JP2002167571A - 防汚処理剤、防汚処理方法及び防汚処理物品 - Google Patents

防汚処理剤、防汚処理方法及び防汚処理物品

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JP2002167571A
JP2002167571A JP2000367397A JP2000367397A JP2002167571A JP 2002167571 A JP2002167571 A JP 2002167571A JP 2000367397 A JP2000367397 A JP 2000367397A JP 2000367397 A JP2000367397 A JP 2000367397A JP 2002167571 A JP2002167571 A JP 2002167571A
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Seiichi Ishimaru
成一 石丸
Yasutake Yamato
靖武 大和
Kishio Shibafuji
岸夫 柴藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、安全性が優れており、簡単な作業
で基材上に塗布でき、基材に耐汚染性を付与でき、洗浄
等のメンテナンスの頻度を容易に低減できる防汚処理
剤、該防汚処理剤を用いて行う簡便な防汚処理方法及び
該防汚処理方法により処理された防汚処理物品を提供す
る。 【解決手段】(A)樹脂不揮発成分0.01〜30質量
%、(B)酸化ケイ素ゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化
アンチモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化スズゾル
及び酸化チタンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の
酸化物ゾル不揮発成分0.01〜50重量%、(C)界面
活性剤0.01〜30質量%、(D)水20〜99.9質
量%及び(E)場合により用いられる有機溶剤0〜20質
量%から成る防汚処理剤、その防汚処理剤を使用した防
汚処理方法及びその防汚処理方法により得られる防汚処
理物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚処理剤、防汚
処理方法及び防汚処理物品に関する。さらに詳しく言え
ば、本発明は、基材、特に自動車外板塗膜等の上に塗布
し、該基材表面を親水化することにより耐汚染性を付与
し、洗浄等のメンテナンスの頻度を低減することがで
き、さらに簡便に除去できる防汚処理剤、該防汚処理剤
を用いる防汚処理方法及び該防汚処理方法により処理さ
れた防汚処理物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車外板塗膜等、屋外で風雨にさらさ
れる塗膜上には、工場や自動車からの排出物質、鳥糞、
樹液あるいは花粉等の種々の汚染物質が付着するため、
その塗膜外観は次第に損なわれてしまう。これより、初
期の塗膜外観を維持するためには、洗浄等のメンテナン
スを高い頻度で行う必要がある。このメンテナンス頻度
を低減する目的で、従来より、塗膜上にワックス皮膜を
形成することが行われている。該ワックス皮膜を形成す
るために使用するワックス剤は、通常、皮膜を形成し撥
水性を付与するロウ成分、光沢を与え拭き取りを容易に
するシリコーン成分及びこれらの溶媒あるいは分散媒と
して機能する有機溶剤等から構成されている。そして、
ワックス皮膜は、該ワックス剤をスポンジ等で塗膜上に
塗布した後、過剰のワックス剤を柔らかい布等で拭き取
り、磨き上げることにより形成される。しかし、該ワッ
クス皮膜は塗膜に光沢を与えるものの、撥水性であるた
め、汚染物質を含んだ雨滴はその上で縮もうとし、これ
により汚染物質は部分的に濃縮され、雨水が乾燥した際
には塗膜上に水平面ではまだら模様が、また、垂直面で
は雨筋跡ができあがってしまう。さらに、該ワックス皮
膜は塗膜よりも柔軟であるため、付着した汚染物質はそ
の中に埋まってしまい、雨風等の自然の作用による汚染
物質の除去はむしろ困難となる。すなわち、塗膜上にワ
ックス皮膜を形成しても、メンテナンス頻度を低減する
効果はないのが実情である。
【0003】そこで、上記目的を達成するために、特定
の有機塗料組成物に特定のオルガノシリケート及び/又
はその縮合物を配合して成る塗料組成物(国際公開公報
WO94/06870号)が提案されている。また、本
発明者らは、既に上記目的を達成するために、樹脂成
分、硬化剤成分及び無機質のゾルの分散体を含有するこ
とを特徴とする熱硬化性組成物(国際公開公報WO97
/13809号)を提案している。そして、これらの組
成物から得られる塗膜は、その表面にオルガノシリケー
ト及び/又はその縮合物あるいは無機質粒子が配向し親
水性となるため、いずれも耐汚染性を有しており、メン
テナンス頻度を低減するという目的は達成されている。
しかしながら、これらの組成物は工業用途を前提とした
発明である為、通常、有機溶剤を多量に含有しており、
その使用の際には専用の塗装設備が必要である。また、
該組成物から得られる塗膜表面の一部が何らかの理由で
深く削られた際、場合によっては、オルガノシリケート
及び/又はその縮合物あるいは無機質粒子が塗膜表面か
ら欠落するため、その部分のみが汚染するという問題が
あり、これを容易に補修する防汚処理剤及び防汚処理方
法が必要とされている。
【0004】これらの課題に対して、ケイ素化合物とフ
ッ素樹脂造膜成分とを含む表面処理剤を塗布することに
より得られるオクタン接触角が102度以上である塗膜
表面を有する屋外物品が提案されている(特開平7-10
9435号公報)。しかしながら、該屋外物品では耐汚
染性がまだ不十分な場合がある。また、ロウ成分を主成
分とする母材中に光触媒作用を有する金属酸化物粉末を
分散混合した塗膜用被覆剤が提案されている(特開平9
−220524号公報)。しかしながら、該被覆剤の皮
膜を形成するためには、塗膜上に塗布した後、過剰の被
覆剤を拭き取り、磨き上げる作業が必要であり、簡単な
作業で基材に耐汚染性を付与するという観点からは不充
分である。また、エチレングリコールジグリシジルエー
テル類に、コロイド状シリカ及びガラス転移点が60℃
以下のビニル系重合体を配合した塗料組成物が提案され
ている(特開平10−324842号公報)。しかしな
がら、該塗料組成物を塗布して得られる塗膜は耐汚染性
がまだ不十分な場合があり、また、塗膜が不必要になっ
た場合、塗膜を簡便に除去することが困難であるという
