JPH10314897A - 鋼の連続鋳造用モールドパウダー - Google Patents

鋼の連続鋳造用モールドパウダー

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JPH10314897A
JPH10314897A JP9144652A JP14465297A JPH10314897A JP H10314897 A JPH10314897 A JP H10314897A JP 9144652 A JP9144652 A JP 9144652A JP 14465297 A JP14465297 A JP 14465297A JP H10314897 A JPH10314897 A JP H10314897A
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mold powder
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廣久 中島
Hirokazu Kondo
裕計 近藤
Akira Miyamoto
明 宮本
Keiji Watanabe
圭児 渡辺
Hidenori Sakai
英典 酒井
Hiroshi Izumi
洋 和泉
Akihiro Morita
明宏 森田
Hideaki Fujiwara
秀明 藤原
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Kokan Mining Co Ltd
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KOKAN KOGYO KK
Shinagawa Refractories Co Ltd
Kokan Mining Co Ltd
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/10Supplying or treating molten metal
    • B22D11/108Feeding additives, powders, or the like
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
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    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/07Lubricating the moulds

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鋼、特に中炭素鋼用の連続鋳造に
おいて鋳片表面の割れを防止する連鋳鋳造用のモールド
パウダーを課題とする。 【解決手段】 塩基度(CaOwt%/SiO2 wt
%)が1.1〜2.4の範囲にあり、かつ、フッ素を2
〜8wt%、及びAl2 3 を1〜7wt%を含有する
連続鋳造用モールドパウダーであって、該パウダーのプ
リメルトフラックスの含有量が、下式(1)を満足する
ことを特徴とする連続鋳造用モールドパウダーである。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1) 上記塩基度が1.3〜1.6であることはより望まし
い。また、上記プリメルトフラックスに対して、更に、
氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何れか1
種以上を4〜25wt%、炭素材を1〜8wt%を添加
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造時に
鋳型内の溶鋼に添加される連続鋳造用モールドパウダー
(以下、単にモールドパウダー、又はパウダーという)
に関するものである。本発明のパウダーは、特に鋳片の
表面割れが発生し易い中炭素鋼の連続鋳造に好適なモー
ルドパウダーに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においてモールドパウダー
は溶鋼上面において溶鋼の酸化を防止し、溶鋼面の保温
及び湯面に浮上してきた介在物を吸収する作用がある。
また、溶鋼面で溶融したパウダーは鋳型と鋳片間に流入
してスラグフィルム層を形成し、鋳型と鋳片間の潤滑剤
として作用し、更に、鋳型と鋳片間の抜熱を制御してい
る。
【0003】従来のモールドパウダーを化学分析すると
以下の様な成分組成になっている。 SiO2 :20〜40wt%、 CaO:20〜40wt%、 Al2 3 :1〜10wt%、 Na:1〜30wt%、 F:1〜20wt%、 Li:0〜20wt%、 MgO:2〜10wt%、 ZrO2 :0〜20wt%、 B:0〜10wt%
【0004】上記モールドパウダーを製造する場合に
は、基材として、セメント、珪酸カルシウムの他、焼石
灰、珪石等の原料を電気炉で溶融し、水滓化して得られ
る所謂プリメルトされた珪酸カルシウムが使われてお
り、物性調整剤としてアルカリ金属の炭酸塩やフッ素化
合物等の低融点化合物が配合され、更に、溶融速度調整
剤として炭素材粉末が配合されている。
【0005】ところで、鋼の炭素濃度が0.08〜0.
