JP3399378B2 - 鋼の連続鋳造用モールドパウダおよび連続鋳造方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造用モールドパウダおよび連続鋳造方法Info
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Description
る場合に、または中炭素鋼などの鋼を鋳造する場合に、
表面品質が良好な鋳片を得ることが可能であり、かつ安
定した鋳造操業を行うことが可能な連続鋳造用モールド
パウダに関する。さらに本発明は、このモールドパウダ
を用いる連続鋳造方法に関する。
る自動車の外装用鋼板などは、通常、250mm程度の
厚みの連続鋳造鋳片から製造されている。その理由は、
表面品質と内部品質ともに良好な鋳片を用いるためと高
い生産性を得るためである。また、このときの鋳造速度
は2〜3m/分程度が一般的である。これ以上の鋳造速
度で鋳造する場合には、鋳片表面に縦割れが発生した
り、鋳片内部に非金属介在物が残存しやすく製品の欠陥
の原因になる場合があるからである。
と簡易な熱間圧延設備を、一つの製造ライン上に配置し
た電炉ミニミルプロセスが採用されている。この薄スラ
ブ連続鋳造法では、生産性の確保のため、少なくとも5
m/分程度の鋳造速度での操業を目標にしている。
晶反応を起こすことから、鋳片の表面に縦割れが発生し
やすいが、この中炭素鋼を薄スラブ連続鋳造法で上述し
たような高速の鋳造速度で鋳造すると、鋳片の縦割れの
発生が助長される。低合金鋼についても、割れ感受性を
高める合金成分を含む場合には、同様に鋳片に縦割れが
発生しやすい。
ウダとは、密接な関係があることは良く知られている。
連続鋳造法においては、浸漬ノズルから鋳型内へ溶鋼を
供給するとともに、鋳造中の鋳型内の溶鋼の表面にモー
ルドパウダを投入する。通常、このモールドパウダに
は、複数種類の酸化物、炭素などの粉体を混合したもの
が用いられる。鋳型内へ投入されたモールドパウダは、
溶鋼の持つ熱により溶融し、溶鋼表面において溶融スラ
グが形成される。この溶融スラグは鋳型内壁と凝固殻と
の間隙に流入し、スラグフィルムを形成する。このスラ
グフィルムは、鋳型との接触で冷却されて凝固する。凝
固した部分は、ガラス質部分と結晶質部分からなる。
は、以下の作用がある。
酸化防止 2)溶鋼中に存在し溶鋼表面に浮上してくる気泡および
酸化物の吸収 3)鋳型内壁と凝固殻との間の潤滑性の確保 4)溶融スラグの伝熱抵抗の調整による凝固殻の冷却速
度の調整。
には、3)に示す溶融スラグによる潤滑性の確保が重要
である。また、鋳片表面の縦割れの防止に対しては、
4)の鋳型内の凝固殻、すなわち凝固初期の鋳片表面の
冷却速度の調整が重要である。
高速化を図ると、鋳型内壁と凝固殻との間隙への溶融ス
ラグの流入量は減少する。溶融スラグの流入量が減少
し、スラグフィルム厚みが減少した場合、潤滑不良によ
り凝固殻が鋳型内壁に拘束され、極端な場合にはブレー
クアウトなどの操業事故が起こる。そこで、溶融スラグ
の流入量の確保のため、モールドパウダ溶融時の凝固点
を低下させたり、粘度を低下させる。しかし、モールド
パウダの凝固点と粘度を過度に低下させると、スラグフ
ィルムの厚さが不均一になりやすい。そのため、鋳型内
の凝固殻の冷却速度が不均一になり、鋳片表面に縦割れ
が発生しやすくなる。このように、鋳造速度の高速化に
効果的な潤滑性と、鋳片表面の縦割れを防止するのに効
