JP3760669B2 - ハードコートシートとその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シート状基材に優れた防曇性、防汚性、ハードコート性を兼ね備えた塗膜層を形成させたハードコートシート及びその製造方法に関する。本発明の方法は、含フッ素単量体と、親水性アクリル系単量体と、疎水性アクリル系単量体と溶剤からなる組成物をシート状基材に塗布し、直ちに電子線を照射してハードコートシートを製造するものである。本発明は、簡単且つ安定した手段、工程により、基材上にハードコート層を形成させることができる。この方法によって製造されたハードコートシートは防曇性、防汚性、ハードコート性、耐擦傷性に優れている。
【0002】
【従来の技術】
表面に傷が付いたり、汚れが付着するのを嫌う材料は数多い。例えば建築材料、インテリア材料、包装材料など、極めて広範囲の技術分野の材料に見ることができる。例えばガラスやプラスチックでできたショーケース、鏡、フィルム、装飾箱、床タイル、眼鏡、ランプカバーなどである。材料の表面をいつまでも美しく保つための加工を必要とする産業分野は極めて広い。シート状材料の表面を美しく保つための保護処理として、従来より防汚加工及びハードコート加工があることはよく知られている。
【0003】
防汚加工というのはシートの表面に撥水性・撥油性などの性質を付与することにより汚れ難くし、或いは汚れても容易に取り除くことができるようにするものである。シートが汚れ難く汚れが容易に除去できるという性質は防汚性と呼ぶ。防汚加工はシートの防汚性を高める加工である。
【0004】
ハードコート加工というのは表面に硬質の塗膜を形成し傷つき難くするものである。これは表面を硬化するものである。塗膜が傷つき難いという性質はハードコート性という。また同じ事を耐擦傷性ということもある。撥水性撥油性を属性とする防汚性と、表面硬化を属性とする耐擦傷性には直接の相関はない。
【0005】
さらにシートには柔軟性も要求されることがある。ハードコート性(耐擦傷性)が高すぎると剛性が高くなる。衝撃や曲げ応力によって割れ易くなる。だから柔軟に撓むという性質も必要である。柔軟性は耐擦傷性と相反する傾向にある。
【0006】
また、一般にフィルム、ガラス、鏡やレンズ等が多湿の雰囲気或いは温度差の著しい状態に置かれると、結露して曇が生ずる。曇がつくと不透明になり鏡、ショーケース等の場合は不都合である。曇を防ぐ性質を防曇性という。曇を防ぐ必要がある場合は、例えば防曇フィルムと呼ばれるものを、シート部材に張りつけるということが行われる。従来から用いられる防曇フィルムは、界面活性剤を塗布したフィルムである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
防汚性と耐擦傷性をシート基材に賦与する加工方法として、本発明者らはすでに▲1▼特願平5−23529号(特開平6−211945号)「ハードコートシートとその製造方法」(発明者:中井康二、向井貞喜、出願人:日新ハイボルテージ株式会社)に記載されている方法を考案した。これは、
【0008】
甲:アルキルフルオロアクリレート
乙:甲と相溶性がなく、3個以上の官能基を有するアクリル単量体を50%以上含むアクリル系単量体
丙:甲と乙を溶かす溶剤
を、甲/(甲+乙)=0.005〜0.1、丙/(甲+乙)=0.1〜0.5に混合した混合組成物をシート状基材に塗布し、直ちに電子線照射をして溶剤蒸発塗膜硬化させる方法である。つまり乙は、官能基が1、2であるアクリル単量体を50%未満、官能基3以上のアクリル単量体を50%以上含む。
【0009】
含フッ素単量体であるアルキルフルオロアクリレート甲はフッ素原子を持ち防汚性を賦与することができる。ところが、これは極めて高価な材料であり大量に使用するのは好ましくない。防汚性は表面の性質であり甲は表面だけに局在すればよい。乙の単量体を使用するのはアルキルフルオロアクリレート甲を表面に押し出し表面に局在させるためである。アルキルフルオロアクリレート甲と相溶性のないアクリル単量体乙は硬化の瞬間に甲を表面に押し退ける。だからアルキルフルオロアクリレート甲は表面だけに存在する。硬化後は表面だけに残るから甲は(甲+乙)の全体に対し0.5%〜10%でよい。高価な材料を節減できる。官能基が結合を形成するから官能基数が多いと堅固な結合体となる。そこで乙は官能基が3以上のアクリル単量体を50%以上含むものとしている。官能基数の多い乙の存在がハードコート性(耐擦傷性)をシート状基材に与えている。
【0010】
甲と乙は相溶性が無いからそのままでは混合できず溶剤が必要である。甲と乙の両方に相溶性を有する溶剤丙を用いる。甲+乙+丙の混合液を塗布し自然乾燥すると溶剤丙が内部に残留し甲も内部に残るから防汚性が不完全である。瞬時に溶剤を蒸発させ残留させないように電子線照射を行う。好ましい電子線量は1〜10Mradとしている。優れた発明であった。
【0011】
この方法にも欠点がある。防汚性を発揮する材料であるアルキルフルオロアクリレートの配合量が0.5〜10重量部(%)も必要だということである。アルキルフルオロアクリレートは、非常に高価である。経済性を考えるとアルキルフルオロアクリレートを極力少なくすることが望ましい。また、0.5部以上配合しているにもかかわらず、その防汚性は汚れの種類によっては、容易に取り除くことが困難であった。
【0012】
また、多官能アクリレート(官能基数N≧3)の配合量が多い(50%以上)ので、ハードコート性の特徴である耐擦傷性は優れているが、硬化塗膜が硬すぎるという難点がある。ために塗膜を含むシート状基材を折り曲げると硬化塗膜が割れやすいという欠点があった。
【0013】
次に防曇性について述べる。従来から防曇性を高めるために界面活性剤を塗布したフィルムを張り付ける方法があった。しかし界面活性剤は雨などで簡単に流出し短時間で消失するから防曇性はほんの一時的なものである。そこで恒久的な防曇性を与えるため、本発明者は特願平5−79942号「防曇性フィルムおよびその製造方法」(発明者:中井康二、向井貞喜、出願人:日新ハイボルテージ株式会社)に記載されている方法を考案した。
