JP2005263114A - 自動車の後部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リヤフロア下部のスペースを充分に確保しつつ、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部が折れ曲がるのを効果的に防止する。
【解決手段】 車体の左右に配設されたリヤサイドフレーム1の後端部にリヤエンドパネルを挟んで取付けボルトにより固定されるバンパーレインフォースメント2を備えた自動車の後部車体構造において、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部における上下寸法H1を、車幅方向側端部の上下寸法H2よりも大きな値に設定するとともに、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部の下面Aをリヤサイドフレーム1の下面Bよりも下方に位置させた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車体の左右に配設されたリヤサイドフレームの後端部にリヤエンドパネルを挟んで取付けボルトにより固定されるバンパーレインフォースメントを備えた自動車の後部車体構造に関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に示されるように、車体前後方向に延在した左右のサイドフレームの後端部に、左右のサイドフレームを連結する車幅方向に延在したリヤバンパー用のバンパーレインフォースメント(リヤバンパービーム)を取り付けた自動車の後部車体構造において、上記バンパーレインフォースメントを、その本体部をなす車幅方向に延在した一般断面部と、この一般断面部の上記リヤサイドフレームの取付け部位において断面を少なくとも上方に延長拡大した拡大断面部とをもつ構造とし、上記拡大断面部をリヤサイドフレームの後端部に取り付けることにより、バンパーレインフォースメントの本体部をなす一般断面部がリヤサイドフレームに対して下方にオフセットしたレイアウトとすることにより、後面衝突時の衝撃荷重を略ストレートにリヤサイドフレームに入力させることが行われている。
特開2002−29342号公報
上記特許文献1に開示されているように、リヤフロアパネルの下面に固着された左右のリヤサイドフレームに対してリヤバンパー用のバンパーレインフォースメントを下方にオフセットさせて配置した場合には、リヤサイドフレームおよびリヤフロアパネルを上方に配設することにより、リヤフロアパネルの下部に取り付けられるマフラーや燃料タンクの収容スペースを充分に確保した上で、リヤバンパーの下端部を路面に近付けることにより、自動車の後突時に作用する荷重から車体を効果的に保護できるという利点がある。
しかし、上記バンパーレインフォースメントは、その上下寸法が車幅方向の全長に亘って均一に設定されているため、バンパーレインフォースメントの下端部が下方に配設されるのに対応してリヤエンドパネルの下端部もその全長に亘り下方に位置することとなって排気管の後端部を車体の後方側に突出させることが困難となる等の問題がある。また、上記バンパーレインフォースメントの上下寸法を小さくすると、自動車の後突時に大きな衝突荷重が作用した場合に、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部が車体の前方側に折れ曲がって上記衝突荷重をリヤサイドフレームに伝達することができなくなるという問題がある。上記バンパーレインフォースメントの折れ曲がりを防止するためにその上下寸法を大きくすると、車体重量が増大して軽量化を図ることが困難になるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、リヤフロア下部に取り付けられるマフラーや燃料タンクの収容スペースおよび排気管の後端部を車体の後方側に突出させるためのスペース等を充分に確保しつつ、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部が折れ曲がるのを効果的に防止するとともに、車体の軽量化を図ることができる自動車の後部車体構造を提供するものである。
請求項1に係る発明は、車体の左右に配設されたリヤサイドフレームの後端部にリヤエンドパネルを挟んで取付けボルトにより固定されるバンパーレインフォースメントを備えた自動車の後部車体構造において、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部における上下寸法を、車幅方向側端部よりも大きな値に設定するとともに、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部の下面をリヤサイドフレームの下面よりも下方に位置させたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車の後部車体構造において、リヤサイドフレームの設置部に位置するリヤエンドパネルの下端部をリヤサイドフレームの底壁部と略同一高さに設置し、バンパーレインフォースメントに、車幅方向に延びるレイン本体部を設けるとともに、その左右両端部に、上部取付けブラケットおよび下部取付けブラケット部を設け、上記上部取付けブラケットをレイン本体部から上方に突設してリヤエンドパネルの後面に固定し、かつ上記下部取付けブラケットをレイン本体部から車体の前方側に突設してリヤサイドフレームの底壁部に固定したものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の自動車の後部車体構造において、バンパーレインフォースメントの下部取付けブラケット部と、レイン本体部の下端部との間に、リヤサイドフレームの後面下端部に対向する段差部を設けたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項3に記載の自動車の後部車体構造において、バンパーレインフォースメントのレイン本体部と、上部取付けブラケット部および下部取付けブラケット部と、段差部とを1枚の板材によって一体成形するとともに、上記両取付けブラケット部および段差部の内面に沿ってブラケット補強部材を配設したものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項4に記載の自動車の後部車体構造において、バンパーレインフォースメントの上部取付けブラケット部、下部取付けブラケット部および段差部の内面に沿って配設されたブラケット補強部材とレイン本体部との間に補強リブ材を配設したものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5の何れか1項に記載の自動車の後部車体構造において、リヤサイドフレームの後端部内面に沿って後端下部補強部材を配設するとともに、リヤサイドフレームの後端部上面に沿って後端上部補強部材を配設し、上記後端下部補強部材および後端上部補強部材に、バンパーレインフォースメント用の取付けボルトが螺着されるナット部をそれぞれ設けたものである。
請求項1に係る発明によれば、リヤサイドフレームを路面から離れた位置に配設することによりマフラーや燃料タンク等の収容スペースを確保しつつ、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部を低い位置に配設することにより、簡単な構成で自動車の後突時に下方から入力される荷重等から車体を効果的に保護することができる。しかも、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部の剛性を向上させることにより、自動車の後突時等に大きな衝撃荷重が作用した場合においても、バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部が折れ曲がるという事態の発生を効果的に防止できるとともに、車体を軽量化できるという利点がある。
請求項2に係る発明によれば、リヤサイドフレームの設置部に位置するリヤエンドパネルの左右両端部がリヤサイドフレームの下方に突出した状態となることが防止されるため、排気管の後端部を車体の後方側に突出させるためのスペース等を充分に確保することができるとともに、リヤエンドパネルおよびリヤサイドフレームに取り付けられる上部取付けブラケット部と下部取付けブラケット部との設置間隔を充分に確保してバンパーレインフォースメントの取付け状態を安定させることができる。
請求項3に係る発明によれば、自動車の後突時等にバンパーレインフォースメントを前方側に押圧する方向に荷重が作用すると、バンパーレインフォースメントの下部取付けブラケット部とレイン本体部との間に設けられた段差部が、リヤサイドフレームの後面下端部に当接することになるため、上記衝突荷重をリヤサイドフレームに伝達することにより安定して支持できるという利点がある。
請求項4に係る発明によれば、一枚の板材を加工することにより軽量で剛性の高いバンパーレインフォースメントを容易かつ安価に製造することができるとともに、バンパーレインフォースメントの取付けブラケット部および段差部を上記ブラケット補強部材によって効果的に補強し、この部分に作用する自動車の衝突荷重等を安定して支持することができる。
請求項5に係る発明によれば、自動車の衝突時等に、バンパーレインフォースメントを前方側に押圧する方向に作用する衝撃荷重に応じ、上記ブラケット補強部材とレイン本体部との間に配設された補強リブ材を圧縮変形させることにより上記衝撃荷重を効果的に吸収することができる。
請求項6に係る発明では、上記取付けブラケット部の取付けボルトが螺着されるナット部を有する後端下部補強部材および後端上部補強部材を、リヤサイドフレームの後端部内面および後端部上面に沿ってそれぞれ配設したため、このリヤサイドフレームに対するバンパーレインフォースメントの取付け作業を容易に行うことができるとともに、バンパーレインフォースメントの取付けブラケットが取り付けられるリヤサイドフレームの後端部を上記両補強部材により効果的に補強することにより、バンパーレインフォースメントの取付け状態を安定して維持できるという利点がある。
図1は、本発明に係る自動車の後部車体構造の実施形態を示している。この前部車体には、車体の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム1と、このリヤサイドフレーム1の後端部に取り外し可能に取り付けられて両リヤサイドフレーム1の後端部同士を連結するバンパーレインフォースメント2と、上記リヤサイドフレーム1の後端部とバンパーレインフォースメント1の間に配設されて両者により挟持されるリヤエンドパネル3と有している。上記リヤサイドフレーム1の上方には、スペアタイヤの収納部4aを有するリヤフロアパネル4が設置されるとともに、上記バンパーレインフォースメント2の後方側には、図示を省略したバンパーフェースが設置されるようになっている。
上記バンパーレインフォースメント2は、図2〜図5に示すように、車幅方向に延びるレイン本体部5と、その左右両端部にそれぞれ設けられた上下の取付けブラケット部6,7とを有し、この下部取付けブラケット部7と上記レイン本体部5との間には、段差部8が設けられている。これらのレイン本体部5、取付けブラケット部6,7および段差部8は、一枚の鋼板材をホットプレス加工する等により一体に形成されている。そして、上記上部取付けブラケット部6の内端部には、レイン本体部5の上下に突設されたフランジ部5aの側端部が接続されている(図3参照)。
上記バンパーレインフォースメント2の左右両端部には、上下の取付けブラケット部6,7および上記段差部8の内壁面に沿ってブラケット補強部材9が配設されてスポット溶接等の手段で固定されるとともに、上記ブラケット補強部材8の外側端部から車体の後方側に補強リブ材10が突設されている。また、上記バンパーレインフォースメント2のレイン本体部5は、前壁板12と、その上下両端部から車体の前方側に延びる上壁板13および底壁板14とを有し、これらにより背面が開口した断面略コ字状に形成されるとともに、上記前壁板12には車幅方向に延びる補強用ビード15が所定の位置に設けられている。
上記パンバーレインフォースメント2のレイン本体部5は、その前壁板12の上下寸法が側端部から中央部に至るに従って次第に増大するように設定されることにより、バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部における上下寸法H1が左右両端部の上下寸法H2よりも大きな値に設定されるとともに、バンパーレインフォースメント2を構成するレイン本体部5の車幅方向中央部の下面Aがリヤサイドフレーム1の下面Bよりも下方に位置するように構成されている(図2参照)。また、上記リヤサイドフレーム1の設置部に位置するリヤエンドパネル3の下端部3aは、リヤサイドフレーム1の底壁部と略同一高さに設置されている(図1および図4参照)。
上記バンパーレインフォースメント2の下方側に位置する段差部8は、図4および図5に示すように、レイン本体部5の底壁板14の前端部左右から下方に突設された所定幅の縦壁板からなり、リヤサイドフレーム1の後面下端部に対向する位置に設けられている。そして、上記レイン本体部5の上壁板13の側端部後面から上方に向けて上記上部取付けブラケット部6が突設されるとともに、バンパーレインフォースメント2の側方下部に設けられた段差部8の下端部から車体の前方側に向けて上記下部取付けブラケット部7が突設されている。
上部取付けブラケット部6は、取付けボルト17によりリヤエンドパネル3とともにリヤサイドフレーム1の後端上部に固定され、下部取付けブラケット部7は、左右一対の取付けボルト18によりリヤサイドフレーム1の後端底壁部に固定されるようになっている。なお、図4において、16はバンパーレインフォースメント2の取付け作業時に、その位置決めおよび仮係止を行うための係止用クリップである。
上記ブラケット補強部材9は、バンパーレインフォースメント2の上部取付けブラケット部6および段差部8の内面(前面)に沿って接合される鉛直部19と、その下端部から車体の前方側に突設されて上記下部取付けブラケット部7の内面(上面)に接合される水平部20とを有している。上記鉛直部19の上部には取付けボルト17の挿通孔19が形成されるとともに、上記水平部20には取付けボルト18の挿通孔22が形成されている(図7参照)。そして、上記ブラケット補強部材9の鉛直部19が上部取付けブラケット部6および段差部8の内面(前面)に沿って設置されるとともに、水平部20が下部取付けブラケット部7の内面(上面)に沿って設置された状態でスポット溶接される等により、上記ブラケット補強部材9がバンパーレインフォースメント2の側端部近傍に固着されている。
