JP2016010740A - 複層塗膜の形成方法 - Google Patents

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洋太郎 阿部
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仁 中塚
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Abstract

【課題】粉体塗料組成物を用いて、2C1B塗装システムのような1ベークにより複層塗膜を形成する方法であって、外観特性に優れる、好ましくはさらに耐食性や耐候性にも優れる複層塗膜を形成できる方法を提供する。【解決手段】被塗物上に下塗り粉体塗料組成物を塗装後、その上に上塗り粉体塗料組成物をさらに塗装した後に焼き付けを行う複層塗膜の形成方法であって、110℃から180℃まで600秒かけて昇温し180℃で900秒間保持したときの時間t秒における下塗り粉体塗料組成物の粘度をη1(t)、上塗り粉体塗料組成物の粘度をη2(t)、n(秒)を整数とするとき、次式で表される粘度対数値の差の合計が60以下である方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗料組成物を用いた塗膜の形成方法に関し、より詳しくは、粉体塗料組成物を用いて1ベークにより複層塗膜を形成するための方法に関する。
環境問題等の観点から、有機溶剤のような溶剤を含有しない粉体塗料が近年広く採用されている。粉体塗料は各種の幅広い分野に適用されており、例えば産業機械や建設機械等の防食塗装用途等にも使用されているが、防食性や耐食性及び耐候性等の要求特性は益々高くなってきており、単層の塗膜ではもはや要求特性を満たす塗膜の実現が困難になってきている。
このような状況下、複数の要求特性を同時に満たす塗膜を得るべく、被塗物に複層塗膜を形成することが現在主流になりつつある。複層塗膜によれば、これを構成する各層に特定の要求特性を持たせ、複層塗膜全体として求められている複数の特性を具備するようにすればよいので、複数の要求特性を同時に満たす塗膜を比較的得やすい。
複層塗膜を形成する方法としては、電着塗料や溶剤型塗料のような下塗り塗料を塗装して乾燥・焼き付けを行った後に、上塗り塗料(粉体塗料であってもよい)を塗装して再度乾燥・焼き付けを行ったり、あるいは、粉体塗料系では下塗り粉体塗料を塗装して焼き付けを行った後に、上塗り粉体塗料を塗装して再度焼き付けを行ったりする、いわゆる「2コート2ベーク(2C2B)」塗装システムが従来知られている。しかしながら2C2B塗装システムは、「1コート1ベーク(1C1B)」塗装システムを採用するこれまでの塗装ラインに対して大幅な設備改修及び多大な改修費用が必要であるし、スペースの関係上、塗装ブース及び焼き付け乾燥炉を新たに1基ずつ増設することが困難で、このような設備改修自体を実施できないこともある。また2C2B塗装システムは、工程数が多く生産性にも劣る。
2C2B塗装システムの問題点を改善し得る粉体塗料塗装システムとして、下塗り粉体塗料を塗装した後、焼き付けを行うことなくドライオンドライで上塗り粉体塗料を塗装し、その後に1回焼き付けを行って下塗り塗膜と上塗り塗膜を同時に硬化させる「2コート1ベーク(2C1B)」塗装システムが提案されている(例えば特許文献1及び2)。2C1B塗装システムは、1C1B塗装システムに対する設備改修が2C2B塗装システムに比べて軽微であり、改修に必要なスペースも小さくて済み、また改修費用も低減することができる。また2C2B塗装システムに比べて工程数も少ないので、生産性にも優れている。
国際公開第2013/141915号 米国特許出願公開第2014/0011040号明細書
特許文献1及び2には、粉体塗料を2C1B塗装システムで塗装する方法において、傾斜式溶融フロー試験によって測定される溶融フロー値がより小さいもの(粘度がより大きいもの)を下塗り粉体塗料に用い、溶融フロー値がより大きいもの(粘度がより小さいもの)を上塗り粉体塗料に用いることで、エッジ被覆性と表面平滑性とが両立された複層塗膜を形成できることが記載されている。
しかしながら本発明者らによる検証実験によれば、特許文献1及び2に記載の方法では塗膜の外観特性が不十分になることがあり、具体的には、塗膜表面にゆず肌状の模様が生じる等、塗膜表面に微小凹凸が生じたり、塗膜表面にクラックが生じたりすることがあった。これらの不具合は塗膜外観上は勿論のこと、塗膜の耐食性や耐候性に悪影響を与えることもある。このような微小凹凸やクラックは、硬化する際の塗膜の歪みや縮みに起因するものと推定される。
そこで本発明は、粉体塗料組成物を用いて、2C1B塗装システムのような1ベークにより複層塗膜を形成する方法であって、外観特性に優れる、好ましくはさらに耐食性や耐候性にも優れる複層塗膜を形成できる方法の提供を目的とする。
本発明は、以下に示す複層塗膜の形成方法を提供する。
[1]被塗物上に下塗り粉体塗料組成物を塗装後、その上に上塗り粉体塗料組成物をさらに塗装した後に焼き付けを行う複層塗膜の形成方法であって、
110℃から180℃まで600秒かけて昇温し180℃で900秒間保持したときの時間t秒における下塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη1(t)、上塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη2(t)、n〔秒〕を整数とするとき、下記式:
Figure 2016010740
で表される粘度対数値の差の合計が60以下である、方法。
[2]前記下塗り粉体塗料組成物及び前記上塗り粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される1種以上のビヒクル樹脂を含む、[1]に記載の方法。
[3]前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物とは、塗料組成が互いに異なる、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記下塗り粉体塗料組成物が防錆顔料を含有し、前記上塗り粉体塗料組成物が防錆顔料不含有である、[3]に記載の方法。
