JP5748376B1 - 外壁塗装方法 - Google Patents

外壁塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5748376B1
JP5748376B1 JP2014079524A JP2014079524A JP5748376B1 JP 5748376 B1 JP5748376 B1 JP 5748376B1 JP 2014079524 A JP2014079524 A JP 2014079524A JP 2014079524 A JP2014079524 A JP 2014079524A JP 5748376 B1 JP5748376 B1 JP 5748376B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
coating
coating method
resin
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014079524A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015200108A (ja
Inventor
清海 濱中
清海 濱中
Original Assignee
株式会社ハマキャスト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ハマキャスト filed Critical 株式会社ハマキャスト
Priority to JP2014079524A priority Critical patent/JP5748376B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5748376B1 publication Critical patent/JP5748376B1/ja
Publication of JP2015200108A publication Critical patent/JP2015200108A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】凹凸感を発現させ、立体模様や立体形状をより強調して出せ、美観が高くかつ長期間メンテフリーの外壁塗装方法を提供する。【解決手段】本発明の外壁塗装方法は、樹脂発泡体の成形体(4)表面に樹脂被膜(5)を形成して被膜付き成形体とし、前記被膜付き成形体の表面に化粧塗装をし、前記化粧塗装面(6)の表面から上塗り材(7)を塗装して外壁ユニット(8)とし、前記外壁ユニット(8)を建築物の外壁(9)に固定し、周囲をシーリング材(16)でシーリングし、前記シーリング材(16)の表面に上塗り材(18)を塗装する。外壁ユニット(8)以外の外壁には骨材を含む塗料を非混合多色状に塗布して天然石調壁面(17)とし、この表面にも上塗り材(18)を塗布するのが好ましい。【選択図】図6

Description

本発明は、建築物の外壁が部分的に突出した形状を有する外壁塗装方法に関する。
建築物の壁面等の表面は、美観や本体保護上等の観点から、天然石、金属の薄い板、タイル等を貼り付けたり、疑似天然石模様を付けたり、吹き付け塗装を行う等によって施工されている。従来、建築物の壁面等の表面に模様等を付する方法としては、例えば、リシン系(骨材が含まれる配合)及び塗料系の材料をコテ塗り法、ローラー塗装法等によって塗布する方法がある。コテ塗り法は、コテを用いて材料を建築物の表面に移して延ばす方法である。ローラー塗装法は、ローラーやコテを用いて材料を建築物の表面に移し、ローラーによって延ばす方法である。これらは手作業によって行われるため、大きな模様を付することはできるが、厚塗りや大面積の塗装には適していない。
このため、圧縮空気を利用し、スプレーガン等から吹き付け材を噴射させることによって塗装する方法が提案されている(特許文献1)。この吹き付け塗装方法は、適度に粉砕した自然石を、合成樹脂中に混入してなる混合材の異なる色のもの複数種を1機のスプレーガン内の別個のタンクにそれぞれ用意し、該複数種の混合材を複数の吹き付け口を有する多頭式スプレーガンの別個の吹き付け口から同時に吹き付けることによって、非混合多色状に塗布する。この塗装面の非汚染仕上げとして、本発明者らはシロキサン架橋型アクリル−珪素重合体を含む上塗り材を使用することにより、40年耐用の塗装方法を下記特許文献2等に提案している。
特公平5−9587号公報 特開2009−264011号公報
しかし、前記従来の技術は、建築物の外壁面が自然石には近似しているものの、凹凸感は少なく立体模様や形状を発現することは困難であった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、凹凸感を発現させ、立体模様や立体形状をより強調して出せ、美観が高くかつ長期間メンテフリーの外壁塗装方法を提供する。
