有効に用い
られる。この蛋白質原料としては、例えば大豆、脱脂大
豆(脱脂加工大豆)、脱皮大豆、大豆蛋白ミール、小麦
グルテン、トウモロコシグルテンなどが、また炭水化物
原料としては、例えば小麦、大麦、米、トウモロコシな
どが用いられる。
【0008】前記節抽出残渣と醤油麹との混合割合は特
に制限されないが、香味のバランス及び窒素利用率の観
点から、醤油麹の製麹原料(原料重量換算)1重量部に
対し、節抽出残渣を乾物換算で0.3〜3.0重量部と
するのが好ましく、特に0.5〜1.5重量部が好まし
い。
に制限されないが、香味のバランス及び窒素利用率の観
点から、醤油麹の製麹原料(原料重量換算)1重量部に
対し、節抽出残渣を乾物換算で0.3〜3.0重量部と
するのが好ましく、特に0.5〜1.5重量部が好まし
い。
【0009】次に、前記節抽出残渣と醤油麹とを食塩水
と共に仕込むのであるが、この際の食塩水の添加量は、
仕込時の節抽出残渣と醤油麹の重量の0.5〜2.0倍
量が好ましく、0.8〜1.2倍量が特に好ましい。。
また、このときの仕込混合物の食塩濃度は、雑菌増殖防
止及び加水分解の促進の観点から、6〜14%(W/
V)が好適であり、中でも殊に、8〜10%(W/V)
が適している。そして該仕込混合物の品温は30〜45
℃、好ましくは37〜42℃に保持される。この品温が
30℃未満のときは原料蛋白質の利用率(窒素利用率)
が低下し、また、45℃を越えるときは醤油酵母の生育
が抑制されるばかりでなく、焦げ臭が生じるため、好ま
しくない。
と共に仕込むのであるが、この際の食塩水の添加量は、
仕込時の節抽出残渣と醤油麹の重量の0.5〜2.0倍
量が好ましく、0.8〜1.2倍量が特に好ましい。。
また、このときの仕込混合物の食塩濃度は、雑菌増殖防
止及び加水分解の促進の観点から、6〜14%(W/
V)が好適であり、中でも殊に、8〜10%(W/V)
が適している。そして該仕込混合物の品温は30〜45
℃、好ましくは37〜42℃に保持される。この品温が
30℃未満のときは原料蛋白質の利用率(窒素利用率)
が低下し、また、45℃を越えるときは醤油酵母の生育
が抑制されるばかりでなく、焦げ臭が生じるため、好ま
しくない。
【0010】本発明は、特に、この仕込と同時又はその
直後(本発明では10時間以内をいう)に、醤油酵母を
添加し、発酵させることを特徴とするものであるが、こ
のことによって、節抽出残渣と醤油麹の加水分解物に節
香気が顕著に付与される。醤油酵母の添加がこの時点よ
り遅れると、得られた調味料への節香気付与が十分でな
く、不適である。
直後(本発明では10時間以内をいう)に、醤油酵母を
添加し、発酵させることを特徴とするものであるが、こ
のことによって、節抽出残渣と醤油麹の加水分解物に節
香気が顕著に付与される。醤油酵母の添加がこの時点よ
り遅れると、得られた調味料への節香気付与が十分でな
く、不適である。
【0011】添加される醤油酵母としては、通常の耐塩
性の醤油酵母が有効に用いられ、その好適な例として、
サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356、サッ
カロミセス・ルーキシ ATCC14679、サッカロ
ミセス・ルーキシ ATCC14680、トルロプシス
・ノダエンシス ATCC20189、トルロプシス・
マグノリア ATCC13782、トルロプシス・エチ
ェルシ ATCC20190、トルロプシス・スフェリ
カ ATCC13193、トルロプシス・フェルサチリ
ス ATCC20191などが挙げられる。該醤油酵母
は常法により培養して得られる。そして、この醤油酵母
の培養液又はその採取菌体を前記仕込混合物1g当たり
103個以上、好ましくは105個以上となるように添加
し、前記品温で5〜14日間、好ましくは8〜12日間
発酵させる。この発酵期間が5日間未満では、節香気の
付与が十分でなく、また14日間を越えると、いったん
付与された節香気が減少するばかりでなく、醤油香気が
強くなり過ぎて、目的とする調味料を得ることができな
い。この発酵期間においては、特別な管理を必要とせ
ず、時々攪拌を行う程度でよい。
性の醤油酵母が有効に用いられ、その好適な例として、
サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356、サッ
カロミセス・ルーキシ ATCC14679、サッカロ
ミセス・ルーキシ ATCC14680、トルロプシス
・ノダエンシス ATCC20189、トルロプシス・
マグノリア ATCC13782、トルロプシス・エチ
ェルシ ATCC20190、トルロプシス・スフェリ
カ ATCC13193、トルロプシス・フェルサチリ
ス ATCC20191などが挙げられる。該醤油酵母
