JP7339568B2 - モールドパウダー - Google Patents

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Description

本開示は、鋼の連続鋳造に好適なモールドパウダーに関する。
鋼の連続鋳造では、溶鋼がモールド内に流し込まれ、モールドで冷却、凝固されて凝固シェルを形成し、凝固シェルが下方向に連続的に引き抜かれる。モールド内では溶鋼表面にモールドパウダー(モールドフラックスということもある)が投入される。モールドパウダーは溶鋼の熱によって溶融し、溶融スラグ層が形成される(以下、溶融したモールドパウダーをパウダースラグという)。パウダースラグは、モールドと凝固シェルとの間に流入し、モールドに冷やされてフィルム(スラグフィルム)に変化し、モールド下端から排出されて消費される。モールドパウダーの主な役割は、(1)溶鋼表面の保温及び酸化防止、(2)溶鋼から浮上する非金属介在物の吸収及び溶鋼の清浄化、(3)モールドと凝固シェルとの間の潤滑の確保、(4)凝固シェルからモールドへの熱流束を制御することによる凝固シェルの均一冷却化等である。
例えば、特許文献1~3はアルミナ介在物の吸収能が高いモールドパウダーを開示する。特許文献1は、さらに、高塩基度かつ低粘度のモールドパウダーがスラブ表面欠陥の発生を防止することを開示する。特許文献2~3は、特定の組成の連続鋳造用湯面保護剤(モールドパウダー)は、アルミナ等の介在物を吸収しても物性変動が小さいことを開示する。
特開平06-339758号公報 特開昭60-180655号公報 特開昭61-014055号公報
しかし、特許文献1に開示されるモールドパウダーは、スラグ巻き込みにより鋳片品質が悪化しやすいという課題がある。特許文献2~3に開示されるモールドパウダーは、スラグフィルムに変化する際に晶出する主結晶がばらつき、緩冷却効果の高い結晶が晶出しにくいため、鋳片割れが発生しやすいという課題がある。
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、本開示の態様は、アルミナ吸収能が高く、スラグ巻き込みによる鋳片品質の悪化が少なく、スラグフィルムに変化する際に緩冷却効果の高い結晶が晶出することにより鋳片割れが発生しにくいモールドパウダーを提供することを目的とする。
(1)本開示の一の態様は、
CaOとSiOを主成分として含み、CaOとSiOの質量比(CaO/SiO)が0.8~1.2であり、0~3.0質量%のAlと、5.0~12.5質量%のMgOと、合計含有量が0~3.5質量%のNaO、LiO及びKOと、6.0~13.0質量%のFを含む化学組成を有し、
F源として、原料の合計質量に対しCaFを13.0~28.0質量%含み、AlF、NaF及びNaAlFを含まないことを特徴とするモールドパウダー(ただし、
化学組成における各成分の含有量は、1300℃での溶融状態を酸化物に換算したものであり、Fの含有量は、F含有化合物からFを切り離して合算したものである)に関する。
本開示の一の態様のモールドパウダーを鋼の連続鋳造に使用すると、適度な粘度のパウダースラグが形成され、アルミナ吸収能が高く、スラグ巻き込みによる鋳片品質の悪化が少ない。また、パウダースラグがスラグフィルムに変化する際にカスピダインが晶出する。カスピダインは緩冷却効果の高いため、凝固シェルからモールドへの熱流束を抑制し、鋳片割れが発生しにくい。
(2)本開示の一の態様では、
1300℃における粘度が0.3~0.8Pa・s、結晶化温度が1100~1220℃であることが好ましい。
1300℃における粘度が0.3~0.8Pa・sであるとパウダースラグの粘度がより好適であり、アルミナ吸収能が高く、スラグ巻き込みによる鋳片品質の悪化が少ない。また、結晶化温度が1100~1220℃であると、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が多く、凝固シェルからモールドへの熱流束が抑制され、鋳片割れが発生しにくい。