本発明の外壁塗装方法は、建築物の外壁塗装方法であって、樹脂発泡体の成形体表面に樹脂被膜を形成して被膜付き成形体とし、前記被膜付き成形体の表面に化粧塗装をし、前記化粧塗装面の表面から上塗り材を塗装して外壁ユニットとし、前記外壁ユニットを建築物の外壁に固定し、周囲をシーリング材でシーリングし、前記シーリング材の表面に上塗り材を塗装することを特徴とする。
本発明は、予め工場で樹脂発泡体を成形体とし、その表面に樹脂被膜を形成し、その表面に化粧塗装及び上塗り材塗装をして外壁ユニットを形成しておき、塗装現場で前記外壁ユニットを建築物の外壁に固定し、周囲をシーリング材でシーリングし、前記シーリング材の表面に上塗り材を塗装する。これにより凹凸感を発現させ、立体模様や立体形状をより強調して出せ、美観の高い外壁塗装方法を提供できる。加えて長期間メンテフリーの外壁とすることができる。
図1は本発明の実施例1の外壁ユニット用樹脂発泡成形体の模式的斜視図である。 図2は同、別の外壁ユニット用樹脂発泡成形体の模式的斜視図である。 図3は同、別の外壁ユニット用樹脂発泡成形体の模式的斜視図である。 図4は本発明の実施例1の外壁ユニットの模式的断面図である。 図5Aは同、外壁ユニットを外壁面に取り付けるための取り付け具の斜視図、図5Bは同取り付け具に接着剤を付着させた状態の斜視図である。 図6は同、外壁ユニットを建築物の外壁に固定し、仕上げ塗装をした状態を示す模式的断面図である。 図7は同、外壁ユニットを建築物の外壁に固定し、仕上げた状態を示す斜視図である。 図8は本発明の実施例1の外壁ユニットの紫外線透過試験を示すグラフである。
本発明の外壁ユニットは、樹脂発泡体の成形体を使用する。成形体は金型成形でもよいが、刃物や熱線カッター等の工具を用いた切削加工や接着等の手段により形成してもよい。切削成形は3次元コンピュータ支援設計(3D−CAD)とNC旋盤を使用して、一品制作が可能であるため、建築物の外壁も顧客の希望に沿ったデザインを選択することが可能である。樹脂発泡成形体の形状は、丸形、多角形、星形、ハート形等のほか、天然石、魚、舟、飛行機、野菜、果物、お札、硬貨等様々な形状が可能である。ビルの所有者や企業体のイメージをデザインすることもできる。
前記成形体表面に樹脂被膜を形成する。樹脂被膜は保護膜としての機能がある。樹脂被膜は塗装液として塗布して乾燥及び/又は硬化しても良い。樹脂被膜は、無溶剤ポリウレア樹脂をコーティングし乾燥して形成するのが好ましい。例えば、無溶剤ポリウレア樹脂塗料をディッピング(浸漬)、ローラー塗布、刷毛塗り、スプレー法などにより樹脂発泡成形体に塗装し、反応固化させて樹脂被膜を形成する。樹脂被膜の膜厚は0.5〜5mmが好ましく、さらに好ましくは1〜3mmである。成形体表面に樹脂被膜を形成するのは、樹脂発泡体の強度及び防水性、表面平滑性を高めて取扱い性と美観を向上させるとともに、表面の化粧塗料との接着性及び壁面との接着性を向上させる利点がある。
前記被膜付き成形体の表面に建築物の外壁となる化粧塗装をして外壁ユニットとする。化粧塗装は、一例として骨材と合成樹脂を含み無機粉体を含んでもよい塗布材を非混合多色状に塗装し、天然石調壁面としても良い。別の例としては、着色剤を含む塗料を厚塗りで塗装する。塗装厚さは乾燥厚みで1〜10mmが好ましい。化粧塗料を乾燥させた後、建築物の外壁に固定し、その後に固定した外壁ユニットの化粧塗装面の表面から上塗り材を上塗り塗装する。これにより、長期間美装状態を保つことができる。建築物は新築でもよいし、既存の建築物の改修であっても良い。天然石調壁面及び上塗り塗装については後に詳しく説明する。
外壁ユニットの基材となる樹脂発泡体は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン及びこれらの混合体から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。これらの樹脂は軽量であり、建築物の外壁に取り付けても剥離しにくく、落下しにくい。とくにポリスチレン発泡体が好ましい。ポリスチレン発泡体の場合、発泡倍率は10〜70倍が好ましく、さらに好ましくは15〜60倍であり、より好ましくは20〜50倍である。比重は0.01〜0.1g/m3が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.09g/m3である。樹脂発泡体の表面には、様々な転写面を形成しておくこともできる。転写面には気泡を殆ど有しないスキン層が形成されていると、優れた表面平滑性が得られるため好ましい。
