JP5324715B1 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
防食性および耐候性の両方が優れた複層塗膜を、被塗物に好適に設けることができる方法を提供すること。
【解決手段】
被塗物上に、下塗り塗料組成物を塗装して、未乾燥の下塗り塗膜を形成する、下塗り塗膜形成工程、得られた未乾燥の下塗り塗膜の上に、上塗り塗料組成物を、ウェットオンウェットで塗装し、未乾燥の上塗り塗膜を形成する、上塗り塗膜形成工程、および得られた未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する、乾燥工程、を包含する、複層塗膜形成方法において、下塗り塗膜と上塗り塗膜の表面張力の差およびラメラ長を限定した複層塗膜形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物をウェットオンウェットで塗装することができる複層塗膜形成方法に関する。
産業機械および建設機械などは、一般に大型であり、そして強い荷重に耐えうるため、自動車車体などと比較して構成基材(鋼板)の厚みがあるという特徴がある。そのため、このような産業機械、建設機械が被塗物である場合は、被塗物の熱容量が大きく、加熱炉中において被塗物に熱が十分に伝達しないという問題がある。上記理由により、産業機械、建設機械の塗装においては、自動車車体の塗装において用いられる一般的な熱硬化型塗料組成物を用いることができず、例えば100℃以下で塗膜を形成することができる塗料組成物が一般に用いられている。
特開2003−226839号公報(特許文献1)には、基体樹脂として水酸基含有樹脂(A)、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(B)、およびウレタン硬化触媒として有機錫化合物(C)を含有する塗料組成物であって、該塗料中にリン酸基を存在せしめることを特徴とする塗料組成物が記載されている(請求項1など)。この塗料は、乾燥性および仕上がり性に優れ、そして可使時間が延長された塗料組成物であると記載されている。産業機械、建設機械の塗装においては、一般に、防食性などを向上させることを目的として、例えば特許文献1に記載されるようなイソシアネート硬化型塗料組成物が複数回(2回)塗装されている。しかしながらこのような塗料組成物を用いる場合は、例えば2回塗装を行っても、防食性および耐候性の両方を高度に満足する塗膜を形成することはできなかった。
防食性および耐候性の両方の性能を満足する塗膜を形成する方法として、下塗り塗料組成物として防食性に優れた塗料組成物を用いて、その後に、耐候性に優れた上塗り塗料組成物を用いる方法が考えられる。例えば特開2010−188239号公報(特許文献2)には、バインダー樹脂成分の全質量を基準にしてエポキシ当量が400〜2000g/eqである変性エポキシ樹脂、アミン樹脂および反応性希釈剤からなるバインダー樹脂成分を含む弱溶剤型ハイソリッド変性エポキシ樹脂塗料を下塗りし、次いで、水酸基価が10〜100mgKOH/gであるポリオール樹脂およびポリイソシアネート樹脂からなるバインダー樹脂成分を含む弱溶剤型ハイソリッドポリウレタン樹脂塗料を上塗りすることを特徴とする、厚膜型防食塗膜の形成方法が記載されている(請求項1)。この方法は、それぞれ1回の下塗りおよび上塗りで従来の各層の多層塗りによる防食効果と同等の防食効果を得ることができると記載されている。しかしながらこの特許文献2に記載の方法は、下塗り塗装後に常温で24時間乾燥させた後に上塗り塗料の塗装が行われている([0036]段落など)。このようにこの方法は、塗装に長時間を要するため、塗装工程効率が悪いという問題がある。
下塗り塗料組成物を塗装した後、下塗り塗料組成物を乾燥させずに上塗り塗料組成物を塗装し、その後に2種類の塗膜を同時に乾燥させることによって、塗装工程を短縮することができるウェットオンウェットと呼ばれる塗装方法がある。しかしながら、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物をウェットオンウェット塗装する場合は、未乾燥の2種類の塗料が混層して塗膜外観が悪化するという不具合が生じやすいという問題がある。ウェットオンウェット塗装においてはさらに、外気に接している上塗り塗料組成物が先に乾燥して硬化(乾燥)塗膜を形成した後に、その下にある下塗り塗膜中に含まれる揮発成分が蒸発することによって発生する、チヂミなどの塗膜不具合が発生することもある。このため、熱硬化型塗料組成物ではない塗料組成物を用いる場合において、種類が異なる下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物をウェットオンウェット塗装する方法は、これまで確立されていなかった。
本発明者等は、既に、ほとんどインターバルを置かないウェットオンウェット塗装により複層塗膜を形成するために、上塗り塗料組成物および下塗り塗料組成物を限定し、更に上塗り層と下塗り層の表面張力の差を特定することを提案した(特許5221822号)。本発明者等によるこの提案は、優れた耐候性および防食性を有する複層塗膜を、ウェットオンウェット塗装によって形成することができ、目的を達成することができたが、塗装膜厚が厚くなると塗膜にワキが発生するなどの不具合が生じた。
なお、ワキとは塗膜表面に発生する針穴のような小さな穴や突起を意味します。
特開2003−226839号公報 特開2010−188239号公報 特願2012−550648号(特許5221822号)
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、防食性および耐候性の両方が優れた複層塗膜を、ウェットオンウェット塗装によって、下塗り塗料組成物を塗装後にほとんどインターバルを置かずに上塗り塗料組成物を塗装することが可能であり、塗装工程を大幅に短縮することができる複層塗膜形成方法を提供することを課題とする。また、本発明は、塗装膜厚が厚い場合でも、ワキの発生を抑制することを課題とする。
本発明は、
被塗物上に、下塗り塗料組成物を塗装して、未乾燥の下塗り塗膜を形成する、下塗り塗膜形成工程、
得られた未乾燥の下塗り塗膜の上に、上塗り塗料組成物を、ウェットオンウェットで塗装し、未乾燥の上塗り塗膜を形成する、上塗り塗膜形成工程、および
得られた未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する、乾燥工程、を包含する、複層塗膜形成方法であって、
該下塗り塗料組成物がアクリル樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(C)とを含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−1)を含む硬化剤および表面調整剤(E―1)を含んでおり、
アクリル樹脂(A−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E―1)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−1)25〜70質量%、エポキシ樹脂(C)5〜30質量%、イソシアネート化合物(D−1)20〜60質量%および表面調整剤(E―1)0.01〜5質量%であり、
該上塗り塗料組成物が、アクリル樹脂(A−2)を含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−2)を含む硬化剤および表面調整剤(E―2)を含んでおり、
アクリル樹脂(A−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E―2)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−2)30〜70質量%、イソシアネート化合物(D−2)20〜60質量%および表面調整剤(E―2)0.01〜5質量%であり、
前記下塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)から、前記上塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)を、差し引いた値であるΔγ(γ−γ)が−2〜8mN/mであり、かつ、
前記下塗り塗料および上塗り塗料組成物がラメラ長4mm以下を有する、複層塗膜形成方法、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