(3)本開示の一の態様のモールドパウダー150gを1300℃で溶融し、銅製の水冷樋へ流し込んで得られるスラグフィルムに晶出する結晶の主結晶がカスピダインであることが好ましい。
スラグフィルムに変化する際に晶出する結晶の主結晶がカスピダインであるため、凝固シェルからモールドへの熱流束が抑制され、鋳片割れが発生しにくい。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
本実施形態のモールドパウダーは、CaOとSiOを主成分として含み、CaOとSiOの質量比(CaO/SiO)が0.8~1.2であり、0~3.0質量%のAlと、5.0~12.5質量%のMgOと、合計含有量が0~3.5質量%のNaO、LiO及びKOと、6.0~13.0質量%のFを含む化学組成を有し、
F源として、原料の合計質量に対しCaFを13.0~28.0質量%含み、AlF、NaF及びNaAlFを含まない。なお、化学組成における各成分の含有量は、1300℃での溶融状態を酸化物に換算したものであり、Fの含有量は、F含有化合物からFを切り離して合算したものである。例えば、モールドパウダーにCaFが含まれる場合、CaFのCaはCaOに換算し、モールドパウダーに含まれるCaOや他のCa含有化合物のCaO換算と合算し、Fは切り離して、他のF含有化合物のFと合算する。
<質量比(CaO/SiO)>
本実施形態のモールドパウダーの化学組成は主成分としてCaOとSiOを含み、CaOとSiOの質量比(CaO/SiO)は0.8~1.2であり、好ましくは0.9~1.1である。質量比(CaO/SiO)が0.8未満であると、モールドパウダーの結晶化温度が低下し、スラグフィルムに変化する際にカスピダイン(3CaO・2SiO・CaF)の晶出が劣勢になり、凝固シェルからモールドへの熱流束が抑制されず、鋳片割れが発生することがある。一方、質量比(CaO/SiO)が1.2を超えると、パウダースラグの粘度が低下し、鋳片へのスラグ巻き込みが増加することがある。また、介在物吸収に伴うパウダースラグの組成変動によって結晶化温度が上昇し、スラグフィルムに変化する際に緩冷却効果の高い結晶が晶出しにくくなり、拘束性ブレークアウトや溶融スラグ層の厚みの増大、スラグベアの肥大化が発生することがある。
<Al
本実施形態のモールドパウダーの化学組成におけるAlの含有量は0~3.0質量%であり、好ましくは0.3~2.7質量%である。Alの含有量が3.0質量%を超えると、アルミナ吸収能が低下するとともに、スラグフィルムに変化する際にカスピダイン以外の結晶が晶出し、鋳片の緩冷却が不十分になり、鋳片割れが発生することがある。
<MgO>
本実施形態のモールドパウダーの化学組成におけるMgOの含有量は5.0%~12.5質量%であり、好ましくは7.0~10質量%である。MgOの含有量が5.0質量%未満であると、パウダースラグの融点が高くなり、モールドと凝固シェルとの間への流入が減少し、モールドと凝固シェルとの間の潤滑が損なわれることがある。一方、MgOの含有量が12.5質量%を超えると、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が劣勢、オケルマナイト等MgOを含む結晶の晶出が優勢になり、鋳片の緩冷却が不均一になることがある。
<NaO、LiO及びKOの合計含有量>
本実施形態のモールドパウダーの化学組成におけるNaO、LiO及びKOの合計含有量は0~3.5質量%であり、好ましくは0.5~2.0質量%である。NaO、LiO及びKOの合計含有量が3.5質量%を超えるとパウダースラグの粘度が低下し、スラグ巻き込みが発生することがある。
<F>