16wt%の中炭素鋼(以下、中炭素鋼という)の連続
鋳造においては、鋼が液相から固相に変化する際の凝固
収縮率が大きく、鋳片表面に割れ欠陥が発生し易く、高
速鋳造が困難とされてきた。
【0006】そこで、材料とプロセス、第4巻、第4号
(1991年、1247頁)には、前記中炭素鋼の割れ
欠陥対策として鋳型と鋳片表面間の熱流束を低下させる
ため、全Caの重量百分率から換算したCaOのwt%
と、全Siの重量百分率から換算したSiO2 のwt%
との比である塩基度(以下、単に、塩基度(CaOwt
%/SiO2 wt%)と記す。)を1.3以上とし、冷
却時における結晶化に伴う体積収縮により接触熱抵抗の
増大を図り、更にZrO2 を3.0wt%以上添加する
ことでパウダーフィルムを不透明化し、輻射伝熱の低減
を行い、良好な鋳片の製造が可能であることを開示して
いる(従来技術1)。
【0007】また、品川技報第32号(1989年、1
47頁)には前記中炭素鋼を鋳造する際、問題となる鋳
片の縦割れを防止するため、鋳型内の抜熱速度とパウダ
ーの特性を調査し、溶融したパウダーの凝固過程におけ
る結晶化温度を高めることにより、モールド内抜熱を緩
和し、縦割れ発生を減少させ得ることを見い出したこと
を報告している。さらに、高塩基度パウダーほど結晶化
温度が高くなる傾向があると記載されている(従来技術
2)。
【0008】上記において結晶化とは、溶融したパウダ
ーが鋳型と鋳片表面の間に流入し、凝固する際に溶融体
の一部が結晶体として析出する現象である。また、鋳造
パウダーの基材であるプリメルトフラックスが凝固する
際にも生ずる。
【0009】近年、連続鋳造の高速化に伴い、パウダー
の迅速かつ均一な溶融を図るために、モールドパウダー
の基材としては前述のプリメルトタイプの珪酸カルシウ
ムフラックスが主流となっている。
【0010】このプリメルト珪酸カルシウムフラックス
は、通常、パウダーに50%wt以上配合されており、
モールドパウダー自体の塩基度(CaOwt%/SiO
2 wt%)と同程度の塩基度を有するプリメルト珪酸カ
ルシウムを用いることが一般的である。例えば、中炭素
鋼用のパウダー原料として、塩基度1.3以上の高塩基
度プリメルトフラックスを用いる。
【0011】このような思想のもとで開発したモールド
パウダーとして、特公平2−27063号公報がある。
この特許の特許請求の範囲は、「CaOとSiO2 の含
有量が70wt%以上で、かつCaOwt%/SiO2
wt%(塩基度)が1.2〜2.3である合成珪酸カル
シウムであって、不可避不純物のうちFが1〜10wt
%、Al2 3 が8wt%以下、及びFe2 3 が1w
t%以下である合成珪酸カルシウムを基材原料として少
なくとも50wt%以上含むことを特徴とする連続鋳造
用鋳型添加剤。」である。
【0012】しかし、この公報においては、モールドパ
ウダーの原料である合成珪酸カルシウムを非晶質原料と
するため、CaO/SiO2 は1.2〜2.3、望まし
くは1.2〜1.9が望ましい、としている。しかし、
該合成珪酸カルシウムを原料として調製したモールドパ
ウダーと鋳片の表面割れとの関係に関して、その成分組
成がいかにあるべきかについて考慮、乃至、言及してい
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の技術
は、鋳型内の熱流速を低減すること、即ち鋳型内を緩冷
却することに着目して、鋳片の縦割れ抑制に効果を挙げ
てきた。しかしながら、上記従来技術では、鋳型内をマ
クロ的に捕らえたを緩冷却に過ぎず、鋳片の局所的な冷
却速度の差による収縮量の不均一により依然として鋳片
の鋳片の表面割れが発生し、品質上の問題で鋳片の表面
研削が必要なことから、歩留まりの低下や人件費の上
昇、更には近年の鋳造速度の高速化による生産性の向上
に対応できないでいた。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の事情に鑑み、本発
明者らは種々研究を行なった結果、鋳型内で鋳片を均一
に冷却することが重要であることを見出した。更に研究
を重ねた結果、均一冷却にはスラグフィルム厚みの標準
偏差が重要であり、該フィルム厚みの標準偏差を制御す
るためにはモールドパウダーのCaOwt%/SiO2
wt%及びモールドパウダー中のプリメルトフラックス
の含有量が重要な要因であるとの知見を得て、本発明を
為すに至った。
【0015】第1の発明は、少なくとも、塩基度(Ca
Owt%/SiO2 wt%)が1.1〜2.4の範囲に
あり、かつ、フッ素を2〜12wt%、及びAl2 3
を1〜7wt%、各々含有する連続鋳造用モールドパウ
ダーであって、該パウダーのプリメルトフラックスの含
有量が、下式(1)を満足することを特徴とする連続鋳
造用モールドパウダーを提供する。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1)
【0016】第2の発明は、前記連続鋳造用パウダーの
塩基度(CaOwt%/SiO2 wt%)が1.3〜
1.6の範囲であり、かつ、前記プリメルトフラックス
の含有量が85wt%以下である、第1の発明に記載の
連続鋳造用モールドパウダーを提供する。
【0017】第3の発明は、更に、下記の化合物または
単体を含有することを特徴とする、第1または第2の発
明に記載の連続鋳造用モールドパウダーを提供する。 (a)氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何
れか1種以上の含有量が3〜25wt%、(b)炭素材
の含有量が1〜8wt%。
【0018】第4の発明は、少なくとも、CaO:35
〜60wt%、SiO2 :25〜40wt%、Al2
3 :1〜7wt%、MgO<1.5wt%、Na2 O:
1〜4wt%、Li2 O:1〜5wt%、F:2〜12
wt%を含有しする連続鋳造用モールドパウダーであっ
て、該パウダーのプリメルトフラックスの含有量が下式
(1)を満足することを特徴とする連続鋳造用モールド
パウダーを提供する。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1)
【0019】第5の発明は、上記第4の発明において更
に、下記の化合物または単体を含有することを特徴とす
る連続鋳造用モールドパウダーを提供する。 (a)氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何
れか1種以上の含有量が3〜25wt%、(b)炭素材
の含有量が1〜8wt%。
【0020】第6の発明は、上記第1から第5の発明に
おいて更に、前記プリメルトフラックスが非晶質である
ことを特徴とする連続鋳造用パウダーを提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明においては、2種類の連続
鋳造用のモールドパウダーを提供する。第1のモールド
パウダーは、少なくとも、塩基度(CaOwt%/Si
2 wt%)が1.1〜2.4の範囲にあり、かつ、フ
ッ素を2〜12wt%、及びAl2 3 を1〜7wt%
を含有する。なお、塩基度は1.3〜1.6の範囲にあ
ることがより望ましい。
【0022】第2のモールドパウダーの少なくとも、下
記の成分組成を含む。 CaO:35〜60wt%、SiO2 :25〜40wt
%、Al2 3 :1〜7wt%、MgO<1.5wt
%、Na2 O:1〜10wt%、Li2 O:1〜5wt
%、F:2〜8wt%。
【0023】第2のモールドパウダーは、第1のモール
ドパウダーに対してNa2 O:1〜10wt%、Li2
O:1〜5wt%を含んでおり、より低融点になってお
り、より高速の連続鋳造に適している。しかし、いずれ
のモールドパウダーも急冷することにより非晶質となり
得る成分組成である。
【0024】また、上記第1及び第2のモールドパウダ
ーの成分組成は、基本の成分組成であって、適宜氷晶
石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 O等の溶融特性の
調整材と溶融速度の調整材、炭素材、例えばカーボンブ
ラック、鱗状黒鉛等を含む。
【0025】更に、本発明のモールドパウダーの特徴
は、該パウダーを予め溶融し、冷却した部分(以下プリ
メルトフラックスという)を下式(1)の範囲で含んで
いる。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1) ここで、CaOのwt%は、全Caの重量百分率から換
算したCaOのwt%であり、SiO2 のwt%は全S
iの重量百分率から換算したSiO2 のwt%である。
【0026】上記の式(1)は以下の様にして得られ
た。即ち、プリメルトフラックスの配合を替えた種々の
モールドパウダーを作成し、鋳造実験を行い、プリメル
トフラックスの配合比率と鋳片に付着しているスラグフ
ィルムの厚さを測定し、その標準偏差を測定した。
【0027】プリメルトフラックスは、珪石、石炭、蛍
石、ガラス粉、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類炭酸
塩等を前述の範囲内の成分組成になるように配合した原
料を三相アーク炉において溶融し、溶融物をジェット水
流によって急冷・水滓化し、乾燥後、100メッシュ以
下に粉砕し、調製した。
【0028】このプリメルトフラックスに、氷晶石、N
aF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何れか1種以上の含
有量が3〜25wt%となるようにかつ、炭素材として
カーボンブラック、鱗状黒鉛の何れか1種以上の含有量
が1〜8wt%となるように添加し、モールドパウダー
(以下、発明例という)1〜19を作成した。また、比
較のため、本発明の範囲外にあるプリメルトフラックス
含有量でモールドパウダー(以下、比較例という)1〜
12を作成した。
【0029】図4に発明例1〜19、図5に比較例1〜
12のモールドパウダーの化学成分値(wt%)、粘性
(Pa・s)、プリメルト比率(wt%)、これらモー
ルドパウダーを用いた場合における、スラグフィルムの
膜厚の標準偏差(mm)、鋳片における縦割れ発生指
数、要求プリメルト含有量(wt%)を、各々示す。
【0030】図4、5に示すパウダーを使用して後述す
る鋳造実験を行い、得られた鋳片における縦割れ発生指
数におけるスラグフィルムの膜厚の標準偏差の影響を図
1に示す。図1より、スラグフィルムの膜厚の標準偏差
が0.4以下の領域において、鋳片における縦割れ発生
を低く抑制できることが明白である。即ち、スラグフィ
ルムの膜厚変動が少ない程、均一な膜厚のスラグフィル
ムが生成しており、そのため鋳片表面の縦割れ発生が少
なくなることを意味する。
【0031】また、図4、5におけるスラグフィルムの
膜厚標準偏差に対するプリメルト比率の影響を、塩基度
別に層別して図2に示す。図2より、スラグフィルムの
膜厚標準偏差が0.4以下の領域に対応するプリメルト
含有量以上が、鋳片における縦割れ発生の抑制上、望ま
しいことが明らかである。
【0032】そこで、図2におけるスラグフィルムの膜
厚の標準偏差を0.4以下にするモールドパウダーのプ
リメルト含有量と塩基度の関係を図3に示す。図3よ
り、縦割れ発生を抑制するプリメルト含有量の領域は、
塩基度との関係から次式のように求められた。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1)
【0033】そこで、上記(1)式を満たすプリメルト
含有量を有するモールドパウダーを使用することによ
り、連続鋳造した鋳片の表面における縦割れ発生の抑制
が可能であることが明らかとなった。また、図6に示す
ように、上記の式(1)の範囲の内、パウダーの塩基度
が1.3〜1.6であり、かつ、プリメルトフラックス
が85wt%以下である範囲は鋳片表面の縦割れが少な
く好適である。
【0034】上記プリメルトフラックスに対して、溶融
特性の調整剤として、氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ
灰、Li2 Oの何れか1種以上を含有量として3〜25
wt%添加し、更に、溶融速度の調整剤として、炭素材
であるカーボンブラック、鱗状黒鉛の何れか1種以上を
含有量として1〜8wt%添加すると望ましいモールド
パウダーが得られる。
【0035】このように配合した後、V型ブレンダー等
で均一に混合することにより、本発明のモールドパウダ
ーは得られる。また、このように混合の後、加水混練
し、押し出し造粒機により柱状の顆粒として得たり、混
合物をスラリー化した後、スプレー造粒により球状のパ
ウダーを得ることもできる。
【0036】
【実施例】実施例において、前述の2種類の連続鋳造用
のモールドパウダーをを使用し、図4及び図5に示すよ
うなモールドパウダーを作成した。また、第2のモール
ドパウダー原料中においては、MgOは中炭素鋼用連鋳
パウダー成分として、適正な粘性を維持するために1.
5wt%未満とした。
【0037】図4に示す発明例を、図5に示す比較例と
対比しながら説明する。図4の発明例においては、発明
例13〜19が第1のパウダーであり、発明例1〜12
が第2のパウダーであって、それぞれの化学成分値とな
る様、調製した。
【0038】また、図5において、比較例1、2、9、
10、11、12は第1のパウダー組成であるがプリメ
ルトフラックス含有量が(1)式を満足しないものであ
り、比較例3〜8は第2のパウダー組成であるがプリメ
ルトフラックス含有量が(1)式を満足しないものであ
る。
【0039】これらの発明例と比較例であるモールドパ
ウダーを用いて、鋳造実験を行った。鋳造条件は、鋼中
の炭素濃度=0.09〜0.16wt%、鋳造速度=
1.4〜1.8m/min、スラブ厚み=220mm、
スラブ幅=2000mmであった。上記、鋳造条件下で
得られたスラブ断面における、長さ2mm以上の縦割れ
の個数をスラブ全幅、長さ1mに亘って数え、指数化し
た。これが、図4、図5における縦割れ発生指数であ
る。
【0040】図4、図5から、比較例よりも発明例の方
が、縦割れ発生指数は、圧倒的に少ないことが明白であ
る。また、図4から、同じ発明例においても、第1のモ
ールドパウダーを使用した例である発明例13〜19よ
りも、第2のモールドパウダーを使用した例である発明
例1〜12の方が、縦割れ発生指数は、より少ないこと
が明らかである。
【0041】上記の通り、本発明のプリメルトフラック
スの望ましい含有量を、モールドパウダーの塩基度をパ
ラメータとして数式化し、これにより鋳片の縦割れ発生
を抑制できることが明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば中
炭素鋼高速鋳造用モールドパウダーの主原料であるプリ
メルトフラックスの望ましい含有量を、モールドパウダ
ーの塩基度をパラメータとして数式化し、これにより鋳
片の縦割れ発生を抑制することが可能となった。これに
よって、割れ感受性の大きい中炭素鋼においても割れ欠
陥のない品質の優れた鋼を高速で連続鋳造することがで
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳片における縦割れ発生指数に対するスラグフ
ィルムの膜厚の標準偏差の影響を示す図である。
【図2】図1、2におけるスラグフィルムの膜厚の標準
偏差に対するプリメルトフラックス含有量の影響を、塩
基度別に層別して示す図である。
【図3】図2におけるスラグフィルムの膜厚の標準偏差
を0.4以下にするモールドパウダーのプリメルトフラ
ックス含有量と塩基度の関係を示す図である。
【図4】発明例1〜19のモールドパウダーの、化学成
分値、粘性、プリメルトフラックス含有量、これらモー
ルドパウダーを用いた場合における、スラグフィルムの
膜厚の標準偏差、鋳片における縦割れ発生指数、最小プ
リメルトフラックス含有量を示す図である。
【図5】比較例1〜12のモールドパウダーの、化学成
分値、粘性、プリメルトフラックス含有量、これらモー
ルドパウダーを用いた場合における、スラグフィルムの
膜厚の標準偏差、鋳片における縦割れ発生指数、最小プ
リメルトフラックス含有量を示す図である。
【図6】鋳片における縦割れ発生指数に対するプリメル
トフラックス含有量の影響を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 裕計 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮本 明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 圭児 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 酒井 英典 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 鋼 管鉱業株式会社内 (72)発明者 和泉 洋 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 鋼 管鉱業株式会社内 (72)発明者 森田 明宏 岡山県邑久郡長船町福岡601−6 (72)発明者 藤原 秀明 岡山県倉敷市中庄3533−13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、塩基度(CaOwt%/S
    iO2 wt%)が1.1〜2.4の範囲にあり、かつ、
    フッ素を2〜12wt%、及びAl2 3 を1〜7wt
    %を含有する連続鋳造用モールドパウダーであって、該
    パウダーのプリメルトフラックスの含有量が、下式
    (1)を満足することを特徴とする連続鋳造用モールド
    パウダー。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1)
  2. 【請求項2】 前記連続鋳造用モールドパウダーの塩基
    度(CaOwt%/SiO2 wt%)が1.3〜1.6
    の範囲であり、かつ、前記プリメルトフラックスの含有
    量が85wt%以下である、請求項1記載の連続鋳造用
    モールドパウダー。
  3. 【請求項3】 更に、下記の化合物または単体を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造用
    モールドパウダー。 (a)氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何
    れか1種以上の含有量が4〜25wt%、(b)炭素材
    の含有量が1〜8wt%。
  4. 【請求項4】 少なくとも、CaO:35〜60wt
    %、SiO2 :25〜40wt%、Al2 3 :1〜7
    wt%、MgO<1.5wt%、Na2 O:1〜10w
    t%、Li2 O:1〜5wt%、F:2〜12wt%を
    含有する連続鋳造用モールドパウダーであって、該パウ
    ダーのプリメルトフラックスの含有量が下式(1)を満
    足することを特徴とする連続鋳造用モールドパウダー。 (プリメルトフラックスのwt%)≧25×(CaOwt%/SiO2 wt%) +35 ・・・(1)
  5. 【請求項5】 更に、下記の化合物または単体を含有す
    ることを特徴とする請求項4記載の連続鋳造用モールド
    パウダー。 (a)氷晶石、NaF、蛍石、ソーダ灰、Li2 Oの何
    れか1種以上の含有量が3〜25wt%、 (b)炭素材の含有量が1〜8wt%。
  6. 【請求項6】 前記プリメルトフラックスが非晶質であ
    ることを特徴とする請求項1から5に記載の連続鋳造用
    パウダー。
JP14465297A 1997-05-19 1997-05-19 鋼の連続鋳造用モールドパウダー Ceased JP3249429B2 (ja)

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