JP2000051998A - 鉛含有鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鉛含有鋼の連続鋳造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、鉛快削鋼及び鉛添加鋼のよう
な鉛含有鋼の連続鋳造方法を提供することにある。 【解決手段】本発明の鉛含有鋼の連続鋳造方法は、モー
ルドパウダースラグへの鋼中からのPbOピックアップ
が0.5重量%以下、MgOピックアップが5重量%以
下となるモールドパウダーを使用することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛快削鋼及び鉛添
加鋼のような鉛含有鋼の連続鋳造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造用モールドパウダーは、ポ
ルトランドセメント、合成珪酸カルシウム、ウォラスト
ナイト、黄リンスラグなどを主原料とし、必要に応じて
シリカ質原料を加え、更にはソーダ灰、蛍石、フッ素化
合物、アルカリ金属化合物や溶融速度調整剤としての炭
素質原料を添加してものが一般的である。
【0003】モールドパウダーは、モールド内の溶鋼表
面に添加され、種々の役割を果たしながら消費される。
主な役割としては、モールドと凝固シェルの潤滑;
溶鋼から浮上する介在物の溶解及び吸収;溶鋼の保
温;抜熱速度のコントロールなどが主要な役割であ
る。
【0004】及びは、モールドパウダーの軟化点、
粘度などを調整することが重要であり、化学組成の選択
が重要である。については、主に炭素原料によって調
整される溶解速度や嵩比重、拡がり性などの粉体特性が
重要とされている。については、結晶化温度などを調
整することが必要で、化学組成の選択が肝要である。
【0005】我が国における連続鋳造技術の進歩には目
覚ましいものがあり、更に発展し続けている。従って、
鋳造品質や操業安定性に多大な影響を与えるモールドパ
ウダーへの要求も一段と厳しくなっており、必要とされ
るモールドパウダーも多種多様になっているのが現状で
ある。
【0006】一方、基材原料に合成珪酸カルシウムを使
用したタイプ(セミプリメルトタイプ)や炭素粉を除い
たモールドパウダーを予め溶解し、適切な粒度に粉砕
し、その後に炭素粉を添加する完全溶融型モールドパウ
ダー(プリメルトタイプ)も使用されている。
【0007】鉛含有鋼例えば鉛快削鋼及び鉛添加鋼のよ
うな特殊鋼は多種にわたっているが、このような特殊鋼
は、通常0.02〜0.40重量%程度のPbを含有し
ている。
【0008】現在、鉛含有鋼の連続鋳造に際して使用さ
れているモールドパウダーは、CaO/SiO重量比
が0.6〜1.1の範囲内にあり、結晶化温度が低く、
スラグフィルムの結晶化率が低い。このようなモールド
パウダーは以下のような問題点を有している:モールド
パウダーは、モールド内で溶鋼から熱を受け、滓化、溶
融し、順次モールドと凝固シェルとの隙間に流入してス
ラグフィルムを形成し、消費される。上述のような従来
のモールドパウダーを使用する際には、抜熱の均一化が
達成されておらず、ブレークアウトを感知するために鋳
型銅板に熱電対がセットされているが、この銅板温度の
変動が大きく、場合によっては、ブレークアウト警報の
誤動作を引き起こし、操業上の問題となる。銅板温度の
変動は、抜熱の均一化が達成されておらず、凝固シェル
が不均一に生成する場合に大きくなる。鉛含有鋼は、凝
固シェル強度が低いため、凝固シェルが不均一に生成す
ると、ブレークアウトやデプレッションを発生し、操業
を損なうだけでなく、鋳片の表面品質を劣化させて大き
な問題となる。
【0009】この現象は、鉛含有鋼で特に顕著であり、
凝固シェルが不均一に生成することで、銅板温度の変動
が大きく、鋳片の表面品質が劣化し、更には、凝固シェ
ル強度が低いためブレークアウトやデプレッションの発
生は、この鋼種特有であると考えられる。そのため、モ
ールドパウダーとしては次のような手段を講じている。
その一つに、凝固シェル強度が低いことから、スラグフ
ィルムの結晶化率を小さくすることで、抜熱速度を高
