JP2018130750A - 連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018130750A JP2018130750A JP2017027283A JP2017027283A JP2018130750A JP 2018130750 A JP2018130750 A JP 2018130750A JP 2017027283 A JP2017027283 A JP 2017027283A JP 2017027283 A JP2017027283 A JP 2017027283A JP 2018130750 A JP2018130750 A JP 2018130750A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold powder
- powder
- sro
- mold
- continuous casting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
【解決手段】主成分としてCaO、SrO及びSiO2を含有する(ここで、CaO、SrO及びSiO2はそれぞれモールドパウダー中に含まれるCa、Sr及びSiを酸化物として換算したものである)連続鋳造用モールドパウダーであって、SrOを15質量%以上40質量%以下含有し、すべてのSrOのうちSrCO3に由来するSrOが40モル%以上を占め、モル比率としての(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であり、顆粒状であり、1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となる、連続鋳造用モールドパウダーとする。
【選択図】なし
Description
主成分としてCaO、SrO及びSiO2を含有する(ここで、CaO、SrO及びSiO2はそれぞれモールドパウダー中に含まれるCa、Sr及びSiを酸化物として換算したものである)連続鋳造用モールドパウダーであって、SrOを15質量%以上40質量%以下含有し、すべてのSrOのうちSrCO3に由来するSrOが40モル%以上を占め、モル比率(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であり、顆粒状であり、1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となる、連続鋳造用モールドパウダー
を開示する。
上記本開示の連続鋳造用モールドパウダーを使用する溶融金属の連続鋳造方法
を開示する。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、主成分としてCaO、SrO及びSiO2を含有する連続鋳造用モールドパウダーであって、SrOを15質量%以上40質量%以下含有し、すべてのSrOのうちSrCO3に由来するSrOが40モル%以上を占め、モル比率(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であり、顆粒状であり、1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となる。ここで、CaO、SrO及びSiO2はそれぞれモールドパウダー中に含まれるCa、Sr及びSiを酸化物として換算したものである。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、CaO、SrO及びSiO2が主成分となる。具体的には、これらの合計が全体の50質量%以上を占める。好ましくは70質量%以上である。これらの合計が全体の50質量%以上を占めることで、凝固温度を適度な値に調整しやすく、また安価になる。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおけるCaOの含有量は、上述の通り、主成分の一つを構成するとともに、後述の通り、所定の塩基度Aを達成できる含有量であれば、特に限定されるものではない。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおいては、SrOが15質量%以上40質量%以下を占めることが重要である。下限が好ましくは17質量%以上であり、上限が好ましくは35質量%以下である。SrOが15質量%以上であれば、モールドパウダーの塩基度を高めつつ、連続鋳造時に過度な結晶化を抑制することができる。一方、SrOが40質量%において結晶化を抑制する効果が飽和し、また40質量%以上ではモールドパウダーが高価になる。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおけるSiO2の含有量は、上述の通り、主成分の一つを構成するとともに、後述の通り、所定の塩基度Aを達成できる含有量であれば、特に限定されるものではない。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーには、上記の主成分の他に、その他の成分が含まれていてもよい。例えば、酸化物で換算した場合に、Al2O3、MgO、Na2O、ZrO2、B2O3が含まれていてもよい。また、Fが含まれていてもよい。さらに、後述の連続鋳造用モールドパウダーの製造方法の欄で詳細に説明するように、溶融制御のためにカーボンが含まれていてもよい。中でも、Al2O3、F及びカーボンのうちの少なくとも1種が含まれていることが好ましい。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおけるAl2O3の含有量は、10質量%以下とすることが好ましい。Al2O3の含有量を10質量%以下とすることにより、モールドパウダーの1300℃における粘度を0.5Pa・s以下に保つことが容易となるためである。Al2O3の含有量の下限値は特に限定されるものではないが、原料に含まれる不純物である0.3〜1質量%が実質的な下限値である。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおけるFの含有量は10質量%以下とすることが好ましい。Fの含有量を10質量%以下とすることにより、モールドパウダーの粘度を0.05Pa・s以上に調整することが容易になるからである。またFの含有量は、好ましくは2質量%以上である。