JP2001334351A - 鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び鋼の連続鋳造方法

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JP2001334351A JP2000155864A JP2000155864A JP2001334351A JP 2001334351 A JP2001334351 A JP 2001334351A JP 2000155864 A JP2000155864 A JP 2000155864A JP 2000155864 A JP2000155864 A JP 2000155864A JP 2001334351 A JP2001334351 A JP 2001334351A
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    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼を連続鋳造するに際し、鋳片表面キズや圧
延キズの発生がなく、また、ブレークアウト等の操業ト
ラブルもなく、鋼の生産性を向上させ、製造コストを大
幅に低減できる、さらには、連鋳機の腐食抑制,浸漬ノ
ズルのパウダーライン部位における溶損低減等に寄与で
きる鋼の連続鋳造用モールドパウダー、および、このモ
ールドパウダーを用いた鋼の連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】 1300℃における粘度が5ポイズ以上で、
且つ、次の式1を満足する鋼の連続鋳造用モールドパウ
ダー。式1「A≧(B+30)0.35」[A:パウダー中のト
ータルカーボン量(重量%),B:1300℃における粘度
(ポイズ)] 鋼の連続鋳造において、モールドパウダーとして上記パ
ウダーを使用し、鋳片単位表面積あたりのパウダー消費
量を0.01〜0.20kg/m2の範囲で鋳造する鋼の連続鋳
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造用モ
ールドパウダー及び鋼の連続鋳造方法に関し、特に、鋼
品質の向上,操業安定化の向上(BOの抑制),連鋳機の
腐食抑制,浸漬ノズルのパウダーライン部位における溶
損低減などに著しく寄与できる鋼の連続鋳造用モールド
パウダー及び該モールドパウダーを用いた鋼の連続鋳造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼の連続鋳造技術の進歩は目覚ま
しく、高温鋳片の無手入れ化(HCR,HDR),高速鋳
造化,モールド断面形状の多様化,多連鋳化が進んでお
り、高温鋳片の無欠陥化とトラブル低減による連鋳機稼
働率の向上および安定化が、CCプロセスにおける最大
の課題となっている。こういった状況下において、モー
ルドパウダーの果たす役割は大きい。
【0003】鋼の連続鋳造においては、モールド内にモ
ールドパウダーが添加される。そして、浸漬ノズルまた
はセミ浸漬ノズルを介してモールド内に注入され、溶鋼
表面上に添加されたモールドパウダーは、溶鋼からの受
熱によって、溶融スラグ層および未溶融の原パウダー層
の層状構造を、溶鋼表面より形成し、種々の役割を果た
しながら、鋼の凝固シェルとモールド間に流れ込み、消
費される。
【0004】モールドパウダーの種々の役割のうち、
(1)モールドと凝固シェルとの潤滑作用、(2)溶鋼中か
ら浮上する介在物の溶解,吸収作用、(3)溶鋼の酸化防
止および保温作用、(4)凝固シェル/モールド間の熱媒
体としての作用、が重要な役割である。すなわち、一定
厚みの溶融スラグ層を確保しながら、一定量流れ込むこ
とにより、上記(1)〜(4)の役割を果たすことができ、
健全な鋳片を得ることができる。
【0005】一般的なモールドパウダーには、ポルトラ
ンドセメント,黄リンスラグ,ウォラストナイト,高炉
スラグ,ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO2) 合成
珪酸カルシウムなどを主原料基材とし、必要に応じて、
塩基度や嵩比重などの粉体特性調整のため、シリカ原料
を加え、更に、蛍石,氷晶石,硼砂,フッ化マグネシウ
ムなどの弗化物、炭酸ナトリウム,炭酸バリウム,炭酸
リチウムなどの炭酸塩といった軟化点,粘度などの溶融
特性調整材としてのフラックス原料、溶融滓化速度調整
材としての炭素質原料などを混合した混合タイプや、炭
素質原料を除く成分の全部を予め溶融水砕したプリメル
トタイプ、一部を予め溶融水砕したセミプリメルトタイ
プがある。また、形状的には、粉末原料を混合した粉末
タイプと、さらに種々の方法で造粒した顆粒タイプがあ
る。
【0006】一般的なモールドパウダーの組成として
は、CaO-SiO2-Al2O3をベースに、MgO,Na2O,MnO,Ti
O2,BaO,K2O,Li2O,SrO,P2O5,B2O3,Fe2O3,ZrO2
Fなどの成分系からなる。
【0007】モールドパウダーの組成に関して、例え
ば、特開平2−25254号公報には、CaO,SiO2 Al2O3を主
成分とし、CaO/SiO2(重量比)を0.5〜1.6の範囲で、か
つアルカリ金属,アルカリ土類金属などの酸化物,炭酸
塩,弗化物、および、溶融速度調整剤として炭素分を含
有するパウダー、また、特開平2−165853号公報には、
同比を0.5〜0.95とし、上記と同様、アルカリ金属,ア
ルカリ土類金属などの酸化物,炭酸塩,弗化物、およ
び、溶融速度調整剤として炭素分を含有するパウダーが
開示されている。さらに、特開平7−214263号公報に
は、同比をを0.6〜0.9とし、かつZrO2,TiO 2,CeO2の濃
度和を1重量%以下とするパウダーが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モールドパ
ウダーが前記(1)〜(4)の役割を十分に果たせない場合
には、鋳片品質の劣化,操業の不安定化(BOなど)につ
ながるため、高品質で、且つ安定した品質のモールドパ
ウダーの開発が進められている。
【0009】安定操業の点からは、ブレークアウトを生
成させないことが第1である。そのためには、モールド
内において、鋼の初期凝固シェルとモールド間にモール
ドパウダーが十分に流れ込んで潤滑性を確保することが
重要とされ、消費量を確保するために、低粘度パウダー
が使用されることが多かった。
【0010】一方、近年3〜7ポイズ程度のパウダーも
使用されつつあるが、適用鋳造速度や適用連鋳機,適用
鋼種などが限定されているのが実情である。例えば、特
開平8−33962号公報には、1300℃における粘度が1.5ポ
イズ以上の、また、特開平10−263767号公報には、同粘
度が3〜15ポイズの極低炭素鋼用の連続鋳造用モールド
パウダーが記載されており、さらに、特開平8−141712
号公報には、同粘度が3〜8ポイズのパウダーについて開
示されている。しかし、これらのパウダーは、いずれも
適用鋳造速度や適用連鋳機,適用鋼種などが限定される
ものである。
【0011】また、潤滑性を確保するために、パウダー
消費量は、最低0.25kg/m2もしくは0.3kg
/m2必要と言われ、実行されてきている。すなわち、
この消費量を確保するため、低粘度化,低結晶化温度,
低凝固温度化などの対処がなされている。
【0012】低粘度パウダーとしては、例えば、特開平
8−197214号公報に、1300℃における粘度が0.6〜2.5ポ
イズの、特開平8−300123号公報に、同粘度が0.8〜4.0
未満(ポイズ)の、特開平9−76049号公報に、同粘度が2.
0ポイズ以下の連続鋳造用パウダーが、それぞれ開示さ
れている。しかし、このような5ポイズ未満の低粘度パ
ウダーでは、次の欠点,問題点を有する。該欠点,問題
点を(a)安定操業,(b)鋼品質,(c)メンテコストの各
観点に分けて、以下に詳記する。
【0013】(a) 安定操業上の欠点,問題点 低粘度では、溶融ガラス状のスラグが破断しやすく、急
激な湯面変動などにより、スラグフィルムが破断しやす
く、モールド/シェルの直接接触を引き起こして、焼き
付きや拘束性ブレークアウトを起こしやすい。その上、
低粘度では、結晶化が進みやすいことにより、スラグフ
ィルム中に結晶を生じ、その部分が切り欠きとなってス
ラグフィルムが破断し、焼付きにつながりやすい。ま
た、低粘度化成分であるアルカリ成分や弗素成分(F成
分)を多く含むため、浸漬ノズルパウダーラインの損傷
が大きく、連々数が制約される。パウダーラインの損傷
は、浸漬ノズルの破断などの操業トラブルに繋がる可能
性もある。
【0014】(b) 鋼品質上の欠点,問題点 低粘度では、溶融スラグ液滴が溶鋼中に離脱しやすく、
パウダー巻き込みを引き起こして、パウダー欠陥を生成
しやすくなる。また、鋳片表面のOSMが深くなり、谷
部近傍にパウダーを噛み込んだり、圧延時の欠陥に繋が
る。
【0015】(c) メンテコスト上の欠点,問題点 低粘度パウダーは、低粘度化成分であるアルカリ成分や
弗素成分(F成分)を多く含むため、二次冷却水中に溶解
するアルカリや弗素成分の量が多くなり、水処理費用が
多くなる他、連鋳機の腐食も起こしやすい。その結果、
メンテコストが掛かるという問題が生じる。また、パウ
ダーの消費量が多いと、モールド下で落下するスラグ廃
棄物の量が多くなり、さらに、二次冷却水中に溶解する
アルカリや弗素成分の量が多くなり、水処理費用や連鋳
機腐食の増大につながるという問題がある。
【0016】本発明は、前記(a)〜(c)の欠点,問題点
に鑑み成されたものであって、これらの欠点,問題点を
解消する鋼の連続鋳造用モールドパウダーおよび鋼の連
続鋳造方法を提供することを目的(課題)とする。特に、
鋼を連続鋳造するに際し、鋳片表面キズや圧延キズの発
生がなく、また、ブレークアウトなどの操業トラブルも
なく、鋼の生産性を向上させ、製造コストを大幅に低減
できる、さらには、連鋳機の腐食抑制,浸漬ノズルのパ
ウダーライン部位における溶損低減などに寄与できる鋼
の連続鋳造用モールドパウダー、および、このモールド
パウダーを用いた鋼の連続鋳造方法を提供することを目
的(課題)とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
(課題)を達成するために種々検討を重ねた結果、粘度と
パウダー中のカーボンとの関係を明確化し、特定するこ
とにより、前記(a)〜(c)の欠点,問題点をすべて克服
できることを見出した。
【0018】すなわち、本発明に係る鋼の連続鋳造用モ
ールドパウダーは、 ●1300℃における粘度が5ポイズ以上で、且つ、 ・式1「A≧(B+30)0.35」[但し、Aは“パウダー
中のトータルカーボン量(重量%)”、Bは“1300℃
における粘度(ポイズ)”である]を満足すること(請求
項1)、を特徴(発明を特定する事項)とし、また、 ・7≦CaO/F≦∞であること(請求項2)、を特徴
(発明を特定する事項)とする。
【0019】一方、本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、 ・鋼の連続鋳造において、モールドパウダーとして上記
請求項1又は請求項2の連続鋳造用モールドパウダーを
使用し、鋳片単位表面積当たりパウダー消費量を0.0
1〜0.20kg/m2の範囲で鋳造すること(請求項
3)、を特徴(発明を特定する事項)とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る鋼の連続鋳造用モー
ルドパウダー(以下、このモールドパウダーを“本発明
品”という)は、前記したとおり、特定の粘度(5ポイズ
以上)で、且つ、該粘度(B)とパウダー中のトータルカ
ーボン量(A)との関係が、次の式1: 式1 ……… A≧(B+30)0.35 を満足することを特徴とし、これにより、前記(a)安定
操業,(b)鋼品質,(c)メンテコストの各面からみた欠
点,問題点の解消に対して有効であることが判明した。
以下、「(A) 安定操業」「(B) 鋼品質」「(C) メン
テコスト」に大別して、本発明品を、その作用効果と共
に詳細に説明する。
【0021】(A) 安定操業 拘束性ブレークアウトを発生させないためには、モール
ド/シェル間で焼付きを起こさせないことが重要であ
る。そのためには、モールド/シェル間にスラグフィル
ムを確実に形成させること、および、形成したスラグフ
ィルムが容易に切断されないことが最重要である。この
フィルム切断抑制には、高粘度化が最も有効である。す
なわち、シャバシャバの水状態では、容易に破断する
が、水アメのように、引っ張られた時に延びるような高
粘度とすることで、切断抑制が可能となる。
【0022】切断抑制に有効な粘度としては、本発明品
で特定する“1300℃における測定値が5ポイズ以
上”である。好ましくは10ポイズ以上、より好ましく
は15ポイズ以上である。また、粘度が高い程より効果
的であるが、400ポイズを超えると、効果はほぼ同等
となる。したがって、本発明品で特に限定するものでは
ないが、粘度(1300℃)の上限値としては、400ポイズ
が好ましい。
【0023】一方、1300℃における測定値が5ポイ
ズ以上の高粘度パウダーを用い、モールド/シェル間に
スラグフィルムを確実に形成させるためには、この粘度
にあったパウダー中のカーボンを適正量とすることが有
効である。すなわち、次の式1を満足させることが有効
である。 式1 ……… A≧(B+30)0.35 [式1において、Aは“パウダー中のトータルカーボン
量(重量%)”であり、Bは“1300℃における粘度
(ポイズ)”である。]
【0024】このような高粘度パウダーは、溶融,滓化
が遅く、溶融が不均一になりやすいけれども、前記式1
を満足するカーボン量に設定することにより、溶融,滓
化が均一且つ安定して得られ、安定した溶融スラグ層を
形成し、モールド/シェル間にスラグフィルムを確実に
形成させることができる。さらに高カーボン組成によ
り、保温効果が十分に得られるため、ディッケルの生成
などもなくなり、安定操業が確保できる。
【0025】本発明品では、1300℃における粘度
(B)が5ポイズ以上で、且つ、前記式1「A≧(B+3
0)0.35」を満足することを特徴とするが、この粘度
(B)との関係で、次の範囲内とすることが、より好まし
い。 ・「5≦B<20」の場合、「5B0.5≧A≧(B+6
0)0.35」の範囲、 ・「20≦B<100」の場合、「4B0.5≧A≧(B+
80)0.35」の範囲、 ・「100≦B<400」の場合、「3B0.5≧A≧(B
+100)0.35」の範囲、を満足するカーボン量に設定
することがより好適である。さらに好ましくは、 ・「5≦B<20」の場合、「5B0.5≧A≧(B+12
0)0.35」の範囲、 ・「20≦B<100」の場合、「4B0.5≧A≧(B+
150)0.35」の範囲、 ・「100≦B<400」の場合、「3B0.5≧A≧(B
+180)0.35」の範囲、を満足するカーボン量に設定
することである。
【0026】また、本発明品によれば、浸漬ノズルのパ
ウダーライン部位における損傷が大幅に低減できるた
め、浸漬ノズルの破断などの操業トラブルも激減でき
る。さらには、パウダーライン部位の耐用が延びるた
め、連々数が延びて生産性は向上し、また、浸漬ノズル
原単価も低減する。この場合の好適範囲は、前記と同
様、式1「A≧(B+30)0.35」を満足する範囲である
が、これに加えて、さらに「7≦CaO/F≦∞」の範
囲がより好適である。
【0027】「CaO/F」を7以上とすることで、パ
ウダーライン部位の損傷を、より一層減少させることが
できる。さらに、「CaO/F」が10以上の場合、よ
り効果的であり、40を超えると特に効果が大きい。高
カーボン組成により、浸漬ノズルパウダーライン部のZ
rO2−Cなどカーボン含有耐火物の脱炭抑制にも効果
があり、損傷軽減により一層の効果を発揮する。
【0028】また、「CaO/SiO2」としては、
1.1未満が効果的である。1.1以上では、切断し難
さの点でやや劣る傾向にあり、また、高粘度特性の確保
が難しくなる。0.9未満がより好適である。
【0029】(B) 鋼品質 パウダー巻き込み抑制,鋳片表面OSM深さ低減抑制,
パウダー噛み等の抑制の他、鋼品質向上には、溶融滓化
性状に優れる高粘度パウダーが有効であり、好適な範囲
は、前記と同様、式1「A≧(B+30)0.35」を満足す
る範囲である。本発明品は、溶融性状に優れているだけ
でなく、高カーボンであるため、保温性に著しく優れて
いる特徴を有する。したがって、モールド内メニスカス
位置での初期凝固が大幅に改善されるため、脱酸生成物
やガスが初期凝固シェルに捕捉されなくなる。そのた
め、鋳片の表面品質が向上し、圧延時の鋼品質も大幅に
向上する。
【0030】(C) メンテコスト 本発明品は、高粘度,高カーボンであって、溶融滓化性
状,保温性に優れているため、低消費量で操業できる特
徴がある。このように消費量の減少によって、モールド
下で落下するスラグ廃棄物の量が少なくなるため、処理
費用が低減できる。また、二次冷却水中に溶解するアル
カリや弗素(F)成分の量が少なくなるため、水処理費用
の低減やマシン腐食の低減が可能であるなどのメリット
が得られる。さらに、「7≦CaO/F≦∞」の範囲と
することにより、水処理費用をより一層低減させること
ができる。この「CaO/F」が10以上でより効果的
であり、40を超えると特に効果が大きい。また、「C
aO/SiO2」としては、1.1未満が効果的であ
る。1.1以上では、切断し難さの点でやや劣る傾向に
あり、また、高粘度特性の確保が難しくなる。
【0031】また、本発明品の前記(A)〜(C)に記載し
たメリットを最大限に発揮させるためには、消費量範囲
を“0.01〜0.20kg/m2”の範囲で鋳造することがよ
り好適である。0.20kg/m2を超えると、メンテコス
トなどの点で効果が小さい。さらに好適な範囲として
は、“0.01〜0.15kg/m2”である。
【0032】本発明品は、原料として、従来と同様、ポ
ルトランドセメント,黄リンスラグ,ウォラストナイ
ト,高炉スラグ,ダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO
2) 合成珪酸カルシウムなどを主原料基材とし、必要に
応じて、塩基度や嵩比重などの粉体特性調整のため、シ
リカ原料を加え、更に、蛍石,氷晶石,硼砂,フッ化マ
グネシウムなどの弗化物、炭酸ナトリウム,炭酸バリウ
ム,炭酸リチウムなどの炭酸塩といった軟化点,粘度な
どの溶融特性調整材としてのフラックス原料、溶融滓化
速度調整材としての炭素質原料などの粉末を使用するこ
とができる。本発明品は、上記各種原料を混合した混合
タイプとして製造が可能な他、カーボンを除く全原料を
予め溶融させたいわゆる完全プリメルトタイプや、一部
原料を予め溶融させたセミプリメルトタイプでの製造が
可能である。また、予め焼成した完全焼成タイプや、セ
ミ焼成タイプでの製造も可能である。
【0033】上記“混合タイプ”としては、各原料粉末
を混合した粉末状で、または、押し出し造粒,撹拌造
粒,流動造粒,転動造粒,噴霧造粒などの方法で造粒し
た顆粒状にて使用することができる。造粒に際しては、
必要に応じて有機質,無機質のバインダーを使用するこ
とができる。しかし、本発明品は、前記したように、1
300℃における粘度が5ポイズ以上で、且つ、式1
「A≧(B+30)0.35」を満足するように、また、「7
≦CaO/F≦∞」を満足するように、各原料を選定す
る必要がある。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例
1〜12により限定されるものではない。
【0035】(実施例1〜12,比較例1〜2)表1に
示す「粘度(B)[1300℃における粘度(ポイ
ズ)]」、「トータルカーボン量(A)[パウダー中のト
ータルカーボン量(重量%)]」、および、「CaO/
F」,「CaO/SiO2」の比に調整したパウダー(モ
ールドパウダー)を作製した。(なお、表1に「(B+3
0)0.35」の値を付記した。) このパウダーに対して、同じく表1に示すテスト条件で
テストし、その結果について、後記表2の判定基準に基
づき判定し、その結果を表1に示した。なお、表1,表
2中の「鋳片表面品質1」は、約2mmスカーフした鋳
片のピンホール,スカム等の欠陥個所により良否を確認
した。また、「鋳片表面品質2」は、約2mmスカーフ
した鋳片の縦割れ,横割れの個数、長さにより、総合的
に良否を確認した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】前記した表1から、本発明で特定する「粘
度(B)」の範囲内で、かつ、この粘度(B)とトータルカ
ーボン量(A)との関係が式1「A≧(B+30)0.35」を
満足する実施例1〜12のパウダーは、いずれのテスト
項目においても殆ど優れたものであることがわかった。
【0039】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明に係る鋼の
連続鋳造用モールドパウダーは、1300℃における粘
度が5ポイズ以上で、且つ、式1「A≧(B+3
0)0.35」を満足することを特徴とし、これにより、鋳
片表面キズや圧延キズの発生がなく、また、ブレークア
ウトなどの操業トラブルもなく、鋼の生産性を向上さ
せ、製造コストを大幅に低減できる、さらには、連鋳機
の腐食抑制,浸漬ノズルのパウダーライン部位における
溶損低減などに寄与できる、という顕著な効果を奏す
る。
【0040】また、上記鋼の連続鋳造用モールドパウダ
ーであって、さらに、7≦CaO/F≦∞であることを
特徴とし、これにより、上記効果のうち、特に、パウダ
ーライン部位の損傷をより一層減少させることができ、
また、水処理費用をより一層低減させることができる効
果が生じる他、安定操業の達成や鋼品質の向上などに
も、より一層の効果を発揮することができる。
【0041】一方、本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、
“鋼の連続鋳造において、上記モールドパウダーを使用
し、鋳片単位表面積当たりパウダー消費量を0.01〜
0.20kg/m2の範囲で鋳造することを特徴とし、
このように、低消費量とすることができ、その結果とし
て、メンテコストなどの点で優れた効果が生じる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1300℃における粘度が5ポイズ以上
    で、且つ、次の式1を満足することを特徴とする鋼の連
    続鋳造用モールドパウダー。 式1 ……… A≧(B+30)0.35 [式1において、Aは“パウダー中のトータルカーボン
    量(重量%)”であり、Bは“1300℃における粘度
    (ポイズ)”である。]
  2. 【請求項2】 7≦CaO/F≦∞であることを特徴と
    する請求項1に記載の鋼の連続鋳造用モールドパウダ
    ー。
  3. 【請求項3】 鋼の連続鋳造において、モールドパウダ
    ーとして請求項1または請求項2に記載のモールドパウ
    ダーを使用し、鋳片単位表面積あたりのパウダー消費量
    を0.01〜0.20kg/m2の範囲で鋳造すること
    を特徴とする鋼の連続鋳造方法。
JP2000155864A 2000-05-26 2000-05-26 鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び鋼の連続鋳造方法 Expired - Lifetime JP3717049B2 (ja)

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