JP5528929B2 - 測定方法、太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの評価方法 - Google Patents
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Description
たとえば、特許文献1には、太陽光線が入射する受光面側(表側)に設けられた前面カバー部材と、受光面とは反対側(裏側)に設けられた裏面カバー部材と、前面カバー部材と裏面カバー部材との間に配置された太陽電池セルとを備える太陽電池モジュールが開示されている。太陽電池セルは、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)などの充填材、すなわち封止樹脂で封止されている。
太陽電池セルは、太陽電池モジュール中の水分、特に、封止樹脂中の水分の影響で、太陽電池セルの電極が劣化したり、太陽電池モジュールの発電効率が低下したりする可能性がある。
そのため、太陽電池モジュールの耐久性を高めるためには、太陽電池モジュール中の水分量を測定する必要がある。
ここで、従来、太陽電池封止膜の水の拡散定数から、水分量(たとえば、水分量の経時変化)を推測する方法があるが、この方法はあくまでも拡散定数を用いて計算により水分量(たとえば、水分量の経時変化)を推測するだけである。実際に太陽電池モジュールの水分を測定して、水分量を把握する方法は存在しなかった。
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を把握する第二工程とを含む測定方法であって、前記フィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン系重合体を含む、測定方法が提供される。
ここで、積層体中の水分量を把握するとは、積層体中に含まれる水分量の絶対値を把握することに限られず、積層体中の水分量が基準値よりも多いか少ないかを把握すること、すなわち、水分量の相対的な値を把握する等も含まれる。
従って、本発明では、積層体の水分量を計測することができ、積層体の水分量を正確に把握することができる。
また、本発明では、フィルムと基板との積層体に対し、赤外線を照射して、積層体中の水分量を把握できるので、様々な雰囲気下での積層体の水分量を把握することも可能となる。
表面側透明保護部材と、前記測定方法を実施する工程にて使用したフィルムと同種のフィルムである太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、を実施する太陽電池モジュールの製造方法も提供できる。
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、
上述した測定方法を実施して、一体化された前記積層体中の水分量を得る工程と、を含む太陽電池モジュールの製造方法も提供できる。
裏面保護部材と、太陽電池セルと、太陽電池封止膜と、表面保護部材と、を含み、
前記裏面保護部材と前記表面保護部材との間に前記太陽電池セルおよび太陽電池封止膜が設けられており、かつ前記太陽電池セルを封止するように前記太陽電池封止膜が設けられている、積層体を備え、
積層方向に沿って赤外線を照射したとき、5200〜5350cm−1の範囲の前記赤外線が前記積層体を透過する部分が設けられている、太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池封止膜はエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン系重合体から形成される、太陽電池モジュールも提供できる。
前記赤外線が前記積層体を透過する上記部分に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を得る第二工程と、
前記水分量が所定の範囲内であるか否かを判断する第三工程と、を含む、太陽電池モジュールの評価方法も提供できる。
(第一実施形態)
図1を参照して、本発明の第一実施形態における測定方法について説明する。
はじめに、本実施形態の測定方法の概要について説明する。
本実施形態の測定方法は、フィルム11と基板12,13との積層体1に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、積層体1の透過赤外線吸収スペクトルを測定する工程(第一工程)と、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、積層体1中の水分量を把握する工程(第二工程)とを含む測定方法である。
まず、はじめに、図1に示す積層体1を用意する(図2の処理S1)。
この積層体1は、フィルム11を、一対の基板12,13で挟んで構成されるものである。
基板13は、透明であればよく、太陽電池モジュールにおいて一般的に使用される表面側透明保護部材であることが好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、環状オレフィン(共)重合体などからなる樹脂フィルムの他、ガラスなどが挙げられる。
樹脂フィルムとして好適なものは、耐侯性などの点で優れたフッ素系樹脂である。具体的には、四フッ化エチレン・エチレン・共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン・樹脂(TFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン・樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン・エチレン・共重合体が優れている。
