JP2019005692A - 建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料 - Google Patents

建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の耐久性を改善し、長期間美装状態を保ち、長期間メンテナンスが不要で耐久性の高い建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料の提供。【解決手段】建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法は、下記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、少なくとも2回塗装22,23した後、常温硬化させる、外壁上塗り塗装方法。[A液](1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分。(2)紫外線吸収剤。(3)光安定剤。(4)消泡剤。(5)溶剤。[B液](1)イソシアネート系硬化剤。(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤。(3)溶剤。前記親水化剤は塗膜22,23表面に浮き上がバルーン型親水化剤31a,31bが好ましい、外壁き上塗り塗装方法。【選択図】図7

Description

本発明は、長期間美装状態を保ち、長期間メンテナンスが不要で耐久性の高い建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料に関する。
建造物の壁面等の表面は、美観や本体保護上等の観点から、天然石、金属の薄い板、タイル等を貼り付けたり、疑似天然石模様を付けたり、吹き付け塗装を行う等によって施工されている。従来、建造物の壁面等の表面に模様等を付する方法としては、例えば、リシン系(骨材が含まれる配合)及び塗料系の材料をコテ塗り法、ローラー塗装法等によって塗布する方法がある。コテ塗り法は、コテを用いて材料を建造物の表面に移して延ばす方法である。ローラー塗装法は、ローラーやコテを用いて材料を建造物の表面に移し、ローラーによって延ばす方法である。これらは手作業によって行われるため、大きな模様を付することはできるが、厚塗りや大面積の塗装には適していない。
このため、圧縮空気を利用し、スプレーガン等から吹き付け材を噴射させることによって塗装する方法が提案されている(特許文献1)。この吹き付け塗装方法は、適度に粉砕した自然石を、合成樹脂中に混入してなる混合材の異なる色のもの複数種を1機のスプレーガン内の別個のタンクにそれぞれ用意し、該複数種の混合材を複数の吹き付け口を有する多頭式スプレーガンの別個の吹き付け口から同時に吹き付けることによって、非混合多色状に塗布する。この塗装面の非汚染仕上げとして、本発明者らはシロキサン架橋型アクリル−珪素重合体又はフッ素樹脂を含む上塗り材を使用することにより、40年以上耐用可能な塗装方法を下記特許文献2〜3等に提案している。また、特許文献4には、塗膜表面を親水性化するためオルガノシリケート化合物を添加することが提案されている。
特公平5−9587号公報 特開2009−264011号公報 特許第5478700号公報 特開2008−238767号公報
しかし、従来の技術は、塗膜の耐久性に問題があり、長い耐用年数の外壁とすることは困難であった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、塗膜の耐久性を改善し、長期間美装状態を保ち、長期間メンテナンスが不要で耐久性の高い建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料を提供する。
本発明の建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法は、
下記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、少なくとも2回塗装した後、常温硬化させることを特徴とする。
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤
本発明の建造物外壁上塗り塗料は、前記の塗装方法に使用するための上塗り塗料であって、下記A液とB液を含むことを特徴とする。
[A液]
(1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
(2)紫外線吸収剤
(3)光安定剤
(4)消泡剤
(5)溶剤
[B液]
(1)イソシアネート系硬化剤
(2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
(3)溶剤
本発明は、A液中の主剤として4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分を使用することにより、塩素を含まず、塗膜自体を紫外線に強いC−F結合の割合を多くし、さらにB液に親水化剤を含むことにより親水性塗膜を形成し、低汚染性にしたことにより、塗膜の耐久性を改善し、長期間美装状態を保ち、長期間メンテナンスが不要で耐久性の高い外壁上塗り塗料及びこれを用いた塗装方法を提供できる。また、A液とB液を塗装直前に混合するので、貯蔵安定性が良いばかりでなく、塗装後の常温硬化性が良く、長期間耐久性の良い被膜形成ができる。さらに、本発明の塗料は少なくとも2回以上塗装する。バルーン型親水化剤を上塗り塗料B液(硬化剤)に加えている。第1層の上塗り塗膜が固まる前に塗膜表面にバルーン型親水化剤がすみやかに浮き上がり、表面に親水化塗膜を形成する。2回以上塗装するため、親水化塗膜が複層形成され、バルーン型親水化剤が配列した層が補強層となり、全体として塗膜強度及び耐久性が高くなる。