【0014】
α:アクリル酸カリウム水溶液
β:エチレン性不飽和結合を一個有する親水性化合物
γ:官能基を3個以上有するアクリル単量体
よりなり、α:β:γ=10〜50:20〜60:10〜50(重量%)の比率で含まれる混合組成物を、シート状基材に塗布して、電子線を照射して混合組成物を硬化させるというものである。食品包装材料、ビニールハウス、自動車窓、建築物、窓、浴場窓などのガラス、写真機、双眼鏡レンズなどに対してこのような処理を行うことによって防曇性を賦与することができる。
【0015】
3つの成分の役割は相補的である。官能基3個以上有するアクリル単量体γは結合点が多いので被膜表面の硬度を高めることができる。しかし、これが多すぎると防曇性は低下する。アクリル酸カリウム水溶液αは防曇性を与えるものであり、これが10重量%未満では防曇性が不十分である。反対にαが50%を越えるとγが減るので硬度が低下する。それではβは何をしているかというと、これはα、γを仲介するためである。アクリル酸カリウム水溶液αはアクリル単量体γと混合できない。そこでエチレン性不飽和結合を一個以上有する親水性化合物βを加えて両者を混合させる。βはαとも、γとも任意の割合で混合できる。親水性化合物βは20〜60重量%含むべきである。この他に溶剤を用いても良い。溶剤を使う場合は、α、β、γを溶解できるものを選ぶ必要がある。電子線によって混合物を一挙に硬化させるが、電子線の加速電圧は150kV〜300kVであり、線量は1〜10Mradの程度であった。
【0016】
本発明の第1の目的は、防汚性を発揮する材料であるアルキルフルオロアクリレートの配合量を少なくして、且つ優れた防汚性と耐擦傷性と柔軟性及び防曇性を兼ね備えたハードコート塗膜層を有するシートの製造方法を提供することである。本発明の第2の目的は防汚性、耐擦傷性、柔軟性、防曇性に優れたより低価額のハードコートシートを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シート状基材の表面に、アルキルフルオロアクリレートの配合量を少なくして、且つ優れた防汚性と耐擦傷性と柔軟性及び防曇性を兼備した加工方法について鋭意研究した。そして、アクリル単量体の硬化塗膜を主体とし、その表面に含フッ素単量体であるアルキルフルオロアクリレートの硬化物を共重合の形で偏在せしめた構造の硬化塗膜を電子線照射によってシート状基材の表面に形成させることで達成し得るのではないかと推測した。その手段として、後述するところの諸限定条件の下で、微量のアルキルフルオロアクリレートと、これと相溶性のない親水性アクリル単量体、及び疎水性多官能アクリル単量体を主体とするアクリル単量体及びこれらに対しそれぞれ相溶性のある溶剤との混合組成物をシート状基材に塗布し、直ちに電子線を照射し、溶剤の蒸発と塗膜硬化を同時に起こさせることにより、初めて課題が解決し得ることを見いだしたものである。
【0018】
本発明の防曇性と防汚性に優れたハードコートシートの製造方法は、次の四つの成分、
A:アルキルフルオロアクリレート、
B:前記Aと相溶性がなく、且つ疎水性で官能基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも10%含むアクリル系単量体、
C:前記Aと相溶性がなく、且つ親水性のアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単量体、
D:前記A、B、Cとそれぞれ相溶性を有する溶剤、
からなり、前記A:B:Cの比率が、0.05〜1:49.95〜10:50〜89.95、前記A、B、Cの総量対Dの比率が、95〜50:5〜50である混合組成物をシート状基材の上に1〜15μmの厚さに塗布し、直ちに電子線を照射することにより、前記混合組成物中の溶剤の蒸発と前記シート状基材上の塗膜の硬化を同時に起こさせることを特徴とするものである。
【0019】
図1に4つの成分の関係を簡明に示す。アルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル系単量体B、親水性アクリル系単量体C、溶剤Dを4点に示す。防汚性の主体となるのはフッ素を含む単量体であるアルキルフルオロアクリレートAである。これは防曇性についても優れた効果がある。従来例として述べた▲1▼(特開平6−211945号)は防汚性確保のためにアルキルフルオロアクリレートを0.5〜10重量%必要とした。高価なアルキルフルオロアクリレートAの量を減らすことが本発明の目的の一つであった。ここではAの量を0.05〜1まで低下させている。つまり約1/10に減らしているのである。▲1▼ではアクリル単量体は疎水性親水性をとわず1種類だけであったが、本発明では、疎水性アクリル系単量体Bと、親水性アクリル系単量体Cの2種類のアクリル単量体を要求する。アルキルフルオロアクリレートAと疎水性アクリル系単量体Bは相溶性がない。アルキルフルオロアクリレートAと親水性アクリル系単量体Cも相溶性がない。相溶性の無い物ばかりの組み合わせでは混合物にならない。そこでこれら3者をともに溶かすことのできる溶剤Dを用いてこれらを溶解する。溶剤が5%より少ないと3つの材料が溶解しないし、50%以上であると電子線照射によっても溶剤が残留することもあるので溶剤の量は5〜50%とする。
【0020】
Aと、B+Cとは相溶性がないので電子線照射によって硬化すると、Aが表面に押しやられて表面で硬化する。Aの表面での密度が高くなり表面にフッ素原子が局在する。これが表面の防汚性を高める。内部にはAは殆ど存在しない。もともと防汚性は表面だけの性質であるから、Aが表面に局在し内部にはないというのは極めて好都合な性質である。このように瞬時に溶剤を蒸発させ塗膜を硬化させるため電子線照射を行うのである。塗膜の内部はB+Cだけということになる。Bは官能基が3以上のものを10%以上含むから結合の手が多くなってハードコート性(耐擦傷性)が高揚する。