また、本発明では、前記アクリル樹脂(A−1)および前記アクリル樹脂(A−2)が、いずれも固形分水酸基価50〜250mgKOH/gであり、前記エポキシ樹脂(C)がエポキシ当量100〜1000g/eqであるのが好ましい。
また、前記下塗り塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂は、さらに、ポリエステル樹脂(B−1)を含んでおり、
前記アクリル樹脂(A−1)、ポリエステル樹脂(B−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E―1)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−1)25〜50質量%、ポリエステル樹脂(B−1)5〜30質量%、エポキシ樹脂(C)5〜25質量%、イソシアネート化合物(D−1)20〜50質量%および表面調整剤(E―1)0.01〜5質量%であり、
前記上塗り塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂(B−2)を含んでおり、
前記アクリル樹脂(A−2)、ポリエステル樹脂(B−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E―2)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−2)30〜60質量%、ポリエステル樹脂(B−2)5〜35質量%、イソシアネート化合物(D−2)20〜50質量%および表面調整剤(E―2)0.01〜5質量%であるのが好ましい。
更に、前記ポリエステル樹脂(B−1)および(B−2)は固形分水酸基価40〜350mgKOH/gを有するのが好ましい。
更に、前記表面調整剤(E―1)はアクリル系表面調整剤およびシリコン系表面調整剤のうち、少なくとも一方を含んでおり、かつ、前記表面調整剤(E―2)がアクリル系表面調整剤を含んでいるのが好適である。
特に、前記下塗り塗膜形成工程における塗装と前記上塗り塗膜形成工程における塗装との時間間隔は0〜60分であるのが好ましい。
また、前記被塗物は建設機械または産業機械であるのが好ましい。
本発明によって、優れた耐候性および防食性を有する複層塗膜を、ウェットオンウェット塗装によって形成することができる。本発明において形成される複層塗膜は、下塗り塗料組成物を塗装後に熱硬化工程を経ることなく、かつ、ほとんどインターバルを置かずに上塗り塗料組成物を塗装することが可能であるという特徴も有する。そのため、下塗り塗膜用のヒート設備などを設ける必要がなく、塗装設備投資を削減することができ、そして塗装工程を大幅に短縮することができるという利点がある。本発明の複層塗膜形成方法は、産業機械または建設機械といった、大型で熱容量が大きい被塗物の塗装に特に適している。
また、本発明では、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物のラメラ長を限定することにより、ウェットオンウェット塗装が可能になり、厚膜塗装時に発生しやすいワキの発生を抑制することが可能である。
本発明の複層塗膜形成方法は、下記工程:
被塗物上に、下塗り塗料組成物を塗装して、未乾燥の下塗り塗膜を形成する、下塗り塗膜形成工程、得られた下塗り塗膜の上に、上塗り塗料組成物を、ウェットオンウェットで塗装し、未乾燥の上塗り塗膜を形成する、上塗り塗膜形成工程、および得られた未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜を同時に乾燥させる、乾燥工程、を包含する。
この下塗り塗料組成物が、アクリル樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(C)とを含む塗膜形成樹脂、表面調整剤(E−1)およびイソシアネート化合物(D−1)を硬化剤として含んでいて、さらにポリエステル樹脂(B−1)を含むことができる。
また、上塗り塗料組成物が、アクリル樹脂(A−2)を含む塗膜形成樹脂、表面調整剤(E−2)およびイソシアネート化合物(D−2)を硬化剤として含んでいて、さらにポリエステル樹脂(B−2)を含むことができる。
ここで、上記ポリエステル樹脂(B−1)および上記ポリエステル樹脂(B−2)は、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物の両方とも含まないか、あるいは、両方ともに含まれる態様が一般的であり、いずれか一方だけに含まれることはまれである。以下の各塗料組成物の成分の説明では、単純化するために、主として下塗り塗料組成物の塗膜形成樹脂としてさらにポリエステル樹脂(B−1)を、また、上塗り塗料組成物の塗膜形成樹脂としてさらにポリエステル樹脂(B−2)を含んだ態様で説明する。
本発明の複層塗膜形成方法においては、塗料組成が異なる下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物をウェットオンウェットで塗装する場合であっても、混層などの塗膜外観悪化や、チヂミなどの塗膜不具合を伴うことなく、耐候性および防食性に優れた複層塗膜を形成することができるという利点がある。
下塗り塗料組成物
本発明における下塗り塗料組成物は、アクリル樹脂(A−1)とポリエステル樹脂(B−1)とエポキシ樹脂(C)とを含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−1)を含む硬化剤および表面調整剤(E−1)を含む。以下、各成分について記載する。尚、前述のように、ポリエステル樹脂(B−1)を含まない場合も、本発明の複層塗膜形成方法に用いる下塗り塗料組成物の範囲内である。
アクリル樹脂(A−1)
本発明における下塗り塗料組成物は塗膜形成樹脂としてアクリル樹脂(A−1)を含む。アクリル樹脂(A−1)が含まれることによって、下塗り塗膜に密着性や耐水性などの良好な塗膜性能が付与される。下塗り塗料組成物に含まれるアクリル樹脂(A−1)は、水酸基含有モノマー(a)および他のモノマー(b)を共重合することによって調製することができる。
水酸基含有モノマー(a)として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、これら水酸基含有(メタ)アクリレートとεカプロラクトンとの反応物、および、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル化物などが挙げられる。さらに、上記多価アルコールと、アクリル酸またはメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した反応物を用いることもできる。これらの水酸基含有モノマー(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタアクリレート」を意味する。
他のモノマー(b)として、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸などの、カルボキシル基含有モノマー、および、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのジカルボン酸モノエステルモノマー;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n、iまたはt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー;
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの脂環基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルモノマー;
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキルアミドモノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのその他のアミド基含有モノマー;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;
などを挙げることができる。これらの他のモノマー(b)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他のモノマー(b)のうち、アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが好ましく用いられる。