[5]前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物とは、エポキシ樹脂の含有量が互いに異なる、[3]又は[4]に記載の方法。
[6]前記下塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量が3〜100質量%であり、前記上塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量が3質量%以下である、[5]に記載の方法。
[7]前記下塗り粉体塗料組成物及び前記上塗り粉体塗料組成物は、同じ硬化系によって硬化する硬化性塗料組成物である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物との間の色差ΔEが1以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
本発明の方法によれば、粉体塗料組成物を用いて、2C1B塗装システムのような1ベークにより複層塗膜を形成する方法において、外観特性に優れる複層塗膜を形成することができる。また本発明の方法によれば、外観特性に優れるとともに、耐食性及び/又は耐候性にも優れる複層塗膜を形成することもできる。
ソリキッドメータによる測定により得られた粉体塗料組成物HAA1、HAA2及びHAA3の時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線である。 ソリキッドメータによる測定により得られた粉体塗料組成物BI1、BI2及びBI3の時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線である。 ソリキッドメータによる測定により得られた粉体塗料組成物HB1、HB2及びHB3の時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線である。 ソリキッドメータによる測定により得られた粉体塗料組成物E1、E2及びE3の時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線である。 ソリキッドメータによる測定により得られた粉体塗料組成物T1、T2及びT3の時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線である。
本発明に係る複層塗膜形成方法は、下塗り粉体塗料組成物を塗装した後、焼き付けを行うことなくドライオンドライで上塗り粉体塗料組成物を塗装し、その後に1回焼き付けを行って下塗り塗膜と上塗り塗膜を同時に硬化させる2C1B塗装システムによる塗膜形成方法であり、具体的には、下記工程:
被塗物上に下塗り粉体塗料組成物を塗装して、焼き付け処理を行っていない未硬化の下塗り塗膜を形成する第1工程、
未硬化の下塗り塗膜上に、上塗り粉体塗料組成物をドライオンドライで塗装し、焼き付け処理を行っていない未硬化の上塗り塗膜を形成する第2工程、及び
焼き付けを行って、未硬化の下塗り塗膜と未硬化の上塗り塗膜を同時に硬化させることにより複層塗膜を形成する第3工程
をこの順に含む。
本発明では、上記のような複層塗膜形成方法において、下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物として、特定の塗料粘度の関係を充足するものを用いる。すなわち、下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物として、110℃から180℃まで600秒かけて昇温し180℃で900秒間保持したときの時間t秒における下塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη1(t)、上塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη2(t)、n〔秒〕を整数とするとき、下記式:
Figure 2016010740
で表される粘度対数値の差(絶対値)の合計が60以下となるような組み合わせが用いられる。温度が110℃である粉体塗料組成物を昇温し始める時点をt=0とする。粘度測定終了時の時間はt=1500秒である。
上記式は、下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物についてソリキッドメータ(動的粘弾性測定装置)を用いて上記温度プロファイルにおける時間t〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線を測定し、時間t=0秒(昇温開始時)、t=1500秒(180℃保持終了時=粘度測定終了時)、並びにそれらの間にある15秒間隔ごとの時間t(すなわち、t=15、30、45、60、・・・、1470、及び1485秒)のそれぞれについて、下塗り粉体塗料組成物の粘度の対数値〔上記式のlog10η1(15n)に相当〕と上塗り粉体塗料組成物の粘度の対数値〔上記式のlog10η2(15n)に相当〕との差の絶対値を求め、それらを(n=0〜100まで、すなわちt=0〜1500秒まで)すべて加算した合計値を意味している。
上記式で表される粘度対数値の差の絶対値の合計(以下では、略して「粘度差合計値」ともいう)が60以下となるような下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物の組み合わせを用いることにより、ゆず肌模様のような微小凹凸や、クラックの発生等の不具合を抑制して外観特性に優れる複層塗膜を形成することができ、さらには良好な耐食性及び/又は耐候性を維持しながら、外観特性に優れる複層塗膜を形成することもできる。上記外観上の不具合をより効果的に抑制する観点から、粘度差合計値は、好ましくは50以下、より好ましくは40以下である。