問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性で無溶
剤もしくは有機溶剤の含有量が少ないため、安全等が厳
しく規制されているガソリンスタンドや屋内等での使用
が可能な優れた安全性を有し、また専用の設備を必要と
することもなく簡単な作業で基材上に塗布でき、耐汚染
性を付与でき、洗浄等のメンテナンスの頻度を容易に低
減することができ、さらに、塗布された防汚処理剤の被
膜が不必要になった際に簡便に除去できる防汚処理剤、
該防汚処理剤を用いて行う簡便な防汚処理方法及び該防
汚処理方法により処理された防汚処理物品を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する防汚処理剤を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、(A)樹脂不揮発成分、(B)特定の酸化
物ゾル不揮発成分、(C)界面活性剤、(D)水及び
(E)場合により用いられる有機溶剤を特定の配合割合
で含有させた防汚処理剤により、その目的を達成し得る
ことを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(A)樹脂不揮発成
分0.01〜30質量%、(B)酸化ケイ素ゾル、酸化
アルミニウムゾル、酸化アンチモンゾル、酸化ジルコニ
ウムゾル、酸化スズゾル及び酸化チタンゾルの中から選
ばれた少なくとも1種の酸化物ゾル不揮発成分0.01〜
50質量%、(C)界面活性剤0.01〜30質量%及
び(D)水20〜99.9質量%を含有する防汚処理剤
を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上記防汚処理剤におい
て、さらに、(E)有機溶剤0.5〜20質量%を含有
する防汚処理剤を提供するものである。また、本発明
は、上記防汚処理剤において、(A)成分の樹脂不揮発
成分が、ゴム系水性ラテックス、酢酸ビニル樹脂系エマ
ルション、酢酸ビニル樹脂系ディスパージョン、アクリ
ル樹脂系エマルション、アクリル樹脂系ディスパージョ
ン、シリコーン変性アクリル樹脂系エマルション、シリ
コーン変性アクリル樹脂系ディスパージョン、塩化ビニ
リデン樹脂系エマルション、塩化ビニリデン樹脂系ディ
スパージョン、エポキシ樹脂系エマルション、エポキシ
樹脂系ディスパージョン、ウレタン樹脂系エマルショ
ン、ウレタン樹脂系ディスパージョン、アクリルウレタ
ン樹脂系エマルション、アクリルウレタン樹脂系ディス
パージョン、シリコーン樹脂系エマルション、シリコー
ン樹脂系ディスパージョン、フッ素樹脂系エマルショ
ン、フッ素樹脂系ディスパージョン、ポリエステル樹脂
系エマルション及びポリエステル樹脂系ディスパージョ
ンの不揮発成分、並びに水溶性アクリル樹脂、水溶性ア
ルキド樹脂、水溶性ビニル樹脂、水溶性セルロース樹脂
の中から選ばれた少なくとも1種である防汚処理剤を提
供するものである。また、本発明は、上記防汚処理剤に
おいて、(C)成分が非イオン系界面活性剤である防汚
処理剤を提供するものである。また、本発明は、上記の
いずれかの防汚処理剤を基材に塗布し、乾燥させること
を特徴とする防汚処理方法を提供するものである。ま
た、本発明は、上記防汚処理方法において、防汚処理剤
を塗布した後、基材を水洗し、乾燥させる防汚処理方法
を提供するものである。
【0008】また、本発明は、洗車装置による自動車の
洗車において、洗車作業後、上記のいずれかの防汚処理
剤を散布により自動車の外板に塗布し、次に散水によっ
て水洗し、送風による乾燥を行うことを特徴とする防汚
処理方法を提供するものである。また、本発明は、熱硬
化性組成物を用いて硬化物を得る工程において、加熱硬
化後冷却する際に、上記のいずれかの防汚処理剤を冷却
液として用いて冷却することを特徴とする防汚処理方法
を提供するものである。また、本発明は、熱可塑性組成
物を用いて成形体を得る工程において、加熱成形後冷却
する際に、上記のいずれかの防汚処理剤を冷却液として
用いて冷却することを特徴とする防汚処理方法を提供す
るものである。さらに、本発明は、上記防汚処理方法に
より処理されたことを特徴とする防汚処理物品を提供す
るものである。本発明のさらに他の目的、態様及び利点
は、以下の記載から十分にされるであろう。
【0009】
【発明の実施の形態】(A)成分として用いられる樹脂
不揮発成分は、本発明の防汚処理剤が基材に塗布され乾
燥した際に、酸化物粒子の凝集を抑制しつつ、基材表面
に酸化物粒子を固定する目的で使用される。該樹脂不揮
発成分は、上記の目的を達成できるもので、かつ本発明
の防汚処理剤中で酸化物粒子の分散を妨げることがない
ものであれば、特に限定されるものではなく、各種の樹
脂の不揮発成分を用いることができる。樹脂は、アミノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などの活性水素を
有する官能基を有することが好ましい。(A)成分の樹
脂不揮発成分の含有量は、0.01〜30質量%であ
り、好ましくは0.02〜20質量%である。該樹脂不
揮発成分が0.01質量%未満であると、基材表面に酸
化物粒子を固定することができなくなることがある。ま
た、30質量%より多くなると、防汚処理剤の乾燥の際
に基材表面に乾燥ムラが残ることがある。
【0010】(A)成分の樹脂の好ましいものとして
は、水分散性樹脂、水溶性樹脂が挙げられる。水分散性
樹脂又は水溶性樹脂に特に制限はなく、水分散性樹脂の
具体例としては、例えば、ゴム系水性ラテックス、酢酸
ビニル樹脂系エマルション、酢酸ビニル樹脂系ディスパ
ージョン、アクリル樹脂系エマルション、アクリル樹脂
系ディスパージョン、シリコーン変性アクリル樹脂系エ
マルション、シリコーン変性アクリル樹脂系ディスパー
ジョン、塩化ビニリデン樹脂系エマルション、塩化ビニ
リデン樹脂系ディスパージョン、エポキシ樹脂系エマル
ション、エポキシ樹脂系ディスパージョン、ウレタン樹
脂系エマルション、ウレタン樹脂系ディスパージョン、
アクリルウレタン樹脂系エマルション、アクリルウレタ
ン樹脂系ディスパージョン、シリコーン樹脂系エマルシ
ョン、シリコーン樹脂系ディスパージョン、フッ素樹脂
系エマルション、フッ素樹脂系ディスパージョン、ポリ
エステル樹脂系エマルション及びポリエステル樹脂系デ
ィスパージョンなどの水分散性樹脂分散体の樹脂不揮発
成分が挙げられる。ここで、エマルションとは、水に不
溶性の高分子ポリマーを水中に均一に分散した形態であ
り、不飽和モノマーの重合と生成したポリマーの乳化が
同時に行われるプロセスで製造され、不均一系で重合が
行われたもので、粒子径が0.1μmより大きいものを