果的な凝固殻の冷却速度の均一性の、両方の性質を併せ
持つモールドパウダを作ることは、重要な技術課題であ
る。
防止対策に関して、下記に示す方法が提案されている。
すなわち、特開平3−193248号公報では、モール
ドパウダにZrO2 、TiO2 、Sc2 O3 、Y
2 O3 等のIII A族およびIV族の元素の酸化物を結晶
析出促進剤として添加する方法が提案されている。ま
た、この公報では、溶融スラグの粘度を、1300℃で
1poise以下に低下させることにより、鋳造速度の
高速化が達成されるとされている。このモールドパウダ
は、溶融状態から冷却される過程で結晶を析出し、この
結晶が鋳型内の鋳片表面を緩冷却する。この鋳片表面の
緩冷却が、鋳片表面の冷却速度を均一化する。
溶融スラグの粘度を下げることと、T.CaOのSiO
2 に対する重量%の比T.CaO/SiO2 を大きく
することが提案されている。ここで、T.CaOは、モ
ールドパウダ中に含有されるCaOと、CaF2 とし
て存在すると推定されるCa分をCaOに換算したもの
との和であって、下記の(C)式で定義されている。
度に大きくすると、溶融スラグの冷却過程で結晶が析出
し、この結晶が鋳型内の鋳片表面を緩冷却するとされて
いる。
号公報および特開平5−15955号公報で提案されて
いるモールドパウダを包晶鋼を含む中炭素鋼に用いた場
合、2〜3m/分以上の鋳造速度で鋳造すると、モール
ドパウダによる鋳片表面の緩冷却効果が不十分となっ
て、鋳片表面に縦割れが発生する場合がある。
きいモールドパウダが、特開平5−269560号公報
で提案されている。このモールドパウダは、CaO/S
iO2 を1.1〜1.8とし、さらにCaO/Fが9
〜40の条件を満足するものである。高速鋳造時の縦割
れ防止と浸漬ノズルの溶損防止を目的としている。ま
た、特開昭54−35129号公報では、CaO/Si
O2 の比較的高いモールドパウダが提案されている。
つまり、CaO/SiO2 を0.6〜1.4とし、蛍
石を10重量%まで配合することを提案している。ただ
し、これらの提案のモールドパウダを用いた場合、2〜
3m/分以上の鋳造速度で鋳造すると、鋳片表面に縦割
れが発生する場合がある。
上の鋳造速度で鋳造する場合に、また、包晶鋼を含む中
炭素鋼などを鋳造する場合に、鋳片表面の縦割れの発生
を防止するためには、さらに、ブレークアウトなどの操
業事故の発生を防止するためには、モールドパウダの性
能をさらに向上させる必要がある。
続鋳造法に代表されるような高速での鋳造に好適で、ま
た、中炭素鋼のような鋳片表面に縦割れが発生しやすい
鋼の連続鋳造に好適な、かつ安定した鋳造作業に好適な
モールドパウダおよびそのモールドパウダを用いる連続
鋳造方法を提供することを目的とする。
(1)に示す鋼の連続鋳造用モールドパウダおよび下記
(2)に示す連続鋳造方法にある。
合物を基本成分とし、下記(A)式で表される(Ca
O)h(重量%)と、SiO2 含有率(重量%)との
比(CaO)h/SiO2 が、1.1〜1.9であ
り、さらに下記(B)式で表されるCaF2 を15〜
60重量%含み、かつNa2Oを0〜15重量%、Mg
Oを1〜20重量%を含有し、残部がAl 2 O 3 を含む
不可避的不純物からなることを特徴とする鋼の連続鋳造
用モールドパウダ。
連続鋳造方法。
ダと記す)は、(CaO)h/SiO2 、すなわち塩
基度を高めているので、溶融状態から凝固する過程で結
