JP6179219B2 - 留付け具 - Google Patents
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例えば、特許文献1の図2においては釘が提示され、特許文献2の第1図においては木ねじが提示され、特許文献3の図1においては略直角Z字形状の止め具とステープル針が提示されている。
このため、上記取付け施工後に、例えば1枚の床板に破損・腐食等が生じた場合、全ての床板を取り外さなければこの1枚の床板を離脱・交換できない不具合があった。
該ビスの軸部に嵌入された状態で前記隙間内に突入し得る外径を持つ胴部を有し、
該胴部の上部箇所から反対方向となる振り分けた横2方向に、前記ビスの前記取付け用基材に向けた螺入・締結により前記胴部と一体となって連れ回りして、前記各溝の内部に突入した向きで前記各溝内の下面を下方に押圧して、前記各板材を前記取付け用基材に挟着する押圧翼部が突出形成され、
前記ビスの回転に連れ回りして前記各押圧翼部が前記溝内に深く突入する向きに達したときに、前記板材の側面下部に当接して前記連れ回りを停止させるストッパ板部が、前記胴部の下部から横方向に突出形成され、
該ストッパ板部は、前記ビスの戻り方向の回転により前記2枚の板材の下部に位置する戻り方向の側面下部に当接して、前記押圧翼部を前記隙間から上方に取り出し可能な向きに位置させ得るところに特徴がある。
請求項1、2に係る留付け具は、隣り合う2枚の板材を、長手方向に沿う側部どうしを若干の隙間を設けて、下方の取付け用基材に装着・固定するために用いられる。留付け具とビスを用いた前記装着は、ビスの軸部に胴部を嵌挿させた状態で行う。
ビスと本発明に係る留付け具を用いたこの装着は次の2つのいずれかの手順で行われる。
(1)2枚の板材を若干の隙間を設けて取付位置に配置する。
(2)留付け具を嵌挿したビスを、ドライバの先端部に支持させて、押圧翼部を前記隙間内に納まる向きに位置合わせをして、この隙間内の取付け用基材の上の取付け箇所に配置する。
(3)ドライバを操作してビスを取付け用基材に螺入し、この螺入の際に留付け具の軸回転方向の向きを換えて押圧翼部を両板材の溝内に突入する。
(4)最後に、ビスを締結終了深さまで螺入して、各押圧翼部により各板材を溝内から取付け用基材の方向に押圧し、押圧翼部と取付け用基材とによって各板材の一部分を挟着して、各板材を取付け用基材に装着・固定する。
(1)1枚目の板材を取付け財の取付位置に配置する。
(2)留付け具を嵌挿したビスを、ドライバの先端部に支持させて、配置した板材の横における取付け用基材の上の取付け箇所に途中深さまで螺入する。
(3)片方の押圧部材が板材の溝内に深く突入するまで、留付け具のビスを中心にした向きを換える。
(4)2枚目の板材を、留付け具の筒部を挟んだ取付位置に横から滑らせるようにして配置して、留付け材の他方の押圧翼部を、この板材の溝内に突入させる。
(5)最後に、ビスを締結終了深さまで螺入して、各押圧翼部により各板材を溝内から取付け用基材が位置する方向に押圧し、押圧翼部と取付け用基材とによって各板材の一部分を挟着して、各板材を取付け用基材に装着・固定する。
また、連れ回りした留付け具を、押圧翼部が前記溝内に深く突入した位置で停止させる位置決めが必要になる。請求項3に係る留付け具は、ストッパ突出部を板材の側面に当接させることによりこの位置決めを可能にし、請求項4に係る留付け具は、押圧翼部の先端部を板材の溝内側壁に当接させることによりこの位置決めを可能にしている。
ところで、多数枚の板材を取付け用基材の上に装着した後、一部の板材に破損、腐食等が生じて、この板材を新しい板材と交換する必要が生じることがある。
従来では、隣り合う板材どうしを凹凸嵌合させ、板材の隠れた箇所に釘、木ねじ、取付金具が取り付けられている。このため、最も外側に位置する板材から順に各板材を取り外さなければ、交換する板材を取り外すことが出来なかった。
これに対し、請求項5に係る留付け具を使用した板材の施工が行われていると、交換する板材を装着させていた留付け具をビスとともに抜き出して、交換する板材だけを取り外すことを可能にする。
本発明に係る留付け具は、金属板製品、金属製又は硬質樹脂製の射出成形品、金属製部分と樹脂製部分とが組み合わされて一体化された成形品のうちのいずれかである。
図1及び図2に示す床板50(60)は、長尺方向に沿う両側面の途中高さの箇所に、横凹形状の溝50b(60b)が形成された、同じ断面形状を持つフロアデッキ用の床板である。図中、左右の床板及び床板の各部については、以後の説明を理解し易くするため異なる符号(50,60等)を付してある。
図2に示す50,60の取付け用基材B上に向けた装着においては、タッピングビスと本発明に係る留付け具が使用される。