下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物は上記粘度差合計値を充足する組み合わせである限り特に制限されないが、いずれも熱硬化性の粉体塗料組成物であることが好ましく、とりわけ温度120〜260℃(好ましくは140〜220℃)、焼き付け時間10秒〜120分間(好ましくは1〜60分間)の焼き付け処理で硬化塗膜を形成し得る硬化性粉体塗料組成物であることがより好ましい。下塗り粉体塗料組成物又は上塗り粉体塗料組成物となり得る硬化性粉体塗料組成物は、ビヒクル樹脂(基体樹脂)と、通常は架橋剤(硬化剤)とを含有するものであることができる。
ビヒクル樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等であることができる。下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物は、ビヒクル樹脂を1種のみ含有していてもよいし2種以上含有していてもよい。
ビヒクル樹脂として用い得るエポキシ樹脂の具体例は、ビスフェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;グリシジルエステルやエポキシ基含有不飽和モノマー由来の構成単位を含む重合体又は共重合体を含む。中でも、耐食性等の観点からは、ビスフェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂を架橋(硬化)させるための架橋剤(硬化剤)の具体例は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンのような脂肪族アミン類;m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンのような芳香族アミン類、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸のような酸無水物;ジシアンジアミド又はその誘導体;フェノール樹脂;ジヒドラジド;イミダゾール化合物;芳香族スルホニウム塩;カルボキシル基を有するポリエステル樹脂を含む。エポキシ樹脂用架橋剤(硬化剤)は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
ビヒクル樹脂として用い得るポリエステル樹脂は、水酸基及び/又はカルボキシル基含有ポリエステル樹脂であることができる。ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸又はそのメチルエステルと多価アルコールとのエステル化反応により製造することができる。多塩基酸の具体例は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、(無水)トリメリット酸を含む。多価アルコールの具体例は、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンを含む。ポリエステル樹脂は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂を架橋(硬化)させるための架橋剤(硬化剤)の具体例は、ブロックポリイソシアネート(BI);脂肪族、芳香族又は脂環族ポリイソシアネート;トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC);β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド);アミノ樹脂(メラミン樹脂等);ジシアンジアミド又はその誘導体;フェノール樹脂;エポキシ樹脂;ジヒドラジド;グリシジル基含有アクリル樹脂を含む。中でも、低温硬化性や耐候性、耐食性等の観点からは、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド)、ブロックポリイソシアネート(BI)が好ましく用いられる。ポリエステル樹脂用架橋剤(硬化剤)は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
ビヒクル樹脂として用い得るアクリル樹脂は、架橋性官能基としてグリシジル基、水酸基、カルボキシル基等を有するものであることができる。
グリシジル基含有アクリル樹脂は、グリシジル基含有(メタ)アクリルモノマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート)を共重合成分として含有するものであることができる。グリシジル基含有アクリル樹脂のための架橋剤(硬化剤)の具体例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピロメリット酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシリル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、エイコサン二酸のような二塩基酸等の多塩基酸又はその酸無水物;ジシアンジアミド又はその誘導体;カルボキシル基を有するポリエステル樹脂を含む。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和モノマー(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)を共重合成分として含有するものであることができる。水酸基含有アクリル樹脂のための架橋剤(硬化剤)の具体例は、ブロックポリイソシアネート(BI)、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)を含む。
カルボキシル基含有アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有不飽和モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸)を共重合成分として含有するものであることができる。カルボキシル基含有アクリル樹脂のための架橋剤(硬化剤)の具体例は、β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド);エポキシ樹脂を含む。
アクリル樹脂、アクリル樹脂用架橋剤(硬化剤)はそれぞれ1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物は、上記ビヒクル樹脂及び架橋剤(硬化剤)以外の他の添加剤を含有することができる。添加剤としては、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、防錆顔料、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、密着性付与剤、表面調整剤、ハジキ防止剤、ワキ防止剤等を挙げることができる。下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物は、添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
着色顔料の具体例は、カーボンブラック、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、二酸化チタン、亜鉛華、リトポン、鉛白、硫化亜鉛、酸化アンチモンのような無機系顔料や、ハンザイエロー5G、パーマネントエローFGL、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK、ブリリアントファーストスカーレットG、パリオゲンレッド3910のような有機系顔料を含む。体質顔料の具体例は、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、微粉珪酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイトを含む。光輝性顔料の具体例は、パール顔料、金属粉(例えば、アルミニウム粉、ステンレス鋼粉)、金属フレーク、ガラスビーズ、ガラスフレーク、雲母、リン片状酸化鉄を含む。
防錆顔料の具体例は、縮合リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウム〔例えば、トリポリリン酸アルミニウム(トリポリリン酸二水素アルミニウム)〕、リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マンガン、亜鉛末、リン酸マグネシウム、リン酸バナジウム、酸化バナジウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウムを含む。
密着性付与剤の具体例は、塗膜の密着性を向上させ得る官能基(例えば、カルボン酸基、リン酸基、エポキシ基、水酸基、シラノール基、フェノール基等)を末端及び/又は側鎖に有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂や、シラノール、アルコキシシリル基のような官能基を有するシロキサン樹脂、及びこれらの樹脂を多孔質シリカ等の媒体に担持させた添加剤を含む。
下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物とは、塗料組成が互いに異なっていることが好ましい。これにより、下塗り粉体塗料組成物によって形成される下塗り塗膜と、上塗り粉体塗料組成物によって形成される上塗り塗膜とに互いに異なる特性を付与することが可能になり、複数の要求特性を同時に満たす塗膜(複合塗膜)を実現しやすい。
例えば、1つの実施形態において、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物とは、1種又は2種以上の添加剤の含有量が互いに異なっている。かかる実施形態の一例としては、下塗り粉体塗料組成物に防錆顔料を含有させることによって下塗り塗膜に耐食性を付与する一方、上塗り粉体塗料組成物には防錆顔料を含有させない構成を挙げることができる。また他の一例としては、下塗り粉体塗料組成物に密着性付与剤を含有させることによって被塗物と下塗り塗膜との密着性を向上させる一方、上塗り粉体塗料組成物には密着性付与剤を含有させない構成を挙げることができる。
また、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物との間に色差ΔEが生じるように、着色顔料の種類や含有量を互いに異ならせてもよい。
また他の実施形態において、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物とは、ビヒクル樹脂としてのエポキシ樹脂の含有量が互いに異なっている。かかる実施形態の一例としては、下塗り粉体塗料組成物にエポキシ樹脂を比較的多く含有させることによって下塗り塗膜の耐食性や、被塗物と下塗り塗膜との密着性を向上させる一方、上塗り粉体塗料組成物のエポキシ樹脂含有量を比較的少なくするか、又はエポキシ樹脂を含有させない構成を挙げることができる。この例において、下塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量は、例えば3〜100質量%、好ましくは40〜100質量%であることができ、上塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量は、例えば3質量%以下、好ましくは1質量%以下であることができる。3質量%以下にすることにより、複層塗膜の耐候性を向上させることができる。
一方、粘度差合計値を上記所定の範囲内とするために好ましく採用される塗料配合は、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物とに同系のビヒクル樹脂を用いることである。この場合、耐候性に優れた複層塗膜を得ることができ、またコスト面にも優れることから、ビヒクル樹脂としてポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