本実施形態のモールドパウダーの化学組成におけるFの含有量は6.0~13.0質量%であり、好ましくは6.1~10質量%である。Fの含有量が6.0質量%未満であると、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が劣勢、ゲーレナイト(2CaO・Al・SiO)、オケルマナイト(2CaO・MgO・2SiO)、ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO)等の晶出が優勢になり、鋳片の緩冷却に不利になることがある。一方、Fの含有量が13.0質量%を超えるとパウダースラグの粘度と表面張力が低下し、スラグ巻き込みによる鋳片品質が悪化することがある。さらに、スラグフィルムに変化する際にCaFが晶出し、鋳片の緩冷却が不均一になることがある。
<F源>
F源としてCaFを使用するとスラグフィルムに変化する際に晶出する結晶はカスピダインが優勢になり、主結晶になるため、緩冷却に有効である。一方、F源としてAlFやNaF、NaAlFを使用するとカスピダインの晶出が劣勢になり、緩冷却が不十分になり、鋳片割れが発生することがある。CaFの含有量は、原料の合計質量に対し13.0~28.0質量%であり、好ましくは14~25質量%である。CaFの含有量が原料の合計質量に対し13.0質量%未満であると、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が劣勢になる。一方、CaFの含有量が原料の合計質量に対し28.0質量%を超えると、カスピダインの他にCaFが晶出し、鋳片の緩冷却が不均一になることがある。
<粘度>
本実施形態のモールドパウダーの1300℃における粘度は0.3~0.8Pa・sが好ましく、0.4~0.7Pa・sがより好ましい。1300℃における粘度が0.3Pa・s以上であるとスラグ巻き込みが低減し、鋳片品質が向上する。また、1300℃における粘度が0.8Pa・s以下であると、モールドと凝固シェルとの間の潤滑性が向上し、鋳造において拘束性ブレークアウトが低減する。
<結晶化温度>
本実施形態のモールドパウダーの結晶化温度は1100~1220℃が好ましく、1120~1150℃がより好ましい。結晶化温度が1100~1220℃であると、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が優勢になり、凝固シェルからモールドへの熱流束が抑制され、鋳片割れが発生しにくい。また、スラグフィルムが適正な潤滑性を与えることができる範囲である。なお、本明細書において「結晶化温度」とは、120gのモールドパウダーを1300℃に加熱して溶融し、溶融状態のパウダースラグを4℃/分で降温し、結晶化に伴う発熱開始温度をいう。
<原料>
本実施形態のモールドパウダーには、公知の原料を使用することができる。例えば、CaOの原料としては、ポルトランドセメント、石灰石、生石灰、合成珪酸カルシウム、ウォラストナイト、リンスラグ、高炉スラグ等、SiOの原料としては、珪砂、珪石粉、珪藻土等、NaO、LiO、B及びFの原料としては、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、フッ化カルシウム(蛍石)、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、ホウ酸、ホウ砂、コレマナイト等、KO原料としては、炭酸カリウム、硝酸カリウム、カリウム長石、炭酸水素カリウム等を使用することができる。なお、本開示の作用効果を阻害しない範囲であれば、ZrO,B、Fe、P、S等を少量含有してもよい。なお、本実施形態のモールドパウダーにおいて、原料に炭酸塩が含まれる場合、炭酸塩は溶鋼の熱による溶融時に二酸化炭素を大気中に放出して分解するため、二酸化炭素は化学組成に考慮されない。
<滓化速度の調整>
モールドパウダーの滓化速度の調整のため、炭素原料を配合してもよい。炭素原料としては、例えば、コークス、グラファイト、カーボンブラック等を使用することができる。なお、滓化速度調整のための炭素原料は化学組成に考慮される。
<形状>
