JP5342296B2 - 鋼の連続鋳造用モールドパウダー - Google Patents

鋼の連続鋳造用モールドパウダー Download PDF

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Description

本発明は、鋼の連続鋳造用モールドパウダーに関する。
鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、溶鋼を連続鋳造するに際して、モールド内へ注入された溶鋼表面上へ投入され、溶鋼からの受熱により滓化溶融されるものである。この時、上方から未溶融の原モールドパウダー層、焼結層、溶融スラグ層からなる層状構造を形成し、溶融スラグは、モールドと凝固シェル間に流入して消費される。その間の主な役割としては、1)溶鋼の保温作用;2)溶鋼の再酸化防止作用;3)溶鋼から浮上する介在物の吸収除去作用;4)モールドと凝固シェル間の潤滑作用;5)凝固シェルからモールドへの抜熱制御、などが挙げられる。
カーボン含有量が0.08〜0.16質量%の中炭素鋼では、その凝固過程でδ相からγ相への包晶変態を伴う凝固収縮が大きく、鋳片割れが発生し易い。鋳片割れを防止するため、5)の働きによって凝固シェルからモールドへの抜熱を抑制し、均一な凝固シェルを形成する必要がある。
抜熱を抑制するために、CaO/SiO質量比が概ね1.5以上の高塩基度モールドパウダーが開発され、鋳片割れ防止に一定の効果を上げている。CaOとSiOを主成分とし、CaO/SiO質量比が概ね1.5以上の高塩基度モールドパウダーは、例えば以下の特許文献に開示されている。
特許文献1には、塩基度(CaO*/SiO)が1.6〜2.5の範囲内にあり、周期律表IA族に属する元素の酸化物を二種類以上、以下の(1)式の範囲内で含有し、かつFを5〜15重量%の範囲で含有することを特徴とする連続鋳造用モールドパウダー:0.13<(IA族酸化物の合計モル数)/(Caのモル数)<0.6 (1)
ただし、塩基度のCaO*はモールドパウダー中のCaのモル数からCaOに換算した値である(請求項1);前記周期律表IA族に属する元素の酸化物が、LiO、NaO、KO、RbO、CsOから選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダー(請求項2);Al、Mg、Sr、Ba、Cr、Mn、Feの酸化物を合計で0.3〜10重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダー(請求項3)が開示されている。
また、特許文献2には、CaO、SiO及びフッ素化合物を基本成分とし、下記(A)式で表される(CaO)[重量%]とSiO含有率[重量%]との比(CaO)/SiOが0.9〜1.9であり、さらに下記(B)式で表されるCaFを15〜60重量%含み、かつNaOを0〜15重量%、MgOを1〜20重量%含有することを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダー:
ここで、(CaO)=T.CaO−F×(56/38) (A)
CaF=F×(78/38) (B)
T.CaO:パウダー中の全Ca含有率のCaO換算量[重量%]
F:パウダー中の全F含有率[重量%]
が開示されている。
更に、特許文献3には、CaO、Al及びフッ素化合物を基本成分とし、下記(A)式で表される(CaO)含有率(重量%)とSiO(重量%)との比(CaO)/SiOが0.9〜1.9であり、下記(B)式で表されるCaFを5〜60重量%含み、かつAlを3〜40重量%、NaOを0〜10重量%、MgOを0〜15重量%含有し、1300℃における粘度が1.5poise以上であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダ:
(CaO)=T.CaO−F×(56/38) (A)
CaF=F×(78/38) (B)
ここで、T.CaO:パウダ中の全Ca含有率のCaO換算量(重量%)
が開示されている。
また、特許文献4には、CaO、SiO及びフッ素化合物を基本成分とし、0〜10質量%のZrOを含み、かつ、下記(a)、(b)および(c)式を満足することを特徴とする連続鋳造用モールドパウダ:
0.9≦f(1)≦1.9 (a)
0≦f(2)≦0.4 (b)
0.05≦f(3)≦0.25 (c)
f(1)=(CaO)/(SiO (イ)
f(2)=(CaF/((CaO)+(SiO+(CaF) (ロ)
f(3)=(アルカリ金属の弗化物)/((CaO)+(SiO
+(アルカリ金属の弗化物)) (ハ)
(CaO)=(WCaO−(CaF×0.718) (A)
(SiO=WSiO2 (B)
(CaF=(W−WLi2O×1.27−WNa2O×0.613
−WK2O×0.403)×2.05 (C)
(アルカリ金属の弗化物)=WLi2O×1.74+WNa2O×1.35
+WK2O×1.23 (D)