発泡樹脂には公知の難燃剤を添加できる。例えば、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモジフェニルエーテル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジアリルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジ(ヒドロキシエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等の臭素系難燃剤;塩化パラフィン、塩化トリフェニル、塩化ジフェニル、パークロルペンタシクロデカン等の塩素系難燃剤;1,2−ジブロモ3−クロルプロパン、2−クロル−1,2,3,4−テトラブロモブタン等の塩素臭素含有難燃剤等を添加できる。
難燃剤は、1種のみを使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、所望の難燃性を容易に得ることができるため、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを主成分として使用することが好ましい。なお、本発明において、主成分とは、難燃剤の合計100質量部に対して、好ましくは80質量部以上、より好ましくは90質量部以上を意味する。
難燃剤は、樹脂成分100質量部に対して、2〜4質量部、好ましくは2.2〜3.8質量部、より好ましくは2.5〜3.5質量部の割合で添加する。前記の範囲であれば、発泡成形体の難燃性は高く維持できる。難燃剤とともに公知の難燃助剤も添加できる。本発明の外壁ユニットは建築物の外壁に使用するので、難燃性があるのは好ましい。
前記外壁ユニットを建築物の外壁に固定する際に、前記外壁ユニットと建築物の外壁との間は接着剤又は接着剤とフックで固定し、前記外壁ユニットの周囲はシーリング材でシーリングするのが好ましい。外壁ユニットは樹脂発泡体で形成されているため比重が軽いことから、接着剤で強固に貼り付けできる。さらに強固に固定するには、接着剤とフックで固定する。接着剤はエポキシ系、アクリル系など公知のものを使用できる。
シーリング材はウレタンプレポリマーを可塑剤として含む湿気硬化性ウレタン組成物が好ましい。このシーリング材は一成分型シーリング材である。このシーリング材は目地に充填するものと同じであり、後に説明する。
本発明の上塗り材は下記のA液とB液を含む。
[A液]
(1)フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体を含むフッ素樹脂
(2)親水性付与剤として、アルコキシル基の加水分解によるシラノール基を含むシラン系化合物、光触媒酸化チタン、アルカリシリケート系無機塗材、金属アルコキシド系無機材から選ばれる少なくとも一つの物質
(3)紫外線吸収剤
(4)溶剤
[B液]
(1)硬化剤
(2)溶剤
前記A液とB液を混合して上塗り材とし、ローラー塗装する。A液とB液の混合割合は、重量比でA液:B液=70〜95:30〜5が好ましく、さらに好ましくはA液:B液=75〜90:10〜25であり、とくに好ましくはA液:B液=80〜85:20〜15である。
(A)成分のフッ素樹脂のフルオロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが好適に選ばれるが、併用することも可能である。前記フッ素樹脂の共重合割合は30〜70モル%が好ましい。アルキルビニルエーテル単量体は、CH2 =CRO(CH2n OH(RはHまたはCH3 、nは7〜18の整数)で表わされる水酸基含有長鎖アルキルビニルエーテルが好ましい。前記アルキルビニルエーテル単量体の共重合割合は5〜50モル%が好ましい。上記2成分の他に共重合可能なビニルモノマーが共重合されていても良い。さらに、水酸基と反応する官能基を有する硬化剤(D)を含み、(A)成分と(D)成分の合計に対し、(A)成分が50〜95重量%、(D)成分が5〜50重量%の割合で含有するのが好ましい。
(D)成分の硬化剤は、被膜の強度と耐久性を高く保持するために加える。この硬化剤は多価イソシアナート類などの常温硬化型のものが好ましい。多価イソシアナートとしては、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の無黄変ジイソシアナート類ならびにその付加物が特に有用である。イソシアナート類を用いて常温硬化を行わせる場合には、ジブチルチンジラウレート等の硬化触媒の添加によって硬化を促進させることも可能である。(D)成分の硬化剤により、常温(0〜40℃程度)硬化させることができる。
