JP6252560B2 - 車両後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後部構造に関する。
下記特許文献1には、車体後部の下部構造に関する発明が開示されている。この車体後部の下部構造では、スペアタイヤハウスが形成されたリアフロアの車両幅方向両側の周縁部に車両前後方向に延在する一対のサイドフレームが配置されている。このサイドフレームは、フレーム前部とフレーム後部とに分割されており、フレーム前部はフレーム後部よりも高い剛性を有している。一方、スペアタイヤハウスの下面部における車両幅方向中央部には、車両前後方向に延在するフック補強部材が配置されている。このフック補強部材は、車両上下方向に見てサイドフレームの分割位置と同じ位置で補強部材前部と補強部材後部とに分割されており、補強部材後部は補強部材前部よりも高い剛性を有している。また、スペアハウスに収納されたスペアタイヤは、その車両後方側の部分がその車両前方側の部分よりも車両上方側に配置されるように傾倒された状態で配置されている。このため、車両後部に衝突荷重が入力されると、サイドフレーム及びフック補強部材が、それぞれの分割位置において車両下方側に凸となるように折れ変形し、これに伴いリアフロア、ひいてはスペアタイヤハウスが変形する。そして、スペアタイヤハウスが変形すると、スペアタイヤはその車両前方側の部分を中心に車両前方側に回動しつつ跳ね上げられ、その結果、スペアタイヤによる車両前方側への荷重の伝達を抑制することができる。
特開2011−111025号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された先行技術による場合、フレーム前部がフレーム後部に対し、補強部材前部が補強部材後部に対し、それぞれ車両前後方向に沿って直線的に配置されており、衝突荷重入力時の曲げ変形の方向が安定しないことが考えられる。このため、衝突荷重入力時に安定してスペアタイヤを跳ね上げるには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両後部への衝突荷重入力時に安定してスペアタイヤを跳ね上げて、スペアタイヤによる車両前方側への荷重の伝達を抑制することができる車両後部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両後部構造は、車体後部を構成するリヤフロアパネルに形成され、スペアタイヤが収納されるスペアタイヤハウスと、前記スペアタイヤハウスの底壁部に設けられると共に当該底壁部を補強して第1高剛性部を構成する前側補強部と、前記底壁部に車両前後方向に延在する下壁部を含んで設けられかつ前記前側補強部の車両後方上側に配置されると共に当該底壁部を補強して第2高剛性部を構成する後側補強部と、前記第1高剛性部と前記第2高剛性部との間に設けられると共に当該第1高剛性部及び当該第2高剛性部よりも剛性が低く設定された低剛性部と、を有している。
請求項1に記載の本発明によれば、車体後部を構成するリヤフロアパネルにスペアタイヤハウスが形成されており、当該スペアタイヤハウスにスペアタイヤが収納される。このため、車両後部に衝突荷重が入力されると、車体後部を構成するリヤフロアパネル、ひいては当該リヤフロアパネルに形成されたスペアタイヤハウスに当該衝突荷重が入力され、当該衝突荷重はスペアタイヤハウスを介してスペアタイヤにも伝達する。
ところで、車両後部に入力される衝突荷重が大きいとリヤフロアパネルが変形し、当該リヤフロアパネルの変形に伴いスペアタイヤハウスも変形する。そして、スペアタイヤハウスが変形することで、スペアタイヤが車両前方側に移動することが考えられる。
ここで、本発明では、スペアタイヤハウスの底壁部に前側補強部及び後側補強部が設けられており、当該底壁部が前側補強部で補強されることで第1高剛性部が構成されると共に、当該底壁部が後側補強部で補強されることで第2高剛性部が構成されている。また、第1高剛性部と第2高剛性部との間には、当該第1高剛性部及び当該第2高剛性部よりも剛性が低く設定された低剛性部が設けられている。このため、スペアタイヤハウスに車両後方側からの衝突荷重が入力されると第2高剛性部及びスペアタイヤハウスにおける第2高剛性部の周辺部はその形状を略維持しつつ車両前方側に押圧される。そして、スペアタイヤハウスは、第1高剛性部と第2高剛性部との間に設けられた低剛性部を起点として曲げ変形する。
ところで、第1高剛性部及び第2高剛性部が車両前後方向に沿って直線的に配置されていると、スペアタイヤハウスの曲げ変形の方向が安定しないことが考えられる。ここで、本発明では、後側補強部が車両前後方向に延在する下壁部を含んで構成されると共に前側補強部の車両後方上側に配置されており、第2高剛性部が第1高剛性部の車両後方上側に構成される。このため、車両後方側からの衝突荷重の車両前後方向の成分によって第2高剛性部が車両前方側に押圧されて、第1高剛性部が車両前方側に起き上がる方向に回動する。その結果、車両後部に入力される衝突荷重に車両上下方向の荷重成分が含まれていても、スペアタイヤハウスは低剛性部を頂点として車両上方側に凸となるように折れ変形し、当該スペアタイヤハウスが折れ変形することでスペアタイヤが跳ね上げられる。
請求項2に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1に記載の発明において、前記後側補強部は、前記スペアタイヤハウスの車両後方側の端部まで延在しており、当該後側補強部の車両後方側の端部は、前記リヤフロアパネルの車両幅方向両側の周縁部に沿って延在するリヤサイドメンバの車両後方側の端部よりも車両後方側に位置している。