水酸基含有モノマー(a)および他のモノマー(b)の重合方法として、当業者に通常用いられる方法を用いることができる。重合方法として、例えば、ラジカル重合開始剤を用いた、塊状重合法、溶液重合法、塊状重合後に懸濁重合を行う塊状−懸濁二段重合法などを用いることができる。これらの中でも、溶液重合法が特に好ましく用いることができる。溶液重合法として、例えば、上記モノマー混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で、例えば80〜200℃の温度で撹拌しながら加熱する方法などが挙げられる。
上記アクリル樹脂(A−1)は、数平均分子量が1,000〜15,000であるのが好ましい。数平均分子量が1,000未満である場合は、得られる複層塗膜の塗膜物性が劣るおそれがある。一方で、数平均分子量が15,000を超える場合は、樹脂成分の粘度が高くなり、塗料組成物の調製において多量の溶剤が必要となるおそれがある。なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。アクリル樹脂(A−1)は、数平均分子量が1,000〜8,000であるのがより好ましく、1,000〜5,000であるのがさらに好ましい。
上記アクリル樹脂(A−1)は、固形分水酸基価が50〜250mgKOH/gであるのが好ましい。固形分水酸基価が50mgKOH/g未満である場合は、イソシアネート化合物(D−1)との反応性が低下し、得られる複層塗膜の塗膜物性が劣るおそれがあり、また塗膜密着性が劣るおそれがある。一方で固形分水酸基価が250mgKOH/gを超える場合は、得られる複層塗膜の耐水性が劣るおそれがある。アクリル樹脂(A−1)の固形分水酸基価は50〜200mgKOH/gであるのがより好ましい。
上記アクリル樹脂(A−1)は、固形分酸価が2〜50mgKOH/gであるのが好ましい。固形分酸価が2mgKOH/g未満である場合は、得られる複層塗膜の塗膜物性が劣るおそれがある。一方で固形分酸価が50mgKOH/gを超える場合は、得られる複層塗膜の耐水性が劣るおそれがある。アクリル樹脂(A−1)の固形分酸価は5〜20mgKOH/gであるのがより好ましい。
アクリル樹脂(A−1)として、市販されるアクリル樹脂を用いてもよい。このようなアクリル樹脂の具体例として、DIC社製の商品名「アクリディック」シリーズ(例えば、アクリディックA−837、アクリディックA−871、アクリディックA−1370など)、ハリマ化成社製の商品名「ハリアクロン」シリーズ(例えば、ハリアクロン D-1703、ハリアクロン N−2043−60MEXなど)、三菱レイヨン社製の商品名「ダイヤナール」シリーズ、日立化成工業社製の商品名「ヒタロイド」シリーズ、三井化学社製の商品名「オレスター」シリーズなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂(B−1)
本発明における下塗り塗料組成物は塗膜形成樹脂としてポリエステル樹脂(B−1)を含むことができる。下塗り塗料組成物にポリエステル樹脂(B−1)を含むことによって塗装作業性が向上し、得られる塗膜の外観が向上するという利点がある。このようなポリエステル樹脂(B−1)として、一般にポリエステルポリオールと呼ばれる、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリエステル樹脂が好適に用いられる。このようなポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸またはその無水物とを重縮合(エステル反応)して調製することができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ヒドロキシアルキル化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−(ヒドロキシエチル)イソシアネートなどが挙げられる。これらの多価アルコールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多塩基酸またはその無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸などが挙げられる。これらの多塩基酸またはその無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル樹脂(B−1)として、上記に従い調製したポリエステル樹脂に、ラクトン、油脂または脂肪酸、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などを用いて変性した、変性ポリエステル樹脂を用いることもできる。例えば、油脂または脂肪酸変性ポリエステル樹脂は、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、荏の油、ケシ油、紅花油、大豆油、桐油などの油脂、またはこれらの油脂から抽出した脂肪酸を用いて、ポリエステル樹脂を変性したものである。この、油脂または脂肪酸変性ポリエステル樹脂の製造においては、ポリエステル樹脂100質量部に対して、上述した油脂および/または脂肪酸を合計で30質量部程度まで加えるのが好ましい。
上記ポリエステル樹脂(B−1)は、GPC測定によるポリスチレン換算値で、数平均分子量が500〜6,000であるのが好ましい。数平均分子量が500未満である場合は、得られる塗膜の密着性が劣るおそれがある。一方で、数平均分子量が6,000を超える場合は、塗装時において被塗物に対する濡れ性が劣るおそれがある。ポリエステル樹脂(B−1)は、数平均分子量が1,000〜4,000であるのがより好ましい。
上記ポリエステル樹脂(B−1)は、固形分水酸基価が40〜350mgKOH/gであるのが好ましい。固形分水酸基価が40mgKOH/g未満である場合は、イソシアネート化合物(D−1)との反応性が低下し、得られる複層塗膜の塗膜物性が劣るおそれがあり、また塗膜密着性が劣るおそれがある。一方で固形分水酸基価が350mgKOH/gを超える場合は、得られる複層塗膜の耐水性が劣るおそれがある。ポリエステル樹脂(B−1)の固形分水酸基価は40〜300mgKOH/gであるのがより好ましい。
エポキシ樹脂(C)
本発明における下塗り塗料組成物は塗膜形成樹脂としてエポキシ樹脂(C)が含まれる。下塗り塗料組成物中にエポキシ樹脂(C)が含まれることによって、得られる複層塗膜の防食性が向上するという利点がある。エポキシ樹脂(C)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはノボラック型エポキシ樹脂の少なくともいずれか一方が含まれるのが好ましい。
本発明において、エポキシ樹脂(C)は、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはノボラック型エポキシ樹脂に加えて、さらに、他のエポキシ樹脂が含まれていてもよい。他のエポキシ樹脂の具体例として、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
エポキシ樹脂(C)全量に占めるビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはノボラック型エポキシ樹脂の量は、10〜100質量%であるのが好ましく、20〜100質量%であるのがより好ましい。エポキシ樹脂(C)全量に占めるビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはノボラック型エポキシ樹脂の量が10質量%未満である場合は、被塗物に対する十分な密着性が得られないおそれがある。
エポキシ樹脂(C)のエポキシ当量は、100〜1,000g/eqであることが好ましく、150〜1,000g/eqであることがより好ましい。エポキシ当量が1,000g/eqを超えると、密着性が低下する傾向があり、また、得られる塗膜の強靭性に劣る場合がある。100g/eq未満であると、粘度上昇が起こり、作業性が低下する可能性があり好ましくない。なおエポキシ樹脂(C)が複数の樹脂の混合物である場合は、含まれる全てのエポキシ樹脂のエポキシ当量が上記範囲内であることがより好ましい。
エポキシ樹脂(C)の数平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値で、200〜2,000であることが好ましい。数平均分子量が上記範囲内であることによって、より良好な塗膜物性および塗装作業性が得られる利点がある。
エポキシ樹脂(C)として用いることができる市販品の具体例として、例えば、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品である「エピコート #828」(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量184〜194g/eq、数平均分子量約380、三菱化学社製)、「エピコート #834−90X」(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量230〜270g/eq、数平均分子量約470、三菱化学社製)、「エピコート #872−X−75」(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量600〜700g/eq、三菱化学社製)、「エピコート #1001」(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量450〜500g/eq、数平均分子量約900、三菱化学社製)、「エピコート #1004」(ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量875〜975g/eq、数平均分子量約1600、三菱化学社製)など;
ノボラック型エポキシ樹脂の市販品である「EPICLON 5250−80IX」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量230〜250g/eq、数平均分子量約470、DIC社製)、「EPICLON 5270−80IX」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量245〜270g/eq、数平均分子量約540、DIC社製)、「エピコート #154」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量176〜180g/eq、数平均分子量約540、三菱化学社製)など;
他のエポキシ樹脂の市販品である「エピコート #807」(ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量160〜175g/eq、数平均分子量約330、三菱化学社製)、「YR−450」(ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ当量400〜500g/eq、数平均分子量約800〜1000、東都化成社製)など;
を挙げることができる。本発明に用いられるエポキシ樹脂(C)は、上記例示されたエポキシ樹脂に限定されるものではなく、一般に市販されている、その他のエポキシ樹脂も使用することができる。
イソシアネート化合物(D−1)
本発明における下塗り塗料組成物は硬化剤としてイソシアネート化合物(D−1)が含まれる。イソシアネート化合物(D−1)としては、脂肪族、脂環式、芳香族基含有脂肪族または芳香族の、ジイソシアネート、ジイソシアネートの二量体、ジイソシアネートの三量体(好ましくはイソシアヌレート型イソシアネート(いわゆるイソシアヌレート))など多官能イソシアネート化合物を用いることができる。このようなイソシアネート化合物はいわゆるアシンメトリー型のものであってもよい。
ジイソシアネートとして、例えば、5〜24個、好ましくは6〜18個の炭素原子を含むジイソシアネートなどが挙げられる。このようなジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルへキサンジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート−(1,11)、リジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート:IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロメタン、ω,ω’−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−トリメチル−2,4−ビス(ω−イソシアナトエチル)−ベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル‐2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。また、2,4−ジイソシアナトトルエンおよび/または2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,4−ジイソシアナトイソプロピルベンゼンのような芳香族ジイソシアネートも用いることができる。
上記イソシアヌレート型イソシアネートとしては上述したジイソシアネートの三量体を挙げることができる。
なお、このようなイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
イソシアネート化合物(D−1)は、含まれるイソシアネート化合物の少なくとも一部がイソシアヌレート型イソシアネート化合物であることが好ましい。また、本発明においては、上記イソシアヌレート型イソシアネート化合物を、それ以外の脂肪族、脂環式、芳香族基含有脂肪族または芳香族の多官能イソシアネート化合物(好適にはジイソシアネート)と組み合わせて混合物として使用することもできる。この場合、イソシアネート化合物(D−1)の全量中における上記イソシアヌレート型イソシアネート化合物の含有割合が60質量%以上であることが好ましい。
上記塗膜形成樹脂に対する、イソシアネート化合物(D−1)の含有量は、上記塗膜形成樹脂に含まれる水酸基の総数1に対して、イソシアネート化合物(D−1)中のイソシアネート基が0.5〜1.5であることが好ましい。イソシアネート化合物(D−1)の含有量が、上記塗膜形成樹脂に含まれる水酸基の総数1に対してイソシアネート基の数が0.5未満となる量の場合は、十分な硬化が得られなくなるおそれがある。また、イソシアネート基の数が1.5を超える場合は、塗膜の柔軟性が低下し、塗膜が衝撃により剥れやすくなる。
尚、ポリエステル樹脂(B−1)を含まない場合は、塗膜形成樹脂はアクリル樹脂(A−1)およびエポキシ樹脂(C)となる。
表面調整剤(E−1)
本発明における下塗り塗料組成物は、塗膜形成樹脂および硬化剤の他に、表面調整剤(E−1)が含まれる。この表面調整剤(E−1)は、上塗り塗膜とのなじみを制御する成分で、後述するように上塗り塗料組成物との表面張力の値の差が所定範囲内にあることがウェットオンウェット塗装を有効にするために必要である。
表面調整剤(E−1)としては、2種以上含んでいてよく、アクリル系表面調整剤およびシリコン系表面調整剤のうち少なくともいずれか一方を含んでいる。アクリル系表面調整剤の例としては、アクリル系共重合物が挙げられ、市販品としてはBYK352、BYK354、BYK392、BYK358N(以上ビックケミー・ジャパン社製)、ディスパロンLC−900、ディスパロンLC−951(以上楠本化成社製)が挙げられる。シリコン系表面調整剤の例としては、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、市販品としてはBYK320、BYK323およびBYK325(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。この様な表面調整剤を用いることによって、塗料組成物の表面張力の値を好適な範囲に調整することができる。なお、下塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)は、25〜30mN/mであることが好ましい。
本明細書における塗料組成物の表面張力の測定は、白金リングを用いたリング法を用いて測定することができる。この表面張力の測定は、例えばダイノメーター(ドイツ・ビックガードナー社製)などを使用して測定することができる。
表面調整剤(E−1)は、下塗り塗料組成物中の塗膜形成樹脂固形分に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%含まれる。0.01質量%より少ないと、被塗物への濡れ性が悪くなり、外観が低下する。逆に10質量%より多いと、混層が防止できず外観が悪くなる。
なお、ポリエステル樹脂(B−1)を含まない場合は、塗膜形成樹脂はアクリル樹脂(A−1)およびエポキシ樹脂(C)となる。