晶の析出量が多い。ただし、ただ単にパウダの塩基度を
高めるだけでは、パウダの凝固点を高めることになる。
この場合には、高速で鋳造することが困難となる。一
方、ただ単にCaF2 やNa2 Oなどの含有率を増加
させて、凝固点や粘度を低下させるだけでは、溶融スラ
グに焼結層を生成させたり、浸漬ノズルの溶損を引き起
こし、安定した鋳造操業が困難となる。そこで、本発明
者らは、パウダの高塩基度化と、凝固点および粘度の低
下というパウダにとって両立の困難な特性を、以下に示
す(a)および(b)の手段で解決した。
ち凝固初期の鋳片表面の冷却速度の均一化が重要であ
る。この凝固初期の鋳片表面の冷却速度が不均一の場合
に、凝固殻の厚さは鋳片の幅方向で不均一になる。その
ため、凝固収縮により凝固殻に生じる応力が鋳片の幅方
向で均一に緩和されず、鋳片表面に縦割れが発生する。
下、単にフィルムと記す)を介して、鋳型内の凝固殻を
均一な冷却速度で冷却するためには、フィルムの伝熱抵
抗の増大が重要である。フィルムの伝熱抵抗が小さい
と、凝固殻は、鋳型による冷却効果のばらつきの影響を
大きく受ける。その場合には、鋳型の各位置で凝固殻の
冷却速度のばらつきが大きくなって、凝固殻の厚さが、
鋳型の幅方向で不均一になる。逆に、フィルムの伝熱抵
抗を大きくして、凝固殻の冷却速度を緩やかにすると、
凝固殻の厚さは鋳型の幅方向で均一化される。そのた
め、鋳片表面の縦割れの発生を防止できる。
O/SiO2 に代えて、上述した(A)式で表される
(CaO)h/SiO2 という新しい指標を採用する
ことにより、CaO−SiO2 −CaF2 を基本成分
とする三元系において結晶の析出しやすい組成範囲が選
択されている。そのため、溶融スラグが凝固する過程
で、結晶がより多く析出するので、溶融スラグの伝熱抵
抗が大きい。
分とする三元系パウダ組成のなかでも、(CaO)h/
SiO2 が1.1〜1.9と大きいので、溶融スラグ
が凝固する過程で、多くの結晶が析出する。
を説明するための(CaO)h−SiO2 −CaF2
3元系の組成図である。本発明のパウダは、配合するフ
ッ素化合物のほとんどがCaF2 であるので、前述の
(A)式から計算される(CaO)hの値と配合されて
いるCaOの含有率は、ほぼ同等な値である。したがっ
て、便宜的に上記の3元系の組成図によって、本発明の
パウダを説明する。
O)h/SiO2 が1.1〜1.9で、CaF2 含有
率が15〜60重量%(以下、単に%と記す)の本発明
のパウダの化学組成範囲は、(CaO)h/SiO2
が1.1の境界線1(CaO 52%、SiO 2 48%
およびCaF 2 0%と、CaF2 100%とを結んだ
直線)、(CaO)h/SiO2 が1.9の境界線2
(2CaO・SiO2 とCaF2 100%とを結んだ
直線)、CaF2 含有率が15%の直線、CaF2 含
有率が60%の直線とで囲まれた範囲である。
じく、凝固殻を緩冷却する目的で用いられている従来の
パウダの化学組成範囲を(a)の記号で示した。さら
に、前述した塩基度の高い、浸漬ノズルの溶損防止を目
的とした従来のパウダの化学組成の範囲を(b)の記号
で示した。本発明のパウダのような、(CaO)h/S
iO2 が1.1〜1.9で、CaF2 含有率が15〜
60%の場合には、溶融状態からの冷却過程で、カスピ
ディンと称する3CaO・2SiO2 ・CaF2 また
は3CaO・2SiO2 の分子式で表される結晶が多
く析出する。
