JP5140315B2 - 非晶性ポリアミド樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

非晶性ポリアミド樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、透明性、耐熱性及び剛性に優れた非晶性ポリアミド樹脂組成物及び成形品に関する。
従来、透明性の樹脂は、自動車部品、照明機器、電気部品等、通常の透明性が要求される成形体の材料として用いられており、特に最近においては、光学的性質が重視される光学材料としての応用が進みつつある。なかでも、重合モノマー構造起因で非結晶性のポリアミド樹脂は、複屈折率が小さく、高い透明性を有することから、光学材料等の透明樹脂として用いられている。
しかしながら、非結晶性のポリアミド樹脂は剛性が不充分である。このため、ガラス繊維などの繊維補強材や、無機フィラーや、ゴム成分などを添加して非晶性ポリアミド樹脂成形品の剛性を向上させる試みが行われている。
例えば、下記特許文献1には、透明ポリアミド樹脂とスチレン−ブタジエン系共重合体とを含む非晶性ポリアミド樹脂組成物に、ガラス繊維等のガラスフィラーを配合してなる非晶性ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
また、下記特許文献2には、脂肪族系結晶性ポリアミド樹脂60〜90重量%、半芳香族系非晶性ポリアミド樹脂0〜20重量%、フェノール樹脂5〜30重量%の混合物100重量部と、ガラス繊維50〜200重量部よりなるポリアミド樹脂組成物が開示されている。
特開平4−337355号公報 特開平7−53862号公報
一般のポリアミド樹脂の補強材料として、従来からEガラスまたはSガラスと呼ばれるガラスフィラーが主に使用されている。
しかしながら、非晶性ポリアミド樹脂の波長589nmにおける屈折率(nD)は1.50〜1.54であるのに対し、Eガラスの屈折率は1.555程度である。このため、両者の屈折率差によって、Eガラスで補強した非晶性ポリアミド樹脂成形品は、強度は向上するものの、透明性が損なわれるといった問題があった。また、同様にSガラスの屈折率は1.521程度である。両者の屈折率差が無い場合には、Sガラスで補強した非晶性ポリアミド樹脂成形品の透明性は損なわれないものの、Sガラスは溶解温度が1800度程度と非常に高いため、ガラス繊維の製造が困難であるといった問題があった。
上記特許文献1においても、Eガラス組成のガラス繊維を用いて非晶性ポリアミド樹脂を補強しているため、得られる非晶性ポリアミド樹脂成形品は、全光線透過率が56〜71%であり、透明性が充分ではなかった。
また、上記特許文献2では、剛性や機械的強度を向上させることを目的として非晶性ポリアミド樹脂中にガラス繊維を配合しており、透明性を考慮したものではなく、ガラス繊維の組成を変化させて、非晶性ポリアミド樹脂とガラス繊維との屈折率を一致させるといった試みは何ら開示されていない。
したがって、本発明の目的は、充分な透明性を有し、耐熱性及び剛性に優れた非晶性ポリアミド樹脂組成物及び成形品を提供することにある。
上記目的を達成するにあたって、本発明者らが鋭意検討した結果、従来の技術資料には具体的に開示されていない特定のガラス組成を有するガラスフィラーと特定の非晶性ポリアミド樹脂とを配合することにより、充分な透明性を有し、剛性、耐熱性に優れた非晶性ポリアミド樹脂組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる新規な知見に基づき本発明に到達したものであり、下記を特徴とする。
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、非対称性の化学構造を有する原料モノマーを用いて得られる透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分と、ガラスフィラーとを含有する非晶性ポリアミド樹脂組成物において、
前記ガラスフィラーは、酸化物基準の質量%表示で、酸化ケイ素(SiO)68〜74%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜12%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、かつ、酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)との合計量が8〜12%であり、酸化チタン(TiO )の含有量が0.1%未満となる組成であることを特徴とする。
非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分に、上記組成のガラスフィラーを添加することで、充分な透明性を有する樹脂組成物を得ることができ、かつ従来のEガラス繊維を用いた場合と同等の機械的強度や耐熱性を備えた非晶性ポリアミド樹脂組成物を提供することができる。また、上記組成からなるガラスフィラーは、ガラスの溶融温度がEガラス組成の溶融温度と同等であるので、ガラスの成形が困難であるガラス長繊維の場合でも、ガラス繊維を容易に製造することができる。