また、下塗り塗料組成物中に含まれるアクリル樹脂(A−1)、ポリエステル樹脂(B−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E−1)の固形分比率は、合計を100質量%として、アクリル樹脂(A−1)は、塗膜耐水性、防食性および仕上がり性の観点から25〜50質量%であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂(B−1)は、塗装作業性と塗膜の耐久性の観点から5〜30質量%であることが好ましい。また、エポキシ樹脂(C)は、防食性、クラックの発生および被塗物に対する密着性の観点から5〜25質量%であることが好ましい。さらに、イソシアネート化合物(D−1)は、硬化性と耐傷性の観点から20〜50質量%であることが好ましい。一方、表面調整剤(E−1)は、被塗物への濡れ性および塗膜表面へのブリード(にじみ出し、成分が、表層塗膜上にとけ出るような現象)による外観異常抑制の観点から0.01〜5質量%であることが好ましい。
なお、ポリエステル樹脂(B−1)を含まない場合には、下塗り塗料組成物中に含まれるアクリル樹脂(A−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E−1)の固形分比率は、合計を100質量%として、いずれも同様の理由からアクリル樹脂(A−1)は25〜70質量%、エポキシ樹脂(C)は5〜30質量%、イソシアネート化合物は(D−1)20〜60質量%および表面調整剤(E−1)は0.01〜5質量%であることが好ましい。
顔料(F−1)
本発明における下塗り塗料組成物は顔料(F−1)を含むことが好ましい。顔料としては、塗料分野において一般的に用いられる顔料を用いることができ、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ酸、ケイ酸塩、酸化アルミニウム水和物、硫酸カルシウム、石膏、雲母状酸化鉄(MIO)、ガラスフレーク、スゾライト・マイカ、クラライト・マイカなどの体質顔料;酸化チタン、カーボンブラック、鉛白、黒鉛、硫化亜鉛、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化クロム、黄色ニッケルチタン、黄色クロムチタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ウルトラマリンブルー、キナクリドン類、アゾ系赤・黄色顔料などの着色顔料;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、亜鉛末(Zn)、リン酸亜鉛、アルミ粉(Al)などの防錆顔料が挙げられる。これらの体質顔料、着色顔料および防錆顔料は、それぞれ1種のみが用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。
下塗り塗料組成物においては、防錆顔料を1種以上および体質顔料を1種以上が含まれることが好ましい。これらの顔料を含むことによって、得られる複層塗膜の防食性や耐候性などの塗膜性能および塗膜隠ぺい性が向上し、また意匠性に優れた塗膜外観が得られるという利点がある。
本発明における下塗り塗料組成物は、必要に応じて、上記以外の各種添加剤を含んでもよい。各種添加剤としては、例えば、有機溶剤、タレ止め・沈降防止剤、硬化触媒(有機金属触媒)、色分れ防止剤、分散剤、消泡・ワキ防止剤、粘性調整剤(増粘剤)、レベリング剤、ツヤ消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、造膜助剤などを挙げることができる。
有機溶剤としては、溶剤型塗料において通常用いられるものを含むことができる。このような溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200(何れもエクソン化学社製)、トルエン、キシレン、メトキシブチルアセテート、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテル、石油ナフサなどが挙げられる。
有機溶剤の含有量は特に制限されるものではないものの、近年における環境保護および環境負荷を考慮した量で用いるのがより好ましい。
タレ止め・沈降防止剤としては、例えば「ディスパロン 6700」(商品名、脂肪族ビスアマイド揺変剤、楠本化成社製)などを好ましく用いることができる。上記色分れ防止剤としては、例えば「ディスパロン 2100」(商品名、シリコン添加脂肪族系多価カルボン酸、楠本化成社製)などを好ましく用いることができる。上記消泡・ワキ防止剤としては、例えば「ディスパロン 1950」(商品名、特殊ビニル系重合物、楠本化成社製)などを好ましく用いることができる。
上塗り塗料組成物
本発明における上塗り塗料組成物は、アクリル樹脂(A−2)とポリエステル樹脂(B−2)とを含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−2)を含む硬化剤および表面調整剤(E−2)を含んでいる。
ここで、アクリル樹脂(A−2)として具体的には、上記下塗り塗料組成物のところで述べたアクリル樹脂(A−1)を、また、ポリエステル樹脂(B−2)として具体的には、上記下塗り塗料組成物のところで述べたポリエステル樹脂(B−1)を、さらに、イソシアネート化合物(D−2)として具体的には、上記下塗り塗料組成物のところで述べたイソシアネート化合物(D−1)を挙げることができる。下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物に含まれる上記塗膜形成樹脂および硬化剤は、同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。尚、前述のように、ポリエステル樹脂(B−2)を含まない場合も、本発明の複層塗膜形成方法に用いられる上塗り塗料組成物の範囲内である。
表面調整剤(E−2)は、アクリル系表面調整剤である。アクリル系表面調整剤の例としては、表面調整剤(E−1)と同じ種類のものが使用できる。このような表面調整剤を用いることによって、塗料組成物の表面張力を好適な範囲に調整することができる。なお、上塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)は、20〜30mN/mであるのが好ましい。
上塗り塗料組成物の表面張力(γ)の値は、上述の表面調整剤などを適宜用いることによって、好適な範囲に調整することができる。また、下塗り塗料組成物において用いることができる各種添加剤を、上塗り塗料組成物に用いることができる。
本発明において、下塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)から、上塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)を差し引いた値Δγ(γ−γ)が−2〜8mN/mであることが好ましい。Δγがー2mN/m未満である場合は、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物のウェットオンウェット塗装において、混層が生じ、下塗り塗膜および上塗り塗膜の反転が生じるおそれがある。また、塗膜表面にハジキが発生するおそれもある。一方で、Δγが8mN/mを超える場合は、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物のウェットオンウェット塗装において、得られる複層塗膜の表層にブリードの不具合が生じるおそれがある。Δγ(γ−γ)は、−2〜5mN/mであることがより好ましい。
表面調整剤(E−2)は、上塗り塗料組成物中の塗膜形成樹脂固形分に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%含まれる。0.01質量%より少ないと、混層が制御できず、外観が低下する。逆に10質量%より多いと、表層にブリードすることにより外観異常が生じる。
なお、ポリエステル樹脂(B−2)を含まない場合は、塗膜形成樹脂はアクリル樹脂(A−2)となる。
上記塗膜形成樹脂に対する、イソシアネート化合物(D−2)の含有量は、上記塗膜形成樹脂に含まれる水酸基の総数1に対して、イソシアネート化合物(D−2)中のイソシアネート基が0.5〜1.5であることが好ましい。イソシアネート化合物(D−2)の含有量が、上記塗膜形成樹脂に含まれる水酸基の総数1に対してイソシアネート基の数が0.5未満となる量の場合は、十分な硬化が得られなくなるおそれがある。また、イソシアネート基の数が1.5を超える場合は、塗膜の柔軟性が低下し、塗膜が衝撃により剥れやすくなる。
尚、ポリエステル樹脂(B−2)を含まない場合は、塗膜形成樹脂はアクリル樹脂(A−2)となる。
また、上塗り塗料組成物中に含まれるアクリル樹脂(A−2)、ポリエステル樹脂(B−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E−2)の固形分比率は、合計を100質量%として、アクリル樹脂(A−2)は、耐候性、塗装作業性および硬化性の観点から30〜60質量%であることが好ましく、35〜55質量%であることがさらに好ましい。また、ポリエステル樹脂(B−2)は、塗装作業性、耐候性および塗膜強度の観点から5〜35質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。また、イソシアネート化合物(D−2)は、硬化性と耐傷性の観点から20〜50質量%であることが好ましく、25〜45質量%であることがさらに好ましい。さらに、表面調整剤(E−2)は、下塗り塗膜への濡れ性および塗膜表面へのブリードによる外観異常抑制の観点から0.01〜5質量%であることが好ましい。
なお、ポリエステル樹脂(B−2)を含まない場合には、上塗り塗料組成物中に含まれるアクリル樹脂成分(A−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E−2)の固形分比率は、合計を100質量%として、いずれも同様の理由からアクリル樹脂(A−2)は30〜70質量%、イソシアネート化合物(D−2)は20〜60質量%および表面調整剤(E−2)は0.01〜5質量%であるのが好ましい。
上塗り塗料組成物はさらに、下塗り塗料組成物において含まれ得る各種添加剤(例えば、有機溶剤、硬化触媒、タレ止め・沈降防止剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤など)を含んでもよい。
本発明では、下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物は、ラメラ長4mm以下を有する必要がある。ラメラ長とは、液面に接触させた金属リングを引き上げるときの最大液膜長さをいう。ラメラ長が上記範囲にあると、塗料中に生じた泡が割れて、ワキが生じにくくなる。4mmより長いと、泡が割れずに残り、ワキやピンホールなどの塗膜欠陥が生じやすい。なお、ラメラ長の値と表面張力の値とは無関係であり、表面張力の値が同じであってもラメラ長は異なる。日本ペイント株式会社が著者である「塗料の性格と機能、21世紀への知識と応用」(日本塗料新聞社発行、1998年)と題する本の第484頁表5.28には、表面張力とラメラ長の両方を測定した値が記載されているが、両者に一定の関連性は見られないことからも、ラメラ長の値と表面張力の値は無関係であることが解る。
複層塗膜形成方法
本発明における複層塗膜は、被塗物上に、上記下塗り塗料組成物を塗装して、未乾燥の下塗り塗膜を形成する、下塗り塗膜形成工程、得られた未乾燥の下塗り塗膜の上に、上記上塗り塗料組成物を、ウェットオンウェットで塗装し、未乾燥の上塗り塗膜を形成する、上塗り塗膜形成工程、および、得られた未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する、乾燥工程、を包含する方法によって形成することができる。
被塗物
本発明の複層塗膜形成方法における被塗物として、例えば、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ブリキ、トタンなどの金属基材が挙げられる。これらの金属基材は、亜鉛、銅、クロムなどのメッキが施されていてもよく、また、クロム酸、リン酸亜鉛またはジルコニウム塩などの表面処理剤を用いた表面処理が施されていてもよい。本発明の複層塗膜形成方法は、例えば、熱容量が大きく、加熱炉中において被塗物に熱が十分に伝達しない金属基材などが被塗物である場合において、特に好適に用いることができる。このような被塗物として、具体的には、建設機械(例えば、ブルドーザー、スクレイパー、油圧ショベル、堀削機、運搬機械(トラック、トレーラーなど)、クレーン・荷役機械、基礎工事用機械(ディーゼルハンマー、油圧ハンマーなど)、トンネル工事用機械(ボーリングマシーンなど)、ロードローラーなど);一般工業用と呼ばれる弱電・重電機器、農業機械、鋼製家具、工作機械および大型車両などの産業機械;そして熱容量が大きく加熱しても昇温し難い被塗物など、が挙げられる。本発明における複層塗膜方法は、熱容量が大きく加熱しても昇温し難い被塗物である建設機械または産業機械の塗装に好適に用いることができる。
下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター、静電塗装などの一般に用いられている塗装方法などを挙げることができる。この中でも、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーターが好ましい。これらは被塗物の用途および形状に応じて適宜選択することができる。
下塗り塗料組成物は、乾燥膜厚が10〜100μmの範囲となる量で塗装するのが好ましく、15〜70μmの範囲となる量で塗装するのがさらに好ましい。こうして未乾燥の下塗り塗膜を形成した後、上塗り塗料組成物を塗装することができる(ウェットオンウェット塗装)。未乾燥の下塗り塗膜を形成後、上塗り塗料組成物を塗装するまでの塗装間隔(インターバル)は、作業効率の観点から室温(5〜35℃)で0〜60分が好ましく、1〜30分がより好ましく、1〜15分がさらに好ましい。本発明の複層塗膜形成方法を用いれば、下塗り塗膜がほとんど乾いていない状態で上塗り塗料を塗装しても、塗膜外観に優れた複層塗膜を得ることが可能である。また、下塗り塗膜が一般的な室温を超える温度(例えば40〜100℃、より好ましくは40〜80℃)で1分〜10分間程度仮乾燥させ、下塗り塗膜が半乾燥の状態で上塗り塗料を塗装することも可能である。
上塗り塗料組成物は、乾燥膜厚が10〜200μmの範囲となる量で塗装するのが好ましく、20〜100μmの範囲となる量で塗装するのがより好ましい。こうして得られた、未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜は、室温(5〜35℃)で1〜10日間放置するか、または一般的な室温を超える温度(例えば50〜100℃、より好ましくは60〜80℃)で15〜60分間強制乾燥することによって、複層塗膜を得ることができる。
本発明の複層塗膜形成方法は、組成が異なる下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物をウェットオンウェット塗装する場合であっても、混層やワキなどの塗膜の不具合を伴うことなく、良好な外観を有する複層塗膜を形成することができるという利点がある。そして、この方法によって得られる複層塗膜は、良好な防食性付与機能を有する下塗り塗膜および耐候性付与機能を有する上塗り塗膜によって、優れた防食性、耐候性および塗膜物性が達成されている。本発明の複層塗膜形成方法は、下塗り塗料組成物を塗装後に加熱硬化工程や冷却工程を経ることなく、かつ、ほとんどインターバルを置かずに上塗り塗料組成物をウェットオンウェット塗装することが可能であるという特徴も有する。そのため、下塗り塗膜の硬化のための加熱設備などを設ける必要がなく、塗装設備投資を削減することができ、そして塗装工程を短縮することができるという利点がある。本発明の複層塗膜形成方法は、産業機械または建設機械などの大型で熱容量が大きい被塗物の塗装に特に適している。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 アクリル樹脂1の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロート及びデカンターを備えた冷却管を取り付けた1Lの反応容器にキシレン25部、酢酸ブチル10部を仕込み、温度を120℃にした。次に、アクリルモノマーとして、スチレン16.0部、メタクリル酸1.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート23.0部、2−エチルヘキシルアクリレート25.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート35.0部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート4部を滴下ロートに仕込みモノマー溶液とした。反応容器内を120℃に保持しながら3時間かけてこのモノマー溶液を滴下した。滴下後さらに1時間120℃で保持した。得られたアクリル樹脂1は数平均分子量2,500(GPC測定によるポリスチレン換算値)、固形分水酸基価180mgKOH/g、固形分酸価7mgKOH/g、固形分濃度は75%であった。