め、凝固シェル厚を確保し、且つモールドとの潤滑性の
向上を図っている。しかしながら、この手段を講ずるこ
とで、必然的に凝固シェルは、不均一に凝固し、銅板温
度の変動や鋼の表面品質の劣化を抑制することはできな
い。
【0010】また、モールドパウダーの流入量が不足す
ると、不均一流入が発生し、銅板温度の変動は大きくな
り、鋳片の表面品質も劣化する。そのため、モールドパ
ウダーとしては、粘性を低くすることで、モールドと凝
固シェルとの隙間に流入する量を確保し、不均一流入の
抑制を図っている。しかしながら、上述の従来のモール
ドパウダーでは、CaO/SiO重量比が低いため、
粘性調整剤として使用されているNaCO、Li
COなどの炭酸塩、NaF、NaAlF、蛍石な
どのフッ素化合物の配合量が多くなる。しかし、炭酸塩
の配合量が多くなると、この炭酸塩が分解する際の吸熱
反応により、鋳造中にディッケルと呼ばれる皮張りが生
成し、操業を損なうだけでなく、鋼品質を劣化させ、大
きな問題となる。また、フッ素化合物の配合量が多くな
ると、浸漬ノズルの溶損が大きくなり、更には、連続鋳
造機の腐食の問題が発生する。
【0011】また、鉛含有鋼を鋳造する際に、銅板温度
の変動が大きく、鋳片の表面品質の劣化が大きな問題と
なっているが、これら種々の問題を完全に解決できるモ
ールドパウダーは得られていない。
【0012】従って、本発明の目的は、鉛快削鋼及び鉛
添加鋼のような鉛含有鋼の連続鋳造方法を提供すること
にある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために種々検討を重ねた結果、上述の如き
欠点を全て解決できることを見出した。即ち、本発明の
鉛含有鋼の連続鋳造方法は、鉛含有鋼の連続鋳造方法に
おいて、モールドパウダースラグへの鋼中からのPbO
ピックアップが0.5重量%以下、MgOピックアップ
が5重量%以下となるモールドパウダーを使用すること
を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、種々の研究及び検
討を重ねた結果、以下の知見を得た。鉛快削鋼及び鉛添
加鋼のような鉛含有鋼の連続鋳造の際に、モールドパウ
ダースラグへの鋼中からのPbOピックアップが0.5
重量%以下、MnOピックアップが5重量%以下となる
モールドパウダーを使用することで、安定操業が可能に
なり、且つ鋼の表面品質の向上に有効であることが判明
した。即ち、CaO/SiO重量比が1.1〜1.
6、NaO含有量が15重量%以下、Fe含有
量が2重量%以下のモールドパウダーを使用すること
で、モールドパウダースラグへの鋼中からのPbOピッ
クアップを0.5重量%以下、MnOピックアップを5
重量%以下に抑制し、且つ均一抜熱を達成し、凝固シェ
ル強度が低くても、健全な凝固シェルを生成することで
安定操業が可能になり、且つ鋼の表面品質の向上に有効
であることが判明した。
【0015】鉛含有鋼は、低融点物質である鉛(Pb)
を含有しているため、溶鋼からPbが蒸発する。蒸発し
たPbはモールドパウダースラグ中にPbOとしてピッ
クアップされ、それに伴ってモールドパウダーの物性が
変化すると考えられる。モールドパウダースラグ中にP
bOがピックアップされると、結晶化温度が低くなり、
スラグフィルム中の結晶化率が低下する。その結果、抜
熱が不均一になり、凝固シェルが不均一に生成し、鋳片
品質の劣化だけでなく、ブレークアウトの発生を引き起
こす原因となる。
【0016】モールドパウダースラグへのPbOの溶解
量は、モールドパウダースラグ中でのPbOの活量が大
きい程減少する。モールドパウダーのCaO/SiO
重量比が高い程、モールドパウダースラグ中でのPbO
の活量は大きくなる。本発明に使用するモールドパウダ
ーは、従来使用されているモールドパウダーに比べ、モ
ールドパウダーのCaO/SiO重量比を高くしてい
るため、PbOピックアップ量が少なく、モールドパウ
ダーの物性の変化も小さい。
【0017】鋼中のMnは酸化され易く、MnOとして
モールドパウダースラグ中にピックアップされ、それに
伴い、モールドパウダーの物性が変化することが考えら
れる。モールドパウダースラグ中にMnOがピックアッ
プすると、粘性が低下し、モールドパウダースラグの不
均一流入を引き起こす原因となる。また、結晶化温度が
低下するので、スラグフィルム中の結晶化率が低下す
る。その結果、抜熱が不均一になり、凝固シェルが不均
一に生成し、鋳片品質の劣化だけではなく、ブレークア
ウトの発生を引き起こす原因となる。
【0018】モールドパウダースラグへのMnOの溶解
量は、モールドパウダースラグ中でのMnOの活量が大
きい程減少する。パウダースラグのCaO/SiO
量比が高い程、モールドパウダー中でのMnOの活量は
大きくなる。本発明に使用するモールドパウダーは、従
来使用されているモールドパウダーに比べ、モールドパ
ウダーのCaO/SiO重量比を高くしているため、
MnOのピックアップ量も少なく、モールドパウダーの
物性の変化も小さい。
【0019】モールドパウダー中のNaO含有量は、
15重量%以下にすることが望ましい。NaO含有量
が15重量%を超ると、炭酸塩の配合量またはフッ素化
合物の配合量が多くなるために好ましくない。炭酸塩の
配合量が多くなると、この炭酸塩が分解する際の吸熱反
応による鋳造中のディッケルと呼ばれる皮張り発生の原
因となる。また、フッ素化合物の配合量が多くなると、
浸漬ノズルの溶損が大きくなり、更には、連続鋳造機の
腐食の原因となる。
【0020】モールドパウダーの流入量が不足すると、
鋳型と凝固シェルが焼き付きを起こし、スラグの不均一
流入の発生により銅板温度の変動が大きくなる。そのた
め、モールドパウダーの粘性を低くすることで、モール
ドと凝固シェルとの隙間に流入する量を確保し、不均一
流入の抑制を図っている。本発明のモールドパウダー
は、従来のモールドパウダーに比べCaO/SiO
量比が高いため、粘性調整剤として使用されるNa
、LiCOなどの炭酸塩、NaF、NaAl
、蛍石などのフッ素化合物の配合量を低減すること
ができる。
【0021】本発明のモールドパウダーにおいて、Na
O含有量は上述のように15重量%以下であるが、更
に、モールドパウダーの粘性を低下させることが望まし
い場合には、LiOを含有させることもできる。しか
し、LiOをモールドパウダーに多量に配合すると、
コストが高くなる。そのため、LiOを含有させる場
合には、7重量%以下が好ましく、より好ましくは5重
量%以下である。なお、LiOを多量に配合すると、
結晶化温度が低下し、抜熱速度が高くなり、均一抜熱を
損なうために凝固シェルの不均一凝固が発生する場合も
ある。また、LiOはスラグの流動性が向上するだけ
ではなく、活性化エネルギーも低下させ、それによっ
て、鋳造温度の変化でモールドパウダーの消費量のばら
つきが小さくなるので、上記範囲で使用することが望ま
しい。なお、LiOは、LiCO等の形態でモー
ルドパウダーに配合することができる。
【0022】また、モールドパウダー中に不純物として
存在するFeの含有量は、2重量%以下が望まし
い。Fe含有量が2重量%を超ると、モールドパ
ウダースラグ中のPbOピックアップ量が増加し、モー
ルドパウダースラグの物性の変動が大きくなり、それに
よって不均一流入を引き起こし、鋳片品質が劣化するた
めに好ましくない。
【0023】モールドパウダーの結晶化温度は、均一抜
熱を達成するために、少なくとも1035℃以上必要で
ある。そして、結晶化温度が高くなればなる程、より均
一な抜熱が達成され、凝固シェルはより均一にはなる
が、凝固シェルの厚みが薄く、且つ凝固シェルの熱間強
度が著しく低下する。そのため、ある程度の凝固シェル
の厚みを確保する必要があり、1230℃を超る結晶化
温度は好ましくない。
【0024】また、モールドパウダーの結晶化温度を1
035℃以上に設定するためには、モールドパウダーの
化学組成におけるCaO/SiO重量比を1.1以上
とすることが好ましく、また、結晶化温度を1230℃
以下に設定するには、CaO/SiO重量比は1.6
以下とすることが望ましい。
【0025】次に、本発明のモールドパウダーの物性に
ついて記載する。本発明のモールドパウダーの粘度は、
スラグが均一に流入し、抜熱も極めて安定し、表面欠陥
の少ない鉛含有鋼を鋳造するために、1300℃で0.