ここで、WCaO、WSiO2、W、WLi2O、WNa2OおよびWK2O:モールドパウダー中のCaO、SiO、F、LiO、NaOおよびKOの含有率(質量%)
が開示されている。
更に、特許文献5には、CaO、SiOおよびフッ素化合物を基本成分とし、下記(X)式で表されるCaO’の重量%と、SiOの重量%との比CaO’/SiOが、0.9〜2.8であり、下記(Y)式で表されるCaF含有率が、下記条件(A)または条件(B)のいずれかを満足し、さらにNaOを0〜25重量%、Cを0〜10重量%含有することを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダ:
(A)CaO’/SiOが0.9以上1.9以下のとき
CaF含有率が15〜60重量%
(B)CaO’/SiOが1.9を超えて2.8以下のとき
CaF含有率が5〜60重量%
ここで、CaO’=T.CaO−F×(56/38) (X)
CaF2=F×(78/38) (Y)
T.CaO:パウダ中の全Ca含有率のCaO換算量(重量%)
F:パウダ中の全F含有率(重量%)(請求項1);
CaO’/SiOが0.9以上、1.9以下のとき、CaF含有率が20〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダ(請求項2);1300℃における粘度が1.5poise以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダ(請求項3)が開示されている。
また、特許文献6には、CaO、SiO、LiOおよびフッ素化合物を基本成分とするモールドパウダであって、さらに、NaOおよびKOらうちの1種以上、ならびにAlを含有し、フッ素化合物を構成するFの含有率が4〜25質量%、NaOおよびKOの合計の含有率が1.5質量%以下であり、かつ、これらCaO、SiO、LiO、F、NaO、KOおよびAlの含有率で表される、下記(イ)式、(ロ)式および(ハ)式によって規定される指標aが0.47〜0.7、指標bが0〜0.4、および指標cが0〜0.6であることを特徴とする連続鋳造用モールドパウダ:
a=(%CaO)h/{(%CaO)h+(%SiO)h+(%Al)h}(イ)
b=(%Al)h/{(%CaO)h+(%SiO)h
+(%Al)h}(ロ)
c=(%CaF)h/{(%CaO)h+(%SiO)h+(%CaF)h}(ハ)
ここで、(%CaO)h={WCaO−(%CaF)h×0.718} (ニ)
(%CaF)h=(W−WLi2O×1.27−WNa2O×0.613
−WK2O×0.404)×2.05 (ホ)
(%SiO)h=WSiO2および(%Al)h=WAl2O3であり、また、WCaO、WSiO2、WLi2O、WNa2OおよびWK2Oはモールドパウダ中に分析されるCa、Si、Al、Li、Na、Kが全てそれらの酸化物であるとして換算した含有率(質量%)であり、WFは、分析されるFの含有率(質量%)である
が開示されている。
更に、特許文献7には、少なくとも、塩基度(CaOwt%/SiOwt%)が1.1〜2.4の範囲にあり、かつ、フッ素を2〜12wt%、およびAlを1〜7wt%を含有する連続鋳造用モールドパウダーであって、該パウダーのプリメルトフラックスの含有量が、下式(1)を満足することを特徴とする連続鋳造用モールドパウダー:
(プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiOwt%)
+35 (1)
(請求項1);前記連続鋳造用モールドパウダーの塩基度(CaOwt%/SiOwt%)が1.3〜1.6の範囲であり、かつ、前記プリメルトフラックスの含有量が85wt%以下である、請求項1記載の連続鋳造用モールドパウダー(請求項2);更に、下記の化合物または単体を含有することを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造用モールドパウダー:(a)氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、LiOの何れか1種以上の含有量が4〜25wt%、(b)炭素材の含有量が1〜8wt%(請求項3);少なくとも、CaO:35〜60wt%、SiO:25〜40wt%、Al:1〜7wt%、MgO<1.5wt%、NaO;1〜10wt%、LiO:1〜5wt%、F:2〜12wt%を含有する連続鋳造用モールドパウダーであって、該パウダーのプリメルトフラックスの含有量が下式(1)を満足することを特徴とする連続鋳造用モールドパウダー:
(プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiOwt%)
+35 (1)
(請求項4)が開示されている。