(B)成分の親水性付与剤は、上塗り(トップコート)被膜に親水性を与え、雨などの水により汚れ成分を洗い流し、常に美装状態を保つために混合する。この親水性付与剤は、アルコキシル基の加水分解によるシラノール基を含むシラン系化合物、光触媒酸化チタン、アルカリシリケート系無機塗材、金属アルコキシド系無機材から選ばれる少なくとも一つの物質を使用する。このうちアルコキシル基の加水分解によるシラノール基を含むシラン化合物を使用するのかさらに好ましい。シラン化合物としては、1分子中に平均2個以上のアルコキシシリル基、シラノール基およびアシロキシシリル基から選ばれる官能基を有するシラン化合物が好適に採用される。このようなシラン化合物は、シランカップリング剤、シラン系硬化剤、シリコーン系硬化剤、アルコキシシラン、シランアルコキサイドなどの名称で市販されている。親水性付与剤は(A)成分と(D)成分の合計量100重量部に対して5〜50重量部加えるのが好ましい。
(C)成分の紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し被膜の光劣化を防ぐために加える。一例としてベンゾトリアゾール系化合物(BASF(旧チバガイギー)社製、商品名“チヌビン900”)がある。この紫外線吸収剤には光安定剤(同社製、商品名“チヌビン144”)及び/又は表面調整剤(BYKケミー社製、商品名“BYK300”)を併用することもできる。紫外線吸収剤は(A)成分と(D)成分の合計量100重量部に対して0.1〜5重量部加えるのが好ましい。
(E)成分の溶剤は上塗り材塗料の粘度を調整し、ローラー塗装しやすくするために加える。溶剤はトルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン、ソルベッソ#100(エクソン社製)、ソルベッソ#150(エクソン社製)、スワゾール#1000(丸善石油化学社製)、スワゾール#1500(丸善石油化学社製)、スワゾール#1800(丸善石油化学社製)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、ベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、高沸点芳香族ナフサなどがある。これらの溶剤は適宜混合して使用しても良い。溶剤は(A)成分と(D)成分の合計量100重量部に対して30〜200重量部加えるのが好ましい。
上記上塗り材は、トウペ社製、商品名“ニューガーメットDC#500”として市販されている。この塗料を使用してローラー塗装する。ローラー塗装の利点は、外壁表面に凹凸があっても均一膜厚に塗装でき、塗装むらがなく、空気泡も含まず、塗装効率も高いためである。とくに吹き付け塗装による外壁に有効である。塗装後は常温(0〜40℃程度)硬化させる。
本発明の外壁には目地が存在し、前記目地内にはウレタンプレポリマーを可塑剤として含み、ブリードアウト成分を含まない湿気硬化性ウレタン組成物が一成分型シーリング材として充填されており、前記上塗り材を前記目地を含む外壁の上塗り塗装するのが好ましい。これにより、目地も外壁と同様に保護でき、耐用年数を伸ばすことができる。この目地材は、分子内に1〜3個の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物またはそのオリゴマー、ポリオールおよび有機ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーを可塑剤とする一成分型シーリング材である。このシーリング材は、オート化学工業社製、商品名“オートン超耐シーラーTF2000”として市販されている。
従来の一般的なシーリング材は、変性シリコーンなどのベースポリマーに可塑剤としてシリコーンオイルなどのブリードアウトしやすい成分が加えられていた。シーリング材から可塑剤がブリードアウトすると、ブリードアウト成分が外壁を汚す問題が発生したり、目地割れが発生して水漏れの原因になる問題があった。本発明は、数あるシーリング材から特定のものを選択したところに意義がある。
本発明の外壁ユニット以外の外壁は、骨材と合成樹脂を含み、無機粉体を含んでもよい塗布材を非混合多色状に吹き付け塗装した天然石調壁面であるのが好ましい。建築物には一般的にはタイル外壁が多いが、タイル外壁はタイル(陶磁器)とコンクリートとの熱膨張差が大きいことに起因して、タイルが剥離しやすい問題があり、10〜15年ごとにメンテナンス修理が必要であった。これに対して天然石調壁面はこのような問題はなく、表面汚れの問題を解決できれば長期間のメンテフリーが達成できる。本発明は、表面汚れの問題を解決したところに意義がある。