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、前記ガラスフィラーと前記樹脂成分との屈折率の差が、波長589nmの光に対して0.002以下であり、波長486nmの光に対して0.002以下であり、波長656nmの光に対して0.002以下であり、該組成物を2mm厚さの平板状に成形した際の平行光線透過率が65%以上、かつヘイズが25%未満であることが好ましい。
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、前記ガラスフィラーとして、酸化ケイ素(SiO)と酸化アルミニウム(Al)との合計含有量が、質量%表示の酸化物基準で、70〜79%となる組成を有するものを用いることが好ましい。
また、前記ガラスフィラーとして、酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)との合計含有量が、酸化物基準の質量%表示で〜15%となる組成を有するものを用いることが好ましい。
また、前記ガラスフィラーとして、酸化チタン(TiO)を実質的に含有しない組成を有するものを用いることが好ましい。
また、非晶性ポリアミド樹脂組成物中における前記ガラスフィラーの含有率が5〜40質量%であることが好ましい。
また、前記ガラスフィラーが、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー及びガラスビーズから選択された1種以上であることが好ましい。
一方、本発明の非晶性ポリアミド樹脂成形品は、上記非晶性ポリアミド樹脂組成物を成形して得られたことを特徴とする。
本発明の非晶性ポリアミド樹脂成形品によれば、ガラスフィラーによる補強後であっても非晶性ポリアミド樹脂の屈折率と、前記ガラスフィラーの屈折率との差が非常に近いため、極めて透明性の高い成形品を得ることができる。
本発明では、透明性及び機械強度、耐熱性に優れた非晶性ポリアミド樹脂成形品を得ることができるので、透明性と強度の両物性が要求される成形品、例えば、電気機器や電子機器の表示部のカバー、自動車や建材に用いる板ガラスの代替品のような、透明性及び強度の両方の物性が要求される成形品として好適に使用することができる。また上記分野の成形品で、更に耐熱性を要求される用途にも好適に使用することができる。
[非晶性ポリアミド樹脂組成物]
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分と、ガラスフィラーとを含有する。
そして、本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分の屈折率と、ガラスフィラーの屈折率との差が、波長589nmの光に対して0.002以下であり、波長486nmの光に対して0.002以下であり、波長656nmの光に対して0.002以下であることが好ましく、上記3つの波長の光に対してそれぞれ0.001以下であることがより好ましい。非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分とガラスフィラーとの屈折率の差が、上記3つの波長の光に対してそれぞれ0.002よりも大きくなると、非晶性ポリアミド樹脂組成物を成形して得られる成形品の透明性が不充分となり好ましくない。
次に、本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物の各成分について説明する。
(樹脂成分)
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物に用いる、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分としては、透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を含有するものであれば特に限定されない。ポリアミド樹脂を構成する原料のうち、非対称性の化学構造を有する原料モノマーを用いることにより、透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を得ることができる。また、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分は、非晶性ポリアミド樹脂単独であっても良く、透明性を損なわない範囲でポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム成分などを含む非晶性ポリアミド樹脂のポリマーアロイであってもよい。
また、非晶性ポリアミド樹脂の種類としては、例えば、ポリアミドPA12/MACMI(PA12/3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、イソフタル酸)、PA12/MACMT(PA12/3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、テレフタル酸)、PA MACM 12(3,3−ジメチル−4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、デカンジカルボン酸又はラウロラクタム)、PA MC 12(PA12、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)、PA6I/6T、PA6I/6T/MACMIなどが挙げられる。なお、前記ポリアミド樹脂の表記は、JIS K6920−1に従った。