Fの含有量を2質量%以上とすることにより、モールドパウダーの粘度を0.5Pa・s以下に調整することが容易になるからである。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、所望の効果を損なわない範囲で、MgO、Na2O、ZrO2、B2O3等の成分が含まれていてもよい。これらの成分は主としてモールドパウダーの凝固温度や粘度といった物性を調整するために添加される。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、モル比率としての(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であることが重要である。塩基度Aが1.3以上であることにより、溶融金属に巻き込まれ難いモールドパウダーとすることができる。また、塩基度が3.0以下であることにより、モールドパウダーの凝固温度を適切な温度とすることができる。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、顆粒状であることが重要である。「顆粒」とは、短径が0.3mm以上1.5mm以下の粒をいう。長径は特に限定されないが、好ましくは0.3mm以上5mm以下である。本開示の連続鋳造用モールドパウダーにおいては、例えば、粉末状の原料が集合して顆粒を構成する。顆粒の形状としては、俵状、丸粒、中空状等、種々の形状を採用できる。特に、中空状のものが好ましい。中空状とすることで、モールドパウダーの保温性が向上し、メニスカスにおける溶融金属の凝固に起因する操業トラブルを回避できるためである。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となることが重要である。1300℃における粘度が0.05Pa・s以上であれば、モールドパウダーが巻き込まれ難いという効果が奏され、0.5Pa・s以下であれば、鋳型内の潤滑性が確保されるという効果が奏される。このような粘度を達成するためには、上記したような各成分の含有量を調整すればよい。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーは、顆粒状であることに一つの特徴を有する。顆粒状のモールドパウダーは、例えば、下記のようにして製造することができる。すなわち、酸化物で換算した場合にCaOとなり得るCa系原料、酸化物で換算した場合にSrOとなり得るSr系原料、酸化物で換算した場合にSiO2となり得るSi系原料、及び、任意のその他の成分を、上記の含有量及び塩基度を満たすような比率で混合するとともに、さらに、ここに必要であればカーボンを加えて混合して混合物を得て、得られた混合物を水で混練してスラリーにした後、当該スラリーを用いて顆粒状に成形することで、顆粒状のモールドパウダーが得られる。
本開示の連続鋳造用モールドパウダーを使用することで、溶融金属の連続鋳造を行うことができる。連続鋳造時の鋳型へのモールドパウダーの供給条件等は、当業者にとって自明な事項であることから、ここでは説明を省略する。溶融金属の連続鋳造において本開示のモールドパウダーを使用することで、パウダー溶融層の組成変動を抑制でき、溶融金属へのパウダーの巻き込み等を防止でき、高い操業安定性でもって、高品質な鋳片を高速に製造することができる。
主成分としてCaO、SrO及びSiO2を含有する連続鋳造用モールドパウダーを複数種類作製した。この場合において、(1)SrOを15質量%以上40質量%以下含有し、(2)すべてのSrOのうちSrCO3に由来するSrOが40モル%以上を占め、(3)モル比率(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であり、(4)顆粒状であり、(5)1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となる、という5つの条件をすべて満たすものを実施例とし、これらのうち一つでも条件を満たさないものについて比較例とした。
・ 酸化物で換算した場合にCaOとなるCa系原料:珪灰石、蛍石
・ 酸化物で換算した場合にSrOとなるSr系原料:炭酸ストロンチウム、弗化ストロンチウム
・ 酸化物で換算した場合にSiO2となるSi系原料:珪灰石、珪砂
・ モールドパウダーにおいてF分となるF系原料:弗化ストロンチウム、蛍石
2.1.連続鋳造条件
鋳造条件は、鋳造速度1.5m/min、鋳型サイズ250×1200mmとした。溶融金属としては溶鋼(鋼の成分値C=0.005%以下の極低炭素鋼)を用いた。
鋳造開始後、溶鋼を50トン以上鋳造した後、又は、パウダー切り替え後、溶鋼を50トン鋳造した後で、鋳型の上側から溶融層を掬い取り、ガラス状の部分を分離し、連続鋳造後のモールドパウダーを得た。連続鋳造前のモールドパウダーと連続鋳造後のモールドパウダーとで、酸化物換算でのSrOの量をそれぞれ測定し、連続鋳造前と連続鋳造後とでSrO減少量を算出した。結果を下記表3に示す。
モールドパウダーを用いて連続鋳造して得られた鋳片をCGL(連続溶融亜鉛めっき板ライン:Continuous hot-dip galvanizing line)に適用した場合における、極低炭素鋼のパウダー系スリバー疵の有無を目視で確認した。鋼板20トン当たりのコイル表面疵の個数をカウントし、「1個/20t−鋼板」未満のものを表面品質良好(○)、「1個/20t−鋼板」以上のものを表面品質不良(×)として評価した。結果を下記表3に示す。
操業安定性については、モールドパウダーを用いて連続鋳造した場合に、「鋳型が焼き付いて凝固シェルが鋳型に拘束されたことを示す警報」(ブレークアウト警報)の有無で、評価した。具体的には、ブレークアウト警報が、連続鋳造100トンあたり1回未満のものを操業安定性良好(○)、1回以上のものを操業安定性不良(×)として評価した。結果を下記表3に示す。
Claims (2)
- 主成分としてCaO、SrO及びSiO2を含有する(ここで、CaO、SrO及びSiO2はそれぞれモールドパウダー中に含まれるCa、Sr及びSiを酸化物として換算したものである)連続鋳造用モールドパウダーであって、
SrOを15質量%以上40質量%以下含有し、
すべてのSrOのうちSrCO3に由来するSrOが40モル%以上を占め、
モル比率(CaO+SrO)/SiO2で表される塩基度Aが1.3以上3.0以下であり、
顆粒状であり、