図1は本発明の一実施形態における中塗り塗装で使用する3頭式スプレーガンを示す斜視図である。 図2は同、吹き付け塗装方法を示す説明図である。 図3Aは同、研磨前の塗装層の拡大断面図、図3Bは研磨後の塗装層の拡大断面図である。 図4は同、上塗り塗料を2回塗装している断面説明図である。 図5は本発明の別の一実施形態のブラシを用いて建造物外壁の塗装面を研摩する方法を示す模式的説明図である。 図6は同、プライマー塗料を塗装面の上に上塗り材を塗装する方法を示す模式的説明図である。 図7は本発明の一実施形態における上塗り塗料の塗装層を示す拡大説明図である。
<A液について>
本発明の上塗り塗料は、A液中の主剤が4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分である。ここで主成分とは、60質量%以上をいい、70質量%以上が好ましく、より好ましくは75質量%以上である。4フッ化エチレンは塩素を含まず、塗膜自体を紫外線に強いC−F結合である。C−F結合は結合エネルギーが485.6kJであり、C−Cl結合の326.5kJに比べて結合エネルギーは高く、その分紫外線に対して安定である。また、「イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基」とは、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、カルボキシル基含有ビニルエーテル等である。このような有機基はイソシアネート系硬化剤と次の(化1)ように反応する。
Figure 2019005692
本発明の上塗り塗料のA液中の、主剤が4フッ化エチレンを主成分とするイソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分としては、例えばダイキン工業社製、商品名"ゼッフルGK−570"( 4フッ化エチレン76質量%含有)がある。
本発明の上塗り塗料のA液中の紫外線吸収剤は、例えばBASF社製、商品名"TINUVIN 928"(ベンゾトリアゾール系化合物)がある。この紫外線吸収剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して0.5〜5質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは1〜3質量%である。
本発明の上塗り塗料のA液中の光安定剤は、例えばBASF社製、商品名"TINUVIN 123"がある。この光安定剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して0.1〜2質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜1質量%である。
本発明の上塗り塗料のA液中の消泡剤は、パーフルオロエーテル化合物、パーフルオロアルキル基含有シリコーン化合物、フッ素変性ポリシロキサン等である。例えばビックケミー・ジャパン(株)社製、商品名"BYK−066N"がある。この消泡剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して0.1〜3質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
本発明の上塗り塗料のA液中の溶剤はいかなるものであってもよいが、酢酸ブチルが好ましい。この溶剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して20〜40質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは22〜35質量%である。
<B液について>
B液の硬化剤(架橋剤)はイソシアネート系化合物である。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)及びこれらの混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)及びこれらの混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等が挙げられる。好ましい市販品は、例えば旭化成ケミカルズ社製「デュラネートTPA−100」(へキサメチレンジイソシアネート)を用いることができる。硬化剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して5〜20質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは10〜15質量%である。