【0021】
防曇性を賦与するために親水性アクリル系単量体Cを用いている。シートの上にできる曇は微小の水滴と、大きい水滴によって作られる。大きい水滴は表面張力によって丸い大きい水滴となるが、これは表面に局在するアルキルフルオロアクリレートAのフッ素原子によって支えられ粒状を保ち転がって消失する。フッ素原子の間隔より小さい微小水滴はフッ素原子で支えられないので塗膜にまで降下する。塗膜には親水性のアクリル単量体があるから微小水滴を引き寄せる。微小水滴は塗膜に滲みこんで親水性アクリル単量体に吸収される。このようなわけで水滴が表面からなくなるので曇が消える。だから、防曇性はAとCの作用によって与えられる。
【0022】
本発明の防曇性と防汚性に優れたハードコートシートは、シート状基材に硬化塗膜が形成されているハードコートシートであって、この硬化塗膜は、次の四つの成分、
A:アルキルフルオロアクリレート、
B:前記Aと相溶性がなく、且つ疎水性で官能基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも10%含むアクリル系単量体、
C:前記Aと相溶性がなく、且つ親水性のアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単量体、
D:前記A、B、Cとそれぞれ相溶性を有する溶剤、
からなり、前記A:B:Cの比率が、0.05〜1:49.95〜10:50〜89.95、前記A、B、Cの総量対Dの比率が、95〜50:5〜50である混合組成物をシート状基材の上に1〜15μmの厚さに塗布し、直ちに電子線を照射して成ることを特徴とする。
【0023】
このハードコートシートは、優れた防汚性と防曇性と耐擦傷性及び柔軟性を兼ね備えた硬化塗膜を有する。図2は本発明のハードコートシートの断面を示す。シート状基材1の上に塗膜2がコ−ティングされている。塗膜2は元々は、A+B+C+Dの4元の混合物であるが、電子線照射によって溶剤Dを蒸発させているから、A+B+Cの3種類の成分を含む硬質の膜となっている。しかもAと、B+Cとは相溶性がないので、Aが表面のみに局在している。図2の右の図は深さ方向のAの分布を示す。
【0024】
図3はA、B、Cの成分の重量比を示すダイアグラムである。全体の重量を100として、A=0.05〜1、B=49.95〜10、C=50〜89.95であるが、図3では正三角形内の領域として示している。3つの辺をA、B、Cとして、一点から3つの辺に下した垂線の足a、b、cの長さが成分の比を表す。1辺の長さを50×31/2とすると、a+b+c=100となる。アルキルフルオロアクリレートAの量が少ないから、成分領域は辺Aに極めて近接している。
【0025】
そこで図4に辺Aの近傍の拡大図を示す。成分比の存在領域は台形GHKLである。GLはA=1%の線、IJはA=0.05%の線である。HGはC=50%の線である。GHの延長線と辺Aの交点Iは50%の点である。成分比を(A,B,C)によって表現すると、点Hは(0.05,49.95,50)である。点Gは(1,49,50)である。LKはB=10%の線である。LKの延長線と辺Aの交点をJとする。点Kは(0.05,10、89.95)である。点Lは(1,10,89)である。
【0026】
図5〜図7は製造方法を示す断面図である。出発材料はシート状基材1である。シート状基材1はガラスの他にプラスチック材料である。プラスチックの基材としては、ポリカーボネイト、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどがある。次に図6のようにシート状基材1に塗膜2を塗布する。その成分は、先述のようにアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル系単量体B、親水性アクリル系単量体C、溶剤Dである。すでに何度も述べているように、A、B、Cの内において、A=0.05〜1%、B=49.95〜10%、C=50〜89.95%である。
【0027】
ついで塗膜未硬化の内に図7のように塗膜2の電子線3を照射する。電子線の加速電圧は100〜3000kVである。特に150〜300kVが望ましい。電子線量は、3〜20Mradである。特に5〜15Mradが好ましい範囲である。以下、本発明の構成に係わる技術内容、事項について詳細に説明する。
【0028】
(1)機能発揮の原理
まず、本発明の製造方法により防汚性と防傷性ないし耐擦傷性とを兼備した塗膜形成がなされる原理の基本は、▲1▼特願平5−23529号(特開平6−211945号)で述べた通りである。アクリル単量体はアルキルフルオロアクリレートを表面に押しだし、アルキルフルオロアクリレートが表面だけに局在するようにしている。アルキルフルオロアクリレートがフッ素原子をもつのでこれが防汚性をもたらす。アクリル単量体は官能基の多いもの(N≧3)を含むので耐擦傷性をもたらすのである。
【0029】
ここでは耐擦傷性と柔軟性を兼備したハードコート性が得られる理由1)と、アルキルフルオロアクリレートを微量配合することにより、特願平5−23529号より優れた防汚機能を発揮する理由2)と、防曇性が得られる理由3)の3点について述べることにする。
【0030】
1)耐擦傷性と柔軟性を兼備したハードコート性が得られる理由
特願平5−23529号(▲1▼)では、耐擦傷性を向上させるため、官能基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも50%含む必要があるとした。しかし、これは耐擦傷性のみを追求するため硬化塗膜が硬くなりすぎた。それで塗膜を含むシート状基材を折り曲げると硬化塗膜が割れやすいという欠点があった。そこで、官能基を3個以上有するアクリル単量体の比率を10%に低下させることにした。官能基3個以上のものが10%以上であるから、官能基が1又は2のものが90%未満含まれるということになる。
【0031】
2)アルキルフルオロアクリレートを微量配合することにより、特願平5−23529号より優れた防汚機能を発揮する理由