前記天然石調壁面は、骨材と合成樹脂を含み、無機粉体を含んでもよい塗布材を使用する。前記において骨材とは、自然石、自然石に顔料を加えて焼き付けた焼付け骨材、セラミック、レンガ、陶磁器、鋼滓等を粉砕し、平均粒子径0.1〜5mm程度に篩分けして整えた粒子をいう。合成樹脂とは、アクリルエマルジョン塗料、ウレタン塗料等の耐光性の高い樹脂であり、塗装面にしたときにマトリックス樹脂になるものをいう。本発明では合成樹脂をマトリックス樹脂に使用するため、塗装面は地震等の震動を受けても破壊することはない。このため、タイル、レンガ、自然石等に比較して、地震の際に落下する危険性はきわめて低い。無機粉体は、例えばシリカ、タルク、クレイなどの自然界に存在する鉱物粉体であり、前記骨材よりは細かい平均粒子に篩分けして調製する。塗布材には、その他増粘剤、pH調整剤、消泡剤、造膜助剤、水及び/又は溶剤を加えてもよい。
骨材と合成樹脂と水及び/又は溶剤を含み、無機粉体を含んでもよい塗布材は、多頭式スプレーガンを使用して、建築物壁面又は壁面になるパネル等に非混合多色状に塗布する。多頭式スプレーガンは、例えば前記特許文献1又は特公平6−61494号公報に開示されている塗装ガンを使用する。この多頭式スプレーガンは、多色塗材を別々のタンクから別々に圧縮空気と共に弾となって塗布することができ、塗装面は非混合多色状に塗布され、天然石調に形成される。この塗装面の表面は凹凸部を含むので、凸部(突出部)の少なくとも一部は研磨ないしは研削により平面状に形成する。研磨ないしは研削面は、全体の5〜50%とすることが好ましい。このようにすると、自然石のいわゆるバーナー仕上げ面となる。バーナー仕上げとは、大理石や御影石などの自然石の表面に水をまき、火炎バーナーで加熱することにより、石の表面に急激な膨張を起こして破砕させ、表面を荒らして細かい凹凸面とする仕上げ方法である。
本発明において上塗り材は2回塗りするのが好ましい。これにより上塗り材(トップコート)をむらなく塗れ、長期間メンテフリーが達成できる。また、前記上塗り材にはさらに溶剤を添加して粘度35〜55センチポイズ(23℃,BL型,回転数60rpm)に調整して塗装するのが好ましい。これにより均一膜厚に塗装でき、塗装効率もよくなる。
前記上塗り材の塗装量は、乾燥後の固形分で50〜200g/mの範囲が好ましく、80〜150g/mの範囲がさらに好ましい。これにより長期間のメンテフリーが達成できる。
以下実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(各特性の測定試験方法)
(1)サンシャインウェザーメーターによる促進耐候性試験
(a)試験機:スガ試験機社製、型番“WE−SUN−HC−DC”
(b)光源:1灯式・セリウム入り有芯カーボンを上下各4本組み合わせ
(c)光線波長:280〜400nm
(d)放射照度:フィルター付き255±45W/m、フィルターなし285±50W/m
(e)光フィルター:耐熱性光学ガラス板使用・8枚1組、255nm以下の短波長成分をカット、3(f)55nmまでの成分を10〜50%透過
(g)放出電力:50V、60A(3000W)
(h)雰囲気温度:63±3℃
(i)シャワー:120分中18分間降雨先降り運転
(j)スプレー水量:2100±100ml/min(pH6.0〜8.0、水温16±5℃)
(k)試料枚数:70×150mm、76枚
(l)運転サイクル:60Hr
(2)光沢
前記サンシャインウェザーメーターによる促進試験後の外壁と外壁ユニットの表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:当初と変わらない
B:当初の光沢より劣る
(3)ひび割れ有無
前記サンシャインウェザーメーターによる促進試験後の外壁と外壁ユニットの表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:ひび割れなし
B:僅かにひび割れあり、補修必要
C:大きなひび割れあり、補修必要
(4)変色
前記サンシャインウェザーメーターによる促進試験後の外壁と外壁ユニット表面を目視により観察し、次のように評価した。
A:変色なし
B:変色あるが実用的に問題ない程度で目立たない、補修不要
C:やや目立つ変色、補修必要
D:明らかに変色しており、補修必要
(実施例1)
1.外壁ユニット
(1)樹脂被膜付き樹脂発泡成形体
図1に示す切削加工した樹脂発泡成形体(発泡スチロール、比重0.02g/cm,縦横各450mm,高さ86mm,中央部の底の高さ30mm,難燃剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートを、樹脂成分100質量部に対して、2重量部添加したもの)の表面に、樹脂被膜として無溶剤ポリウレア樹脂(ダイフレックス社製、商品名”レジテクト5000”)をディッピングし、硬化させて乾燥厚み1〜2mmに被覆した。このようにして樹脂被膜付き樹脂発泡成形体1を得た。同様にして図2の樹脂被膜付き樹脂発泡成形体2及び図3の樹脂被膜付き樹脂発泡成形体3も作成した。