は常法により培養して得られる。そして、この醤油酵母
の培養液又はその採取菌体を前記仕込混合物1g当たり
103個以上、好ましくは105個以上となるように添加
し、前記品温で5〜14日間、好ましくは8〜12日間
発酵させる。この発酵期間が5日間未満では、節香気の
付与が十分でなく、また14日間を越えると、いったん
付与された節香気が減少するばかりでなく、醤油香気が
強くなり過ぎて、目的とする調味料を得ることができな
い。この発酵期間においては、特別な管理を必要とせ
ず、時々攪拌を行う程度でよい。
【0012】ここで、醤油酵母の添加効果及び添加時期
について検討した結果を実験例として示す。 実験例 常法により得た醤油麹180g(原料脱脂大豆57g、
小麦69g、醤油麹菌アスペルギルス・オリーゼ AT
CC20386)と荒本節(鰹節)の熱水抽出残渣28
0g(醤油麹の製麹原料1重量部に対し、乾物換算で
1.0重量部)を15.3%(W/V)の食塩水450
ml(節抽出残渣と醤油麹の重量の1.0倍量)と共に
仕込み[仕込混合物の食塩濃度8.1%(W/V)]、
これに表1に示した時点に、別に培養して得た醤油酵母
サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356[濃口
生醤油10%、グルコース7%、食塩8%、リン酸1カ
リウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化カ
ルシウム0.01%、酵母エキス0.1%(%はいずれ
もW/V)、pH5.0の培地で30℃、72時間通気
培養して得たもの]を仕込混合物1g当たり1×105
個となるように添加し、42℃の品温で10日間発酵さ
せた。この間、時々攪拌した。発酵終了後、圧搾して濾
過し、80℃で1時間火入れ処理をしたのち、さらに珪
藻土濾過を行って、調味料を得た。また、表1におい
て、「無添加」とは、醤油酵母を無添加とする以外は上
記と同様にして得た調味料である。
について検討した結果を実験例として示す。 実験例 常法により得た醤油麹180g(原料脱脂大豆57g、
小麦69g、醤油麹菌アスペルギルス・オリーゼ AT
CC20386)と荒本節(鰹節)の熱水抽出残渣28
0g(醤油麹の製麹原料1重量部に対し、乾物換算で
1.0重量部)を15.3%(W/V)の食塩水450
ml(節抽出残渣と醤油麹の重量の1.0倍量)と共に
仕込み[仕込混合物の食塩濃度8.1%(W/V)]、
これに表1に示した時点に、別に培養して得た醤油酵母
サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356[濃口
生醤油10%、グルコース7%、食塩8%、リン酸1カ
リウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化カ
ルシウム0.01%、酵母エキス0.1%(%はいずれ
もW/V)、pH5.0の培地で30℃、72時間通気
培養して得たもの]を仕込混合物1g当たり1×105
個となるように添加し、42℃の品温で10日間発酵さ
せた。この間、時々攪拌した。発酵終了後、圧搾して濾
過し、80℃で1時間火入れ処理をしたのち、さらに珪
藻土濾過を行って、調味料を得た。また、表1におい
て、「無添加」とは、醤油酵母を無添加とする以外は上
記と同様にして得た調味料である。
【0013】こうして得た各調味料の節香気(だし様香
気)につき、官能検査をした結果を表1に示す。なお、
以下の実験例及び実施例における官能検査は、熟練した
パネル15名による評点法で行った。このときの評点
は、節香気が 極めて弱い(ない)・・・0点 弱い ・・・1点 普通 ・・・2点 強い ・・・3点 かなり強い ・・・4点 極めて強い ・・・5点 とした。
気)につき、官能検査をした結果を表1に示す。なお、
以下の実験例及び実施例における官能検査は、熟練した
パネル15名による評点法で行った。このときの評点
は、節香気が 極めて弱い(ない)・・・0点 弱い ・・・1点 普通 ・・・2点 強い ・・・3点 かなり強い ・・・4点 極めて強い ・・・5点 とした。
【0014】 表1 添加時期 評点(平均値±標準偏差) t−検定 ───────────────────────────── 仕込と同時 3.73 ± 0.68 ** 仕込後 5時間 3.60 ± 0.95 ** 10時間 3.87 ± 0.71 ** 15時間 1.40 ± 0.61 * 24時間 1.06 ± 0.68 − ───────────────────────────── 無添加 0.80 ± 0.75 注: *;5%危険率で有意差あり **;1%危険率
で有意差あり
で有意差あり
【0015】表1から、醤油酵母を仕込と同時又はその