防汚性を担うのは含フッ素単量体であるアルキルフルオロアクリレートである。特願平5−23539号(▲1▼)では0.5〜10%としたが高価な材料を大量に使用するのは望ましくない。本発明は0.05〜1%というように約1/10にアルキルフルオロアクリレートAの量を減らしている。それでもなおかつ優れた防汚性を達成できるのはどうしてか?という理由を述べる。▲1▼では疎水性のアクリル単量体のみを使っていたが、本発明は親水性のアクリル単量体をかなりの分量使う。アルキルフルオロアクリレート量が減っているにもかかわらず、これによって防汚性が高揚する。
【0032】
アルキルフルオロアクリレートはかなり極端な疎水性である。だから、疎水性アクリル単量体を使う▲1▼はアルキルフルオロアクリレートを完全に上層へ押し上げることができなかった。本発明は親水性のアクリル単量体を多く含ませることにより、その反発性でより一層アルキルフルオロアクリレートを、表面に偏在させることができる。そのため疎水性アクリル単量体とアルキルフルオロアクリレートだけを使う特願平5−23529号(▲1▼)の限定条件より少ない量で同等もしくはそれ以上の防汚性を発揮することができる。
【0033】
また、お互いに親和性のない(疎水性、親水性)単量体混合物を用いるにもかかわらず、透明で均質な塗膜層が得られる理由は、共通溶剤を用いた均質な配合組成物の薄層を溶剤揮発による層分離が起こる以前に電子線照射により瞬時に硬化させるためである。電子線照射はこのような均質膜構造を瞬時に固定する作用があり、重要である。混合組成物を単に乾燥させたのでは層分離し層構造が不均一になる。また乾燥したあとで電子線照射しても効果はない。塗布後未硬化のうちに電子線照射をしなければならない。
【0034】
3)防曇性が得られる理由
防曇性を発揮させるには、霧状の微小水滴を塗膜表面に吸収させるか、小滴同士を融合して大きな水滴にする必要がある。
大きな水滴に対しては、球面との界面張力の大きさにより球状の状態で表面に存在する。これが撥水性である。大きい水滴は曇にならないし転がってなくなる。霧状の微小水滴に対しては表面張力が働かず、濡れ現象を起こす。この理由としては大きな水滴が表面のフッ素原子の影響を主として受けるのに対し、微小水滴は表面の親水基の影響を主として受けるためではないかと推察する。つまり、撥水性のあるアルキルフルオロアクリレートAが大きい水滴を表面に保持し、親水性のアクリル単量体Cの親水基が微小水滴を吸収するのである。
従って、微小水滴の除去は塗膜成分に親水性のアクリル系単量体を多く含ませることにより可能となる。塗膜表面に霧状の微小水滴を当ててやると、親水性のアクリル系単量体により水分を吸収するとともに、アルキルフルオロアクリレートの作用でフィルム表面にて水滴同士が集まり大きくなり曇は生じなくなる。つまり、AとCの相補的な作用によって初めて防曇性が得られたのである。
【0035】
(2)本発明における使用原材料についての説明
シート状基材1はガラスやプラスチックである。プラスチックといってもたくさんあるのでプラスチック基材を次に述べる。
【0036】
▲1▼プラスチック基材
シート状、フィルム状、板状であれば良い。その材質は、ポリカーボネイト、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどがある。
【0037】
▲2▼アルキルフルオロアクリレート(A)
撥水、撥油性の防汚機能をもたらすアルキルフルオロアクリレートとしては、トリフロオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフロオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフロオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロオロデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0038】
▲3▼アクリル単量体
アクリル単量体というのはアクリロイル基(−CO−CH=CH2)を含む単量体のことである。ここで単量体というのは一般にモノマーと呼ばれているものと、オリゴマーと呼ばれているものとを含むものとする。そして本発明に用い得るアクリル単量体は先に述べたアルキルフルオロアクリレートと相溶性がないものとする。相溶性のあるものを用いると満足すべき防汚性のある硬化皮膜が得られない。
【0039】
▲4▼親水性アクリル単量体(C)
親水性アクリル単量体とは、分子中の基が水分子との間に結合を作りやすいもので、水酸基−OH、カルボキシル基−COOH、アミノ基−NH2、ケトン基−CO−、スルホ基−SO3H、エーテル基R−O−R’(R、R’はアルキル基)が分子中に存在するアクリル単量体である。
【0040】
本発明において使用する親水性アクリル単量体としては、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコールアクリレートなどが使用できる。
【0041】
▲5▼官能基を3個以上有する疎水性アクリル単量体(B)
疎水性アクリル単量体とは、分子中の基が水分子との間に結合を作りにくいものであり、一般にはC8以上の炭化水素基である。フッ素、ケイ素で置換された形の炭化水素基も含むものとする。
【0042】
本発明において使用する官能基を3個以上有する疎水性アクリル単量体としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物ヘキサアクリレート及びそれらの変成物、官能基3個以上のエポキシアクリレートオリゴマー、官能基3個以上のポリエステルアクリレートオリゴマー、官能基3個以上のウレタンアクリレートオリゴマーなどが使用できる。
【0043】
▲6▼溶剤(D)
