JP5341751B2 - 反射防止フィルムの低屈折率層に好適なフルオロ(メタ)アクリレートポリマー組成物 - Google Patents

反射防止フィルムの低屈折率層に好適なフルオロ(メタ)アクリレートポリマー組成物 Download PDF

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Description

さまざまな反射防止ポリマーフィルム(「ARフィルム」)が説明されてきている。反射防止フィルム及びコーティングが機能する物理的原理はよく知られている。いくつかの概説は、例えば「光工学(Optical Engineering)」(S・ムスキアント(Muskiant)編、第6巻)、「光学材料(Optical Materials)」(第7章、161ページ、1985年)で見ることができ、ランド(Land)らによる米国特許第3,833,368号に示されているように、ARフィルムは、交互に存在する、光学的厚みが的確である高屈折率(「RI」)ポリマー層と低屈折率ポリマー層で構築されている場合が多い。可視光では、この厚みは、反射される光の波長の約4分の1である。人間の目は、550nm前後の光に最も敏感である。従って、この光学範囲で反射光の量を最小限(例えば3%以下)に抑える形で、低及び高屈折率のコーティング厚を策定するのが望ましい。
グロー(Groh)及びツィンマーマン(Zimmerman)著「巨大分子(Macromolecules)」第24巻、6660ページ(1991年)に記載されているように、フッ素含有物質は屈折率が低く、そのため、ARフィルムの低屈折率層に有用であることが知られている。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマーとフッ素含有物質とを用いたさまざまなARコーティングも説明されてきている。例えば特開平9−155425号を参照のこと。
フッ素含有率の増大によって、低屈折率コーティング組成物の屈折率は低下するが、同時に表面エネルギーの低下が生じることで、コーティング特性及び光学上の美的特性(cosmetic properties)の低下、並びに、隣接する高屈折率層との界面接着の喪失につながる可能性がある。さらに、高フッ素化物質も、コーティングの硬度及び耐久性を低下させることが知られてきた。
いくつかの実施形態において、低屈折率層及び該低屈折率層に連結された高屈折率層を含む反射防止フィルムが記載される。一態様において、該低屈折率層は、A)i)フッ素含有率が少なくとも25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、の反応生成物を含むフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体であって、マルチ−(メタ)アクリレートモノマーの総量が、重合可能な有機組成物の固形分重量%を基準として、少なくとも約25重量%である、フリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体と、B)少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質と、の反応生成物を含む。
A)とB)の混合物は、(例えば紫外線)照射に曝露することにより硬化させるのが好ましい。硬化済み低屈折率ポリマー組成物は、A)とB)との共重合反応生成物を含んでよい。硬化済み低屈折率ポリマー組成物はまたB)の重合生成物を含んでもよく、その結果相互貫入ポリマー網を形成する。
別の実施形態においては、(例えば非フッ素化)有機溶媒に溶解又は分散されたフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー(例えば中間体)を少なくとも5重量%含む低屈折率組成物が記載される。組成物は典型的には、1,000,000g/モルを超えるポリスチレン換算分子量(Mw)を有する反応生成物を少なくとも10重量%含む。さらに、組成物は典型的には、約5,000g/モル〜1,000,000g/モルの範囲のポリスチレン換算分子量(Mw)を有する反応生成物を少なくとも20重量%、並びに未反応の又は部分的に反応したフリーラジカル重合可能な出発物質を含む。
別の実施形態においては、A)フリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体とB)少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質とを混合する工程と、組成物を高屈折率層の上にコーティングする工程と、組成物を光硬化する工程と、を含む、低屈折率組成物の製造方法が記載される。
本明細書に記載の低屈折率層は耐久性の高い低屈折率表面層及び反射防止フィルムを提供するのに適している。一態様においては、低屈折率層は低屈折率の表面改質無機ナノ粒子を含む。高屈折率層は、架橋された有機物質に分散した表面改質高屈折率無機ナノ粒子を含むのが好ましい。このような実施形態では、追加のハードコート層なしに耐久性を有利に得ることができる。しかしながら別の方法としては、反射防止フィルムは低屈折率層の下にハードコート層を含んでもよく、又は高屈折率層は高屈折率無機物質の層から成ってもよい。
本明細書に記載の反射防止フィルムは、典型的には、高屈折率層の下の基材と、任意に、表面を反射防止にするために、フィルム物品を表面に接着するための(例えば剥離ライナーで覆われている)(例えば感圧性)接着層と、を含むフィルム物品として提供されてもよい。あるいは、低屈折率組成物は表面に、単独で又は高屈折率層とともに直接塗布されてもよい。反射防止フィルム及びコーティング組成物は、照明式及び非照明式ディスプレイ表面に、並びに光透過性基材及び物品への適用に特に好適である。低屈折率組成物はまた、看板のような非透過性基材及び物品に塗布することも可能である。
これら実施形態のそれぞれにおいて、B)はまた少なくとも約25重量%のフッ素含有率を有することも好ましい。さらに、重合可能な有機組成物の少なくとも約50重量%が、フッ素含有率が少なくとも25重量%であるフリーラジカル重合可能な物質を含むことが好ましい。フッ素含有率が0〜25重量%未満の範囲である物質は、典型的には30重量%未満の重合可能な有機組成物を含む。さらに、A)、B)、又はこれらの混合は、少なくとも3個のフリーラジカル重合可能な基を有する少なくとも1種の(例えば非フッ素化)架橋剤をさらに含んでもよい。さまざまなフリーラジカル重合可能な物質、例えばフルオロアルキル物質、フルオロアルキレン物質、フルオロポリエーテル物質、及びこれらのさまざまな混合を用いてもよい。フリーラジカル重合可能な物質は、(メタ)アクリレート基のような(メタ)アクリル基を含んでよい。いくつかの実施形態においては、HFPO−部分を有する物質のような、少なくとも1種のペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物が用いられる。
端点によって表される数値の範囲は、その範囲内に含まれるすべての数値を含む(例えば1〜10の範囲には、1、1.5、3.33、及び10が含まれる)。
「フリーラジカル重合可能な」という語句は、適切なフリーラジカル源への曝露時に架橋反応に関与する官能基を備えているモノマー、オリゴマー及びポリマーを指す。フリーラジカル重合可能基としては例えば、(メタ)アクリル基、−SH、アリル又はビニルが挙げられる。フリーラジカル重合可能基は、−COCF=CHの場合などには例えばフッ素によってハロゲン化されてもよい。
好ましいフリーラジカル重合可能基は「(メタ)アクリル」であり、(メタ)アクリルアミド及び、任意に、例えばフッ素及びイオウで置換された(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル基はアクリレートである。マルチ(メタ)アクリレート物質が、少なくとも2つの重合可能な(メタ)アクリレート基を含むのに対し、モノ(メタ)アクリレート物質は1つの(メタ)アクリレート基を含む。(メタ)アクリレート基はペンダント基であってもよいが、典型的には末端基として存在する。
本明細書で使用するとき、「重量%」は、溶媒を除いた固形分構成成分の合計を指す。特に別段の指定がない場合、物質の濃度は、典型的には有機組成物(即ち無機ナノ粒子の添加前)の固形分重量%に関して表わされる。
現在記載されているのは、フリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー(例えば中間体)材料を含む反射防止フィルム物品及び低屈折率コーティング組成物である。本明細書では、フリーラジカル重合可能な物質については、(メタ)アクリレート物質と関連させて説明していく。ただし、当該技術分野において既知のように、他のフリーラジカル重合可能基を用いても、同様の結果が得られる場合がある。
低屈折率層は、A)フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体とB)少なくとも1種のフッ素化(メタ)アクリレート物質との反応生成物を含む。A)とB)の混合物は、(例えば紫外線)照射に曝露されることによって硬化されるのが好ましい。硬化済み低屈折率ポリマー組成物は、A)とB)との共重合反応生成物を含んでよい。硬化済み低屈折率ポリマー組成物は、B)の重合生成物も含むと推定される。フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、低屈折率コーティング組成物内の他の成分に共有結合してもよい。さらに、低屈折率コーティング組成物の他の任意の成分、例えば、非フッ素化架橋剤によって、フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体を物理的にもつれさせて重合して、それによって相互貫入網を形成させてよい。
A)フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、i)フッ素含有率が少なくとも約25重量%である少なくとも1種のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーと、ii)任意に、フッ素含有率が0〜25重量%未満である1種以上のマルチ−(メタ)アクリレート物質との反応生成物を含む。従って、ii)のマルチ(メタ)アクリレート物質のフッ素含有率はi)より少ない。任意のマルチ−(メタ)アクリレート物質は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、フリーラジカル重合可能な部分を有する表面改質無機ナノ粒子、並びにかかる物質のさまざまな組み合わせを含んでもよい。マルチ−(メタ)アクリレート物質の総量は一般的に、重合可能な有機組成物の固形分重量%を基準として、少なくとも25重量%である。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体溶液は、フリーラジカル重合可能な未反応の出発物質、オリゴマー種、及び超分岐構造を有するポリマー種の混合を含んでいると推定される。超分岐ポリマーは、構造繰返し単位が3つ以上の連結性を有する任意のポリマーであると定義され、この定義は超架橋ポリマーに拡大されてもよい(大員環は含まれるがはしご型ポリマー及びスピロポリマーには拡大されない)。
低屈折率組成物を調製するために2段階のプロセスが用いられる。第1(例えば溶液)重合反応は、希釈有機溶媒条件を利用して超分岐フルオロアクリレートポリマー(例えばナノゲル)を形成する。次に、超分岐フルオロアクリレートは、実質的に100%固体状態での第2(例えば光)重合反応における反応物質として利用されて、架橋された(メタ)アクリレートホストの(ナノゲル)ポリマーの相互貫入網であると推定されるフッ素化架橋系を形成する。
上記の超分岐ポリマーは、可溶性又は分散性を維持した状態で高分子量を有していると推定される。初めに調製されたポリマー中間体は(例えばエチルアセテートと)十分溶媒和し、溶媒交換が比較的容易であり、従ってその高分子マトリックス中に他のフリーラジカル重合可能なモノマー分子を受け入れると思われる。コーティング、濃縮、又は乾燥され、最終的に硬化されると、中間体ポリマーは堅くなり且つモノマーに又はモノマーの周囲に固着し、最終フィルムを強化及び硬くする。
この発明の超分岐ポリマーはまた、一部の文献にミクロゲル又はナノゲルと記載されている物質とのある類似点を有している。ポリマーナノゲル物質は重合反応中に存在する溶媒の割合を増加させ、従って鎖延長とは反対に分子内環化の確率を増加させることにより形成される。マクロゲル化(macrogellation)が発生するときの条件下において、典型的なポリマーは溶液から沈殿するか又はより一般的には溶液がゼラチン状及び非流体になるかのいずれかである。本明細書に記載の可溶性ナノゲルの形成において、ミクロゲル化及びマクロゲル化のレジームは、溶液中のはっきりと定義されたポリマーの臨界体積分率によって抽出される。この臨界体積はフローリー−ストックマイヤー(Flory-Stockmayer)のゲル化理論のゲル転移といくぶん似ている。臨界体積分率より低い濃度で、少なくとも10〜10g/モルの(即ちポリスチレン換算)分子量を有する可溶性超分岐ポリマーを得ることができる。臨界状態の反応濃度は分子の架橋密度及び構造パラメータに依存する。
多官能性(メタ)アクリレートは重合されることが可能であるが、依然として可溶性のナノゲルを生じさせることが分かっている。さらに、本明細書に記載のように、多官能性アクリレートの量を増加させることで改善されたコーティング及び機械的特性を提供することができる。
A)フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、i)フッ素含有率が少なくとも約25重量%である少なくとも1種のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーの反応生成物を含む。高フッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーは、屈折率が低いことを特徴とする。フッ素含有率が少なくとも約25重量%であるさまざまなフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーが知られている。いくつかの実施形態において、低屈折率のマルチ−(メタ)アクリレートモノマーのフッ素含有率は、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、又は少なくとも50重量%である。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体を調製するために、単一の低屈折率フッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーを単独重合することができる。あるいは、2種以上の低屈折率のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーを互いに共重合することが可能である。さらに他には、1種以上の低屈折率のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーを、他の非フッ素化及び/又はフッ素化モノ−(メタ)アクリレート物質及びマルチ−(メタ)アクリレート物質と共重合することができる。フッ素化モノ−(メタ)アクリレート物質は高いフッ素含有率(即ち少なくとも25重量%)を有していてもよい。