請求項2に記載の本発明によれば、後側補強部は、スペアタイヤハウスの車両後方側の端部まで延在している。また、後側補強部の車両後方側の端部は、リヤフロアパネルの車両幅方向両側の周縁部に沿って延在するリヤサイドメンバの車両後方側の端部よりも車両後方側に位置している。このため、車両後方側からの衝突荷重入力時において、スペアタイヤハウスは、リヤサイドメンバが変形するよりも前に折れ変形することができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記後側補強部の車両後方側には、車両前後方向に見て当該後側補強部と重なる位置に車両幅方向に延在するリヤバンパリインフォースメントが配置されている。
請求項3に記載の本発明によれば、後側補強部の車両後方側に車両前後方向に見て当該後側補強部と重なる位置に車両幅方向に延在するリヤバンパリインフォースメントが配置されている。このため、車両後方側からリヤバンパリインフォースメントへ入力された衝突荷重の後側補強部への伝達効率を向上させることができる。
請求項4に記載の本発明に係る車両後部構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記低剛性部は、前記スペアタイヤの前記底壁部への固定位置の車両後方側に配置されている。
請求項4に記載の本発明によれば、低剛性部がスペアタイヤの底壁部への固定位置の車両後方側に配置されているためスペアタイヤハウスの変形の起点が、スペアタイヤの固定位置よりも車両後方側となる。このため、車両後方側からの衝突荷重入力時において、スペアタイヤはその車両後方側の部分がその車両前方側の部分よりも車両上方側に配置されるように傾倒された状態となる。また、このとき、スペアタイヤハウスにおける第1高剛性部の周辺部は、車両前方側に起き上がる方向に回動するため、当該周辺部からスペアタイヤには、当該スペアタイヤを車両前方側に起き上がる方向に回動させる荷重が作用する。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両後部構造は、車両後部への衝突荷重入力時に安定してスペアタイヤを跳ね上げて、スペアタイヤによる車両前方側への荷重の伝達を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明に係る車両後部構造は、リヤサイドメンバの長さを確保できない車両であっても車体後部の変形の影響を受けることなくスペアタイヤを跳ね上げることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明に係る車両後部構造は、車両後方側からの衝突荷重の入力からスペアタイヤの跳ね上げまでにかかる時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の本発明に係る車両後部構造は、スペアタイヤの傾倒方向を車両下方側に向けることでスペアタイヤが車両前方斜め上方側に変位するのを抑制することができるという優れた効果を有する。また、低剛性部がスペアタイヤの底壁部への固定位置の車両前方側に配置されている場合と比し、車両後方側からの衝突荷重の入力からスペアタイヤの跳ね上げまでにかかる時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を車両幅方向から見た断面図(図6の1−1線に沿って切断した状態を示す断面図)である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を構成する補強部材の構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部の衝突荷重入力後の状態を示す断面図(図6の1−1線に沿って切断した状態に対応する断面図)である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を車両前方側から見た断面図(図6の4−4線に沿って切断した状態を示す断面図)である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を車両下方側から見た下面図である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を車両上方側から見た上面図である。 本実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部を車両幅方向から見た側面図である。
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係る車両後部構造の実施形態の一例について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Rは車両幅方向右側を示している。
まず、本発明の実施形態に係る車両後部構造が適用された車両10の車両後部12を構成する車体後部14の全体構成について説明する。図5〜図7に示されるように、車体後部14は、車両10のフロア部16の車両後方側に部分を構成すると共に車両前後方向及び車両幅方向に延在するリヤフロアパネル18を含んで構成されている。このリヤフロアパネル18は、鋼板がプレス加工されて形成されており、当該リヤフロアパネル18には、後述するようにスペアタイヤ68が収納されるスペアタイヤハウス44が設けられている。そして、リヤフロアパネル18の車両幅方向両側の周縁部18Aには、一対のリヤサイドメンバ34が当該周縁部18Aに沿って延在すると共に、当該リヤフロアパネル18の車両後方側の周縁部18Bには、ロアバックパネル20が設けられている。
また、リヤフロアパネル18の車両前方側の周縁部18Cは、フロア部16における車両前後方向の中央部を構成するセンタフロアパネル22の車両後方側の周縁部に溶接等の接合手段で接合されている。さらに、図1にも示されるように、リヤフロアパネル18における当該リヤフロアパネル18とセンタフロアパネル22との接合部分よりも車両後方側には、縦断面視で車両上方側に膨出した膨出部18Dが形成されている。そして、この膨出部18Dと当該膨出部18Dの車両下方側に溶接等の接合手段でされた補強パネル24とで車両幅方向に延びる閉断面部が構成されている。なお、センタフロアパネル22の車両上方側には、車両用シート26及び当該車両用シート26よりも幅が広い車両用シート28が配置されている。
