JP4238147B2 - 中空樹脂微粒子及び反射防止フィルム - Google Patents
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Description
フィルムに好適に用いることができる中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子を含有する反射
防止フィルム用コーティング剤及び反射防止フィルムに関する。
プレイ等は、極めて広範な分野で利用されている。これらのディスプレイにはガラスやプ
ラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形
等の視覚情報を認知している。
これらのディスプレイの実用上の問題点として、表示面の反射による視認性の悪化が挙げ
られる。即ち、室内外を問わずに外光等が入射するような環境下で使用した場合に、外光
等の入射光が透明基板の表面で反射することにより、内部の視覚情報が見えにくくなる。
るコーティング層を形成し、この表面に凹凸により外光を乱反射させる方法があった。
特許文献1には、ゾルゲル法により調製されたシリケート系コーティング剤中にシリカ分
散液を混合し、その混合液をガラス基板上に塗布して焼成した、表面にシリカ粒子又はシ
リカ粒子の凝集体による凹凸を有する反射防止膜が記載されている。また、特許文献2に
は、透明基材フィルム上に樹脂を主成分とする中間層を形成し、この中間層上に、屈折率
1.45以下の有機超微粒子を含有する塗布液を塗布することにより形成された、有機超
微粒子の表面が露出した凹凸の最表層を有する反射防止膜が記載されている。
減されるものの、全体としての反射光の量は減っておらず、全体が白っぽくなるという問
題があった。また、表面の凹凸に指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが付着しやすく、かつ
、一度付着した汚れは微細な凹凸があるために除去することが容易ではないという問題も
あった。
。
低屈折率の反射防止層を透明基板の表面に形成することにより、光の乱反射や汚れの問題
等もなく透明基板の反射を防止することができる。
このような低屈折率の反射防止層としては、シリコン系又はフッ素系の材料からなるもの
が用いられていたが、これらは一般に透明基材との密着性に劣ることから、例えば、シリ
カ微粒子等の低屈折率の微粒子を分散させたコーティング剤を用いて基材上にコーティン
グ層を形成した反射防止フィルム等が試みられている。
特許文献3には、一定の構造を有する有機珪素化合物重合体をバインダーとして中空シリ
カ微粒子を配合した低屈折率コーティング剤と、該低屈折率コーティング剤を用いた反射
防止フィルムが開示されている。
むコーティング層は、汚れを拭き取る際に市販のアルカリ洗剤等を使用した場合に性能が
低下してしまうことがあるという問題があった。また、有機珪素化合物重合体等をバイン
ダーとした場合、脆く機械的強度に欠けるコーティング層しか得られないが、シリカ微粒
子を用いる限りは、樹脂への分散性の問題から、成膜性に優れ機械的強度に優れる透明樹
脂をバインダーとして用いることが難しいという問題もあった。
に優れ、反射防止フィルムに好適に用いることができる中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒
子を含有する反射防止フィルム用コーティング剤及び反射防止フィルムを提供することを
目的とする。
0〜200nm、空隙率が10%以上、かつ、屈折率が1.30以下である中空樹脂微粒
子である。
以下に本発明を詳述する。
以上である中空状樹脂微粒子は、極めて低屈折率であり、しかも、耐アルカリ性やバイン
ダーに対する分散性にも優れていることを見出し、これを用いて作製した反射防止フィル
ムは、透明基板の反射を効率的に抑えることができ、汚れ及び洗浄に強く、機械的強度に
も優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
脂は、耐アルカリ性に優れることに加え、一般に低屈折率であることから、得られる本発
明の中空樹脂微粒子の屈折率を低く抑えることができる。
上記フッ素原子を有する樹脂としては特に限定されず、分子中にフッ素原子を有するモノ
マーの単独重合体や、分子中にフッ素原子を有するモノマーとこれと共重合可能な重合性
モノマーとの共重合体等が挙げられる。
チレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン
、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類;
下記一般式(1)で表されるトリフルオロエチルメタクリレート、パーフルオロオクチル
エチル(メタ)アクリレート等のアクリル又はメタクリル酸の部分又は完全フッ素化アル
キルエステル誘導体類;完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。上記分
子中にフッ素原子を有するモノマーとしては、単官能モノマーであっても、多官能モノマ
ーであっても用いることができる。これらの分子中にフッ素原子を有するモノマーは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル
系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン
等の芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;塩化
ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;ビニルピリジン、2−アクリロイル
オキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、エチレン、プロピレン、ポリジメチルシ
ロキサンマクロモノマー等が挙げられる。なかでも、アルキル(メタ)アクリレートモノ
マー、ポリジメチルシロキサンマクロモノマー等は比較的屈折率が低いことから好適であ
る。
、多官能モノマーを用いてもよい。多官能モノマーを配合することにより、得られる本発