さらに別の態様において、1種以上の低屈折率フッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーは、マルチ−(メタ)アクリレート官能基を有する表面改質無機ナノ粒子と共重合することが可能である。
いくつかの実施形態において、A)、B)又はこれらの組み合わせは、少なくとも3つの(メタ)アクリレート基を有する少なくとも1種の非フッ素化架橋剤を含む。典型的には、A)は、少なくとも5重量%且つ15重量%未満(例えば約10重量%)の非フッ素化架橋剤を含む。さらに、B)は少なくとも5重量%且つ30重量%未満(例えば約25重量%)の非フッ素化架橋剤を含む。B)は一般に30重量%以下の非フッ素化架橋剤を含む。従って、非フッ素化架橋剤の総量は約10重量%〜約30重量%の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態において、マルチ−(メタ)アクリレート物質の総量、例えばフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーと非フッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーとの合計は、反応混合物の有機部分の全固形分を基準として、少なくとも30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%及びさらには100%である。低屈折率のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレート(即ち、フッ素含有率が少なくとも約25重量%)の総量は、反応混合物の有機部分の全固形分を基準として(即ち任意の無機ナノ粒子を除く)、少なくとも30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%及びさらには100%であってもよい。
構成成分B)のフッ素化(メタ)アクリレートモノマーは、フルオロ(メタ)アクリレート中間体の調製に用いる構成成分A)のフッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーと同一であってもよく異なっていてもよい。少なくともいくつかの実施形態において、B)は少なくとも25重量%のフッ素含有率をさらに含む。
さまざまなフリーラジカル重合可能なフッ素化された一官能性及び多官能性モノマー、オリゴマー及びポリマーを、本明細書に記載の低屈折率層及びフルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)を調製するのに用いてもよい。このような物質は一般的に、(ペル)フルオロポリエーテル部分、(ペル)フルオロアルキル部分、及び、(ペル)フルオロアルキレン部分とともに、フリーラジカル重合可能な部分を含む。これらの種類のそれぞれには、i)として用いることのできる(例えば少なくとも25重量%の)高フッ素含有率の多官能性種がある。フッ素含有率が25重量%未満のそれぞれの種類の他の種は、ii)として及び/又は補助的な構成成分として用いることができる。いくつかの実施形態において、補助的なフッ素化(メタ)アクリレートモノマーは、反応混合物内に存在している低屈折率の又はその他のフッ素化物質を相溶性化するのを助けることができる。
低屈折率層及びフルオロ(メタ)アクリレートポリマーは、様々な(ペル)フルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物から調製してもよい。ペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリル化合物は、式(1):
(R)−[(W)−(R (式1)
で表わすことができ、式中、Rは(ペル)フルオロポリエーテル基であり;Wは連結基であり;Rはフリーラジカル重合可能基、例えば(メタ)アクリル基、−SH基、アリル基、又はビニル基であり、好ましくは(メタ)アクリレート基若しくは−COCF=CH基であり;dは1〜6の範囲であり;eは1又は2である。
ペルフルオロポリエーテル基Rは線状、分枝状、環状、又はその組み合わせとすることができ、飽和又は不飽和であることができる。ペルフルオロポリエーテルは少なくとも2個の連結された酸素ヘテロ原子を有する。代表的なペルフルオロポリエーテルには、−(C2p)−、−(C2pO)−、−(CF(Z))−、−(CF(Z)O)−、−(CF(Z)C2pO)−、−(C2pCF(Z)O)−、−(CFCF(Z)O)−、又はこれらの組み合わせから成る群から選択されるペルフルオロ化反復単位を有するものが挙げられるがこれらに限定されない。-これらの反復単位において、pは典型的には1〜10の整数である。いくつかの実施形態において、pは1〜8、1〜6、1〜4又は1〜3の整数である。基Zはペルフルオロアルキル基、ペルフルオロエーテル基、ペルフルオロポリエーテル基又はペルフルオロアルコキシ基であり、それらのすべては、線状、分枝状、環状であることが可能である。Z基は、典型的には12個以下の炭素原子、10個以下の炭素原子、9個以下の炭素原子、4個以下の炭素原子、3個以下の炭素原子、2個以下の炭素原子又は1個以下の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、Z基は、4個以下、3個以下、2個以下、1個以下、又は0個の酸素原子を有してよい。これらのペルフルオロポリエーテル構造において、異なる反復単位は鎖に沿って無秩序に分布することが可能である。
は一価又は二価であり得る。Rが一価のいくつかの化合物において、末端基は(C2p+1)−、(C2p+1O)−、(X’C2pO)−、又は(X’C2p+1)−であることができ、式中、X’は水素、塩素、又は臭素であり、Pは1〜10の整数である。一価R基のいくつかの実施形態において、末端基はペルフルオロ化されており、pは1〜10、1〜8、1〜6、1〜4又は1〜3の整数である。代表的な一価のR基には、CFO(CO)CF−、CO(CFCFCFO)CFCF−、及びCO(CF(CF)CFO)CF(CF)−が挙げられ、式中、nの平均値は0〜50、1〜50、3〜30、3〜15、又は3〜10である。
基の好適な構造は:
−CFO(CFO)(CO)CF−、−(CFO(CO)(CF−、−CFO(CO)CF−、−CFCFO(CFCFCFO)CFCF−、及び−CF(CF)(OCFCF(CF))sOC2tO(CF(CF)CFO)CF(CF)−、が挙げられるがこれらに限定されず、式中qの平均値は0〜50、1〜50、3〜30、3〜15、又は3〜10であり;nの平均値は0〜50、3〜30、3〜15、又は〜3〜10であり;sの平均値は0〜50、1〜50、3〜30、3〜15、又は3〜10であり;(n+s)の合計の平均値は0〜50又は4〜40であり;(q+n)の合計は0を超え;tは2〜6の整数である。
式(1)の化合物は、合成された場合、典型的にはR基の混合物を含む。平均構造は、混合物成分にわたって平均された構造である。これらの平均構造の中のq、n及びsの値は、化合物が少なくとも約400の数平均分子量を有する限り変わることが可能である。式1の化合物の分子量(数平均)は、多くの場合400〜5000、800〜4000又は1000〜3000である。
ペルフルオロポリエーテルセグメントと(メタ)アクリル又は−COCF=CH末端基との間の連結基Wには、アルキレン、アリーレン、ヘテロアルキレン又はそれらの組み合わせから選択される二価基以上の基、及びカルボニル、エステル、アミド、スルホンアミド又はそれらの組み合わせから選択される任意の二価基を含む。Wは非置換であるか、又はアルキル、アリール、ハロ又はそれらの組み合わせにより置換されていることが可能である。W基は典型的には30個以下の炭素原子を有する。いくつかの化合物において、W基は20個以下の炭素原子、10個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子、又は4個以下の炭素原子を有する。例えば、Wは、アリーレン若しくはアルキルエーテル又はアルキルチオエーテル連結基とともに、アルキレン、アリール基で置換されているアルキレン、又はアルキレンであることができる。
ペルフルオロポリエーテルアクリレート化合物は、米国特許第3,553,179号及び同第3,544,537号、並びに米国特許出願公開第2004/0077775号に記載されているものなど公知の技法で合成することができる。
いくつかの実施形態において、ペルフルオロポリエーテル基は「HFPO−」末端基、即ち(メチルエステルF(CF(CF)CFO)CF(CF)C(O)OCH)の)末端基F(CF(CF)CFO)CF(CF)−を含み、式中「a」は平均して2〜15となる。いくつかの実施態様において、aの平均値は3〜10であるか、又はaの平均値は5〜8である。このような化合物は、一般にaの値の範囲のオリゴマーの分散物又は混合物として存在し、その結果aの平均値は非整数であり得る。一実施形態において、aは平均して約6.2となる。
代表的な低屈折率ペルフルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリレートモノマーは、HFPO−C(O)N(H)CHCH(OC(O)CH=CH)CHOC(O)CH=CHであり、計算によるとそのフッ素含有率は53.4%である。このモノマーは、米国特許出願公開第2005/0249940号に記載されているとおりに調製することができる。(FC−4参照)。その他の低屈折率マルチ−(メタ)アクリレートペルフルオロポリエーテル化合物には、HC=CHC(O)OCHCHN(H)(O)C−HFPO−C(O)N(H)CHCHOC(O)CH=CH2(フッ素含有率58.1%)、及び、(HC=CHC(O)OCHCHCHCN(H)(O)C−HFPOC(O)N(H)CCHCH(CHOC(O)CH=CH(フッ素含有率50.1%)が挙げられる。これらの化合物は、米国特許出願公開第2006/0216524号、及び、2006年3月22日出願の係属中の米国特許出願第11/277162号(調製物番号28及び30参照)に記載されているとおりに調製することができる。
他の低屈折率ペルフルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリレート化合物は、米国特許第3,810,874号及び同第4,321,404号に記載されている。代表的な化合物は、構造CH=CHC(O)OCHCFO(CFCFO)mm(CFO)nnCHOC(O)CH=CHで与えられ、式中、mm及びnnはそれぞれランダムに分布するペルフルオロエチレンオキシ及びペルフルオロメチレンオキシ主鎖反復単位の数を示し、mm及びnnは、独立に、例えば1〜50の値であり、mm/nnの割合は0.2〜1から5/1である。
1つの好ましいフリーラジカル重合可能な高フッ素含有多官能性物質は、反応性(ペル)フルオロポリエーテルとポリ(メタ)アクリレートのマイケルタイプの付加によって調製可能なペルフルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリル化合物である。このような化合物は米国特許出願公開第2005/0250921号にさらに記載されている。代表的な高フッ素含有マイケル付加物は、HFPO−C(O)N(H)CHCHCHN(H)CHとトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)の付加物であり、フッ素含有率は52.02重量%である。
別の好ましいフリーラジカル重合可能な高フッ素含有多官能性物質は、反応性(ペル)フルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリレートと2〜4個のマイケルタイプの付加水素を有するアミン化合物のマイケルタイプの付加によって調製される(ペル)フルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリレート化合物である。1つの例示的付加物は、CH=CHC(O)−OCH(CFCHO−C(O)CH=CHとN−メチル−1,3−プロパンジアミンとの反応により調製される。
高フッ素含有物質の別の好ましい例は、供給元により屈折率が1.341であると報告された、商品名「CN4000」としてサートマー社(Sartomer)から市販の(例えばペルフルオロポリエーテル)アクリレートオリゴマーである。低屈折率を考慮して、この物質のフッ素含有率は少なくとも約50重量%であると考えられる。NMR分析に基づく、CN4000の分子量(Mn)は約1300g/モルである。
その他の市販の低屈折率ペルフルオロポリエーテル化合物には、商品名「フルオーN(FluorN)1939A」でメリーランド州ベルツビル(Beltsville, MD)のシトニクス社(Cytonix Corporation)から入手可能なペルフルオロポリエーテルカプロラクトンジアクリレート化合物、及び同様に商品名「フルオーN(FluorN)1970A」でシトニクス社から入手可能なペルフルオロポリエーテルグリコールジアクリレートが挙げられる。
その他の高フッ素ペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリレートは、市販のペルフルオロポリエーテル化合物(例えば、商品名「フォムブリンズドル(Fomblin Zdol)2000」としてソルベイ・ソレクシス社(Solvay Solexis)から入手可能)を塩化アクリロイルと、米国特許第3,810,874号の実施例15に記載の方法で反応させることにより調製することができる。