本発明において、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分としては、市販されているものを用いても良く、例えば、PA12/MACMIを含む商品名「グリルアミドTR55」(エーエムエス−ケミエ社)、PA MACM 12を含む商品名「グリルアミドTR90」(エーエムエス−ケミエ社)、PA MC 12を含む商品名「トロガミドCX」(デグサ社)、PA12/MACMTを含む商品名「クリスタミドMS」(アルケマ社)などが挙げられる。
そして、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分の屈折率は、波長589nmの光に対し1.505〜1.545、波長486nmの光に対し1.512〜1.555及び波長656nmの光に対し1.502〜1.541であることが好ましい。なかでも、ガラスフィラーとの屈折率差が小さくするために、波長589nmの光に対し1.508〜1.520、波長486nmの光に対し1.515〜1.527及び波長656nmの光に対し1.505〜1.517であること特に好ましい。このような屈折率を有する樹脂成分としては、例えば、商品名「グリルアミドTR90」(エーエムエス−ケミエ社、波長589nmの光に対する屈折率=1.509,波長486nmの光に対する屈折率=1.516,波長656nmの光に対する屈折率=1.506)等が好ましく挙げられる。
(ガラスフィラー)
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物に用いるガラスフィラーは、質量%表示の酸化物基準で、酸化ケイ素(SiO)68〜74%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜12%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、かつ、酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)との合計量が8〜12%となる組成からなるものである。
以下、本発明のガラスフィラーの組成について、質量%を単に%と記して説明する。
上記のガラスフィラーの組成において、酸化ケイ素(SiO)の含有量は、68〜74%であることが必要であり、68〜72%が好ましい。酸化ケイ素(SiO)の含有量が68%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となり、また、酸化ケイ素(SiO)の含有量が74%を超えるとガラスフィラー製造時の溶解性が低下してしまうので好ましくない。特にガラスフィラーをガラス繊維として用いる場合には、紡糸温度が上昇し、製造し難くなる。
酸化アルミニウム(Al)の含有量は、2〜5%であることが必要であり、2〜4%が好ましい。酸化アルミニウム(Al)の含有量が2%未満であると、耐水性等の化学的耐久性が低下し、また、酸化アルミニウム(Al)の含有量が5%を超えるとガラスフィラー製造時の溶解性が低下し、ガラスが不均質になり易くなるので好ましくない。
そして、酸化ケイ素(SiO)と酸化アルミニウム(Al)との合計量は、70〜79%であることが好ましく、71〜76%がより好ましい。これによればガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率により近似させ易い。
酸化ナトリウム(NaO)は、5〜12%含有することが必要であり、8〜11%含有することが好ましい。含有量が12%を超えると、ガラスの耐水性が低下し易くなり、また、5%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となる。
酸化リチウム(LiO)は、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。また、酸化カリウム(KO)は、0〜10%含有することができ、0〜5%含有することが好ましい。酸化ナトリウム(NaO)の一部を酸化リチウム(LiO)や酸化カリウム(KO)に置換することによりガラスの耐水性を向上させることができる。
そして、これらアルカリ成分の酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)とを合計で8〜12%含有し、8〜11%含有することがより好ましい。
上記アルカリ成分の合計量が12%を超えると、ガラスの耐水性が低下し易くなり、また、8%未満であると、ガラスフィラー製造時の溶融性が低下し、ガラスが溶融し難くなり、ガラスフィラーを得ることが困難となるので好ましくない。
酸化カルシウム(CaO)の含有量は、2〜10%であることが必要であり、6〜9%が好ましい。酸化カルシウム(CaO)の含有量が2%未満であると、ガラスとしての溶融性が低下する傾向にあり、また、酸化カルシウム(CaO)の含有量が10%を超えるとガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に近づけることが困難となるので好ましくない。
酸化亜鉛(ZnO)は任意成分であって、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。酸化亜鉛(ZnO)を含有することにより、ガラスの耐水性を向上させることができるが、その上限を超えて含有すると、ガラスが失透しやすくなるので好ましくない。
酸化ストロンチウム(SrO)は任意成分であって、0〜5%含有することができ、0〜2%含有することが好ましい。
酸化バリウム(BaO)は任意成分であって、0〜1%含有することが好ましい。
そして、酸化カルシウム(CaO)と、酸化亜鉛(ZnO)と、酸化ストロンチウム(SrO)と酸化バリウム(BaO)との合計量が4〜10%であることが好ましく、6〜10%がより好ましい。上記成分の合計量が4%未満であると、ガラスとしての溶解性が低下するおそれがあり、また、10%を超えるとガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となる。
酸化マグネシウム(MgO)の含有量は1〜5%であることが必要であり、1〜3%含有することが好ましい。酸化マグネシウム(MgO)を含有させることにより、ガラスとしての機械的物性を向上できる。酸化マグネシウム(MgO)の含有量が5%を超えると、ガラスとしての溶解性が低下するので好ましくない。
酸化ホウ素(B)の含有量は2〜5%であることが必要であり、2〜4%が好ましい。酸化ホウ素(B)の含有量が2%未満であると、ガラスフィラーの屈折率を非晶性ポリアミド樹脂の屈折率に合わせることが困難となり好ましくない。酸化ホウ素(B)の含有量が5%を超えると、ガラス溶解時に揮発しやすくなり、前記揮発成分による製造設備の腐食が増大したり、前記揮発成分を回収する設備が必要となったりするので好ましくない。
本発明のガラスフィラーのガラス組成範囲において、酸化チタン(TiO)が含まれると、ガラスフィラーが褐色に着色し、得られる成形品が黄色くなるため、特に成形品の色調を考慮する用途には適し難いものとなる。そのため、酸化チタン(TiO)は、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、例えば、工業用原料から不純物として混入される場合を除き、意図的に含まないことを意味し、TiOとして0.1%未満の含有量のことを示す。
本発明のガラスフィラーのガラス成分として、本発明の効果を損なわない範囲において上記以外の成分が存在していても支障ない。例えば、Fe、Co、Ni、Sn、Zr、Moなどの金属酸化物をガラス組成の成分として含有してもよい。
上記組成からなるガラスフィラーは、波長589nmの光に対する屈折率が1.505〜1.545で、波長486nmの光に対する屈折率が1.512〜1.555で、波長656nmの光に対する屈折率が1.502〜1.541であり、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率とほぼ同じである。このため、充分な透明性を有し、機械的強度に優れた非晶性ポリアミド樹脂成形品を得ることができる。また、ガラスの溶融温度が1500〜1600℃であるので、Eガラス組成の場合と同様に繊維化することができる。
そして、ガラスフィラーの組成を、例えば、酸化ケイ素(SiO)68〜72%、酸化アルミニウム(Al)2〜4%、酸化ホウ素(B)2〜4%、酸化カルシウム(CaO)6〜9%、酸化亜鉛(ZnO)0〜2%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜2%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜3%、酸化リチウム(LiO)0〜2%、酸化ナトリウム(NaO)8〜11%、酸化カリウム(KO)0〜5%とすることで、波長589nmの光に対する屈折率が1.508〜1.520、波長486nmの光に対する屈折率が1.515〜1.527、波長656nmの光に対する屈折率が1.505〜1.517となるガラスフィラーが得られやすくなる。
ここで上述したように、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)及びアルカリ成分は、ガラスフィラーの屈折率を低下させることのできる成分であり、上記以外のガラスの屈折率を低下させることのできる成分としては、P、F等がある。
したがって、ガラスフィラーの屈折率が所望する屈折率、すなわち、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率よりも小さい場合には、例えば、酸化ケイ素(SiO)含有量の一部を、酸化カルシウム(CaO)に置換することで、屈折率を上昇させることができる。具体的には、例えば、酸化ケイ素(SiO)の0.4%を、酸化カルシウム(CaO)の0.4%に置換すると、ガラスフィラーの屈折率は約0.002上昇する。