1300℃における粘度が0.05Pa・s以上0.5Pa・s以下となる、
連続鋳造用モールドパウダー。 - 請求項1に記載の連続鋳造用モールドパウダーを使用する溶融金属の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017027283A JP6825407B2 (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017027283A JP6825407B2 (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018130750A true JP2018130750A (ja) | 2018-08-23 |
JP6825407B2 JP6825407B2 (ja) | 2021-02-03 |
Family
ID=63247133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017027283A Active JP6825407B2 (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6825407B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020142262A (ja) * | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 日本製鉄株式会社 | 連続鋳造用モールドパウダーの製造方法及び鋼の連続鋳造方法 |
-
2017
- 2017-02-16 JP JP2017027283A patent/JP6825407B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020142262A (ja) * | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 日本製鉄株式会社 | 連続鋳造用モールドパウダーの製造方法及び鋼の連続鋳造方法 |
JP7425280B2 (ja) | 2019-03-05 | 2024-01-31 | 日本製鉄株式会社 | 連続鋳造用モールドパウダーの製造方法及び鋼の連続鋳造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6825407B2 (ja) | 2021-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006247712A (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP2006247735A (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP6674093B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダーおよび連続鋳造方法 | |
JP2017087273A (ja) | Ti含有鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び連続鋳造方法 | |
CN102009144B (zh) | 大方坯高速重轨钢专用连铸结晶器功能保护材料 | |
JP6825407B2 (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー及び溶融金属の連続鋳造方法 | |
JP2005040835A (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP2008238221A (ja) | 連続鋳造用パウダー | |
JP3656615B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダ | |
JP2003053497A (ja) | 連続鋳造用フラックス | |
JP3249429B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP2000051998A (ja) | 鉛含有鋼の連続鋳造方法 | |
JP7239810B2 (ja) | モールドパウダー及び高Mn鋼の連続鋳造方法 | |
JP5226423B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用パウダー | |
JP6898564B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JP7024478B2 (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー及び連続鋳造方法 | |
JPS60180655A (ja) | 鋼の連続鋳造用湯面保護剤 | |
JP2673077B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用鋳型添加剤及び連続鋳造方法 | |
JP3717049B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び鋼の連続鋳造方法 | |
JPH09308951A (ja) | 鋼の連続鋳造用モールドパウダー | |
JPS6344465B2 (ja) | ||
JP6578940B2 (ja) | 連続鋳造用モールドパウダー | |
JP5226415B2 (ja) | 鋼の連続鋳造用パウダー | |
JP6871525B2 (ja) | モールドパウダー | |
JPS60191645A (ja) | 溶鋼の連続鋳造用湯面保護剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200811 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200918 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201228 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6825407 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |