JP5372192B2 - 板状ピンを用いた壁装着具 - Google Patents

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Description

この発明は、家屋等の構築物の壁に、棚や箱等の家具類のような物品を掛け止めるために用いられる板状ピンを用いた壁装着具に関する。
従来、一般の家屋等において、棚や収納ケースや装飾物、或いは鏡や額縁等の物品を、石膏ボード、コンクリート、ベニヤ板のような木材等の壁材からなる壁に対して取り付けることが行われている。このような物品の壁への取付け構造としては、ピンを壁材に固定し、その固定されたピンに物品を掛け止める構造がある。物品はピンに対して掛け止めてあるだけなので、周囲に取付け専用の器具や装置が物品の外にはみ出ることがなく、見栄えが良い。更に、物品をピンに対する掛け止めを外すことで、物品を壁から取り外すことも簡単である。
物品を壁に掛け止める場合、壁が耐えられる荷重はその壁材の種類によって異なる。したがって、物品の重さに加えて、壁の種類を考慮して、使用するピンの形態及び個数が選択されている。
壁面に装着する装着具の一例として、特許文献1に開示されているものがある。この装着具は、ピン頭部と当該ピン頭部から延びるピン針部とを備えていて、当該ピン針部を壁に突き刺して壁に取り付けられた画鋲状のピンに対して、ピン頭部を抱き込むようにピンに係合する係合部材を、壁に取り付けたい装飾物に取り付けておき、当該係合部材を画鋲状のピンに係合させることで、装飾物を壁に取り付けることを可能にしている。
ピンは、取り付ける装飾物が軽いものであれば、突き刺しによって壁に突き刺される針の形態にすることができる。しかしながら、装飾物が重いものであると、針の代わりに釘や或いはねじが切られたねじ釘のような形態が用いられ、釘を壁に打ち込む或いはねじ釘を壁にねじ込むことにより、ピンを壁に取り付けることが行われている。
室内の模様替え、或いは住民が引っ越し等で退去する場合、掛け止めていた物を取り外してしまう場合には、掛け止めに用いていたピンも壁から取り除くことが一般的である。石膏ボード、ベニヤ等の木材、或いはマンション壁のようなコンクリートである壁材の場合、壁に刺したピンを取り外すと、ピンが刺されていた壁の箇所には大きな穴が残り、室の美観や価値が損なわれるおそれがある。この穴を埋める作業は手間が掛かり、しかもその周囲から目立たないように且つ低コストで穴を埋めることは非常に難しい。
また、コンクリート壁のような硬い壁に突き刺す壁装着具用突き刺しピンにおいては、壁の抵抗力が大きく、それに打ち勝つ大きな力で突き刺しピンを打ち込む必要がある。しかしながら、そのような大きな力で突き刺しピンを硬質の壁に対して真っ直ぐな姿勢を維持しながら突き刺し続けることは困難である。即ち、突き刺しピンは、打ち込み当初や打ち込み途中から、ピン自体が変形し易い、又は突き刺しピンの姿勢が変化し易い。突き刺しピン自体が変形する又はその姿勢が変形をすると、壁に対して正しい姿勢で突き刺しピンを取り付けられず、また、刺しピンが壁から外れ易くなる等の、不具合を生じる。
特開平10−151061号公報
そこで、壁に突き刺される針部材と、当該針部材の根元部分が固定されるヘッド部材とを備えた装着具であって、当該壁装着具に係止された係合具に物品を係合することによって当該物品を壁に掛け止めようとする装着具において、コンクリート壁のような硬質の壁に対して、当該針部材の形状・構造に工夫を凝らして、その安定した姿勢を維持しながら確実且つ容易に突き刺し可能にする点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、比較的軟質な壁に対してはもとより、コンクリートのような比較的硬質の壁に対しても、針部材を正確且つ確実に突き刺すことができる壁装着具を提供することである。
上記の課題を解決し、上記目的を達成するため、この発明による壁装着具は、板状の針部材と、当該針部材が突き出ているように組み付けられるヘッド部材とを備えており、前記針部材が壁に突き刺されることにより前記ヘッド部材が前記壁に固定される壁装着具であって、前記針部材は、根元部分と、当該根元部分から延び且つ先端部分が尖った少なくとも一本の細長い板状ピンを備えていることを特徴としている。
この壁装着具によれば、針部材は、断面円形の細いピンと異なって板状の針部材であり、ピンはその先端部分が尖った少なくとも一本の細長い板状のピンであるので、ピンが壁に突き刺されるときに受ける突き刺し力は根元部分から延びる板状ピンの先端部分に集中することになり、針部材を壁に容易に突き刺すことができる。即ち、ピンは断面が細い板の断面であるので、径の太いピンが壁に打ち込まれるのと異なり、突き刺しの際の壁の変形や押し退けの程度が少なくて済み、突き刺しが容易である。また、壁へのダメージを少なくすることもできる。突き刺し後は、壁が板状ピンを両側から挟み込み、壁装着具は当該壁に対して強固に保持される。
この壁装着具はまた、前記ヘッド部材には、組み付けられる前記針部材を保持し、前記針部材が当該保持状態から前記ヘッド部材を貫通して前記壁に突き刺されるときの前記針部材の前記板状ピンと前記根元部分との突刺し方向の動きを案内する保持案内を形成することを特徴としている。ヘッド部材に針部材を組み付ける際には、針部材は保持案内内に保持されるので、その状態で壁への突き刺しの準備をする、或いは商品として流通させることができる。また、針部材をヘッド部材に押し込むとき又は針部材をヘッド部材に貫通させて壁に突き刺すときには、針部材の板状ピンと根元部分とは保持案内おいて突刺し方向に案内されて動かされ、針部材は座屈を生じることなくヘッド部材に対するスムーズな動きが確保され、安定した状態で壁に突き刺すことができる。
この壁装着具は更に、前記保持案内孔は、前記針部材の突刺しが完了するまで前記根元部分の突刺し方向の動きを案内するため、前記針部材の前記根元部分の断面形状に相当した内壁を有するスリットを備えていることを特徴としている。根元部分をスリットによって案内することで、針部材については、スリットの内壁によって外側から姿勢を保ったまま突刺し完了までヘッド部材に対するスムーズな動きを確保することができ、針部材の突刺し完了状態においては根元部分がスリットに嵌合された状態になる。更に、ヘッド部材の前記保持案内溝は、その前記針部材の貫通先側が薄壁で閉じておき、前記薄壁には、前記針部材を前記ヘッド部材に貫通されるときに穿たれてその後の前記板状ピンを案内する孔を形成するようにすることもできる。この場合、針部材は、保持案内溝に案内されつつヘッド部材に貫通されるので、板状ピンに対応して孔を確実に穿つことができ、更に針部材はそのようにして形成された孔に案内されてヘッド部材へ押し込み又は壁に突き刺すことができる。
針部材がヘッド部材に押し込まれる壁装着具において、ヘッド部材には、前記針部材の突き刺し方向の移動を阻止するストッパ部を設けることができる。針部材を壁に対して打ち込むときの針部材の最深位置がストッパ部によって自動的に定まり、針部材の突き刺し方向へのそれ以上の移動を制限し、所定の深さ位置よりも深く打ち込まれないようにすることができる
この壁装着具において、前記ヘッド部材には、前記針部材が貫通した状態で、前記針部材を覆うキャップを装着することができる。キャップをヘッド部材に装着することにより、針部材が表に現れた状態にならないようにすることができ、壁装着具としての見栄えが向上する。また、このキャップに、壁掛止め物品を係合させることもできる。
この壁装着具において、前記針部材の前記先端部分が尖った前記板状ピンは、共通の前記根元部分から延びており、且つ共通の面内に配置されるように形成された平行な少なくとも二本のピンであるとすることができる。針部材の板状ピンを共通の根元部分から延びており、且つ共通の面内に配置されるように形成された平行な少なくとも二本のピンとすることで、針部材の製作については、一枚の板材から打ち抜き等の板金加工によって大量に且つ安価に製造可能であり、壁への突き刺し状態では、複数の板状ピンが壁に突き刺されるので、針部材の壁とを大きな固定力で固定し、重量の重い壁掛止め物品についても壁への取り付けを確実にすることができる。