凝固点の適正化 鋼の連続鋳造時のフィルムの厚みは、鋳型内壁と鋳型内
の凝固殻の間隙への溶融スラグの流入量によって決ま
る。過剰に流入した場合には、流入量の少ない位置と多
い位置との間でフィルムの厚みの差が大きくなり、凝固
殻の冷却速度が不均一になる。また、流入量が過度に少
ない場合には、フィルムの厚みが全体的に薄くなる。こ
のとき、フィルムの厚みのわずかな差が、凝固殻の冷却
速度を不均一にしやすい。このように溶融スラグの流入
量が多くても、また少なくても、鋳片表面に縦割れが発
生しやすい。また、溶融スラグの流入量が極端に少ない
場合には、ブレークアウトの操業事故となる場合があ
る。
グの鋳型内壁と鋳型内の凝固殻の間隙への流入量が減少
する傾向があるので、フィルムの厚みの確保と均一化が
重要な技術課題である。
固点および溶融時の粘度を適正範囲に調整することによ
り制御できる。
することにより、パウダの凝固点の低下を図っている。
CaF2 やNa2 Oに比べて、浸漬ノズルの溶損を防
止することができ、また、溶融スラグの上にパウダの焼
結層が形成されることを防止できる。
折損する。このような先端が失われた浸漬ノズルを用い
て鋳造を継続すると、鋳片の内部および表面の品質が悪
くなる。極端な場合には、ブレークアウトを引き起こ
す。また、パウダの焼結層が形成されると、溶融スラグ
の潤滑性能が悪くなるとともに、極端な場合には、ブレ
ークアウトを引き起こす。
含有させ、さらにCaF2 を15〜60%、Na2 O
を0〜15%含有させることにより、適正な凝固点およ
び粘度を得ている。
を用いた連続鋳造方法について、以下に具体的に説明す
る。%は重量%を意味する。
ッ素化合物の3成分である。それぞれのおおよその含有
率は、CaOが20〜45%、SiO2 が10〜35
%、フッ素化合物がCaF2 換算で15〜60%であ
る。これらに加えて、MgOを1〜20%、さらにNa
2 Oを0〜15%、それぞれ含有させ、残部はAl 2
O 3 を含む不可避的不純物からなる。以下、本発明のパ
ウダの化学組成について、その適正な範囲を説明する。
O)h/SiO2 の値の算出に用いる(CaO)h
は、前述した(A)および(B)式によって求められる
値である。すなわち、パウダ中のT.Caの分析値か
ら、そのすべてがCaOであると仮定して求められるC
aOではない。まず、前述の(B)式で示したようにF
の分析値からFの全量がCaF2 として存在するもの
と仮定して、CaF2 含有率を求める。次に、このC
aF2 の形態で存在するCaを除いたCaがCaOで
あるとして、(CaO)hを求める。また、SiO2
の値は、パウダ中のSiの分析値を基にして求められる
値である。
SiO2 の値を1.1〜1.9とする。(CaO)h
/SiO2 がこの範囲内の場合には、溶融スラグが冷
却されて凝固する際に十分な量の結晶が析出する。(C
aO)h/SiO2 が1.1未満の場合には、十分な
量の結晶の析出が起こらない。また、(CaO)h/S
iO2 が1.9を超える場合には、パウダの凝固点が
高すぎるので、鋼を鋳造する際の溶鋼の温度ではパウダ
が溶融しにくい。このようなとき、鋳型内の溶鋼表面の
溶融スラグの厚みおよび鋳型内壁と鋳片の凝固殻との間
のフィルムの厚みを適正化するのが難しいため、連続鋳
造の操業に支障をきたす。したがって、(CaO)h/
SiO2 は1.1〜1.9とする。
O2 の値が1.9とその前後の場合には、結晶の析出
がやや起こりにくいので、望ましい範囲は1.1〜1.