溶剤としては、アルキルフルオロアクリレート、及び疎水性、親水性のアクリル単量体の両者に対し共通溶媒となり得るもので、溶剤を含めて三者の混合物が均一な溶液となることが必要であるが、一般的にはメチルアルコール、エチルアルコール、プルピルアルコール、ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、二塩化エチレン、四塩化炭素などの単独溶媒または混合溶媒を用いることができる。但し、使用前に透明で均質な共通溶剤となることを確認しておくことが重要である。
【0044】
(3)限定条件についての説明
▲1▼ 混合組成物における成分Bの疎水性アクリル単量体に、官能基3個以上有するアクリル単量体を少なくとも10%以上含ませる理由は、耐擦傷性と優れた防汚性を付与するのに欠かせないからである。塗膜の表面に耐擦傷性を持たせるには高架橋密度の表面でなければならない。そのためには官能基数が3個以上の単量体を少なくとも10%以上、好ましくは10%〜30%を含む疎水性アクリル単量体を用いる必要がある。一方、かかる多官能のアクリル単量体の使用が防汚性付与に効果的である理由は、官能基数の多い単量体がアルキルフルオロアクリレートと比較した場合硬化速度が著しく速いことと相互の表面張力が違うことからアルキルフルオロアクリレートが塗膜表面に偏在するためであると推測される。
【0045】
▲2▼ 混合組成物における成分Cの親水性アクリル単量体を少なくとも50%以上含ませる理由は、耐擦傷性と柔軟性及び優れた防汚性を付与するのに欠かせないからである。塗膜の表面に耐擦傷性と柔軟性を持たせるのは架橋密度のバランスであり、成分Cは架橋密度が成分Bに比べて弱く、成分BとCの配合量によって決定される。そのためには少なくとも50%以上、好ましくは50%〜70%を含む親水性アクリル単量体を用いる必要がある。一方、かかる親水性のアクリル単量体の使用が防汚性付与に効果的である理由は、極端な疎水性のアルキルフルオロアクリレートとの反発作用でより一層アルキルフルオロアクリレートが塗膜表面に偏在するためであると推測される。
【0046】
▲3▼ 混合組成物における成分Aのアルキルフルオロアクリレートと、同BとCのアクリル単量体に関し、A対B+Cの比率が0.05〜1.0:99.95〜99.0である理由は、アルキルフルオロアクリレートが0.05未満では防汚性が不十分になり、l.0以上でもこれ以上防汚性が向上しないからである。尚、さらに、好ましいA対B+Cの比率は0.1〜0.5:99.9〜99.5である。アルキルフルオロアクリレートは高価な材料であるから使用量を減らすということが重要である。本発明は0.5%以下でも防汚性を発揮させることができる。先述のように親水性アクリル単量体の使用によりこれが可能になっている。
【0047】
▲4▼ 成分A+B+Cの総量対Dの比率が95〜50:5〜50である理由は、成分Cの側から言うと、5以下では塗工可能な均一な混合組成物が得られず、また塗工性も良くない。さらに、硬化物は期待する防汚性能を示さない。そして成分Cが50以上では硬化後に溶剤が残存する恐れがあるのと、硬化皮膜と基材との密着性が不十分になりやすい。
【0048】
▲5▼ 混合組成物の塗布厚さを1〜15μmとする理由。1μm以下では保護皮膜として十分な性能(防汚性、耐擦傷性とも)が得られない。15μm以上でも十分な性能のものが得られなくなるのと、製造上でも溶剤の残存などの問題が起こりやすい。
【0049】
▲6▼ 電子線照射について
電子線の加速電圧は100〜3000kVであり、好ましくは150〜300kVであり、線量は3〜20Mrad、好ましくは5〜15Mradである。照射雰囲気は、窒素のような不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0050】
【実施例】
次に6つの実施例と6つの比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。予め表1に、実施例、比較例に於ける成分A、B、Cの重量比率、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率、塗膜厚みを示す。
【0051】
【表1】
【0052】
[実施例1]
厚さ0.1mmのポリカーボネイトシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さl0μmになるように塗布した。
【0053】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.4:99.6、(A+B+C)の総量とDの比率は、l00:30である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図8に示す。
塗布後直ちに電予線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧150kV、線量10Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0054】
[実施例2]
厚さ0.2mmのポリカーボネイトシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ5μmになるように塗布した。
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.05:99.95、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:5である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図9に示す。
【0055】
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧150kV、線量15Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0056】
[実施例3]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ10μmになるように塗布した。
