JP2019005692A - 建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料 - Google Patents
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Abstract
Description
下記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、少なくとも2回塗装した後、常温硬化させることを特徴とする。
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤
本発明の上塗り塗料は、A液中の主剤が4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分である。ここで主成分とは、60質量%以上をいい、70質量%以上が好ましく、より好ましくは75質量%以上である。4フッ化エチレンは塩素を含まず、塗膜自体を紫外線に強いC−F結合である。C−F結合は結合エネルギーが485.6kJであり、C−Cl結合の326.5kJに比べて結合エネルギーは高く、その分紫外線に対して安定である。また、「イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基」とは、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、カルボキシル基含有ビニルエーテル等である。このような有機基はイソシアネート系硬化剤と次の(化1)ように反応する。
B液の硬化剤(架橋剤)はイソシアネート系化合物である。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)及びこれらの混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)及びこれらの混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等が挙げられる。好ましい市販品は、例えば旭化成ケミカルズ社製「デュラネートTPA−100」(へキサメチレンジイソシアネート)を用いることができる。硬化剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して5〜20質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは10〜15質量%である。
(1)メタルハライド式ウェザーメーターによる促進耐候性試験
(a)試験機:岩崎電気株式会社製、型番“SUV−W161”
(b)光源:メタルハライドランプ
(c)光線波長:295〜450nm
(d)放射照度:150±8W/cm2
(e)温度:63±3℃
(f)シャワー:60分中10秒間降雨先降り運転
(g)有効照射面積:190mm×422mm
(h)運転サイクル:250Hr
(2)光沢
目視により観察し、次のように評価した。
A:自然石に近似する光沢
B:やや艶が目立つ
(3)ひび割れ有無
メタルハライド式ウェザーメーターによる促進試験後の試料表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:ひび割れなし
B:僅かにひび割れあり、補修必要
C:大きなひび割れあり、補修必要
(4)変色
メタルハライド式ウェザーメーターによる促進試験後の試料表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:変色なし
B:変色あるが実用的に問題ない程度で目立たない、補修不要
C:やや目立つ変色、補修必要
D:明らかに変色しており、補修必要
本実施例は新築の建築物外壁の例である。
(1)中塗り塗装
吹き付け材として、次の成分に調合したものを用いた。
(a)骨材 61.60重量部
(b)アクリルエマルジョン(固形分50%) 25.20重量部
(c)増粘剤(ヒドロキシメチルセルロース) 11.35重量部
(d)pH調整剤(アンモニア水) 0.17重量部
(e)消泡剤(アルコール系) 0.03重量部
(f)造膜助剤(アルコール系) 0.39重量部
(g)水 1.26重量部
作業性や貯蔵の便のために増粘剤、pH調整剤、消泡剤、造膜助剤等が混入されている。ここで、造膜助剤とは、エマルジョンの透明造膜の温度を下げるためのものである。
(2)上塗り塗装
塗装層17とシーリング材25の表面に、ローラー塗装具26を用いて上塗り塗装を2回実施した。1回目の上塗り塗装は常温(25℃)で24時間硬化させた。図4は研磨後の塗装層の表面に上塗り塗装の2回目を実施している断面説明図である。上塗り塗料の内容は次の表2に示すとおりである。
本実施例は既存の建築物外壁の補修例である。建造物壁面として、骨材と合成樹脂を含み、無機粉体を含む塗布材を非混合多色状に吹き付け塗装した天然石調壁面(建築後50年経過相当)に対して下記の処理を行った。
(1)まず建造物外壁の塗装面を、サンドペーパー#400を用いて研摩した。研摩後は高圧力空気を吹き付けて清浄化した。これにより、建造物外壁面の汚れ除去と、残っている上塗り材の除去及び目粗しができた。
(2)研摩面にはプライマー塗料を塗装した。
プライマー塗料は、シロキサン架橋を持つアクリルシリコン系樹脂の市販品、トウペ社製、商品名"トアGTシリコン"を使用し、ローラーにより、0.13kg/m2(固形分33.0%の溶液)を均一に塗布した。
(3)上塗り塗装
プライマー塗料の塗膜が乾燥した後、プライマー塗膜の表面に、ローラー塗装具を用いて上塗り塗装を2回実施した。1回目の上塗り塗装は常温(25℃)で24時間硬化させた。それ以外は、実施例3は実施例1と同じ、実施例4は実施例2と同じにした。結果はまとめて表3に示す。また紫外線透過試験は、320〜380nmの紫外線を99%カットし、透過部分は1%であった。
A液の主剤として、ゼッフルGK−570の代わりに3フッ化塩化エチレン含有率49質量%とした以外は実施例1と同様に実施した。結果はまとめて表3に示す。また紫外線透過試験は、320〜380nmの紫外線を69.8%カットし、透過部分は30.2%であった。なお一般の上塗り材は320〜380nmの紫外線を30〜41%カットし、透過部分は70〜59%である。
4,5,6 噴射ノズル
7,8,9 吹き付け材
10,11 取っ手
12 3頭式スプレーガン
13 建築物外壁等の基材
14,15,16 噴射物
17 塗装層
18 凸部
19 研磨線
20 平面部分
21 凹部
22 上塗り第1層
23 上塗り第2層
24 目地ダミー材
25 目地シーリング材
26 ローラー塗装具
27 塗装層
28 プライマー塗料層
29 上塗り塗料層
31a 上塗り第1層のバルーン型親水化剤
31b 上塗り第2層のバルーン型親水化剤
32 ブラシ
Claims (7)
- 建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法であって、
下記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、少なくとも2回塗装した後、常温硬化させることを特徴とする塗装方法。
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤 - 前記塗装がローラー塗装である請求項1に記載の塗装方法。
- 前記親水化剤は、塗膜表面に浮き上がり塗膜表面を親水化させるバルーン型親水化剤である請求項1又は2に記載の塗装方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の塗装方法に使用するための上塗り塗料であって、下記A液とB液を含むことを特徴とする建造物外壁上塗り塗料。
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤 - 前記親水化剤は、塗膜表面に浮き上がり塗膜表面を親水化させるバルーン型親水化剤である請求項4に記載の建造物外壁上塗り塗料。
- 前記上塗り塗料には、さらに艶消し剤を含む請求項4又は5に記載の建造物外壁上塗り塗料。
- 前記上塗り塗料には、さらに沈降防止剤を含む請求項4〜6のいずれかに記載の建造物外壁上塗り塗料。
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