この壁装着具において、前記板状ピンの細長平板の表面には前記板状ピンの長手方向に延びるリブを形成することができる。板状ピンの細長平板の表面に、こうしたリブを形成することにより、針部材の壁への突き刺し時に板状ピンが曲がりや座屈を生じようとするのに対する抵抗性を高めることができる。また、この壁装着具において、前記板状ピンは、板厚が前記根元部分から前記先端部分まで一様な厚さに形成するか、前記根元部分から前記先端部分直前まで一様の厚さで前記先端部分のみを三角尖端に至るまで徐々に薄くするか、又は前記根元部分から前記先端部分に向かって次第に薄くする、という態様で形成することができる。板状ピンは、先端部分において先が尖って形成されているので、根元部分側が一様な厚さに形成されていてもコンクリートのような硬質の壁に対して突き刺し可能であるが、更に根元部分から先端部分に向かって次第に薄くすることで、硬質の壁への突き刺しが一層、容易になる。
この壁装着具において、前記板状ピンは、前記ヘッド部材から斜めに傾斜して延びているとすることができる。板状ピンの傾斜は、壁に突き刺した状態で板状ピンの先端が斜め下方に延びる方向とするのが好ましい。板状ピンの傾斜方向を下向きとすることにより、壁装着具に家具等の物品の重さが作用したときに、壁装着具は、自身が壁に接近する方向の力を受けるので壁から抜け落ち難くなる。ヘッド部材に対する板状ピンの貫通・保持・案内の形態は種々の形態を採用することができる。
また、この壁装着具において、前記針部材は、前記板状ピンに折り曲がりの無いストレートな針部材であって、前記ヘッド部材に対して全体が斜めに傾斜して延びているとすることができる。或いは、前記針部材は、前記板状ピンの長手方向の途中で折れ曲がった角度付きの針部材であって、前記ヘッド部材に対して折れ曲がった部分が斜めに傾斜して延びているとすることができる。いずれの場合も、針部材のヘッド部材から突き出た状態にある部分は、ヘッド部材から斜めに傾斜して延びることになる。
板状ピンがヘッド部材から斜めに傾斜した壁装着具においては、前記ヘッド部材には、前記板状ピンの傾斜角度に応じて当該ヘッド部材の形状を修正し、前記板状ピンの延びる方向に対して直交する端面を有する補助体を設けることができる。補助体の端面に作用する突き刺し力は、板状ピンに対して板状ピンが延びる方向に沿って作用することになるので、板状ピンを壁に突き刺し易くなる。
また、前記壁装着具の使用形態については、前記壁装着具を、前記板状ピンが前記壁に対して垂直な姿勢で突き刺される態様で使用することができる。或いは、別の使用形態として、前記壁装着具を、前記板状ピンが前記壁に対して傾斜し且つ前記ヘッド部材が前記壁に対して傾斜していない姿勢で突き刺される態様で使用することができる。
更に、前記壁装着具が前記壁に突き刺される際に押し込み力が作用される前記補助体の端面には、複数条の滑り止めを形成することができる。複数条の滑り止めは、例えば互いに平行とされたリブ状とすることができる。
更に、この壁装着具において、壁掛止め物品を実際に壁に掛け止める際には、前記ヘッド部材に壁掛止め物品を直接に係合させることができる。また、前記ヘッド部材に係止される係合具を介して前記壁取付け物品を間接的に係合させることもできる。
また、この壁装着具において、前記針部材を、前記ヘッド部材の前記保持案内内にしまり嵌め状態に嵌合させることができる。針部材が移動するときには、しまり嵌め状態に嵌合させることに起因した抵抗を持たせておくことで、針部材をヘッド部材内で盲動させることなく保持することができる。
この発明による壁装着具は、板状の針部材と、当該針部材が組み付けられるヘッド部材とを備えており、前記針部材が前記ヘッド部材を貫通して壁に突き刺されることにより前記ヘッド部材が前記壁に固定される壁装着具であって、前記針部材は、根元部分と、当該根元部分から延び且つ先端部分が尖った少なくとも一本の細長い板状ピンを備えているので、針部材は、断面円形の細いピンと異なり、ピンはその先端部分が尖った少なくとも一本の細長い板状ピンであり、それゆえ、針部材を壁に突き刺していくときにピンが受ける突き刺し力は根元部分から延びる板状ピンの先端部分に集中して、針部材を壁に対して容易に突き刺すことができる。即ち、ピンは断面が細板であるので、径の太いピンが壁に打ち込まれるのと異なり、打ち込みの際の壁の変形や押し退けの程度が少なくて済み、壁へのダメージが少なくなる。そして、固定状態では板状ピンがその板面の両側で壁から挟み付けられることになり、板状ピンの壁への固定力を高めることができる。このように、どのような壁に対しても、針部材を正確且つ確実に突き刺すことができる壁装着具を提供することができる。
また、ヘッド部材に、組み付けられる針部材を保持し、針部材が当該保持状態からヘッド部材を貫通して壁に突き刺されるときの針部材の板状ピンと根元部分との突刺し方向の動きを案内する保持案内が形成されているので、針部材の板状ピンをヘッド部材に押し込む又は壁に突き刺していくときに、針部材の板状ピンと根元部分とは、針部材の動きに合わせて保持案内に案内さ、その姿勢を正しく保ったまま安定して確実にヘッド部材に押し込まれ又は壁に突き刺されていく。更に、ヘッド部材に形成される保持案内孔は、針部材の根元部分の断面形状に相当した内壁を有するスリットを備えているので、根元部分は、スリットの内壁によって外側から姿勢が保たれたまま、針部材の突刺し完了まで針部材の座屈を防止するとともに、ヘッド部材に対する突刺し方向のスムーズな動きを確保することができ、針部材の突刺し完了状態においては根元部分がスリットに嵌合された状態にすることができる。
更に、板状ピンをヘッド部材から斜めに傾斜して延びているとする場合には、その傾斜を壁に突き刺した状態で板状ピンの先端が斜め下方に延びる方向とすることで、壁装着具は、家具等の物品の重さが作用したときに壁に圧着される方向に寄せられ、壁装着具が壁から或いはヘッド部材が板状ピンから抜け落ち易く難くなるようにすることができる。
したがって、本壁装着具は、具体的な形態については壁の質に対してそれ相応のもの採用することになるとしても、安定した姿勢を維持しながら、突刺しの失敗を可及的に少なくして、正確で、確実な突刺しを行うことができる。
この発明による壁装着具の実施例1を示す図である。 図1に示す壁装着具に用いられる針部材を示す図である。 図1に示す壁装着具に用いられるヘッド部材を示す図である。 図1に示す壁装着具に用いられるキャップを示す図である。 図1に示す壁装着具の使用手順を示す図である。 この発明による壁装着具の実施例2を示す図である。 図6に示す壁装着具に用いられる針部材を示す図である。 図6に示す壁装着具に用いられるヘッド部材を示す図である。 図6に示す壁装着具に用いられるキャップを示す図である。 この発明による壁装着具の実施例3を示す図である。 この発明による壁装着具の実施例4を示す図である。 この発明による壁装着具の実施例5を示す図である。 この発明による壁装着具の実施例6を示す図である。 図13に示す壁装着具の変形した実施例7の一使用態様を示す図である。 図14に示す壁装着具の別の使用態様を示す図である。 この発明による壁装着具の実施例8を示す図である。 この発明による壁装着具を壁に装着するのに用いられる装着補助具の詳細を示す図である。 図16に示す実施例8の変形例を説明する図である。 図14、図15に示す実施例7の変形例を説明する図である。 図14、図15に示す実施例7の更なる変形例を示す図である。 壁装着具の使用例を示す図である。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による壁装着具の実施例、及び壁装着具を壁に装着するのに用いられる装着補助具の実施例を説明する。