図3に、タッピングビス2(以下、ビス2と略称する。)と、第1実施形態に係る留付け具3A(以下、留付け具3Aと略称する。)とが示されている。
ビス2は、金属薄板に穿孔を形成して螺入・締結させるねじであり、先端部2eが穿孔用刃付きの尖ったドリル形状であり、頭部2aが角穴2bを有する肉厚円形状である。
図3に示す第1実施形態に係る留付け具(留付け部材)3A(以下、留付け具3Aと称する。)は、略筒形状を有する胴部4と、胴部4の上部から横2方向に大きく突出する押圧翼部6,7と、胴部2の下部から横2方向に突出するストッパ板部8,9とを具備する金属板製の一体成形品である。
図3及び図5に示すように、胴部4は、留付け具3Aをビス2のねじ部2dに嵌挿する部分になる。
胴部4は、留付け具3Aを安定姿勢でビス2の軸部2cに嵌挿・支持させる機能、押圧翼部6,7とストッパ板部8,9とを所定高さの位置で軸回転方向に振り向ける支軸としての機能、ビス2の取付け用基材に向けた締結に伴って押圧翼部6,7を下方に押し下げる機能、等を有する。
この摺接又は軽い圧接に伴う摩擦抵抗力は、留付け具3Aをビス2のねじ部2dを含めた軸部2cに嵌挿・支持させた状態の維持を可能にする。このため、留付け具3Aはビス2の回転と共に、連れ回り可能である。
尚、前記摩擦抵抗力は、ビス2に対して留付け具3Aを軸方向に容易に移動させる程度の大きさでもある。
前記摺接又は圧接には、ビス2のねじ部2dによる胴部4の内壁に向けた微細な食い込みを伴う場合が含まれてもよい。また、胴部4の素材が持つ若干の弾性変形を伴う場合が含まれてもよい。
図3に示す押圧翼部6(7)は、図2に示す溝50b(60b)内の下面50c(60c)を矢F(F)方向に押圧させる部分になる。
図3、図5及び図6(a)〜(f)に示すように、押圧翼部6(7)は、胴部4の上部から、軸心を中心にした180°の角度で横方向に振り分けられる方向に大きく突出している。押圧翼部6,7は、前記押圧を安定した姿勢で、極力広範囲に、効率良く行えるように、平面視において横方向に突出するに従って幅広くなる略三角枠形状を有する。
図3に示すストッパ板部8(9)は、押圧翼部6(7)の軸回転方向の位置決めをする部分になる。この位置決めとは、図1及び図2に示す隙間S内に位置させた留付け具3Aの軸回転方向の位置決めである。この位置決めには2種の位置決めがある。その1つは、押圧翼部6(7)を床板50(60)の溝50b(60b)内に深く突入させる位置決めである。他の1つは、留付け具3Aを隙間Sの上方に抜き出すことを可能にする、押圧翼部6(7)を溝50b(60b)内から溝S内に納まる向きに振り戻す位置決めである。
例えば、床板50,60の取付け間隔S1が5mmに対応させた留付け具3Aは、図6(a)に示すストッパ板部8(9)の突出長さLを1.7mmに設定し、ストッパ板部8(9)の中心線を押圧翼部6(7)の中心線に対して29.4°の角度で反時計周り方向に傾斜させた向きに設定すると、良好な位置決めが行えることが、試験の結果判明した。しかしながら、これらの寸法値は好適とされる一例であり、本発明の権利範囲を決めるものでえはない。
留付け具3Aの幅D1と、図7(a)及び(b)に示すドリル2の頭部2aの径D2は、隙間Sよりも若干狭い程度とされる。
図7(a)に示すように、床板の装着・固定作業は、床板50,60を、所定間隔S1の隙間Sを設けて、取付け用基材B上に配置させることから始まる。
続いて、留付け具3Aを、ビス2の先端部2を突出させる位置まで嵌挿させて、留付け具3Aをビス2に支持させる。
更に続く作業で、留付け具3Aを支持させたビス2の頭部2aの角穴2b内に電動ドライバ60に装着した角軸ドライバビット62の先端部を突入させ、この状態で留付け具3Aを支持させたビス2を下方に向ける。
更に続く作業で、留付け具3Aを嵌挿・支持させたビス2を、螺挿位置の隙間S上方に位置させる。
留付け具3Aの胴部4の下部分とストッパ突出部8,9は、隙間S内における床板50,60の下部側面50d,60dの間の位置にある。押圧翼部6,7は、隙間S内に位置し、しかも、図9(a)に示す溝50b,60bの下面50c、60cよりも若干高い位置にある。
押圧翼部6(7)が溝50b(60b)内に略全量納まるまで深く突入した向きに移動すると、連れ回りしていたストッパ突出部8(9)の先端部が、床板50(60)の下部側面50d(60d)に当接して、留付け具3Aの連れ回りを停止させる、押圧翼部6(7)の位置決めが行われる。
この締結により、押圧翼部6(7)は、床板50(60)を下方に強く押圧されて、取付け用基材B上にしっかりと装着・固定される。
上記作業では電動ドライバが使用されているが、手工具であるドライバを使用することも可能である。