【0057】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、1:99、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:50である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図10に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量15Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0058】
[実施例4]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ15μmになるように塗布した。
本配合における各成分の比率は次のようになる。
【0059】
A対(B+C)の比率は、0.3:99.7、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:20である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図11に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量5Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0060】
[実施例5]
厚さ0.1mmのポリスチレンシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ10μmになるように塗布した。
【0061】
本配合における各成分の比率は次のようになる。A対(B+C)の比率は、0.1:99.9、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:10である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図12に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧175kV、線量10Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0062】
[実施例6]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ5μmになるように塗布した。
【0063】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.8:99.2、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:40である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図13に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧175kV、線量15Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での塗膜の性能を表2に示す。塗膜性能は、耐擦傷性、柔軟性及び防汚性とも良好である。
【0064】
[比較例1]
厚さ0.lmmのポリカーボネイトシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ10μmになるように塗布した。
【0065】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.4:99.6、(A+B+C)の総量とDの比率は、l00:30である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図14に示す。
塗布後溶剤を完全に乾燥してから電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧150kV、線量10Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させた。この条件での塗膜の性能を表2に示す。
溶剤を乾燥した後、電子線照射を行ったため、防汚性が得られていない。
【0066】
[比較例2]
厚さ0.2mmのポリカーボネイトシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ5μmになるように塗布した。
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.03:99.97、(A+B+C)の総量とDの比率は、l00:5である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図15に示す。
【0067】
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧150kV、線量15Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。
この条件での基材の状態及び塗膜の性能を表2に示す。A対(B+C)の比率にてA成分が限定条件より少ないため、塗膜性能の中の撥水性と防汚性が低下している。
【0068】
[比較例3]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ10μmになるように塗布した。
【0069】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、1:99、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:50である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図16に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量15Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。次いでこの条件での塗膜の性能を表2に示す。B成分が限定条件より多いため、塗膜性能の中の柔軟性が低下している。