いくつかの実施形態において、ペルフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物はペルフルオロポリエーテルウレタン化合物と特徴付けられてもよい。このような物質は一般に、少なくとも1つの重合可能な(例えば末端)(メタ)アクリレート部分、及び少なくとも二価の連結基によってウレタン又は尿素結合に結合される(ペル)フルオロポリエーテル基を含む少なくとも1つの(任意に反復)単位を含んでいる。ウレタン及び尿素結合は典型的には−NHC(O)Xであり、式中、XはO、S、又は、NRであり、RはH又は1〜4個の炭素を有するアルキル基である。ペルフルオロポリエーテル部分は、上述のとおり、HFPO部分であるのが好ましい。さまざまな好適な化合物が、米国特許出願公開第2006/0216524号、及び、2006年3月22日出願の係属中の米国特許出願第11/277162号に記載されている。1つの代表的な高フッ素ペルフルオロポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートは、HFPO−C(O)NHCOC(O)NHCOC(O)C(CH)=CHであり、式中、HFPOはF(CF(CF)CFO)aCF(CF)−であり、「a」は平均すると2〜15となる。
さまざまなペルフルオロアルキルマルチ−(メタ)アクリレートが既知である。さまざまな市販の低屈折率種を以下のように表1に記載する。
Figure 0005341751
その他の低屈折率ペルフルオロアルキルマルチ−(メタ)アクリレート化合物を合成することが可能である。例えば、CSON(COC(O)CH=CH(Mn=567.9MW、フッ素含有率30.11%)及びCSON(COC(O)C(CH)=CH(Mn=595.99、フッ素含有率28.69%)は、最初にフッ素性化学物質ジオールFBSEE(CSON(COH))を米国特許番号第3,734,962号(1973)のカラム5の31行目及び図9に記載のとおりに調製し、続いてアクリレート誘導体をサウ(Savu)らに付与された国際公開特許01/30873号の実施例2Bに記載の方法で調製して合成することが可能である。
構成成分A)及び/又はB)は、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート;3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシル(メタ)アクリレート;3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート;2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート;3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチル(メタ)アクリレート;1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート;1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロシクロヘプチル(メタ)アクリレート;2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロシクロオクチル(メタ)アクリレート;2−トリフルオロメチルシクロブチル(メタ)アクリレート;3−トリフルオロメチルシクロブチル(メタ)アクリレート;2−トリフルオロメチルシクロペンチル(メタ)アクリレート;3−トリフルオロメチルシクロペンチル(メタ)アクリレート;2−トリフルオロメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;3−トリフルオロメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;4−トリフルオロメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート;2−トリフルオロメチルシクロヘプチル(メタ)アクリレート;3−トリフルオロメチルシクロヘプチル(メタ)アクリレート;及び4−トリフルオロメチルシクロヘプチル(メタ)アクリレートなどのさまざまなフッ素化モノアクリレート物質を任意で含むことができる。
さまざまなペルフルオロポリエーテルモノ−(メタ)アクリレート化合物がさらに既知である。このような低屈折率物質のある1つの代表的なものは、HFPO−C(O)NHCHCHOC(O)CH=CHであり、計算によるとそのフッ素含有率は62.5重量%である。同様の方法で調製することができる別の低屈折率ペルフルオロポリエーテルモノ−(メタ)アクリレート化合物は、HFPO−C(O)NHCHCHOCHCHOCHCHOC(O)CH=CH(計算によるとフッ素含有率は59.1重量%)、HFPO−C(O)NH(CHOC(O)CH=CH(計算によるとフッ素含有率60.2重量%)、及び、HFPOC(O)NHCHCHOCHCHOCHCHOCHCHOC(O)CH=CH(計算によるとフッ素含有率57.3重量%)である。このような化合物は、2006年3月22日出願の米国特許出願第11/277,162号(調製物31a〜31d参照)に記載されている。
低屈折率層並びにフルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、典型的には、3つ以上の(メタ)アクリレート基を有する少なくとも1つの架橋剤を含む。この成分は、非フッ素化マルチ−(メタ)アクリレートモノマーである場合が多い。
適切なモノマーとしては例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(ペンシルベニア州エクストン(Exton,PA)のサートマー社(Sartomer Company)から商品名「SR351」で市販されている)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(ペンシルベニア州エクストンのサートマー社から商品名「SR454」で市販されている)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート(サートマー社から商品名「SR444」で市販されている)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社から商品名「SR399」で市販されている)、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(サートマー社から商品名「SR494」で市販されている)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(サートマー社から商品名「SR368」で市販されている)が挙げられる。いくつかの態様では、ヒダントイン部分含有マルチ−(メタ)アクリレート化合物、例えば米国特許第4,262,072号(ウェンドリング(Wendling)ら)に記載されているものが用いられている。
低屈折率層並びにフルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、少なくとも1つの二官能性(メタ)アクリレートモノマーから調製してもよい。さまざまな二官能性(メタ)アクリレートモノマーが当該技術分野で知られており、例えば、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレートモノメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、カプロラクトン修飾ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、(Mn=200g/モル、400g/モル、600g/モル)、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、及び、トリプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。
低濃度オリゴマーの(メタ)アクリレート化合物、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、及びこれらの組み合わせを、ii)又はB)で任意に用いてもよい。
フリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー(例えば中間体)は、さまざまな既知の分析法により特徴付けることができる。図4は、実施例に記載の試験方法に従ってゲル相クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー(GPC)で得た6種類の例示的なフルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)溶液のポリスチレン換算分子量のクロマトグラフを示している。試料のそれぞれは、実施例に記載の「フルオロアクリレートポリマー中間体1」の記載に従って調製した。試料のそれぞれのポリスチレン換算分子量が、以下のように表2に報告されている。
Figure 0005341751
表2及び図4に示されているとおり、反応生成物の混合物は少なくとも二峰性の分子量分布を有している。ポリスチレン換算分子量(Mw)が約10,000,000〜20,000,000g/モルに対応する約14〜22分の保持時間でのブロードなピークは、超分岐ポリマーによるものである。ポリスチレン換算分子量(Mw)が約30,000〜50,000g/モルを有する約22〜27分の保持時間でのピークは、およそモノマーの化学量論的割合から成るオリゴマーの構成要素(即ち、この特別に例示された組成物ではC6DIACRYL、CN 4000及びSR399)によるものである。約27〜30分の保持時間でのピークは、フリーラジカル重合可能な高フッ素含有多官能性物質の一種(即ち、CN4000、分子量約1,300g/モル)の分子量に対応している。
ポリスチレン換算法がこの種のポリマーの最も好適な標準であるとは考えられてはいないが、結果はフリーラジカル重合可能な物質が実際に重合されていることを示している。このGPC分析に基づき、フルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)溶液が、ポリスチレン換算分子量(Mw)が1,000,000g/モルを超える重合生成物を少なくとも10重量%、20重量%、又は30重量%含むことが可能であるという結論を下すことができる。反応生成物溶液はまた、ポリスチレン換算分子量(Mw)が少なくとも5,000〜1,000,000g/モルである重合生成物を少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、又は40重量%含むことも可能である。反応生成物溶液はまた、モノマー及びオリゴマーの出発物質の分子量に応じて、ポリスチレン換算分子量(Mw)が典型的には5,000g/モル未満かそれより小さい未反応の又は部分的に反応した出発物質を含んでもよい。
このポリマーの詳細な構造はさまざまなその他の分析法、例えば低角度レーザ光散乱光度法(LALLS)、溶液粘度測定(Solution Viscosity Measurements)、DSC測定、及び動的機械試験、を用いて特徴付けられてもよい。
場合によっては、最初多分散系のマルチ(メタ)アクリレートポリマー生成物の一部を、メタノール/THF又はその他の適切なカウンター溶媒/溶媒混合物で分画し、多分散性が中程度のいくつかの画分を得てもよい。さらに、これら特性解析のいくつかを実施するために、任意の残留二重結合を(例えばマイケル付加物アミン又はシラン誘導体と)反応させて単離した生成物のさらなる架橋を防ぐことが必要な場合がある。一官能性反応種を組み込む「ミクロゲル」モデル系の分析は、純粋な多官能性アクリレートミクロゲルよりも扱いやすいことが文献により報告されている。さらに、溶解物中の動的機械測定は多くの場合、一官能性モノマーを含有しているコポリマーのみを用いて実施される。5〜20%の一官能性モノマーが二官能性モノマーと共重合された系は、純粋な多官能源ミクロゲルの特徴のほとんどを示し、低いガラス転移及び良好な溶解度特性を提供するが、古典的生理化学的解析という点では生成物の特性を大幅に変化させないことが報告されている。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体の調製並びに低屈折率コーティング組成物の調製には、典型的には少なくとも1種のフリーラジカル反応開始剤が利用される。有用なフリーラジカル熱開始剤としては、例えばアゾ、ペルオキシド、ペルスルフェート、及び、レドックス開始剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。有用なフリーラジカル光開始剤には、例えばアクリレートポリマーの紫外線硬化に有用であると知られているものが挙げられる。いくつかの態様において、フルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)は熱開始剤を用いて重合された溶液であるのに対して、中間体(即ちA)はB)と光重合される。これに加えて、その他の添加剤を最終組成物に加えてもよい。この添加剤としては、樹脂性流動助剤、光安定剤、高沸点溶媒、及び、当業者に周知のその他の相溶剤が挙げられるが、これらに限らない。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)は、相溶性(例えば非フッ素化)有機溶媒中に形成、溶解、又は分散し得る。フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は、典型的には少なくとも5固形分重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体は少なくとも約10重量%の濃度で存在する。約15重量%の濃度で、組成物はゲル化し得る。フルオロ(メタ)アクリレートポリマーの分子量を最大にするために、フルオロ(メタ)アクリレートポリマーの濃度は、ゲル転移を引き起こす濃度にほぼ等しいが、より低いことが典型的には好ましい。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー(例えば中間体)及び低屈折率組成物の調製に単一の有期溶媒又は溶媒のブレンドを用いることができる。用いるフリーラジカル重合可能物質によって、適切な溶媒としては、アルコール(イソプロピルアルコール(IPA)又はエタノールなど)、ケトン(メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)など)、シクロヘキサノン又はアセトン、芳香族炭化水素(トルエンなど)、イソホロン、ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、エステル(ラクテート、アセテート、例えば3Mから「3Mスコッチカルシンナー(3M Scotchcal Thinner)CGS10(「CGS10」)」という商品名で市販されているようなプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3Mから「3Mスコッチカルシンナー(3M Scotchcal Thinner)CGS50(「CGS50」)」という商品名で市販されているような2−ブトキシメチルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(DEアセテート)、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(EBアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMA)、イソ−アルキルエステル、例えばイソヘキシルアセテート、イソヘプチルアセテート、イソオクチルアセテート、イソノニルアセテート、イソデシルアセテート、イソドデシルアセテート、イソトリデシルアセテート、又は、その他のイソ−アルキルエステル)、これらの混合物などが挙げられる。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体、並びにA)とB)の混合は、好ましくはフッ素化溶媒なしで相溶性のコーティングを形成する。さまざまなフッ素化溶媒を用いることができるが、一態様において、該組成物はフッ素化溶媒を含まない。相溶性コーティング組成物は、濁っておらず、むしろ透明である。相溶性コーティングには実質的に視覚的欠陥がない。非相溶性コーティングを用いた場合に見られる場合がある視覚的欠陥としては、ヘイズ、ポックマーク(pock mark)、斑点、まだら、塊、若しくは、ひどいうねり、又は、光学及びコーティング分野の当業者に既知のその他の視覚的指標が挙げられるが、これらに限らない。