ビス2の戻り方向の回転操作を更に続けると、上方に移動した押圧翼部6(7)が床板50(60)の上部側面50e(60e)に当接して留付け具3Aの更なる連れ回りを停止させる。このため、留付け具3Aは回転を停止したまま上方に引き上げられる。この結果、留付け具3Aをビス2と共に隙間S内から取り出すことができる。ビス2と留付け具3Aが取り外された床板は、床板を引き上げるだけで、簡単に取り外すことができる。
図12及び図13に示す本発明第2実施形態に係る留付け具3Bは、前記第1実施形態に係る留付け具と同様、略筒形状を有する胴部4と、胴部4の上部から横2方向に大きく突出する押圧翼部6,7と、胴部2の下部から横2方向に突出するストッパ突出部8,9とを具備する金属板製の一体成形品である。
この第2実施形態に係る留付け具3B(以下、留付け具3Bと略称する。)と、図3及び図5に示す第1実施形態に係る留付け具3Aとの差異は、成形における折曲方向と、押圧翼部6,7の形状にある。
第1実施形態に係る留付け具は、図4に示す舌片11aを切欠き部10a内に突入させ、舌片11bを切欠き部10b内に突入させて組み付ける工程を必要とするが、留付け具3Bの成形ではこの工程を必要としない。
このため、2分割構造の胴部4は、押圧翼部6,7の上板部6a,7aにより接続されて一体化されている。
図16(a)及び(b)に示すように、留付け具3Bを用いて床板50,60を取付け用基材B上に装着・固定する作業は、図8(a)及び(b)に示す第1実施形態に係る留付け具3Aを用いた場合と同様に、留付け具3Bを支持させたビス2を、押圧翼部6,7の向きを隙間S内に入る方向の位置合わせをした後、隙間S内に入れ、ビス2の先端部2eを取付け用基材B上に当接させて、留付け具3Aを取付け用基材B上方の浮いた高さに位置させる作業が行われる。
この締結により、押圧翼部6(7)が床板50(60)を下方に強く押圧して、床板50(60)を取付け用基材B上にしっかりと装着・固定させる。
図19(a)に示す第3実施形態の留付け具3Cは、第2実施形態の留付け具において、更に、押圧翼部6(7)の先端部6a(6b)の形状が平面視において傾斜した形状を有している。図19(a)においては2箇所の先端部6a(6b)のいずれもが傾斜しているが、いずれか一方が傾斜した形状であっても構わない。
この傾斜の角度は、図19(b)に示すように、ストッパ板部8(9)の先端が床板50(60)の下部側面50d(60d)に当接したときに、先端部6a(6b)の端面の全面が、溝50b(60b)内の側壁50e(60e)に当接し得る角度とされている。
傾斜した先端部6a(6b)は、図19(b)に示すように、前述した連れ回りが行われると、溝50b(60b)内の側壁50e(60e)に沿った当接が行なわれるため、押圧翼部6(7)をより深く溝50b(60b)内に位置させることができ、押圧翼部6(7)によって連れ回りの正確な向きの位置決めが行える。
とくに、この留付け具は、板材間の隙間内の取付け箇所に配置させる際には、押圧翼材を隙間に沿う方向に向け、板材を取付け基材上に装着する際には、押圧翼部を板材の凹溝内に振り向けることができるため、狭い板材間の隙間内に向けた突入及び抜き出しを可能にする。
3A 第1実施形態に係る留付け具(留付け部材)
3B 第2実施形態に係る留付け具(留付け部材)
4 胴部
5 ドリル嵌挿孔
6,7 押圧翼部
8,9 ストッパ板部
12,13 スリット
50,60 床板
50b,60b 溝
50c,60c (溝内の)下面
50d,60d 下部側面
B 取付け用基材
Claims (2)
- 板厚になる側面の途中高さの箇所に横凹形状の溝が形成された2枚の板材を、対向する前記側面間に若干の隙間を設けた状態で、取付け用基材の上に装着・固定するために、ビスと共に用いられる留付け具であって、
該ビスの軸部に嵌入された状態で前記隙間内に突入し得る外径を持つ胴部を有し、
該胴部の上部箇所から反対方向となる振り分けた横2方向に、前記ビスの前記取付け用基材に向けた螺入・締結により前記胴部と一体となって連れ回りして、前記各溝の内部に突入した向きで前記各溝内の下面を下方に押圧して、前記各板材を前記取付け用基材に挟着する押圧翼部が突出形成され、
前記ビスの回転に連れ回りして前記各押圧翼部が前記溝内に深く突入する向きに達したときに、前記板材の側面下部に当接して前記連れ回りを停止させるストッパ板部が、前記胴部の下部から横方向に突出形成され、
該ストッパ板部は、前記ビスの戻り方向の回転により前記2枚の板材の下部に 位置する戻り方向の側面下部に当接して、前記押圧翼部を前記隙間から上方に取り出し可能な向きに位置させ得ることを特徴とする留付け具。 - 前記各押圧翼部のうちの少なくとも一方の押圧翼部は、前記突入する向きに達したときに前記溝内の側壁に当接して前記連れ回りを停止させる長さを有する、請求項1に記載の留付け具。
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