さらに、硬化性塗料組成物である下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物の硬化系が同じであると、粘度差合計値を上記所定の範囲内への調整がより容易となる。また硬化系が同じであると、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物の配合組成がより近くなるため、一方の粉体塗料組成物に配合されているが他方の粉体塗料組成物には配合されていない配合成分により他方の粉体塗料組成物が汚染されることによって生じ得る外観不良(ゆず肌模様のような微小凹凸や、クラック)をも抑制することが可能となる。硬化系が同じであるとは、ビヒクル樹脂の硬化に用いる架橋剤(硬化剤)が同じであることを意味する。好ましくは、下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物は、ビヒクル樹脂が同じであり、かつ硬化系が同じである。ビヒクル樹脂がポリエステル樹脂である場合、耐候性及び低温硬化性が良好であることから、架橋剤(硬化剤)にはβ−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド)等を用いることが好ましい。
また、上塗り粉体塗料組成物の塗装の際、上塗り粉体塗料組成物によって下塗り塗膜が隠蔽されたことを目視で容易に確認することができ、塗装作業効率の向上に有利であることから、下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物との間に色差ΔEを生じさせることが好ましい。色差ΔE(絶対値)は、例えば1以上であり、好ましくは5以上である。着色顔料の種類や含有量を互いに異ならせることによって色差ΔEを生じさせることができる。色差ΔEは、色差計を用いて測定することができる。
下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物は、例えば、ビヒクル樹脂、架橋剤(硬化剤)及び必要に応じて添加される添加剤を乾式混合し、ビヒクル樹脂の軟化点以上の温度で溶融混練した後、必要に応じて粉砕、分級を行うことによって調製することができる。乾式混合においては、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー等の各種ミキサーを用いることができる。溶融混練には加熱ロール機、加熱ニーダー機、エクストルーダー等を用いることができる。溶融混練時の加熱温度は、焼き付け温度よりも低く、少なくとも原料の一部が溶融し全体を混練することができる温度であることが好ましく、一般には80〜140℃程度であることが好ましい。下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物の重量平均粒子径は特に制限されず、例えば10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
複層塗膜は、上述の第1〜第3工程を含む方法によって形成することができる。下塗り粉体塗料組成物が塗装される被塗物は、塗装面が例えばアルミニウム、鉄、亜鉛、錫、ステンレス、銅のような金属で構成されたものであることができる。被塗物の塗装面は、電着塗膜、中塗り塗膜又は着色ベース塗膜(ソリッドカラー、メタリックカラー等)のような下地塗膜が施されていてもよく、また、各種表面処理が施されていてもよい。
第1及び第2工程における下塗り粉体塗料組成物及び上塗り粉体塗料組成物の塗装方法としては、静電塗装法、流動浸漬法のような一般的な方法を用いることができるが、好ましくは静電塗装法である。第3工程での焼き付け硬化おける加熱温度は、ビヒクル樹脂や架橋剤(硬化剤)の種類によって異なるが、通常120〜260℃であり、好ましくは140〜220℃である。焼き付け時間は、焼き付け温度に応じて、通常10秒〜120分間、好ましくは1〜60分間、より好ましくは5〜40分間程度とすることができる。得られる複層塗膜の膜厚は、通常20〜200μm、好ましくは30〜150μmである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<製造例>
(1)粉体塗料組成物の調製
表1又は表2に示される配合成分を表1又は表2に示される配合量(質量部)で、混合機スーパーミキサー(日本スピンドル社製)を用いて約3分間混合し、さらに溶融混練機コニーダー(ブス社製)を用いて約110℃で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を室温まで冷却した後、粉砕機アトマイザー(不二パウダル社製)を用いて粉砕して、粉体塗料組成物を得た。
Figure 2016010740
Figure 2016010740
調製した粉体塗料組成物の概要は次のとおりである。
〔a〕HAA1; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂、硬化剤:β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド)、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料なし、
〔b〕HAA2; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂、硬化剤:β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド)、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔c〕HAA3; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂、硬化剤:β−ヒドロキシアルキルアミド(プリミド)、色相:黄色、上塗り用、防錆顔料なし、
〔d〕BI1; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:ブロックポリイソシアネート、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料なし、