ガラスとしては、酸化珪素ガラスが好ましい。
基板12も、透明であればよく、基板13と同様の材質で構成できる。
基材12,13は、いずれも、5200〜5350cm−1の赤外線の透過率が95%以上であることが好ましい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、好ましくはランダム共重合体である。エチレン・酢酸ビニル共重合体における、酢酸ビニル由来の構成単位の含有量は、25〜38重量%が好ましく、30〜36重量%がさらに好ましい。ただし、エチレン由来の構成単位の含有量と酢酸ビニル由来の構成単位の含有量の合計を100重量%とする。
このような有機過酸化物の例には、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエートおよびベンゾイルパーオキサイドなどが含まれる。
架橋剤の含有量は、エチレン・酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、0.1〜3.0重量部であることが好ましく、0.2〜2.0重量部であることがより好ましい。
さらにフィルム11は、必要に応じて、さらに接着性付与剤や架橋助剤等の各種添加剤を含んでもよい。
接着性付与剤は、接着性を向上させうる。接着性付与剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。シランカップリング剤の例には、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが含まれる。これらのシランカップリング剤の含有量は、エチレン・酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、通常0.1〜3.0重量部であることが好ましく、0.2〜1.5重量部であることがより好ましい。
さらに、エチレンと環状オレフィンとの共重合体も挙げることができる。ここで、環状オレフィンとしては、ノルボルネン誘導体、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体、炭素数3〜20のシクロアルキレン誘導体などが挙げられる。この中では、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体およびヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン誘導体が好ましく、特にテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
これらのα−オレフィンおよび環状オレフィンは、1種単独で用いても良く、αオレフィンと環状オレフィンの2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのα−オレフィンおよび環状オレフィンは、エチレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。
なお、水分量の測定精度の観点からは、フィルム11としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするフィルム11が好ましい。
また、フィルム11の厚さとしては、10μm以上、好ましくは100μm以上である。10μm以上とすることで、フィルム中の水分量を正確に把握することができる。また、フィルム11の厚みは、厚み方向の架橋反応の均一性の観点から900μm以下であることが好ましい。
ここでは、図3に示すような測定装置2を使用することができる。
この測定装置2は、積層体1を保持する保持手段21と、積層体1に対して、赤外線を照射する赤外線照射手段22と、分光光度計23と、検出手段24と、記憶部25とを備える。
赤外線は、積層体1を構成する各層の積層方向に沿って、積層体1に照射され、積層体1の基板13側から積層体1に入射し、積層体1を透過する。
その後、検出手段24により、分光光度計23により得られた透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を検出する。たとえば、図10〜12に示すように、5200〜5350cm−1の測定範囲にピークが検出されるため、このピーク強度を検出する(図2の処理S4)。
その後、記憶部25により、検出手段24にて検出したピーク強度を記憶する。
さらに、処理S2〜S4を所定回数実施していない場合には(図2の処理S5のNo)、再度、積層体1を所定の温度および湿度の環境下(たとえば、温度85℃、湿度85%RH)におき、所定時間経過した後(図2の処理S6)、再度、処理S2〜処理S4を繰り返し行う。
このような一連の操作を所定の回数まで繰り返し、所定回数繰り返した場合には、一連の操作の繰り返しを終了する(図2の処理S5のYes)。
このような一連の操作を所定の回数繰り返すことで、記憶部25には、一定の温度および湿度下(たとえば、温度85℃、湿度85%RH)における積層体1における水分量の経時変化(換言すると、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度の経時変化)が記憶されることとなり、検出手段24により、一定の温度および湿度下における積層体1における水分量の相対的な変化、すなわち、水分量の経時変化を把握することができる(図2の処理S7)。
そして、前述した処理S2〜S7を実施し、一定の温度および湿度下における他の積層体1の水分量の経時変化を把握する。