また、ガラスフィラーの屈折率が所望する屈折率、すなわち、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率よりも大きい場合には、例えば、酸化カルシウム(CaO)含有量の一部を、アルカリ成分に置換することで屈折率を低下させることができる。具体的には、例えば、酸化カルシウム(CaO)の0.5%を、酸化ナトリウム(NaO)の0.8%に置換するとガラスフィラーの屈折率は約0.002低下する。
このように、上記ガラスフィラーの屈折率を上昇させることのできる成分と、ガラスフィラーの屈折率を低下させることのできる成分とを、それぞれ本発明の範囲内で適宜置換して調整することで、ガラスフィラーの屈折率を適宜調整でき、非晶性ポリアミド樹脂の屈折率と同じ範囲の屈折率を有するガラスフィラーを得ることができる。
本発明では、ガラスフィラーを、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー又はガラスビーズとして用いることができる。なかでも、ガラス繊維は、従来のEガラス繊維等の強化用繊維と同等の紡糸性、機械的強度等を有しつつ、非晶性ポリアミド樹脂成形品の補強効果が高いことから、ガラス繊維として用いることが好ましい。
ガラス繊維は、従来公知のガラス長繊維の紡糸方法を用いて得ることができる。例えば、溶融炉でガラス原料を連続的にガラス化してフォアハースに導き、フォアハースの底部にブッシングを取り付けて紡糸するダイレクトメルト(DM)法、又は、溶融したガラスをマーブル、カレット、棒状に加工してから再溶融して紡糸する再溶融法等の各種の方法を用いてガラスを繊維化することができる。
ガラス繊維の径は特に限定されないが、5〜50μmのものが好ましく用いられる。5μmよりも細い場合には、ガラス繊維と樹脂との接触面積が増大して乱反射の原因となり、成形品の透明性が低下する場合がある。50μmよりも太い場合には、ガラス繊維の強度が弱くなり、結果として成形品の強度が低下する場合がある。更に好ましくは、10〜45μmである。
ガラスパウダーは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液を水中に投入して水砕したり、冷却ロールでシート状に成形して、そのシートを粉砕したりして、所望する粒径のパウダーにすることができる。ガラスパウダーの粒径は特に限定されないが、1〜100μmのものが好ましく用いられる。
ガラスフレークは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液をチューブ状に引き出し、ガラスの膜厚を一定にした後、ロールで粉砕することにより、特定の膜厚のフリットを得て、そのフリットを粉砕して所望するアスペクト比を有するフレークにすることができる。ガラスフレークの厚み及びアスペクト比は特に限定されないが、厚み0.1〜10μmでアスペクト比が5〜150のものが好ましく用いられる。
ミルドファイバーは、従来公知のミルドファイバーの製造方法を用いて得ることができる。例えば、ガラス繊維のストランドをハンマーミルやボールミルで粉砕することにより、ミルドファイバーにすることができる。ミルドファイバーの繊維径及びアスペクト比は特に限定されないが、繊維径は5〜50μm、アスペクト比は2〜150のものが好ましく用いられる。
ガラスビーズは、従来公知の製造方法で得られる。例えば、溶融炉でガラス原料を溶融し、この融液をバーナーで噴霧して、所望する粒径のガラスビーズにすることができる。ガラスビーズの粒径は特に限定されないが、5〜300μmのものが好ましく用いられる。
更に、本発明のガラスフィラーとして、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー及びガラスビーズから選ばれる2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そして、非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分と、ガラスフィラーとの親和性を増し、密着性を増大して空隙形成による成形品の透明性低下を抑制するために、ガラスフィラーを、カップリング剤を含む処理剤で表面処理してもよい。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤又はチタネート系カップリング剤等を使用することができる。特に、非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの接着性が良好である点からシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。上記シラン系カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤等を使用することができる。それらのシラン系カップリング剤の中でも、アミノシラン系カップリング剤を用いるのが最も好ましい。