いう。また、ディスパージョンとは、殆どが水溶性溶剤
を溶媒として用い、合成した樹脂を溶解した後、中和剤
と水とで水に半可溶半分散の形態にしたもので、粒子径
が0.1μm以下のものをいう。なお、ラテックスとは
合成ゴムのエマルションのことである。
【0011】上記シリコーン変性アクリル樹脂とは、ア
クリル樹脂をシリコーン構造を有するシランで変性した
ものである。また、アクリルウレタン樹脂とは、アクリ
ル樹脂のウレタン変性またはウレタン樹脂をアクリル単
量体で変性したもののいずれでもよい。これらの樹脂不
揮発成分は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて
用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、例
えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶
性ビニル樹脂、水溶性セルロース樹脂などを挙げること
ができる。これらの水溶性樹脂は、1種を単独で用いる
ことができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。これらの中で、アクリル樹脂系ディスパ
ージョン、ウレタン樹脂系ディスパージョン又はこれら
の混合物及び/又は共重合物の樹脂不揮発成分を特に好
適に使用することができる。
【0012】アクリル樹脂系ディスパージョンとして
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらのア
ルキルエステルと、スチレンなどのモノマーとの共重合
体の水性ディスパージョンなどを挙げることができる。
ウレタン樹脂系ディスパージョンとしては、例えば、
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリ
コール、ポリカーボネートジオールなどのポリオール成
分や、2,2−ジメチロールプロピオン酸などの親水性
成分と、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポ
リイソシアネート化合物を重合せしめた自己乳化型水性
ウレタン樹脂系ディスパージョンなどを挙げることがで
きる。好適な(A)成分の樹脂不揮発成分には、水分散
型ポリイソシアネートを含有させたものが挙げられる。
水分散型ポリイソシアネートは、含有するイソシアネー
ト基が、水分散性樹脂又は水溶性樹脂等の樹脂に含まれ
る活性水素を有する官能基と反応することにより架橋構
造を形成し、架橋剤として作用する。このことにより、
水分散型ポリイソシアネートは、水分散性樹脂又は水溶
性樹脂等の樹脂の欠点である耐水性を向上させ、湿潤時
における耐久性の問題を解消することができる。
【0013】水分散型ポリイソシアネートは、親水性基
とイソシアネート基を複数有する化合物であり、水で容
易に乳化することが可能であり、また、かなり長時間イ
ソシアネート基を保有する。このために、水分散性樹脂
又は水溶性樹脂と容易に混合することができ、塗装作業
時間内はその効果を持続する。水分散型ポリイソシアネ
ートとしては、例えば、イソシアネートモノマーと親水
性の官能基を有する化合物を反応させたイソシアネート
プレポリマーを使用することができる。イソシアネート
プレポリマーの好適な例としては、過剰量のイソシアネ
ートモノマーとポリオール類との反応により得られる未
反応のイソシアネート基を含有する化合物が挙げられ
る。イソシアネートプレポリマー中のイソシアネートモ
ノマー成分としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレン
ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートな
どの脂肪族イソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネートなどの芳香族イソシアネートなどを挙げ
ることができる。イソシアネートモノマー成分は、1種
を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み
合わせて用いることもできる。
【0014】親水性官能基を有する化合物としては、例
えば、カチオン性親水基、アニ才ン性親水基又はノニオ
ン性親水基を有する化合物を挙げることができるが、イ
ソシアネート基との反応性を有しないポリエーテル型ノ
ニオン性化合物を好適に用いることができる。ポリオー
ル類としては、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリアクリルポリオール、および
エチレングリコールなどの単分子ポリオールなどが挙げ
られる。親水性官能基を有する化合物は、1種を単独で
用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。水分散型ポリイソシアネートは、
1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0015】このようなイソシアネートモノマー成分か
ら得られるイソシアネートプレポリマーの骨格として
は、例えば、イソシアヌレート体、ビウレット体、アダ
クト体と呼ばれるトリメチロールプロパンなどとの付加
物なども挙げることができる。水分散性ポリイソシアネ
ートの含有量は、特に制限ないが、(A)成分の樹脂不
揮発成分と水分散性ポリイソシアネートの合計量の1〜
50質量%が好ましく、2〜20質量%が特に好まし
い。なお、(A)成分としてグリシジル基を含有する成
分は、簡便な除去性を望む場合は好ましくないため、使
用は避けるべきである。
【0016】(B)成分に用いられる無機酸化物ゾル
は、酸化ケイ素ゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化アン
チモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化スズゾル及び
酸化チタンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の酸化
物ゾルで、本発明の防汚処理剤が基材に塗布され乾燥し
た際に、基材表面に並び、基材表面を親水化する目的で
使用される。親水化した基材表面は、たとえ汚染物質が
付着しても、その付着界面に雨水等の水分が容易に浸入
することが可能となるため、該汚染物質は雨風等の自然
の作用により除去され易くなり、基材に耐汚染性が付与
される。(B)成分の酸化物ゾルの不揮発成分の含有量
は、0.01〜50質量%であり、好ましくは0.05
〜30質量%である。該酸化物ゾルの不揮発成分が0.
01質量%未満であると、基材表面を親水化することが
できないことがある、また、30質量%より多くなる
と、防汚処理剤の乾燥の際に基材表面に乾燥ムラが残る
ことがある。
【0017】該酸化物ゾルとしては、例えば、スノーテ
ックス40、スノーテックスO、スノーテックスC、ス
ノーテックスN(いずれも商品名、日産化学工業(株)
製)、カタロイドS-30H、カタロイドSI-30、カ
タロイドSN、カタロイドSA(いずれも商品名、触媒
化成工業(株)製)、アデライトAT-30、アデライトA
T-20N、アデライトAT-20A、アデライトAT-
20Q(いずれも商品名、旭電化工業(株)製)、シリカド
ール−30、シリカドール−20A、シリカドール−2
0B(いずれも商品名、日本化学工業(株)製)等の水系酸
化ケイ素ゾル;アルミナゾル−100、アルミナゾル−
200、アルミナゾル−520(いずれも商品名、日産
化学工業(株)製)、アルミナクリアーゾル、アルミゾル
−10、アルミゾル−20、アルミゾルSV−102、
アルミゾル−SH5(いずれも商品名、川研ファインケ
ミカル(株)製)等の水系アルミナゾル; A−1550、
A−2550(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等
の水系酸化アンチモンゾル;NZS−30A、NZS−
30B(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等の水系
酸化ジルコニウムゾル;セラメースS−8、セラメース
C−10(いずれも商品名、多木化学(株)製)等の水系酸
化スズゾル;タイノックA−6、タイノックM−6(い
ずれも商品名、多木化学(株)製)等の水系酸化チタンゾ
ル;セラメースF−10(商品名、多木化学(株)製)等の
酸化スズと酸化アンチモンから成る水系ゾル等が挙げら
れ、好ましくは、水系酸化ケイ素ゾル、水系アルミナゾ
ル、水系酸化チタンゾルが挙げられる。さらに好ましい
酸化物ゾルは、光触媒作用を持たない酸化物ゾルであ
る。基材が有機物である場合、酸化物ゾルが光触媒作用
を持つと、基材を劣化させる場合がある。該光触媒作用
を持たない酸化物ゾルとしては、水系酸化ケイ素ゾル、
水系アルミナゾルなどが挙げられる。
【0018】(C)成分として用いられる界面活性剤
は、(A)成分の樹脂を水中に分散させる目的、及び/
又は本発明の防汚処理剤の表面張力を低下させ、基材に
塗布された際に、均一に濡れ広がるようにする目的で使
用される。該界面活性剤は、上記の目的を達成できるも
のであれば、特に限定されるものではなく、陽イオン
系、陰イオン系、非イオン系、両性系のいずれの界面活
性剤をも用いることができるが、好ましいものとして
は、分子中の親油基部分(脂肪酸、アルキルフェノー
ル、高級アルコール等)と親水基部分(ソルビトール、ポ
リオキシエチレン等)から構成される非イオン界面活性
剤が挙げられる。界面活性剤は、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。(C)成分の界面活
性剤の含有量は、0.01〜30質量%であり、好まし
くは0.02〜20質量%である。該界面活性剤が0.