これにより、異なるフィルム11を使用した積層体1における水分量の経時変化を把握することができる。
また、基板12,13が水分を吸収しやすいものであったとしても、各積層体1の水分量の経時変化を計測する測定条件を同じ条件とすれば、各フィルム11の水分量の経時変化を把握することが可能である。
具体的には、太陽電池モジュールにおいては、フィルム11に吸収された水分により、電極が腐蝕する可能性がある。また、フィルム11が水分を吸収することにより、フィルム11の導電性能が上がってしまい、太陽電池セルからのリーク電流が発生してしまう可能性もある。そのため、フィルム11としては、長時間にわたって水分を吸収しにくいフィルム11がよい。従って、このような特性を有するフィルム11を選択する。
まず、はじめに、裏面側保護部材31上に、フィルム11を積層し、さらに、フィルム11上に太陽電池セル32を設置する。その後、太陽電池セル32上にフィルム11を設置し、フィルム11上に表面側透明保護部材33を積層する。このようにして得られた積層体を、加熱加圧して、圧着する。たとえば、真空ラミネーターを使用し、脱気しながら、加熱し、さらに積層体をプレスする。この加熱加圧時に、フィルム11が架橋して、耐候性に優れた封止膜を形成することができる。
これにより、太陽電池モジュール3を得ることができる。
太陽電池セル32は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、例えば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶系シリコン太陽電池が好ましい。
本実施形態では、フィルム11と基板12,13との積層体1に対し、赤外線を照射し、透過赤外線吸収スペクトルを取得している。そして、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度から水分量を把握している。透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度が大きければ、積層体1中に存在する水分量が多いと判断することができ、また、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度が小さければ、積層体1中に存在する水分量が少ないと判断することができる。
そして、本実施形態では、赤外線を照射し、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を検出するという工程を繰り返すことで、積層体1の水分量の経時変化、すなわち、水分量1の相対的な変化を測定することができる。
なお、積層体1の水分量の変化を把握したい場合において、フィルム11の水の拡散定数から、積層体1の水分量の変化を把握することも考えられる。しかしながら、この方法では、一定の湿度下、一定の温度下での積層体1の水分量の経時変化を計算により推測できるものの、温度や、湿度を大きく変動させた場合には、推測が難しくなる。
次に、図6〜8を参照して、第二実施形態について説明する。
前記実施形態では、フィルム11の異なる複数の積層体1の水分量の経時変化を測定し、水分量の経時変化から太陽電池モジュール3に最適なフィルム11を選択し、選択したフィルムを太陽電池モジュール3に組み込んだ。
これに対し、本実施形態では、太陽電池モジュールを作成した後、太陽電池モジュール中の水分量の変化を測定し、太陽電池モジュールの評価を実施する。
まず、はじめに、図6に示すような太陽電池モジュール4を用意する(図8の処理S11)。
裏面側保護部材31上に、フィルム41を積層し、さらに、フィルム41上に太陽電池セル32を設置する。その後、太陽電池セル32上にフィルム41を設置し、フィルム41上に表面側透明保護部材33を積層する。このようにして得られた積層体を、加熱加圧して、圧着する。たとえば、真空ラミネーターを使用し、脱気しながら、加熱し、さらに積層体をプレスする。この加熱加圧時に、フィルム41が架橋して、耐候性に優れた封止膜を形成することができる。
ここで、フィルム41は、前記実施形態のフィルム11と同様のものを使用することができる。
また、裏面側保護部材31は、透明であればよく、表面側透明保護部材33と同様のものを使用できる。
あらかじめ、温度調整手段26、湿度調整手段27により、赤外線を照射する雰囲気(太陽電池モジュール4の周囲の雰囲気)の温度および湿度を調整する(図8の処理S12)。前記温度および湿度は太陽電池モジュールの使用環境に応じた温度(たとえば、−10℃〜100℃の範囲)および湿度(5%RH〜90%RHの範囲)とする。次に、所定の温度および湿度下で、太陽電池モジュール4に対して赤外線を照射する(図8の処理S13)。照射する赤外線は、5200〜5350cm−1の範囲を含む赤外線である。
次に、分光光度計(たとえば、フーリエ変換分光光度計)23により、太陽電池モジュール4を透過した光を検出して、透過赤外線吸収スペクトルを算出する(図8の処理S14)。
その後、検出手段24により、分光光度計23により得られた透過赤外線吸収スペクトルのうち、5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を検出する(図8の処理S15)。
その後、記憶部25により、検出手段24にて検出したピーク強度を記憶する。
このような一連の操作を所定の回数まで繰り返し(図8の処理S16)、所定回数繰り返した場合には、一連の操作の繰り返しを終了する。
このような一連の操作を所定の回数繰り返すことで、記憶部25には、様々な温度下、湿度下での太陽電池モジュール4の水分量の変化が記憶される(図8の処理S17)。