フルオロ(メタ)アクリレートポリマー溶液はB及び光開始剤と混合することができ、任意に該混合物を追加の溶媒で約1〜10固形分%に希釈する。
光学ディスプレイ又は光学ディスプレイで用いるための反射防止フィルムを形成する方法としては、光透過性基材層を提供する工程、基材層上に高屈折率物質を提供する工程、及び本明細書に記載の低屈折率層を高屈折率層に連結させて提供する工程を含んでもよい。低屈折率層は、(例えば部分的硬化済み)高屈折率物質の上に低屈折率物質の層を塗布し、架橋するのに十分な紫外線を照射することによって提供されてもよい。あるいは、少なくとも部分的に硬化している剥離ライナーに低屈折率コーティングを塗布し、トランスファーコーティングを施してよい。さらには、反射防止物質を基材に直接塗布するか、あるいは、透過性反射防止フィルムの剥離層に塗布し、続いて、熱転写又は光線照射施用技法を用いて剥離層から基材に移動させてよい。
低屈折率組成物及び高屈折率組成物は、単層又は多層として高屈折率層に、又は、従来のフィルム塗布技法を用いて直接基材(例えばディスプレイ表面又はフィルム)に塗布することができる。あるいは、少なくとも部分的に硬化している剥離層又は基材に低屈折率コーティングを塗布し、熱転写又は光線照射塗布技法を用いてトランスファーコーティングを施してよい。通常、基材は連続ウェブのロール形状であるのが好都合だが、個々のシートにコーティングを塗布してよい。
薄いフィルムは、さまざまな技法、例えばディップコーティング、フォワード及びリバースロールコーティング、巻き線ロッドコーティング、並びに、ダイコーティングなどを用いて塗布することができる。ダイコーティング機としては、ナイフコーティング機、スロットコーティング機、スライドコーティング機、流体ベアリングコーティング機、スライドカーテンコーティング機、ドロップダイカーテンコーティング機、及び、特に押出コーティング機が挙げられる。エドワード・コーエン(Edward Cohen)及びエドガー・グトフ(Edgar Gutoff)の「現代のコーティング及び乾燥技術(Modern Coating and Drying Technology)」(VCHパブリッシャーズ(VCH Publishers)、ニューヨーク、1992年、ISBN3−527−28246−7)、並びに、グトフ(Gutoff)及びコーエン(Cohen)の「コーティング及び乾燥欠陥:トラブルシューティング操作上の問題(Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems)」(ワイリーインターサイエンス(Wiley Interscience)、ニューヨーク、ISBN0−471−59810−0)などの文献に、多くのタイプのダイコーティング機が記載されている。
低屈折率コーティング組成物並びに高屈折率コーティング組成物は、乾燥させて溶媒を除去し、続いて、例えば、所望の波長で、好ましくは不活性雰囲気(酸素50ppm未満)内で(例えばHバルブ又はその他のランプを用いて)紫外線に、又は電子ビームに曝露することによって硬化させる。反応機構は、A)及びB)のフルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体の架橋を引き起こす。このような架橋は、フルオロ(メタ)アクリレートポリマー相及び(メタ)アクリレート相(即ちBの)をもたらして実質的に絡まり、その中に相互貫入ポリマー網、即ちIPNを形成すると推定される。
低屈折率層のフッ素化成分は低い表面エネルギーをもたらす。低屈折率コーティング組成物の表面エネルギーは、さまざまな方法、例えば接触角度及びインク忌避によって特徴付けることができる。硬化済み低屈折率層の水との静止接触角度は典型的には少なくとも80°である。さらに好ましくは、接触角度は少なくとも90°であり、最も好ましくは少なくとも100°である。これに代えて、又は、これに加えて、ヘキサデカンとの前進接触角度は少なくとも50°、より好ましくは少なくとも60°である。低い表面エネルギーは、防汚特性及び染み忌避特性に応じやすく、露出面を洗浄しやすくする。
本明細書に記載の低屈折率組成物は、耐久性の高い低屈折率層及び反射防止フィルムを提供するのに適している。一態様において、耐久性の高い低屈折率層又は反射防止フィルムは、実施例においてさらに詳細に説明するスチールウール耐久性試験で測定して、直径3.2cmのマンドレルを用い且つ質量が500グラム又は1kgのスチールウールを使用した10回の拭き取り、50回の拭き取り、100回の拭き取り、200回の拭き取り、さらには300回の拭き取りの後に目視で見えるひっかき傷が見られない。
目に見えるひっかき傷に抵抗性のある表面層は、必ずしもその低い表面エネルギーを保持する必要はない。好ましい実施形態において、耐久性の高い低屈折率層及び耐久性反射防止フィルムは、スチールウールのような研磨材と繰り返し接触した後も低い表面エネルギーを保持する。低屈折率層及び反射防止フィルムは、スチールウール耐久性試験によるさまざまな拭き取りの後、好ましくは実質的に水と同一の、少なくとも90°、95°、又は100°の撥インク性又は静止接触角を示す。
いくつかの実施形態において、耐久性反射防止フィルムは、金属又は金属酸化物のような無機物質の(例えば単一)薄層から成る高屈折率層とともに、本明細書に記載のフリーラジカル重合可能なポリマー中間体から調製される低屈折率層を含んでいる。このような高屈折率コーティングは一般に、ゾル−ゲルコーティング法、熱蒸発、スパッタリング、又は他の真空蒸着技術で蒸着される。具体的な金属酸化物の例としては、例えば、アルミニウム、シリコン、スズ、チタン、ニオビウム、亜鉛、ジルコニウム、タンタル、イットリウム、セリウム、タングステン、ビスマス、インジウムの酸化物、及び、これらの混合物が挙げられる。
耐久性低屈折率層は、本明細書に記載のフリーラジカル的に重合されたフルオロ有機物質に分散された、好ましくは低屈折率(例えば1.50未満)の(例えば表面改質)粒子を含んでいるのが好ましい。さまざまな低屈折率無機酸化物粒子、例えば窒化物、硫化物、及びハロゲン化物(例えばフッ化物)が知られている。好ましい低屈折率粒子としては、コロイダルシリカ、フッ化マグネシウム、及び、フッ化リチウムが挙げられる。低屈折率組成物内で用いるシリカは、イリノイ州ネーパービル(Naperville, IL)のナルコケミカル社(Nalco Chemical Co.)から、商品名「ナルココロイダルシリカ(Nalco Collodial Silicas)」、例えば製品1040、1042、1050、1060、2327、及び、2329、で市販されている。適切なヒュームドシリカとしては、例えば、デグッサ(DeGussA)AG(ドイツ・ハーナウ(Hanau))から「アエロジル(Aerosil)シリーズOX−50」という商品名、さらには製品番号130、150、及び、200で市販されている製品が挙げられる。ヒュームドシリカはまた、イリノイ州タスコラ(Tuscola, I)のキャボット社(Cabot Corp)から「CAB−O−SPERSE 2095」、「CAB−O−SPERSE A105」、及び「CAB−O−SIL M5」という商品名で市販されている。
耐久性の高い反射防止フィルムの高屈折率層は、架橋有機物質中に分散された、好ましくは高屈折率(例えば少なくとも1.60)の(例えば表面改質)粒子を含んでいるのが好ましい。さまざまなフリーラジカル重合可能な(例えば非フッ素化)モノマー、オリゴマー、ポリマー、及び、これらの混合物を高屈折率層の有機物質に用いることができる。高屈折率層の有機物質は、3つ以上の(メタ)アクリレート基を単独で、又は、非フッ素化一官能性及び/若しくは二官能性物質、例えば低屈折率層に関する部分で前述されている物質とともに備えているフリーラジカル重合可能な非フッ素化物質を含むのが好ましい。係属中の米国特許出願公開第2006−0147702号;同第2006−0147703号;同第2006/0147674号(全て2004年12月30日に出願);及び国際公開特許第2006/073755号;同第2006/073856号、及び同第2006/073773号に記載されているような、さまざまな好適な高屈折率組成物が知られている。
さまざまな高屈折率粒子、例えば、単独又は混合物の形のジルコニア(「ZrO」)、チタニア(「TiO」)、酸化アンチモン、アルミナ、酸化スズなどが知られている。高屈折率層内で用いられるジルコニアは、ナルコケミカル社(Nalco Chemical Co.)から商品名「ナルコ(Nalco)OOSSOO8」で、及び、スイスのウッツビル(Uzwil)のビューラー社(Buhler AG)から商品名「ビューラー(Buhler)ジルコニアZ−WOゾル」で入手可能である。ジルコニアナノ粒子はまた、2004年12月30日出願の米国特許出願公開第2006/0148950号、及び、米国特許第6,376,590号に記載されているように調製することも可能である。
低屈折率層及び/又は高屈折率層内の(例えば無機)粒子の濃度は、典型的には少なくとも5体積%であり、好ましくは少なくとも15体積%である。無機粒子の濃度は典型的には約50体積%以下であり、より好ましくは40体積%以下である。
無機ナノ粒子は、表面処理剤で処理するのが好ましい。ナノサイズ粒子を表面処理することによって、ポリマー樹脂中に安定分散をもたらすことができる。好ましくは、粒子がポリマー樹脂中で十分に分散し、その結果、実質的に均質な組成物を得られるように、表面処理によってナノ粒子を安定させる。さらには、安定粒子が硬化中に共重合できるか、又は、重合可能な樹脂と反応できるように、ナノ粒子は、表面処理剤によって、その表面の少なくとも一部を改質することが可能である。表面改質無機粒子を組み込むことは、粒子をフリーラジカル重合可能な有機成分に共有結合させやすくなり、それによって、より頑丈かつより均質なポリマー/粒子網をもたらす。
広くは、表面処理剤は、(共有結合により、イオン結合により、又は強い物理吸着を介して)粒子表面に結合する第1の末端と、粒子と樹脂との相溶性を付与し及び/又は硬化中に樹脂と反応する第2の末端とを有する。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、及びチタネートが挙げられる。好ましいタイプの処理剤は、部分的には、金属酸化物表面の化学的性質により決定される。シリカに対してはシランが好ましく、ケイ酸質充填剤に対しては他のものが好ましい。ジルコニアのような金属酸化物に対しては、シラン及びカルボン酸が好ましい。表面改質は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。シランの場合、樹脂へ組み込む前にシランを粒子又はナノ粒子の表面と反応させるのが好ましい。表面改質剤の必要量は、粒径、粒子タイプ、改質剤の分子量、及び、改質剤タイプといったいくつかの要因に左右される。一般的には、おおむね単層の改質剤を粒子の表面に結合させることが好ましい。必要とされる結合手順又は反応条件もまた、使用する表面改質剤によって左右される。シランの場合、酸性又は塩基性の条件の下、高温で約1〜24時間表面処理することが好ましい。カルボン酸のような表面処理剤では、高温や長時間を必要としないこともある。
本組成物に適している表面処理剤の代表的な実施形態としては例えば、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペンオキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート(BCEA)、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及び、これらの混合物のような化合物が挙げられる。
コロイド分散体内の粒子の表面改質は、さまざまな既知の方法、例えば、上述の米国特許出願公開第2006−0148950号(2004年12月30日出願)、及び、米国特許第6,376,590号に記載されている方法で実現させることができる。
表面改質剤の混合物が有用な可能性があり、その場合、表面改質剤の少なくとも1種には、硬化性樹脂と共重合可能な官能基が含まれている。表面改質剤の混合物によって、より低い粘度を得ることができる。例えば、重合化基は、エチレン性不飽和であるか、又は、開環重合を起こす環式官能基であることができる。エチレン性不飽和重合化基は、例えば、アクリレート基若しくはメタクリレート基、又は、ビニル基であることができる。開環重合を起こす環式官能基には一般的に、酸素、硫黄、又は、窒素のようなヘテロ原子が含まれており、好ましくは、エポキシドのように酸素が含まれている3員環である。
表面改質剤の好ましい混合物は、重合可能な樹脂の有機成分と共重合可能である官能基を有する少なくとも1種の表面改質剤と、この第1の改質剤とは異なる第2の改質剤を含む。第2の改質剤は、任意に、重合可能な組成物の有機成分と共重合可能であるポリアルキレンオキシド含有改質剤であるのが好ましい。
表面改質コロイドナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。非シリカ含有完全凝縮ナノ粒子の結晶化度(独立金属酸化物粒子として測定した場合)は、典型的には55%超、好ましくは60%超、より好ましくは70%超である。例えば、結晶化度は、約86%までの範囲内又はそれ以上にすることができる。結晶化度は、X線回折法によって割り出すことができる。凝縮結晶性のナノ粒子(例えばジルコニアナノ粒子)は屈折率が高いが、非晶質ナノ粒子は典型的には屈折率がより低い。