7であ
式により求められる値である。したがって、CaF2
のみならず、フッ化ナトリウムなどの全てのフッ素化合
物中のFの分析値をCaF2 含有率に換算した値であ
る。ただし、本発明のパウダの場合、配合するフッ素化
合物は、ほとんどがCaF2 である。
2 の含有率は15〜60%である。CaF2 が、この
範囲内の含有率の場合には、溶融スラグが冷却されて凝
固する際に十分な量の結晶が析出する。CaF2 が1
5%未満の場合には、凝固点の低下が困難であり、Ca
F2 が60%を超える場合には、浸漬ノズルの溶損が
著しい。
9で、CaF2 含有率が15〜60%の場合には、前
述のとおり、溶融状態からの冷却過程で、カスピディン
と称する結晶が多く析出する。
の基本組成であっても、凝固点が1300℃以上になる
場合がある。このときには、Na2 Oを配合すること
が、凝固点を下げることに対して有効である。この効果
を得る場合には2%以上配合するのが望ましい。一方、
Na2 Oが15%を超えると、それ以上配合しても、
凝固点の低下効果が少なくなるとともに、さらに、溶融
スラグにパウダの焼結層が形成されやすくなる。したが
って、Na2 Oは0〜15%とする。
%とする。MgO含有率がこの範囲内の場合には、パウ
ダの凝固点および粘度が低下する。MgOが1%未満で
は、パウダの凝固点および粘度の低下効果が不十分であ
り、20%を超えると、パウダの凝固点がかえって上昇
してしまう。
速度 5m/分またはそれ以上の速度で鋳造する場合には、前
述のとおり、フィルムの厚みを確保しにくい。このフィ
ルムの厚みを確保するためには、パウダの凝固点および
溶融スラグの粘度を適正な範囲にすることが必要であ
る。
には、大部分のパウダの凝固点は1100〜1300℃
程度となる。このパウダの凝固点の範囲は、上述した高
速で鋳造する場合に適した範囲の温度である。また、こ
の範囲の凝固点を外れている場合には、上述したよう
に、MgOやNa2 Oなどにより調整することが望ま
しい。
に適したパウダの溶融時の粘度は、1300℃で1.5
poise以下が望ましい。1.5poiseを超える
粘度の場合には、鋳型内壁と鋳型内の凝固殻との間隙に
流入する溶融スラグの量が不足し、鋳片表面に縦割れが
発生したり、連続鋳造が困難となる場合がある。
に使用されているパウダの原料で構わない。CaO原料
として生石灰、石灰石、セメント、SiO2原料として
は、珪砂、軽藻土、CaF2 原料としては、蛍石、N
a2 O原料としては、ソーダ灰、炭酸ナトリウム、さ
らにMgO原料としては、MgOクリンカ、炭酸マグネ
シウムなどを用いればよい。
が望ましい。なお、これらの原料にはAl2 O3 、F
e2 O3 、Fe3 O4 などの酸化物が含有されてお
り、パウダにも不可避的に含まれるようになるが、これ
らの不純物が存在しても、とくに差し支えない。
法 これら本発明のパウダを用いることにより、鋼、なかで
もC含有率が0.05〜0.20%の鋼を、鋳片表面に
縦割れを発生することなく高速で安定して連続鋳造する
ことができる。
の鋼は、溶鋼からの凝固過程で包晶反応と呼ばれる相変
態を起こす。この相変態により、鋳片表面に縦割れが発
生しやすくなる。加えて、高速で鋳造する場合には、鋳
型内の凝固殻に不均一冷却の影響が加わり、鋳片表面の
縦割れが、さらに発生しやすくなる。
n、Cr、Ni、Ti、Mo、Nb、V等の鋳片の割れ
感受性を高める合金元素を含有している低合金鋼は、こ
れらの合金元素とCとの相乗作用で鋳片に縦割れが発生
しやすい。
も、とくに5m/分程度またはそれ以上の高速で鋳造す
る場合に、鋳片表面に縦割れが発生しやすい。
合に、本発明のパウダを用いることにより、5m/分ま
たはそれ以上の鋳造速度で、鋳片表面に縦割れが発生す
ることなく、連続鋳造が可能である。
類、鋳造速度などにより変わるので、とくに限定しない
が、鋳造速度5m/分で、おおよそ、0.2kg/鋼−
t程度である。
未満の鋼の連続鋳造にも好適であることは言うまでもな
い。さらに、本発明のパウダを用いて、上述の鋼を2.