【0070】
[比較例4]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ15μmになるように塗布した。
【0071】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.3:99.7、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:20である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図17に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧200kV、線量5Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させると共に溶剤を蒸発させた。この条件での塗膜の性能を表2に示す。B成分が限定条件より少ないため、塗膜性能の中の硬度が低下している。
【0072】
[比較例5]
厚さ0.1mmのポリスチレンシートを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ10μmになるように塗布した。
【0073】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.08:99.92、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:10である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図18に示す。
この条件での基材の状態及び塗膜の性能を表2に示す。B成分が限定条件より多いため、塗膜性能の中の撥水性と防汚性及び柔軟性が低下している。
【0074】
[比較例6]
厚さ50μmのPETフィルムを基材として用い、これに下記配合の混合組成物をバーコーターにて塗布厚さ5μmになるように塗布した。
【0075】
本配合における各成分の比率は次のようになる。
A対(B+C)の比率は、0.8:99.2、(A+B+C)の総量とDの比率は、100:40である。A、B、C、D成分の比率及び塗膜厚みを図19に示す。
塗布後直ちに電子線照射装置を用いて、窒素雰囲気中、加速電圧175kV、線量2Mradの条件にて照射し、単量体組成物を硬化させた。
この条件での基材の状態及び塗膜の性能を表2に示す。電子線照射量が限定条件より少ないため、塗膜性能中の撥水性と防汚性及び硬度が低下している。
【0076】
【表2】
【0077】
(硬度) JIS−K−5400の8.4.2での鉛筆硬度。既知の硬度(例えば6B〜7Hの鉛筆)の鉛筆を柔らかいものから順に塗膜に5本の線を描き拭き取って3本以上の傷が付くかどうかを調べる。最初に3本以上の傷を付けた鉛筆の硬度を塗膜の硬度とする。鉛筆硬度が5Hというのは4Hの鉛筆では傷が付かず(或いは2本以下の傷が付き)5Hの鉛筆で3本以上(3、4、5本)傷が付くということである。4H以上の硬度をもつ膜をハードコートという。
【0078】
(撥水性) 水に対する接触角。図20に塗膜の上に水滴が存在する状態を示す。水滴と膜の接触点において水滴に接線を引き接線の水滴内側の面とがなす角度として定義する。これが小さいと濡れ易い膜だということで大きい水滴ができない。接触角が大きいと水をはじき易く濡れにくい面であって大きい水滴ができる。大きい水滴は転がって消失しやすい。
【0079】
(防汚性) JIS−K−5400の8.10に準じ、黒色の油性マーカーにて5cmの円を描き、5分後にティシュペーパーにてふき取りその消去状態を目視にて判定する。
◎:完全に消去されている ○:消去されているがマーキング跡がある
△:黒色が薄く残っている ×:消去できない
【0080】
(柔軟性) JIS−K−5400の8.1に準じ、屈曲試験器を用い、心棒の直径2mm、補助板の厚さ4mmにて、屈曲試験を行い、塗膜の割れ、剥がれの状態を目視にて判定する。
◎:塗膜割れ、剥がれ無し ○:塗膜に小さなひび跡がある
△:塗膜に大きなひび跡がある ×:塗膜が割れて剥がれている
【0081】
(防曇性) 図21のようにビーカーに水を入れて60℃に加熱する。その上に試験体であるハードコートシート基材を塗膜を下側にして置く。水滴が塗膜について曇るかどうかを目視判定する。10分間以内で曇が発生しなかったものには◎を、10分間以内に発生した場合はビーカーの上にハードコートシート基材を置いてから曇が発生するまでの時間を示している。
【0082】
疎水性アクリル系単量体Bと、親水性アクリル系単量体Cの官能基の数が、柔軟性と耐擦傷性の評価において重要である。表3には実施例1〜6、比較例1〜6の塗膜材料において、疎水性アクリル系単量体Bと親水性アクリル系単量体Cの官能基数とその重量比を一括して示す。親水性アクリル単量体は官能基数が少なくてここではN=3、2、1しかない。疎水性アクリル単量体は官能基数の多い物が幾つもある。本発明において柔軟性が得られるのは主に官能基数の少ない親水性アクリル単量体の比率が多いからである。
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】
本発明の第一の効果は、防汚性と耐擦傷性と防曇性及び柔軟性を付与する加工を同時に実現した点にある。最も新規性ある点は防曇性である。防曇性は親水性アクリル単量体によって微小水滴を吸収することとアルキルフルオロアクリレートによって大水滴をはじくようにしたことによって得られる。防汚性はフッ素を含むアルキルフルオロアクリレートの作用による。耐擦傷性は官能基3以上の疎水性アクリル単量体による。柔軟性は官能基の少ない親水性アクリル単量体を50〜89.95%も混合することによって得られている。
【0085】
第二の効果は、アルキルフルオロアクリレートにより防汚性を得ている特開平6−211945号の改良を与える、ということである。高価なアルキルフルオロアクリレートの使用量を少なくしても(約1/10)優れた防汚機能を発揮させることができる点である。親水性アクリル単量体がアルキルフルオロアクリレートをいっそう強力に上部へ押し上げるから、表面だけにアルキルフルオロアクリレートが局在する。内部にはアルキルフルオロアクリレートは全く存在しない。このような偏在は親水性アクリル単量体による。
【0086】
第三の効果は、本発明の製造方法が工業的な観点から見て極めて容易な工程で安定して実施できる点にある。混合組成物を作製準備するのは簡単である。これを単にシート状基材に塗布し、すぐに電子線照射するだけでよい。電子線照射方法は、高生産性のものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明においてシート状基板に塗布する塗膜を構成する4つの成分の関係と重量比の範囲を示す説明図。
【図2】本発明のハードコートシートの構造を示す概略断面図。ハードコートシートはシート状基材と塗膜とよりなる。
【図3】本発明においてシート状基材に塗布する塗膜成分の重量比の範囲を示す三元図。正三角形の内部の任意の点が成分比を示す。その点から三辺A、B、Cに下した垂線の長さa、b、cが成分の重量比を示す。
【図4】図3の成分点のみの近傍の拡大図。
【図5】本発明の方法の出発点であるシート状基材のみを示す断面図。
【図6】シート状基材の上に、アルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体C、溶剤Dよりなる塗膜を塗布した状態の断面図。
【図7】塗膜が乾燥しない状態で電子線を照射して溶剤を蒸発させ塗膜を硬化した状態を示す断面図。
【図8】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例1の採用した値を示す図。
【図9】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例2の採用した値を示す図。
【図10】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例3の採用した値を示す図。
【図11】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例4の採用した値を示す図。
【図12】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例5の採用した値を示す図。
【図13】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、実施例6の採用した値を示す図。
【図14】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例1の採用した値を示す図。
【図15】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例2の採用した値を示す図。
【図16】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例3の採用した値を示す図。
【図17】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例4の採用した値を示す図。
【図18】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例5の採用した値を示す図。
【図19】塗膜成分のアルキルフルオロアクリレートA、疎水性アクリル単量体B、親水性アクリル単量体Cの(A+B+C)の内での重量比、溶剤Dの(A+B+C)に対する比率の百分比100D/(A+B+C)、塗膜厚さに関して本発明が指定した範囲に対する、比較例6の採用した値を示す図。
【図20】撥水性評価のための、塗膜表面の水に対する接触角の定義を説明するための図。
【図21】温水上にシートを置いて目視によって曇を見る防曇性評価法の説明図。
【符号の説明】
1 シート状基材
2 塗膜
3 電子線
4 水滴
5 ビーカー
6 ヒータ
Claims (2)
- A:アルキルフルオロアクリレート
B:前記Aと相溶性がなく、且つ疎水性でアクリレート基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも10%含むアクリル系単量体、
C:前記Aと相溶性がなく、且つ親水性のアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単量体、
D:前記A、B、Cとそれぞれ相溶性を有する溶剤、
からなり、前記A:B:Cの比率が0.05〜1:49.95〜10:50〜89.95、前記A、B、Cの総量対Dの比率が、95〜50:5〜50である混合組成物をシート状基材上に塗布し直ちに電子線を照射し、溶剤の蒸発と塗膜硬化を同時に起こさせたものであることを特徴とするハードコートシート。 - A:アルキルフルオロアクリレート
B:前記Aと相溶性がなく、且つ疎水性でアクリレート基を3個以上有するアクリル単量体を少なくとも10%含むアクリル系単量体、
C:前記Aと相溶性がなく、且つ親水性のアクリル単量体を少なくとも50%含むアクリル系単量体、
D:前記A、B、Cとそれぞれ相溶性を有する溶剤、
からなり、前記A:B:Cの比率が0.05〜1:49.95〜10:50〜89.95、前記A、B、Cの総量対Dの比率が、95〜50:5〜50である混合組成物をシート状基材の上に1〜15μmの厚さに塗布し、直ちに電子線を照射することにより、前記混合組成物中の溶剤の蒸発と前記シート状基材上の塗膜の硬化を同時に起こさせることを特徴とするハードコートシートの製造方法。
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