JP6549354B2 - 取付具セット - Google Patents
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そこで、取付具本体と、この取付具本体を板材の被取付面に固定するための複数本のピン釘とを備えた取付具セットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従って、ピン釘をガイド孔に挿通して石膏ボードに打ち込むと、打ち込まれたピン釘は石膏ボードの内部で放射状に広がるので、石膏ボードに垂直に打ち込む場合に比べてピン釘による固着力が大幅に増加し、取付具本体を石膏ボードに強固に固定できる。
これを解消するには、ピン釘の打ち込み方向を被取付面に対して垂直となる方向に変更すればよいが、これでは石膏ボードに対するピン釘による固着力が大幅に低下する。
従って、この種の取付具セットにおいて、ピン釘の打ち込み方向を被取付面に対して垂直に設定すると、例えば、地震による振動等によってピン釘が徐々に抜け出し、固着力が次第に弱まる経年変化が生じる可能性が多いと考えられる。
その上で、本発明の取付具セットでは、前記ピン釘の軸部の軸方向中途部に、鋭利な先端が前記軸部の基端側に向くように切り起こされた抜け止め片が形成され、前記ガイド孔が前記抜け止め片を有する前記ピン釘を挿通可能な内径寸法を有する。
そして、打ち込まれたピン釘が板材の内部で放射状に広がるとともに、軸部に形成された抜け止め片の鋭利な先端が板材に突き刺さって抜け止め効果を発揮するので、石膏ボードなどの支持力が弱い板材にピン釘を垂直に打ち込んでも、固着力を確保できる。
この場合、前記ピン釘は、前記軸部の基端部をほぼ直角に屈曲させて形成された平坦状の頭部を有することが好ましい。このようにすれば、ピン釘を押し込む際に指にかかる圧力が円形頭部の場合よりも小さくなるので、指でピン釘を押し込み易くなる。
このようにすれば、取付後の取付具本体がその中心周りに回転するのを防止することができ、取付具本体が取付後に板材に対してがたつくのを未然に防止することができる。
この場合、前記押し込み部材を抜け止めして収容可能な収容部が前記取付具本体に形成され、前記収容部は前記ピン釘の打ち込み側と反対側に開口していることが好ましい。このようにすれば、押し込み部材を収容部に抜け止めした状態で取付具本体と一体化できるので、押し込み部材をピン釘の抜け止め部材として兼用できるようになる。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る取付具セット1の分解状態を示す側面図であり、図1(b)は、その底面図である。図2は、本発明の実施形態に係る取付具セットの取付状態を示す側面図である。また、図3は、取付具本体2と押し込み部材4の斜視図である。
取付具本体2は、硬質プラスチックなどの合成樹脂材よりなり、裏面側から表面側に向かって順に、短い円筒状の小径部11と、これより直径が大きいほぼ円筒状の大径部12とを有する。大径部12には、押し込み部材4の収容部13が形成されている。
ガイド孔14は、収容部13の底面から小径部11の裏面(板材7の被取付面に当接させる取付面)に向かって取付具本体2を軸心方向に貫通している。従って、ガイド孔14は、ピン釘3の打ち込み方向を板材7の被取付面に対して垂直にガイドする。
また、取付具本体2の収容部13の底面には、後述するピン釘3の頭部21がちょうど嵌り込む嵌合凹部15が形成されている。
図1に示すように、軸部20の外周面には、抜け止め片22が形成されている。本実施形態では、抜け止め片22は、軸部20における軸方向中途部の2箇所に配置されているが、その数は1箇所でもよいし3箇所以上でもよい。
かかる鰓状の抜け止め片22は、例えば、軸部20の外周面に対して、その基端側から先端側に向かって鋭利な刃物で斜めの切り込みを入れて、抜け止め片22を切り起こす工程(以下、「切り起こし工程」という。)を実施することによって形成できる。
軸部20の直径は、例えば1.0〜1.2mmである。また、板材7が石膏ボードなどの脆い材料である場合には、抜け止め片22の軸方向長さを、例えば0.6〜1.0mmの範囲に設定することが好ましく、抜け止め片22の径方向突出量を、0.2〜0.6mmの範囲に設定することが好ましい。
このため、ユーザは、石膏ボードなどの脆い板材7にピン釘3を打ち込む場合には、金槌などの打設工具でピン釘3を打ち込むだけでなく、平坦状の頭部21を指で押し込むことによっても、ピン釘3を打ち込むこともできる。