0m/分程度の低速度の鋳造速度で鋳造しても、フィル
ムの厚みの確保は十分であり、また鋳片表面に縦割れは
発生しない。
m、幅1000mmの鋳片を連続鋳造した。
および低炭高Mn鋼を対象に、低炭素鋼は、鋳造速度6
m/分、それ以外の鋼は、鋳造速度5m/分で鋳造し
た。
縦割れの発生程度は評価A〜Eで表示することとし、そ
の評価基準は下記のとおりである。鋳片の長さ1mあた
りの縦割れの発生長さの合計値が、評価Aは5mm未
満、評価Bは5〜10mm未満、評価Cは10〜100
mm未満、評価Dは100〜500mm未満、そして評
価Eは500mm以上である。評価C〜Eの鋳片は、そ
のまま圧延すると製品の表面品質上問題となるが、評価
AおよびBの鋳片は、そのまま圧延しても実用上支障は
ない。
生成しているかどうかを観察し、その生成状況を次の指
標で評価した。評価○は、鋳造中の全期間を通じてほと
んど焼結層が生成せず、安定して鋳造操業を実施できた
場合、評価△は、鋳造中の後半の期間に焼結層がやや生
成したが、とくに鋳造操業には問題なかった場合、評価
×は、鋳造の初めから焼結層が多く生成し、鋳造作業を
途中で中止せざるを得なかった場合を示す。
察し、その溶損状況を次の指標で評価した。評価○は、
鋳造中の全期間を通じて浸漬ノズルに溶損は発生せず、
安定して鋳造操業ができた場合、評価△は、鋳造中に浸
漬ノズルが少し溶損したが、とくに、鋳造操業には支障
はなかった場合、評価×は、鋳造中に浸漬ノズルの溶損
が大きくなり、浸漬ノズルに穴があいたり、浸漬ノズル
の先端が折損したりして、鋳造作業を途中で中止せざる
を得なかった場合を示す。
す。
ダを用いた鋳造試験は、本発明例の連続鋳造方法の試験
であることをも意味している。
に示した鋼No.1の中炭素鋼を鋳造した。そのうち、
試験No.2、3および6は、本発明例のパウダを用い
た試験であり、試験No.7〜9は、(CaO)h/S
iO2 が本発明で規定する下限を外れたか、または、
Na2 OかMgOが本発明で規定する上限を外れた比
較例のパウダを用いた試験である。
o.2および3に用いたパウダは、CaO、SiO2
およびCaF2 の基本成分系にMgOを配合したパウ
ダである。試験No.6に用いたパウダは、基本成分系
にNa2 OおよびMgOを配合したパウダである。こ
れらの試験No.2、3および6に用いたパウダの13
00℃での粘度は0.27〜0.41poiseで、凝
固点は1124〜1157℃である。
た鋳片の縦割れの評価は、評価Aで良好であった。
0℃での粘度は0.20〜0.71poiseで、凝固
点は1110〜1325℃である。
No.7の鋳片および塩基度は1.4と高いが、Na2
Oが本発明で規定する上限を外れたパウダを用いた試
験No.8の鋳片には、いずれも縦割れ評価Dの著しい
縦割れが発生した。さらに、試験No.8では著しい焼
結層の発生と浸漬ノズルの溶損が認められた。試験N
o.9では、MgO含有率が高すぎて凝固点が1300
℃を超えたパウダを用いたため、鋳造作業が困難となり
鋳造を中止した。
鋼No.2の低炭素鋼を鋳造した。試験No.10およ
び11は、本発明例のパウダを用いた試験であり、試験
No.12および13は、(CaO)h/SiO2 が
本発明で規定する下限を外れた比較例のパウダを用いた
試験である。
は、基本成分系のCaO、SiO2およびCaF2 に
MgOまたはMgOとNa2 Oを配合したパウダであ
る。これらのパウダは、(CaO)h/SiO2 が
1.4〜1.5、CaF2 含有率が45〜50%、1
300℃での粘度が0.40〜0.42poise、凝
固点が1196〜1219℃である。
た鋳片の縦割れの評価は、すべて評価Aで良好であっ
た。また、焼結層の生成や浸漬ノズルの溶損もほとんど
起こらず順調な鋳造作業ができた。
は、CaO、SiO2 およびCaF2 を基本成分系と
し、Na2 OおよびMgOを配合したものである。た
だし、(CaO)h/SiO2 が0.8で本発明で規
定する下限を外れたパウダである。
いて鋳造した鋳片の縦割れの評価は、ともに評価Bであ
った。縦割れが少ししか発生しなかったのは、低炭素鋼
は、もともと鋳片表面の縦割れの発生が少ないことに起
因する。ただし、このパウダを用いて鋳造した鋳片の縦
割れ評価Bは、本発明例のパウダを用いて鋳造した鋳片
の縦割れの評価Aよりは悪かった。また、一部の試験で
焼結層が生成したり、浸漬ノズルの溶損が発生したが、
いずれも軽微なものであった。
鋼No.3の低炭高Mn鋼を鋳造した。試験No.14
および15は、本発明例のパウダを用いた試験であり、
試験No.16および17は、(CaO)h/SiO2
が本発明で規定する下限を外れた比較例のパウダを用
いた試験である。
は、基本成分系のCaO、SiO2およびCaF2 に
MgOまたはMgOとNa2 Oを配合したパウダであ
る。これらのパウダは、(CaO)h/SiO2 が
1.4、CaF2 含有率が48〜54%、1300℃
での粘度が0.38〜0.41poise、凝固点が1
168〜1209℃である。
鋳片の縦割れの評価は、すべて評価Aで良好であった。
浸漬ノズルの軽微な溶損が認められたが、焼結層は生成
しなかった。
は、CaO、SiO2 およびCaF2 の基本成分系に
Na2 OおよびMgOを配合したものである。ただ
し、(CaO)h/SiO2 が0.7で本発明で規定
する下限を外れている。
片の縦割れの評価は、評価Bおよび評価Cで悪かった。
焼結層が生成するとともに、浸漬ノズルの溶損も一部で
発生した。
より、薄スラブ連続鋳造法に代表されるような高速の鋳
造速度で鋳造することが可能で、また、中炭素鋼のよう
な鋳片表面に縦割れが発生しやすい鋼を縦割れを発生す
ることなく鋳造することが可能で、かつ安定した鋳造作
業を行うことが可能である。
めの(CaO)h−SiO2−CaF2 3元系の組成
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】CaO、SiO2 およびフッ素化合物を
基本成分とし、下記(A)式で表される(CaO)h
(重量%)と、SiO2 含有率(重量%)との比(C
aO)h/SiO2 が、1.1〜1.9であり、さら
に下記(B)式で表されるCaF2 を15〜60重量
%含み、かつNa2Oを0〜15重量%、MgOを1〜
20重量%を含有し、残部がAl 2 O 3 を含む不可避的
不純物からなることを特徴とする鋼の連続鋳造用モール
ドパウダ。 ここで、(CaO)h=T.CaO−F ×(56/38)・・・(A) CaF2 =F×(78/38) ・・・(B) T.CaO:パウダ中の全Ca含有率のCaO換算量(重量%) F:パウダ中の全F含有率(重量%) - 【請求項2】請求項1に記載のモールドパウダを用いる
ことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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