直後(10時間以内)に添加することにより、調味料へ
節香気が顕著に付与されるのに対し、醤油酵母を無添加
とした場合には、調味料への節香気の付与が認められな
いことがわかる。
直後(10時間以内)に添加することにより、調味料へ
節香気が顕著に付与されるのに対し、醤油酵母を無添加
とした場合には、調味料への節香気の付与が認められな
いことがわかる。
【0016】次に、前記醤油酵母の他にさらに醤油乳酸
菌を添加することもできる。該醤油乳酸菌としては、特
に制限されず、通常の耐塩性の醤油乳酸菌であればいず
れでもよいが、その好適な例としては、ペディオコッカ
ス・ソーエ IAM1673(ATCC13621)、
ペディオコッカス・ソーエ IAM1681(ATCC
13622)、ペディオコッカス・ソーエ IAM16
85(ATCC13623)、ペディオコッカス・ハロ
フィルス IAM1693、ペディオコッカス・ハロフ
ィルス FERM−PNo.1414、テトラコッカス
・ソーエ FERM−PNo.1401、ストレプトコ
ッカス・フアエカリスなどが挙げられる。該醤油乳酸菌
は常法により培養して得られる。そしてこの添加時期は
仕込と同時から仕込後3日の間とするのが好ましい。本
発明の方法においては、醤油酵母の添加のみによって、
その目的を達成することができるが、上記のように醤油
乳酸菌の添加により、香味のさらにすぐれた調味料を得
ることができる。
菌を添加することもできる。該醤油乳酸菌としては、特
に制限されず、通常の耐塩性の醤油乳酸菌であればいず
れでもよいが、その好適な例としては、ペディオコッカ
ス・ソーエ IAM1673(ATCC13621)、
ペディオコッカス・ソーエ IAM1681(ATCC
13622)、ペディオコッカス・ソーエ IAM16
85(ATCC13623)、ペディオコッカス・ハロ
フィルス IAM1693、ペディオコッカス・ハロフ
ィルス FERM−PNo.1414、テトラコッカス
・ソーエ FERM−PNo.1401、ストレプトコ
ッカス・フアエカリスなどが挙げられる。該醤油乳酸菌
は常法により培養して得られる。そしてこの添加時期は
仕込と同時から仕込後3日の間とするのが好ましい。本
発明の方法においては、醤油酵母の添加のみによって、
その目的を達成することができるが、上記のように醤油
乳酸菌の添加により、香味のさらにすぐれた調味料を得
ることができる。
【0017】以上のごとくして得られた調味料は、殺菌
してそのまま製品とすることもできるが、通常は、例え
ば圧搾、遠心分離などにより濾過して不溶物を除き、火
入処理して製品とする。また、上記調味料の製造工程の
適当段階で、節香気を損なわない範囲で、適宜の他の食
品添加物、例えば旨味料、酸味料、甘味料、香料などを
添加することもできる。
してそのまま製品とすることもできるが、通常は、例え
ば圧搾、遠心分離などにより濾過して不溶物を除き、火
入処理して製品とする。また、上記調味料の製造工程の
適当段階で、節香気を損なわない範囲で、適宜の他の食
品添加物、例えば旨味料、酸味料、甘味料、香料などを
添加することもできる。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によれば、節香気を実質的
に有していない節抽出残渣を用節香気が顕著に付与さ
れ、しかも香味共にすぐれた調味料を短期間に製造する
ことができ、節抽出残渣の有効利用法として極めて有用
なものである。
に有していない節抽出残渣を用節香気が顕著に付与さ
れ、しかも香味共にすぐれた調味料を短期間に製造する
ことができ、節抽出残渣の有効利用法として極めて有用
なものである。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を示す。 実施例1 実験例で用いたと同様の醤油麹24kgと荒本節の熱水
抽出残渣27kg(醤油麹の製麹原料1重量部に対し、
乾物換算で0.7重量部)を15.3%(W/V)の5
0℃食塩水53lと共に仕込み[混合物の食塩濃度8.
5%(w/v)]、これに実験例と同様にして得た醤油
酵母サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356を
仕込混合物1g当たり1×105個となるように添加
し、42℃の品温で10日間発酵させた。この間、1日
1回攪拌を行った。発酵終了後、圧搾して濾過し、80
℃で1時間火入れ処理をしたのち、さらに珪藻土濾過を
行って、調味料を得た(本発明)。また、醤油酵母を無
添加とした以外は、上記と同様にして調味料を得た(対
照)。
抽出残渣27kg(醤油麹の製麹原料1重量部に対し、
乾物換算で0.7重量部)を15.3%(W/V)の5
0℃食塩水53lと共に仕込み[混合物の食塩濃度8.