また、特許文献8には、モールド内のメニスカス部において緩冷却であり、メニスカス部の下方部分において強冷却であるモールドパウダーを用いて鋼の連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法(請求項1);モールド内のメニスカス部において結晶化速度を大きくして緩冷却とし、メニスカス部の下方部分において結晶成長を抑制して強冷却とするモールドパウダーを用いて鋼の連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法(請求項2);モールド内のメニスカス部における冷却性をモールドパウダーのNaOの含有量による結晶化速度の調整により制御し、メニスカス部の下方部分における冷却性をモールドパウダーのLiOの含有量による結晶化温度の調整により制御することを特徴とする請求項1または2に記載の鋼の連続鋳造方法(請求項3);鋳片の厚さが220mm以上であり、鋳造速度が1.6m/分以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法(請求項4);CaO/SiO質量比を1.5〜2.5とし、NaOを2質量%未満、LiOを1質量%以上に調整したモールドパウダーを用いて、厚さ220mm以上の鋳片を鋳造速度1.6m/分以上で連続鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法(請求項5);前記モールドパウダーは、1〜18質量%のCを含むことを特徴とする請求項5に記載の鋼の連続鋳造方法(請求項6);モールドパウダーの結晶化温度が1100℃以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法(請求項7);モールド直下位置における凝固シェルの厚さを12mm以上とすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法(請求項8)が開示されている。
更に、特許文献9には、CaO、SiOおよびフッ素化合物を基本成分とするモールドパウダーであって、T.CaOのSiOに対する質量%の比T.CaO/SiOが1.3〜2.5であり、Fを4〜12質量%含有し、アルカリ金属の酸化物の合計の質量%に対するFの質量%の比が0.6〜2.5であり、1300℃における粘度が2poise以下、凝固点が1180℃以上であることを特徴とする連続鋳造用モールドパウダ(請求項1);Ar雰囲気下において1400℃で溶融させた後、1〜50℃/分の速度で室温まで冷却した場合、凝固組織中に最も多く析出する結晶が3CaO・2SiO・CaFの組成であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダ(請求項2)が開示されている。
また、特許文献10には、CaO/SiO質量比が1.8〜4.0の範囲内にあり、MgOが1.0質量%未満、NaOが4.5質量%未満であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダー(請求項1);Cが2質量%以上である、請求項1記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー(請求項2);1300℃での粘度が1.5ポイズ以下である、請求項1または2記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー(請求項3);4℃/分〜10℃/分の降温速度における結晶晶出温度範囲が25℃以下である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー(請求項4)が開示されている。
更に、特許文献11には、加熱結晶化温度が400〜490℃の範囲にあることを特徴とする連続鋳造用モールドパウダー(請求項1);冷却結晶化温度が1100〜1250℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダー(請求項2);プリメルト率が75%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造用モールドパウダー(請求項3)が開示されている。
また、特許文献12には、パウダー中の炭酸塩濃度がCO濃度に換算して4〜15mass%であって、1573Kにおける粘度が0.1Pa・s未満、融点が1273K以上であり、下記の質量濃度比が0.9〜1.3であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダー:質量濃度比=(CaO+CaF×0.718)/SiO
が開示されている。
更に、特許文献13には、鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、パウダ原料中の炭酸塩濃度が、CO濃度に換算して、4質量%以上、15質量%未満であって、パウダ全体の(CaO+CaF×0.718)/SiO質量濃度比が0.8以上1.2未満であり、構成原料粉末のうち(CaO+CaF×0.718)/SiO質量濃度比が0.5未満の成分が15質量%未満であり、添加カーボン濃度が1.0質量%未満であることを特徴とする、鋳片へのカーボン移行量を低減させる連続鋳造用モールドパウダが開示されている。