一方、ロアバックパネル20は、鋼板がプレス加工されて形成されると共に、車両幅方向に延在しかつ板厚方向を車両前後方向とされて配置されている。このロアバックパネル20は、車両上下方向に見て、その車両幅方向中央部が車両後方側に凸となる弓状に形成されると共に、その車両上方側の周縁部に沿って、縦断面視で車両前方側が開放されたU字状の膨出部20Aが設けられている。また、ロアバックパネル20の膨出部20Aの車両後方側には、当該膨出部20Aに沿って延在するロアバックリインフォースメント30(以下、「ロアバックR/F30」と称する。)が配置されている。このロアバックR/F30は、図1にも示されるように、縦断面視で車両後方側が開放されたハット状に形成されており、その車両上下方向両側の周縁部に設けられたフランジ部が溶接等の接合手段によってロアバックパネル20に接合されている。これにより、ロアバックパネル20の車両上方側の周縁部には、膨出部20AとロアバックR/F30とによって、当該周縁部に沿って延在する閉断面部が構成されている。そして、ロアバックパネル20は、リヤフロアパネル18の周縁部18Bに沿って配置されると共に、スペアタイヤハウス44の車両後方側の壁部を構成している。なお、ロアバックパネル20の膨出部20Aにおける車両後方側の面には、車両幅方向に間隔をあけて配置されると共に車両後方側に延出した一対の取付板部32が設けられており、当該取付板部32には、後述するようにバンパカバーが取り付けられている。
リヤサイドメンバ34は、図4にも示されるように、その車両上方側の部分を構成するリヤサイドメンバアッパ36とその車両下方側の部分を構成するリヤサイドメンバロア38とを含んで構成されており、その長手方向を車両前後方向とされて配置されている。リヤサイドメンバアッパ36は、板厚方向を車両上下方向とされた板状の基部36Aと、当該基部36Aの車両幅方向内側に設けられた内側フランジ部36Bと、当該基部36Aの車両幅方向外側に設けられた外側フランジ部36Cとを含んで構成されている。
より詳しくは、基部36Aは、基本的に車両前後方向に一様に延在しているものの、その車両後方側の端部側の部分に車両前後方向に見た断面視で車両下方側が開放されたU字状の膨出部36Dが形成されている。この膨出部36Dは、その長手方向を車両前後方向とされ、その幅が車両前後方向で一定とされると共に、その膨出高さがその車両前方側の端部36D1からその車両後方側の端部36D2に向かうにつれて徐々に高くなるように構成されている。また、内側フランジ部36Bは、基部36Aから車両幅方向内側に直線的に延出されており、当該基部36Aに沿って所定の幅で形成されている。一方、外側フランジ部36Cは、基本的に基部36Aから車両幅方向外側に直線的に延出されると共に当該基部36Aに沿って所定の幅で形成されているものの、膨出部36Dの端部36D1よりも車両前方側の所定の区間において車両上方側に折り曲げられている。
リヤサイドメンバロア38は、長手方向を車両前後方向とされると共に、車両前後方向に見た断面形状が車両下方側に膨出しかつ車両上方側が開放されたU字状を成す板状の膨出部38Aを含んで構成されている。また、膨出部38Aの車両幅方向内側の端部に沿って内側フランジ部36Bと同様の構成の内側フランジ部38Bが、当該膨出部38Aの車両幅方向外側の端部に沿って外側フランジ部36Cと同様の構成の外側フランジ部38Cが、それぞれ設けられている。
そして、リヤサイドメンバアッパ36の外側フランジ部36Cとリヤサイドメンバロア38の外側フランジ部38Cとが面接触された状態で溶接等の接合手段で接合されている。一方、リヤサイドメンバアッパ36の内側フランジ部36Bとリヤサイドメンバロア38の内側フランジ部38Bとは、リヤフロアパネル18の車両幅方向一方側の周縁部18Aを介した状態で溶接等の接合手段で接合されている。具体的には、リヤサイドメンバアッパ36の内側フランジ部36Bとリヤサイドメンバロア38の内側フランジ部38Bとによってリヤフロアパネル18の周縁部18Aが挟持された状態で、内側フランジ部36B、38B及び周縁部18Aが接合されている。つまり、リヤサイドメンバ34とリヤフロアパネル18とは一体的に構成されている。また、上記のように構成されたリヤサイドメンバ34は、車両前後方向に見た断面視で矩形枠状でかつ車両前後方向に延びる閉断面構造とされている。なお、リヤサイドメンバ34の車両後方側の端部は、ロアバックパネル20に溶接等の接合手段で接合されている。
図5に戻り、ロアバックパネル20の車両後方側の面には、車両幅方向に隔てて配置された一対のクラッシュボックス40が設けられている。このクラッシュボックス40は、車両前後方向を軸方向とされた四角筒状の衝撃吸収部40Aと、当該衝撃吸収部40Aの車両後方側の端部から当該軸方向と直交する方向に延出された取付部40Bとを含んで、アルミニウム合金の押出材によって一体に形成されている。そして、取付部40Bが、ロアバックパネル20に当接されると共に、当該ロアバックパネル20に設けられた図示しないウエルドナットや図示しないボルト等の締結部材でロアバックパネル20に取り付けられることで、クラッシュボックス40が固定されている。なお、クラッシュボックス40は、リヤサイドメンバ34の車両後方側、より具体的には、車両前後方向に見てクラッシュボックス40とリヤサイドメンバ34とが重なる位置に配置されている。
また、クラッシュボックス40の衝撃吸収部40Aの車両後方側の端部(先端部)には、車両幅方向に延在するリヤバンパリインフォースメント42(以下、「リヤバンパR/F42」と称する。)が架け渡されている。このリヤバンパR/F42は、当該リヤバンパR/F42の車両幅方向中央部を構成しかつ車両幅方向に直線状に延びる直線部42Aと、当該直線部42Aの端部から車両前方外側に向かって延出された屈曲部42Bとを含んで構成されている。換言すれば、リヤバンパR/F42は、車両上下方向に見て、車両後方側に凸となる弓状に形成されている。
より詳しくは、リヤバンパR/F42は、アルミニウム合金の押出材によって中空の角筒状に形成されている。また、図1にも示されるように、リヤバンパR/F42の内部には車両上下方向を板厚方向とされた板状の補強リブ43が設けられている。そして、補強リブ43によって、リヤバンパR/F42の車両前方側を構成する前壁部42Cと当該バンパR/F42の車両後方側を構成する後壁部42Dとがこれらの壁部の車両上下方向中央部で連結されている。これにより、リヤバンパR/F42の断面構造は、複数、具体的には2つの略矩形閉断面が車両上下方向に並ぶ閉断面構造とされている。また、リヤバンパR/F42の車両上下方向の幅は、車両前後方向に見て、リヤバンパR/F42でリヤフロアパネル18の車両後方側の端部及び後述する補強部材46の車両後方側の端部を覆うのに十分な長さに設定されている。なお、リヤバンパR/F42は、図示しないウエルドナットやボルト等の締結手段を用いてクラッシュボックス40に取り付けられている。
また、リヤバンパR/F42の車両後方側には、車両後方側から当該リヤバンパR/F42を覆う図示しないバンパカバーが配置されており、当該バンパカバーは同じく図示しないクリップ等の取付手段でロアバックパネル20の取付板部32に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、リヤフロアパネル18に設けられたスペアタイヤハウス44及びスペアタイヤハウス44の車両下方側に設けられた補強部材46の構成に特徴がある。以下、本実施形態の要部を構成するスペアタイヤハウス44及び補強部材46の構成の一例について詳細に説明する。
図1及び図6に示されるようにスペアタイヤハウス44は、リヤフロアパネル18の周縁部18Aと連続してかつ車両前後方向及び車両幅方向に一様に延在する当該リヤフロアパネル18の一般部18Eよりも車両下方側に凹んだ凹部として形成されている。なお、図6には車体後部14の構成を理解しやすくするため、スペアタイヤ68を図示していない。スペアタイヤハウス44は、その車両幅方向一方側とその車両幅方向他方側とで対称な構成とされている。また、スペアタイヤハウス44は、その車両前方側を構成する前側周壁部44Aと、その車両幅方向両側を構成しかつ車両前後方向に延在する一対の側壁部44Bと、その車両下方側を構成する底壁部44Cとを含んで構成されている。
前側周壁部44Aは、車両上方側から見て、車両10の車両幅方向中央よりも僅かに車両幅方向左側でかつリヤサイドメンバ34の膨出部36Dの端部36D1よりも僅かに車両前方側を曲率中心とする車両前方側に凸となる半円に沿って形成されている。また、前側周壁部44Aは、その縦断面形状が、その周方向に沿って同様にその外周側でかつ車両下方側に凸となる円弧状に湾曲した湾曲形状とされている。
一方、底壁部44Cは、車両上下方向に見て、車両前方側から7割程度の部分が車両後方上側から車両前方下側に向かって傾斜した傾斜部44C1とされると共に、当該傾斜部44C1よりも車両後方側の部分が車両前後方向に延在する平坦部44C2とされている。また、平坦部44C2の車両後方側の周縁部における車両幅方向中央部は、車両上下方向に見て、上底側を車両後方側とされて車両後方側に向かうにつれて縮幅された台形状の延出部44C3とされている。一方、ロアバックパネル20も延出部44C3の形状に対応して、車両後方側に凹んだ凹部48が設けられている。そして、延出部44C3を含むリヤフロアパネル18の周縁部18Bから車両上方側に延出した設けられたフランジ部18Fが、溶接等の接合手段でロアバックパネル20に接合されることで当該ロアバックパネル20がリヤフロアパネル18に取り付けられている。なお、図7にも示されるように、側壁部44Bは、車両幅方向に見て、車両後方側に向かうにつれて縮幅した略三角形状とされている。
さらに、底壁部44Cの傾斜部44C1には、スペアタイヤ68の底壁部44Cへの固定位置としてのクランプブラケット50が設けられており、当該クランプブラケット50は、車両上方側から見て、前側周壁部44Aの曲率中心の近傍に配置されている。このクランプブラケット50は、鋼材で構成されると共に傾斜部44C1に溶接等の接合手段で取り付けられたブラケット部52と、ウエルドナット54とを含んで構成されている。ウエルドナット54は、ブラケット部52の車両上方側の部分を構成する上壁部52Aの車両下方側の面に設けられており、その軸方向が車両前方上側から車両後方下側に向かう方向に沿うように配置されている。なお、底壁部44Cには、車両上下方向に見て、クランプブラケット50を中心としかつ当該クランプブラケット50を通る車両前後方向の直線に対して対称となる放射線状に延在すると共に、車両下方側に凸となる6つビード部56が形成されている。また、スペアタイヤハウス44の車両前方側でかつセンタフロアパネル22の車両下方側には燃料タンク58が配置されている。
一方、底壁部44Cにおけるクランプブラケット50の車両後方側には、支持ブラケット60が設けられている。この支持ブラケット60は、鋼板がプレス加工されて形成されており、車両上方側に膨出した支持部60Aと、当該支持部60Aの車両下方側の端部に沿って設けられて車両前後方向に延在するフランジ部60Bとを含んで構成されている。また、支持部60Aの車両上方側を構成する支持壁部60A1は、底壁部44Cの傾斜部44C1と同様に、車両後方上側から車両前方下側に向かって傾斜している。そして、支持ブラケット60は、底壁部44Cの傾斜部44C1と平坦部44C2とに跨った状態で、フランジ部60Bが当該底壁部44Cに溶接等の接合手段で接合されることで当該底壁部44Cに取り付けられている。