図1〜図4はこの発明による壁装着具の実施例1を示す図であって、図1の(a)は壁装着具の平面図、(b)は(a)に示す壁装着具におけるA−A断面図、(c)は底面図、(d)は側面図である。図2は図1に示す壁装着具に用いられる針部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。また、図3は図1に示す壁装着具のヘッド部材を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)に示すヘッド部材のB−B断面図、(c)は底面図である。更に、図4は図1に示す壁装着具に用いられるキャップを示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示すキャップのC−C断面図、(c)は底面図である。
図1に示す本発明による壁装着具の実施例1においては、壁装着具10は、ステンレス等の金属製の針部材11と、針部材11が突き出ている樹脂製のヘッド部材12と、ヘッド部材12に被せられるキャップ13とを備えている。壁装着具10は、壁掛止め物品が係合される係合具(壁側金具)を壁に装着するのに用いられる。また、針部材11を壁に突き刺した状態で、壁掛止め物品に係合される係合具(図示せず)が当該ヘッド部材12に係止可能とすることもできる。
実施例1では、針部材11は、図2にも示すように、二本の細長い薄板状の板状ピン114,15と、これら板状ピン14、15に連続し且つ共通している根元部分16とから構成されている。二本の板状ピン14,15は、根元部分16から、板状ピン13,14の針幅程度(例示するものは針幅よりも僅かに細いが、これに限らない)の隙間20を挟んで互いに平行に同じ方向に向かって延びていて、同じ高さを有している。二本の板状ピン14,15は、根元部分16を含めて、共通の面内に存在するように配置されている。なお、板状ピン14、15は、図2に示すように、根元部分16に対する付け根にR部を形成することにより、突き刺し又は打ち込みの際にも折れにくくされている。
板状ピン14,15の先頭部分21,22は、それぞれ同じ三角山の形状に形成され、板状ピン15は単純な先細の三角山状のテーパ状に形成されている。テーパ状の先頭部分21,22は、板状ピン14,15が壁に突き刺される時に突き刺し易くしている。板状ピン14,15の先頭部分21,22は、ピン本体から厚さを変えることなくテーパ状に先細にするのみでも良いが、壁への突き刺しを更に容易にするため、図1(d)及び(e)並びに図2に示すように先端側に向かうほど厚さを薄くするのが好ましい。即ち、板状ピン14,15は、その先端部分が先細側に向かうほどテーパ状に細く且つ薄くして尖った細長い板状ピンであるので、壁への突き刺し時に作用する突き刺し力は板状ピン14,15のテーパ状の先端部分21,22に集中し、壁がコンクリートのような硬質の壁であっても、壁への突き刺しを容易に行うことができる。板状ピン14,15は断面が細板の断面であるので、突き刺しの際のコンクリート壁の変形や押し退けの程度が少なくて済み、コンクリート壁へのダメージを少なくすることができる。
針部材11は、一枚の金属板好ましくはステンレス板から、打ち抜きによって、中央に根元部分16に相当する基部と、当該基部から連続して延びる二つの板状ピン14,15を有する板状のピンとして製作される。実施例1においては、針部材11は、根元部分16から板状ピン14,15を含めて一様な板厚である。しかしながら、打ち抜きの際又は打ち抜きの後、プレス加工によって、根元部分16を含めて先頭部分21,22に至る前の部分については同じ板厚にし、先頭部分21,22についてのみその板厚を尖端に向かうに従って徐々に薄くすること、或いは、根元部分16から先端部分21,22の尖端に向かって板厚が次第に薄くなるように形成することもできる。この構造の板状ピンは、先端部分21,22の板厚が最も薄くされているので、先細となっていることと併せて壁への突き刺しが容易になっており、石膏ボード等の比較的柔らかい壁材から成る壁への突き刺しにも好適である。
ヘッド部材12は、図1、図3に示すように、樹脂によって段付きの円柱ブロック状に形成されている。ヘッド部材12は、ブロック状の本体部分25と本体部分25の手元側において一体的で且つ外径が一回り拡大されたヘッド端部分26とを備えている。ヘッド部材12には、円柱の直径方向に延び且つ本体部分25とヘッド端部分26とを通して貫通するスリット27が形成されている。スリット27は、ヘッド部材12に組み付けられる針部材11を保持し、針部材11が当該保持状態からヘッド部材12を貫通して壁に突き刺されるときの針部材11の動きを案内する保持案内として機能している。スリット27は、針部材11の根元部分16の断面形状に相当する内壁を有しており針部材11が通過可能となっている。スリット27は、針部材11をフリーに通過させるのではなく、若干のしまり嵌めの状態で針部材11を移動するときには抵抗を持たせておき、針部材11を盲動させることなく保持するようにすることが好ましい。この場合、針部材11をヘッド部材12に組み込んだセット状態で商品として流通させることができる。針部材11を、当該抵抗を上回る力で打ち込むことによって、ヘッド部材12に対して移動させることができる。針部材11がヘッド部材12を通して突刺し完了された状態においては、針部材11の根元部分16と当該根元部分16に接続する板状ピン14,15の一部とがスリット27に嵌合されている。突刺し完了状態では少なくとも針部材11の根元部分16の全体がスリット27内に嵌合されていることにより、針部材11のヘッド部材12への係合を確実にすることができる。
キャップ13の詳細が図4に示されている。キャップ13は変形し易い樹脂製とされている。キャップ13は、天板部31と、天板部31の外縁に一体的に繋がった周胴部32と、周胴部32の自由端に内側に一体的に形成されたリング状の係合部33とを備えている。キャップ13は、ヘッド部材12のヘッド端部分26に被せて、係合部33を本体部分25とヘッド端部分26との段差部分に係合させることで、ヘッド部材12に取り付けられる。
図1〜図4に示す壁装着具10が、壁Wの表面WSに装着される様子が図5に示されている。図5の(a)に示すように、ヘッド部材12が壁Wの表面WSの所定に位置に置かれる。針部材11がヘッド部材12のスリット27に差し入れられる。スリット27は針部材11に対して抵抗を示すので、針部材11の根元部分16をハンマ等の工具にて打つことで、針部材11はヘッド部材12のスリット27内を通して壁Wに打ち込まれる。この際、ヘッド部材12はスリット27において針部材11の進行を案内するので、壁Wからの抵抗を受けても、座屈や変形、歪み等を生じることがない。スリット27は、板状ピン14,15が通過する際に案内するピン案内孔としても機能している。針部材11は、図5の(b)に示すように、工具がヘッド端部分26に当たるまで、即ち、根元部分16がヘッド端部分26の表面と面一になるまで打ち込まれる。このとき、針部材11は、根元部分16の全体と当該根元部分16に接続する板状ピン14,15の一部とに渡ってスリット27に嵌合され、板状ピン14,15の殆どの部分が壁W内に突き刺された状態になる。最後に、キャップ13がヘッド部材12に被せられて、図5の(c)に示すように、壁装着具10の壁Wへの装着が終了する。このように、針部材11は、ヘッド部材12のスリット27の案内作用によって、コンクリートのような比較的硬質の壁Wに対しても突き刺しの途中で姿勢を変更することなく、姿勢を正しく保ったまま安定して確実に突き刺すことができる。突き刺された後には壁Wが板状ピン14,15を挟み付けて、摩擦力によって壁Wから容易に抜け出すのを防止して壁Wへの保持性を高めることができる。なお、針部材11をヘッド部材12のスリット27に途中まで予め差し入れておいてセットとした状態(例えば、図5の(a)において先頭部分を想像線で示す状態)とし、飛び出ている針部材11の根元部分16を工具で叩くことで、スリット27による案内作用を得つつ、壁Wに打ち込んでもよい。