一方で、太陽電池モジュール4の水分量の変化が所望の変化ではなかった場合、太陽電池モジュール4を不良と判断する。
たとえば、前記各実施形態では、測定装置2や、測定装置5を使用したが、測定装置2や測定装置5に、多色光照射手段を設けてもよい。たとえば、積層体1や、太陽電池モジュール4に対して、赤外線を照射する際に、多色光照射手段により、400nm以上、1100nm以下の範囲内の光であり、異なる複数の波長の光から構成される多色光を照射してもよい。このようにすることで、太陽光に類似した光を積層体1や太陽電池モジュール4に照射することができる。
たとえば、多色光照射手段から、400nmから1100nmの範囲内で異なる複数の波長の光から構成される模擬太陽光、たとえば、JIS C8912の等級Bに対応した模擬太陽光(400nm以上500nm未満 18.5%、500nm以上600nm未満 20.1%、600nm以上700nm未満 18.3%、700nm以上800nm未満 14.8%、800nm以上900nm未満 12.2%、900nm以上、1100nm以下 16.1%)を積層体1や太陽電池モジュール4に照射してもよい。
たとえば、太陽電池モジュール4を製造した後、太陽電池モジュール4に赤外線を照射し、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を測定する。そして、この吸収ピーク強度が所定の数値範囲内にあるか、すなわち、太陽電池モジュール中の水分量が所定の範囲内であるかどうかを判断し、製造した太陽電池モジュールの評価を行っても良い。
また、第一実施形態では、積層体1は、基板12,13と、フィルム11とを積層したものであったが、基板12,13のうち、いずれか一方の基板に対し、フィルム11を積層したものとしてもよい。
第三実施形態では、本実施形態の測定方法を、非破壊で使用できる太陽電池モジュール100について説明する。
図20は、第三実施形態の太陽電池モジュール100を示す断面図である。図21は、第三実施形態の太陽電池モジュール100のバックシート112の変形例を示す上面図である。
この太陽電池モジュール100は、積層方向に沿って赤外線を照射したとき、5200〜5350cm−1の範囲の赤外線が積層体110を透過する部分(窓116)を有する。
本実施の形態に係る窓116においては、表面保護部材102および裏面保護部材108は、5200〜5350cm−1の範囲の赤外線を透過する材料で構成されている。表面保護部材102および裏面保護部材108は、例えば、ガラス基板であることが好ましい。
第三実施形態の太陽電池モジュールの評価方法は、赤外線が積層体110を透過する部分(窓116)に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、積層体110の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、積層体110中の水分量を得る第二工程と、水分量が所定の範囲内であるか否かを判断する第三工程と、を含む。太陽電池モジュール100の水分量が所定の範囲内ではなかった場合、太陽電池モジュール100を劣化していると判断する。
(実施例1)
積層体1を用意した。
基板12,13としては、縦75mm×横120mm、厚み3.18mmのガラス板を使用した。
フィルム11としては、EVAフィルム(三井化学ファブロ株式会社製、商品名SC52B 厚み400μm)を使用した。
次に、第一実施形態と同様に、測定装置2を使用して、各積層体1に対して、赤外線を照射し、透過赤外線吸収スペクトルを得た。
測定装置2としては、具体的には、FTS−600(Bio−Rad製 FT−IR)を使用した。
測定範囲:6000cm-1〜2300cm-1
測定法 :透過法
分解能 :4cm-1
積算 :64回
得られた透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を検出した。
次に、このような積層体1を加速劣化試験装置内に配置し、85℃湿度85%RHの環境下におき、この環境下においた状態で20時間後、2.5日後、8.5日後の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を計測した。測定条件は、前述した通りである。ただし、測定を行う際には、積層体1の表面に付着した水滴を拭き、23℃、湿度60%RHで測定を行っている。測定は、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから、5時間以内に行っている。なお、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから5時間以内であれば、積層体1中の水分量に変化がないことは確認されている。
図10には、領域Aにおける透過赤外線吸収スペクトルの変化を示す。図11には、領域Bにおける透過赤外線吸収スペクトルの変化を示す。図12には、領域Cにおける透過赤外線吸収スペクトルの変化を示す。
図10〜図12の初期とは、85℃湿度85%RHの環境下におく前の積層体1の透過赤外線吸収スペクトルである。20時間後とは積層体1を85℃湿度85%RHの環境下におき20時間経過した際の積層体1の透過赤外線吸収スペクトルである。2.5日後とは積層体1を85℃湿度85%の環境下におき2.5日経過した際の積層体1の透過赤外線吸収スペクトルである。8.5日後とは積層体1を85℃湿度85%RHの環境下におき8.5日経過した際の積層体1の透過赤外線吸収スペクトルである。