上記のように構成されたスペアタイヤハウス44には、スペアタイヤ68がスペアタイヤハウス44の底壁部44Cに載置されると共にクランプボルト62及びクランプブラケット50によって固定された状態で収納されている。詳しくは、クランプボルト62は、金属で構成されると共に表面にネジ溝が設けられた円柱状のボルト部64と、当該ボルト部64の一端部に設けられた樹脂製の把持部66とを含んで構成されている。このクランプボルト62は、そのボルト部64がスペアタイヤ68のディスク部70の中央に形成された被挿通部71に車両上方側から挿通されると共に、把持部66を手で回すことでクランプブラケット50のウエルドナット54に螺合されている。そして、クランプボルト62が把持部66を当該把持部66がディスク部70を押圧するまで回されることで、ディスク部70がスペアタイヤハウス44の底壁部44C側に押し付けられ、スペアタイヤ68を固定することが可能となっている。
また、スペアタイヤ68が固定された状態において、クランプボルト62のボルト部64の軸線方向は、車両前方上側から車両後方下側に向かう方向とされている。さらに、スペアタイヤ68のタイヤ部72の車両後方側の部分が支持ブラケット60の支持壁部60A1上に載置されると共に、当該タイヤ部72の車両前方側の部分が底壁部44Cの傾斜部44C1に載置された状態となっている。このため、スペアタイヤ68は、固定された状態において、タイヤ部72の車両後方側の部分が当該タイヤ部72の車両前方側の部分よりも車両上方側に配置されるように傾いた状態で配置されている。なお、クランプボルト62は、把持部66に所定の大きさ以上の力がかかると当該把持部66がボルト部64から離脱されるように構成されている。
また、本実施形態では、車体後部14におけるリヤフロアパネル18及びリヤサイドメンバ34で構成された部分の車両上下方向の剛性の剛性分布が、車両前後方向で一様となるようにリヤフロアパネル18及びリヤサイドメンバ34が構成されている。なお、ここでいう車両上下方向の剛性とは、車両幅方向を軸とする曲げに対する剛性を意味している。
次に、図2及び図5を主に用いて補強部材46の構成について説明する。この補強部材46は、鋼板がプレス加工されて形成されており、その車両前方側を構成する前側補強部74と、その車両後方側を構成する後側補強部76と、当該前側補強部74と当該後側補強部76とを繋ぐ脆弱部78とを含んで構成されている。また、補強部材46は、全体としては、車両前後方向に延在すると共に、車両上下方向に見て、その長手方向の中心線とスペアタイヤハウス44の車両前後方向の中心線とが重なるように配置されている。
前側補強部74は、車両下方側に膨出した膨出部として形成されており、図1にも示されるように、スペアタイヤハウス44の傾斜部44C1の車両下方側の面に配置されている。この前側補強部74は、その車両下方側を構成する下壁部74Aと、その車両幅方向両側を構成する一対の側壁部74Bと、その車両後方側を構成する後壁部74Cとを含んで構成されている。詳しくは、下壁部74Aは、車両上下方向に見て、車両前後方向に延在する矩形状を成しかつその車両前方側の部分がクランプブラケット50と重なるように配置されている。また、図4及び図7にも示されるように、側壁部74Bは、下壁部74Aの車両幅方向外側の周縁部から車両幅方向外側へ向かうにつれて車両上方側に傾斜して延出されている。さらに、側壁部74Bは、その車両上方側の周縁部がスペアタイヤハウス44の傾斜部44C1に沿うように形成されており、車両幅方向に見て、車両後方側に向かうにつれて拡幅した三角形状を成している。一方、後壁部74Cは、下壁部74Aの車両後方側の周縁部から車両後方上側に立ち上がっており、当該下壁部74A及び側壁部74Bの車両後方側を覆っている。つまり、前側補強部74は、その車両前方側の端部74Dから下壁部74Aの車両後方側の周縁部にかけて、その車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントが増加していく構成とされている。また、前側補強部74は、下壁部74Aの車両後方側の周縁部からその車両後方側の端部74E(後壁部74Cの車両後方側の周縁部)にかけては、その車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントが減少していく構成とされている。
図1に戻り、後側補強部76は、車両下方側に膨出した膨出部として形成されており、スペアタイヤハウス44の傾斜部44C1及び平坦部44C2に跨って配置されている。この後側補強部76は、図2にも示されるように、その車両下方側を構成する下壁部76Aと、その車両幅方向両側を構成する一対の側壁部76Bとを含んで構成されると共に、その車両後方側が開放されている。詳しくは、下壁部76Aは、車両上下方向に見て、車両前後方向に延在する矩形状を成しており、その長手方向の中心線に沿って車両上方側に膨出した膨出部が形成されている。また、側壁部76Bは、前側補強部74の側壁部74Bと同様に、下壁部76Aの車両幅方向外側の周縁部から車両幅方向外側へ向かうにつれて車両上方側に傾斜して延出されている。さらに、図7にも示されるように、側壁部76Bは、その車両上方側でかつ車両前方側の周縁部がスペアタイヤハウス44の傾斜部44C1に沿うように形成されている。また、側壁部76Bの車両上方側でかつ車両後方側の周縁部は、スペアタイヤハウス44の平坦部44C2に沿うように形成されている。つまり、側壁部76Bは、車両幅方向に見て、車両上方側を上底側とされてその車両前方側の端部からスペアタイヤハウス44の傾斜部44C1と平坦部44C2との境界部まで拡幅し、当該境界部から車両後方側の部分が一定の幅とされた台形状を成している。