本実施形態のモールドパウダーの形状は、特に限定されるものではなく、例えば、押し出し造粒法、中空スプレー造粒法又は攪拌造粒法で製造された顆粒や、原料混合粉末等、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。
[実験方法]
実験に用いたモールドパウダーの化学組成と、F源の、原料の合計質量に対する配合割合を表1に示す。化学組成における各成分の含有量(質量%)は、モールドパウダーを1300℃に加熱して得られる溶融状態のモールドパウダー(パウダースラグ)を酸化物に換算したものである。原料に炭酸塩が含まれる場合、炭酸塩中の二酸化炭素は溶融時に消失するため化学組成には考慮されない。Fの含有量についてはF含有化合物からFを切り離して合算したものである。
Figure 0007339568000001
実施例1~17は本開示の実施例である。一方、比較例1~3は、F源として、CaF以外の原料を併用したものであり、比較例1はAlF、比較例2はNaF、比較例3はNaAlFを使用した。比較例4はAlの含有量を本開示の範囲より多くした。比較例5~7はMgOの含有量を本開示の範囲外で変化させた。比較例8はNaO+LiO+KOの合計含有量を本開示の範囲より多くした。比較例9~10はFの含有量を本開示の範囲外で変化させた。比較例11~12は質量比(CaO/SiO)を本開示の範囲外で変化させた。
実施例及び比較例のモールドパウダーについて、以下に示す方法で、粘度、結晶化温度及び晶出結晶の測定を行い、鋳片品質(スラグ巻き込み欠陥、アルミナ性介在物欠陥、鋳片割れ性欠陥)、操業安定性の評価を行った。
<粘度>
モールドパウダーの粘度は白金球引き上げ法により測定した。即ち、1300℃のパウダースラグ約120g中に直径10mmの白金球を吊り下げ、8.5mm/sの速度で引き上げたときの荷重を測定し、ストークスの式を用いて粘度(η)(単位:Pa・s)を求めた。
<結晶化温度>
モールドパウダーの結晶化温度は示差熱法により測定した。即ち、モールドパウダー約120gを白金製るつぼに入れ、電気炉で1300℃に加熱、溶融し、熱電対をパウダースラグ中に挿入し、4℃/分で降温しながらパウダースラグの温度を測定し、結晶化に伴う発熱開始温度を結晶化温度とした。
<晶出結晶>
スラグフィルム中の晶出結晶の量は、X線回折により測定した。即ち、150gのモールドパウダーを1300℃で溶融した後、銅製の水冷樋へ流し込んで得られたパウダーフィルムを粉砕してX線回折を行い、X線回折強度により4段階の「+」記号で指標化した。「+」記号が多いほど結晶の量が多く、「-」は結晶が晶出していないことを示す。
<鋳片品質>
鋳片品質として、鋳片の製品検査によってスラグ巻き込み欠陥、アルミナ性介在物欠陥及び鋳片割れ性欠陥を評価した。スラグ巻き込み欠陥は、検査結果が非常に良好な場合を優(◎)、良好な場合を良(○)、良好ではないが合格の場合を可(△)、不良の場合を不可(×)と評価した。アルミナ性介在物欠陥は、検査結果が非常に良好な場合を優(◎)、良好な場合を良(○)、良好ではないが合格の場合を可(△)、不良の場合を不可(×)と評価した。鋳片割れ性欠陥は、検査結果が非常に良好な場合を優(◎)、良好な場合を良(○)、微細割れ発生の場合を可(△)、鋳片割れ発生の場合を不可(×)と評価した。
<操業安定性>
操業安定性は、鋼の連続鋳造を行い、モールドの温度監視熱電対の測定温度が安定し、拘束性ブレークアウトや溶融不良がなく、モールドと凝固シェルとの間の潤滑が確保され、操業上の問題がない場合を優(◎)、モールドの温度監視熱電対の測定温度にばらつきは発生するが、操業上問題はない場合を良(○)、ブレークアウト予知警報等により操業効率が若干低下するが、操業上大きな問題はない場合を可(△)、操業上の問題が発生する場合を不可(×)と評価した。
[評価結果]
実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 0007339568000002
実施例1~17は、1300℃における粘度が0.3~0.8Pa・sであり、結晶化温度が1100~1220℃であった。また、スラグフィルムに晶出する結晶の主結晶がカスピダインであった。そして、スラグ巻き込み欠陥、アルミナ性介在物欠陥、鋳片割れ性欠陥が少なく、操業安定性にも優れる結果となった。粘度が好適で、アルミナ吸収能が高く、スラグ巻き込みによる鋳片品質の悪化が少なかったと考えられる。また、スラグフィルムに変化する際にカスピダインの晶出が多く、凝固シェルからモールドへの熱流束が抑制され、鋳片割れが発生しにくかったと考えられる。
比較例1~3はいずれもカスピダインの晶出が少なく、スラグ巻き込みと鋳片割れが発生し、アルミナ吸収能も良好ではなかった。F源として、比較例1はAlF、比較例2はNaF、比較例3はNaAlFを使用し、カスピダインの晶出が少なく、緩冷却に劣ったと考えられる。
比較例4はカスピダインの晶出が少なく、鋳片品質に劣り、アルミナ吸収能も良好ではなかった。Alが多く、カスピダインの晶出が少なく、緩冷却に劣ったと考えられる。
比較例5はカスピダインの晶出が少なく、鋳片割れが発生し、比較例6及び7はカスピダインの晶出が少なく、スラグ巻き込みや鋳片割れが発生した。比較例5はMgOが少なく、モールドパウダーの融点が高くなり、スラグベアが発生しやすく、モールドと凝固シェルとの間へのパウダースラグの流入を阻害し、潤滑が劣ったと考えられる。一方、比較例6及び7はMgOが多く、カスピダインの晶出が少なく、緩冷却に劣ったと考えられる。
比較例8はスラグ巻き込みが発生した。NaO+LiO+KOが多く、パウダースラグの粘度が低下したと考えられる。
比較例9はカスピダインの晶出が少なく、鋳片割れが発生し、比較例10はカスピダインの他、CaFの晶出が多く、スラグの巻き込みと鋳片割れが発生した。比較例9はFが少なく、カスピダインの晶出が少なく、緩冷却に劣ったと考えられる。一方、比較例10はFが多く、粘度が低下し、スラグの巻き込みが発生しやすくなり、また、CaFの晶出が多く、鋳片の緩冷却が不均一になったと考えられる。
比較例11はカスピダインの晶出が少なく、鋳片割れが発生し、比較例12はダイカルシウムシリケートが晶出し、スラグ巻き込みが発生し、また、スラグベアが発生し、操業安定性が悪化した。比較例11は質量比(CaO/SiO)が小さく、結晶化温度が低いため、カスピダインが析出せず、鋳片が急冷却されたことで鋳片割れが発生した。一方、比較例12は質量比(CaO/SiO)が大きく、パウダースラグの粘度が低下したと考えられる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれる。例えば、明細書において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。

Claims (3)

  1. CaOとSiOを主成分として含み、CaOとSiOの質量比(CaO/SiO)が0.8~1.2であり、0~3.0質量%のAlと、5.0~12.5質量%のMgOと、合計含有量が0~3.5質量%のNaO、LiO及びKOと、6.0~13.0質量%のFを含む化学組成を有し、
    F源として、原料の合計質量に対しCaFを13.0~28.0質量%含み、AlF、NaF及びNaAlFを含まないことを特徴とするモールドパウダー(ただし、化学組成における各成分の含有量は、1300℃での溶融状態を酸化物に換算したものであり、Fの含有量は、F含有化合物からFを切り離して合算したものである)。
  2. 請求項1に記載のモールドパウダーにおいて、
    1300℃における粘度が0.3~0.8Pa・s、結晶化温度が1100~1220℃であることを特徴とするモールドパウダー。
  3. 請求項1又は2に記載のモールドパウダー150gを1300℃で溶融し、銅製の水冷樋へ流し込んで得られるスラグフィルムに晶出する結晶の主結晶がカスピダインであることを特徴とするモールドパウダー。
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