また、上記補強リブ材10は、ブラケット補強部材9の鉛直部19の側端部から車体の後方側に延びる縦壁部23と、その上下両端部および後端部に設けられた取付けフランジ部24〜26とを有し、これらの取付けフランジ部24〜26がレイン本体部5の上下両壁部13,14および前壁部12の側端部内面にスポット溶接される等により、上記バンパーレインフォースメント2の側端部においてブラケット補強部材9の鉛直部19とレイン本体部5の内面との間に配設されるように構成されている。
また、上記リヤサイドフレーム1は、図6および図7に示すように、水平方向に延びる底壁板27と、その左右両端部から上方側に延びる左右一対の側壁板28,29とを有する断面略コ字状のフレーム本体部30と、上記側壁板28,29の上端部から側方に突設された接合フランジ部31,32とからなっている。そして、上記両接合フランジ部31,32がリヤフロアパネル4の下面に溶接される等により、車体の前後方向に延びる閉断面が構成されるとともに、車体外方側の側壁部28が上記補強リブ材10に対向するように構成されている。
また、上記リヤサイドフレーム1の後端部内面に沿って後端下部補強部材33が配設されるとともに、リヤサイドフレーム1の後端部上面に沿って後端上部補強部材34が配設されている。上記後端下部補強部材33は、上記底壁板27の後端部上面にスポット溶接等の手段で固着される取付け板35と、その先端部(後端部)から上方に突設された起立板36とを有し、この起立板36の上部には、上記取付けボルト17の挿通孔が形成されている。また、上記後端下部補強部材33の取付け板35の上面には、上記取付けボルト18が螺着されるナット37が予め固着されている。
上記後端上部補強補部材34は、リヤサイドフレーム1の接合フランジ部31,32の上面にスポット溶接される等により固着される水平板38と、その後端部から上方側に突設された起立板39とを有する略L字状に形成され、この起立板39には、バンパーレインフォースメント用の取付けボルト17が螺着されるナット40が予め固着されている。また、上記起立板39にナット40を溶接する際の作業性を向上させるため、水平板38の中央部には下方に凹入する凹部41が形成されている。
上記のように車体の左右に配設されたリヤサイドフレーム1の後端部にリヤエンドパネル1を挟んで取付けボルト17,18により固定されるバンパーレインフォースメント2を備えた自動車の後部車体構造において、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部における上下寸法H1を、車幅方向側端部の上下寸法H2よりも大きな値に設定するとともに、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部の下面Aをリヤサイドフレーム1の下面Bよりも下方に位置させたため、フロアパネル4の下方にマフラーや燃料タンク等の収容スペースを確保しつつ、簡単な構成で自動車の後突時等に下方から入力される荷重から車体を効果的に保護することができるとともに、上記バンパーレインフォースメント2の重量を増大させることなく、その車幅方向中央部が大きな衝撃荷重に応じて折れ曲がるという事態の発生を防止できるという利点がある。
すなわち、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向側端部における上下寸法H2を小さな値に設定することにより、この部分に対向して設置されるリヤサイドフレーム1を車体の上方側に位置させることができる。これにより、上記リヤサイドフレーム1の上方に配設されるリヤフロアパネル4の下方に、マフラーや燃料タンク等を収容するための充分なスペースを確保することができる。しかも、上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部における上下寸法H1を大きな値に設定するとともに、その下面Aをリヤサイドフレーム1の下面よりも下方に位置させるようにしたため、上記マフラー等の収容スペースを確保しつつ、自動車の後退時に車体が路上突起に当接すること等による車体の損傷を上記バンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部によって効果的に防止することができる。
また、自動車の後突時等に大きな衝撃荷重が作用するバンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部の断面係数を側端部に比べて大きくしてその剛性を向上させるように構成したため、バンパーレインフォースメント2の重量をそれ程増大させることなく、上記衝撃荷重に応じてバンパーレインフォースメント2の車幅方向中央部が折れ曲がるという事態の発生を防止することができる。したがって、上記衝撃荷重をバンパーレインフォースメント2により支持しつつ、リヤサイドフレーム1に伝達して吸収することができるとともに、車体の軽量化を図ることができる。
また、上記実施形態では、リヤサイドフレーム1の設置部に位置するリヤエンドパネル3の下端部3aをリヤサイドフレーム1の底壁部(底壁板27)と略同一高さに設置することにより、上記リヤエンドパネル3の左右両端部がリヤサイドフレーム1の下方に突出した状態となるのを防止するように構成したため、この部分に上記リヤエンドパネル3の下方に排気管の後端部等を車体の後方側に突出させるためのスペースを充分に確保することができる。さらに、上記バンパーレインフォースメント2に、車幅方向に延びるレイン本体部5と、その左右両端部に位置する上部取付けブラケット部6および下部取付けブラケット部7とを設け、上記上部取付けブラケット部6をレイン本体部5から上方に突設してリヤエンドパネル3の後面に固定するとともに、上記下部取付けブラケット部7をレイン本体部5から車体の前方側に突設してリヤサイドフレーム1の底壁部(底壁板27)に固定したため、リヤエンドパネル3およびリヤサイドフレーム1に取り付けられる上部取付けブラケット部6と下部取付けブラケット部7との設置間隔を充分に確保してバンパーレインフォースメント1の取付け状態を効果的に安定させることができる。
また、上記実施形態では、バンパーレインフォースメント2の下部取付けブラケット部7と、レイン本体部5の下端部との間に、リヤサイドフレーム1の後面下端部に対向する段差部8を設けたため、自動車の後突時等にバンパーレインフォースメント2を前方側に押圧する方向に荷重が作用すると、バンパーレインフォースメント2の下部取付けブラケット部7とレイン本体部5との間に設けられた段差部8が、リヤサイドフレーム1の後面下端部に当接して上記衝突時の荷重がリヤサイドフレーム1に伝達されることになる。したがって、バンパーレインフォースメント2に作用する衝突荷重を、上記段差部8が当接するリヤサイドフレーム1の後面下端部と、上記取付けボルト17,18によりバンパーレインフォースメント2の上部取付けブラケット部6および下部取付けブラケット部7が取り付けられるリヤサイドフレーム1の後端上部および底壁部に分散させることにより安定して支持できるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、バンパーレインフォースメント2のレイン本体部5と、上部取付けブラケット部6および下部取付けブラケット部7と、上記段差部8とを1枚の板材によって一体成形するとともに、上記下部取付けブラケット部7および段差部8の内面に沿ってブラケット補強部材9を接合したため、一枚の板材を加工することにより軽量で剛性の高いバンパーレインフォースメント2を容易かつ安価に製造することができる。しかも、バンパーレインフォースメント2の取付けブラケット部6,7および段差部8を上記ブラケット補強部材9によって効果的に補強し、この部分に作用する自動車の衝突荷重等を安定して支持することができるため、この衝突荷重等に応じて上記リヤサイドフレーム1の後端部等が変形するのを、より効果的に防止できるという利点がある。
特に、鋼板材等を熱板間に差し入れ、可動定盤を液圧等により作動させて加熱圧締するホットプレス成形法により、上記バンパーレインフォースメント2のレイン本体部5と取付けブラケット部6,7と段差部8とを一体に成形するように構成した場合には、断面形状が複雑に変化する上記バンパーレインフォースメント2を容易かつ適正に形成できるという利点がある。
また、上記実施形態では、バンパーレインフォースメント2の上部取付けブラケット部6、下部取付けブラケット部7および段差部8の内面に沿って配設されたブラケット補強部材9とレイン本体部5の内面との間に補強リブ材10を配設したため、自動車の衝突時等に、バンパーレインフォースメント2を前方側に押圧する方向に作用する荷重に応じ、上記ブラケット補強部材9とレイン本体部5との間に配設された補強リブ材10を圧縮変形させて上記衝撃荷重を効果的に吸収することにより、リヤサイドフレーム1の損傷をより効果的に抑制できるという利点がある。
特に、上記実施形態に示すように、リヤサイドフレーム1の車体外方側の側壁部28に対向した位置に上記補強リブ材10を配設した場合には、自動車の後衝突時等に作用する衝撃荷重に応じ、上記補強リブ材10を確実に圧縮変形させて衝撃荷重を効率よく吸収できるという利点がある。なお、上記補強リブ材10をリヤサイドフレーム1の車体内方側の側壁部29に対向した位置に配設した場合においても、自動車の後衝突時等に作用する衝撃荷重に応じ、上記補強リブ材10を確実に圧縮変形させて衝突荷重を効率よく吸収することができる。
また、上記実施形態では、リヤサイドフレーム1の後端部内面に沿って後端下部補強部材33を配設するとともに、リヤサイドフレーム1の後端部上面に沿って後端上部補強部材34を配設し、上記後端下部補強部材33および後端上部補強部材34に、バンパーレインフォースメント2用の取付けボルト17,18が螺着されるナット37,40をそれぞれ設けたため、上記後端下部補強部材33および後端上部補強部材34をリヤサイドフレーム1の後端部に取り付けることにより、このリヤサイドフレーム1に対するバンパーレインフォースメント2の取付け作業を容易に行うことができる。しかも、リヤサイドフレーム1の後端部が上記後端下部補強部材33および後端上部補強部材34により効果的に補強されるため、バンパーレインフォースメント2の取付け状態を安定して維持できるという利点がある。なお、上記ナット37,40を前端下部補強部材33および前端上部補強部材34に溶接してなる上記実施形態に代え、この前端下部補強部材33および前端上部補強部材34に直接ねじ穴を形成した構造としてもよい。