上記のように形成された後側補強部76は、側壁部76Bが拡幅されている区間において、その車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントが増加し、当該側壁部76Bが一定の幅とされた区間では当該断面2次モーメントが一定となるように構成されている。また、後側補強部76は、スペアタイヤハウス44の傾斜部44C1の車両後方側の平坦部44C2から当該平坦部44C2における延出部44C3の車両後方側の端部すなわちスペアタイヤハウス44の車両後方側の端部44Dまで延在している。さらに、後側補強部76は、前側補強部74の車両後方上側に配置されており、当該前側補強部74と当該後側補強部76との位置関係は、車両上下方向、車両幅方向及び車両前後方向に見て、互いに重ならないように設定されている。加えて、上述したリヤバンパR/F42は、後側補強部76の車両後方側に配置されており、換言すれば、後側補強部76は、車両前後方向に見て、リヤバンパR/F42と重なるように配置されている。さらに加えて、図5に示されるように、後側補強部76の車両後方側の端部76Cは、リヤサイドメンバ34の車両後方側の端部34Aよりも車両後方側に位置している。
図1に戻り、脆弱部78は、前側補強部74の端部74Eと後側補強部76の車両前方側の端部76Dとをクランプブラケット50の車両後方側でかつスペアタイヤハウス44の傾斜部44C1と平坦部44C2との境界部の車両前方側で連結している。この脆弱部78は、図2にも示されるように、前側補強部74の後壁部74Cにおける車両後方側の端部と後側補強部76の下壁部76Aの車両前方側の端部とに架け渡されると共に車両幅方向を長手方向とされた連結壁部78Aで主に構成されている。また、連結壁部78Aの車両幅方向両側には、側壁部が形成されているものの、連結壁部78Aと傾斜部44C1とは、僅かな距離しか離間していない。このため、脆弱部78を車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントは、前側補強部74の端部74Eを車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントと同様又はそれ以下の大きさとなっている。同様に、脆弱部78を車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントは、後側補強部76の端部76Dを車両幅方向に切った断面の車両幅方向を軸とする断面2次モーメントと同様又はそれ以下の大きさとなっている。したがって、補強部材46単体では、その車両前方側の端部を支持された状態で、その車両後方側の端部に荷重を加えられると、脆弱部78を起点として曲がるように構成されている。
なお、補強部材46には、その車両上方側の周縁部に沿って前側補強部74、後側補強部76及び脆弱部78の内側から外側に延出されたフランジ部46Aが設けられている。また、補強部材46の車両後方側の端部に沿って車両前後方向を板厚方向とされたフランジ部46Bが設けられている。そして、フランジ部46Aがスペアタイヤハウス44の底壁部44Cに、フランジ部46Bがロアバックパネル20にそれぞれ溶接等の接合手段で接合されることで、補強部材46はスペアタイヤハウス44及びロアバックパネル20に一体的に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、上記のように構成された補強部材46がスペアタイヤハウス44の底壁部44Cに取り付けられることで、第1高剛性部80、第2高剛性部82及び低剛性部84が設定されている。
詳しくは、図4に示されるように、補強部材46の前側補強部74は、底壁部44Cと共に車両幅方向に切った断面視で台形状の閉断面を形成しており、当該前側補強部74と当該底壁部44Cとで第1高剛性部80が構成されている。この第1高剛性部80が構成されることで、底壁部44Cの中央部が補強されている。
また、図示はしていないが、補強部材46の後側補強部76も、底壁部44Cと共に車両幅方向に切った断面視で台形状の閉断面を形成しており、当該後側補強部76と当該底壁部44Cとで第2高剛性部82が構成されている。この第2高剛性部82が構成されることで、底壁部44Cの中央部よりも車両後方側が補強されている。そして、補強部材46の脆弱部78と底壁部44Cとで、第1高剛性部80と第2高剛性部82との間に当該第1高剛性部80及び当該第2高剛性部82よりも剛性が低く設定された低剛性部84が構成されている。なお、図1に示されるように、第1高剛性部80と第2高剛性部82との位置関係は、第1高剛性部80に対して第2高剛性部82が車両後方上側に配置されるように設定されている。また、低剛性部84とクランプブラケット50との位置関係は、クランプブラケット50の車両後方側に低剛性部84が配置されるように設定されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、図1に示されるように、車体後部14を構成するリヤフロアパネル18にスペアタイヤハウス44が形成されており、当該スペアタイヤハウス44にスペアタイヤ68が収納される。このため、車両後部12に車両後方側からの衝突体の衝突(後突)等によって衝突荷重Fが入力されると、当該衝突荷重Fは、リヤフロアパネル18に形成されたスペアタイヤハウス44を介してスペアタイヤ68に伝達する。
詳しくは、衝突荷重Fは、車体後部14において、まず、リヤバンパR/F42に入力され、衝突荷重Fを受けてリヤバンパR/F42が弓状から車両幅方向に延びる直線状に変形することで、当該衝突荷重Fが吸収される。そして、リヤバンパR/F42の変形で衝突荷重Fが吸収しきれない場合には、当該衝突荷重Fによってロアバックパネル20も押圧されて変形し、当該衝突荷重Fはリヤフロアパネル18側に伝達していく。
ところで、車両後部12に入力される衝突荷重Fが大きいとリヤフロアパネル18が変形し、当該リヤフロアパネル18の変形に伴いスペアタイヤハウス44も変形する。そして、スペアタイヤハウス44が変形することで、スペアタイヤ68が車両前方側に移動することが考えられる。