製造例2 アクリル樹脂2の製造
モノマーを、スチレン52.3部、メタクリル酸1.3部、エチルアクリレート36.1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10.4部にした以外は製造例1と同様に作成した。得られたアクリル樹脂2は数平均分子量5,500(GPC測定によるポリスチレン換算値)、固形分水酸基価55mgKOH/g、固形分酸価7mgKOH/g、固形分濃度は75%であった。
製造例3 ポリエステル樹脂1の製造
撹拌機、温度調節機、冷却管を備えた2Lの反応容器に、イソフタル酸15.6部、ヘキサヒドロ無水フタル酸21.8部、ネオペンチルグリコール15.2部、トリメチロールプロパン18.0部、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル6.1部、カージュラーE(シェル社製 バーサティック酸グリシジルエステル)7.9部、ε−カプロラクトン15.4部を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させて除去した。還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が8になるまで撹拌と脱水を継続し、反応を終了した。さらにキシレン16部を加えた。得られたポリエステル樹脂1は数平均分子量1,500(GPC測定によるポリスチレン換算値)、固形分水酸基価230mgKOH/g、固形分酸価8mgKOH/g、固形分濃度は80%であった。
製造例4 ポリエステル樹脂2の製造
モノマーを、イソフタル酸45.6部、ネオペンチルグリコール16.0部、トリメチロールプロパン5.2部、1,6−へキサンジオール12.0部、ε−カプロラクトン21.2部にした以外は製造例1と同じ方法で作成した。得られたポリエステル樹脂2は数平均分子量4,200(GPC測定によるポリスチレン換算値)、固形分水酸基価54mgKOH/g、固形分酸価7mgKOH/g、固形分濃度は80%であった。
製造例5 アクリル樹脂および顔料を含む分散ペースト1の製造
分散容器に、アクリル樹脂であるアクリディックA−859B(固形分濃度75質量%、固形分水酸基価130mgKOH/g、数平均分子量2,100、DIC社製)215部、アミン系分散剤BYK161(ビックケミー・ジャパン社製、固形分濃度30質量%)15部、分散剤BYK110(ビックケミー・ジャパン社製、固形分濃度52質量%)9部、酸化チタン顔料Ti−Pure R−706(デュポン株式会社社製) 164部、カーボンブラック 三菱カーボンブラック MA−100(三菱化学社製) 1部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)111部、リン酸亜鉛防錆顔料LFボウセイZP−DL(キクチカラー社製)160部、ソルベッソ100(登録商標 エクソンモービル社製) 64部、メトキシブチルアセテート 60部を配合した。その後、ガラスビーズを入れて分散し、粒度が10μm以下になるまで分散を行い、分散ペースト1を得た。
製造例6〜9 分散ペースト2〜5の製造
各成分の量を下記表1に示す量に変更したこと以外は、製造例5と同様にして、分散ペースト2〜5を製造した。なお、表1中の「有機イエロー顔料」は、ホスターパームエローH3G(クラリアントジャパン社製)である。
Figure 0005324715
製造例11 下塗り塗料組成物1の製造
製造例5で得られた分散ペースト799部に、製造例3で得られたポリエステ
ル樹脂1を87部、エポキシ樹脂1としてエピコート#872(固形分濃度75質量%、エポキシ当量650g/eq、三菱化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)96部、アクリル系表面調整剤 BYK392(ビックケミー・ジャパン社製、固形分濃度52質量%)8部を加えて、攪拌を行った。その後、塗膜形成樹脂であるアクリル樹脂とポリエステル樹脂とに含まれる水酸基の総数と、イソシアネート基との比率が1:1になるように、イソシアヌレート型のイソシアネート樹脂コロネートHXLV(固形分濃度100質量%、日本ポリウレタン社製、HDIのイソシアヌレート体(3量体))のキシレン溶液(固形分濃度75%)204部を加えて攪拌を行い、下塗り塗料組成物1を得た。
また、得られた下塗り塗料組成物1の表面張力(γ)を、ダイノメーター(ドイツ・ビックガードナー社製)を用いて白金リング法により測定したところ、27.2mN/mであった。
また、得られた下塗り塗料組成物1のラメラ長を、ダイノメーター(ドイツ・ビックガードナー社製)を用いて白金リング法により測定したところ、0.9mmであった。測定条件としては、塗料温度が25℃、リングの引き上げ速度が1.5mm/分であった。
製造例12〜21 下塗り塗料組成物2〜11の製造
各成分の量を、下記表2に示す量に変更したこと以外は、製造例11と同様にして、下塗り塗料組成物2〜10を製造した。得られた下塗り塗料組成物の表面張力(r)およびラメラ長も製造例11と同様に測定し、結果を表2に示す。
なお、下記表2に示されるエポキシ樹脂2は、エピコート #828(固形分濃度75質量%、エポキシ当量185g/eq、三菱化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)である。
Figure 0005324715
製造例22〜31 上塗り塗料組成物1〜10の製造
各成分の量を、下記表3に示す量に変更したこと以外は、製造例11と同様にして、上塗り塗料組成物1〜10を製造した。さらに、上塗り塗料組成物1〜10の各表面張力(γ)およびラメラ長を製造例11と同様に測定し、測定値を表3に示した。
Figure 0005324715
実施例1 複層塗膜の形成
大きさ0.8×70×150mmのJIS G 3141(SPCC−SB)冷間圧延鋼板を、キシレンで脱脂した。次いで、製造例11で得られた下塗り塗料組成物1を、30μmあるいは60μmの乾燥膜厚になるようにエアレススプレーを用いて塗装して未乾燥の下塗り塗膜を形成した。続けて、室温で3分のインターバルを置いて、下塗り塗膜が未乾燥の状態で、製造例21で得られた上塗り塗料組成物1を、30μmあるいは60μmの乾燥膜厚になるようにエアレススプレーを用いてウェットオンウェット塗装をして未乾燥の上塗り塗膜を形成した。10分間室温で放置した後、80℃で30分間乾燥させて(強制乾燥)、所定の乾燥膜厚の複層塗膜を得た。乾燥膜厚は60μm(下塗り塗膜、上塗り塗膜共に30μm)および120μm(下塗り塗膜、上塗り塗膜共に60μm)の2種を得た。
なお、塗膜外観(ワキ)の測定は0.3×400×600mmのJIS G 3141(SPCC−SB)ブリキ板を用い、上記と同様の方法で複層塗膜を得た。
実施例2
室温で3分間のインターバルを置いた後、得られた未乾燥の下塗り塗膜を80℃で2分で仮乾燥した後に、上塗り塗料組成物1を塗装したこと以外は、実施例1と同様にして塗装を行い、複層塗膜を得た。
実施例3〜14および比較例1〜4
下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物の種類、ならびに、下塗り塗料組成物塗装後の仮乾燥の有無を、表4および表5に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複層塗膜を得た。
上記実施例および比較例の複層塗膜(60μmと120μmの両方)について、下記評価を行った。結果を表4および表5に示した。
促進耐候性
JIS K 5600−7−7記載のキセノンランプ法に従い、スーパーキセノンウェザーメーターSX2−75(スガ試験機社製)で促進耐候性試験を実施した。試験時間500時間後の塗膜の光沢値を、多角度光沢計GS-4K(スガ試験機社製)により測定し、試験前の光沢値に対する変化率(光沢保持率)で評価した。60°光沢値が光沢保持率80%以上が合格である。
防錆性
得られた複層塗膜に、基材に達するようにカッターナイフで長さ10cmのクロスカット傷を入れた。JIS K 5600−7−1(JIS Z 2371)記載の耐中性塩水噴霧性試験法に従い、塩水噴霧試験機ST-11L(スガ試験機社製)で240時間、塩水噴霧試験を実施した。その後、クロスカット部からの錆およびフクレの発生を、下記基準に基づき、目視で評価した。