また、特許文献14には、CaO/SiOが0.6〜1.8の範囲内であり、2〜10wt.%のフッ素、および、Alを含有する珪酸カルシウムの製造用原料と、
アルカリ金属・アルカリ土類金属の炭酸塩とを、1200〜1700℃の範囲内の温度で溶融し、炭酸ガスを分解除去した後、急冷し水砕しそして粉砕することによって調製されたモールドパウダー主原料が、70〜95wt.%の割合で配合され、そして、炭素分以外の原料中から混入する炭酸等のイグニッションロスの量が7wt.%以下に限定されていることを特徴とする連続鋳造用モールドパウダーが開示されている。
特開平10−216907号公報 特開2000−158105号公報 特開2000−218348号公報 特開2001−179408号公報 特開平11−320058号公報 特開2002−346708号公報 特開平10−314897号公報 特開2006−247744号公報 特開2002−239693号公報 特開2004−1017号公報 特開2000−102846号公報 特開平5−15955号公報 特開平6−170506号公報 特開平7−323354号公報
以上のように、CaO/SiO質量比=1.5〜2.5前後の高塩基度モールドパウダーは多数開示されており、鋳片割れ抑制には一定の効果が上がっているが、完全に鋳片割れを防止できていないのが現状である。また、これらのCaO/SiO質量比が概ね1.5以上の高塩基度モールドパウダーは、凝固温度(結晶化温度)が高く、結晶化し易いため、その溶融過程で焼結を起こし易くモールド壁面に形成されるスラグベアーが肥大化し易い問題があった。スラグベアーが肥大化すると、パウダースラグの流入路が狭まって流入を阻害し、フィルム切れを起こして拘束性ブレークアウトの発生原因となる、また、溶鋼の湯面変動によってスラグベアーが噛みこまれ、噛みこまれた部分の凝固シェルが凝固遅れとなって再溶解のブレークアウトの発生原因にもなる。そのため、スラグベアーが肥大化しないうちに、定期的にスラグベアーを取り除く作業が必要であり、作業が煩雑となる問題があった。更に、スラグベアー取り除き作業中に誤ってスラグベアーが凝固シェルに巻き込まれることによって、再溶解によるブレークアウトが発生する場合もある。
溶融過程での焼結を防止し、スラグベアーを少なくするためには、モールドパウダーの原料種、配合量並びに組み合わせの選定が重要であるが、CaO/SiO≧1.5の高塩基度モールドパウダーについては確立されていないのが現状である。
例えば、特許文献1及び11においては、モールドパウダーの組成のみが開示されており、使用されている原料についての記述はなく、同様の組成であっても原料の選定によっては焼結が大きくなり、スラグベアーの問題がある。
また、特許文献2ないし6並びに9においては、CaO原料として生石灰、石灰石、セメント、SiO原料として珪砂、珪藻土、CaF原料として蛍石、更には、NaO原料としてソーダ灰、炭酸ナトリウムなどが例示されている。しかし、原料の使用量などについての具体的な記載はなく、焼結の問題が解決されていない。
更に、特許文献7は、プリメルト原料を使用するものであるが、プリメルト原料を使用すると焼結し易く、スラグベアーが肥大化する問題がある。
また、特許文献8は、メニスカス部で超緩冷却化させると共にメニスカス部の下方部分では強冷却化させるモールドパウダー組成とするものである。しかしながら、現実の連続鋳造操業において、モールド内の溶鋼の流れは一定ではなく、メニスカス部の溶鋼が波打つこともあり、部位別に冷却強度を別けることは難しい。
また、特許文献10は、人造原料、ウォラストナイト、セメント等を使用するものであるが、これらの原料を使用すると、焼結やスラグベアーが発生し易いという問題がある。
更に、特許文献12は、モールドパウダー中の炭酸塩の分解により生成するガスの発生量を制御することによって、モールドパウダーの溶融速度を制御する方法を、特許文献13は、鋳片へのカーボン移行量を低減させる連続鋳造用モールドパウダーを開示するものであるが、これらのモールドパウダーは加熱時に炭酸塩が分解してCOを放出する際に、吸熱反応を伴うため、溶鋼表面を冷やしたり、モールドパウダー自身が冷やされて焼結が起こり易いという問題があった。そのため、特許文献14にあるように、保温性を確保し、鋳型内における溶鋼の表面上に安定した溶融モールドパウダー層を形成するため、炭酸などのイグニッションロスの量が7質量%以下に限定される場合が多かった。
従って、本発明の目的、CaO/SiO質量比が1.50以上の高塩基度の鋼の連続鋳造用モールドパウダーにおいて、鋳片割れを完全に防止でき、かつモールド内抜熱を緩冷却化して鋳片割れを抑制することにある。
即ち、本発明は、CaO/SiO質量比が1.50〜2.50で、加熱質量減少(Loss on Ignition:LOI)が15〜35質量%の範囲内にあることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダーを提供することにある。
