JP5354351B2 - 車体後部のリヤフロア構造 - Google Patents
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Description
一方、傾斜面52の傾斜角度が小さいと、車両後方からの衝撃時に、スペアタイヤ53の後部53aが押し上げられて反時計回りに回動することなく車両前方へ移動し、スペアタイヤ53の前方側にある部材に荷重を掛けてしまうおそれがあった。
さらに、本発明において、前記剛性を有する部材がジャッキである。
また、本発明において、前記スペアタイヤ設置用パネルとの接合部下方の前記バックパネルには、車幅方向へ延びるビード部が設けられ、該ビード部において前記リヤフロアと前記バックパネルとが接合されている。
また、本発明において、前記バックパネルは、車両後方へ向かって突出する湾曲形状に形成され、前記スペアタイヤ設置用パネルの車幅方向の大きさは、車両後方に向かうに従って広く形成されている。
したがって、本発明のリヤフロア構造によれば、車体後部に対して車両後方から衝撃荷重が加わった際に、スペアタイヤ設置用パネルを介してスペアタイヤの後部を十分に押し上げて車両前方へ回動させることが可能となり、スペアタイヤの車両前方への変位を確実に抑えることができる。しかも、車体後部の破損を減少させ、使用可能な収納スペースを十分に確保でき、利便性に優れている。
さらに、本発明において、前記剛性を有する部材がジャッキであるので、当該ジャッキをスペアタイヤ設置用パネルとリヤフロアとに密着させて収納配置することが可能となり、リヤフロアの上向きの折れ変形をスペアタイヤ設置用パネルに確実に伝えることができ、スペアタイヤの後部を跳ね上げる効果をより高めることができる。
しかも、本発明において、前記スペアタイヤ設置用パネルとの接合部下方の前記バックパネルには、車幅方向へ延びるビード部が設けられ、該ビード部において前記リヤフロアと前記バックパネルとが接合されているので、車両後方からの衝撃時に、ビード部によって剛性を持ったバックパネルがリヤフロアを間接的に車両前方へ押圧して上方への折れ曲がりを促進できる。
しかも、バックパネルとスペアタイヤ設置用パネルとの接合や、スペアタイヤブラケットとスペアタイヤ設置用パネルとの接合が、ボルト締結である場合には、製造時において、リヤフロアとバックパネルとの溶接作業及び止水シーラーの塗布作業を容易に行うことができる。
図1〜図4は本発明の実施形態に係る車体後部のリヤフロア構造を示すものである。
また、タイヤ収納部1aの底面上部には、スペアタイヤ2の孔に通して締め付けるスペアタイヤ固定具5を有するスペアタイヤブラケット6と、スペアタイヤ2の後部を載せるスペアタイヤ設置用パネル7とが車両前後方向に沿って配設されている。
このため、スペアタイヤブラケット6は、フランジ部6a,6bをタイヤ収納部1aの底面の所定位置に置いてそれぞれ溶接することにより、車両後方へ向かってタイヤ収納部1aの底面から離れて徐々に立ち上がる傾斜状態で、タイヤ収納部1aに固定配置されている。
一方、リヤフロア1のタイヤ収納部1aであって、ジャッキ3の軸中心より車両前方側の箇所には、捩り剛性を高める突出部14が車幅方向へ延在して設けられている。しかも、この突出部14は、スペアタイヤブラケット6の後部及びスペアタイヤ設置用パネル7の前部7aの接合部と、バックパネル4の支持ブラケット12及びスペアタイヤ設置用パネル7の後部7bの接合部との間に配置されている。このような箇所に設けた突出部14の辺部分は、車両後方からの衝撃時に、リヤフロア1のタイヤ収納部1aが座屈して上方向に折れ上がるのを誘発するものであり、リヤフロア1、ジャッキ3、スペアタイヤブラケット6及びスペアタイヤ設置用パネル7を介してスペアタイヤ2の後部2aが跳ね上がる作用を補うことになる。
これに伴い、図4に示すように、スペアタイヤ設置用パネル7が凸形状部8で上方向に折れ上がり、さらに、リヤフロア1が突出部14の辺部分で上方に折れ曲がって、ジャッキ3を通してスペアタイヤ設置用パネル7が押し上げられ、凸形状部8の折れ上がりが促進される。したがって、スペアタイヤ設置用パネル7上に傾斜配置されたスペアタイヤ2の後部2aは、矢印Rで示すように跳ね上げられて、車両前方へ向かって回動することになる(図3及び図4の鎖線参照)。
また、本実施形態のリヤフロア構造では、スペアタイヤブラケット6及びバックパネル4側の支持ブラケット12とスペアタイヤ設置用パネル7の前後部7a,7bとの接合が複数のボルト11によって行われているので、製造時において、リヤフロア1とバックパネル4との溶接作業や止水シーラーの塗布作業が終了してからスペアタイヤ設置用パネル7を取付けることができ、作業性の向上を図ることができる。
この実施形態においては、上記実施形態と異なり、バックパネル4の車幅方向中間部4aが車両後方へ向かって突出する湾曲形状に形成され、スペアタイヤ設置用パネル27の後部27bが二股に分離して形成されているとともに、車幅方向の間隔が車両後方に向かうに従って広く形成されている。
その他の構成は、上記実施形態と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示している。
その他の作用効果は、上記実施形態と同様である。
例えば、本発明の他の実施形態では、スペアタイヤ設置用パネル27の後部27bを二股に分離させて形成しているが、車幅方向の大きさが車両後方に向かうに従って広くなる一体形状の扇形に形成し、あるいは二股以上に分離させて形成しても良い。
1a タイヤ収納部
2 スペアタイヤ
2a スペアタイヤの後部
3 ジャッキ
4 バックパネル
5 スペアタイヤ固定具
6 スペアタイヤブラケット
7 スペアタイヤ設置用パネル
7a 前部
7b 後部
8 凸形状部
9 傾斜面
10 ビード
11 ボルト
12 支持ブラケット
13 バンパーメンバ
14 突出部
15 ビード部
27 スペアタイヤ設置用パネル
27b 後部
S 空間
Claims (7)
- リヤフロアの上部に車両前方へ向かって下り傾斜の傾斜面を有するスペアタイヤ設置用パネルを設け、該スペアタイヤ設置用パネルにスペアタイヤを載せて傾斜配置する車体後部のリヤフロア構造において、
前記スペアタイヤ設置用パネルの前後中間には、上方へ向かう凸形状部が車幅方向に沿って延在して設けられ、前記リヤフロアと前記スペアタイヤ設置用パネルとの上下間には、剛性を有する部材を配置する空間が形成されており、前記リヤフロアの前記剛性を有する部材の軸中心より車両前方側には、車幅方向へ延びる突出部が設けられ、
前記凸形状部及び前記突出部の頂部が前記スペアタイヤの後端よりも車両前方に位置していることを特徴とする車体後部のリヤフロア構造。 - 前記スペアタイヤ設置用パネルには、前記凸形状部を除いて、車両前後方向へ延びるビードが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部のリヤフロア構造。
- 前記剛性を有する部材がジャッキであることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部のリヤフロア構造。
- 前記リヤフロアの後部には、車幅方向に沿って延在するバックパネルが設けられ、該バックパネルには、バンパーメンバの設置高さにスペアタイヤが位置するように、前記スペアタイヤ設置用パネルの後部が接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車体後部のリヤフロア構造。
- 前記スペアタイヤ設置用パネルとの接合部下方の前記バックパネルには、車幅方向へ延びるビード部が設けられ、該ビード部において前記リヤフロアと前記バックパネルとが接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車体後部のリヤフロア構造。
- 前記リヤフロアの上部には、スペアタイヤ固定具を有するスペアタイヤブラケットが設けられ、該スペアタイヤブラケットの後部は、前記スペアタイヤ設置用パネルの前部と接合されており、前記リヤフロアの突出部は、前記スペアタイヤブラケット及び前記スペアタイヤ設置用パネルの接合部と前記バックパネル及び前記スペアタイヤ設置用パネルの接合部との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車体後部のリヤフロア構造。
- 前記バックパネルは、車両後方へ向かって突出する湾曲形状に形成され、前記スペアタイヤ設置用パネルの車幅方向の大きさは、車両後方に向かうに従って広く形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車体後部のリヤフロア構造。
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