無機粒子には、実質的に単分散の粒径分布、又は、実質的に単分散の分布のナノ粒子を2種以上混ぜ合わせることによって得られる多分散分布を持たせるのが好ましい。あるいは、無機粒子は、粒子を所望の粒径範囲に粉砕することによって得られるさまざまな粒径を持たせるように組み込むことができる。無機酸化物粒子は典型的に、非凝集体(実質的に分離体)であり、凝集によって、光学散乱(ヘイズ)、又は、無機酸化物粒子の沈殿若しくはゲル化が生じる可能性がある。無機酸化物粒子は典型的に、粒径の点でコロイド状であり、平均粒径は5ナノメートル〜100ナノメートルである。十分な透明度を有するように、高屈折率粒子の粒径は約50nm未満であるのが好ましい。無機酸化物粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡法を用いて、所与の直径の無機酸化物粒子の数を数えることによって測定することができる。
低屈折率層又は反射防止フィルムは、光沢又はマットな面を提供することができる。例えば、マットな面を提供するために、表面を粗面化又は非平滑化することが可能である。これは、当該技術分野において既知のさまざまな方法で、例えば、ビードブラストしたかその他の方法で粗面化した適切なツールで低屈折率面をエンボス加工する方法で、並びに、米国特許第5,175,030号(ルー(Lu)ら)及び同第5,183,597号(ルー(Lu))に記載されているように、適切な粗いマスターに対して組成物を硬化させることによって実現することができる。
マットな低及び高屈折率コーティングも、適切な寸法の粒子充填物、例えばシリカ砂又はガラスビーズを組成物に加えることによって作製することができる。このようなマットな粒子は典型的には、表面改質低屈折率粒子よりも実質的に大きい。例えば、その平均粒径は典型的に約1〜10ミクロンである。このようなマットな粒子の濃度は、少なくとも2重量%〜約10重量%以上であってよい。2重量%未満(例えば1.8重量%、1.6重量%、1.4重量%、1.2重量%、1.0重量%、0.8重量%、0.6重量%)の濃度では、その濃度は典型的には、所望の光沢低下(即ちヘイズ)をもたらすには不十分である。
さらに別の態様では、マットな反射防止フィルムは、マットなフィルムの基材上に高屈折率層と低屈折率(例えば表面)層をもたらすことによって作製することができる。代表的なマットなフィルムは、ジョージア州シーダータウン(Cedartown, GA)の米国キモトテック(U.S.A. Kimoto Tech)から商品名「N4D2A」で市販されている。
透明基板に含まれる、本明細書に記載の(例えば表示)物品の透過率は、典型的には少なくとも80%、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%である。さらに、ヘイズ値は典型的には5%未満、好ましくは2%未満、より好ましくは1.0%未満、又はさらには0.8%である。好ましい実施形態において、スチールウール耐久性試験に従って、重さ1kgで25回拭き取りした後のヘイズ値は1.0%未満である。さらに、光沢面の光沢は、ASTM D2457−03に従って60°で測定した場合、少なくとも130である。
マットな反射防止フィルムは典型的には、典型的な光沢フィルムよりも透過率が低く、ヘイズ値が高い。例えば、ヘイズ値は一般に、ASTM D1003に従って測定した場合、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、又は、10%である。一方、光沢面のヘイズ値は典型的には5%未満、4%未満、又は3%未満である。
ここで図1を参照すると、ハウジング14内で連結された光学ディスプレイ12を有する物品(ここではコンピューターモニター10)の斜視図が示されている。光学ディスプレイ12は、それによってユーザーがテキスト、グラフィックス又は表示情報を見ることができる実質的に透明な材料である。
ディスプレイパネルの場合には、表示基材12は光透過性であるが、それは、ディスプレイを見ることができるように光が表示基材12を透過することが可能であることを意味している。透明(例えば光沢)及びマット光透過性基材12の両方がディスプレイパネルにおいて使用される。表示基材12は、多種多様な非ポリマー材料、例えばガラス又はさまざまな熱可塑性及び架橋ポリマー材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、(例えばビスフェノールA)ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリオレフィン、例えば2軸配向ポリプロピレンのいずれかを含むか、又はそれから成ってよく、これらは様々な光学デバイスで一般に使用されている。
図2を参照すると、光ディスプレイ12は、高屈折率層22及び低屈折率層20の少なくとも一層を有する反射防止フィルム18を備えている。低屈折率層20は高屈折率層と画面との間に設けられる。図2に示されているように、低屈折率層20は典型的には周囲に露出している表面層である。
高屈折率層の屈折率は少なくとも約1.4、典型的には少なくとも約1.50、又は1.55、又は1.60以上である。屈折率の高い層の最大屈折率は、架橋された有機物質に分散された高屈折率無機粒子を有するコーティングでは、典型的には約1.75以下である。低屈折率層の屈折率は高屈折率層より低い。高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は典型的には少なくとも0.10、又は0.15、又は0.2以上である。低屈折率層の屈折率は、典型的には約1.5未満、約1.47未満、約1.45未満、又は約1.42未満である。低屈折率層の最小屈折率は一般には少なくとも約1.35である。
正反射を測定するために12℃オフ軸形状を使用して、メリーランド州コロンビア(Columbia, MD)のシマヅサイエンティフィックインスツルメンツ社(Shimadzu Scientific Instruments)から入手可能な直径50mmの積分球を装備した分光分析装置(付属品MPC−3100を有するモデルUV−3101 PC)で測定した場合、反射防止フィルムの平均反射率は、450nm〜650nmで3%未満又は2%未満である。
図3を参照すると、具体化された反射防止フィルム物品は、典型的には光透過性基材16を備えている。高屈折率層22は、フィルム基材16と低屈折率層20との間に配置される。
反射防止フィルムの代替として、表面保護層として低屈折率層20を単独で用いてもよい。このような実施形態において、低屈折率層20は、高屈折率層なしに光学基材12又はフィルム基材16に直接連結されてもよい。
一態様において、反射防止フィルムは、比較的薄い低屈折率層とともに比較的厚い高屈折率層を備える。高屈折率層の厚みは典型的には少なくとも0.5ミクロン、好ましくは少なくとも1ミクロン、より好ましくは少なくとも2ミクロンであり、典型的には10ミクロン以下である。低屈折率層の厚さは0.5ミクロン未満、好ましくは0.2ミクロン(即ち200ナノメートル)未満である。この実施形態は、追加のハードコート層のない状態で耐久性の高い反射防止フィルムを提供することができる。
さらに他の実施形態では、低屈折率層と高屈折率層の両方が比較的薄くてもよく、それぞれの層は少なくとも約50nm且つ0.5ミクロン未満(例えば0.2ミクロン未満)である。この実施形態、並びに低屈折率層及び/又は高屈折率層が表面改質無機粒子を含有しない実施形態では、反射防止フィルム物品はハードコート層を備えることが好ましい。ハードコート層は、結合剤マトリックス中に分散した(例えば表面改質)ナノメートルサイズの無機酸化物粒子を含有するのが好ましい。典型的には、ハードコートは、基材上に硬化性液体セラマー組成物をコーティングし、現場(in situ)で組成物を硬化させて硬化したフィルムを形成することにより形成される。適するコーティング方法はフルオロケミカル表面層の塗布のために前述した方法を含む。ハードコートに関する更なる詳細は、米国特許第6,132,861号明細書(カング(Kang)ら、‘861号特許)、第6,238,798号明細書(カングら、‘798号特許)、第6,245,833号明細書(カングら、‘833号特許)及び第6,299,799号明細書(クレイグ(Craig)ら、‘799号特許)に見い出すことができる。
個別に(例えば耐久性の高い)低屈折率層を用いる実施形態では、低屈折率層は、例えば最大約10ミクロンと実質的に厚くてもよい。
低屈折率層を個別に用いる実施形態では、ハードコート層は典型的には、基材と高屈折率層との間、又は基材と低屈折率層との間に設けられる。存在する場合、ハードコート層の厚みは典型的には少なくとも0.5ミクロン、好ましくは少なくとも1ミクロン、より好ましくは少なくとも2ミクロンである。ハードコート層の厚みは一般に25ミクロン以下である。好ましくは、厚みは3ミクロン〜5ミクロンの範囲である。
反射防止フィルムはその他の層を備えていてもよい。さまざまな永久接着剤組成物及び取り外し可能な接着剤組成物30をフィルム基材16の反対側に提供してもよい。感圧性接着剤を用いる実施形態では、反射防止フィルム物品は典型的には取り外し可能な剥離ライナー40を有している。ディスプレイ表面に適用する間に、反射防止フィルム物品が該ディスプレイ表面に接着することができるように剥離ライナーを取り外す。
好適な接着剤組成物としては、(例えば水素化)ブロックコポリマー、例えばテキサス州ウェストホロウ(Westhollow, TX)のクレイトン・ポリマーズ(Kraton Polymers)から市販されている商品名「クレイトン(Kraton)G−1657」、並びにその他の(例えば類似の)熱可塑性ゴムなどが挙げられる。他の例示的な接着剤としては、アクリルベース、ウレタンベース、シリコーンベース及びエポキシベース接着剤が挙げられる。時間とともに、又は屋外曝露時に接着剤が黄色化して光学ディスプレイの表示品質を低下させないように、好ましい接着剤は十分な光学的品質及び光安定性を有するものである。トランスファーコーティング、ナイフコーティング、スピンコーティング、ダイコーティング等のさまざまな既知のコーティング技術を使用して接着剤を適用することができる。代表的な接着剤は、米国特許出願公開第2003/0012936号に記載されている。このような接着剤のうちのいくつかは、3M社(3M Company)(ミネソタ州、セントポール(St. Paul))から、商品名8141、8142、及び8161として市販されている。
反射防止フィルム基材16は、一部分において、可撓性、寸法安定性及び耐衝撃性のような所望の光学的特性及び機械的特性に基づいて選択される。基材16は、任意の、光学ディスプレイ12と同じ熱可塑性及び架橋されたポリマー材料を含んでいてもよい。また、基材16は、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、エポキシ等を含むか、又はそれから成ってよい。加えて、基材16は、有機成分と無機成分の両方を有するハイブリッド材料を含んでもよい。フィルム基材16の厚みはまた、典型的には、使用目的によって決定する。大部分の用途に関しては、約0.5mm未満の基材の厚さが好ましく、より好ましくは約0.02〜約0.2mmである。自己支持性ポリマーフィルムが好ましい。押出及び押出フィルムの任意の1軸又は2軸配向によるなどの従来のフィルム製造技術を使用して、ポリマー材料をフィルムへと形成することができる。基材と隣接する層との間での接着を改善するために、例えば化学処置、コロナ処置、例えば空気若しくは窒素コロナ、プラズマ、火炎、又は化学放射線によって基材を処理することができる。所望であれば、層間接着を増大させるため、任意の連結層又はプライマーを基材及び/又はハードコート層に適用することができる。
フィルム基材として使用するのに好適な様々な光透過性光学フィルムが既知であり、多層光学フィルム、ミクロ構造フィルム、例えば再帰反射シート及び輝度増強フィルム、(例えば反射又は吸収)偏光フィルム、拡散性フィルム、並びに(例えば2軸)リターダーフィルム及びコンペンセーターフィルム、例えば2004年1月29日出願の米国特許出願公開第2004/0184150号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
米国特許出願第2003/0217806号に記載されているように、多層光学フィルムは、異なる屈折率のミクロ層を配置することによって、少なくとも部分的に、望ましい透過及び/又は反射特性をもたらす。これらのミクロ層の屈折率特性は異なっており、隣接し合うミクロ層の境界面で一部の光を反射するようになっている。フィルム体に所望の反射特性又は透過特性を付与するために、複数の境界面で反射する光が、強め合う又は弱め合う干渉を受けるように、ミクロ層は十分に薄い。紫外、可視又は近赤外波長で光を反射するように設計された光学フィルムに関して、各ミクロ層は一般的に約1μm未満の光学的厚さ(即ち屈折率を乗じた物理的厚さ)を有する。しかしながら、フィルムの外側表面における表皮層、又はミクロ層のパケットを分離するフィルム内に配置された保護境界層のような、より厚い層もまた含まれることができる。また積層体中で2枚以上のシートの多層光学フィルムを接合するために、多層光学フィルム体は1枚以上の厚い接着剤層を含むこともできる。
多層光学フィルム体の反射特性及び透過特性は各ミクロ層の屈折率と関係がある。各ミクロ層は、フィルムの少なくとも局在的な位置において、面内屈折率nx、ny、及びフィルムの厚み方向の軸と関連する屈折率nによって特徴付けることができる。これらの屈折率は、相互直交性のx軸、y軸、及び、z軸に沿って偏光する光に関する対象材料の屈折率を表す。実際には、屈折率は、賢明な材料選択及び加工条件によって制御される。典型的には、2つの交互のポリマーA、Bの数十又は数百の層を共押出しし、続いて任意に多層押出物を1つ以上のマルチプリケーションダイ(multiplication die)に通し、次いで押出物を延伸するか又は他の方法で配向させて最終フィルムを形成することによってフィルムを作製することができる。得られたフィルムは、典型的には数十又は数百の個々のミクロ層で構成されており、その厚み及び屈折率は、可視又は近赤外などの所望のスペクトル領域において1つ以上の反射バンドをもたらすように調整されている。妥当な数の層で高い反射率を達成するために、隣接ミクロ層では、x軸に沿って偏光した光に対する屈折率の差(δn)が少なくとも0.05であるのが好ましい。2つの直交する偏光に対して高反射率が望ましい場合には、隣接ミクロ層ではまた、y軸に沿って偏光した光に対する屈折率の差(δn)が少なくとも0.05であるのが好ましい。あるいは、ある1つの偏光状態の垂直入射光を反射し、直交性偏光状態の垂直入射光を透過する多層スタックを作製するために、屈折率差は0.05未満、好ましくは約0であることができる。所望に応じて、z軸に沿って偏光した光に対する隣接ミクロ層間の屈折率の差(δn)も、斜め入射光のp偏光成分に対する望ましい反射率特性を達成させるように調整することができる。