また、本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、トータルカーボン量(T.C)が7〜16質量%であることを特徴とする。
更に、本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、COガス成分が10〜25.2質量%であることを特徴とする。
また、本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、原料として加えられる炭酸カルシウムの量が5〜50質量%であることを特徴とする。
本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーによれば、モールドパウダーのLOI(加熱質量減少)を特定の範囲となるような組成とすることにより、スラグベアーの生成を抑制し、鋼の連続鋳造におけるモールド内の抜熱を適正に抑制することが可能となり、鋳片割れを抑制し、歩留まり及び生産性を向上できるという効果を奏するものである。
鋳片割れを抑制するためには、凝固シェルからモールドへの抜熱を抑え、凝固シェルを均一に成長させる必要がある。抜熱を抑制し、緩冷却とするためにはスラグフィルム中の結晶量を増やすことが有効である。即ち、結晶化温度を高くして結晶層厚みを厚くすること、結晶化速度を速くして結晶を発達させることと同時に、結晶組織中の微細気孔が伝熱抵抗になっているためと考えられている。
スラグフィルムの結晶層中に、微細気孔を増やすためには、特に、CaO/SiO質量比が1.50以上の高塩基度組成が有利であり、更に、出発原料として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなど加熱分解時にCOガスを放出する原料を多量に添加することによって、これらの原料を使用しないか、少量使用する場合と比較して、結晶化した際の結晶組織中の微細気孔量が増加することを見出した。微細気孔が増加する理由として、モールドパウダーの溶融過程で放出されたCOガスの一部が溶融スラグ中に溶解し、結晶化する際に気孔となって残るものと考えられる。また、溶存CO量が多いことによって、結晶化を促進する働きがあることも理由として考えられる。微細気孔の量はCaO/SiO質量比が1.50を超えると多くなり、COガス成分が多いほど多くなった。
また、モールドパウダーに、加熱時にガスとして放出される成分を多量に添加することによって、モールドパウダーが溶融する過程において、モールドパウダーが流動し、焼結収縮を防止する効果が得られる。ガス成分としては炭酸カルシウムなど、炭酸塩の分解時に発生するCOが効果的である。しかし、炭酸塩の分解は吸熱反応であるため、加熱され溶融途中にあるモールドパウダーを冷やしてしまい、逆に焼結を助長させることから、吸熱を補完するために、カーボンの酸化発熱反応を利用することとした。即ち、多量のカーボンと炭酸カルシウムが共存することによって、炭酸カルシウムの欠点であった分解時の吸熱を補完し、モールドパウダーと溶鋼表面が冷やされるのを防止することができる。
更には、高塩基度モールドパウダーのCaO源として、炭酸カルシウムは、結晶化を阻害する成分であるSiO、Al、MgOなどの不純物が少ないため、成分設計し易く好適である。
本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーのCaO/SiO質量比を1.50以上としたのは、結晶層内に微細気孔が多くなり、モールド内抜熱が緩冷却となり、鋳片割れ防止に大きな効果があるためである。より好ましくは、CaO/SiO質量比が1.60以上の時である。CaO/SiO質量比が1.50未満では、結晶層内の微細気孔が少なく、充分に緩冷却とならず鋳片割れを抑制しにくくなるために好ましくない。また、CaO/SiO質量比の上限は特に限定されるものではないが、中炭素鋼を連続鋳造する際に使用するモールドパウダーとしては、CaO/SiO質量比が2.50以下である。CaO/SiO質量比が2.50を超えると、モールド内抜熱を均一に緩冷却し易い結晶鉱物であるカスピダイン(化学式:3CaO・2SiO・CaF)が生成しにくくなるために好ましくない。
加熱質量減少(LOI)は、モールドパウダーを大気中1000℃で加熱した時の質量減少量であり、下記の式で表される:
LOI=[(加熱前質量)−(加熱後質量)]/(加熱前質量)×100
なお、質量減少分の内訳は、フリーカーボン量(F.C)、炭酸ガス成分、結晶水、その他揮発分である。
モールドパウダーのLOIは15〜35質量%が好ましく、より好ましくは17〜30質量%である。LOIが15質量%未満では、フィルム結晶中に微細気孔が少なくなるため、充分な緩冷却とならず、また、ガス発生による流動効果が小さくなり、焼結防止効果が小さいために好ましくない。また、LOIが35質量%より多いと、その他の原料、成分との関係からモールドパウダーの設計上、不都合が生じるために好ましくない。