なお、図13には、積層体1の領域Aにおけるフィルム11の拡散定数から算出される吸水度の経時変化を線で示す。これにより、拡散定数から算出される吸水度の経時変化と、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度の経時変化とが一致していることがわかる。
従って、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度が、水分量を示していることが理解できる。
ここでは、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を吸水度に換算して記載している。
具体的には、積層体1を加熱加湿(85℃湿度85%RH)環境下に置く前の初期の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度が吸水度0となるようにし、これを基準として、加熱加湿環境下(85℃湿度85%RH)での所定時間経過後の吸水度を算出した。
測定条件は、前述した通りである。測定を行う際には、積層体1の表面に付着した水滴を拭き、23℃、湿度60%RHで測定を行っている。測定は、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから、5時間以内に行っている。
図14および表1に積層体1の領域A〜Cにおける測定結果を示す。ここでは、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を吸水度に換算して記載している。
具体的には、積層体1を加熱加湿(85℃湿度85%RH)環境下に置く前の初期の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度が吸水度0となるようにし、これを基準として、加熱加湿環境下(85℃湿度85%RH)での所定時間経過後の吸水度を算出した。
図14から、各領域A〜Cで207時間程度でフィルム11の水分量が飽和状態となることがわかる。
実施例2では、フィルム11の材料を実施例1とは異なるものとした。他の点は、実施例1と同様である。
フィルム11は、以下のようにして製造した。
[固体触媒成分の調製]
特開平9−328520記載の方法にて、メタロセン化合物であるジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを含有する固体触媒成分の調整を行った。1g当りのジルコニウム含有量は2.3mgであった。
[予備重合触媒の調製]
同様に特開平9−328520記載の方法にて、上記で得られた固体触媒4gを用いて1−ヘキセンとエチレンからなる予備重合触媒を得た。固体触媒1g当りのジルコニウム含有量は2.2mgであり、3gのポリエチレンを予備重合された予備重合触媒を得た。
[製造例1]
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブに、脱水精製したヘキサンを800ミリリットル装入し、系内をエチレンと水素の混合ガス(水素含量;0.7モル%)で置換した。
次いで系内を60℃とし、トリイソブチルアルミニウム1.5ミリモル、1−ヘキセン200ml、および上記のように調製した予備重合触媒を、ジルコニウム原子換算で0.015mg原子を添加した。
その後、上記と同様の組成を有するエチレンと水素の混合ガスを導入し、全圧3MPaGとして重合を開始した。その後、混合ガスのみを補給し、全圧を3MPaGに保ち、70℃で1.5時間重合を行った。
重合終了後、ポリマーを濾過し、80℃で1晩乾燥し、エチレン系重合体(A)1を101g得た。
上記重合を繰り返し得られたエチレン系重合体(A)1を、サーモ・プラスチック(株)社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にて、ダイス温度=190℃条件下で、エチレン系重合体(A)1のペレットであるエチレン系重合体(A)1'を得た。
[製造例2]
エチレンと水素の混合ガスの水素含量を0.5モル%、ヘキサンの量を870ミリリットル、1−ヘキセンの量を230ミリリットルに代えた以外は、重合例1と同様に行った。このようにして得られたエチレン系重合体(A)3は130gであった。さらに、重合例1と同様の重合を繰り返した後、単軸押出機にて、エチレン系重合体(A)3'を得た。
[フィルム11の製造]
エチレン系重合体(A)1' 90重量部と、エチレン系重合体A3 10重量部との混合物に、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを0.05重量部、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノンを0.4重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.1重量部、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部を添加し、さらにドライブレンドし、エチレン系重合体のブレンド物を得た。
次いで、得られたエチレン系重合体のブレンド物より、サーモ・プラスチック(株)社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=210℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い、エチレン性不飽和シラン化合物(B)1で変性した変性体を含有するエチレン系樹脂組成物からなる厚み400μmのフィルム11を得た。
このようにして得られたフィルム11を使用して実施例1と同様の積層体1を作製した。
その後、実施例1と同様に、積層体1を85℃湿度85%の環境下におき、85℃湿度85%RHの環境下で所定時間経過後(18時間、35時間、76時間、141時間、207時間、296時間)の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を計測した。測定条件は、前述した通りである。測定を行う際には、積層体1の表面に付着した水滴を拭き、23℃、湿度60%RHで測定を行っている。測定は、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから、5時間以内に行っている。
図15に積層体1の領域A〜Cにおける測定結果を示す。なお、図15では、各領域A〜Cにおける測定結果が重なっている。また、ここでは、実施例1と同様に透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を吸水度に換算して記載している。
実施例3では、フィルム11の材料を実施例1とは異なるものとした。他の点は、実施例1と同様である。
フィルム11は、以下のようにして製造した。
[製造例3]
製造例2で得られたエチレン系重合体(A)3を50重量部、エチレン系重合体(A)3'を50重量部に、無水マレイン酸(和光純薬社製)を1.3重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを0.1重量部をドライブレンドした。その後、サーモ・プラスチック(株)社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にて、ダイス温度=230℃条件下で、エチレン系重合体(A)の変性体4を得た。
[フィルム11の製造]
製造例2で得られたエチレン系重合体(A)3を80重量部、製造例3で得られたエチレン系重合体(A)の変性体4を20重量部を予めドライブレンドし、そのブレンド物にγーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを0.05重量部、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノンを0.4重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.1重量部、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部を添加し、ドライブレンドし、エチレン系重合体のブレンド物を得た。
次いで、得られたエチレン系重合体のブレンド物より、サーモ・プラスチック(株)社製単軸押出機(スクリュー径20mmφ・L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状;270×0.8mm)を装着してダイス温度=210℃条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで成形を行い、エチレン性不飽和シラン化合物(B)1で変性した変性体を含有するエチレン系樹脂組成物からなる厚み400μmのフィルム11を得た。
このようにして得られたフィルム11を使用して実施例1と同様の積層体1を作製した。
その後、積層体1を加速劣化試験装置内に設置して、110℃、1.5気圧、飽和水蒸気下におき、この状態で所定時間経過後(168時間)の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を計測した。測定条件は、前述した通りである。測定を行う際には、積層体1の表面に付着した水滴を拭き、23℃、湿度60%RHで測定を行っている。測定は、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから、5時間以内に行っている。
図16に積層体1の領域A〜Cにおける測定結果を示す。ここでは、実施例1と同様に透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を吸水度に換算して記載している。
図16中、△は領域Aにおける吸水度であり、○は、領域B,Cにおける吸水度を示す。
実施例4では、フィルム11の材料を実施例1とは異なるものとした。他の点は、実施例1と同様である。
フィルム11は、以下のようにして製造した。
[製造例4]
攪拌羽根を備えた実質内容積1Lの満液のステンレス製重合器(攪拌回転数=500rpm)を用いて、重合温度105℃で、連続的にエチレンと1−ブテンとの共重合を行った。重合器側部より液相へ毎時、ヘキサンを1.60L、エチレンを56g、1−ブテンを170gの速度で、また水素を0.3NL、[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドを0.0004mmol、トリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートを0.004mmol、トリイソブチルアルミニウムを0.2mmolの速度で連続的に供給し、重合圧力3.8MPaGになるように保持し共重合反応を行った。なお、連続的に得られたエチレン/1−ブテン共重合体のヘキサン溶液をホールドドラムに貯め、そこに触媒失活剤として、毎時、メタノールを0.2mlで添加し重合を停止した。
得られたエチレン/1−ブテン共重合体のヘキサン溶液を、1時間毎に抜き出し2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、10時間乾燥しエチレン/1−ブテン共重合体を得た。収量が毎時46.5gであった。
得られたエチレン/1−ブテン共重合体は、密度が860kg/m3、MFR2が3.8g/10分であった。
[フィルム11の製造]
エチレン系重合体(A)1'を70重量部、エチレン系重合体(A)3を10重量部、上述した製造例4で得られたエチレン・αオレフィン共重合体を10重量部、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランをビニルトリメトキシシラン3.0重量部に代えた以外は実施例2と同様にして、フィルム11を得た。フィルム11の厚みは400μmある。
このようにして得られたフィルム11を使用して実施例1と同様の積層体1を作製した。
その後、実施例3と同様に、積層体1を加速劣化試験装置内に設置して、110℃、1.5気圧、飽和水蒸気下におき、この状態で所定時間経過後(168時間)の透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を計測した。測定条件は、前述した通りである。測定を行う際には、積層体1の表面に付着した水滴を拭き、23℃、湿度60%RHで測定を行っている。測定は、加速劣化試験装置から積層体1を取り出してから、5時間以内に行っている。
図17に積層体1の領域A〜Cにおける測定結果を示す。ここでは、実施例1と同様に、透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を吸水度に換算して記載している。
図17中、△は領域Aにおける吸水度であり、○は、領域B,Cにおける吸水度を示す。
実施例1と同様にして積層体1を製造し、実施例1と同様に、積層体1を85℃湿度85%の環境下において所定時間経過した後の透過赤外線吸収スペクトルの3545cm−1における吸収ピーク強度を検出した。
表2および図19、表3および図18に結果を示す。吸水度の算出方法は実施例1と同じである。
なお、図18、図19では、ベースラインの位置を異なるものとしている。
また、3545cm−1における吸収ピーク強度から算出される吸水度は、拡散定数から算出される吸水度と一致していないことも確認できた。
以下、本発明の参考形態の例を付記する。
<1>
フィルムと基板との積層体に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm −1 の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を得る第二工程とを含む測定方法。
<2>
<1>に記載の測定方法において、
前記基板は、ガラス基板である測定方法。
<3>
<1>または<2>に記載の測定方法において、
前記第一工程では、
前記積層体の周囲の雰囲気の温度および湿度を調整した後、所定の温度および湿度下で、前記赤外線を照射する測定方法。
<4>
<1>乃至<3>のいずれかに記載の測定方法において、
前記第一工程と、前記第二工程とをこの順で複数回繰り返し、
前記積層体中の水分量の経時変化を測定する測定方法。
<5>
<1>乃至<4>のいずれかに記載の測定方法において、
前記積層体は、太陽電池モジュールである測定方法。
<6>
<1>乃至<4>のいずれかに記載の測定方法を実施する工程と、
表面側透明保護部材と、前記測定方法を実施する工程にて使用したフィルムと同種のフィルムである太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程とを実施する太陽電池モジュールの製造方法。
<7>
<6>に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
<1>乃至<4>のいずれかに記載の測定方法を実施する前記工程において、
前記フィルムの種類が異なる複数の前記積層体を用意し、
各積層体における水分量を把握し、
その後、所定の前記水分量の積層体を選択する工程と、
選択した積層体に使用された前記フィルムと同種のフィルムを太陽電池封止膜として用意する工程と、
前記表面側透明保護部材と、前記用意した前記太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、を実施する太陽電池モジュールの製造方法。
<8>
表面側透明保護部材と、フィルムである太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、
<1>乃至<4>のいずれかに記載の測定方法を実施して、一体化された前記積層体中の水分量を得る工程と、を含む太陽電池モジュールの製造方法。
<9>
フィルムと基板との積層体を保持する保持手段と、
前記積層体に対して、5200〜5350cm −1 の範囲を含む赤外線を照射する赤外線照射手段と、
前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを検出する分光光度計と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm −1 の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を検出する検出手段とを備える測定装置。
<10>
<9>に記載の測定装置において、
前記積層体に対して、400nm以上、1100nm以下の範囲内で異なる波長の光から構成される多色光を照射する照射手段を備える測定装置。
<11>
<9>または<10>に記載の測定装置において、
前記積層体の周囲の雰囲気の温度および湿度を調整する調整手段を備える測定装置。
<12>
裏面保護部材と、太陽電池セルと、太陽電池封止膜と、表面保護部材と、を含み、