〔e〕BI2; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:ブロックポリイソシアネート、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔f〕BI3; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:ブロックポリイソシアネート、色相:黄色、上塗り用、防錆顔料なし、
〔g〕HB1; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:ポリエステル樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料なし、
〔h〕HB2; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:ポリエステル樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔i〕HB3; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:ポリエステル樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔j〕E1; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:フェノール樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料なし、
〔k〕E2; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:フェノール樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔l〕E3; ビヒクル樹脂:エポキシ樹脂、硬化剤:フェノール樹脂、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔m〕T1; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:トリグリシジルイソシアヌレート、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料なし、
〔n〕T2; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:トリグリシジルイソシアヌレート、色相:グレー、下塗り用、防錆顔料あり、
〔o〕T3; ビヒクル樹脂:ポリエステル樹脂、硬化剤:トリグリシジルイソシアヌレート、色相:黄色、上塗り用、防錆顔料なし。
また、粉体塗料組成物の調製に用いた配合成分の詳細は次のとおりである。
〔p〕ポリエステル樹脂1; ダイセル・サイテック社製「CRYLCOAT2617−3」(酸価33mg KOH/g、ガラス転移点温度62℃)、
〔q〕ポリエステル樹脂2; 大日本インキ社製「ファインディック M−8020」(水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基価25〜35mg KOH/g)、
〔r〕エポキシ樹脂1; 東都化成社製「エポトートYD−014」(エポキシ当量950g/eq)、
〔s〕エポキシ樹脂2; 三菱化学社製「jER−1004F」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量875〜975g/eq)、
〔t〕硬化剤1; EMS−PRIMD社製「プリミドXL552」(β−ヒドロキシアルキルアミド硬化剤、水酸基価600〜725mg KOH/g)、
〔u〕硬化剤2; エボニック社製「VESTAGON B1530」(ブロックポリイソシアネート)、
〔v〕硬化剤3; 油化シェルエポキシ社製「エピキュア170」(フェノール樹脂系硬化剤、フェノール性水酸基当量286〜400g/eq)、
〔w〕硬化剤4; 日産化学工業(株)製「TEPIC」(トリグリシジルイソシアヌレート硬化剤、エポキシ当量105g/eq)、
〔x〕硬化剤5; 大日本インキ社製「ファインディック M−8845」(カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、酸価42〜48mg KOH/g)、
〔y〕表面調整剤; BASF社製「アクロナール4F」(Tgが−55℃、溶解性パラメーターSPが9.3、数平均分子量が16500のアクリル重合体)、
〔z〕硬化促進剤; 四国化成工業社製「キュアゾール2MZ」(2−メチルイミダゾール)、
〔aa〕ワキ防止剤; ベンゾイン、
〔bb〕カーボンブラック; 旭カーボン社製「SUNBLACK X15」、
〔cc〕二酸化チタン; 石原産業社製「タイペークCR−90」(ルチル型二酸化チタン顔料)、
〔dd〕黄色酸化鉄; チタン工業社製「TAROX HY−100」、
〔ee〕防錆顔料; 広西化工院社製「CLF−102」(トリポリ燐酸アルミニウム系防錆顔料)。
(2)粉体塗料組成物の粘度特性及び色差測定
〔a〕粘度特性の測定
調製した粉体塗料組成物の粘度特性を測定した。具体的には、下記のソリキッドメータ(動的粘弾性測定装置)を用いて、110℃から180℃まで600秒かけて昇温し180℃で900秒間保持する温度プロファイルにおける塗料粘度を下記の条件にて測定し、時間〔秒〕対粘度〔ポイズ〕曲線を得た。HAA1、HAA2及びHAA3の曲線を図1に、BI1、BI2及びBI3の曲線を図2に、HB1、HB2及びHB3の曲線を図3に、E1、E2及びE3の曲線を図4に、T1、T2及びT3の曲線を図5にそれぞれ示す。各図において、t=0は昇温開始時である。
(測定装置)
ユービーエム社製「Rheosol−G3000」(パラレルプレート使用、解析には付属ソフトを使用)
(測定条件)
粉体塗料組成物0.5gを内径2cmのダイスに入れ、300kgf/cm2のプレス圧力で1分間保持してペレット状に成形した。この成形試料について、上記測定装置を用いて2Hz、0.5degの条件で粘度測定を行った。