5%(w/v)]、これに実験例と同様にして得た醤油
酵母サッカロミセス・ルーキシ ATCC13356を
仕込混合物1g当たり1×105個となるように添加
し、42℃の品温で10日間発酵させた。この間、1日
1回攪拌を行った。発酵終了後、圧搾して濾過し、80
℃で1時間火入れ処理をしたのち、さらに珪藻土濾過を
行って、調味料を得た(本発明)。また、醤油酵母を無
添加とした以外は、上記と同様にして調味料を得た(対
照)。
【0020】このようにして得られた各調味料につき官
能検査をした結果、本発明の調味料は節香気が顕著に付
与され、香味のすぐれたものであるのに対し、対照の調
味料は、節香気を有していないことが認められた[本発
明の調味料:評点 3.80 ± 0.65 、1%の危険率で有
意差あり、対照の調味料:評点 0.40 ± 0.49 ]。ま
た、本発明の調味料についての一般分析値などを表2に
まとめて示す。なお、この一般分析は「しょうゆ試験
法」[(財)日本醤油研究所、昭和60年3月1日発
行]によった。
能検査をした結果、本発明の調味料は節香気が顕著に付
与され、香味のすぐれたものであるのに対し、対照の調
味料は、節香気を有していないことが認められた[本発
明の調味料:評点 3.80 ± 0.65 、1%の危険率で有
意差あり、対照の調味料:評点 0.40 ± 0.49 ]。ま
た、本発明の調味料についての一般分析値などを表2に
まとめて示す。なお、この一般分析は「しょうゆ試験
法」[(財)日本醤油研究所、昭和60年3月1日発
行]によった。
【0021】表2 項目 分析値 ────────────────── 総窒素 2.57(%) グルタミン酸 15.3 (mg/ml) 転化糖 1.37(%) アルコール 0.97(%) pH 5.12 色沢 28 窒素利用率 83.4(%)
【0022】実施例2 荒本節の熱水抽出残渣の代わりに鯖節の熱水抽出残渣を
用いること及び醤油酵母の添加と同時に、別に培養して
得た醤油乳酸菌ペディオコッカス・ハロフィルス IA
M1693[濃口生醤油10%、グルコース1%、食塩
8%、酢酸ナトリウム3.5%、酵母エキス0.3%
(%はいずれもW/V)、pH7.0の培地で、30
℃、4日間培養して得たもの]を仕込混合物1g当たり
1×105個となるように添加すること以外は、実施例
1と同様にして調味料を得た(本発明)。また、醤油酵
母を無添加とした以外は、上記と同様にして調味料を得
た(対照)。このようにして得られた各調味料につき官
能検査をした結果、本発明の調味料は節香気が顕著に付
与され、香味のすぐれたものであるのに対し、対照の調
味料は、節香気を有していないことが認められた[本発
明の調味料:評点 4.33 ± 0.60、1%危険率で有意差
あり、対照の調味料:評点 0.20 ± 0.40 ]。また、本
発明の調味料についての一般分析値などを表3にまとめ
て示す。
用いること及び醤油酵母の添加と同時に、別に培養して
得た醤油乳酸菌ペディオコッカス・ハロフィルス IA
M1693[濃口生醤油10%、グルコース1%、食塩
8%、酢酸ナトリウム3.5%、酵母エキス0.3%
(%はいずれもW/V)、pH7.0の培地で、30
℃、4日間培養して得たもの]を仕込混合物1g当たり
1×105個となるように添加すること以外は、実施例
1と同様にして調味料を得た(本発明)。また、醤油酵
母を無添加とした以外は、上記と同様にして調味料を得
た(対照)。このようにして得られた各調味料につき官
能検査をした結果、本発明の調味料は節香気が顕著に付
与され、香味のすぐれたものであるのに対し、対照の調
味料は、節香気を有していないことが認められた[本発
明の調味料:評点 4.33 ± 0.60、1%危険率で有意差
あり、対照の調味料:評点 0.20 ± 0.40 ]。また、本
発明の調味料についての一般分析値などを表3にまとめ
て示す。
【0023】表3 項目 分析値 ────────────────── 総窒素 2.46(%) グルタミン酸 13.2 (mg/ml) 転化糖 1.21(%) アルコール 1.11(%) pH 4.86 色沢 28 窒素利用率 84.6(%)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−39085(JP,A) 特開 平1−300872(JP,A) 特開 昭60−62955(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/24
Claims (1)
- 【請求項1】 節抽出残渣と醤油麹を食塩水と共に仕込
み、この仕込と同時又はその直後に醤油酵母を添加し、
5〜14日間発酵させることを特徴とする調味料の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4220903A JP3025586B2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 調味料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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