5〜5ポイズの範囲に調整する必要がある。モールドパ
ウダーの粘度が0.5ポイズ未満であると、パウダース
ラグが不均一流入し、抜熱が不均一になり、表面割れが
発生し、割れ性のブレークアウトも多発する。逆に、粘
度が5ポイズを超ると、凝固シェルと鋳型との潤滑が著
しく損なわれ、場合によっては鋳型と凝固シェルが焼き
付きを起こし、ブレークアウトに繋がる。更に、消費量
不足による鋳型とシェル間の摩擦力が著しく大きくな
り、逆に、別の横割れといった表面欠陥が発生してしま
う。
【0026】モールドパウダーの結晶化温度は先述した
ように均一抜熱を達成するために、少なくとも1035
℃以上必要である。そして、結晶化温度が高くなればな
る程、より均一な抜熱が達成され、凝固シェルはより均
一にはなるが、凝固シェルの厚みが薄く、且つ凝固シェ
ルの熱間強度が著しく低下する。そのため、ある程度の
凝固シェルの厚みを確保する必要があり、1230℃を
超る結晶化温度は好ましくない。
【0027】また、より均一な抜熱を達成するために
は、パウダースラグの粘度と結晶化温度をより適正な範
囲に設定することが極めて重要で、以下の式に示す範囲
とする必要がある:
【数2】1070≦Tc×η0.02≦1210 (式中、Tcは℃で表すモールドパウダーの結晶化温度
であり、ηはポイズで表すモールドパウダーの1300
℃での溶融粘度である) この関係式を満足させることで、スラグが均一に流入
し、抜熱も極めて安定し、表面欠陥の少ない鉛含有鋼の
連続鋳造が可能となる。図1に示すように、適正領域を
下回ると、モールドパウダースラグが不均一流入し、抜
熱が不均一になり、表面割れが発生し、割れ性のブレー
クアウトも多発する。逆に、適正領域を上回ると、凝固
シェルと鋳型との潤滑が著しく損なわれ、場合によって
は鋳型と凝固シェルが焼き付きを起こし、ブレークアウ
トに繋がる。更に、モールドパウダーの消費量不足によ
る鋳型とシェルの摩擦力が著しく大きくなり、逆に、別
の横割れといった表面欠陥が発生してしまう。
【0028】次に、本発明に使用するモールドパウダー
に用いられる原料について記載する。本発明に使用する
モールドパウダーを構成する原料として、基材原料を6
0〜90重量%使用する。基材原料としては、ポルトラ
ンドセメント、リンスラグ、合成スラグ、ウォラストナ
イト、合成珪酸カルシウム等を使用することができる。
ここで、基材原料の配合量が60重量%未満であると、
必然的にフラックス成分が増加し、低粘性になりすぎる
ために好ましくなく、また、90重量%を超ると他の成
分の配合量が少なくなるために好ましくない。
【0029】また、前記モールドパウダーには、シリカ
原料を0〜25重量%の範囲内で使用する。シリカ原料
としては、珪藻土、珪石粉、ガラス粉、カレット粉、ソ
ーダ長石、スポジュメン、ベントナイト等を使用するこ
とができる。ここで、シリカ原料の配合量が25重量%
を超ると嵩比重が著しく小さくなり、粉塵が発生し易く
なるために好ましくない。また、シリカ原料は必ずしも
配合しなくても良い。
【0030】更に、前記モールドパウダーには、蛍石原
料を配合する。一般に、モールドパウダーのF源とし
て、フッ化ナトリウム、氷晶石、蛍石を使用するこのが
一般的であるが、蛍石原料は0〜15重量%の範囲内で
使用する。蛍石原料の配合量が15重量%を超ると、モ
ールドパウダーの軟化点が高くなり過ぎるために好まし
くない。また、蛍石原料は必ずしも配合しなくても良
い。
【0031】前記モールドパウダーは、高融点鉱物の特
徴を有する蛍石と酸化アルミニウムを併用することもで
き、モールドパウダーの滓化溶融時に焼結層の生成が抑
制される。焼結層が生成しなければ、溶融スラグ層が均
一化されるだけでなく、スラグベアーの生成が完全に抑
制され、その結果、スラグの均一流入化が達成でき、良
好な連続鋳造を行うことができる。この場合、酸化アル
ミニウムの配合量は10重量%以下が望ましい。10重
量%を超るとスラグフィルム中にカスピダインの結晶以
外に、ゲーレナイトと呼ばれる結晶が析出し、そのため
に抜熱が不均一になったり、ブレークアウト警報の誤動
作を引き起こすことがあり、また、モールドパウダーの
結晶化温度も高くなりすぎ、上記の結果を助長してしま
うために好ましくない。