B液の親水化剤は、塗膜表面に浮き上がり塗膜表面を親水化させるバルーン型親水化剤が好ましい。このようなものとして例えばガラス製等のマイクロバルーンがある。他の親水化剤として、アルキルシリケート化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも一つであってもよい。親水化剤は、塗膜表面に配向して局在化し、塗膜表面を親水化させることで低汚染化剤として機能し、塗膜の低汚染性を向上させる。アルキルシリケート化合物としては、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチルシリケート、テトラ−t−ブチルシリケート、メチルエチルシリケート、メチルプロピルシリケート、メチルブチルシリケート、エチルプロピルシリケート、プロピルブチルシリケート等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 アルキルシリケート化合物の部分加水分解縮合物としては、上記の各アルキルシリケート化合物が部分的に加水分解縮合したものが挙げられる。その縮合度としては、1〜20が好ましく、より好ましい縮合度は、3〜15である。バルーン型親水化剤としては、例えばダイキン工業社製、商品名"ゼッフルGH−701"がある。親水化は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して0.5〜3質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは1〜2質量%である。
B液の溶剤は、いかなるものであってもよいが、メチルエチルケトン(MEK)が好ましい。B液の溶剤は、前記フッ素樹脂成分100質量部に対して5〜30質量部含むのが好ましく、さらに好ましくは10〜20質量%である。
前記上塗り塗料には、さらに艶消し剤を含ませてもよい。艶消し剤としては、SiO2粉末(例えばエポニック・ジャパン(株)社製、商品名"ACEMATT TS 100")が好ましい。上塗り塗料には、さらに沈降防止剤を含ませてもよい。沈降防止剤としては、例えばビックケミー・ジャパン(株)社製、商品名"DISPERBYK−2008")が好ましい。
次に、本発明の塗装方法を説明する。本発明の塗装方法は、下塗り、中塗り等をした通常の塗装の上にさらに上塗り(トップコートともいう)をする際の塗装方法、又は改修壁の塗装に使用され、前記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、塗装した後、常温硬化させる。塗装方法はローラー塗装、スプレイ塗装、刷毛塗り塗装などいかなる方法でもよいが、正確に塗るにはローラー塗装が好ましい。
上塗り塗料は少なくとも2回塗装するのが好ましい。これにより上塗層の耐久性が高くなり好ましい。本発明の上塗り塗料は粘度が80〜140センチポイズ(23℃,BL型,回転数60rpm)であるため、1度塗りでは膜厚が不足するため、2度塗り又は3度塗りするのが好ましい。とくにバルーン型親水化剤を上塗り塗料に加えると、1層目の塗膜表面にバルーン型親水化剤が浮き上がり、塗膜表面を親水化させるため、2層目以降の塗膜との接着性が高くなるうえ、バルーン型親水化剤が配列した層が補強層となるため、全体として塗膜強度及び耐久性が高くなる。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明の一実施例における中塗り塗装で使用する3頭式スプレーガンを示す斜視図である。この3頭式スプレーガン12には、3つのタンク1、2、3が設けられており、タンク上部の全体は矩形(直方体形状)である。各タンク1、2、3に色の異なる第1〜第3の吹き付け材7、8、9をそれぞれ別々に収容する。また、タンク1、2、3の下部はテーパー状に細くなっており、一番下の部分にそれぞれ別個に噴射ノズル4、5、6が設けられている。タンク1、2、3内の第1〜第3の吹き付け材7、8、9は、圧縮空気によって噴射ノズル4、5、6からそれぞれ弾(たま)状に噴出させる。噴射ノズル4、5、6の口径はそれぞれ12mm、10mm、6mmであり、第1の吹き付け材(白色)7、第2の吹き付け材(灰色)8、第3の吹き付け材(黒色)9の吐出量比は5:4:1である。この3頭式スプレーガン12には、取っ手10,11がノズルの横に付いており、この取っ手10,11には、圧縮空気を高圧状態(2.0気圧)から低圧状態(1.0気圧)に(及び低圧状態から高圧状態に)切り替えるための切り替えスイッチ(図示せず)が設けられている。
図2は本発明の一実施例における吹き付け塗装方法を示す説明図である。建築物外壁等の基材13は、縦150mm、横70mm、厚さ3mmの繊維補強樹脂板を使用した。建築物外壁等の基材13の表面には目地となる部分に目地ダミー材24(ポリエチレン発泡シートの表面に粘着剤を一体化したもの)を貼り付けておいた。噴射ノズル4、5、6からそれぞれ弾状に噴出させた噴射物14,15,16を建築物外壁等の基材13に塗装し、乾燥することにより塗装層17を得た。この塗装層のままでも塗布材は非混合多色状に塗布されており、天然石調壁面であった。
図3Aは得られた塗装層17の拡大断面図である。建築物外壁等の基材13に塗装された塗装層は、全体が大きな凹凸表面となっており、研磨線矢印19に沿って凸部18をプレートサンダーにより研磨した。図3Bは研磨した後の塗装層17の拡大断面図である。塗装層17は、研磨により平面部分20と凹部21となり、平面部分20があることにより、天然石のバーナー仕上げに近い表面形態となった。塗装層17の厚さは約2mmが好ましい。