図3に示すように、取付具本体2の収容部13は、ピン釘3の打ち込み側と反対側(図1の左側)に開口しており、押し込み部材4の押圧板部30に対応する浅く抉れた上側部分と、押し込み部材4の肉厚部31に対応する深く抉れた下側部分とを有する。
このため、押し込み部材4を収容部13に収容すると、押し込み部材4の表面(図1の左側の面)が取付具本体2の表面と面一となるようにセットされる。そして、後述のカバー筒体5が取付具本体2に装着されると、カバー筒体5の表面壁部26が押し込み部材4の表面を押圧し、押し込み部材4が収容部13内に抜け止めされる。
カバー筒体5の周壁部25の内径は、取付具本体2の大径部12の外径とほぼ同じ寸法に設定され、周壁部25の開口縁には、大径部12の裏面側縁に係合する係合片が形成されている。従って、カバー筒体5を取付具本体2の表面側から被せると、係合片が取付具本体2の裏面側縁に引っ掛かった時点でカバー筒体5が抜け止めされる。
吊り下げ板部36の挿通孔35は円形であり、取付具本体2の小径部11よりも若干大きい内径を有する。
次に、その状態で、取付具本体2のガイド孔14にピン釘3を挿通し、そのピン釘3の頭部21を押し込み部材4の押圧板部30で押し込むことにより、ピン釘3を板材7に対して垂直に打ち込む。
このとき、収容部13の底面に形成された嵌合凹部15(図3参照)にピン釘3の頭部21がちょうど嵌り込む。これにより、ピン釘3によって取付具本体2が板材7の被取付面に固定される。
なお、図示していないが、取付具本体2の取り付けに際して、小径部11に別部材であるフック部材6を取り付けないようにし、フック部材6がない状態で取付具本体2を板材7に取り付けることにしてもよい。
このため、ピン釘3の打ち込み方向が被取付面に対して傾斜している従来の取付具セットの場合に比べて、ユーザがピン釘3を打ち込む作業が容易になり、取付具セットの使い勝手が向上する。
従って、ピン釘3を打ち込んだ際に、打ち込み後のピン釘3が抜け方向に移動しようとすると、抜け止め片22の鋭利な先端が板材7に突き刺さって抜け止め効果を発揮する。これにより、石膏ボードなどの支持力が弱い板材7に対してピン釘3を垂直に打ち込んでも、取付後の固着力を有効に確保することができる。
このため、取付具本体2に吊り下げられた物体から受ける力により、取付具本体2が中心周りに回転することがなく、取付具本体2が取付後に板材7に対してがたつくのを未然に防止できるという利点もある。
また、ピン釘3の打ち込み側と反対側に開口する収容部13が取付具本体2に形成され、この収容部13に押し込み部材4が抜け止めされた状態で収容されるので、打ち込み部材4をピン釘3の抜け止め部材としても兼用することができる。
変形例に係る取付具セット1が、上述の実施形態に係る取付具セット1と異なる点は、ピン釘3を2本に増加している点と、それに対応して取付具本体2のガイド孔14も2つに増加している点にある。
その他の構成及び機能は、上述の実施形態に係る取付具セット1の場合と同様である。従って、変形例に係る取付具セット1についても、実施形態に係る取付具セット1と同様の作用効果を奏する。
5:カバー筒体 6:フック部材 7:板材
11:小径部 12:大径部 13:収容部 14:ガイド孔
15:嵌合凹部 20:軸部 21:頭部 22:抜け止め片
25:周壁部 26:表面壁部 30:押圧板部 31:肉厚部
35:挿通孔 36:吊り下げ板部 37:フック部分
Claims (4)
- 取付具本体と、この取付具本体を板材の被取付面に固定するための1又は複数本のピン釘とを備え、前記ピン釘の軸部は断面が円形な丸棒状であり、前記板材の内部における前記ピン釘の打ち込み方向が前記被取付面に対して垂直となるように、前記ピン釘をガイドするガイド孔が前記取付具本体に形成された取付具セットであって、
前記ピン釘の前記軸部の軸方向中途部に、鋭利な先端が前記軸部の基端側に向くように切り起こされた抜け止め片が形成され、前記ガイド孔が前記抜け止め片を有する前記ピン釘を挿通可能な内径寸法を有することを特徴とする取付具セット。 - 前記ピン釘は、前記軸部の基端部をほぼ直角に屈曲させて形成された平坦状の頭部を有する請求項1に記載の取付具セット。
- 前記ピン釘の頭部が嵌合して前記取付具本体がその中心周りに回転するのを防止する嵌合凹部が、前記取付具本体に形成されている請求項1又は2に記載の取付具セット。
- 前記ピン釘の頭部を打ち込み側に押し込むための押し込み部材を更に備え、
前記押し込み部材を抜け止め状態で収容可能な収容部が前記取付具本体に形成され、前記収容部は前記ピン釘の打ち込み側と反対側に開口している請求項1〜3のいずれか1項に記載の取付具セット。
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