壁装着具10で壁掛止め物品を吊り下げるときの吊り下げ力は二本の板状ピン14,15で分担して壁Wに保持されるので、物品を壁Wに対して安定して保持することができる。また、突き刺すときの針部材11は、その姿勢が安定しないと、左右に揺れて壁Wに作る穴が大きくなり、突き刺しピンの保持強度が低下することになるが、平行に形成されている二本の板状ピン14,15がそれぞれヘッド部材12に案内されつつ壁Wに突き刺されるので、姿勢が安定し、壁Wに作る穴も最小限に済ませることができる。先頭部分21,22の形状は一例であって、これに限られることはない。板状ピン14,15の板厚は、コンクリートのような硬質の壁、又は石膏ボード等の比較的柔らかい壁材から成る壁等のように、適用する壁の硬さに応じて、一様な板厚又は尖端に向かう程、徐々に薄くした板厚等、適宜変更可能である。
本発明による壁装着具の実施例2が図6〜図9に示されている。図6は、この発明による壁装着具の別の実施例を示す図であり、(a)はその縦断面視図、(b)はその底面図である。図7は、図6に示す壁装着具に用いられる針部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。図8は、図6に示す壁装着具に用いられるヘッド部材であって、(a)は上面図、(b)は(a)のD−Dで示す中央位置での縦断面図、(c)はその底面図である。そして、図9は、図6に示す壁装着具に用いられるキャップであって、(a)は上面図、(b)は(a)のE−Eで示す中央位置での縦断面図、(c)はその底面図である。実施例2の説明において、実施例1と共通する構造については、同等の機能を奏する部材及び部位には実施例1に用いたのと同じ符号を用いることで、再度の説明を省略する。
図6に示す本発明による壁装着具の実施例2においては、壁装着具40は、ステンレス等の金属製の針部材41と、針部材41が貫通されている樹脂製のヘッド部材42と、ヘッド部材42に被せられるキャップ43とを備えている。壁装着具40は、実施例1の場合と同様、壁掛止め物品が係合される係合具(壁側金具)を壁に装着するのに用いられ、また、針部材41を壁に突き刺した状態で、壁掛止め物品に係合される係合具(図示せず)が当該ヘッド部材42に係止可能とすることもできる。図6(a)に示すように、針部材41に比較的大きな割合を占める根元部分16の全体がスリット内に嵌合されていて、針部材11のヘッド部材12への係合を確実にすることができる。
図6の(b)及び図7に示すように、針部材41の板状ピン14,15には、それぞれ、細長平板の一方の表面においてピン長手方向に沿ってリブ44,45が形成されている。リブ44,45は、先頭部分21,22を除いて(即ち、テーパが開始相当の部位から)板状ピン14,15の長手方向に延び、更に根元部分16の中程の高さの位置までストレートに延びている。その他の構造は、実施例1の針部材11と同様の構造である。なお、リブ44,45は、針部材41の製造過程において、プレス加工によって、容易に成形可能である。また、針部材41については、実施例1に示す針部材11と同様に、先端部分が、先端ほどテーパ状に先細で且つ厚さが薄くなって尖った状態に形成されている。
細長平板状の板状ピン14,15に働く曲げに関しては、一般に、その長手方向に直交し且つ当該平板の面内に延びる軸の回りの曲げ(即ち、長手方向に対して進むときに板面に直交する方向に撓む曲げ)に対する剛性が最も弱いが、細長平板の表面にリブ44,45を形成することで、根元部分16から突き出る板状ピン14,15の強度と剛性が向上し、壁への突き刺し時又は打ち込み時に曲げ変形或いは座屈を起こし難い構造にすることができる。リブ44,45は、先頭部分21,22側の端部が滑らかなテーパ44a,45aに形成されている。
図8には、壁装着具40に用いられるヘッド部材42が示されている。ヘッド部材42は、予め製作されるものであって全体として樹脂製の円柱ブロック形状を呈しており、中央位置、即ち、円柱の直径方向に延び且つヘッド部材42を通して貫通するスリット47が形成されている。スリット47は、針部材41の動きを案内する保持案内として機能しており、また、針部材41の動きに合わせて板状ピン14,15を案内するピン案内孔としても機能している。スリット47は、針部材41の根元部分16に対応する半分の高さの領域48では根元部分16の断面形状に相当する内壁を有しており、残る領域49ではリブ44,45に対応した凹溝50,51が形成されている。スリット47は、針部材41をフリーに通過させるのではなく、若干のしまり嵌めの状態とし、針部材41の移動に対して抵抗を持たせておき、針部材41を盲動させることなく保持するようにすることが好ましい。この場合、針部材41をヘッド部材42に組み込んだセット状態で商品として流通させることができる。針部材41を、当該抵抗を上回る力で打ち込むことによって、ヘッド部材12に対して移動させることができる。
したがって、リブ44,45付き板状ピン14,15を備える針部材41をスリット47に対して領域48側から打ち込んで挿入するとき、リブ44,45はテーパ44a,45aの案内によってスリット47の領域48を押し開きながら進行し、スリット47による案内作用を得つつ、壁Wに突き刺される。その後、針部材41が壁Wの所定の深さ位置まで打ち込まれたとき、板状ピン14,15のリブ44,45が凹溝50,51内に納まり、根元部分16がスリット47の領域48に納まり、それゆえ根元部分16の端部がヘッド部材42の端面から飛び出すことがなく、丁度の位置(面一)を占める状態(図6の(a)に示す両者の状態)となる。
図9には、壁装着具40に用いられるキャップ43が示されている。キャップ43は、ヘッド部材42を、針部材41の板状ピン14,15が突き出る側の端面を除き、すべての表面を覆う形状・構造を備えている。したがって、ヘッド部材42は、周胴部32aの長さがより長くされている点を除いて、実施例1の周胴部32と同等である。
図10には、本発明による壁装着具の実施例3が示されている。図10の(a)は針部材の一部をスリットに押し込んだ状態の壁装着具を示す断面図、(b)は針部材をスリットに押し込んだ状態の壁装着具を示す平面図、(c)は(b)のF−F断面図、(d)は本例の壁装着具を壁に突き刺すときの態様を示す図である。本発明による壁装着具の図10に示す実施例3においては、壁装着具60は、金属製の針部材61と、針部材61が貫通されている樹脂製のヘッド部材62とを備えている。壁装着具60は、ヘッド部材62に被せられるキャップを備えているが、実施例1に示すキャップ13と同等の構造を採用することができるので、ここでは図示を省略している。
図10に示す実施例3に係る壁装着具60においては、針部材61は、板状ピン64,65と根元部分66とを備えている。実施例3に示す、板状ピン64,65間の隙間67が、実施例1における板状ピン14,15間の隙間20よりも広く設定されている。ヘッド部材62については、ヘッド端部分76がヘッド端部分26と同様に高さの低い円柱状であるが、本体部分75が円柱状の本体部分25と異なり直方体状である。スリット77は、ヘッド部材62を貫通して、即ち、本体部分75とヘッド端部分76とを通して、針部材61の動きを案内する保持案内として設けられているが、本体部分75側の一部を埋める形で針部材61の打ち込み方向の所定以上の移動を阻止するストッパ部78が設けられている。ストッパ部78の幅W1は、板状ピン64,65間の隙間67の幅W2に対応している。また、ストッパ部78及び根元部分66の高さは、それぞれ、図10の(c)に示すように、針部材61を壁Wに所定の深さ位置まで打ち込んだ状態で、根元部分66がストッパ部78に丁度、突き当たり、且つ根元部分66の端面がヘッド部材62のヘッド端部分76の端面と丁度、面一となるように設定されている。即ち、ストッパ部78のストッパ面とヘッド端部分76の端面との間の長さLは、根元部分66の高さHに等しくなるように設定されている。