図3Bに示すように、目地ダミー材24を剥離し、溝となった部分にシーリング材25を充填した。このシーリング材は一成分型である市販のオート化学工業社製、商品名“オートン超耐シーラーTF2000”(以下「ウレタン組成物」とも言う)を用いた。
その後、塗装層17とシーリング材25の表面に、ローラー塗装具26を用いて上塗り塗装を2回実施した。1回目の上塗り塗装は常温(25℃)で24時間硬化させた。図4は研磨後の塗装層の表面に上塗り塗装の2回目を実施している断面説明図である。22は上塗り第1層、23は上塗り第2層である。
図5は本発明の一実施形態の外壁修理を示す模式的説明図である。コンクリート、建築用パネル等の建築物外壁等の基材13の表面に塗装層27と目地25を有する補修壁の表面を、まずブラシ32で研磨する。ブラシ掛けの後にサンドペーパーで研磨しても良い。研摩後は圧空(高圧力空気)を吹き付けて研摩粉等を除去する。これにより、建造物外壁面の汚れ除去と、残っている損傷した上塗り材を除去し、アンカー効果用の目粗しができる。塗装層27と目地25に破損個所があれば補修する。なお、圧空(高圧力空気)を吹き付けて研摩粉等を除去し、清浄化するのは、水を用いた清浄化に比べて乾燥時間を必要としない利点がある。足場などが必要な現場作業において、作業時間の短縮は重要である。
次に図6に示すように、プライマー塗料をローラー塗装し、乾燥させ、プライマー塗料層28とする。次に上塗り材を塗装して上塗り塗料層29を形成する。この上塗り塗料層29も2層以上とする。26はローラー塗装具である。
図7は本発明の一実施形態における上塗り塗料の塗装層を示す拡大説明図であり、上塗り塗料にはバルーン型親水化剤を加えた例である。塗膜表面にバルーン型親水化剤が浮き上がるため、上塗り第1層22、及び上塗り第2層23のそれぞれには、上塗り第1層のバルーン型親水化剤31aの層と上塗り第2層のバルーン型親水化剤31bの層が形成され、塗膜表面は親水化されるとともに、それぞれの層間接着性が高くなるうえ、バルーン型親水化剤が配列した層が補強層となるため、全体として塗膜強度及び耐久性が高くなる。
以下実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(各特性の測定試験方法)
(1)メタルハライド式ウェザーメーターによる促進耐候性試験
(a)試験機:岩崎電気株式会社製、型番“SUV−W161”
(b)光源:メタルハライドランプ
(c)光線波長:295〜450nm
(d)放射照度:150±8W/cm2
(e)温度:63±3℃
(f)シャワー:60分中10秒間降雨先降り運転
(g)有効照射面積:190mm×422mm
(h)運転サイクル:250Hr
(2)光沢
目視により観察し、次のように評価した。
A:自然石に近似する光沢
B:やや艶が目立つ
(3)ひび割れ有無
メタルハライド式ウェザーメーターによる促進試験後の試料表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:ひび割れなし
B:僅かにひび割れあり、補修必要
C:大きなひび割れあり、補修必要
(4)変色
メタルハライド式ウェザーメーターによる促進試験後の試料表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:変色なし
B:変色あるが実用的に問題ない程度で目立たない、補修不要
C:やや目立つ変色、補修必要
D:明らかに変色しており、補修必要
(実施例1〜2)
本実施例は新築の建築物外壁の例である。
(1)中塗り塗装
吹き付け材として、次の成分に調合したものを用いた。
(a)骨材 61.60重量部
(b)アクリルエマルジョン(固形分50%) 25.20重量部
(c)増粘剤(ヒドロキシメチルセルロース) 11.35重量部
(d)pH調整剤(アンモニア水) 0.17重量部
(e)消泡剤(アルコール系) 0.03重量部
(f)造膜助剤(アルコール系) 0.39重量部
(g)水 1.26重量部
作業性や貯蔵の便のために増粘剤、pH調整剤、消泡剤、造膜助剤等が混入されている。ここで、造膜助剤とは、エマルジョンの透明造膜の温度を下げるためのものである。
骨材としては、白色骨材は寒水石等の自然石を粉砕したもの、黒色は黒曜石等の自然石を粉砕したもの、灰色は寒水石を粉砕したものと黒曜石を粉砕したものを混合して使用した。骨材の粒度分布は、建築物用壁装材の模様の表現によって自由に選択することができるが、その強度や美観から、次の表1に示す粒度分布のものを採用した。表1において、メッシュとは1インチ(25.4mm)あたりの篩目の数をいう。なお、骨材の色は目的により様々のものを使用でき、骨材も焼付け骨材、セラミックスなどさまざまなものを使用できる。
Figure 2019005692
図1〜4に示すように、3頭式スプレーガン12を用いて建築物用パネル13の表面に御影石調の塗装層17を塗装し、同時にシーリング材25を形成した。その後、表面研磨した。
(2)上塗り塗装
塗装層17とシーリング材25の表面に、ローラー塗装具26を用いて上塗り塗装を2回実施した。1回目の上塗り塗装は常温(25℃)で24時間硬化させた。図4は研磨後の塗装層の表面に上塗り塗装の2回目を実施している断面説明図である。上塗り塗料の内容は次の表2に示すとおりである。
Figure 2019005692
各実施例の粘度は、実施例1は粘度80〜120センチポイズ、実施例2は100〜140センチポイズ(23℃,BL型,回転数60rpm)であった。2回塗り後の塗装量は、乾燥後の固形分で100g/m2であった。得られた塗装物は、メタルハライド式ウェザーメーターによる促進試験の結果はまとめて表3に示す。また紫外線透過試験は、320〜380nmの紫外線を99%カットし、透過部分は1%であった。
(実施例3〜4)
本実施例は既存の建築物外壁の補修例である。建造物壁面として、骨材と合成樹脂を含み、無機粉体を含む塗布材を非混合多色状に吹き付け塗装した天然石調壁面(建築後50年経過相当)に対して下記の処理を行った。
(1)まず建造物外壁の塗装面を、サンドペーパー#400を用いて研摩した。研摩後は高圧力空気を吹き付けて清浄化した。これにより、建造物外壁面の汚れ除去と、残っている上塗り材の除去及び目粗しができた。
(2)研摩面にはプライマー塗料を塗装した。
プライマー塗料は、シロキサン架橋を持つアクリルシリコン系樹脂の市販品、トウペ社製、商品名"トアGTシリコン"を使用し、ローラーにより、0.13kg/m2(固形分33.0%の溶液)を均一に塗布した。
(3)上塗り塗装
プライマー塗料の塗膜が乾燥した後、プライマー塗膜の表面に、ローラー塗装具を用いて上塗り塗装を2回実施した。1回目の上塗り塗装は常温(25℃)で24時間硬化させた。それ以外は、実施例3は実施例1と同じ、実施例4は実施例2と同じにした。結果はまとめて表3に示す。また紫外線透過試験は、320〜380nmの紫外線を99%カットし、透過部分は1%であった。
(比較例1)
A液の主剤として、ゼッフルGK−570の代わりに3フッ化塩化エチレン含有率49質量%とした以外は実施例1と同様に実施した。結果はまとめて表3に示す。また紫外線透過試験は、320〜380nmの紫外線を69.8%カットし、透過部分は30.2%であった。なお一般の上塗り材は320〜380nmの紫外線を30〜41%カットし、透過部分は70〜59%である。
Figure 2019005692
表3から明らかなとおり、本発明の実施例1〜4の外壁面は、耐久性が高く、外壁光沢がよく、ひび割れはなく、変色もないことが確認できた。また、自然石(白御影石)調の落ち着いた美観を有していた。これに対し、比較例1の耐久性は低かった。
本発明は一般の建造物、ビル、マンション、工場、事務所などの外壁に好適である。とくに集合住宅(マンション)などで通常行われている10〜15年ごとの大規模修繕工事を大幅に延長することができ、修繕管理コストを大幅に低下することができる。
1,2,3 タンク
4,5,6 噴射ノズル
7,8,9 吹き付け材
10,11 取っ手
12 3頭式スプレーガン
13 建築物外壁等の基材
14,15,16 噴射物
17 塗装層
18 凸部
19 研磨線
20 平面部分
21 凹部
22 上塗り第1層
23 上塗り第2層
24 目地ダミー材
25 目地シーリング材
26 ローラー塗装具
27 塗装層
28 プライマー塗料層
29 上塗り塗料層
31a 上塗り第1層のバルーン型親水化剤
31b 上塗り第2層のバルーン型親水化剤
32 ブラシ

Claims (7)

  1. 建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法であって、
    下記A液とB液を混合して上塗り塗料とし、少なくとも2回塗装した後、常温硬化させることを特徴とする塗装方法。
    [A液]
    (1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
    (2)紫外線吸収剤
    (3)光安定剤
    (4)消泡剤
    (5)溶剤
    [B液]
    (1)イソシアネート系硬化剤
    (2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
    (3)溶剤
  2. 前記塗装がローラー塗装である請求項1に記載の塗装方法。
  3. 前記親水化剤は、塗膜表面に浮き上がり塗膜表面を親水化させるバルーン型親水化剤である請求項1又は2に記載の塗装方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の塗装方法に使用するための上塗り塗料であって、下記A液とB液を含むことを特徴とする建造物外壁上塗り塗料。
    [A液]
    (1)4フッ化エチレンを主成分とし、イソシアネート系硬化剤により硬化可能な有機基を含むフッ素樹脂成分
    (2)紫外線吸収剤
    (3)光安定剤
    (4)消泡剤
    (5)溶剤
    [B液]
    (1)イソシアネート系硬化剤
    (2)塗膜表面を親水化させる親水化剤
    (3)溶剤
  5. 前記親水化剤は、塗膜表面に浮き上がり塗膜表面を親水化させるバルーン型親水化剤である請求項4に記載の建造物外壁上塗り塗料。
  6. 前記上塗り塗料には、さらに艶消し剤を含む請求項4又は5に記載の建造物外壁上塗り塗料。
  7. 前記上塗り塗料には、さらに沈降防止剤を含む請求項4〜6のいずれかに記載の建造物外壁上塗り塗料。
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