また、図8に示すように、前端上部補強部材34の起立板39に取付けボルト42の頭部42aを固着するとともに、そのねじ軸42bを前端下部補強部材33の起立板36の後方側に突設し、上記ねじ軸42bにナット43を螺着することにより上記リヤエンドパネル3およびバンパーレインフォースメント2の上部取付けブラケット部7を上記起立板39等に固定するようにしてもよい。この構成によれば、上記バンパーレインフォースメント2の取付け作業時に、その位置決めおよび仮係止部材として上記ボルト42のねじ軸42bを利用することができる。しかし、上記前端下部補強部材33の起立板36に、上記ねじ軸42bを挿通させるための切欠きまたはバカ穴を形成する必要があるため、この部分にシーラー材を適正に塗布してシールする作業が困難になる傾向がある。したがって、簡単な構成でシール性を確実に確保するためには、上記実施形態に示すように、後端上部補強部材34に、バンパーレインフォースメント2用の取付けボルト17が螺着されるナット40あるいはねじ穴等のナット部を形成した構造とすることが好ましい。
本発明に係る自動車の後部車体構造の実施形態を示す斜視図である。 バンパーレインフォースメントの具体的構成を示す正面図である。 バンパーレインフォースメントの具体的構成を示す分解斜視図である。 バンパーレインフォースメントの取付け状態を示す側面断面図である。 バンパーレインフォースメントの取付け状態を示す正面図である。 リヤサイドフレームの後端部の構成を示す正面断面図である。 リヤサイドフレームの後端部の構成を示す平面断面図である。 リヤサイドフレームの後端部の他の具体例を示す側面断面図である。
符号の説明
1 リヤサイドフレーム
2 バンパーレインフォースメント
3 リヤエンドパネル
5 レイン本体部
6 上部取付けブラケット部
7 下部取付けブラケット部
8 段差部
9 ブラケット補強部材
10 補強リブ材
17,18 取付けボルト

Claims (6)

  1. 車体の左右に配設されたリヤサイドフレームの後端部にリヤエンドパネルを挟んで取付けボルトにより固定されるバンパーレインフォースメントを備えた自動車の後部車体構造において、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部における上下寸法を、車幅方向側端部よりも大きな値に設定するとともに、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向中央部の下面をリヤサイドフレームの下面よりも下方に位置させたことを特徴とする自動車の後部車体構造。
  2. リヤサイドフレームの設置部に位置するリヤエンドパネルの下端部をリヤサイドフレームの底壁部と略同一高さに設置し、バンパーレインフォースメントに、車幅方向に延びるレイン本体部を設けるとともに、その左右両端部に、上部取付けブラケットおよび下部取付けブラケット部を設け、上記上部取付けブラケットをレイン本体部から上方に突設してリヤエンドパネルの後面に固定し、かつ上記下部取付けブラケットをレイン本体部から車体の前方側に突設してリヤサイドフレームの底壁部に固定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の後部車体構造。
  3. バンパーレインフォースメントの下部取付けブラケット部と、レイン本体部の下端部との間に、リヤサイドフレームの後面下端部に対向する段差部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の自動車の後部車体構造。
  4. バンパーレインフォースメントのレイン本体部と、上部取付けブラケット部および下部取付けブラケット部と、段差部とを1枚の板材によって一体成形するとともに、上記両取付けブラケット部および段差部の内面に沿ってブラケット補強部材を配設したことを特徴とする請求項3に記載の自動車の後部車体構造。
  5. バンパーレインフォースメントの上部取付けブラケット部、下部取付けブラケット部および段差部の内面に沿って配設されたブラケット補強部材とレイン本体部との間に補強リブ材を配設したことを特徴とする請求項4に記載の自動車の後部車体構造。
  6. リヤサイドフレームの後端部内面に沿って後端下部補強部材を配設するとともに、リヤサイドフレームの後端部上面に沿って後端上部補強部材を配設し、上記後端下部補強部材および後端上部補強部材に、バンパーレインフォースメント用の取付けボルトが螺着されるナット部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の自動車の後部車体構造。
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