また付属の解析ソフトを使用して、得られた時間対粘度曲線から、上記式で表される粘度対数値の差(絶対値)の合計(粘度差合計値)を、下記の実施例及び比較例における下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物の各組み合わせについて求めた。結果を下記の表3に示す。
〔b〕色差の測定
下記の実施例及び比較例における下塗り粉体塗料組成物と上塗り粉体塗料組成物の各組み合わせについて色差ΔEを測定した。測定には、三刺激値色彩計SMカラーメーター(型式SM−T45、スガ試験機(株)製、規格JIS Z 8722)を用いた。結果を下記の表3に示す。
<実施例1〜29、比較例1〜7>
(1)複層塗膜の形成
0.8mm厚のリン酸亜鉛処理鋼板に表3に示される下塗り粉体塗料組成物を、硬化後の膜厚が40±5μmとなるように静電塗装して、未硬化の下塗り塗膜を形成した。次いで、この下塗り塗膜上に、表3に示される上塗り粉体塗料組成物を、硬化後の膜厚が50±5μmとなるように静電塗装して、未硬化の上塗り塗膜を形成した。その後、熱風乾燥炉にて180℃で25分間加熱し焼き付け硬化を行って、硬化複合塗膜を得た。
(2)複層塗膜の評価
〔a〕外観の目視評価
得られた複層塗膜を目視で観察し、その外観を下記の評価基準に従って評価した。目視観察にあたっては、塗膜表面における外観上の不具合、すなわち、ゆず肌状の模様のような微小凹凸、ブツ及びクラックの有無を主に確認した。結果を表3に示す。
A:外観上の不具合が認められない、
B:外観上の不具合がごくわずかに認められるが、実用上支障のない程度である、
C:上記B以上に外観上の不具合が認められ、実用上支障が生じるおそれがある、
D:外観上の不具合が多く認められ、明らかに実用に適さない。
〔b〕表面平滑性の評価
得られた複層塗膜表面の20°グロス及び60°グロスを光沢測定器(東洋精機製作所社製「BYKガードナー・マイクロ−トリ−グロス」)を用いて測定した。結果を表3に示す。この光沢度の測定は、塗膜の表面平滑性を評価するためのものであり、ゆず肌状の模様のような微小凹凸等が抑制されており、表面平滑性が高いと20°グロス及び60°グロスは大きくなる。
〔c〕複層塗膜の耐食性の評価
得られた複層塗膜に、基材(リン酸亜鉛処理鋼板)に達するようにカッターナイフで長さ10cmのクロスカット傷を入れた。JIS K 5600−7−1(JIS Z 2371)に規定される耐中性塩水噴霧性試験法に従い、塩水噴霧試験機ST−11L(スガ試験機社製)を用いて、1000時間の塩水噴霧試験を実施した。その後、クロスカット部からの錆及びフクレの発生を、下記評価基準に基づいて耐食性を目視で評価した。結果を表3に示す。
A:発生した錆又はフクレの最大幅がクロスカット部より2mm未満、
B:発生した錆又はフクレの最大幅がクロスカット部より2mm以上4mm未満、
C:発生した錆又はフクレの最大幅がクロスカット部より4mm以上。
〔d〕複層塗膜の耐候性の評価
得られた複層塗膜について、JIS K 5600−7−7に規定されるキセノンランプ法に従い、キセノンウェザーメーターSX2−75(スガ試験機社製)を用いて促進耐候性試験を実施した。試験時間1000時間後の塗膜の光沢値を、多角度光沢計GS−4K(スガ試験機社製)により測定し、試験前の光沢値に対する変化率(光沢保持率)を求め、下記評価基準に基づいて耐候性を評価した。結果を表3に示す。
A:光沢保持率が90%以上、
B:光沢保持率が80%以上90%未満、
C:光沢保持率が80%未満。
Figure 2016010740

Claims (8)

  1. 被塗物上に下塗り粉体塗料組成物を塗装後、その上に上塗り粉体塗料組成物をさらに塗装した後に焼き付けを行う複層塗膜の形成方法であって、
    110℃から180℃まで600秒かけて昇温し180℃で900秒間保持したときの時間t秒における下塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη1(t)、上塗り粉体塗料組成物の粘度〔ポイズ〕をη2(t)、n〔秒〕を整数とするとき、下記式:
    Figure 2016010740
    で表される粘度対数値の差の合計が60以下である、方法。
  2. 前記下塗り粉体塗料組成物及び前記上塗り粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される1種以上のビヒクル樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物とは、塗料組成が互いに異なる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記下塗り粉体塗料組成物が防錆顔料を含有し、前記上塗り粉体塗料組成物が防錆顔料不含有である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物とは、エポキシ樹脂の含有量が互いに異なる、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記下塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量が3〜100質量%であり、前記上塗り粉体塗料組成物に含まれるビヒクル樹脂中におけるエポキシ樹脂の含有量が3質量%以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記下塗り粉体塗料組成物及び前記上塗り粉体塗料組成物は、同じ硬化系によって硬化する硬化性塗料組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記下塗り粉体塗料組成物と前記上塗り粉体塗料組成物との間の色差ΔEが1以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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