【0032】また、前記モールドパウダーには、酸化マ
グルシウムを配合することもできる。酸化マグネシウム
は、多量に配合すると軟化溶融時に不均一な溶融を呈
し、パウダースラグ層の成分が不均一になり易く、更に
は鋳片品質の劣化を促進するため、4重量%以下の量で
配合することが好ましい。
【0033】また、溶融速度調整剤としての炭素粉は、
1〜4重量%配合することが好ましい。炭素粉の配合量
が1重量%未満であると、実機鋳造時に溶融スラグ層の
厚みが厚くなり過ぎ、逆に、4重量%を超ると、溶融ス
ラグ層の厚みが薄くなりすぎ、スラグの不均一流入が発
生するために好ましくない。
【0034】本発明に使用するモールドパウダーは、各
原料を配合した後、ミキサーで均一に混合することで得
られる。また、液体と必要に応じて有機もしくは無機バ
インダーを添加し、押出造粒、撹拌造粒、転動造粒、流
動造粒、噴霧造粒などの方法で造粒し、顆粒状にして使
用することもできる。
【0035】
【実施例】以下の表1に記載する配合割合にて、原料を
配合して本発明品及び比較品のモールドパウダーを得
た。なお、本発明品4、5、10、11及び比較品4、
5、10、11は、粉末原料混合物に水及び有機バイン
ダーを添加して撹拌造粒した顆粒品である。また、その
他は粉末原料混合物をミキサーにて混合した粉末品であ
る。得られたモールドパウダーの化学組成を表1に併記
する。なお、合成珪酸カルシウム1は、CaO/SiO
2重量比1.1のものであり、合成珪酸カルシウム2
は、CaO/SiO2重量比1.5のものである。シリ
カ原料1は、珪藻土であり、シリカ原料2は、カレット
粉である。また、得られたモールドパウダーを連続鋳造
に使用した結果を表1に併記する。なお、本発明品1〜
5及び比較品1〜5においては0.07重量%鉛添加
鋼、本発明品6〜11及び比較品6〜11においては
0.18重量%鉛快削鋼を使用した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】表1中の使用結果において、◎は極めて良
好、○は良好、△は不良、×は著しく不良を表す。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、銅板温度を安定させ、
鋳片の表面品質を劣化しない鉛快削鋼及び鉛添加鋼の連
続鋳造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モールドパウダーの溶融粘度と、結晶化温度の
関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛含有鋼の連続鋳造方法において、モー
    ルドパウダースラグへの鋼中からのPbOピックアップ
    が0.5重量%以下、MgOピックアップが5重量%以
    下となるモールドパウダーを使用することを特徴とする
    鉛含有鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 モールドパウダーは、構成原料として基
    材原料60〜90重量%、シリカ原料0〜25重量%、
    蛍石0〜15重量%及び炭素粉1〜4重量%を含有して
    なり、化学組成におけるCaO/SiO重量比が1.
    1〜1.6の範囲内にあり、NaO含有量が15重量
    %以下、不純物としてのFe含有量が2重量%以
    下である、請求項1記載の鉛含有鋼の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 モールドパウダーの1300℃での溶融
    粘度が0.5〜5ポイズの範囲内にあり、モールドパウ
    ダーの結晶化温度が1035〜1230℃の範囲内にあ
    り、且つ前記溶融粘度と前記結晶化温度が次式 【数1】1070≦Tc×η0.02≦1210 (式中、Tcは℃で表わされるモールドパウダーの結晶
    化温度であり、ηはポイズで表わされるモールドパウダ
    ーの1300℃での溶融粘度を表わす)を満足するもの
    である、請求項1または2記載の鉛含有鋼の連続鋳造方
    法。
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