針部材61については、特にコンクリート壁用に強度が必要なピンとして開発されたもので、根元部分66を高くするとともに板状ピン64,65を尖端に至るほど細く形成してコンクリート壁に打ち込むのに適した形状とした例として示したが、コンクリート以外のモルタル壁のようなより硬度の低い壁に対する針部材として用いても良いことは明らかである。また、針部材61は、板状ピン64,65の太さ(幅寸法)について先細にしているが、特にコンクリート壁のように硬質の壁用として用いる場合に一層突き刺し易くするために、図2に示す形状と同様に、厚さ(板厚寸法)については一様寸法とするだけではなく徐々に薄くなるように変化させて、先端が尖った形状にすることが好ましい。針部材61の加工については、プレスで加工した後、焼入れ加工を行う(焼入れ温度により得られる硬さが異なる)。また、針部材61の材料については、例えば、炭素工具鋼(SK材)、スプリングスチール65Mnが用いられ、比較的柔らかいコンクリート壁に対してはステンレス材(SUS301)などを用いることができる。なお、ヘッド部材には硬質樹脂を用いることができる。
スリット77は、ストッパ部78によって分断されており、ストッパ部78の両側に、保持案内の一部として、板状ピン64,65の移動を案内するピン案内孔80,81が形成されている。板状ピン64,65を案内するピン案内孔80,81をヘッド部材62に予め穿設しておくことにより、壁への板状ピン64,65の突き刺しの際には、板状ピン64,65の動きをピン案内孔80,81で案内させることができ、板状ピン64,65の座屈を防止するとともにヘッド部材62に対するスムーズな動きを確保することができる。また、針部材61は、突刺し完了状態において、根元部分66の全体と当該根元部分66に接続する板状ピン64,65の一部とに渡ってスリット77及びピン案内孔80,81に嵌合されており、針部材11のヘッド部材12への係合を確実にすることができる。
図10(d)には、壁装着具60を壁Wに装着する様子が示されている。まず、壁装着具60を装着しようとする壁Wの位置に、例えば金属製又は樹脂製の板状の補助当て具85をあてがう。ヘッド部材62の本体部分75の端面にはその対角位置にボス82,83が形成されており、補助当て具85には、ボス82,83に対応してボス孔86,87が形成されており、また、針部材61が通過する位置に予め孔等を開けておいても良い。したがって、壁装着具60のヘッド部材62は、当該ヘッド部材62に形成されたボス82,83を補助当て具85に形成されているボス孔86,87に嵌合させることで、補助当て具85に対して位置決めされる。この状態で、針部材61をヘッド部材62に形成されているスリット77に通して工具Tによって叩くことで、壁Wの所定の装着位置において、針部材61をヘッド部材62に案内させつつ補助当て具85を貫いて壁Wへと突き刺すことができる。なお、補助当て具85を用いない場合には、ヘッド部材62の本体部分75にボス82,83を形成する必要はなく、ヘッド部材62を直接に壁Wに当ててその状態で針部材61を壁Wに突き刺すことができる。ヘッド部材62を直接、壁Wに当てて刺す場合は、ヘッド部材62の物体(壁W)側に当たる箇所に両面テープを貼ることにより、ヘッド部材62の位置決めをすると、針部材61を壁Wに突き刺し易くすることができる。また、壁Wの破壊も防げ、針部材61を抜いた後も、壁Wに残る穴が小さくて済む。補助当て具85を使用する場合についても、壁Wに当て使用するときには、やはり両面テープを使用することで、補助当て具85を物体(壁W)に対して位置決めして、針部材61を壁Wに突き刺し易くすることができ、この場合にも、コンクリートの破壊も防いで、針部材61を抜いた後に壁Wに残る穴も小さくて済む。
図11には、本発明による壁装着具の実施例4が示されている。図11の(a)は針部材の一部をスリットに押し込んだ状態の壁装着具を示す断面図、(b)は針部材をスリットに押し込んだ状態の壁装着具を示す平面図、(c)は(b)のG−G断面図、(d)は本例の壁装着具を壁に突き刺すときの態様を示す図である。実施例4においては、壁装着具90は、金属製の針部材91と、針部材91が貫通されている樹脂製のヘッド部材92とを備えている。壁装着具90は、ヘッド部材92に被せられるキャップを備えているが、実施例1に示すキャップ13と同等の構造を採用することができるので、ここでは図示を省略している。針部材91は、図10に示す針部材61の場合と同様に、特にコンクリート壁用に強度が必要なピンとして開発されたもので、根元部分96を高くするとともに板状ピン94を尖端に至るほど細く形成してコンクリート壁に打ち込むのに適した形状とした例として示したが、コンクリート以外のモルタル壁のようなより硬度の低い壁に対する針部材として用いても良いことは明らかである。
図11に示す実施例4に係る壁装着具90においては、針部材91は、一本の板状ピン94と根元部分96とを備えている。板状ピン94は、根元部分96の中央位置から延びている。ヘッド部材92については、実施例3の場合と同様に、直方体状の本体部分105と高さの低い円柱状のヘッド端部分106とを備えている。ヘッド部材92には、保持案内としてのスリット107が設けられているが、針部材91の板状ピン94が貫通する先側が薄壁108で閉じられている。根元部分96をスリット107に対して案内させながら針部材91を打ち込んでいくとき、板状ピン94の先頭部分101が打ち込み力を集中させて薄壁108を確実に貫通し、先頭部分101が薄壁108に孔を開け、薄壁108には板状ピン94が貫く孔109が形成される。当該孔109は、その後、根元部分96をスリット107に案内させつつ針部材91を打ち込んでいくときに、板状ピン94を案内する案内孔として機能する。針部材91は、根元部分96が薄壁108に突き当たってそれ以上の打ち込みができなくなるので、薄壁108は、針部材91に対するストッパ部としても機能している。なお、図示の例では、ヘッド部材92の先側の壁は薄壁108として特に孔が開けられていないが、針部材91が太くなる場合や壁の厚さが厚くなる場合には、先側の壁には必要に応じて板状ピン94が貫通する孔を予め開けておくことができる。図11(d)に示すような壁装着具90を壁Wに突き刺すときの態様は、図10(d)の場合と同様である。ヘッド部材92にはその端面の対角位置にボス132,133が形成されており、ヘッド部材92と壁Wとの間に挟んで置かれる補助当て具135には、ボス102,103が嵌合するボス孔136,137が形成されている。補助当て具135の構造及び用い方は、図10(d)に示した補助当て具85の構造及び用い方と同等であるので、再度の説明を省略する。
図12には、本発明による壁装着具の実施例5が示されている。図12の(a)は、壁装着具の針部材とヘッド部材を示す平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(a)の側面図である。また、図12の(d)は針部材のみを取り出して示す正面図、(e)は(d)の側面図である。実施例5においては、壁装着具は、ステンレス等の金属製の針部材111と、針部材111が貫通されている樹脂製のヘッド部材112とを備えている。
実施例5において、針部材111は、板状ピン114,115と、それらに共通の根元部分116とを備えている。ヘッド部材112は、本体部分125とヘッド端部分126とを備えている。針部材111は、根元底部分116がヘッド部材112内に埋設されるように、ヘッド部材112に対してインサート成形によって一体化されている。これに代えて、根元底部分116がヘッド部材112の表面に露出するように埋設してもよい。針部材111を硬質の壁に打ち込む際には、ヘッド部材112のヘッド端部分126をハンマ等の工具で叩くことによって行われる。金属製の針部材111は、根元部分116がインサート成形の手法を伴う樹脂の射出成形によってヘッド部材112と一体化して形成されることで、ヘッド部材112に対して簡単に且つ強固に固定される。