ここで、本実施形態では、スペアタイヤハウス44の底壁部44Cに前側補強部74及び後側補強部76が設けられており、当該底壁部44Cが前側補強部74で補強されることで第1高剛性部80が構成されている。また、底壁部44Cが後側補強部76で補強されることで第2高剛性部82が構成されている。さらに、第1高剛性部80と第2高剛性部82との間には、当該第1高剛性部80及び当該第2高剛性部82よりも剛性が低く設定された低剛性部84が設けられている。このため、スペアタイヤハウス44に車両後方側からの衝突荷重Fが入力されると第2高剛性部82及びスペアタイヤハウス44における第2高剛性部82の周辺部はその形状を略維持しつつ車両前方側に押圧される。そして、スペアタイヤハウス44は、第1高剛性部80と第2高剛性部82との間に設けられた低剛性部84を起点として曲げ変形する。
ところで、第1高剛性部80及び第2高剛性部82が車両前後方向に沿って直線的に配置されていると、スペアタイヤハウス44の曲げ変形の方向が安定しないことが考えられる。具体的には、スペアタイヤハウス44の変形が、車両後部12に入力される衝突荷重Fに含まれる車両上下方向の荷重成分の影響を受けて不安定になることが考えられる。ここで、本実施形態では、後側補強部76が車両前後方向に延在する下壁部76Aを含んで構成されると共に前側補強部74の車両後方上側に配置されており、第2高剛性部82が第1高剛性部80の車両後方上側に構成される。このため、車両後方側からの衝突荷重Fの車両前後方向の成分によって第2高剛性部82が車両前方側に押圧されて、第1高剛性部80は車両前方側に起き上がる方向に回動する。
より具体的には、図3に示されるように、第2高剛性部82が構成された車体後部14における低剛性部84よりも車両後方側の部分は、車両幅方向左側から見ると、低剛性部84を第1の屈曲点Pとして時計回りに回動する。一方、第1高剛性部80が構成された車体後部14における低剛性部84よりも車両前方側の部分は、車体後部14における低剛性部84よりも車両後方側の部分に押圧される。そして、車体後部14における低剛性部84よりも車両前方側の部分は、車両幅方向左側から見ると、第1高剛性部80の車両前方側の端部を第2の屈曲点Pとして反時計回りに回動する。
その結果、車両後部12に入力される衝突荷重Fに車両上下方向の荷重成分が含まれていても、スペアタイヤハウス44は低剛性部84を頂点として車両上方側に凸となるように折れ変形する。そして、スペアタイヤハウス44が折れ変形することで、クランプボルト62の把持部66がボルト部64から離脱されてスペアタイヤ68の固定状態が解除されると共に当該スペアタイヤ68が跳ね上げられる。したがって、本実施形態では、車両後部12への衝突荷重Fの入力時に安定してスペアタイヤ68を跳ね上げることができ、ひいてはスペアタイヤ68が車両前方側すなわち燃料タンク58側に移動するのを抑制することができる。しかも、衝突荷重Fによって上述したようにスペアタイヤハウス44が変形することで、当該スペアタイヤハウス44にスペアタイヤ68が収容されているかいないかに関わらず、スペアタイヤハウス44が車両前方側に移動することも抑制することができる。つまり、本実施形態では、車両後部12への衝突荷重Fの入力時に、スペアタイヤハウス44及びスペアタイヤ68による車両前方側への荷重の伝達を抑制することができる。
また、本実施形態では、後側補強部76は、スペアタイヤハウス44の車両後方側の端部44Dまで延在している。また、後側補強部76の車両後方側の端部76Cは、リヤフロアパネル18の車両幅方向両側の周縁部に沿って延在するリヤサイドメンバ34の車両後方側の端部34Aよりも車両後方側に位置している。このため、車両後方側からの衝突荷重Fの入力時において、スペアタイヤハウス44は、リヤサイドメンバ34が変形するよりも前に折れ変形することができる。
より具体的に説明すると、衝突荷重Fを受けてリヤバンパR/F42が直線状に変形することで、まず、リヤバンパR/F42の直線部42Aでロアバックパネル20の車両幅方向中央部が押圧されて変形する。そして、リヤバンパR/F42から、直接クラッシュボックス40の衝撃吸収部40Aにおける車両後方側の端部に衝突荷重Fが入力されると共に、ロアバックパネル20を介して後側補強部76の車両後方側の端部76Cに衝突荷重Fが入力される。その結果、衝撃吸収部40Aが潰れ変形すると共に補強部材46が折れ変形し、その後に衝撃吸収部40Aの潰れ残りに押圧されてリヤサイドメンバ34が変形していく。従って、本実施形態では、車両10のリヤサイドメンバ34の長さを確保できなくても車体後部14の変形の影響を受けることなくスペアタイヤ68を跳ね上げることができる。しかも、補強部材46の折れ変形によって、スペアタイヤハウス44ひいてはリヤフロアパネル18の変形モードが決まるため、リヤサイドメンバ34を含む車体後部14の変形モードを安定させることができる。
さらに、本実施形態では、後側補強部76の車両後方側にリヤバンパR/F42が配置されているため、車両後方側からの衝突荷重Fの後側補強部76への伝達効率を向上させることができる。その結果、本実施形態では、車両後方側からの衝突荷重Fの入力からスペアタイヤ68の跳ね上げまでにかかる時間を短縮することができる。
加えて、本実施形態では、低剛性部84がクランプブラケット50の車両後方側に配置されているためスペアタイヤハウス44の変形の起点が、スペアタイヤ68の固定位置よりも車両後方側となる。このため、図3に示されるように、車両後方側からの衝突荷重Fの入力時において、スペアタイヤ68はその車両後方側の部分がその車両前方側の部分よりも車両上方側に配置されるように傾倒された状態となる。また、このとき、スペアタイヤハウス44における第1高剛性部80の周辺部は、車両前方側に起き上がる方向に回動するため、当該周辺部からスペアタイヤ68には、当該スペアタイヤ68を車両前方側に起き上がる方向に回動させる荷重が作用する。その結果、本実施形態では、スペアタイヤ68の傾倒方向を車両下方側に向けることでスペアタイヤ68が車両前方斜め上方側に変位するのを抑制することができる。また、低剛性部84がクランプブラケット50の車両前方側に配置されている場合と比し、スペアタイヤ68の跳ね上げまでにかかる時間を短縮することができる。
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、補強部材46がスペアタイヤハウス44に車両前後方向の中心線に沿って一つ配置されているが当該スペアタイヤハウス44に複数配置されていてもよい。一例として、補強部材46をスペアタイヤハウス44に車両前後方向の中心線に対して、対称となるように2つ配置する構成としてもよい。
(2) また、上述した実施形態では、補強部材46が前側補強部74と、後側補強部76と、脆弱部78と含んで構成されていたが、これに限らない。一例として、補強部材46を、前側補強部74に対応する前側補強部材と後側補強部76に対応する後側補強部材とに分割した構成としてもよい。この場合には、底壁部44Cにおける前側補強部材と後側補強部材との間の部分が低剛性部84として機能する。
(3) また、上述した実施形態では、補強部材46とスペアタイヤハウス44とが別体で構成されていたが、これらを一部材で構成してもよい。一例として、スペアタイヤハウス44の底壁部44Cにプレス加工等によって、前側補強部74に対応する前側膨出部と後側補強部76に対応する後側膨出部とを一体に設ける構成としてもよい。この場合、前側膨出部が第1高剛性部80として、後側膨出部が第2高剛性部82として、底壁部44Cにおける前側膨出部と後側膨出部との間の部分が低剛性部84として、それぞれ機能する。
(4) また、上述した実施形態では、低剛性部84がクランプブラケット50の車両後方側に配置されているが、当該低剛性部84をクランプブラケット50の車両前方側に配置する構成としてもよい。このような構成であっても、車両後方側からの衝突荷重Fの入力時において、スペアタイヤ68は車両後方側に起き上がるように回動するものの、スペアタイヤ68を跳ね上げることが可能である。
(5) また、上述した実施形態では、後側補強部76の車両後方側の端部76Cがリヤサイドメンバ34の車両後方側の端部34Aよりも車両後方側に位置している構成とされていたが、これに限らない。一例として、後側補強部76の端部76Cとリヤサイドメンバ34の端部34Aとを車両前後方向で同じ位置に配置してもよい。このような構成であっても、スペアタイヤハウス44が低剛性部84を起点として曲げ変形することに変わりは無いため、車両後方側からの衝突荷重Fの入力時において、スペアタイヤ68を跳ね上げることが可能である。
(6) 加えて、上述した実施形態では、後側補強部76の下壁部76Aは、車両上下方向に見て、車両前後方向に延在する矩形状を成していたが、これに限らない。一例として、車両前後方向に延在すると共に、車両前後方向に見た断面視で車両下方側に凸となるV字状の屈曲板状に構成されていてもよい。なお、下壁部76Aが車両前後方向に延在するとは、本実施形態の作用並びに効果を奏する範囲で、車両上下方向に傾斜した状態も含んでいる。また、車両幅方向に見た後側補強部76の側壁部76Bの形状も台形状に限らず、三角形状としてもよい。さらに、前側補強部74も後側補強部76と同様に、本実施形態の作用並びに効果を奏する範囲で、種々の形状に変更することが可能である。
10 車両
12 車両後部
14 車体後部
18 リヤフロアパネル
18A リヤフロアパネルの車両幅方向両側の周縁部
34 リヤサイドメンバ
34A リヤサイドメンバの車両後方側の端部
42 リヤバンパリインフォースメント
44 スペアタイヤハウス
44C 底壁部
44D スペアタイヤハウスの車両後方側の端部
50 クランプブラケット(スペアタイヤの底壁部への固定位置)
68 スペアタイヤ
74 前側補強部
76 後側補強部
76A 下壁部
76C 後側補強部の車両後方側の端部
80 第1高剛性部
82 第2高剛性部
84 低剛性部

Claims (4)

  1. 車体後部を構成するリヤフロアパネルに形成され、スペアタイヤが収納されるスペアタイヤハウスと、
    前記スペアタイヤハウスの底壁部に設けられると共に当該底壁部を補強して第1高剛性部を構成する前側補強部と、
    前記底壁部に車両前後方向に延在する下壁部を含んで設けられかつ前記前側補強部の車両後方上側に配置されると共に当該底壁部を補強して第2高剛性部を構成する後側補強部と、
    前記第1高剛性部と前記第2高剛性部との間に設けられると共に当該第1高剛性部及び当該第2高剛性部よりも剛性が低く設定された低剛性部と、
    を有する車両後部構造。
  2. 前記後側補強部は、前記スペアタイヤハウスの車両後方側の端部まで延在しており、当該後側補強部の車両後方側の端部は、前記リヤフロアパネルの車両幅方向両側の周縁部に沿って延在するリヤサイドメンバの車両後方側の端部よりも車両後方側に位置している、
    請求項1に記載の車両後部構造。
  3. 前記後側補強部の車両後方側には、車両前後方向に見て当該後側補強部と重なる位置に車両幅方向に延在するリヤバンパリインフォースメントが配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の車両後部構造。
  4. 前記低剛性部は、前記スペアタイヤの前記底壁部への固定位置の車両後方側に配置されている、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両後部構造。
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