A:発生した錆またはフクレの最大幅がクロスカット部より2mm未満
B:発生した錆またはフクレの最大幅がクロスカット部より2mm以上4mm未満
C:発生した錆またはフクレの最大幅がクロスカット部より4mm以上
二次密着性
防錆性を評価した塗板をクロスカットに沿ってセロハン粘着テープを貼り、それを剥がし、クロスカットからの剥離幅を測った。剥離幅が1mm以内である場合を合格とした。
耐水性
JIS K 5600−6−2の基準に従い、23℃×96時間水に浸漬させ、下記基準に基づき、目視で評価した。
A:全く異常なし
B:一部ワレ、はがれが見られる
C:大部分でワレ、はがれが見られる
混層性 上塗り塗料組成物を塗装した直後の未乾燥の複層塗膜外観を、下記基準に基づき、目視で評価した。
A:反転が認められない
B:反転が1〜2箇所認められる。
C:反転が3〜9箇所認められる。
D:反転が10箇所以上認められる
塗膜外観(ワキ)
上塗り塗料組成物を塗装した直後の未乾燥の複層塗膜外観を、下記基準に基づき、目視で評価した。
A:ワキが発生個数が0個
B:ワキの発生個数が1〜9個
C:ワキの発生個数が10〜19個
D:ワキの発生個数が20個以上
塗膜外観(光沢)
得られた複層塗膜の光沢値(60°光沢値)を、多角度光沢計GS−4K(スガ試験機社製)により測定した。60°光沢値が80以上である場合を合格とし、85以上を優良とした。
ダストなじみ性
塗装時のダストによる肌荒れの状態を、下記基準に基づき、目視で評価した。
A:全く異常なし
B:肌荒れが極わずかに認められる
C:肌荒れがわずかに認められる
D:肌荒れが顕著に認められる
Figure 0005324715
Figure 0005324715
表4および表5中、RTは室温を表す。
実施例は、いずれの方法においても、混層やワキの見られない良好な外観が得られ、また、耐候性、そして二次密着性、防錆性および耐水性に優れる複層塗膜を形成することができた。また、ポリエステル樹脂を下塗り塗料および上塗り塗料の両方に含んでいる実施例1〜3、6,9、10、は、ダストなじみ性がA評価であり、非常に良好である。
比較例1は、上塗り塗料組成物においてアクリル樹脂が含まれない実験例である。この場合は、塗膜外観(光沢)および耐候性が悪い。比較例2は、上塗り塗料にシリコン系表面調整剤を配合した例であり、上塗り塗料のラメラ長が4mm以上となり、ワキが発生し、塗膜外観が低下した。比較例3は、Δγが−2以下となっており、混層が発生し、外観不良となった。比較例4は、Δγが−2以下であり混層が発生し、外観不良となり、かつ下塗り塗料のラメラ長が4mm以上となり、ワキが発生し、外観が低下した。
本発明によって、厚膜領域においてもワキの発生しにくい良好な外観と、優れた耐候性および防食性を有する複層塗膜を、ウェットオンウェット塗装によって形成することができる。本発明において形成される複層塗膜は、熱硬化工程を経ることなく形成されるという特徴も有する。そのため、ヒート設備などを設ける必要がなく、塗装設備投資を削減することができ、そして塗装工程を短縮することができるという産業上の利点がある、本発明の複層塗膜形成方法は、産業機械または建設機械といった、大型で熱容量が大きい被塗物の塗装に特に適している。

Claims (7)

  1. 被塗物上に、下塗り塗料組成物を塗装して、未乾燥の下塗り塗膜を形成する、下塗り塗膜形成工程、
    得られた未乾燥の下塗り塗膜の上に、上塗り塗料組成物を、ウェットオンウェットで塗装し、未乾燥の上塗り塗膜を形成する、上塗り塗膜形成工程、および
    得られた未乾燥の下塗り塗膜および未乾燥の上塗り塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する、乾燥工程、を包含する、複層塗膜形成方法であって、
    該下塗り塗料組成物がアクリル樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(C)とを含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−1)を含む硬化剤および表面調整剤(E―1)を含んでおり、
    アクリル樹脂(A−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E―1)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−1)25〜70質量%、エポキシ樹脂(C)5〜30質量%、イソシアネート化合物(D−1)20〜60質量%および表面調整剤(E―1)0.01〜5質量%であり、
    該上塗り塗料組成物が、アクリル樹脂(A−2)を含む塗膜形成樹脂、イソシアネート化合物(D−2)を含む硬化剤および表面調整剤(E―2)を含んでおり、
    アクリル樹脂(A−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E―2)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−2)30〜70質量%、イソシアネート化合物(D−2)20〜60質量%および表面調整剤(E―2)0.01〜5質量%であり、
    前記下塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)から、前記上塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)を、差し引いた値であるΔγ(γ−γ)が−2〜8mN/mであり、かつ、
    前記下塗り塗料組成物および上塗り塗料組成物がラメラ長4mm以下を有する、複層塗膜形成方法。
  2. 前記アクリル樹脂(A−1)および前記アクリル樹脂(A−2)が、いずれも固形分水酸基価50〜250mgKOH/gであり、前記エポキシ樹脂(C)がエポキシ当量100〜1000g/eqである、請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記下塗り塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂(B−1)を含んでおり、
    前記アクリル樹脂(A−1)、ポリエステル樹脂(B−1)、エポキシ樹脂(C)、イソシアネート化合物(D−1)および表面調整剤(E―1)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−1)25〜50質量%、ポリエステル樹脂(B−1)5〜30質量%、エポキシ樹脂(C)5〜25質量%、イソシアネート化合物(D−1)20〜50質量%および表面調整剤(E―1)0.01〜5質量%であり、
    前記上塗り塗料組成物に含まれる塗膜形成樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂(B−2)を含んでおり、
    前記アクリル樹脂(A−2)、ポリエステル樹脂(B−2)、イソシアネート化合物(D−2)および表面調整剤(E―2)の固形分比率は、アクリル樹脂(A−2)30〜60質量%、ポリエステル樹脂(B−2)5〜35質量%、イソシアネート化合物(D−2)20〜50質量%および表面調整剤(E―2)0.01〜5質量%である、請求項1または2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 前記ポリエステル樹脂(B−1)および(B−2)が、いずれも固形分水酸基価40〜350mgKOH/gを有する請求項3に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 前記表面調整剤(E―1)がアクリル系表面調整剤およびシリコン系表面調整剤のうち、少なくとも一方を含んでおり、かつ、前記表面調整剤(E―2)がアクリル系表面調整剤を含んでいる、請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
  6. 前記下塗り塗膜形成工程における塗装と前記上塗り塗膜形成工程における塗装との時間間隔が0〜60分である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
  7. 前記被塗物が建設機械または産業機械である、請求項1〜6いずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
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