ポリマー多層光学フィルムの作製の際に用いることができる代表的な材料は、国際公開特許第99/36248号(ネービン(Neavin)ら)に見出すことができる。材料の少なくとも1種は、絶対値が大きい応力光学係数を有するポリマーであるのが望ましい。換言すれば、このポリマーは、延伸時に大きい複屈折(少なくとも約0.05、より好ましくは少なくとも約0.1又はさらには0.2)をもたらすのが好ましい。多層フィルムの用途に応じて、フィルム平面の2つの直交方向の間で、1つ以上の面内方向とフィルム平面に対して垂直な方向との間で、又は、これらの組み合わせで複屈折をもたらすことができる。未延伸ポリマー層の間の等方性屈折率が広く分離している特殊な場合では、依然として複屈折が望ましい場合が多いが、少なくとも1つのポリマーにおける大きい複屈折に対する選好性を緩和させることができる。このような特殊な場合は、2つの直交面内方向にフィルムを引く2軸プロセスを用いて形成される鏡面フィルム用及び偏光フィルム用のポリマーの選択の際に生じる場合がある。さらに、最終フィルムに所望の光学特性を付与するように、ポリマーが延伸後に複屈折を維持できることが望ましい。最終フィルムでは、少なくとも1方向での第2のポリマーの屈折率が、同一方向での第1のポリマーの屈折率と大きく異なるように、多層フィルムの他の層用に第2のポリマーを選択することができる。利便性のために、2種の別々のポリマー材料のみを使用し、押出プロセス中にそれらの材料を交互に配置し、交互層A、B、A、B等を作製することによってフィルムを作製することができる。しかしながら、2種のみの別々のポリマー材料を交互配置する必要はない。その代わり、多層光学フィルムの各層は、フィルムにおいて他では見られない独特の材料又はブレンドで構成することができる。好ましくは、共押出するポリマーは同一又は同様の融解温度を有する。
適切な屈折率差と適切な層間接着性との双方をもたらす代表的な2種類のポリマーの混合物としては、(1)主に1軸延伸によるプロセスを用いて作製する偏光多層光学フィルムについては、PEN/coPEN、PET/coPET、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/イースター(Eastar)(商標)、及び、PET/イースター(Eastar)(商標)が挙げられ、「PEN」はポリエチレンナフタレートを指し、「coPEN」はナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンドを指し、「PET」はポリエチレンテレフタレートを指し、「coPET」はテレフタル酸系コポリマー又はブレンドを指し、「sPS」はシンジオタクチックポリスチレンとその誘導体を指し、イースター(Eastar)(商標)は、イーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)から市販されているポリエステル又はコポリエステル(シクロヘキサンジメチレンジオール単位とテレフタレート単位が含まれていると考えられる)である、(2)2軸延伸プロセスのプロセス条件をうまく利用することによって作製される偏光多層光学フィルムについては、PEN/coPEN、PEN/PET、PEN/PBT、PEN/PETG、及び、PEN/PETcoPBTが挙げられ、「PBT」はポリブチレンテレフタレートを指し、「PETG」は第2のグリコール(通常はシクロヘキサンジメタノール)を用いているPETのコポリマーを指し、「PETcoPBT」はエチレングリコール及び1,4−ブタンジオールの混合物とテレフタル酸又はそのエステルとのコポリエステルを指す、(3)鏡面フィルム(着色鏡面フィルムも含む)については、PEN/PMMA、coPEN/PMMA、PET/PMMA、PEN/エクデル(Ecdel)(商標)、PET/エクデル(Ecdel)(商標)、PEN/sPS、PET/sPS、PEN/coPET、PEN/PETG、及び、PEN/THV(商標)が挙げられ、「PMMA」はポリメチルメタクリレートを指し、エクデル(Ecdel)(商標)はイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)から市販されている熱可塑性ポリエステル又はコポリエステル(シクロヘキサンジカルボキシレート単位、ポリテトラメチレンエーテルグリコール単位、及び、シクロヘキサンジメタノール単位が含まれていると考えられる)であり、THV(商標)は3M社(3M Company)から市販されているフルオロポリマーである。
適切な多層光学フィルム及びその関連構造のさらなる詳細については、米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)、並びに、国際公開特許第95/17303号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)及び国際公開特許第99/39224号(オウダーカーク(Ouderkirk)ら)に見出すことができる。ポリマー多層光学フィルム及びフィルム体には、それらの光学的特性、機械的特性、及び/又は、化学的特性に関して選択された追加の層及びコーティングを含めることができる。米国特許第6,368,699号(ギルバート(Gilbert)ら)を参照されたい。またポリマーフィルム及びフィルム体には、無機層、例えば金属又は金属酸化物コーティング又は層を含めることもできる。
高屈折率層内の光学フリンジ(optical fringing)を減少させる又は排除するために、反射防止フィルム基材は(例えば厚い)高屈折率層に近い屈折率を有することが好ましく、即ち、高屈折率層の屈折率との差が0.05未満、より好ましくは0.02未満であることが好ましい。あるいは、フィルム基材上に高屈折率のプライマーを設けることにより光学フリンジを排除又は減少させることができ、プライマーは高屈折率層の屈折率と厳密に一致するように選択される。
一実施形態では、高屈折率のプライマーコーティングを、表示基材表面又はフィルム基材のいずれかに、例えば約20nm〜80nmの範囲の厚さで塗布する。次に、ハードコート層、より好ましくは耐久性の高い高屈折率層を基材のプライマー処理された表面に適用する。PETのようなフィルム基材にコーティングすると、次の層として適用される高屈折率ハードコートの屈折率と厳密に一致する高屈折率コーティング(例えばRI〜1.67)となる。このことは、従来のアクリレートプライマーとの屈折率の不整合に起因するような干渉フリンジ(interference fringing)を低減するのに役立つ。
好適な高屈折率のプライマーは、(例えば高濃度の)高屈折率無機ナノ粒子を有する組成物から調製することができる。例えば、1種の好適なプライマー組成物は、約20重量%の(例えばアクリル系)ポリマー結合剤とともに約80重量%の表面改質高屈折率粒子を含んでもよい。これらの構造で用いる別の好適なプライマーコーティング材料は、住友大阪セメント株式会社より商品名「スミセファイン(Sumicefine)(商標)−AS−1」で入手可能である。この材料は、導電性のアンチモン含有酸化スズナノ粒子及びポリエステル結合剤を含有している水性分散液である。このコーティングはまた、コーティングされていないPETフィルムに比べて、PET基材フィルムへの高屈折率ハードコートの接着を改善するのに役立つ。最後に、アンチモン含有酸化スズナノ粒子は、高屈折率のハードコートを塗布した後、良好な帯電防止性能(電荷減衰期間は0.01〜0.02秒)を提供する。
さらに他の実施形態において、光学フリンジは、ハードコート又は耐久性の高い高屈折率層が適用される基材を粗面化することによって排除する又は低減することができる。基材表面は、例えば9ミクロン〜30ミクロンのマイクロ研磨材を用いて粗面化されてもよい。
本明細書に記載の低屈折率コーティング組成物及び反射防止フィルムは、光学ディスプレイ(「ディスプレイ」)に適用するのに適している。ディスプレイにはさまざまな照明式及び非照明式ディスプレイパネルが含まれる。そのようなディスプレイとしては、マルチキャラクター(multi-character)、特にマルチライン・マルチキャラクターディスプレイ例えば、液晶ディスプレイ(「LCD」)、プラズマディスプレイ、フロントプロジェクション及びリアプロジェクションディスプレイ、陰極線管(「CRT」)、看板、並びにシングルキャラクター又はバイナリーディスプレイ例えば発光管(light emitting tube)(「LED」)、信号ランプ、スイッチなどが挙げられる。
低屈折率コーティング及び反射防止フィルムは、さまざまな携帯用及び非携帯用情報ディスプレイ物品に用いることができる。これらの物品としては、PDA、液晶テレビ(ダイレクトライト及びエッジライトの両方)、携帯電話(PDA/携帯電話の組み合わせを包含)、タッチスクリーン、リストウォッチ、カーナビゲーションシステム、グローバルポジショニング・システム、深度探知機、計算機、電子ブック、CD及びDVDプレイヤー、プロジェクションテレビ・スクリーン、コンピューターモニター、ノート型パソコンディスプレイ、機器計器、及び機器パネルカバーが挙げられるがこれらに限定されない。これらの装置は、平面又は湾曲した表示面(viewing face)を有することができる。
反射防止物質は、例えばカメラレンズ、眼鏡レンズ、双眼鏡レンズ、鏡、再帰反射シート材、自動車窓ガラス、建築物窓ガラス、電車窓ガラス、ボート窓ガラス、航空機窓ガラス、車両ヘッドライト及びテールライト、ディスプレイケース、眼鏡、オーバーヘッドプロジェクター、ステレオキャビネットドア、ステレオカバー、ウォッチカバー、並びに光学及び光磁気録音ディスク等のようなさまざまな他の物品上で同様に使用することも可能である。
低屈折率コーティングはまた、さまざまな広告、販売促進、及び企業識別の用途に用いられる(例えば逆反射の)看板及び商業グラフィックディスプレイフィルムなどの、さまざまな他の物品に適用されてもよい。
好ましい実施形態の観点で本発明を説明してきたが、特に上記の教示を考慮すれば、当業者によって変更が行なわれる可能性があるため、当然ながら、本発明は好ましい実施形態に限定されないと理解すべきである。
フルオロアクリレートポリマー特性解析の解析試験方法
1.ゲル相クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー−10%ポリマー反応液の溶液約500mgを計量し、10.0mLのTHF中に希釈した。溶液を0.45ミクロンのシリンジフィルターに通し、GPC−SECで分析した。SECシステムを以下の条件で操作した。
Figure 0005341751
イージーカル(EasyCal)較正標準物質を調製してGPCに投入し、次にフルオロポリマー試料を投入した。3次多項式を標準物質の保持時間に合わせ、分子量対試料の保持時間の較正に使用した。
実施例で用いた成分
「HFPO−」は、実施例で用いる場合、別段の断りがない限りは、メチルエステルF(CF(CF3)CF20)CF(CF3)C(O)OCH3の末端基F(CF(CF3)CF20)CF(CF3)を指し、式中、aは平均すると約6.22であり、平均分子量は1,211g/モルである。米国特許番号第3,250,808号(ムーア(Moore)ら)で報告されている方法に従って調製し、分留で精製した。
米国特許出願公開第2005/0250921号、FC1/AM1の調製に記載されている手順に従って、HFPO−C(O)N(H)CHCHCHN(H)CHを調製した。
フリーラジカル重合可能な高フッ素多官能性物質
1.HFPO−TMPTAは、HFPO−C(O)N(H)CHCHCHN(H)CH(FC1/AM1)のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)とのマイケル付加体を指す。この付加体は、米国特許出願公開第2005/0250921号の実施例1で、FC1/AM1とAC−1(TMPTA)のモル比が約1:1の付加体、即ちFC1/AM1/AC1の調製について記載されているとおりに作製した。この付加体のフッ素含有率は52.02重量%であり、規格Mnは1563g/モルである。
2.C6DIACRYは、分子量が370.2g/モル、フッ素含有率が少なくとも40重量%である2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(一般に8F−HDDAと呼ばれている)の商品名であり、テキサス州ラウンドロック(Round Rock)のエクスフルオルリサーチ社(Exfluor Research Corporation)から得たものである。
3.「CN 4000」は供給元により屈折率が1.341であると報告された、ペルフルオロポリエーテルアクリレートオリゴマーの商品名であり、ペンシルベニア州エクストン(Exton, PA.)のサートマー社(Sartomer)から入手した。
ダロクア(Darocur)1173は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンという紫外線光開始剤の商品名であり、ニューヨーク州タリタウンのチバスペシャルティプロダクツ(Ciba Specialty Products)から得るとともに、入手した状態のままで用いた。
イルガキュア(Irgacure)184は1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンの商品名であり、ニューヨーク州タリタウン(Tarrytown, New York)のチバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手した。
ナルコ(Nalco)2327は、20nmのシリカナノ粒子の水分散体(水中固形分41%、アンモニアで安定化されている)の商品名であり、イリノイ州ネーパービル(Naperville)のナルコケミカル社(Nalco Chem. Co.)から入手した。
プロスタブ(Prostab)5198は、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(一般に4−ヒドロキシ−TEMPOと呼ばれている)の商品名であり、ニューヨーク州タリタウンのチバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手した。
3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランは、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill)のアルファエイサー(Alfa Aesar)から入手可能であり(ストック番号30505)、入手した状態のままで用いた。