トータルカーボン量(T.C)は、7〜16質量%が好ましく、より好ましくは8〜14質量%の範囲内である。T.Cが7質量%より少ないと、炭酸塩の吸熱反応を補完するカーボンの燃焼反応が少なく、モールドパウダーを冷やしてしまい焼結の原因となるために好ましくない。一方、T.Cが16質量%より多いと、モールドパウダーの溶融速度が遅くなりすぎ、溶融スラグ層が薄くなってモールドと凝固シェル間に流れ込むスラグが不足し、潤滑不良となって拘束性ブレークアウトの原因となるために好ましくない。
モールドパウダーに含まれるCOガス成分の量は10〜25.2質量%が好ましい。COガス成分の量が10質量%未満であると、焼結を防止する効果が小さいことと、フィルム中の微細気孔を形成しにくく、十分緩冷却とならないため鋳片割れを抑制できないため好ましくなく、COガス成分が25.2質量%を超えると、その他の原料、成分との関係からモールドパウダーの設計上、不都合が生じるために好ましくない。COガス成分を含む原料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸マンガンなどがあり、どれを選択しても良いが、高塩基度モールドパウダーでは主成分となる炭酸カルシウムを使用すると、モールドパウダーを設計し易いので特に有効である。
炭酸カルシウムの配合量は5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。炭酸カルシウムの配合量が5質量%未満では、添加効果が小さいために好ましくなく、50質量%を超えると、ガス成分が多くなりすぎ、分解による吸熱反応が大きくなりすぎるために好ましくない。
なお、本発明のモールドパウダーの形状は特に限定されるものではなく、例えば粉末タイプや押し出しタイプ、中空スプレータイプ、攪拌造粒タイプのような顆粒形状でも使用目的に応じて変化させることが可能である。
以下、実施例により本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーを更に説明する。
表1に記載される原料配合にて、本発明品及び比較品のモールドパウダーを作製した。
Figure 0005342296
表1において、化学組成の欄の「その他」は、Fe、TiO、MnO、KO、Cr、P、ZrO、Sなどの不可避不純物の合計量を示す。
T.C(トータルカーボン量)=F.C(フリーカーボン量)+CO×12/44
化学組成の合計は、100質量%を超えているが、これは例えばフッ化カルシウムCaFをCaOとFで表記したため、実在しない酸素が増えるためである。
表1に示す本発明品及び比較品のモールドパウダーを用い、実機鋳造テストを行なった。テスト条件は、モールドサイズ:厚み250×幅1200mm、鋳造速度:1.5m/分、鋼種:中炭素鋼、鋳造温度:1550℃であった。
使用結果の評価方法として、焼結性は、モールド内のモールドパウダー状況を目視観察したものであり、○はモールド内に焼結塊やスラグベアーが生成せず良好であることを、△はモールド内に小さな焼結塊が発生したり、スラグベアーが発生したことを、×は、モールド内に焼結塊が発生し、スラグベアーも大きく成長し溶融不良であったことをそれぞれ示したものである。
また、プール厚は、適正厚みである10〜15mmを○で、15mm超えを△で、10mm未満を×でそれぞれ示したものである。
更に、鋳片表面割れは、割れが無く良好であったものを○で、小さな割れがあったものを△で、大きな割れが多数あったものを×で示したものである。
本発明の鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、鋼、特に、中炭素鋼の連続鋳造に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. CaO/SiO質量比が1.50〜2.50で、加熱質量減少(LOI)が15〜35質量%の範囲内にあることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドパウダー。
  2. トータルカーボン量(T.C)=フリーカーボン量(F.C)+CO ガス成分量(CO )×12/44で表わされるトータルカーボン量(T.C)が7〜16質量%である、請求項1記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー。
  3. COガス成分が10〜25.2質量%である、請求項1または2記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー。
  4. 原料として加えられる炭酸カルシウムの量が5〜50質量%である、請求項1ないし3のいずれか1項記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダー。
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