前記裏面保護部材と前記表面保護部材との間に前記太陽電池セルおよび太陽電池封止膜が設けられており、かつ前記太陽電池セルを封止するように前記太陽電池封止膜が設けられている、積層体を備え、
積層方向に沿って赤外線を照射したとき、5200〜5350cm −1 の範囲の前記赤外線が前記積層体を透過する部分が設けられている、太陽電池モジュール。
<13>
<12>に記載の前記赤外線が前記積層体を透過する前記部分に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm −1 の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を得る第二工程と、
前記水分量が所定の範囲内であるか否かを判断する第三工程と、を含む、太陽電池モジュールの評価方法。
2 測定装置
3 太陽電池モジュール
4 太陽電池モジュール
5 測定装置
10 半減期
11 フィルム
12 基板
13 基板
21 保持手段
22 赤外線照射手段
23 分光光度計
24 検出手段
25 記憶部
26 温度調整手段
27 湿度調整手段
31 裏面側保護部材
32 太陽電池セル
33 表面側透明保護部材
41 フィルム
A 領域
B 領域
C 領域
100 太陽電池モジュール
102 表面保護部材
104 太陽電池セル
106 太陽電池封止膜
108 裏面保護部材
110 積層体
112 バックシート
116 窓
Claims (10)
- フィルムと基板との積層体に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を得る第二工程とを含む測定方法であって、
前記フィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン系重合体を含む、測定方法。 - 請求項1に記載の測定方法において、
前記基板は、ガラス基板である測定方法。 - 請求項1または2に記載の測定方法において、
前記第一工程では、
前記積層体の周囲の雰囲気の温度および湿度を調整した後、所定の温度および湿度下で、前記赤外線を照射する測定方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測定方法において、
前記第一工程と、前記第二工程とをこの順で複数回繰り返し、
前記積層体中の水分量の経時変化を測定する測定方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定方法において、
前記積層体は、太陽電池モジュールである測定方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定方法を実施する工程と、
表面側透明保護部材と、前記測定方法を実施する工程にて使用したフィルムと同種のフィルムである太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程とを実施する太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項6に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定方法を実施する前記工程において、
前記フィルムの種類が異なる複数の前記積層体を用意し、
各積層体における水分量を把握し、
その後、所定の前記水分量の積層体を選択する工程と、
選択した積層体に使用された前記フィルムと同種のフィルムを太陽電池封止膜として用意する工程と、
前記表面側透明保護部材と、用意した前記太陽電池封止膜と、前記太陽電池セルと、前記裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、を実施する太陽電池モジュールの製造方法。 - 表面側透明保護部材と、フィルムである太陽電池封止膜と、太陽電池セルと、裏面側保護部材とを積層して積層体を構成する工程と、
前記積層体を加熱および加圧して、一体化する工程と、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定方法を実施して、一体化された前記積層体中の水分量を得る工程と、を含む太陽電池モジュールの製造方法。 - 裏面保護部材と、太陽電池セルと、太陽電池封止膜と、表面保護部材と、を含み、
前記裏面保護部材と前記表面保護部材との間に前記太陽電池セルおよび太陽電池封止膜が設けられており、かつ前記太陽電池セルを封止するように前記太陽電池封止膜が設けられている、積層体を備え、
積層方向に沿って赤外線を照射したとき、5200〜5350cm−1の範囲の前記赤外線が前記積層体を透過する部分が設けられている、太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池封止膜はエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン系重合体から形成される、太陽電池モジュール。 - 請求項9に記載の前記赤外線が前記積層体を透過する前記部分に対し、積層方向に沿って赤外線を照射し、前記積層体の透過赤外線吸収スペクトルを測定する第一工程と、
前記透過赤外線吸収スペクトルの5200〜5350cm−1の範囲における吸収ピーク強度を求め、この吸収ピーク強度から、前記積層体中の水分量を得る第二工程と、
前記水分量が所定の範囲内であるか否かを判断する第三工程と、を含む、太陽電池モジュールの評価方法。
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