また、処理剤に含まれるカップリング剤以外の成分としては、フィルムフォーマー、潤滑剤及び帯電防止剤等が挙げられ、これらを単独で用いても複数の成分を併用してもよい。前記フィルムフォーマーとしては、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを使用することができる。前記潤滑剤としては、脂肪族エステル系、脂肪族エーテル系、芳香族エステル系又は芳香族エーテル系の界面活性剤を使用することができる。前記帯電防止剤としては、塩化リチウムもしくはヨウ化カリウム等の無機塩又はアンモニウムクロライド型もしくはアンモニウムエトサルフェート型等の4級アンモニウム塩を使用できる。
本発明では、非晶性ポリアミド樹脂組成物の上記ガラスフィラーの含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、5〜20質量%である。ガラスフィラーの含有量が5質量%未満であると、得られる非晶性ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品の機械物性が不充分である傾向があり、40質量%を超えると、樹脂とガラスフィラーとの接触面積が増大して、得られる非晶性ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品の透明性が低下し、また、成形性が低下する傾向がある。非晶性ポリアミド樹脂組成物に含まれるガラスフィラーの量を上記の範囲にすることにより、高い機械物性と良好な透明性とを兼ね備えた成形品を得ることができ、この成形品は、高い機械物性を要求される用途において使用することができる。
(その他成分)
また、本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、更にカップリング剤を含有させてもよい。カップリング剤としては、前述のガラスフィラーの処理剤に含まれるカップリング剤と同様の、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤又はチタネート系カップリング剤を用いることができ、非晶性ポリアミド樹脂とガラスフィラーとの接着性が良好になるという点から、シランカップリング剤が好ましい。
また、本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、透明性等の特性を損なわない範囲で、その他周知の添加剤を含有させてもよい。例えば、酸化防止剤は、非晶性ポリアミド樹脂組成物の製造時や成形時の樹脂の分解、着色を抑制することができる。また、着色剤を用いることで、有色透明の成形品を得ることができる。
[非晶性ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物は、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、溶融混練法又は引抜き成形法等が好ましく用いられる。
溶融混練法は、溶融状態の樹脂とガラスフィラーと、任意の添加剤とを押出機で混練させる方法である。該溶融混練法には、2軸押出機で樹脂を溶融し、途中のフィード口よりガラスフィラーを投入する方法(サイドフィード法)と、2軸または単軸押出機で予めプリプレンドした樹脂とガラスフィラーと、任意の添加剤とを溶融混練させる方法(プレミックス法)がある。前記サイドフィード法において、任意の添加剤はその性状に合わせて、樹脂と予め混合してもよく、ガラスフィラーと予め混合してもよい。更に、空気酸化による分解、変色を抑制するために押出機開口部、材料投入口を窒素雰囲気にする方法を用いてもよい。
引抜き成形法は、ガラスフィラーの形状がガラス長繊維であって、得られる成形品により高い機械的強度を必要とする場合に好ましく用いられる。該引抜き成形法は、連続したガラス長繊維束を引きながら、該繊維束にマトリックスとなる樹脂を含浸するものであり、マトリックス樹脂の溶液を入れた含浸浴の中に繊維束を通して樹脂を含浸する方法、マトリックス樹脂の粉末を繊維束に吹きつけるか、粉末を入れた槽の中に繊維束を通し、繊維束にマトリックス樹脂粉末を付着させた後マトリックス樹脂を溶融し、繊維束中に含浸する方法、クロスヘッドの中を繊維束を通しながら押出機等からクロスヘッドにマトリックス樹脂を供給し、繊維束に含浸する方法等が挙げられ、好ましいのはクロスヘッドを用いる方法である。
[非晶性ポリアミド樹脂成形品]
本発明の非晶性ポリアミド樹脂成形品は、上記本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物を、従来公知の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形等により成形して得られる。また、成形時において、樹脂フィルムもしくは樹脂シートで内部の覆われた金型を用いて成形してもよい。
その際成形品の厚さは、任意の厚さでよいが、特に透明性が要求される成形品の場合には、0.1〜5mmに調整する必要があり、より好ましくは0.2〜2mmである。成形品の厚みが0.1mm未満であると、反りが生じやすく、また、機械的強度が弱く、また成形し難いものとものとなってしまう。また、5mmより大きいと、透明性が損なわれてしまう。
そして、成形品には、ハードコート膜、防曇膜、帯電防止膜、反射防止膜の被膜が形成されていることが好ましく、2種類以上の複合被膜としてもよい。