特に、図12の(d)に示すように、針部材111の根元部分116には、材料抜き用の孔117が形成されている。図示の例では中央に比較的大きな一つの孔として形成したが、両側に比較的小さい二つの孔とするなど、他の形態でも構わない。針部材111のインサート成形時、注入される樹脂が孔117に入り込む。インサート成形時に、樹脂が孔117に入り込んで樹脂と針部材111とが結合することにより、針部材111とヘッド部材112との結合が大きく強化される。実施例2に示したように、板状ピン114,115にリブを形成し、リブと樹脂とを広い接触面積で結合させることもできる。連続するリブの下方の一部を樹脂に埋設させるによって、板状ピン114,115の樹脂から出る部位における強度を向上させ、針部材111とヘッド部材112とを一層強固に結合することができる。
図13には、本発明による壁装着具の実施例6が示されている。図13の(a)は、壁装着具の針部材とヘッド部材を示す平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(a)の側面図である。また、図13の(d)は壁装着具の斜視図である。実施例6においては、壁装着具140は、ステンレス等の金属製の針部材141と、針部材141が一側から突き出るように設けられている樹脂製のヘッド部材142とを備えている。
実施例6において、針部材141は、尖った先頭部分(第1実施例の先頭部分21,22と同様のもの)を有する板状ピン144,145と、それらに共通の根元部分146とを備えている。ヘッド部材142は、本体部分147と、本体部分147に一体のヘッド端部分(フランジ部分)148とを備えている。針部材141は、根元部分146がヘッド部材142内に埋設されるように、ヘッド部材142に対してインサート成形の手法を伴う樹脂の射出成形によって一体化されている。板状ピン144,145については、その全部、又は根元部分146側の一部を除く大部分がヘッド部材142から突き出るように配置される。金属製の針部材141は、根元部分146がインサート成形ヘッド部材142と一体化されることで、ヘッド部材142に対して強固に固定される。柔らかい壁に対しては壁装着具140を手で押し込むことができるが、壁装着具140を硬質の壁に打ち込むには、ヘッド部材142のヘッド端部分149(図13(d)参照)をハンマ等の工具で叩くことによって行われる。
実施例6においては、板状ピン144,145は、ヘッド部材142に対して、ヘッド部材142から突き出た位置で斜めに傾斜して延びている。その傾斜の方向は、壁装着具140を壁に突き刺した状態で板状ピン144,145の先端が斜め下方に延びる方向となるように、壁装着具140を使用・配置するのが好ましい。そうした構造により、家具等の物品を支持するために、壁装着具140に当該物品の重さが作用したときには、壁装着具140には、当該壁装着具140を壁W側に接近させる方向の力が生じ、針部材141は壁Wにより深く差し込もうとすることになるので、壁装着具140が壁Wから抜け落ちるというような事態を回避することができる。板状ピン144,145の傾き角度θ(図13(c)参照)は、約15度とすることができるが、物品の支持の形態や壁の硬さ等に応じて、これ以外の適宜傾き角度(例えば、約25度)であってもよい。
実施例6に示す壁装着具140においては、他の実施例で備わるとした構造、例えばヘッド部材に対する板状ピンの貫通・保持の形態を、適宜に採用し組み合わることができる。即ち、ヘッド部材142には、針部材141が貫通した状態で、針部材141を覆うキャップを装着しても良い。また、板状ピン144,145の細長平板の表面に、板状ピン144,145の長手方向に延びるリブを形成してもよい。更に、針部材141の先端側の板厚を次第に薄くして尖らせてもよい。ヘッド部材142の外周形状は真円ではなく、両サイドが平らにカットされた楕円形に近い形状である。これは、プッシュエイド(図17)を当該平らな両サイド部分に係合させて、壁装着具140を壁から取り外すのを容易にするためのものであり、詳細は後述する。
図14には、図13に示す壁装着具について一部を変形して成る実施例7が示されている。図14の(a)は突き刺し開始状態時を示す側面図、(b)は突き刺し完了状態を示す側面図である。図14に示す壁装着具150は、図13に示す壁装着具140のヘッド部材142において、そのヘッド端部分149側にヘッド形状を修正する補助体151を設けた形態のものである。補助体151は、角度αを持つ断面楔状の形状を有しており、針部材141が延びる方向に対して外側端面152が垂直になるようにヘッド形状を修正している。補助体151は、壁装着具150を壁Wに突き刺し易くするために、針部材141の傾斜角度θに合わせて角度α(=θ)を付けて付加されている。図14に示す壁装着具150は針部材141を壁Wに水平に突き刺す態様で用いられている。補助体151の端面152は、水平方向に置いた針部材141の水平な突き刺し方向に対して直交する押し込み面を提供しているので、柔らかい壁Wについては手で外側端面152を押し、また硬い壁Wについてはハンマ等の工具で外側端面152を叩くときに、その押し込み力を針部材141が延びる方向に集中させることができ、針部材141を壁Wに対して容易に突き刺すことができる。
壁装着具150の針部材141を壁Wに刺して、ヘッド部材142の上部142aが壁Wに当接しただけでは、図14(a)において想像線で示すように、ヘッド部材142の下部142bは壁Wの表面と平行にはならず、ヘッド部材142の下部142bと壁Wの表面との間に隙間Jが生じる。しかしながら、針部材141の傾斜角度が15度程度であるので、壁装着具150を壁Wに対して強くし込むことによって、図14(b)に示すように、ヘッド部材142が壁Wに押し込まれて下部142bと壁Wとの間の隙間Jを無くすことができ、壁装着具150の壁Wへの装着を確実にすることができる。
図15には、図14に示す壁装着具の別の使用態様が示されている。図15の(a)は突き刺し開始状態を示す側面図、(b)は突き刺し完了状態を示す側面図である。図15に示す壁装着具150は、図14に示す壁装着具150と同じ構造を有しているが、針部材141を斜め下方に傾斜させたまま壁Wに刺す態様で用いられる。即ち、ヘッド部材142は、その針部材がヘッド部材に対して傾斜していないとした壁装着具(例えば、図1に示す実施例と同じ。)の場合における当該ヘッド部材の姿勢と同じ姿勢に置いて用いられる。補助体151の外側端面152は、針部材141が延びる方向に対して直交しているので、端面152に対して手で押し又は工具で叩くことによって力を作用させたときには、その押し込み力を針部材141が延びる方向に集中させることができ、針部材141を壁Wに対して容易に斜めに突き刺すことができる。図15(a)に示すように、この使用態様においては、針部材141は壁Wに対してその傾斜方向に沿って、斜め下方に突き刺される。壁装着具150の針部材141を壁Wに刺すと、ヘッド部材142は壁Wに対して平行に当接することになり、図15(b)に示すように、ヘッド部材142と壁Wの表面との間に隙間は生じず、壁装着具150の壁Wへの装着を確実にすることができる。この使用態様では、図13に示す例との場合と同様に、壁装着具140に家具等の物品の重さが作用したときには、壁装着具140には、当該壁装着具140を壁W側に接近させる方向の力が生じ、針部材141は壁Wにより深く差し込もうとすることになるので、壁装着具140が壁Wから抜け落ちるというような事態を回避することができる。