01質量%未満であると、(A)成分の樹脂を完全に分
散できなくなったり、基材に塗布された際に、均一に濡
れ広り難くなる。また、30質量%より多くなると、使
用後の塗膜の耐久性が悪くなることがある。
【0019】好適な界面活性剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール系、多価アルコール部分エステル
系、エステルエーテル系等の非イオン界面活性剤が挙げ
られ、より好ましくは、ポリエチレングリコール系、例
えば、ポリオキシエチレンアルキルフェノ−ルエーテル
が挙げられ、特に好ましくは、ポリオキシエチレンオク
チルフェノ−ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェノ−ルエーテル類が挙げられる。これらの界面活性剤
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。界面活性剤は、HLB値が3〜19の範囲のも
のが好ましく、9〜16の範囲のものが特に好ましい。
【0020】(D)成分の水としては、(A)成分を含
む分散体又は(B)成分を含む酸化物ゾルに含まれる水
をそのまま使用してもよい。(D)成分の水の含有量
は、20〜99.9質量%であり、好ましくは30〜9
9.9質量%である。ここで水が20質量%未満である
と処理ムラを生じ、99.9質量%を超えると防汚性が
不十分となる。(E)成分は、有機溶剤であり、本発明
の防汚処理剤の塗布性を調節したい場合に使用すること
ができる。有機溶剤の含有量は、0.5〜20質量%が
好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。有機溶
剤が20質量%を超える場合は、引火性が高くなった
り、基材が溶剤に侵されるものには使えなくなる等の取
扱い上の制限が生じる為、好ましくない。かかる有機溶
剤としては例えば、アルコール類、エステル類、ケトン
類、エーテル類、含窒素化合物類、芳香族炭化水素、脂
肪族炭化水素などを挙げることができる。中でも水溶性
の高い有機溶剤が好ましく、1種単独で又は2種以上の
混合物として用いられる。
【0021】本発明の防汚処理剤の調製における各成分
の混合方法は、特に制限されるものではなく、種々の方
法により行うことができ、混合順序も種々の順序で行う
ことができる。本発明の防汚処理剤は、必要に応じて、
防腐剤、香料、顔料、染料、紫外線吸収剤、光安定剤、
レベリング剤、艶消し剤、艶出し剤、帯電防止剤、消泡
剤、緩衝剤等が含まれていてもよい。また、それらは、
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。本発明の防汚処理剤は、種々の用途に使用でき
る。
【0022】本発明の防汚処理方法は、本発明の防汚処
理剤を基材上に塗布した後、乾燥させることにより行わ
れる。防汚処理剤の塗布は、紙、布、スポンジ、霧吹
き、刷毛、バーコーター、アプリケーター等の簡便な塗
装道具により行うことができる。また、大型の基材への
塗布は、エアースプレー、エアーレススプレー、ロール
コーター、フローコーター、ディッピング形式による塗
布機等の塗布機を用いて行うこともできる。さらに、本
発明の防汚処理剤は、紙又は不織布等に含浸させてウエ
ットティッシュ又はウエットタオルの形態で使用するこ
ともできる。防汚処理剤の塗布量は、基材を被覆できる
量であれば特に制限ないが、通常0.1〜5000g/
あり、好ましくは1〜4000g/mである。
【0023】本発明の防汚処理方法において用いられる
基材としては、特に限定されるものではなく、各種の基
材を用いることができ、例えば、木、ガラス、金属、
布、プラスチック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、
コンクリート、石膏ボード等の有機素材及び無機素材等
が挙げられる。これらの基材は、予め表面処理されたも
のでもよいし、予め表面に塗膜が形成されたものでもよ
い。該塗膜は、特に限定されるものではなく、有機系、
無機系、有機/無機複合系等の各種の塗膜を用いること
ができる。乾燥は、自然乾燥、送風による乾燥等の種々
の乾燥方法により行うことができ、好ましくは自然乾燥
である。自然乾燥とは、基材上の水分が蒸発するまで室
温で放置することである。乾燥温度は、特に制限ない
が、通常2〜50℃が好ましく、特に5〜40℃が好ま
しい。送風による乾燥における送風速度は、特に制限な
いが、0.01〜100m/secが好ましい。
【0024】本発明の防汚処理方法は、より好ましく
は、該防汚処理剤を基材上に塗布した後、基材を水洗
し、その後乾燥させることにより行われる。この水洗に
より、防汚処理剤は基材全面に均一に又はほぼ均一に塗
り広げられ、過剰な防汚処理剤は除去される。過剰な防
汚処理剤とは、防汚処理後に基材の外観を損なう量の防
汚処理剤のことである。水洗を行わない場合、基材表面
に乾燥ムラが残ることがある。なお、防汚処理剤を塗布
した段階で基材表面は親水化するため、水洗後に基材表
面に水滴ができることはなく、拭き取り作業を行う必要
はないが、防汚処理をさらに短時聞で終了させる目的
で、基材表面に残存した水分の拭き取り作業あるいは送
風による乾燥を行ってもいっこうに差し支えない。水洗
は、防汚処理剤を塗布した基材を流水下にさらす方法、
水槽に浸漬する方法などの種々の方法により行うことが
できる。流水は、カーテンフロー、スプレー、シャワ
ー、ホースなどの種々の方法によるものが使用できる。
水洗温度は、特に制限はないが、通常2〜50℃がよ
い。
【0025】本発明の特に好ましい防汚処理方法は、洗
車装置による自動車の洗車において、洗車作業後、自動
車の外板に本発明の防汚処理剤を散布により塗布し、次
に散水により水洗し、最後に送風により乾燥させること
により行われる。自動車の外板は、通常は塗膜が形成さ
れているが、塗膜の種類は特に制限なく、種々の塗膜に
対して本発明の防汚処理方法が適用できる。洗車装置
は、自動車の外板を洗浄できる手段を備えたものであれ
ば、特に制限はないが、例えば洗浄用ブラシ、散水手
段、処理剤散布手段、送風機及びこれらの駆動手段等を
備えた自動洗車装置が挙げられる。処理剤としては、洗
剤、研磨剤等が挙げられ、これらはそのまま散布しても
よいし、水により希釈して散布してもよい。防汚処理剤
の散布による塗布量は、自動車の表面を被覆できる量で
あれば特に制限ないが、通常10〜6000g/m
あり、好ましくは20〜5000g/mである。散布
は、散水あるいは処理剤散布手段を使用することにより
行うこともできるし、専用のノズル等を設置し使用する
ことにより行うこともできる。防汚処理剤の塗布後の散
水による水洗温度、並びに送風による乾燥の温度及び送
風速度は、上記と同様である。散水は、シャワーなどに
より行うことができる。
【0026】本発明のもう一つの特に好ましい防汚処理
方法は、熱硬化性組成物を用いて硬化物を得る工程にお
いて、加熱硬化後冷却する際に、本発明の防汚処理剤を
冷却液として用いて冷却することを特徴とする防汚処理
方法である。該熱硬化性組成物は、特に限定されるもの
ではなく、各種の熱硬化性組成物を用いることができ
る。冷却液として用いる際、本発明の防汚処理剤の温度
は、加熱硬化物の温度よりも低い温度であれば特に制限
ないが、通常は0〜100℃であればよく、好ましくは
0〜50℃であり、特に好ましくは5〜35℃である。
冷却後の硬化物の温度は、加熱硬化物の温度よりも低い
温度であれば特に制限ないが、通常は加熱硬化物の温度
よりも30℃以上低い温度であり、好ましくは加熱硬化
物の温度よりも60℃以上低い温度であり、特に好まし
くは加熱硬化物の温度よりも100℃以上低い温度であ
る。冷却方法は本発明の防汚処理剤を用いるものであれ
ば、特に限定されるものではなく、加熱した硬化物にス
プレーなどにより本発明の防汚処理剤を塗布することに
よる冷却あるいは本発明の防汚処理剤が入った浴中へ硬
化物を浸漬させることによる冷却等、各種冷却方法を用
いることができる。該防汚処理方法の後、水洗及び/又
は送風などによる乾燥などの操作を行なってもよい。水
洗、乾燥の条件は、前記の防汚処理方法と同様にすれば
よい。
【0027】さらに、本発明のもう一つの特に好ましい
防汚処理方法は、熱可塑性組成物を用いて成形体を得る
工程において、加熱成形後冷却する際に、上記防汚処理
剤を冷却液として用いて冷却することを特徴とする防汚
処理方法である。該熱可塑性組成物は、特に限定される
ものではなく、各種の熱可塑性組成物を用いることがで
きる。成形体には、立体、中空体、線状体、フィルム等
の種々の成形体が含まれる。加熱成形には、加熱成形す
る種々の成形が含まれ、例えば射出成形、押出成形、加
圧成形、加熱成膜、加熱延伸等が挙げられる。冷却液と
して用いる際、本発明の防汚処理剤の温度は、前記と同
様である。また、冷却後の成形体又はフィルムの温度
は、前記と同様である。また、冷却方法は本発明の防汚
処理剤を用いるものであれば、特に限定されるものでは
なく、前記と同様の各種冷却方法を用いることができ
る。該防汚処理方法の後、水洗及び/又は送風等による
乾燥の操作を行なってもよい。水洗、乾燥の条件は、前
記の防汚処理方法と同様にすればよい。
【0028】本発明の防汚処理方法により得られる防汚
処理物品としては、例えば、構造物、木製品、金属製
品、プラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック
製品、ガラス製品等が挙げられる。より具体的には、自
動車、自動車用部品(例えば、ボディー、バンパー、ス
ポイラー、ミラー、ホイール、内装材等の部品であっ
て、各種材質のもの)、鋼板等の金属板、二輸車、二輪
車用部品、道路用資材(例えば、ガードレール、交通標
識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、
船舶、鉄道車両、航空機、家具、楽器、家電製品、建築
材料、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等が挙げら
れる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら制限
されるものではない。なお、本発明の防汚処理方法によ
り得られる防汚処理物品の性能は次のようにして求め
た。 (1)外観性 塗布された防汚処理剤の薄膜を目視観察により、次の基
準に従い評価した。 ○:防汚処理剤の乾燥ムラが残らない。 △:防汚処理剤の乾燥ムラが若干残る。 ×:防汚処理剤の乾燥ムラが顕著に残る。 (2)親水性 (株)エルマ製ゴニオメーター式接触角測定器を用いて水
の接触角の測定を行った。この値が小さいほど親水性が
高い。
【0030】(3)耐汚染性 JIS K−5400(1995)9.9 耐候性に準
じて、30日間(場合によっては、さらに60日間)屋外
にて曝露後、無洗浄面の色(JIS K−5400(19
95)7.4.2 計測法)を測定し、曝露後のL値から
未曝露時のL値を引くことにより△L値を算出し、耐汚
染性を判定した。この△L値が0に近いほど耐汚染性に
優れる。 (除去性)試験板を自動車の屋根に貼り付け、通常のナ
イロンブラシを装着した自動洗車機にて、カーシャンプ
ー洗車を2回繰り返す。洗浄作業をした試験板の水の接
触角を測定し、下記の基準に従い防汚処理剤の残存度合
いを評価し、除去性を評価した。 :洗浄作業をした試験板の水の接触角が70°を超え
る。 :洗浄作業をした試験板の水の接触角が50〜70°で
ある。 ×:洗浄作業をした試験板の水の接触角が50°未満で
ある。
【0031】実施例1〜6 (1)防汚処理剤の製造 表1記載の組成の原料を混合し、防汚処理剤とした。 (2)試験片作成及び性能試験 リン酸亜鉛処理軟鋼板(縦30cm×横10cm)にカチ
オン電着塗料アクアNo.4200(登録商標、日本油
脂BASFコ−ティングス(株)製)を乾燥膜厚20μm
となるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、
次に中塗り塗料ハイエピコNo.500中塗(登録商
標、日本油脂BASFコ−ティングス(株)製)を乾燥膜
厚30μmとなるようにエアースプレー塗装し140℃
で30分間焼き付け、さらにメラミNo.2000白ソ
リッド塗料(登録商標、日本油脂BASFコ−ティング
ス(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようにエアースプ
レー塗装し140℃で30分間焼き付けたものを基材と
した。その後、上記(1)の防汚処理剤10gをそれぞ
れ上記基材上に霧吹きにより均一に塗布し、18℃の流
水下で基材全面を均一に水洗した後、20℃、無風状態
で自然乾燥させることにより防汚処理を行い試験片を作
製した。性能試験結果を表1に示すが、いずれの場合も
良好な外観性、高い親水性、優れた耐汚染性及び良好な
防汚処理の除去性を示した。
【0032】
【表1】
【0033】注1)A−1:NeoRez R−972
(商品名、ゼネカ レジン(株)製、水性ウレタン樹脂
ディスパージョン、不揮発成分:34質量%、溶媒:
水) 注2)A−2:ポリデュレックスG630(商品名、旭
化成(株)製、シリコーン変性アクリル樹脂エマルショ
ン、不揮発成分:46質量%、溶媒:水) 注3)A−3:SX8608(B)−01(商品名、J
SR(株)製、フッ素樹脂エマルション、不揮発成分:
47質量%、溶媒:水) 注4)A−4:NeoPac R−9000(商品名、
ゼネカ レジン(株)製、水性アクリルウレタン樹脂デ
ィスパージョン、不揮発成分:40質量%、溶媒:
水)) 注5)B−1:スノーテックスC(商品名、日産化学工
業(株)製、酸化ケイ素ゾル、不揮発成分:20質量
%、溶媒:水) 注6)B−2:アルミナゾル−10(商品名、川研ファ
インケミカル(株)製、アルミナゾル、不揮発成分:1
0質量%、溶媒:水) 注7)B−3:タイノックM−6(商品名、多木化学
(株)製、酸化チタンゾル、不揮発成分:6質量%、溶
媒:水) 注8)C−1:ノニオンK−204(商品名、日本油脂
(株)製、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル)、不揮発成分:100質量%、HLB
値=9.2) 注9)C−2:ノニオンNS−210(商品名、日本油
脂(株)製、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレン
ノニルフェノールエーテル)、不揮発成分:100質量
%、HLB値=13.3)
【0034】実施例1〜6と同様にして基材を作製し、
比較例1では防汚処理を行わずに、また、比較例2〜5
では、表2記載の組成の防汚処理剤10gをそれぞれ基
材上に霧吹きにより均一に塗布し、18℃の流水下で基
材全面を均一に水洗した後、20℃、無風状態で自然乾
燥させることにより防汚処理を行い試験片を作製した。
性能試験結果を表2に示すが、比較例1では防汚処理が
何ら行われてないため、また比較例2及び比較例4では
防汚処理剤中に(A)成分の樹脂が何ら配合されてないた
め、さらに比較例3及び比較例5では防汚処理剤中に
(B)成分の酸化物ゾルが何ら配合されてないため、いず
れの試験片もその表面の親水性は高くなく、耐汚染性に
劣った。
【0035】
【表2】
【0036】実施例7 リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.
4200(登録商標、日本油脂BASFコ−ティングス
(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して1
75℃で25分間焼き付け、次に中塗り塗料ハイエピコ
No.500中塗(登録商標、日本油脂BASFコ−テ
ィングス(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようにエア
−スプレー塗装し140℃で30分間焼き付けた。さら
にメラミNo.2000白ソリッド塗料(登録商標、日
本油脂BASFコ−ティングス(株)製、熱硬化型上塗り
塗料)を乾燥膜厚30μmとなるようにエア−スプレー
塗装し140℃で30分間焼き付け、加熱硬化物の塗膜
を得た。その140℃の加熱硬化物の塗膜を冷却する際
に、実施例1記載の防汚処理剤(20℃)をエアレススプ
レ一で均一に塗布することにより冷却し防汚処理を行な
った。冷却後の硬化物は60℃であった、その後、18
℃の流水下で硬化物の基材の全面を均一に水洗し、20
℃、無風状態で自然乾燥させることにより塗膜被覆鋼板
を作成した、性能試験結果を表3に示すが、良好な外観
性、高い親水性、優れた耐汚染性を示した。
【0037】実施例8 実施例7において、実施例1記載の防汚処理剤の代わり
に実施例4の防汚処理剤を使用した以外は、実施例7と
同様にして塗膜被覆鋼板を作成した。性能試験結果を表
3に示すが、良好な外観性、高い親水性、優れた耐汚染
性を示した。 実施例9 SUS304ステンレス鋼板(板厚0.5mm)に塗布型
クロメート処理を施し、次にエポキシ樹脂系プライマー
プレカラーWP−3(登録商標、日本油脂BASFコ−
ティングス(株)製)を乾燥膜厚5μmとなるようロール塗
装し到達板温220℃で60秒間焼き付けた。さらに、
プレカラーNo.8000ホワイト(登録商標、日本油
脂BASFコ−ティングス(株)製、熱可塑性フッ素系上
塗り塗料)を乾燥膜厚20μmとなるようにロール塗装し
到達板温220℃で60秒間焼き付け、塗装物を得た。
その220℃の塗装物を冷却する際に、実施例2記載の
防汚処理剤が入った20℃の浴中へ塗装物を浸漬させる
ことにより冷却し防汚処理を行なった。冷却後の塗装物
は40℃であった。その後、20℃、送風連度1m/s
ecの条件で送風乾燥させることにより試験板を作成し
た。性能試験結果を表3に示すが、良好な外観性、高い
親水性、優れた耐汚染性を示した。 実施例10 実施例9において、実施例2記載の防汚処理剤の代わり
に実施例5の防汚処理剤を使用した以外は、実施例10
と同様にして塗膜被覆鋼板を作成した。性能試験結果を
表3に示すが、良好な外観性、高い親水性、優れた耐汚
染性を示した。
【0038】
【表3】
【0039】比較例6 実施例8において、防汚処理剤の代わりに水が入った2
0℃の浴中へ塗装物を浸漬させることにより冷却した以
外は同様にして塗膜被覆鋼板を作成した。性能試験結果
を表4に示すが、防汚処理が何ら行なわれてないため、
その表面の親水性は高くなく、耐汚染性に劣った。
【0040】
【表4】
【0041】実施例11 洗浄用ブラシ、散水ノズル、洗剤散布用ノズル、送風機
及びこれらの駆動手段を備えた自動洗車装置で実施例1
〜6と同様の熱硬化性塗膜で覆われた外板を有する自動
車を洗車した後、自動車の外板に実施例1の防汚処理剤
を洗剤散布用ノズルから散布して約100g/mの割
合で塗布し、次に25℃の水を散水ノズルからシャワー
で均一に散水して水洗し、その後30℃の空気を20m
/secの速度で送風して乾燥した。自動車の外板は、表5
に示す様に、実施例1と同様良好な外観性、高い親水
性、優れた耐汚染性を示した。 実施例12 実施例11において、実施例1記載の防汚処理剤の代わ
りに実施例5の防汚処理剤を使用した以外は、実施例1
1と同様にして自動車の外板を防汚処理した。自動車の
外板は、表5に示す様に、実施例4と同様良好な外観
性、高い親水性、優れた耐汚染性を示した。
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】本発明の防汚処理剤は、専用の設備を必
要とすることなく基材上に塗布でき、簡単な作業で該基
材表面を親水化することにより優れた耐汚染性を付与で
きる。また、本発明の防汚処理方法は、上記防汚処理剤
を用いた方法であり、簡単な作業で基材に優れた耐汚染
性を付与できる。さらに、本発明の防汚処理物品は、上
記防汚処理方法により処理された物品であり、耐汚染性
に優れている。また、防汚処理剤を塗布され形成された
皮膜を簡便に除去することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B08B 17/02 B08B 17/02 B60S 3/04 B60S 3/04 C09D 5/16 C09D 5/16 201/00 201/00 C09K 3/18 C09K 3/18 Fターム(参考) 3B117 AA01 AA08 BA51 3D026 AA64 4D075 CA34 DC12 4H020 AA01 AB02 4J038 CA001 CD081 CD091 CF021 CG001 CP021 DA021 DD001 DD121 DG001 DG131 DG191 DG261 DL031 HA216 HA446 JA26 JA28 JA59 KA08 KA09 MA08 MA10 NA05 PA18 PB07 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08 PC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)樹脂不揮発成分0.01〜30質量
    %、(B)酸化ケイ素ゾル、酸化アルミニウムゾル、酸
    化アンチモンゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化スズゾ
    ル及び酸化チタンゾルの中から選ばれた少なくとも1種
    の酸化物ゾル不揮発成分0.01〜50質量%、(C)
    界面活性剤0.01〜30質量%及び(D)水20〜9
    9.9質量%を含有する防汚処理剤。
  2. 【請求項2】さらに、(E)有機溶剤0.5〜20質量
    %を含有する請求項1記載の防汚処理剤。
  3. 【請求項3】(A)成分の樹脂不揮発成分が、ゴム系水
    性ラテックス、酢酸ビニル樹脂系エマルション、酢酸ビ
    ニル樹脂系ディスパージョン、アクリル樹脂系エマルシ
    ョン、アクリル樹脂系ディスパージョン、シリコーン変
    性アクリル樹脂系エマルション、シリコーン変性アクリ
    ル樹脂系ディスパージョン、塩化ビニリデン樹脂系エマ
    ルション、塩化ビニリデン樹脂系ディスパージョン、エ
    ポキシ樹脂系エマルション、エポキシ樹脂系ディスパー
    ジョン、ウレタン樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系
    ディスパージョン、アクリルウレタン樹脂系エマルショ
    ン、アクリルウレタン樹脂系ディスパージョン、シリコ
    ーン樹脂系エマルション、シリコーン樹脂系ディスパー
    ジョン、フッ素樹脂系エマルション、フッ素樹脂系ディ
    スパージョン、ポリエステル樹脂系エマルション及びポ
    リエステル樹脂系ディスパージョンの不揮発成分、並び
    に水溶性アクリル樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性ビ
    ニル樹脂及び水溶性セルロース樹脂の中から選ばれた少
    なくとも1種である請求項1又は2記載の防汚処理剤。
  4. 【請求項4】(C)成分が非イオン系界面活性剤である
    請求項1〜3のいずれかに記載の防汚処理剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の防汚処理
    剤を基材に塗布し、乾燥させることを特徴とする防汚処
    理方法。
  6. 【請求項6】防汚処理剤を塗布した後、基材を水洗し、
    乾燥させる請求項5記載の防汚処理方法。
  7. 【請求項7】洗車装置による自動車の洗車において、洗
    車作業後、請求項1〜4のいずれかに記載の防汚処理剤
    を散布により自動車の外板に塗布し、次に散水によって
    水洗し、送風による乾燥を行うことを特徴とする防汚処
    理方法。
  8. 【請求項8】熱硬化性組成物を用いて硬化物を得る工程
    において、加熱硬化後冷却する際に、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の防汚処理剤を冷却液として用いて冷却す
    ることを特徴とする防汚処理方法。
  9. 【請求項9】熱可塑性組成物を用いて成形体を得る工程
    において、加熱成形後冷却する際に、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の防汚処理剤を冷却液として用いて冷却す
    ることを特徴とする防汚処理方法。
  10. 【請求項10】請求項5〜9のいずれかに記載の防汚処
    理方法により処理されたことを特徴とする防汚処理物
    品。
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