(2)化粧塗装
前記樹脂発泡体1〜3の裏面を除く面に下記の骨材入り吹き付け塗装をした。
(a)骨材 61.60重量部
(b)アクリルエマルジョン(固形分50%) 25.20重量部
(c)増粘剤(ヒドロキシメチルセルロース) 11.35重量部
(d)pH調整剤(アンモニア水) 0.17重量部
(e)消泡剤(アルコール系) 0.03重量部
(f)造膜助剤(アルコール系) 0.39重量部
(g)水 1.26重量部
作業性や貯蔵の便のために増粘剤、pH調整剤、消泡剤、造膜助剤等が混入されている。ここで、造膜助剤とは、エマルジョンの透明造膜の温度を下げるためのものである。骨材としては、白色骨材は寒水石等の自然石を粉砕したもの、黒色は黒曜石等の自然石を粉砕したもの、灰色は寒水石を粉砕したものと黒曜石を粉砕したものを混合して使用した。骨材の粒度分布は、建築物用壁装材の模様の表現によって自由に選択することができるが、その強度や美観から、次の表1に示す粒度分布のものを採用した。表1において、メッシュとは1インチ(25.4mm)あたりの篩目の数をいう。なお、骨材の色は目的により様々のものを使用でき、骨材も焼付け骨材、セラミックスなどさまざまなものを使用できる。
Figure 0005748376
3頭式スプレーガンを用いて吹き付け塗装をした。3頭式スプレーガンには、3つのタンクが設けられており、タンク上部の全体は矩形(直方体形状)である。各タンクに色の異なる第1〜第3の吹き付け材をそれぞれ別々に収容する。また、タンクの下部はテーパー状に細くなっており、一番下の部分にそれぞれ別個に噴射ノズルが設けられている。タンク内の第1〜第3の吹き付け材は、圧縮空気によって噴射ノズルからそれぞれ弾(たま)状に噴出させる。噴射ノズルの口径はそれぞれ12mm、10mm、6mmであり、第1の吹き付け材(白色)、第2の吹き付け材(灰色)、第3の吹き付け材(黒色)の吐出量比は5:4:1である。この3頭式スプレーガンには、取っ手がノズルの横に付いており、この取っ手には、圧縮空気を高圧状態(2.0気圧)から低圧状態(1.0気圧)に(及び低圧状態から高圧状態に)切り替えるための切り替えスイッチが設けられている。吹き付け塗装後乾燥し、凸部分は必要に応じて研磨した。このようにして天然石調の吹き付け塗装をした。
(3)上塗り塗装
得られた天然石調の吹き付け塗装の上にトップコート(上塗り材)を塗装した。上塗り塗装はローラー塗装具を用いて2回実施した。各上塗り材は常温(25℃)で24時間硬化させた。上塗り材は市販のトウペ社製、商品名“ニューガーメットDC#500”を用い、A液とB液を重量比でA液:B液=83:17の割合で混合し、この混合物100重量部に対してエチルベンゼン24重量部、1,3,5-トリメチルベンゼン5重量部、トルエン38重量部、キシレン24重量部、高沸点芳香族ナフサ9重量部の混合溶剤を15重量部加えて粘度50センチポイズ(23℃,BL型,回転数60rpm)に調整し、塗装量は乾燥後の固形分で100g/mとした。得られた塗装物は、サンシャインウェザーメーターによる促進試験で10000時間(50年に相当)まではひび割れやクラックはなく、外壁光沢もあり、耐久性のあることが確認できた。シーリング材からのブリードアウト汚れもなかった。また紫外線透過試験において、図8に示すように320〜380nmの紫外線を99%カットし、透過部分は1%であった。このようにして図4に示す外壁ユニット8を作製した。この外壁ユニット8は、樹脂発泡成形体1の表面に樹脂被膜2が形成され、その表面に化粧層6と上塗り層7が形成されている。この状態で裏面以外を保護シートで被い養生した。
(4)外壁ユニットの取り付けと仕上げ
図5Aに示すように目地10を有する外壁9にフック(爪)12を有する取り付け具11をビス13で固定した。図5Bに示すようにフック12にはエポキシ系接着剤14を塗布した。次に図6に示すように外壁ユニット8の裏面全体にエポキシ接着剤を塗布し、建築物の外壁9に外壁ユニット8を貼り付けた。15は接着剤層である。外壁ユニット8の周囲にはシーリング材16を充填した。このシーリング材16は一成分型である市販のオート化学工業社製、商品名“オートン超耐シーラーTF2000”(以下「ウレタン組成物」とも言う)を用いた。これにより、接着層15への雨水の侵入を防止した。このシーリング材16はブリードアウトする可塑剤を含まないことから、外壁を汚すことが無く、割れが発生せず、水漏れや水侵入の原因にもならなかった。その後、外壁ユニット8以外の部分に前記天然石調の吹き付け塗装とは別の色の天然石調の吹き付け塗装をし、吹き付け塗装層(天然石調壁面)17を形成し、外壁ユニット8の保護シートを取り除いた。目地部分には前記外壁ユニットの周囲に充填したシーリング材と同じものを充填した。次に吹き付け塗装層(天然石調壁面)17と目地の上から前記外壁ユニットに使用した上塗り層18をローラー塗装で2度塗りした。このようにして図6に示す外壁塗装面を得た。