4−(アミノメチル)ピペリジンは、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,WI)のシグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)から入手した。
SR351は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)の商品名であり、ペンシルベニア州エクストン(Exton, Pennsylvania)のサートマー社(Sartomer Company)から入手した。
SR399は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(分子量525g/モル)、非フッ素化多官能性(メタ)アクリレートモノマーの商品名であり、ペンシルベニア州エクストン(Exton, Pennsylvania)のサートマー社(Sartomer Company)から入手した。
SR444Cは、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、非フッ素化多官能性(メタ)アクリレートモノマーの商品名であり、ペンシルベニア州エクストンのサートマー社(Sartomer Company)から入手した。
バゾ(Vazo)52は、2,2’,−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、フリーラジカル熱開始剤の商品名であり、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington, Deleware)のデュポン(DuPont)から入手した。
米国特許出願第11/078468号(2005年3月11日出願)の優先権を主張している米国特許出願公開第2006/0204745号(2005年3月14日申請)に記載されている手順に従って、ZrOゾル(水中固形分40.8%)を準備した。米国特許出願第11/079832号及び同第11/078468号に記載されている光相関分光法(Photo Correlation Spectroscopy)(PCS)、X線回折(X-Ray Diffraction)、及び、熱重量分析によって、得られたZrOゾルを評価した。実施例で用いたZrOゾルには、以下に示した範囲内の特性が備わっていた。
Figure 0005341751
Figure 0005341751
表面改質ジルコニアナノ粒子
9.3kg(20.4ポンド)の10nmのジルコニアナノ粒子の水性分散液(固形分40.8%で水に分散)を38L(10ガロン)の反応槽に加えた。追加の水5.9kg(12.9ポンド)及び1−メトキシ−2−プロパノール15kg(33.3ポンド)を攪拌しながらこの反応槽に加えた。3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン1.1kg(2.5ポンド)を攪拌しながらこの反応槽にゆっくり加えた。プロスタブ(Prostab)5198の5%水溶液9.5g(0.021ポンド)を攪拌しながらこの反応槽に加えた。この混合物を80℃で18時間攪拌した。
反応混合物を真空下(3.2kPa(24トール)〜5.3kPa(40トール))で加熱し、追加の1−メトキシ−2−プロパノール32kg(70.5ポンド)をゆっくり加えながら1−メトキシ−2−プロパノール/水共沸混合物を留去して、実質的にすべての水を除去した。30%の水酸化アンモニウム0.2kg(0.4ポンド)を反応混合物に加えてから、1−メトキシ−2−プロパノールを留去することによってこの反応物を固形分59.2%に濃縮した。この表面改質反応によって、1−メトキシ−2−プロパノール中に表面改質ジルコニア(ZrO−SM)が5.92重量%含まれている混合物を得た。最終混合物を1ミクロンのフィルターで濾過した。
高屈折率配合
ハードコート配合を高屈折率配合として次のように調製した。246.6グラムの2−ブタノン(EMDケミカルズ(EMD Chemicals))、94.1グラムのSR399、及び16.1グラムのイルガキュア(Irgacure)184を2Lの遮光ビン(amber jar)に加えた。均質になるまで混合物を振って混ぜ合わせた。735.1グラムのZrO−SM(固形分59.2%で2−メトキシ−1−プロパノールに分散)を混合物にゆっくりと加え、均質になるまで静かに混合した。50固形分重量%を含有する組成物を得た。最終混合物を0.45ミクロンフィルターで濾過し、続いて0.20ミクロンミクロンフィルターで濾過した。
表面改質シリカナノ粒子
ナルコ(Nalco)2327、305グラムを1リットルの反応フラスコに加えた。1−メトキシ−2−プロパノール486グラムを攪拌しながらこの反応槽に加えた。3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン19.38グラムを攪拌しながらこの反応槽にゆっくり加えた。プロスタブ(Prostab)5198の5%水溶液0.15グラムを攪拌しながらこの反応槽に加えた。この混合物を18時間、90℃で攪拌した。
反応混合物を真空下で加熱し、いずれか必要な分だけ1−メトキシ−2−プロパノールを加えながら1−メトキシ−2−プロパノール/水共沸混合物を留去して、実質的にすべての水を除去した。この表面改質反応によって、1−メトキシ−2−プロパノール中に表面改質シリカ(シリカ(Silica)20)が40重量%含まれている混合物を得た。
フルオロアクリレートポリマー中間体A1
以下のように超分岐コポリマーを生成させた。C6DIACRYを17.01グラム、CN4000を8.51グラム、SR399を2.84グラム、HFPO−TMPTAを1.70グラム、エチルアセテートを241.02グラム、メチルエチルケトンを25.52グラム、メチルエチルケトン中に事前に溶解させたバゾ(Vazo)52を3.40グラム、反応槽の中に入れた。まずHFPO−TMPTAをCN4000に加えてから、残りの試薬を加えるのが好ましい。
この反応槽の内容物を窒素下で脱気させてから、密閉ボトル内で1〜1.5時間、80℃に加熱した。分子量が過度になったり、反応内容物をゲル化させたりしないように注意しなければならない。反応混合物内の反応種の濃度、反応温度、及び、反応時間は全て、確実にこの結果を得られるように選定したが、異なる反応種を用いる場合には、これらの条件の1つ以上を調整する必要があるだろう。
上記の試験法に従って、ゲル相クロマトグラフィー(Gel Phase Chromatography)/サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography)によって得られたフルオロアクリレートポリマー中間体溶液を分析した。図4に、得られたクロマトグラフを示してある。
フッ素化アクリレートモノマー(B)
フッ素化アクリレートモノマーが組み込まれているモノマー混合物溶液を以下のように調製した。39.79グラムのC6DIACRY、13.14グラムのCN4000、22.52グラムのSR399、45.05グラムの固体を生成させるのに十分な量の表面改質シリカ分散体(共沸混合物を除去した後のシリカ分散体の固形分は典型的に35〜55%であった)、及び4.50グラムのダロクア(Darocur)1173(光開始剤)をそれぞれ別々にメチルエチルケトン中に溶解させ、10重量%の溶液又は分散液を生成させた。続いて、最初の3つの溶液を指示された順番で混合し、モノマーがよく混ざってからシリカナノ粒子を加えるようにし、最後にダロクア(Darocur)1173を加えた。
低屈折率配合1(A1+B)
フッ素化アクリレートモノマー組成物1250グラムを容器の中に入れ、シリカが凝集しないように十分に混ぜながら、固形分濃度10%のフルオロアクリレートポリマー中間体組成物300グラムを慎重に加えた。この調製作業から1週間以内に、低屈折率配合物のコーティングを行った。
反射防止フィルム1の調製
1.高屈折率層のコーティング及び硬化
ジルコニアナノ粒子(任意に1ミクロンフィルターで濾過し、続いて0.2ミクロンフィルターで濾過する)を含有する高屈折率配合物を、127マイクロメートル(5ミル)のPETフィルム(デュポン(Dupont)より入手)のプライマー処理されていない表面上に9メートル/分(30fpm)でコーティングした。溶液を10cm(4インチ)幅のコーティングダイに12.45cc/分でシリンジポンプした。コーティングを、それぞれ120℃に設定された2つの3メートル(10フィート)のオーブンを通過させて乾燥した。次にコーティングを、ライトハンマー(Light Hammer)6UV源(フュージョンUVシステムズ社(Fusion UV Systems, Inc.)、ゲイサーズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド州)を用いて、25%出力、窒素下で、部分的に硬化した。得られた部分的に硬化した高屈折率層の厚みは約4ミクロンであった。
2.低屈折率層のコーティング及び硬化
低屈折率配合物を部分的に硬化した高屈折率層の上にコーティングした。設計波長550nmに近い反射曲線で1次の最小を有することが望ましい。これを達成するために、低屈折率のコーティングが乾燥時に90〜100nmの厚みを有することを目標とした。
3.低屈折率配合のコーティングを、ウェブコーターの上で又は巻き線型(wire-wound)コーティングロッド(メイヤーロッド(Mayer rod))によって実行した。巻き線型ロッドを使用する場合、蒸発ストリークを防止するために、沸点の高い溶媒である0〜10%のシクロヘキサノンを含有するMEKを用いて、10%固形分溶液を総固形分が3%又は5%になるまで希釈した。コーティングの分野で既知の標準的な方法を用いた。例えば、5%溶液を#2.5メイヤーロッドで迅速に一引きしてコーティングし、3%溶液を#5メイヤーロッドで迅速に一引きして又は#4メイヤーロッドでゆっくり一引きしてコーティングした。
低屈折率層コーティングを室温で、コーティング溶媒に応じて1〜10分間空気乾燥した。
高屈折率層の上にコーティングされた低屈折率層は、次に、前述のライトハンマー(Light Hammer)6を用いて、100%出力、3メートル/分(10fpm)、窒素下で光硬化した。
反射防止フィルムの表面試験法
接触角度−硬化済み低屈折率層の表面を、水とヘキサデカンの接触角度の測定に供する前に、IPAの中で、手で攪拌して1分間すすいだ。マサチューセッツ州ビルリカ(Billerica, MA)のミリポア・コーポレーション(Millipore Corporation)から得た濾過システムを通して濾過した、購入したままの試薬グレードのヘキサデカン(アルドリッチ(Aldrich))及び脱イオン水を用い、マサチューセッツ州ビルリカ(Billerica, MA)のAST・プロダクツ(AST Products)製商品番号VCA−2500XEとして入手可能なビデオ接触角分析計により、測定を行った。報告する値は、液滴の右側及び左側で測定された少なくとも3滴の測定値の平均であり、これは表2に示される。液滴体積は静止測定に関して5μLであり、前進及び後退に関して1〜3μLであった。ヘキサデカンの場合には、前進接触角及び後退接触角のみを報告しているが、その理由は、静止接触角と前進接触角がほぼ同じであることが見出されたからである。
スチールウール耐久性試験(スチールウール耐久性試験)
硬化済みフィルムの磨耗耐性は、スタイラスに固定されているスチールウールシートを、フィルム表面を横断するように振動させることができる機械装置を用いることによって、コーティング方向に対してクロスウェブにテストした。スタイラスは、60mmの掃引幅、210mm/秒(毎秒3.5回の拭き取り)で振動させたが、この場合の「拭き取り」とは、1工程60mmとして定義する。スタイラスは平坦な円筒型の形状をしており、その直径は3.2cmであった。スタイラスは、おもりを固定するように設計されており、フィルム表面に対して垂直なスチールウールから加わる力を増大させる。スチールウールシート#0000は、ミズーリ州フルトンのハットプロダクツ(Hut Products)から入手可能な「マジックハンド−サンディングシート(Magic Sand-Sanding Sheets)」であった。#0000の規定グリット同等物は600〜1200グリットのサンドペーパーである。3.2cmのスチールウールディスクをサンディングシートからダイカットし、3Mブランドのスコッチパーマネントアドヒーシブトランスファーテープ(Scotch Permanent Adhesive Transfer tape)で3.2cmのスタイラス基部に固定した。500g又は1kgのおもりによって、以下に示す数の拭き取りをテスト中に用いて、各例に対して1つの試料をテストした。続いて、試料のひっかき傷について目視検査した。撥インク性と接触角度も評価した。
撥インク性
スチールウールでこすった後、続いて表面に永久サインペン(商標名「シャーピー(Sharpie)」、イリノイ州オークブルック(Oakbrook, IL)のサンフォード社(Sanford Corp.))で印をつけた。ペンをフィルムに対して垂直な角度からできるだけ遠い角度で持ち、サインペンの先端の幅が広い側面をしっかりと押し付け、試験試料のスチールウールでこすった表面と手つかずの表面の両方に対して滑らせた。試験試料の手つかずの部分の上のインクの印は、典型的には約1mmの寸法の小さなビーズ又は液滴の一続きにディウェットした。スチールウールでこすった領域のインクの挙動が表面の手つかずの領域と実質的に同じである場合、試験試料は撥インク性試験をパスすると言われている。
反射防止フィルム1の試験結果
低屈折率配合1で作製された硬化済みフィルムのほとんどの試験試料は、スチールウール耐久性試験による300回拭き取り後にひっかき傷を示さなかった。
低屈折率配合1で作製された硬化済みフィルムのほとんどの試験試料は、スチールウール耐久性試験による300回拭き取り後に撥インク性試験をパスした。一部の試料は400回の拭き取りで破損の発生を示した。
低屈折率配合1で作製された硬化済みフィルムの前進接触角度及び静止水接触角度は、スチールウール耐久性試験前にはそれぞれ112°と102°であった。スチールウール耐久性試験において300回拭き取りした後、対応する接触角度は111°と102°であった。400回の拭き取り後、対応する接触角度はなお111°と102°であった。500回の拭き取り後、対応する接触角度は106°と97°であり、この高水準のスチールウール試験で実施例1の硬化済みのコーティングされたフィルム試料に損耗の発生が始まることを示している。
反射防止フィルム1の反射率を評価及び測定した結果、約450nm〜650nmの範囲の波長では平均前側表面反射は2%未満であった。
フルオロアクリレートポリマー中間体A2