なかでも、耐候性が良好で、経時的な成形品表面の摩耗を防ぐことができることから、ハードコート膜の被膜が形成されていることが特に好ましい。ハードコート膜の材質は特に限定されず、アクリレート系ハードコート剤、シリコーン系ハードコート剤、無機系ハードコート剤等の公知の材料を用いることができる。
なお、非晶性ポリアミド樹脂組成物の製造条件、及び非晶性ポリアミド樹脂成形品の成形条件は、適宜選択可能であり、特に限定されないが、溶融混練時の加熱温度や射出成形時の樹脂の温度は、樹脂の分解を抑制することから、通常220℃〜300℃の範囲から適宜選ぶのが好ましい。
成形品の最表面に、ガラスフィラーの少なくとも一部分が存在することで、成形品の表面粗さが大きくなり、成形品表面での乱反射が多くなり、結果として成形品の透明性を悪化する場合がある。このため、成形品の表面粗さを小さくする方法として、成形品の最表面に樹脂の存在比率が高い層(スキン層)を形成させることにより、成形品の表面粗さを小さくする方法等がある。このスキン層を形成させる方法として、射出成形の場合には金型の温度を一般的な条件よりも高い温度(材料の荷重たわみ温度同等もしくはそれ以上)にすることで、金型に接する樹脂が流動し易くし、成形品の最表面の表面粗さを小さくすることができる。また、金型に射出されて溶融樹脂が急冷され流動を抑制されないよう、金型内面を樹脂コーティングしたり、あらかじめ金型に追従するように成形したシートを導入(フィルムインサート成形)したり、連続フィルムを金型面に配して成形(インモールとプレス成形)するなどの方法がある。前述の方法を用いて、成形品の表面粗さを小さくすることにより、成形品表面での乱反射が少なくなり、ヘイズが小さくなり、結果として成形品の透明性を改善することができる。
このようにして得られる、本発明の非晶性ポリアミド樹脂成形品は、平板に成形した際、可視光に対する平行光線透過率は65%以上、かつ、ヘイズは25%未満であることが必要である。平行光線透過率は70%以上が好ましい。また、ヘイズは15%以下が好ましい。前記光学物性を備えた非晶性ポリアミド樹脂成形品は透明性に優れたものであるので、高い透明性を要求される用途において使用することができる。なお、可視光に対する平行光線透過率はJIS−K7105に準じて測定し、ヘイズはJIS−K7136に準じて測定することができる。
そして、本発明の非晶性ポリアミド樹脂成形品は、透明性と共に、機械的物性や耐熱性の要求される部位に好適に利用することができる。例えば、1)光学レンズ、光学ミラー、プリズム、光拡散板等の光学材料や電子・電機部品の材料、2)注射用の液体薬品容器、バイアル、アンプル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、医薬品容器、医療用サンプル容器等の医療用具部品等が挙げられる。既に非晶性ポリアミド樹脂成形品が用いられている分野で、成形品のタップ強度やネジ締め付け強度を必要とする部品等に好適に用いることができる。更にまた、成形品の内部を識別する必要がある部位、例えば外板、ハウジング、開口部材等にも好適に利用することができる。具体的には、3)携帯電話、PDA、カメラ、スライドプロジェクター、時計、電卓、計測器、表示器機等の精密機械等のケース及びカバー類等の精密機器用部品、4)テレビ、ラジオカセット、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤ、DVDプレーヤー、電話器、ディスプレイ、コンピュータ、レジスター、複写機、プリンター、ファクシミリ等の各種部品、外板およびハウジングの各部品等の電気機器用部品、5)サンルーフ、ドアバイザー、リアウィンド、サイドウィンド等の自動車用部品、6)建築用ガラス、防音壁、カーポート、サンルーム及びグレーチング類等の建築用部品、7)照明カバーやブラインド、インテリア器具類等の家具用部品、8)等が挙げられ、これらに好適に用いることができる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の実施態様を具体的に説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[ガラス繊維の製造]
表1に示す組成(質量%)で、製造例1〜3のガラス繊維を製造した。
なお、ガラス繊維は、従来公知の方法により繊維径15μmで紡糸し、バインダーとしてアミノシラン+ウレタンを0.5質量%となるように付着させた。上記ガラス繊維の組成、波長589nmの光に対する屈折率(以下、nDとする)、波長486nmの光に対する屈折率(以下、nFとする)及び波長656nmの光に対する屈折率(以下、nCとする)を併せて表1に示す。ここで、ガラス繊維の屈折率はJIS−K7142のB法による浸液法によって測定した値である。
Figure 0005140315
[ガラス繊維強化非晶性ポリアミド樹脂成形品の製造]
ガラスフィラーとして製造例1のガラス繊維を用いて、以下の条件でコンパウンドを行い、実施例1、2のガラス繊維強化非晶性ポリアミド樹脂成形品を製造した。また、ガラスフィラーとして製造例3(Eガラス組成)のガラス繊維を用いて、実施例1、2と同様にして比較例1、2のガラス繊維強化非晶性ポリアミド樹脂成形品を製造した。
<使用した非晶性ポリアミド樹脂>
非晶性ポリアミド樹脂:グリルアミドTR90(エムスケミー、nD=1.509、nF=1.516、nC=1.506)
<コンパウンド条件>
・ガラス繊維:15μm径、3mm長のチョップトストランド、集束本数400本
・押し出し機:TEM−35B(東芝機械社製)
・押し出し温度:280℃
・ガラス含有率:10質量%、20質量%
<射出条件>
・成形機:IS−80G(東芝機械社製)
・シリンダー温度:280℃
・金型温度:130℃
上記の非晶性ポリアミド樹脂成形品の光学物性及び機械物性を表2にまとめて示す。ここで、光学物性である平行光線透過率は、日本電色株式会社製NDHセンサーを用い、JIS−K7105に準じて厚さ2mmのサンプルを測定した値であり、ヘイズ値は日本電色株式会社製NDHセンサーを用い、JIS−K7136に準じて厚さ2mmのサンプルを測定した値である。機械物性には、厚さ3mmのサンプルを用いて、曲げ強度及び曲げ弾性はASTMD−790に準じて測定し、引張強度はASTM D−638に準じて測定し、耐熱強度の指標である荷重たわみ温度(以下DTULとする)は、ASTM−D648に準じて測定した。
このとき、実施例1、2における製造例1のガラス繊維と非晶性ポリアミド樹脂との屈折率差は、波長589nmの光,波長486nmの光,波長656nmの光に対して、それぞれ0.002以下であった。
一方、比較例1、2における製造例3のガラス繊維と非晶性ポリアミド樹脂との屈折率差は、波長589nm,波長486nm,波長656nmの光に対して、それぞれ0.047であった。
Figure 0005140315
上記表2の結果より、実施例1、2と、比較例1、2とを比較すると、実施例の成形品は比較例の成形品と同程度の機械物性を有し、ヘイズは比較例に比べて低く、平行光線透過率は比較例に比べて高く、透明性が向上した。
本発明の非晶性ポリアミド樹脂組成物、及びそれを用いた非晶性ポリアミド樹脂成形品は、透明性及び強度の両方の物性が要求される成形品に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 非対称性の化学構造を有する原料モノマーを用いて得られる透明性を有する非晶性ポリアミド樹脂を含む樹脂成分と、ガラスフィラーとを含有する非晶性ポリアミド樹脂組成物において、
    前記ガラスフィラーは、酸化物基準の質量%表示で、酸化ケイ素(SiO)68〜74%、酸化アルミニウム(Al)2〜5%、酸化ホウ素(B)2〜5%、酸化カルシウム(CaO)2〜10%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5%、酸化ストロンチウム(SrO)0〜5%、酸化バリウム(BaO)0〜1%、酸化マグネシウム(MgO)1〜5%、酸化リチウム(LiO)0〜5%、酸化ナトリウム(NaO)5〜12%、酸化カリウム(KO)0〜10%を含有し、かつ、酸化リチウム(LiO)と酸化ナトリウム(NaO)と酸化カリウム(KO)との合計量が8〜12%であり、酸化チタン(TiO )の含有量が0.1%未満となる組成であることを特徴とする非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ガラスフィラーと前記樹脂成分との屈折率の差が、波長589nmの光に対して0.002以下であり、波長486nmの光に対して0.002以下であり、波長656nmの光に対して0.002以下であり、
    該組成物を2mm厚さの平板状に成形した際の平行光線透過率が65%以上、かつヘイズが25%未満である請求項1に記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記ガラスフィラーは、酸化カルシウム(CaO)と酸化マグネシウム(MgO)との合計含有量が、酸化物基準の質量%表示で〜15%となる組成である請求項1又は2に記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記ガラスフィラーは、酸化ケイ素(SiO)と酸化アルミニウム(Al)との合計含有量が、酸化物基準の質量%表示で70〜79%となる組成である請求項1〜3のいずれか一つに記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  5. 非晶性ポリアミド樹脂組成物中における前記ガラスフィラーの含有率が5〜40質量%である請求項1〜のいずれか一つに記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記ガラスフィラーが、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー及びガラスビーズから選択された1種以上である請求項1〜のいずれか一つに記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の非晶性ポリアミド樹脂組成物を成形して得られた非晶性ポリアミド樹脂成形品。
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