図7は建築物19の外壁9に外壁ユニット8a〜8cを取り付けて上塗り塗装をした後の仕上げ状態を示す外面図である。外壁ユニット8a〜8cは他の外壁部9から突出した外観を有し、凹凸感があり、立体模様や立体形状が強調され、美観の高い外壁塗装方法であることが確認できた。
本発明は一般の建築物、ビル、マンション、工場、事務所などの外壁に好適である。とくに集合住宅(マンション)などで通常行われている10〜15年ごとの大規模修繕工事を大幅に延長することができ、修繕管理コストを大幅に低下することができる。
1,2,3 樹脂被膜付き樹脂発泡成形体
4 樹脂発泡成形体
5 樹脂被膜
6 化粧塗装層
7 上塗り層
8,8a〜8c 外壁ユニット
9 外壁
10 目地
11 取り付け具
12 フック(爪)
13 ビス
14 接着剤
15 接着剤層
16 シーリング材
17 吹き付け塗装層(天然石調壁面)
18 上塗り層
19 建築物

Claims (11)

  1. 建築物の外壁塗装方法であって、
    樹脂発泡体の成形体表面に樹脂被膜を形成して被膜付き成形体とし、前記被膜付き成形体の表面に化粧塗装をし、
    前記化粧塗装面の表面から上塗り材を塗装して外壁ユニットとし、
    前記外壁ユニットを建築物の外壁に固定し、周囲をシーリング材でシーリングし、
    前記シーリング材の表面に上塗り材を塗装することを特徴とする外壁塗装方法。
  2. 前記樹脂発泡体は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン及びこれらの混合体から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の外壁塗装方法。
  3. 前記成形体表面の樹脂被膜は、無溶剤ポリウレア樹脂である請求項1又は2に記載の外壁塗装方法。
  4. 前記外壁ユニットを建築物の外壁に固定する際に、前記外壁ユニットと建築物の外壁との間は接着剤又は接着剤とフックで固定する請求項1〜3のいずれかに記載の外壁塗装方法。
  5. 前記シーリング材は、ウレタンプレポリマーを可塑剤として含む湿気硬化性ウレタン組成物である請求項1〜4のいずれかに記載の外壁塗装方法。
  6. 前記外壁及び/又は前記化粧塗装は、骨材と合成樹脂を含み、無機粉体を含んでもよい塗布材を非混合多色状に塗布して天然石調壁面とする請求項1〜5のいずれかに記載の外壁塗装方法。
  7. 前記外壁の天然石調壁面の上にも上塗り材を塗布する請求項6に記載の外壁塗装方法。
  8. 前記上塗り材は下記A液とB液を含み、
    [A液]
    (1)フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体を含むフッ素樹脂
    (2)親水性付与剤として、アルコキシル基の加水分解によるシラノール基を含むシラン系化合物、光触媒酸化チタン、アルカリシリケート系無機塗材、金属アルコキシド系無機材から選ばれる少なくとも一つの物質
    (3)紫外線吸収剤
    (4)溶剤
    [B液]
    (1)硬化剤
    (2)溶剤
    前記A液とB液を混合して上塗り材とする請求項1〜7のいずれかに記載の外壁塗装方法。
  9. 前記上塗り材は2回塗りする請求項1〜8のいずれか1項に記載の外壁塗装方法。
  10. 前記上塗り材にはさらに溶剤を添加して粘度35〜55センチポイズ(23℃,BL型,回転数60rpm)に調整して塗装する請求項1〜9のいずれか1項に記載の外壁塗装方法。
  11. 前記上塗り材の塗装量は、乾燥後の固形分で50〜200g/mの範囲である請求項1〜10のいずれか1項に記載の外壁塗装方法。
JP2014079524A 2014-04-08 2014-04-08 外壁塗装方法 Expired - Fee Related JP5748376B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079524A JP5748376B1 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 外壁塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079524A JP5748376B1 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 外壁塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5748376B1 true JP5748376B1 (ja) 2015-07-15