以下のように超分岐コポリマーを生成させた。C6DIACRYを1.200グラム、エチルアセテートを8.50グラム、及びバゾ(Vazo)52を0.120グラム反応槽の中に入れた。
反応は、実施例1のフルオロアクリレートポリマー中間体の合成で用いたのと同様の方法で実施された。反応生成物中に沈殿又はゲル化は観察されなかった。
低屈折率配合及びコーティング(A2+B)
1.0グラムのフルオロアクリレートポリマー中間体2を前述のフッ素化アクリレートモノマー4.2グラムと混合した。これを前述と同じやり方で3%固形分に希釈し、得られた溶液を#5メイヤーロッドでコーティングし、前述のように同一基材(高屈折率層を有するPETフィルム)の上で硬化した。
コーティングは少数のディウェット又はコーティング均一性におけるその他の小さな不規則性を示したが、品質は適正であった。硬化済みフィルムは良好な撥インク性を示した。硬化済みコーティングを有するフィルムをスチールウール耐久性試験に従ってスチールを300回拭き取りに供した。スチールウール処理後にも、観測可能な撥インク性が残っていた。コーティングの品質は、1.0グラムのフルオロアクリレートポリマー中間体2を除外したことを除いて、同様に作られた対照よりも視覚的により均一であった。
フルオロアクリレートポリマー中間体A3
フルオロアクリレートポリマー中間体中の1.200グラムのCN 4000を1.200グラムのC6DIACRYと置き換えたこと以外、フルオロアクリレートポリマー中間体実施例2の条件を繰り返した。わずかなコーティング品質の不良が少数のディウェットではなくわずかな斑点となって現れた以外は、結果は全てほぼ同じであった。
フルオロアクリレートポリマー中間体4〜12の合成
表1に記載の全成分を次のとおりにバイアル瓶の中で混ぜ合わせ、窒素で1分間パージし、次いで密封したバイアル瓶を80℃で1時間加熱して試料を作製した。
Figure 0005341751
マイケル付加物1の合成
50mLの丸底フラスコに電磁攪拌棒を装備し、N雰囲気下で1g(0.00270モル)の8F−HDDAを充填し、続いて室温で0.0793g(0.00090モル)のN−メチル−1,3−プロパンジアミン(マサチューセッツ州ワードヒル(Wardhill, MA)のアルファエイサー(Alfa Aesar)から購入)を滴下して加えた。反応は発熱であり、室温で30分攪拌させた。反応混合物を55℃で3時間加熱した。加熱を中止し、試料を取り出し、H NMRで分析した。定量的収率で得た生成物を例えば配合に使用した。
マイケル付加物2の合成
10mLの丸底フラスコに電磁攪拌棒を装備し、2.59g(0.0070モル)の8F−HDDAを充填し、続いて、室温で約9分以上かけて、0.20g(0.00175モル)の4−(アミノメチル)ピペリジンを100マイクロリットルの注射器から3アリコート滴下して加えた(比率4:1)。フラスコを55℃の浴槽に定置し、窒素下で3時間攪拌した。物質の試料をH NMRで分析し、生成物はさらに改質することなく配合に使用された。
低屈折率コーティング組成物の調製:
低屈折率コーティング組成物2〜11を、それぞれの成分がMEK中の3%固形分である表2に示す成分で調製した。左列から右列の順番で添加された。物質を完全に混合するために、この配合を振盪又は超音波処理した。
低屈折率層のコーティング
表2の組成物を、#4コーティングロッドを使用して高屈折率のハードコート(HIHC)(25%UV、9メートル/分(30fpm))の上にコーティングした。1次の最小反射(最小%R)が550nm(即ち95nmの均一の厚さ)となることを目標とした。コーティングを紫外線硬化した(100%紫外線硬化500ワットH型バルブ、N、3メートル/分/2パス(10fpm/2パス)で低屈折率のコーティングを硬化した)。
得られた反射防止フィルムスチールウール試験の結果を表3に示す。
Figure 0005341751
Figure 0005341751
以下に、本願発明に関連する発明の実施形態を列挙する。
実施形態1
A)
i)フッ素含有率が少なくとも25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、の反応生成物を含むフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体であって、
多官能性物質の総量が、重合可能な有機組成物の固形分重量%を基準として、少なくとも約25重量%である、フリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体と、
B)少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質と、を含む、重合可能な有機組成物の反応生成物を含む低屈折率層と、
該低屈折率層に連結された高屈折率層と、を含む、反射防止フィルム。
実施形態2
前記低屈折率層がA)とB)との共重合生成物を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態3
前記低屈折率層がB)の重合生成物を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態4
前記低屈折率層の屈折率が1.50未満であり、前記高屈折率層の屈折率が前記低屈折率層より少なくとも0.10高い、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態5
A)、B)、又はこれらの混合物が表面改質無機ナノ粒子をさらに含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態6
B)のフッ素含有率が少なくとも約25重量%である、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態7
前記重合可能な有機組成物の少なくとも約50重量%が、フッ素含有率が少なくとも25重量%であるフリーラジカル重合可能な物質を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態8
A)、B)、又はこれらの混合物が、少なくとも3個のフリーラジカル重合可能な基を有する少なくとも1種の架橋剤をさらに含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態9
前記(メタ)アクリレート架橋剤がフッ素化されていない、実施形態8に記載の反射防止フィルム。
実施形態10
前記(メタ)アクリレート架橋剤が、少なくとも約10重量%の総量で存在する、実施形態9に記載の反射防止フィルム。
実施形態11
フッ素含有率が0〜25重量%未満の範囲である物質が、30重量%未満の前記重合可能な有機組成物を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態12
前記フリーラジカル重合可能な物質が(メタ)アクリル物質を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態13
前記フリーラジカル重合可能な物質が、(メタ)アクリレート物質を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態14
前記フリーラジカル重合可能な物質が、フルオロアルキル物質、フルオロアルキレン物質、及びフルオロポリエーテル物質から選択される、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態15
i)、B)、又はこれらの混合物が、少なくとも1種のフルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態16
前記フルオロポリエーテル(メタ)アクリレート化合物がHFPO−部分を含む、実施形態15に記載の反射防止フィルム。
実施形態17
前記フルオロポリエーテル化合物が、反応性フルオロポリエーテルとマルチ−(メタ)アクリレートとのマイケル付加物である、実施形態15に記載の反射防止フィルム。
実施形態18
前記フルオロポリエーテル化合物が、反応性フルオロポリエーテルマルチ−(メタ)アクリレートとアミン化合物とのマイケル付加物である、実施形態15に記載の反射防止フィルム。
実施形態19
A)、B)、又はこれらの混合物が、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な一官能性物質を含む、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態20
前記一官能性物質のフッ素含有率が少なくとも25重量%である、実施形態19に記載の反射防止フィルム。
実施形態21
A)が一官能性物質を含まない、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態22
前記高屈折率層が金属又は金属酸化物物質から成る、実施形態1に記載の反射防止フィルム。
実施形態23
有機溶媒に溶解又は分散されたフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマーを少なくとも5重量%含む低屈折率組成物であって、該ポリマーが、
i)フッ素含有率が少なくとも約25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
の反応生成物を含み、該多官能性物質の総量が固形分重量%を基準として、少なくとも25重量%である、低屈折率組成物。
実施形態24
前記ポリマーが少なくとも約10固形分重量%の濃度で存在する、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態25
前記有機溶媒がフッ素化されていない、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態26
前記組成物が少なくとも二峰性の分子量分布を有する、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態27
前記組成物が、1,000,000g/モルを超えるポリスチレン換算分子量(equivalent Mw)を有する反応生成物を少なくとも10重量%含む、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態28
前記組成物が、約5,000g/モル〜1,000,000g/モルの範囲のポリスチレン換算分子量を有する反応生成物を約20重量%含む、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態29
未反応のフリーラジカル重合可能な物質をさらに含む、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態30
前記組成物が少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な一官能性物質を含む、実施形態23に記載の低屈折率組成物。
実施形態31
前記一官能性物質のフッ素含有率が少なくとも25重量%である、実施形態23に記載の反射防止フィルム。
実施形態32
A)
i)フッ素含有率が少なくとも約25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、を溶液重合してフリーラジカル重合可能なポリマー中間体組成物を提供する工程であって、
該多官能性物質の総量が、固形分重量%を基準として少なくとも25重量%である工程と、
B)該ポリマー中間体組成物を少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質と混合する工程と、
C)B)の組成物を高屈折率層の上にコーティングする工程と、
D)B)の該コーティングされた組成物を光硬化する工程と、を含む、反射防止フィルムの製造方法。
光ディスプレイを有する物品の斜視図。 低屈折率層を有する具体化された反射防止フィルムを示す、図1の切断線2−2における物品の断面図。 具体化された反射防止フィルム物品。 本明細書に記載のフルオロ(メタ)アクリレートポリマー中間体を含む6種類の例示的な溶液のゲル相クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー。

Claims (5)

  1. i)フッ素含有率が少なくとも25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
    ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、の反応生成物を含み、
    多官能性物質の総量が、重合可能な有機組成物の固形分重量%を基準として、少なくとも約25重量%である、超分岐構造を有するフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマー中間体A)と、
    なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質B)と、を含む、重合可能な有機組成物の反応生成物を含む低屈折率層と、
    該低屈折率層に連結された高屈折率層と、を含む、反射防止フィルム。
  2. 成分A)、成分B)、又はこれらの混合物が表面改質無機ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 有機溶媒に溶解又は分散された超分岐構造を有するフリーラジカル重合可能なフッ素化ポリマーA)を少なくとも5重量%含む低屈折率組成物であって、
    i)フッ素含有率が少なくとも約25重量%である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
    ii)任意に、フッ素含有率が0重量%〜25重量%未満である少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な多官能性物質と、
    の反応生成物を含み、官能性物質の総量が固形分重量%を基準として、少なくとも60重量%である、前記超分岐構造を有するフッ素化ポリマーA)、および
    少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なフッ素化物質B)、を含む、
    低屈折率組成物。
  4. 前記組成物が、1,000,000g/モルを超えるポリスチレン換算分子量(equivalent Mw)を有する反応生成物を少なくとも10重量%含む、請求項3に記載の低屈折率組成物。
  5. 前記組成物が、約5,000g/モル〜1,000,000g/モルの範囲のポリスチレン換算分子量を有する反応生成物を約20重量%含む、請求項3に記載の低屈折率組成物。
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