斜めの針部材を有する壁装着具の実施例8が図16に示されている。図16の(a)は実施例8の壁装着具の分解図、(b)は壁に装着する途中図である。実施例8に示す壁装着具160は、ストレートな形状を有する針部材161と、針部材161が押し込まれるスリット163が真っ直ぐであるが斜めに形成されているヘッド部材162とを備えている。ヘッド部材162の壁W側に、図10(d)に示したのと同様の板状の補助当て具165を沿わせて配置しておき、スリット163に通した針部材161を補助当て具165に形成されている中央孔166にも貫通させて壁Wに突き刺すことにより、ヘッド部材162は補助当て具165を介して壁Wに対して装着される。装着完了の状態では、針部材161は図16(b)に示すように壁Wに深く突き刺される。ヘッド部材162に突出して形成されているボス164,164を、それに対応して補助当て具165に形成されている位置決め用のボス孔167,167に嵌め合わせることによって、ヘッド部材162が補助当て具165に対して位置決めされる。実施例7に示す壁装着具150は、針部材をインサート成形して構成されているので、手で壁に突き刺すには指が痛くなる場合もあり、実施例8では、針部材161はプッシュエイドとして機能する装着補助具170を用いて壁Wに突き刺される。針部材161は、その後端が装着補助具170の先端に嵌入されることによって、装着補助具170に保持される。装着補助具170を手で握って装着補助具170ごと針部材161をヘッド部材162に押し込むことで、針部材161をヘッド部材162及び補助当て具165に通して、容易に壁Wに突き刺すことができる。図16では、斜め上方に向かって突き刺されているが、図15に示すように斜め下方に突き刺す壁装着具とすることで、物品の重量が掛かったときに、壁Wに接近する傾向を付与することで、壁から抜け出にくくすることも勿論可能である。
図17には、装着補助具170であるプッシュエイドの詳細が図示されている。図17の(a)は、針部材とともに装着補助具を示す平面図、(b)はその側面図、(c)は(b)に示すK部を拡大して示す斜視図である。針部材161は、図2に示す針部材11と同等であって良く、針部材161の各部位には針部材11に用いたのと同じ符号を用いることで再度の詳細な説明を省略する。装着補助具170においては、手で握られる本体171の先端部172に、その先端端部から内部に延びるように凹部173が形成されている。装着補助具170は、凹部173に針部材161の根元部分16が締まり嵌め状態に嵌入されることにより、針部材161を保持することができる。装着補助具170の先端部172に針部材161を保持した状態で装着補助具170を操作することで、指や手を痛めることなく、針部材161をヘッド部材162のスリット163内に押し込むことができる。図17に示す装着補助具170では、針部材161の根元部分16を保持するのに、凹部173を形成したものを示したが、これに代えて、凹部173を両側面までカットして溝に形成してもよい。また、図13に示したヘッド部材142は、その外形を一部平らにカットするなどして非円形に形成されており、装着補助具170の後端部174には、ヘッド部材142のそうした非円形の形状に相補的で外向きに開放した嵌合凹部175が形成されている。したがって、壁に突き刺された状態にある壁装着具140に対して、そのヘッド部材142に壁装着具140の嵌合凹部175を非円形な態様で嵌合させ、その状態で装着補助具170を操作することで、壁装着具140には取り外し力が効果的に作用し、壁装着具140を壁から容易に取り外すことができる。
図18には、図16に示す実施例8の変形例を説明している図である。図18に示す例は、ヘッド部材162に押し込んだ針部材161をそのヘッド部材162から抜け出すのを防止することを図ったものである。即ち、針部材161には、その根元部分16の中央部分に、後述する抜け止め用のピンが差し込み可能な孔180が形成されている。また、ヘッド部材162にも、スリット163内に押し込まれた状態にあるとしたときの針部材161の抜け止め用の孔180に対応した位置に、針部材161を間に挟んで、後述する抜け止め用のピンが差し込み可能な孔181,181が形成されている。針部材161がヘッド部材162に押し込まれた状態では、針部材161の孔180とヘッド部材162の孔181,181とが整列する。この状態で、抜け止めピン182が、ヘッド部材162の孔181から針部材161の孔180、更にヘッド部材162のもう一つの孔181に差し込まれる。これによって、針部材161はヘッド部材162に対して固定され、壁装着具として壁に突き刺されるときにも、針部材161がヘッド部材162から抜け出ることがない。
図19及び図20は、実施例7(及びその変形例)として図14又は図15に示した壁装着具の更なる変形例を示す図である。図19に示す壁装着具190はストレートな形状の針部材161を用いる例であり、図20に示す壁装着具200は、角度付きの形状、即ち、板状ピン14,15の途中(根元部分16寄りの位置)の折れ曲がり線17,17で示すように、折れ曲がった形状を備えている針部材201を用いる例である。いずれの場合も、針部材161及び針部材201の板状ピン14,15は、ヘッド部材162の壁側に面する端面の中央位置から斜めに突き出ており、図20に示す壁装着具200の場合には、折れ曲がった位置において、ヘッド部材162の当該端面の中央位置から突き出ている。なお、図19及び図20に示す壁装着具190,200では、図18に示す例で用いていた抜け止めピン182を用いておらず、針部材161,201はインサート成形にてヘッド部材162と一体に成形される。また、ヘッド部材142の補助体151の工具が叩かれる端面152には、複数条の滑り止め153が平行なリブ状に形成されている。
本発明による壁装着具においては、壁体への物品の取付けに用いられるものとしたが、壁体は、一般の家庭のモルタル壁、木材又はベニヤ板材で構成された壁材、或いはコンクリート壁であってもよい。木材又はベニヤ板材で構成された壁材としては、製品的には、無垢材の他に、合板やMDF(中質繊維板)などの基材に木材の薄い板を張り付けた天然木化粧合板、合板の表面に樹脂加工した紙やビニールを貼着した合成樹脂合板、合板に直接木目などを印刷したプリント合板などであってもよいことは明らかである。また、塗り壁としては、例えば臭機能が高い珪藻土、消石灰を原料とした漆喰であってもよい。石膏プラスターやドロマイトプラスター塗りであってもよい。
板状ピンの形状について、先端側ほど板厚を次第に薄くした板状ピンを備える突き刺しピンは、石膏ボード、モルタル用として使うのに好適である。図10及び図11に示す以外の実施例において、板幅が略一様として示した板状ピンは、石膏ボード、木、柔らかい壁のような、軟質の壁用の針部材として好適である。板状ピンの先端部を尖る形状とし、また先端部の厚みを薄くすることもできる。軟質の壁に対しては、先端部の厚みを薄くしても、損傷することなく、突き刺す(打ち込む)ことができる。
一方、コンクリートのような硬質の壁に対しては、板状ピンは、材質や加工方法にもよるが、折損・曲がりなどの損傷の原因にならなければ、根元部分から先端部分までの長さや幅寸法、又は板厚について、使用態様に応じて適宜の変更が可能である。コンクリート壁用の針部材は、図10及び図11に示す実施例のように、板状ピンの幅を徐々に細くした形態のものが好適であるが、このような形態の針部材は、石膏ボード、木、柔らかい壁のような軟質の壁にも勿論、用いることができる。厚みを確保してピンを安定させ且つ損傷しないようにする外、先端部の厚みを薄くしても良い。リブ有りのものを用いると更に強度・剛性が増し、変形や座屈に対して抵抗性が増す。一例として、ピンの長さを略17mm、ピンとピンの間隔(隙間)を2〜6mm、板厚は0.8mm〜2.0mmであるが、これらは一例であって、取り付ける物品の重さ、壁材の性質(硬さ等)、用いる突き刺しピンの個数、個々の突き刺しピンに掛かる荷重条件等を考慮して、突き刺しピンの形態を選択するのが好ましい。例えば、壁の硬さが高いほど、板状ピンの板厚を厚くすることができる。それゆえ、多数の仕様の突き刺しピンを用意しておき、使用する状況に応じて、その中から、安全な仕様のものを選択可能にしておくのが好ましい。