JP2015200108A JP2015200108A (ja) 2015-11-12

Family

ID=53718487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014079524A Expired - Fee Related JP5748376B1 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 外壁塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5748376B1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017141546A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 株式会社ハマキャスト 塗装体及びその施工方法
JP6831102B2 (ja) * 2017-01-30 2021-02-17 竹本 直文 水洗便器用タンク、管体、および管体敷設方法
JP7161414B2 (ja) * 2019-01-18 2022-10-26 ベック株式会社 被膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015200108A (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2005228903B2 (en) Infrared reflective wall paint
US8808838B2 (en) Surface coatings and methods
JP2016204981A (ja) 外壁補修方法
US9567469B2 (en) Surface coatings and methods
AU1618299A (en) Novel synthetic finishing and coating systems
JP5748376B1 (ja) 外壁塗装方法
CN112680035B (zh) 艺术涂料及其制备方法
JP5478700B1 (ja) 外壁塗装方法
US20130209686A1 (en) Coating or cladding and method of preparing same
JP2009264011A (ja) 天然石調壁面材及びその製造方法
MX2007010032A (es) Recubrimiento superficial decorativo reflectivo y un sistema superficial decorativo a base de agua que tiene al menos un recubrimiento base.
JP2019005692A (ja) 建造物外壁の上塗り塗料の塗装方法及びこれに使用するための外壁上塗り塗料
CN103015686A (zh) 保温装饰线条的制作方法
JP5748375B1 (ja) 外壁塗装方法
JP2020040062A (ja) 模様面の形成方法
JP5498242B2 (ja) 吹き付け深堀壁の製造方法
JP3400878B2 (ja) 自然石調塗装方法及びそれに用いる自然石調塗料組成物
KR102210853B1 (ko) 폴리우레탄 반응성 접착제를 사용한 표면마감용 패널 및 이의 제조방법
WO2008070540A2 (en) Sprayable thixotropic polymer decorative coating material
JP7202215B2 (ja) 化粧板
JP2015063814A (ja) 建造物外壁の塗装方法
JP5292357B2 (ja) 目地を備えた塗装壁及びその製造方法
JP2017141546A (ja) 塗装体及びその施工方法
JP2003154308A (ja) 自然石調塗装方法
CN112679138A (zh) 一种彩砂隔热板材及其制备方法和应用

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20150421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5748376

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees