JP5331325B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP5331325B2
JP5331325B2 JP2007253275A JP2007253275A JP5331325B2 JP 5331325 B2 JP5331325 B2 JP 5331325B2 JP 2007253275 A JP2007253275 A JP 2007253275A JP 2007253275 A JP2007253275 A JP 2007253275A JP 5331325 B2 JP5331325 B2 JP 5331325B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
cover member
glass
glass filler
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007253275A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009088072A (ja
Inventor
秀行 東山
圭二 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Fiber Glass Co Ltd
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Asahi Fiber Glass Co Ltd
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Fiber Glass Co Ltd, Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Asahi Fiber Glass Co Ltd
Priority to JP2007253275A priority Critical patent/JP5331325B2/ja
Priority to KR1020080087203A priority patent/KR20090032988A/ko
Priority to EP08253158.3A priority patent/EP2043162B1/en
Priority to US12/286,057 priority patent/US20090178708A1/en
Priority to CN2008101688901A priority patent/CN101399294B/zh
Publication of JP2009088072A publication Critical patent/JP2009088072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5331325B2 publication Critical patent/JP5331325B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/04Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
    • H01L31/042PV modules or arrays of single PV cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/04Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
    • H01L31/042PV modules or arrays of single PV cells
    • H01L31/048Encapsulation of modules
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、詳しくは軽量で自由形状に成形可能な太陽電池モジュールに関するものである。
従来、太陽電池モジュールは太陽光の入射する面に透明なカバー材が配置され、入射面とは反対側に裏面基板が配置されている。透明なカバー材と裏面基板との間には透明な充填材が充填されている。太陽電池セルはその充填材の中に配置され、セルはリード線により接続されている。
透明なカバー材としては、太陽光線の透過率が高く、機械的強度に比較的優れた強化ガラスが採用されている。ガラスからなるカバー材として、下記特許文献1には、マイクロシートに引き伸ばし可能なガラス特性を有し、酸化物を基準として重量%で表すと、SiO59〜69、 ZnO 6.5〜8.5、B 8.5〜14。 CeO0.25〜3、Al2〜2.5 、TiO 0〜1、NaO 5.5〜12.5 、CeO+TiO0.5〜4、KO0〜8 、Sb 0〜0.5から実質的になる組成を有する太陽電池用のカバーガラスが開示されている。
また、近年では軽量化を目的として透明な樹脂シートも検討されている。例えば、下記特許文献2には、太陽光線が入射する側に配設される前面カバー部材と、太陽光線が入射する側とは反対側に前記前面カバー部材と対向するように配設され、前記前面カバー部材と同じ材質からなる裏面カバー部材と、前記前面カバー部材と前記裏面カバー部材との間を充填する充填部材と、前記充填部材によって封止されるように前記充填部材中に配設された太陽電池セル本体とを備えた、太陽電池モジュールであって、前記前面カバー部材と前記裏面カバー部材とはポリカーボネート、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートのいずれかから形成されたものが開示されている。
特開2000−226228号公報 特開2005−277187号公報
しかしながら、特許文献1に開示された太陽電池用カバーガラスでは、樹脂材料製に比べて重量が重いので、例えば車両の外装品として搭載した場合、軽量化を推進する上で不利となる。また、ガラス材料は、曲面形状へ成形する場合、樹脂材料よりも加熱工程が煩雑になり、割れるなどの取扱にも慎重を要することから、量産する上で不利となる。
一方、特許文献2に開示された太陽電池モジュールの表面カバー材/裏面カバー材では、ポリカーボネート、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料を用いているが、該樹脂材料の線膨張係数(×10−5/℃)は7〜11程度であり、特に車両の外装材に組み入れる場合には、鋼板との線膨張係数との差により、その境界部に隙間ができたり、或いはたわみを吸収しきれずひび割れたりするなどの問題が発生する場合がある。
したがって、本発明の目的は、薄型、軽量化ができ、曲面形状にも対応でき、車両の外装材などに適用可能な太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決するため、鋭意検討した結果、特定のガラス組成を有するガラスフィラーと熱可塑性樹脂とを配合したガラスフィラー含有樹脂組成物を用いて成形することにより、充分な透明性を有し、剛性、耐熱性、耐候性に優れたガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品が得られること、及びこのガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品が太陽電池モジュールのカバー部材として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、太陽光線が入射する側に配設される前面カバー部材と、太陽光線が入射する側とは反対側に該前面カバー部材と対向するように配設される裏面カバー部材と、該前面カバー部材と該裏面カバー部材との間に配設される太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールであって、
該前面カバー部材及び該裏面カバー部材は、酸化物基準の質量%表示で、酸化ケイ素(SiO)68〜72%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜10質量%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、前記酸化カルシウム(CaO)と前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化ストロンチウム(SrO)と前記酸化バリウム(BaO)との合計含有量が4〜10%であり、前記酸化リチウム(LiO)と前記酸化ナトリウム(NaO)と前記酸化カリウム(KO)との合計含有量が8〜12%であり、酸化チタン(TiO )の含有量が0.05%未満であるガラス組成を有するガラスフィラーと、非晶性ポリアミド樹脂とを含み、ガラスフィラー含有率が5〜20質量%であり、線膨張係数(×10−5/℃)が3.0〜6.0であり、波長589nmの光における非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.002以下であるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品からなり、
前記前面カバー部材は、平行光線透過率が65%以上、ヘイズが30未満であることを特徴とする太陽電池モジュールを提供するものである。
本発明によれば、前面カバー部材と裏面カバー部材とがそれぞれガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品からなるので、薄型、軽量であり、曲面形状に成形することが容易であり、剛性、耐熱性、耐候性にも優れている。また、前面カバー部材の平行光線透過率が65%以上、ヘイズが30未満であるので、太陽光を良好に透過させて太陽電池セルに照射させることができる。
また、ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の線膨張係数(×10−5/℃)が3.0〜6.0であるので、例えば車両の外装材に組み入れる場合に、鋼板との線膨張係数との差により、その境界部に隙間ができたり、或いはたわみを吸収しきれずひび割れたりするなどの問題が発生するのを防止できる。
また、前記前面カバー部材及び前記裏面カバー部材が、非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとを含み、波長589nmの光における非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.002以下であるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品で構成されるので、透明性が高く、剛性、耐熱性、耐候性にも優れた前面カバー部材とすることができる。
また、前記裏面カバー部材も、非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとを含むガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品とすることにより、前面カバー部材と裏面カバー部材との線膨張係数が同様になるので、太陽電池モジュールの反り等の発生を防止できる。
また、前記ガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品において、前記ガラスフィラーは、酸化物基準の質量%表示で、酸化ケイ素(SiO)68〜72%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜10質量%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、前記酸化カルシウム(CaO)と前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化ストロンチウム(SrO)と前記酸化バリウム(BaO)との合計含有量が4〜10%であり、前記酸化リチウム(LiO)と前記酸化ナトリウム(NaO)と前記酸化カリウム(KO)との合計含有量が8〜12%であるガラス組成を有する。
これによれば、波長589nmの光における非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.002以下であるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品を容易に得ることができる。
本発明の別の好ましい態様においては、前記前面カバー部材及び前記裏面カバー部材が、ポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとを含み、波長589nmの光におけるポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.001以下であるガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品である。これによれば、透明性が高く、剛性、耐熱性、耐候性にも優れた前面カバー部材とすることができる。
また、前記裏面カバー部材も、ポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとを含むガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品とすることにより、前面カバー部材と裏面カバー部材との線膨張係数が同様になるので、太陽電池モジュールの反り等の発生を防止できる。
また、前記ガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品において、前記ガラスフィラーは、酸化物基準の質量%表示で、二酸化ケイ素(SiO)50〜60質量%、酸化アルミニウム(Al)10〜15質量%、酸化カルシウム(CaO)15〜25質量%、酸化チタン(TiO)3〜5質量%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5質量%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5質量%、酸化バリウム(BaO)0〜5質量%、酸化ジルコニウム(ZrO)0〜5質量%、酸化リチウム(LiO)0〜2質量%、酸化ナトリウム(NaO)0〜2質量%、酸化カリウム(KO)0〜2質量%を含有し、
前記酸化リチウム(LiO)と前記酸化ナトリウム(NaO)と前記酸化カリウム(KO)との合計含有量が、前記ガラスフィラー全体に対して0〜2質量%であり、
前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化バリウム(BaO)との合計含有量が1〜5質量%、かつ、前記酸化チタン(TiO)と前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化バリウム(BaO)と前記酸化ジルコニウム(ZrO)との合計含有量が、前記ガラスフィラー全体に対して6〜8質量%であり、
前記酸化ホウ素(B)の含有量が0.1質量%以下であるガラス組成を有することが好ましい。
これによれば、波長589nmの光におけるポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.001以下であるガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品を容易に得ることができる。
本発明の太陽電池モジュールは、線膨張係数が比較的小さく、剛性、耐熱性、耐候性にも優れているので、車両の外装品として特に好適に用いることができる。
本発明によれば、透明性及び機械強度、耐熱性に優れたガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品を太陽電池モジュールの前面カバー材に用いることで、薄型、軽量、曲面形状にも対応した太陽電池モジュールが得られる。これらの太陽電池モジュールは、住宅用、各種景観用途、自動車積載用などに好適に使用することができる。
(全体構成)
図1に示すように、この太陽電池モジュール1は、太陽光線が入射する受光面側(表側)に前面カバー部材2が設けられ、受光面とは反対側(裏側)に裏面カバー部材3が設けられている。その前面カバー部材2と裏面カバー部材3との間には、太陽電池セル4が配置されている。太陽電池セル4は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)などの充填材5で封止されている。なお、太陽電池セル4は、インタコネクタ6によって接続されている。
前面カバー部材2と裏面カバー部材3とは、ほぼ同じ材質からなる材料が適用され、本発明では、ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品が適用される。前面カバー部材は太陽光を透過させるため、透光性を有するガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品が用いられ、平行光線透過率が65%以上で、ヘイズが30未満であることが必要である。太陽電池セルの素材により、発電効率のよい波長域は異なるが、可視光域から近赤外線域の波長400nm〜1100nmにおいて平行光線透過率65%以上が必要である。好ましくは、平行光線透過率70%以上で、ヘイズが25未満である。これにより、太陽光発電に必要な光量を確保し、ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の特徴である薄型、軽量、曲面形状への成形が可能な太陽電池モジュールが得られる。
また、ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の線膨張係数(×10−5/℃)が3.0〜6.0であることが好ましい。特定の線膨張係数を有する該成形品を用いることにより、太陽電池モジュールの線膨張係数を低く抑えることができ、太陽電池モジュールと周辺部材との線膨張係数の差を小さくすることができ、特に車両の外装材に組み込んだ際に撓みやゆがみを抑えることができる。
(ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の第一の態様)
本発明の好ましい第一の態様では、前記ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品として、非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとを含み、波長589nmの光における非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.002以下であるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品を用いる。このガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品は、透光性を有し、薄型軽量で、曲面形状に成形でき、更に耐候性にも優れることから、優れた前面カバー部材を提供することができる。このガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品は、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分と、ガラスフィラーとを含有する樹脂組成物を成形して得られる。以下、上記ガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品について更に詳しく説明する。
(非晶性ポリアミド樹脂成分)
本発明に用いる非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分としては、透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を含有するものであれば特に限定されない。ポリアミド樹脂を構成する原料のうち、非対称性の化学構造を有する原料モノマーを用いることにより、透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を得ることができる。また、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分は、非晶性ポリアミド樹脂単独であっても良く、透明性を損なわない範囲でポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム成分などを含む非晶性ポリアミド樹脂のポリマーアロイであってもよい。
また、非晶性ポリアミド樹脂の種類としては、例えば、ポリアミドPA12/MACMI(PA12/3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、イソフタル酸)、PA12/MACMT(PA12/3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、テレフタル酸)、PA MACM 12(3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、デカンジカルボン酸又はラウロラクタム)、PA MC 12(PA12、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)、PA6I/6T、PA6I/6T/MACMIなどが挙げられる。なお、前記ポリアミド樹脂の表記は、JIS K6920−1に従った。
本発明において、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分としては、市販されているものを用いても良く、例えば、PA12/MACMIを含む商品名「グリルアミドTR55」(エーエムエス−ケミエ社)、PA MACM 12を含む商品名「グリルアミドTR90」(エーエムエス−ケミエ社)、PA MC 12を含む商品名「トロガミドCX」(デグサ社)、PA12/MACMTを含む商品名「クリスタミドMS」(アルケマ社)、PA MACM 14を含む商品名「リルサン(Rilsan)M−G350」(アルケマ社)などが挙げられる。
そして、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分の屈折率は、波長589nmの光に対し1.505〜1.545、波長486nmの光に対し1.512〜1.555及び波長656nmの光に対し1.502〜1.541であることが好ましい。なかでも、ガラスフィラーとの屈折率差を小さくするために、波長589nmの光に対し1.508〜1.520、波長486nmの光に対し1.515〜1.527、及び波長656nmの光に対し1.505〜1.517であることが特に好ましい。このような屈折率を有する樹脂成分としては、例えば、商品名「グリルアミドTR90」(エーエムエス−ケミエ社、波長589nmの光に対する屈折率=1.509,波長486nmの光に対する屈折率=1.516,波長656nmの光に対する屈折率=1.506)、商品名「リルサン(Rilsan)M−G350」(アルケマ社、波長589nmの光に対する屈折率=1.507,波長486nmの光に対する屈折率=1.514,波長656nmの光に対する屈折率=1.504)等が好ましく挙げられる。
(ガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品に用いるガラスフィラー)
本発明のガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品に用いるガラスフィラーは、質量%表示の酸化物基準で、酸化ケイ素(SiO)68〜74%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜12%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、かつ、酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)との合計量が8〜12%となる組成からなるものが好ましい。以下、ガラスフィラーの組成について、質量%を単に%と記して説明する。
上記のガラスフィラーの組成において、酸化ケイ素(SiO)の含有量は、68〜74%であることが必要であり、68〜72%が好ましい。酸化ケイ素(SiO)の含有量が68%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となり、また、酸化ケイ素(SiO)の含有量が74%を超えるとガラスフィラーの製造時の溶解性が低下し、ガラス繊維の場合は紡糸温度が上昇し、製造し難くなるので好ましくない。
酸化アルミニウム(Al)の含有量は、2〜5%であることが必要であり、2〜4%が好ましい。酸化アルミニウム(Al)の含有量が2%未満であると、耐水性等の化学的耐久性が低下し、また、酸化アルミニウム(Al)の含有量が5%を超えるとガラスフィラーの製造時の溶解性が低下し、ガラスが不均質になり易くなるので好ましくない。
そして、酸化ケイ素(SiO)と酸化アルミニウム(Al)との合計量は、70〜79%であることが好ましく、71〜76%がより好ましい。これによればガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率により近似させ易い。
酸化ナトリウム(NaO)は、5〜12%含有することが必要であり、8〜11%含有することが好ましい。含有量が12%を超えると、ガラスとしての耐水性が低下し易くなり、また、5%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となる。
酸化リチウム(LiO)は、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。また、酸化カリウム(KO)は、0〜10%含有することができ、0〜5%含有することが好ましい。酸化ナトリウム(NaO)の一部を酸化リチウム(LiO)や酸化カリウム(KO)に置換することによりガラスとしての耐水性を向上させることができる。
そして、これらアルカリ成分の酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)とを合計で8〜12%含有し、8〜11%含有することがより好ましい。
上記アルカリ成分の合計量が12%を超えると、ガラスとしての耐水性が低下し易くなり、また、8%未満であると、ガラスフィラーの製造時にガラスが溶融し難くなり、ガラス繊維の場合は紡糸することが困難となるので好ましくない。
酸化カルシウム(CaO)の含有量は、2〜10%であることが必要であり、6〜9%が好ましい。酸化カルシウム(CaO)の含有量が2%未満であると、ガラスとしての溶融性が低下する傾向にあり、また、酸化カルシウム(CaO)の含有量が10%を超えるとガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に近づけることが困難となるので好ましくない。
酸化亜鉛(ZnO)は任意成分であって、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。酸化亜鉛(ZnO)を含有することにより、ガラスとしての耐水性を向上させることができるが、その上限を超えて含有すると、ガラスが失透しやすくなるので好ましくない。
酸化ストロンチウム(SrO)は任意成分であって、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。
酸化バリウム(BaO)は任意成分であって、0〜1%含有することが好ましい。
そして、酸化カルシウム(CaO)と、酸化亜鉛(ZnO)と、酸化ストロンチウム(SrO)と酸化バリウム(BaO)との合計量が4〜10%であることが好ましく、6〜10%がより好ましい。上記成分の合計量が4%未満であると、ガラスとしての溶解性が低下するおそれがあり、また、10%を超えるとガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となる。
酸化マグネシウム(MgO)の含有量は1〜5%であることが必要であり、1〜3%含有することが好ましい。酸化マグネシウム(MgO)を含有させることにより、ガラスとしての機械的物性を向上できる。酸化マグネシウム(MgO)の含有量が5%を超えると、ガラスとしての溶解性が低下するので好ましくない。
酸化ホウ素(B)の含有量は2〜5%であることが必要であり、2〜4%が好ましい。酸化ホウ素(B)の含有量が2%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となり好ましくない。酸化ホウ素(B)の含有量が5%を超えると、ガラス溶解時に揮発しやすくなり、前記揮発成分による製造設備の腐食が増大したり、前記揮発成分を回収する設備が必要となったりするので好ましくない。
本発明に用いるガラスフィラーのガラス組成範囲において、酸化チタン(TiO)が含まれると、ガラスフィラーが褐色に着色し、得られる成形品が黄色くなる。そのため、可視光線の透過率が低下して、発電効率が低下すること懸念されるため、酸化チタン(TiO)は、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、例えば、工業用原料から不純物として混入される場合を除き、意図的に含まないことを意味し、TiOとして0.05%未満の含有量のことを示す。
本発明のガラスフィラーのガラス成分として、本発明の効果を損なわない範囲において上記以外の成分が存在していても支障ない。例えば、Fe、Co、Ni、Sn、Zr、Moなどの金属酸化物をガラス組成の成分として含有してもよい。
上記組成からなるガラスフィラーは、波長589nmの光に対する屈折率が1.505〜1.545で、波長486nmの光に対する屈折率が1.512〜1.555で、波長656nmの光に対する屈折率が1.502〜1.541であり、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率とほぼ同じである。このため、充分な透明性を有し、機械的強度に優れた非晶性ポリアミド樹脂成形品を得ることができる。また、ガラスの溶融温度が1500〜1600℃であるので、Eガラス組成の場合と同様にガラス繊維などのフィラーの形状にすることができる。
そして、ガラスフィラーの組成を、例えば、酸化ケイ素(SiO)68〜72%、酸化アルミニウム(Al)2〜4%、酸化ホウ素(B)2〜4%、酸化カルシウム(CaO)6〜9%、酸化亜鉛(ZnO)0〜2%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜2%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜3%、酸化リチウム(LiO)0〜2%、酸化ナトリウム(NaO)8〜11%、酸化カリウム(KO)0〜5%とすることで、波長589nmの光に対する屈折率が1.508〜1.520、波長486nmの光に対する屈折率が1.515〜1.527、波長656nmの光に対する屈折率が1.505〜1.517となるガラスフィラーが得られやすくなる。
ここで上述したように、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)及びアルカリ成分は、ガラスフィラーの屈折率を低下させることのできる成分であり、上記以外のガラスの屈折率を低下させることのできる成分としては、P、F等がある。
ガラスフィラーの屈折率が所望する屈折率、すなわち、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率よりも小さい場合には、例えば、酸化ケイ素(SiO)含有量の一部を、酸化カルシウム(CaO)に置換することで、屈折率を上昇させることができる。具体的には、例えば、酸化ケイ素(SiO)の0.4%を、酸化カルシウム(CaO)の0.4%に置換すると、ガラスフィラーの屈折率は約0.002上昇する。
また、ガラスフィラーの屈折率が所望する屈折率、すなわち、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率よりも大きい場合には、例えば、酸化カルシウム(CaO)含有量の一部を、アルカリ成分に置換することで屈折率を低下させることができる。具体的には、例えば、酸化カルシウム(CaO)の0.5%を、酸化ナトリウム(NaO)の0.8%に置換するとガラスフィラーの屈折率は約0.002低下する。
このように、上記ガラスフィラーの屈折率を上昇させることのできる成分と、ガラスフィラーの屈折率を低下させることのできる成分とを、それぞれ本発明の範囲内で適宜置換して調整することで、ガラスフィラーの屈折率を適宜調整でき、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率と同じ範囲の屈折率を有するガラスフィラーを得ることができる。
(ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の第二の態様)
本発明の好ましい第二の態様では、前記ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品として、ポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとを含み、波長589nmの光におけるポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.001以下であるガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品を用いる。このガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品は、透光性を有し、薄型軽量で、曲面形状に成形できることから、優れた前面カバー部材を提供することができる。このガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品に用いるガラスフィラー及びポリカーボネート樹脂は、特許第3905120号公報及び特開2007−153729号公報に記載のものを用いることができる。ここでは、その概略を簡単に説明する。
(ポリカーボネート樹脂成分)
ポリカーボネート樹脂の屈折率(nD)は、一般的に1.580から1.590の範囲にある。本発明に用いられるポリカーボネート樹脂としては、従来公知のポリカーボネート樹脂を用いることができ、特に好ましく用いることができる樹脂としては、例えば、屈折率1.585の「レキサン121R」(日本ジーイープラスチックス社、商品名)や屈折率1.583の「ユーピロンS−2000」(三菱エンジニアリングプラスチックス社、商品名)が挙げられる。
(ガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品に用いるガラスフィラー)
ガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品に用いるガラスフィラーとしては、酸化物基準の質量%表示で、二酸化ケイ素(SiO)50〜60質量%、酸化アルミニウム(Al)10〜15質量%、酸化カルシウム(CaO)15〜25質量%、酸化チタン(TiO)3〜5質量%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5質量%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5質量%、酸化バリウム(BaO)0〜5質量%、酸化ジルコニウム(ZrO)0〜5質量%、酸化リチウム(LiO)0〜2質量%、酸化ナトリウム(NaO)0〜2質量%、酸化カリウム(KO)0〜2質量%を含有し、
前記酸化リチウム(LiO)と前記酸化ナトリウム(NaO)と前記酸化カリウム(KO)との合計含有量が、前記ガラスフィラー全体に対して0〜2質量%であり、
前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化バリウム(BaO)との合計含有量が1〜5質量%、かつ、前記酸化チタン(TiO)と前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化バリウム(BaO)と前記酸化ジルコニウム(ZrO)との合計含有量が、前記ガラスフィラー全体に対して6〜8質量%であり、
前記酸化ホウ素(B)の含有量が0.1質量%以下であるガラス組成を有するものが好ましく用いられる。
上記組成の限定理由については、特許第3905120号公報及び特開2007−153729号公報に詳しく記載されているので、参照されたい。
上記ガラスフィラーの屈折率は、上記組成とすることにより1.580〜1.590の範囲とすることができ、好ましくは1.582〜1.590とされ、より好ましくは1.583〜1.586とされる。
また、上記ガラスフィラーの屈折率を高くしたい場合には、SiO含有量の一部をTiOやZrOに置換すればよく、上記ガラスフィラーの屈折率を低くしたい場合には、例えば、TiO、ZrO、BaO含有量の一部を、MgOやZnOやSiOに置換すればよい。こうして、波長589nmの光におけるポリカーボネート樹脂とガラスフィラーとの屈折率差を0.001以下にすることができる。
(ガラスフィラーの補足説明)
本発明において、ガラスフィラーとしては、ガラス繊維、フレーク、ミルドファイバー、パウダー、ビーズ、バルーンから選ばれた少なくとも1種が好ましく使用される。この中でも、ガラス繊維、フレーク、ミルドファイバーから選ばれた少なくとも1種が好ましく、ガラス繊維が最も好ましい。
上記ガラス繊維について更に詳しく説明すると、本発明で用いるガラス繊維は、従来のEガラスフィラー等の強化用繊維と同等の紡糸性、機械的強度等を有しつつ、熱可塑性樹脂成形品の補強効果が高い。
本発明で用いるガラス繊維は、従来公知のガラス長繊維の紡糸方法を用いて得ることができる。例えば、溶融炉でガラス原料を連続的にガラス化してフォアハースに導き、フォアハースの底部にブッシングを取り付けて紡糸するダイレクトメルト(DM)法、又は、溶融したガラスをマーブル、カレット、棒状に加工してから再溶融して紡糸する再溶融法等の各種の方法を用いてガラスを繊維化することができる。
ガラス繊維の径は特に限定されないが、5〜50μmのものが好ましく用いられる。5μmよりも細い場合には、ガラス繊維と樹脂との接触面積が増大して乱反射の原因となり、成形品の透明性が低下する場合がある。50μmよりも太い場合には、ガラス繊維の強度が弱くなり、結果として成形品の強度が低下する場合がある。更に好ましくは、10〜45μmである。
ガラスパウダーは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液を水中に投入して水砕したり、冷却ロールでシート状に成形して、そのシートを粉砕したりして、所望する粒径のパウダーにすることができる。ガラスパウダーの粒径は特に限定されないが、1〜100μmのものが好ましく用いられる。
ガラスフレークは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液をチューブ状に引き出し、ガラスの膜厚を一定にした後、ロールで粉砕することにより、特定の膜厚のフリットを得て、そのフリットを粉砕して所望するアスペクト比を有するフレークにすることができる。ガラスフレークの厚み及びアスペクト比は特に限定されないが、厚み0.1〜10μmでアスペクト比が5〜150のものが好ましく用いられる。
ミルドファイバーは、従来公知のミルドファイバーの製造方法を用いて得ることができる。例えば、ガラス繊維のストランドをハンマーミルやボールミルで粉砕することにより、ミルドファイバーにすることができる。ミルドファイバーの繊維径及びアスペクト比は特に限定されないが、繊維径は5〜50μm、アスペクト比は2〜150のものが好ましく用いられる。
ガラスビーズは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液をバーナーで噴霧して、所望する粒径のガラスビーズにすることができる。ガラスビーズの粒径は特に限定されないが、5〜300μmのものが好ましく用いられる。
更に、本発明のガラスフィラーとしては、太陽電池モジュールのカバー材料としての性能を損なわない範囲で、同一のガラス組成を有するガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー又はガラスビーズなどを組み合わせて用いてもよい。
そして、熱可塑性樹脂成分と、ガラスフィラーとの親和性を増し、密着性を増大して空隙形成による成形品の透明性低下を抑制するために、ガラスフィラーを、カップリング剤を含む処理剤で表面処理してもよい。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤又はチタネート系カップリング剤等を使用することができる。特に、熱可塑性樹脂とガラスフィラーとの接着性が良好である点からシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。上記シラン系カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤等を使用することができる。それらのシラン系カップリング剤の中でも、アミノシラン系カップリング剤を用いるのが最も好ましい。
また、処理剤に含まれるカップリング剤以外の成分としては、フィルムフォーマー、潤滑剤及び帯電防止剤等が挙げられ、これらを単独で用いても複数の成分を併用してもよい。前記フィルムフォーマーとしては、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを使用することができる。前記潤滑剤としては、脂肪族エステル系、脂肪族エーテル系、芳香族エステル系又は芳香族エーテル系の界面活性剤を使用することができる。前記帯電防止剤としては、塩化リチウムもしくはヨウ化カリウム等の無機塩又はアンモニウムクロライド型もしくはアンモニウムエトサルフェート型等の4級アンモニウム塩を使用できる。
本発明において、熱可塑性樹脂成形品中の上記ガラスフィラーの含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜20質量%である。ガラスフィラーの含有量が5質量%未満であると、得られる熱可塑性樹脂成形品の機械物性が不充分である傾向があり、40質量%を超えると、樹脂とガラスフィラーとの接触面積が増大して、得られる非晶性ポリアミド樹脂成形品の透明性が低下し、また、成形性が低下する傾向がある。非晶性ポリアミド樹脂成形品に含まれるガラスフィラーの量を上記の範囲にすることにより、高い機械物性と良好な透明性とを兼ね備えた成形品を得ることができ、太陽電池モジュールのカバー部材の用途に好適に使用することができる。
(ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法)
本発明のガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品は、樹脂コンパウンドを、従来公知の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形等により成形して得られる。
上記樹脂コンパウンドは、ガラスフィラーと熱可塑性樹脂と任意の添加剤とを含む混合物を、溶融混練法又は引抜き成形法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。溶融混練法は、溶融状態の樹脂とガラスフィラーと、任意の添加剤とを押出機で混練させる方法である。該溶融混練法には、2軸押出機で樹脂を溶融し、途中のフィード口よりガラスフィラーを投入する方法(サイドフィード法)と、2軸または単軸押出機で予めプリプレンドした樹脂とガラスフィラーと任意の添加剤とを溶融混練させる方法(プレミックス法)がある。前記サイドフィード法において、任意の添加剤はその性状に合わせて、樹脂と予め混合してもよく、ガラスフィラーと予め混合してもよい。更に、空気酸化による分解、変色を抑制するために押出機開口部、材料投入口を窒素雰囲気にする方法を用いてもよい。引抜き成形法は、ガラスフィラーの形状がガラス長繊維であって、得られる成形品により高い機械的強度を必要とする場合に好ましく用いられる。該引抜き成形法は、連続したガラス長繊維束を引きながら、該繊維束にマトリックスとなる樹脂を含浸するものであり、マトリックス樹脂の溶液を入れた含浸浴の中に繊維束を通して樹脂を含浸する方法、マトリックス樹脂の粉末を繊維束に吹きつけるか、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し、繊維束にマトリックス樹脂粉末を付着させた後マトリックス樹脂を溶融し、繊維束中に含浸する方法、クロスヘッドの中に繊維束を通しながら押出機等からクロスヘッドにマトリックス樹脂を供給し、繊維束に含浸する方法等があり、好ましいのはクロスヘッドを用いる方法である。
上記樹脂コンパウンドを得るための製造条件、及びガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品を得るための樹脂コンパウンドの成形条件は、適宜選択可能であり、特に限定されないが、溶融混練時の加熱温度や射出成形時の樹脂の温度は、樹脂の分解を抑制することから、通常220℃〜300℃の範囲から適宜選ぶのが好ましい。
成形品の最表面に、ガラスフィラーの少なくとも一部分が存在することで、成形品の表面粗さが大きくなり、成形品表面での乱反射が多くなり、結果として成形品の透明性を悪化する場合がある。このため、成形品の表面粗さを小さくする方法として、成形品の最表面に樹脂の存在比率が高い層(スキン層)を形成させることにより、成形品の表面粗さを小さくする方法等がある。このスキン層を形成させる方法として、射出成形の場合には金型の温度を一般的な条件よりも高い温度(材料の荷重たわみ温度同等もしくはそれ以上)にすることで、金型に接する樹脂が流動し易くし、成形品の最表面の表面粗さを小さくすることができる。また、金型に射出されて溶融樹脂が急冷され流動を抑制されないよう、金型内面を樹脂コーティングしたり、あらかじめ金型に追従するように成形したシートを導入(フィルムインサート成形)したり、連続フィルムを金型面に配して成形(フィルムインモールド成形)するなどの方法がある。前述の方法を用いて、成形品の表面粗さを小さくすることにより、成形品表面での乱反射が少なくなり、ヘイズが小さくなり、結果として成形品の透明性を改善することができる。
任意の添加剤として、例えば、酸化防止剤は、非晶性ポリアミド樹脂組成物の製造時や成形時の樹脂の分解、着色を抑制することができる。また、透明性を損なわない着色剤を用いることで、太陽電池セルの受光素子のピーク波長にあわせた有色透明の成形品をカバー材料、特に前面カバー材料として得ることができる。また、一方で裏面カバー部材に用いるガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品には、入射する太陽光を太陽電池セルの側に向かって反射させるために、顔料などの反射させる添加剤を配合してもよい。これにより得られるガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品自体の透明性や透光性は低下するものの、太陽電池モジュールとした場合に、太陽電池セルに当たる太陽光を増加させることができ、発電効率がよくなる場合がある。
このようにして得られた本発明のガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品は、平板に成形した際、可視光に対する平行光線透過率は65%以上、かつ、ヘイズは30%未満であることが必要である。平行光線透過率は70%以上が好ましい。また、ヘイズは25%未満が好ましく、20%未満が特に好ましい。前記光学物性を備えたガラスフィラー含有熱可塑性成形品は透明性に優れたものであるので、高い透明性を要求される用途において使用することができる。なお、可視光に対する平行光線透過率はJIS−K7105に準じて測定し、ヘイズはJIS−K7136に準じて測定することができる。
本発明のガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品について、該成形品のガラスフィラー含有率と厚さは、該成形品の要求性能、すなわち透明性等の光学特性及び線膨張係数等の機械的物性を両立させる上で、適宜選択することができる。
ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の好ましい第一の態様である非晶性ポリアミド樹脂成形品においては、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分の屈折率と、ガラスフィラーの屈折率との差が、波長589nmの光に対して0.002以下であり、波長486nmの光に対して0.002以下であり、波長656nmの光に対して0.002以下であることが好ましく、上記3つの波長の光に対してそれぞれ0.001以下であることがより好ましい。非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分とガラスフィラーとの屈折率の差が、上記3つの波長の光に対してそれぞれ0.002よりも大きくなると、非晶性ポリアミド樹脂成形品の透明性が不充分となり好ましくない。
また、ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の第二の態様であるガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品においては、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂成分とガラスフィラーとの屈折率差が、波長589nmの光に対して0.001以下であることが好ましい。
(カバー部材)
ガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品を用いた本発明のカバー部材の厚さは、任意の厚さでよいが、特に透明性が要求される場合には、0.1〜5mmに調整する必要があり、より好ましくは0.2〜2mmである。カバー部材の厚みが0.1mm未満であると、反りが生じやすく、また、機械的強度が弱く、また成形し難いものとものとなってしまう。また、5mmより大きいと、透明性が損なわれてしまう。
そして、カバー部材には、ハードコート膜、防曇膜、帯電防止膜、反射防止膜の被膜が形成されていることが好ましく、2種類以上の複合被膜としてもよい。
なかでも、耐候性が良好で、経時的な成形品表面の摩耗を防ぐことができることから、ハードコート膜の被膜が形成されていることが特に好ましい。ハードコート膜の材質は特に限定されず、アクリレート系ハードコート剤、シリコン系ハードコート剤、無機系ハードコート剤等の公知の材料を用いることができる。
(太陽電池セル)
本発明に用いる太陽電池セルは、特に限定されず、シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、有機薄膜系太陽電池、色素増感型太陽電池などがあり、好ましくは曲面等の形状に成形しやすい点から可撓性を有する太陽電池セルである。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、前記図1に示したように、太陽光線が入射する受光面側(表側)に前面カバー部材2が設けられ、受光面とは反対側(裏側)に裏面カバー部材3が設けられ、前面カバー部材2と裏面カバー部材3との間に、充填材5で封止された太陽電池セル4が配置されている。充填剤としては、カバー部材に用いる熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度にて架橋する性質を有する樹脂が用いられ、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)などが好ましく用いられる。
前面カバー部材2は透光性を有するガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品からなり、平行光線透過率が65%以上で、ヘイズが30未満の該成形品が適用される。裏面カバー部材は、前面カバー部材と同じ材質で同じ厚さからなる材料が適用される。特に、裏面カバー部材では、入射する太陽光を太陽電池セルの側に向かって反射させるために、所定の顔料が添加されていてもよい。
次に、上述した太陽電池モジュールの製造方法の好ましい例について説明する。まず、例えば厚さ約1mmのガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品からなる裏面カバー部材上に、充填材となる厚さ約0.5〜3mm程度のEVA樹脂製ラミネートシート(以下EVAシートとする)が載置される。そして、上記第1EVAシート上に、太陽電池セルが載置される。次に、その太陽電池セルを覆って充填材となる、第1EVAシートと同程度の厚さの第2EVAシートが載置され、その第2EVAシート上に、裏面カバー部材と同じ厚さ約1mmのガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品からなる前面カバー部材が載置される。その後、第1EVAシート及び第2EVAシートが硬化するように、加熱処理を加える。
このとき、第1EVAシートと第2EVAシートとの間に太陽電池セル4を挟み込んだ状態でEVAシートが硬化することで、太陽電池セルは充填材によって封止されることになる。以上の工程を経て、図1に示される太陽電池セルを備えた太陽電池モジュールが製造される。
上述した太陽電池モジュールでは、前面カバー部材は、平行光線透過率が65%以上で、ヘイズが30未満の透光性を有しており、板ガラス製のカバー部材に比べて、軽量であり、曲面形状に成形し易くなる。また、前面カバー部材と裏面カバー部材とに、同じ材質からなるガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品が適用されることで、表面カバー部材と裏面カバー部材とで熱による収縮の程度は同レベルになって、上記EVAシートを熱硬化する際に、表面側あるいは裏面側の一方の側に太陽電池セルが反ってしまうのを抑制することができる。
更に、前面カバー部材2と裏面カバー部材3の材料として、線膨張係数(×10−5/℃)が3.0〜6.0であるガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品を適用することで、太陽電池モジュールの線膨張係数を低く抑えることができ、太陽電池モジュールと周辺部材との線膨張係数の差を小さくすることができる。結果として、太陽電池モジュールを車両の外装材に組み込んだ際に撓みやゆがみを抑えることができる。
更に、前面カバー部材2と裏面カバー部材3とを同じ厚さとすることで、前面カバー部材2に接触する第2EVAシートと、裏面カバー部3に接触する第1EVAシートとの収縮も同程度になり、EVAシートの収縮に伴う張力が表面側と裏面側とに均等に分散されて、太陽電池モジュールの反りを更に抑制することができる。
前面カバー部材2と裏面カバー部材3の材料に用いるガラスフィラー含有熱可塑性樹脂成形品の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアミド樹脂の他に、ポリメタクリル樹脂あるいはポリエチレンテレフタレート樹脂も適用することが可能である。ガラスフィラーとしては、前記樹脂の屈折率との差が0.002以下の屈折率を有するガラスフィラーをそれぞれの樹脂に合わせて用いることができる。
また、裏面カバー部材3に透光性が必須でない場合には、裏面カバー部材3には顔料が添加されていることが好ましく、シリカを含む白色顔料などが挙げられる。例えば、裏面カバー部材3を白色とすることで、隣り合う太陽電池セル本体4との隙間から入射した太陽光を裏面カバー部材3において散乱あるいは反射させて発電に寄与させることができる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の実施態様を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[ガラス繊維]
下記表1に示す組成(質量%)で、ガラス繊維(GF1〜GF4)を製造した。
なお、ガラス繊維は、従来公知の方法により繊維径13μmで紡糸し、バインダーとしてアミノシラン+ウレタンを0.5質量%となるように付着させた。上記ガラス繊維の組成、波長589nmの光に対する屈折率(以下、nDとする)、波長486nmの光に対する屈折率(以下、nFとする)及び波長656nmの光に対する屈折率(以下、nCとする)を併せて表1に示す。ここで、ガラス繊維の屈折率はJIS−K7142のB法による浸液法によって測定した値である。
[ガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品]
ガラス繊維(GF4)を用いて、以下の条件でコンパウンドを行い、得られた樹脂コンパウンドを成形して、実施例1、2となるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品を製造した。
<使用した非晶性ポリアミド樹脂>
非晶性ポリアミド樹脂(GA1):グリルアミドTR90(エムスケミー、nD=1.509、nF=1.516、nC=1.506)
<コンパウンド条件>
・ガラス繊維:13μm径、3mm長のチョップトストランド、集束本数400本
・押し出し機:TEM−35B(東芝機械社製)
・押し出し温度:280℃
・ガラス含有率:10質量%、20質量%
<射出条件>
・成形機:IS−80G(東芝機械社製)
・シリンダー温度:280℃
・金型温度:130℃
[ガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品]
ガラス繊維(GF1、GF3)を用いて、以下の条件でコンパウンドを行い、得られた樹脂コンパウンドを成形して、参考実施例1、2となるガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品を製造した。
・使用したポリカーボネート樹脂
ポリカーボネート樹脂(PC):レキサン121R(日本ジーイープラスチック社製、分子量21000、nD=1.585)
・コンパウンド条件
ガラス繊維:13μm径、3mm長のチョップトストランド、集束本数400本
ガラス繊維含有率:10質量%
押し出し機:TEM−35B(東芝機械社製)
押し出し温度:280℃
・射出成形条件
成形機:IS−80G(東芝機械社製)
シリンダー温度:300℃
金型温度:120℃
なお、比較のため、非晶性ポリアミド樹脂のみを用いて参考例1の非晶性ポリアミド樹脂成形品を得た。同様に、ポリカーボネート樹脂のみを用いて参考例2のポリカーボネート樹脂成形品を得た。
こうして得られた実施例1〜2、参考実施例1〜2、参考例1〜2の樹脂成形品の光学物性及び機械物性を表2にまとめて示す。ここで、光学物性である平行光線透過率は、日本電色株式会社製NDHセンサーを用い、JIS−K7105に準じて厚さ2mmのサンプルを測定した値であり、ヘイズ値は日本電色株式会社製NDHセンサーを用い、JIS−K7136に準じて厚さ2mmのサンプルを測定した値である。機械物性には、厚さ3mmのサンプルを用いて、曲げ強度及び曲げ弾性はASTM−D790に準じて測定し、引張強度はASTM−D638に準じて測定し、耐熱強度の指標である荷重たわみ温度(以下DTULとする)は、ASTM−D648に準じて測定し、線膨張係数はJIS−K7197に準じて測定した。
[太陽電池モジュール]
以下の方法により、太陽電池モジュールを製造した。まず、実施例1のガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品からなる厚さ約1mmの裏面カバー部材上に、充填材となる厚さ約1.5mmの第1EVA樹脂製ラミネートシート(以下EVAシートとする)を載置し、この第1EVAシート上に、多結晶シリコン製の太陽電池セルを載置する。次に、太陽電池セルを覆うように、上記第1EVAシートと同じ厚さの第2EVAシートを載置し、この第2EVAシート上に、裏面カバー部材と同じ実施例1のガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品からなる厚さ約1mmの前面カバー部材を載置して積層物を得る。この積層物を減圧した状態で、150℃に加熱し、第1及び第2EVAシートを硬化させて充填材とし、実施例の太陽電池モジュールを得た。
参考実施例3として、参考実施例1のガラスフィラー含有ポリカーボネート樹脂成形品を用いる以外は、実施例と同様の方法により参考実施例3となる太陽電池モジュールを得た。
比較例1として、参考例1の非晶性ポリアミド樹脂成形品を用いる以外は、実施例と同様の方法により比較例1となる太陽電池モジュールを得た。
比較例2として、参考例2のポリカーボネート樹脂成形品を用いる以外は、参考実施例3と同様の方法により比較例2となる太陽電池モジュールを得た。
こうして得られた実施例3、参考実施例3、比較例1〜2の太陽電池モジュールについて環境試験を行なった。ここで環境試験は、JIS−C8917の温湿度サイクル試験A−2に従っておこない、試験後の外観を目視により評価した。実施例3、参考実施例3の太陽電池モジュールには、外観の変化が認められなかったが、比較例1及び2の太陽電池モジュール端部に剥離と反りが認められた。
本発明の太陽電池モジュールは、住宅用、各種景観用途、自動車積載用などに使用することができる。特に薄型、軽量、曲面形状にも対応した太陽電池モジュールが得られることから、自動車等の移動体積載用に好適に用いられる。
本発明の太陽電池モジュールの概略構成を示す説明図である。
符号の説明
1:太陽電池モジュール
2:前面カバー部材
3:裏面カバー部材
4:太陽電池セル
5:充填剤
6:インタコネクタ

Claims (4)

  1. 太陽光線が入射する側に配設される前面カバー部材と、太陽光線が入射する側とは反対側に該前面カバー部材と対向するように配設される裏面カバー部材と、該前面カバー部材と該裏面カバー部材との間に配設される太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールであって、
    該前面カバー部材及び該裏面カバー部材は、酸化物基準の質量%表示で、酸化ケイ素(SiO)68〜72%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜10質量%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、前記酸化カルシウム(CaO)と前記酸化亜鉛(ZnO)と前記酸化ストロンチウム(SrO)と前記酸化バリウム(BaO)との合計含有量が4〜10%であり、前記酸化リチウム(LiO)と前記酸化ナトリウム(NaO)と前記酸化カリウム(KO)との合計含有量が8〜12%であり、酸化チタン(TiO )の含有量が0.05%未満であるガラス組成を有するガラスフィラーと、非晶性ポリアミド樹脂とを含み、ガラスフィラー含有率が5〜20質量%であり、線膨張係数(×10−5/℃)が3.0〜6.0であり、波長589nmの光における非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が0.002以下であるガラスフィラー含有非晶性ポリアミド樹脂成形品からなり、
    前記前面カバー部材は、平行光線透過率が65%以上、ヘイズが30未満であることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記ガラスフィラーが、ガラス繊維、フレーク、ミルドファイバーから選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 車両の外装品として用いられる請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記裏面カバー部材が白色顔料を含有する請求項1〜のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール。
JP2007253275A 2007-09-28 2007-09-28 太陽電池モジュール Active JP5331325B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007253275A JP5331325B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 太陽電池モジュール
KR1020080087203A KR20090032988A (ko) 2007-09-28 2008-09-04 태양전지 모듈
EP08253158.3A EP2043162B1 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Solar cell module
US12/286,057 US20090178708A1 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Solar cell module
CN2008101688901A CN101399294B (zh) 2007-09-28 2008-09-27 太阳能电池模块

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007253275A JP5331325B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 太陽電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009088072A JP2009088072A (ja) 2009-04-23
JP5331325B2 true JP5331325B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=40227961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007253275A Active JP5331325B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 太陽電池モジュール

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20090178708A1 (ja)
EP (1) EP2043162B1 (ja)
JP (1) JP5331325B2 (ja)
KR (1) KR20090032988A (ja)
CN (1) CN101399294B (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2944383B1 (fr) * 2009-04-09 2015-03-13 Saint Gobain Structure composite transparente integrant une cellule photovoltaique
DE102009050988B3 (de) * 2009-05-12 2010-11-04 Schott Ag Dünnschichtsolarzelle
EP2275471B2 (de) 2009-06-18 2015-12-09 Ems-Patent Ag Photovoltaikmodul-Monorückfolie, Verfahren zu deren Herstellung sowie deren Verwendung bei der Produktion photovoltaischer Module
US20110036390A1 (en) * 2009-08-11 2011-02-17 Miasole Composite encapsulants containing fillers for photovoltaic modules
US20110036389A1 (en) * 2009-08-11 2011-02-17 Miasole Cte modulated encapsulants for solar modules
JP5528929B2 (ja) * 2009-08-31 2014-06-25 三井化学東セロ株式会社 測定方法、太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの評価方法
JP5381568B2 (ja) * 2009-09-29 2014-01-08 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用変換効率向上部材及び太陽電池モジュール
CN101719523B (zh) * 2009-11-18 2012-06-27 常熟阿特斯阳光电力科技有限公司 汽车用太阳能电池板
AT509091B1 (de) 2009-12-01 2011-09-15 Isovoltaic Ag Solarmodul
FR2955207B1 (fr) 2010-01-08 2012-02-10 Saint Gobain Technical Fabrics Dispositif collecteur de rayonnement
ITCR20100013A1 (it) * 2010-04-21 2011-10-22 Marco Pietro Borrini Modulo fotovoltaico ventilato
US20130244047A1 (en) * 2010-06-23 2013-09-19 Dsm Ip Assets B.V. Film or plate
FR2966158B1 (fr) * 2010-10-13 2012-10-19 Arkema France Film a base de polymere fluore pour application photovoltaique
KR101140731B1 (ko) 2010-11-22 2012-05-03 한국철강 주식회사 3차원 광결정 구조를 포함한 투광형 광기전력 모듈, 이의 제조방법, 및 이를 포함한 복층유리
TWI437195B (zh) * 2011-05-04 2014-05-11 Au Optronics Corp 太陽能裝置
CN102315301A (zh) * 2011-09-20 2012-01-11 江阴鑫辉太阳能有限公司 轻型光伏组件
EP2623314A1 (en) * 2012-02-06 2013-08-07 Universiteit Twente Encapsulated photovoltaic module
CN103378199B (zh) * 2012-04-26 2018-11-16 常州亚玛顿股份有限公司 太阳能光热系统
JP6414745B2 (ja) * 2012-07-09 2018-10-31 株式会社クラレ 光学素子及び集光型太陽光発電装置
US9701068B2 (en) * 2012-07-27 2017-07-11 Apple Inc. Transparent fiber composite
JP6259761B2 (ja) * 2012-09-14 2018-01-10 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品
PT3006181T (pt) * 2014-09-08 2022-02-14 Fundaca­On Tecnalia Res & Innovation Método de encapsulamento de células fotovoltaicas e módulos encapsulados
JP6520126B2 (ja) * 2015-01-08 2019-05-29 日立化成株式会社 太陽電池モジュール及びそれに用いられる太陽電池の封止樹脂
JP6352894B2 (ja) * 2015-12-24 2018-07-04 トヨタ自動車株式会社 太陽電池モジュール
US20190348555A1 (en) * 2018-05-08 2019-11-14 Beijing Hanergy Solar Power Investment Co., Ltd. Solar module
JP7173788B2 (ja) * 2018-08-17 2022-11-16 Jhs株式会社 屋根構造及び屋根構造の構築方法
CN108831944A (zh) * 2018-08-20 2018-11-16 汉能移动能源控股集团有限公司 太阳能车辆组件及其制备方法和车辆
JP2021012976A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 株式会社リコー 光電変換モジュール
CN111883599A (zh) * 2020-07-28 2020-11-03 光能动力(北京)科技有限责任公司 一种车用太阳能组件表面纹路结构及其制备方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4402902A (en) * 1981-12-07 1983-09-06 Borg-Warner Corporation Method for molding glass-filled thermoplastic resins
JPS60155551A (ja) * 1984-01-24 1985-08-15 Toshiba Corp 光フアイバ用被覆ガラス
US6207603B1 (en) 1999-02-05 2001-03-27 Corning Incorporated Solar cell cover glass
WO2001009213A1 (fr) * 1999-07-30 2001-02-08 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Copolymere bloc de polyacetal
CA2420446A1 (en) * 2000-10-10 2002-04-18 E.I. Du Pont De Nemours And Company Translucent polyamide blends
JP2002151724A (ja) * 2000-11-10 2002-05-24 Nissan Motor Co Ltd 太陽電池パネル
JP2002231990A (ja) * 2001-02-06 2002-08-16 Nissan Motor Co Ltd 太陽電池パネル
DE10211314A1 (de) * 2002-03-14 2003-10-02 Wacker Chemie Gmbh Vernetzbare Massen auf der Basis von Organosiliciumverbindungen
US7144633B2 (en) * 2002-07-29 2006-12-05 Evanite Fiber Corporation Glass compositions
JP2004335563A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Sekisui Jushi Co Ltd 太陽電池モジュール
JP2005277187A (ja) 2004-03-25 2005-10-06 Sharp Corp 太陽電池モジュール
CN100515710C (zh) * 2004-05-13 2009-07-22 旭玻璃纤维股份有限公司 聚碳酸酯树脂强化用玻璃纤维以及聚碳酸酯树脂成形品
JP5013798B2 (ja) * 2005-11-11 2012-08-29 旭ファイバーグラス株式会社 ポリカーボネート樹脂用ガラスフィラー及びポリカーボネート樹脂組成物
JP2009520853A (ja) * 2005-12-23 2009-05-28 エーエムエス−ヒェミー・アクチェンゲゼルシャフト 架橋性ポリアミド成形配合物およびそれから製造される成形品
DE102006014095A1 (de) * 2006-03-24 2007-09-27 Merck Patent Gmbh Glasplättchen und deren Verwendung als transparenter Füllstoff
US7847184B2 (en) * 2006-07-28 2010-12-07 E. I. Du Pont De Nemours And Company Low modulus solar cell encapsulant sheets with enhanced stability and adhesion
US8476353B2 (en) * 2008-09-25 2013-07-02 Asahi Fiber Glass Company, Limited Amorphous polyamide resin composition and molded product

Also Published As

Publication number Publication date
KR20090032988A (ko) 2009-04-01
CN101399294A (zh) 2009-04-01
CN101399294B (zh) 2013-03-13
EP2043162B1 (en) 2014-01-08
JP2009088072A (ja) 2009-04-23
EP2043162A2 (en) 2009-04-01
EP2043162A3 (en) 2012-05-30
US20090178708A1 (en) 2009-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5331325B2 (ja) 太陽電池モジュール
EP1785402B1 (en) Glass filler for polycarbonate resin, and polycarbonate resin composition
US8476353B2 (en) Amorphous polyamide resin composition and molded product
JP5140315B2 (ja) 非晶性ポリアミド樹脂組成物及び成形品
JP6515114B2 (ja) 充填材としてガラスを含む透明なポリアミド系組成物
US7132154B2 (en) Transparent composite composition
KR101211448B1 (ko) 폴리카보네이트 수지 강화용 유리 섬유 및 폴리카보네이트수지 성형품
CN101684195B (zh) 非晶性聚酰胺树脂组合物及成形品
EP2169008B1 (en) Amorphous polyamide resin composition and molded product
KR20100092480A (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물, 폴리카보네이트 수지 성형품 및 그 제조 방법
JP2006022236A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた成形品
JP7341989B2 (ja) 低シリカ含有量を有するガラス充填材を含む透明なポリアミド系組成物
JP4777621B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた成形品
CN103596897A (zh) 高强度玻璃组合物和纤维
KR20100072040A (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물, 폴리카보네이트 수지 성형품 및 그의 제조 방법
JP2012051773A (ja) 樹脂複合体基板用ガラス
TW201509853A (zh) 強化玻璃及強化用玻璃
JP5541434B2 (ja) 複合材用ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法、及び可視光透過複合材
EP2531457A1 (en) Glass fibre composition and composite material reinforced therewith
JP2006169324A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた成形品
JP5365265B2 (ja) ガラス繊維及びそれを用いたポリカーボネート樹脂成形体
KR101508983B1 (ko) 비결정성 폴리아미드 수지 조성물 및 성형품
WO2018163903A1 (ja) ガラス樹脂複合体
WO2019151000A1 (ja) ガラス樹脂複合体
WO2018163902A1 (ja) ガラス樹脂複合体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090811

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5331325

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250