図21に、本発明による壁装着具(例えば、実施例1に示す壁装着具10)の一適用例を示す。図21においては、三つの壁装着具10,10,10が、壁Wに引っ掛け金具300を固定するのに用いられている。引っ掛け金具300は、本体301と、本体301の下端から折り返して形成したフック部302と、本体301から延びる3本のアーム部303,303,303とを備えている。各アーム部303の先端部分には、壁装着具10を突き刺すための孔304が形成されている。孔304は、壁装着具10のヘッド部材12を受け入れるために円形に形成されている。各壁装着具10の針部材11を、孔304を通して壁Wに突き刺すことにより、引っ掛け金具300を壁Wに固定することができ、フック部302にハンガや手提げ等の物品を掛けて吊り下げることができる。図21に示した壁Wに固定するための金具はあくまで例示であり、図示以外の適宜の形状・形態のものを採用することができる。引っ掛けに供する以外に、支えや、或いは別の製品を取り付けるためのアダプタや、家具に取り付けられた家具側金具と係合可能な壁側金具を壁Wに固定するのにも使用することができることは明らかである。
10 壁装着具 11 針部材
12 ヘッド部材 13 キャップ
14,15 板状ピン 16 根元部分
17 折れ曲がり線
20 隙間 21,22 先頭部分
25 本体部分 26 ヘッド端部分
27 スリット
31 天板部 32 周胴部
33 係合部
40 壁装着具 41 針部材
42 ヘッド部材 43 キャップ
44,45 リブ 47 スリット
48 領域 49 領域
50,51 凹溝
60 壁装着具 61 針部材
62 ヘッド部材
64,65 板状ピン 66 根元部分
67 空間(隙間) 71,72 先頭部分
75 本体部分 76 ヘッド端部分
77 スリット 78 ストッパ部
80,81 ピン案内孔
82,83 ボス
85 補助当て具 86,87 ボス孔
90 壁装着具 91針部材
92 ヘッド部材
94 板状ピン 96 根元部分
97 空間(隙間)
101 先頭部分 108 薄壁(ストッパ)
109 案内孔
111 針部材 112 ヘッド部材
114,115 板状ピン
116 根元部分 117 孔
125 本体部分 126 ヘッド端部分
123,133 ボス
135 補助当て具
136,137 ボス孔
140 壁装着具
141 針部材 142 ヘッド部材
142a ヘッド部材の上部
142b ヘッド部材の下部
144,145 板状ピン
146 根元部分 147 本体部分
148 ヘッド端部分(フランジ部分)
149 ヘッド端部分
150 壁装着具 151 補助体
152 外側端面 153 滑り止め
160 壁装着具 161 針部材
162 ヘッド部材 163 スリット
164 ボス 165 補助当て具
166 中央孔 167 ボス孔
170 装着補助具 171 本体
172 先端部 173 凹部
174 後端部 175 嵌合凹部
180,181 孔 182 抜け止めピン
190,200 壁装着具
201 針部材
300 引っ掛け金具 301 本体
302 フック部 303 アーム部
304 孔
θ 傾斜角度 α 角度
H 板状ピンの根元部分の高さ
L ヘッド部材のストッパ部のストッパ面とヘッド端部分の端面との間の長さ
T 工具 J 隙間 W 壁 WS 壁面

Claims (13)

  1. 板状の針部材と、当該針部材が突き出ているように組み付けられるヘッド部材とを備えており、前記針部材が壁に突き刺されることにより前記ヘッド部材が前記壁に固定される壁装着具において、
    前記針部材は、根元部分と、当該根元部分から延び且つ先端部分が尖った少なくとも一本の細長い板状ピンを備えており、
    前記ヘッド部材には、組み付けられる前記針部材を保持し、前記針部材が当該保持状態から前記ヘッド部材を貫通して前記壁に突き刺されるときの前記針部材の前記板状ピンと前記根元部分との突刺し方向の動きを案内する保持案内が形成されており、
    前記保持案内孔は、前記針部材の突刺しが完了するまで前記根元部分の突刺し方向の動きを案内するため、前記針部材の前記根元部分の断面形状に相当した内壁を有するスリットを備えている
    ことを特徴とする壁装着具。
  2. 前記ヘッド部材には、前記針部材の突き刺し方向の移動を阻止するストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の壁装着具。
  3. 前記ヘッド部材には、前記針部材が貫通した状態で、前記針部材を覆うキャップが装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁装着具。
  4. 前記針部材の前記先端部分が尖った前記板状ピンは、共通の前記根元部分から延びており、且つ共通の面内に配置されるように形成された平行な少なくとも二本のピンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の壁装着具。
  5. 前記板状ピンの細長平板の表面には前記板状ピンの長手方向に延びるリブが形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の壁装着具。
  6. 前記板状ピンは、板厚が前記根元部分から前記先端部分まで一様な厚さに形成されている、又は前記根元部分から前記先端部分に向かって次第に薄くされる態様で形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の壁装着具。
  7. 前記板状ピンは、前記ヘッド部材に対して斜めに傾斜して延びていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の壁装着具。
  8. 前記針部材は、前記板状ピンに折り曲がりの無いストレートな針部材であって、前記ヘッド部材に対して全体が斜めに傾斜して延びていること、又は前記板状ピンの長手方向の途中で折れ曲がった角度付きの針部材であって、前記ヘッド部材に対して折れ曲がった部分が斜めに傾斜して延びていることを特徴とする請求項に記載の壁装着具。
  9. 前記ヘッド部材には、前記板状ピンの傾斜角度に応じて当該ヘッド部材の形状を修正し、前記板状ピンの延びる方向に対して直交する端面を有する補助体が設けられていることを特徴とする請求項又はに記載の壁装着具。
  10. 前記壁装着具は、前記板状ピンが前記壁に対して垂直な姿勢で突き刺される態様で使用される、或いは前記板状ピンが前記壁に対して傾斜し且つ前記ヘッド部材が前記壁に対して傾斜していない姿勢で突き刺される態様で使用されることを特徴とする請求項に記載の壁装着具。
  11. 前記壁装着具が前記壁に突き刺される際に押し込み力が作用される前記補助体の端面には、複数条の滑り止めが形成されていることを特徴とする請求項又は10に記載の壁装着具。
  12. 前記ヘッド部材に壁掛止め物品が直接に係合されること、又は前記ヘッド部材に係止される係合具を介して前記壁掛止め物品が間接的に係合されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の壁装着具。
  13. 前記針部材は、前記ヘッド部材の前記保持案内内にしまり嵌め状態に嵌合されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の壁装着具。
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