明の中空樹脂微粒子の表層部のガラス転移温度を60℃以上とし、凝集性を改善すること
ができる。上記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ
)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アク
リレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレ
ート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジアリル化合物又はトリ
アリル化合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられる。
能なモノマーとの共重合体である場合に、上記共重合体における上記分子中にフッ素原子
を有するモノマーの配合量の好ましい下限は30重量%である。30重量%未満であると
、得られる中空樹脂微粒子の透明性や耐アルカリ性が劣ることがある。より好ましい下限
は50重量%である。
00であることから、中空状とすることにより、上記フッ素原子を有する樹脂の使用と相
まって、下述する低屈折率を実現することができる。空隙率が10%未満であると、充分
な低屈折率を実現できない。空隙率の好ましい下限は30%である。空隙率の上限は特に
限定されないが、形状の維持及びある程度の強度を確保する必要があることから、好まし
い上限は95%、より好ましい上限は70%である。
なお、本明細書において中空状には、多孔質状等の空隙を有する場合が含まれる。
防止フィルムに用いたときに、外光等の入射光が透明基板の表面で反射する効果が充分に
得られなくなり、反射を防止するために必要な反射防止フィルムの厚さが必要以上に厚く
なってしまう。好ましい上限は1.27、より好ましい上限は1.25である。
0nm未満であると、中空樹脂微粒子同士の凝集が発生して、取扱い性に劣る。200n
mを超えると、反射防止フィルムに用いた場合に、フィルムの表面に中空樹脂微粒子によ
る凹凸が生じて平滑性が劣ったり、中空樹脂微粒子表面のレイリー散乱に起因してフィル
ムの透明性が低下し画像が白化したりする。好ましい上限は100nm、より好ましい上
限は70nm、更に好ましい上限は50nmである。
えると、100nm以上の粗大粒子の比率が高くなり、反射防止フィルムとしたときに透
明性や平滑性が劣ることがある。より好ましい上限は15%である。
以上であることが好ましい。60℃未満であると、バインダーとしてシリケート系又はチ
タネート系等の無機系コーティング剤を用いた場合に、塗布後に乾燥、焼成する際に粒子
同士の融着、凝集が起こることがある。また、バインダーとしてポリメチルメタクリレー
ト等の透明樹脂コーティング剤を用いる場合に、樹脂微粒子よりガラス転移温度の低いバ
インダーの選定が困難となる。より好ましくは120℃以上である。
するためには、本発明の中空樹脂微粒子の構造を、ガラス転移温度が60℃以上であるシ
ェル部と、ガラス転移温度がシェル部より低いコア部よりなるコア/シェル構造としても
よい。コア部に充分に低屈折率の樹脂を用い、一方、シェル部に機械的強度等に優れる樹
脂を用いる等、コア部とシェル部とで機能分離したコア/シェル粒子は、充分な低屈折率
と機械強度とを両立させることができる。
子を有するモノマーを含む重合性モノマー混合物と非重合性化合物とを含有する重合性液
滴が分散した分散液を調製する工程と、上記重合性液滴を重合して非重合性化合物を含有
する樹脂微粒子を得る工程と、上記非重合性化合物を含有する樹脂微粒子から非重合性化
合物を除く工程とを有する方法が好適である。
従来、中空樹脂微粒子を製造する方法としては、特開平1−185311号公報、特開平
6−248012号公報、特開平8−20604号公報等に開示された方法等が知られて
いるが、これらの方法では100nm以下の粒子径で、しかも空隙率の高い中空樹脂微粒
子を製造を行うことは困難であった。しかし、この方法によれば、容易に平均粒子径が1
0〜100nm、空隙率が10%以上、かつ、屈折率が1.30以下である本発明の中空
樹脂微粒子を製造することができる。
このような中空樹脂微粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
モノマー混合物と非重合性化合物とからなる重合性液滴が分散した分散液を調製する工程
と、上記重合性液滴を重合して非重合性化合物を含有する樹脂微粒子を得る工程としては
、従来公知のマイクロエマルジョン重合、ミニエマルジョン重合、マイクロサスペンジョ
ン重合等の重合方法に準ずる方法を用いることができる。
また、本発明の中空樹脂微粒子がコア/シェル構造を有する場合には、例えば、シード重
合、シード分散重合、ヘテロ凝集法、コアセルベーション法等に準ずる方法を用いること
ができる。
これらの方法により、非重合性化合物を含有する樹脂微粒子を得ることができる。
後、該非重合性化合物を含有する樹脂微粒子から非重合性化合物を除くことで、樹脂微粒
子を中空状にする役割を有する。
上記非重合性化合物としては、上記モノマー混合物の重合温度において液状であり、モノ
マー混合物と混合でき、モノマー混合物と反応せず、かつ、加熱等により容易に蒸散させ
ることができるものであれば特に限定されず、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等の有機溶剤等が好適である。
10重量部、好ましい上限は1000重量部である。10重量部未満であると、得られる
中空樹脂微粒子の空隙率が低くなり、充分な低屈折率を実現できないことがあり、100
0重量部を超えると、非重合性化合物を除いたときに粒子形状が保てず中空樹脂微粒子が
得られなかったり、得られた中空樹脂微粒子の強度が極端に劣ったりすることがある。
する樹脂微粒子から非重合性化合物を除く工程を行う。上記非重合性化合物を含有する樹
脂微粒子から非重合性化合物を除く方法としては特に限定されず、例えば、得られた非重
合性化合物を含有する樹脂微粒子の分散液に上記又は窒素、空気等の気体を吹き込む方法
;系全体を減圧する方法等が挙げられる。
グ剤とすれば、容易に反射防止フィルムを作製できる。本発明の中空樹脂微粒子は、低屈
折率であり、耐アルカリ性、バインダーに対する分散性にも優れることから、得られる反
射防止フィルムは、透明基板の反射を効率的に抑えることができ、汚れ及び洗浄に強く、
機械的強度にも優れる。
本発明の中空樹脂微粒子とバインダーとを含有する反射防止フィルム用コーティング剤、
本発明の中空樹脂微粒子又は本発明の反射防止フィルム用コーティング剤を用いてなる反
射防止フィルムもまた、本発明の1つである。
を含有する。
上記バインダーとしては、透明であり、成膜可能な材料であれば特に限定はされず、樹脂
等の有機系材料、無機系材料のいずれも用いることができる。
上記有機系材料としては、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プ
ロピオニルセルロース、ブタノイルセルロース、アセチルプロピオニルセルロースアセテ
ート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体;ポリアミド、ポリカーボネート、特公昭
48−40414号公報に記載されたポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート、
ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン1,2−ジフェ
ノキシエタン−4,4−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、
ポリメチルメタクリレート、又は、これらの各種含フッ素体等の比較的低屈折率の透明樹
脂等が挙げられる。
なお、上記バインダーとして透明樹脂を用いる場合には、ガラス転移温度が本発明の中空
樹脂微粒子のガラス転移温度よりも低いものを用いることが好ましい。これにより、バイ
ンダーが製膜時に中空樹脂微粒子間の結着剤の役割を果たし充分な膜強度を得ることがで
きる。
と結合した配位化合物が挙げられ、具体的には例えば、チタンテトラエトキシド、チタン
テトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブト
キシド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、ア
ルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブ
トキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラ
エトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポ
キシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシ
ド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド等の金属アルコレート化合物;ジ−イソ
プロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチル
アセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセト
ンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシド
モノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセ
テート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート等のキレート化
合物;炭酸ジルコニールアンモニウム又はジルコニウムを主成分とする活性無機ポリマー
等が挙げられる。
脂微粒子の配合量の好ましい下限は5体積%、好ましい上限は95体積%である。5体積
%未満であると、得られる反射防止フィルムの屈折率を充分に低くできないことがあり、
95体積%を超えると、得られる反射防止フィルムの機械強度が劣ることがある。より好
ましい下限は30体積%、より好ましい上限は90体積%であり、更に好ましい下限は5
0体積%、更に好ましい上限は80体積%である。
いる場合にはバインダー中に中空樹脂微粒子が懸濁したエマルジョンであってもよく、ま
た、それ以外の場合には適宜の揮発性溶媒に希釈したものであってもよい。
上記希釈溶媒としては特に限定されないが、組成物の安定性、濡れ性、揮発性等から、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル等のエー
テル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコ
ール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル等のグリコールエーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ハ
ロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド等が好適である。これらの希釈溶媒は単独で用いてもよく
、2種以上を併用してもよい。
ム等上、又は、直接透明基板上に塗工した後、乾燥する方法により作製することができる
。
本発明の反射防止用コーティング剤を塗工する方法としては特に限定されず、例えば、デ
ィップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーテ
ィング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティ
ング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビ
アコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィス
コーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
に塗工した後、加熱乾燥等により塗膜を形成し、その後、加熱、加湿、紫外線照射、電子
線照射等を行い塗膜を硬化させることにより、本発明の反射防止フィルムが得られる。
が平滑とは、JIS B 0601に規定される方法により算出した表面荒れRzが0.
2μm以下であることを意味する。
表面が平滑であることにより本発明の反射防止フィルムは、表面での光の乱反射によって
全体が白っぽくなることがなく、また、表面に指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが付着し
にくく、一度付着した汚れも容易に除去することができる。
層の他に、更に、基材層を有していてもよい。基材層を有することにより、本発明の反射
防止フィルムは機械的強度が向上し、取扱い性が向上する。
上記基材層としては、透明であれば特に限定されないが、成形性や機械的強度の点から、
例えば、上記バインダーとして用いることができる透明樹脂等からなるものが好適である
。
、好ましい上限は200nmである。50nm未満であると、耐擦傷性が不充分となるこ
とがあり、200nmを超えると、フィルムが割れやすくなることがある。
また、本発明の反射防止フィルムが上記基材層を有する場合、基材層の厚さとしては特に
限定されないが、好ましい下限は3μm、好ましい上限は7μmである。3μm未満であ
ると、本発明の反射防止フィルムの強度が劣ることがあり、7μmを超えると、本発明の
反射防止フィルムの透明性が劣り、内部の視覚情報が見えにくくなることがある。
射防止フィルムに好適に用いることができる中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子を含有す
る反射防止フィルム用コーティング剤及び反射防止フィルムを提供することができる。
されるものではない。
(1)中空樹脂微粒子の調製
フッ素系モノマーとしてヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート70重量部、エチレ
ングリコールジメタクリレート10重量部、及び、非重合性化合物としてヘキサン20重
量部を、混合、撹拌して重合用モノマー溶液を調製した。
一方、極性溶媒としてのイオン交換水400重量部に、水溶性開始剤としての過硫酸カリ
ウム2重量部と、水溶性乳化剤であり分散助剤でもあるセチルアルコール2重量部とを添
加して混合水溶液を調製した。
にて60分間強制乳化し、平均粒子径50nmの重合性液滴が分散した分散液を調製した
。次いで、窒素置換した撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の
重合器に、得られた分散液を一括投入した後、重合器を80℃まで昇温して重合を開始し
た。4時間重合を行い、1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却した。得ら
れたスラリーを分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、残存するセチルアルコー
ルや過硫酸カリウムを除去し、更に濾過を行って凝集粒子及び不溶分を除去した。
得られた樹脂微粒子を、真空乾燥して、中空樹脂微粒子を得た。
バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部に対して、得られた中空樹脂微
粒子30重量部と希釈溶媒としてトルエン370重量部とを混合して反射防止フィルム用
コーティング剤を調製した。
得られた反射防止フィルム用コーティング剤を、スピンコーターを用いてトリアセチルセ
ルロース(TAC)フィルム上に塗布し、90℃、120分間乾燥して、厚さ100nm
の反射防止フィルムを形成した。
フッ素系モノマーとしてヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート40重量部、エチレ
ングリコールジメタクリレート10重量部、及び、非重合性化合物としてヘキサン50重
量部を、混合、撹拌して重合用モノマー溶液を調製した。得られた重合用モノマー溶液を
用いた以外は実施例1と同様の方法により中空樹脂微粒子を得、これを用いて反射防止フ
ィルム用コーティング剤及び反射防止フィルムを得た。
(1)中空樹脂微粒子の調製
フッ素系モノマーとしてヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート70重量部、エチレ
ングリコールジメタクリレート10重量部、及び、非重合性化合物としてヘキサン20重
量部を、混合、撹拌して重合用モノマー溶液を調製した。
一方、極性溶媒としてのイオン交換水400重量部に、水溶性開始剤としての過硫酸カリ
ウム2重量部と、水溶性乳化剤であり分散助剤でもあるセチルアルコール2重量部とを添
加して混合水溶液を調製した。
ーにて強制乳化し、平均粒子径50nmの重合性液滴が分散した分散液を調製した。
次いで、窒素置換した撹拌機、ジャケット、還流冷却器及び温度計を備えた20L容の重
合器に、得られた分散液を一括投入した後、重合器を80℃まで昇温して重合を開始した
。4時間重合を行い、1時間の熟成期間をおいた後、重合器を室温まで冷却した。得られ
たスラリーを分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、残存するセチルアルコール
や過硫酸カリウムを除去し、更に濾過を行って凝集粒子及び不溶分を除去した。
得られた樹脂微粒子を、真空乾燥して、中空樹脂微粒子を得た。
(2)反射防止フィルム用コーティング剤の調製及び反射防止フィルムの形成
バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部に対して、得られた中空樹脂微
粒子30重量部と希釈溶媒としてトルエン370重量部とを混合して反射防止フィルム用
コーティング剤を調製した。
得られた反射防止フィルム用コーティング剤を、スピンコーターを用いてTACフィルム
上に塗布し、90℃、120分間乾燥して、厚さ100nmの反射防止フィルムを形成し
た。
低屈折率粒子として、平均粒子径60nm、屈折率1.36の多孔性シリカ粒子の表面を
有機珪素化合物で被覆したものを用いた。
バインダーとしてポリメチルメタクリレート100重量部に対して、低屈折率粒子30重
量部と希釈溶媒として酢酸メチル370重量部とを混合して反射防止フィルム用コーティ
ング剤を調製した。
得られた反射防止フィルム用コーティング剤を、スピンコーターを用いてTACフィルム
上に塗布し、90℃、120分間乾燥して、厚さ100nmの反射防止フィルムを形成し
た。
ムについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
レーザードップラー式粒度分布計(日機装社製、「MICROTRAC UPA150」
)を用いて体積平均粒子径及び粒子径のCV値を測定した。
液浸法により、中空樹脂微粒子(低屈折率粒子)の屈折率を測定した。
次いで、屈折率の実測値と、モノマー組成から計算した屈折率の理論値とを用いて、中空
樹脂微粒子(低屈折率粒子)の空隙率を算出した。
分光光度計を用いて、光波長200nm〜800nmの反射率の平均反射率(視感反射率
)を測定した。
反射防止フィルムを、市販のアルカリ洗剤を含浸させたセルロース製不繊布で100g/
cm2の加重をかけ100往復させた後のフィルム外観を目視にて観察し、下記の基準で
判定した。
○:良好
△:おおむね良好
×:不良
射防止フィルムに好適に用いることができる中空樹脂微粒子、該中空樹脂微粒子を含有す
る反射防止フィルム用コーティング剤及び反射防止フィルムを提供することができる。
Claims (4)
- フッ素原子を有する樹脂を含有する中空樹脂微粒子であって、平均粒子径が10〜200nm、空隙率が10%以上、かつ、屈折率が1.30以下であることを特徴とする中空樹脂微粒子。
- 粒子径のCV値が20%以下であることを特徴とする請求項1記載の中空樹脂微粒子。
- 請求項1又は2記載の中空樹脂微粒子とバインダーとを含有することを特徴とする反射防止フィルム用コーティング剤。
- 請求項1又は2記載の中空樹脂微粒子又は請求項3記載の反射防止フィルム用コーティング剤を用いてなることを特徴とする反射防止フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004021755A JP4238147B2 (ja) | 2004-01-29 | 2004-01-29 | 中空樹脂微粒子及び反射防止フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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