JP6933588B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複層塗膜形成方法に関するものである。
従来、被塗装材の耐久性、美観等を高めるために、各種粉体塗料や溶剤型塗料が用いられている。
しかし、被塗装材には、アルミニウム鋳物、亜鉛溶射鋼材、亜鉛めっき鋼材等のように、それらの製造法に由来した多くの孔を有するものが少なくない。こういった多孔質素材に塗料を塗布し、加熱すると、孔内の空気が膨張して発泡し、膨張が激しい場合は塗膜が破断して、硬化後の塗膜に外観上の欠陥が生じることがある。
上記問題点を解決するため、例えば特許文献1では、被塗物を加熱し塗装する、いわゆる熱間塗装が開示されている。
また、変性エポキシ系プライマー塗料を使用したり、孔を修正するために、塗装の仕上げ工程においてパテ埋めを行ったりして対応することもある。
さらに、WAXなどを上塗粉体塗料に添加して対応することもある。
特開2002−66451号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような加熱処理の温度は、通常、塗料の硬化温度より高いので、加熱処理の直後に塗料を塗布すると、ワキ(発泡による外観不良)、レベリング不良等の外観上の欠陥が生じる場合がある。
この種の欠陥を抑えるためには、塗装する前に、素材を40〜100℃程度に冷却して、外観上の欠陥が生じないようにしなければならない。しかし、冷却すると空気が孔内に再び入り込むので、塗装後、塗膜を硬化させるべく加熱すると、孔内の空気が膨張して発泡し、硬化後の塗膜にワキが生じる場合がある。
また、変性エポキシ系プライマー塗料を使用しても、発泡抑制効果が少ない場合も多く、パテ埋めについては作業工程が増えて煩雑である。
さらに、WAXなどを上塗粉体塗料に添加して対応する場合、発泡抑制効果が上がらなかったり、トップコート又は補修塗装に対する付着性が劣ったりする場合がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、多孔質な素材上に塗料塗膜を形成するにあたり、発泡による外観不良を防止するためにプライマー塗膜を設けて複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法であって、十分な発泡抑制効果を発揮するとともに、プライマー塗膜の素材に対する付着性、複層塗膜の硬度及び複層塗膜の耐湿性にも優れる複層塗膜形成方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、多孔質金属材料又は多孔質合金材料からなる被塗物に、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有するプライマー塗料を塗装して、乾燥膜厚が20μmより大きく60μm以下のプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗装して上塗塗膜を形成することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>〜<6>に関するものである。
<1>多孔質金属材料又は多孔質合金材料からなる被塗物に、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有するプライマー塗料を塗装して、乾燥膜厚が20μmより大きく60μm以下のプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗装して上塗塗膜を形成する、複層塗膜形成方法。
<2>前記プライマー塗料が顔料を含有する、<1>に記載の複層塗膜形成方法。
<3>前記ポリアミドアミン樹脂の重量平均分子量が800〜7000である、<1>又は<2>に記載の複層塗膜形成方法。
<4>前記ポリアミドアミン樹脂の活性水素当量が90〜500である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
<5>前記プライマー塗料を強制乾燥させる際の温度が40〜180℃であり、乾燥時間が5〜120分である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
<6>前記プライマー塗料を常温乾燥させる際の温度が10〜40℃であり、乾燥時間が2〜72時間である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の複層塗膜形成方法。
本発明によれば、多孔質な素材上に複層塗膜を形成する際に、発泡による外観不良を防止するだけでなく、プライマー塗膜の素材に対する付着性、複層塗膜の硬度及び複層塗膜の耐湿性にも優れる複層塗膜形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
本発明の複層塗膜形成方法は、多孔質金属材料又は多孔質合金材料からなる被塗物に、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有するプライマー塗料を塗装して、乾燥膜厚が20μmより大きく60μm以下のプライマー塗膜を形成し、該プライマー塗膜上に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗装して上塗塗膜を形成することを特徴とする。
[被塗物]
本発明の被塗物は、多孔質金属材料又は多孔質合金材料からなる。
多孔質金属とは、金属粉末や金属繊維を焼結して成形した多孔体のことを言い、該金属としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、スズ、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。
多孔質合金とは、複数の金属元素あるいは金属元素と非金属元素からなる合金を焼結して成形した多孔体のことを言い、該合金としては、例えば、鉄合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、マグネシウム合金等が挙げられる。
本発明の被塗物としては、例えば、アルミニウムダイキャスト、アルミニウム溶射鉄板、亜鉛溶射鉄板(メタリコン)、亜鉛溶射鋼板、マグネシウム板等が挙げられる。
これらの中でも、塗装焼付時に気泡がより発生しやすい素材である、亜鉛溶射鋼板、アルミニウムダイキャストを好適に用いることができる。
[プライマー塗膜]
本発明で使用するプライマー塗膜は、被塗物にポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有するプライマー塗料を塗装して形成する。
ポリアミドアミン樹脂は吸湿性を持つので、プライマー塗膜の細孔に残存する水分を吸収し、プライマー塗膜焼付加熱時に水分を拡散させる。また、ポリアミドアミン樹脂を含有することによって、プライマー塗膜は柔軟性が高く加熱によってフローしやすい状態になるため、プライマー塗膜に発泡が起こった後プライマー塗膜が再融着し、発砲跡が残りにくくなると推測される。
また、プライマー塗膜中のエポキシ樹脂を架橋硬化させることによって、プライマー塗膜の被塗物への付着性が発揮され、プライマー塗膜として求められる防食性能を持った強靭な塗膜となる。
(ポリアミドアミン樹脂)
本発明で使用するポリアミドアミン樹脂は、脂肪族ポリアミンとジカルボン酸もしくは芳香族ポリアミンとジカルボン酸の反応から得られ、アミド結合を有し、エポキシ基と反応し得る活性水素を有する。
上記脂肪族ポリアミンもしくは芳香族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アミノエチルピペラジン、メチルイミノビスプロピルアミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ベンジルエチレンジアミン、オレイルアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、4−クロロ−O−フェニレンジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、脂肪酸由来の長鎖構造、エポキシ樹脂との反応性及び溶剤に対する溶解性を持ったポリアミドアミン樹脂を生成させるという観点から、ジエチレントリアミンが好ましい。
上記ジカルボン酸もしくはモノカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸等が挙げられる。
これらの中でも、長鎖構造の柔軟なポリアミドアミン樹脂を生成させる観点から、ダイマー酸が好ましい。
ポリアミドアミン樹脂の重量平均分子量としては、800〜7000が好ましく、6000〜7000がより好ましく、6500〜6800がさらに好ましい。
ポリアミドアミン樹脂の重量平均分子量が800未満だと、プライマー塗料の粘度が低くなりすぎる傾向があり、ポリアミドアミン樹脂の重量平均分子量が7000より大きいと、溶解性が悪くなる傾向があるからである。
なお、本明細書において、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
ポリアミドアミン樹脂の活性水素当量としては、90〜500が好ましく、200〜500がより好ましく、350〜475がさらに好ましい。
ポリアミドアミン樹脂の活性水素当量が90未満だと、反応性が高すぎる傾向があり、ポリアミドアミン樹脂の活性水素当量が500より大きいと、反応性が低く、プライマー塗膜の金属付着性が低下する傾向があるからである。
なお、本明細書においてポリアミドアミン樹脂の活性水素当量とは、ポリアミドアミン樹脂の重量平均分子量を活性水素数で割ることで得られる、活性水素1個あたりの重量平均分子量を意味する。
(エポキシ樹脂)
本発明で使用するエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは平均2個以上、より好ましくは平均2〜5個有する樹脂である。
エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、多価アルコール、多価フェノール等とエピハロヒドリン又はアルキレンオキシドとを反応させて得ることができるグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂である。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール等を挙げることができる。
多価フェノールの例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テトラヒドロキシフェニルエタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロポキシ)プロパン、ノボラック型多価フェノール、クレゾール型多価フェノール等を挙げることができる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等を挙げることができる。
その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
脂環族エポキシ樹脂としては、例えば、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等を挙げることができる。
また、エポリードGT300(ダイセル化学工業株式会社製、商品名、3官能脂環式エポキシ樹脂)、エポリードGT400(ダイセル化学工業株式会社製、商品名、4官能脂環式エポキシ樹脂)、EHPE(ダイセル化学工業株式会社製、商品名、多官能脂環式エポキシ樹脂)等も挙げることができる。
また、エポキシ樹脂として、アルキルフェノール又はアルキルノボラックフェノール型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなる、エポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルノボラックフェノールエポキシ樹脂を使用することができる。
さらに、エポキシ樹脂として、変性エポキシ樹脂も使用することができ、例えば、ウレタン変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂、末端アルキルフェノール変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアミドアミン樹脂との反応性と塗膜性能の観点から、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、硬化後の塗膜性能・塗膜強度の観点から、300〜2000が好ましく、400〜1500がより好ましく、800〜1000がさらに好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、アミンとの反応性と架橋密度の観点から、100〜1000が好ましく、200〜800がより好ましく、400〜600がさらに好ましい。
なお、本明細書においてエポキシ樹脂のエポキシ当量とは、1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)を意味し、メーカー公表値もしくはJIS K 7236に準じて測定されたエポキシ当量を意味する。
また、変性エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、塗膜性能・塗膜強度の観点から、10000〜50000が好ましく、15000〜45000がより好ましく、25000〜40000がさらに好ましい。
変性エポキシ樹脂のガラス転移温度としては、塗料化する際の溶解性と塗膜強度の観点から、50〜95℃が好ましく、60〜80℃がより好ましく、65〜75℃がさらに好ましい。
なお、本明細書においてガラス転移温度を測定する方法としては、例えば、差走査熱量計「DSC−60」(株式会社島津製作所製)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で−100℃〜+100℃の範囲で熱量変化を測定する方法がある。
ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の固形分含有量は、プライマー塗料全体に対して、合計で5〜50質量%が好ましく、合計で10〜30質量%がより好ましく、合計で10〜20質量%がさらに好ましい。
ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の合計の固形分含有量が、プライマー塗料全体に対して5質量%以上であると、発泡防止効果及び被塗物への付着性が良好となるため好ましく、50質量%以下であると、作業性と研磨性が良好となるため好ましい。
ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の固形分配合比は、ポリアミドアミン樹脂の質量:エポキシ樹脂の質量比として、3:7〜7:3が好ましく、より好ましくは3:7〜6:4、さらに好ましくは4:6〜6:4である。
ポリアミドアミン樹脂の質量:エポキシ樹脂の質量比が前記範囲であると、発泡防止効果と被塗物への付着性のバランスが良好となるため好ましい。
(顔料)
本発明で使用するプライマー塗料は、さらに、顔料を含有してもよい。顔料としては、体質顔料、防錆顔料、着色顔料等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、アルミナホワイト等が挙げられる。
これらの中でも、厚膜塗装と塗膜研磨性の観点から、タルク、炭酸カルシウム、シリカが好ましい。
防錆顔料としては、例えば、トリポリリン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫化合物等が挙げられる。
これらの中でも、防食性付与の観点から、トリポリリン酸アルミニウムが好ましい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、チタン白、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒(アイアンブラック)、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、モノアゾイエロー、オーカー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレット等が挙げられる。
これらの中でも、汎用下塗塗料の色目として白色又はグレーが主要な塗色であるので、酸化チタンが好ましい。
顔料の含有量は、十分な発泡防止効果を得る観点及び塗料の色彩などを形成する観点から、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の固形分合計100質量部に対して、好ましくは150〜310質量部(固形分)、より好ましくは150〜220質量部(固形分)、さらに好ましくは180〜200質量部(固形分)である。
(添加剤)
本発明で使用するプライマー塗料は、さらに、その他の添加剤を含有してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、分散剤、沈降防止剤及び表面調整剤等が挙げられる。
添加剤の含有量は、塗料の性能を向上させる観点から、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の固形分合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部(固形分)、より好ましくは0.5〜8質量部(固形分)、さらに好ましくは0.5〜5質量部(固形分)である。
(溶剤)
本発明で使用するプライマー塗料は、上記成分等を溶剤に分散及び/又は溶解させて得ることができる。
溶剤としては、例えば、芳香族系溶剤、エーテルアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
芳香族系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、スワゾール1000(コスモ石油株式会社製、商品名、高沸点石油系溶剤)等が挙げられる。
エーテルアルコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘプタン、トルエン、オクタン、ミネラルスピリット等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂に対する溶解性の観点から、エーテルアルコール系溶剤またはケトン系溶剤が含まれていることが好ましい。
溶剤の含有量は、貯蔵安定性及び塗装作業性の観点から、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂の固形分合計100質量部に対して、好ましくは100〜400質量部(固形分)、より好ましくは100〜300質量部(固形分)、さらに好ましくは200〜300質量部(固形分)である。
本発明で使用するプライマー塗料は、ポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂、所望により顔料やその他の添加剤等を溶剤中で混合、撹拌させて得ることができる。
[プライマー塗膜形成方法]
本発明のプライマー塗膜は、被塗物に、本発明のプライマー塗料を塗装することにより形成することができる。
上記プライマー塗料の塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、各種コーター塗装、静電塗装等の一般的な方法を用いることができる。
プライマー塗料の塗装は、乾燥膜厚で20μmより大きく60μm以下となるように行われ、好ましくは30〜50μm、より好ましくは30〜40μmである。
乾燥膜厚が20μm以下であると、薄すぎて発泡を防止することができない。また、乾燥膜厚が60μmより大きいと、内部応力過剰による付着性低下の懸念があるため、不適である。
なお、本明細書において、プライマー塗料の乾燥膜厚は、被塗物にプライマー塗料を塗布後、例えば、K 5600−1−7:2014 5.5に準拠し、80℃で30分乾燥させた塗膜を電磁誘導式膜厚測定機(株式会社ケツト科学研究所製 LZ−200J)を用いることによって測定できる。
プライマー塗膜は加熱によって強制乾燥させることができ、その際の温度は40〜180℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜80℃がさらに好ましい。
強制乾燥させる際の乾燥時間は5〜120分が好ましく、10〜40分がより好ましく、2〜30分がさらに好ましい。乾燥時間が短すぎると十分に乾燥させることができず、乾燥時間が長すぎるとプライマー塗膜が変色又は塗膜劣化しやすくなる。
また、プライマー塗膜は常温で乾燥させることもでき、その際の温度は10〜40℃が好ましく、15〜35℃がより好ましく、20〜30℃がさらに好ましい。
常温乾燥させる際の乾燥時間は2〜72時間が好ましく、4〜48時間がより好ましく、6〜24時間がさらに好ましい。乾燥時間が短すぎると十分に乾燥させることができず、乾燥時間が長すぎるとプライマー塗膜が変色又は塗膜劣化しやすくなる。
被塗物にプライマー塗料を塗装する際に、該被塗物が油等の汚染物質で汚染されていなければそのまま塗装してもかまわないが、塗膜との間の付着性、耐食性を改善するために公知の金属表面処理を施すのが望ましい。
公知の表面処理方法としては、リン酸塩系表面処理、クロム酸塩系表面処理、ジルコニウム系表面処理等が挙げられる。
[上塗塗膜]
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記プライマー塗膜上に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗装して上塗塗膜を形成する。
粉体塗料としては、それ自体公知の複層塗膜の上層用粉体塗料を使用することができる。この粉体塗料としては、特に耐候性、加工性等が優れることから熱硬化性アクリル樹脂系粉体塗料、熱硬化性ポリエステル樹脂系粉体塗料を使用することが好ましい。
上記熱硬化性アクリル樹脂系粉体塗料としては、粉体塗装が可能で加熱により硬化する、アクリル樹脂である基体樹脂及びその硬化剤を含有する粉体塗料が挙げられる。例えば、エポキシ基含有アクリル樹脂である基体樹脂にポリカルボン酸架橋剤である硬化剤を配合した粉体塗料(a)、水酸基含有アクリル樹脂である基体樹脂にブロックポリイソシアネート架橋剤である硬化剤を配合した粉体塗料(b)等が挙げられる。
上記粉体塗料(a)の基体樹脂としては、エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和モノマー、ガラス転移温度が40℃以上の硬質アクリルモノマー及び必要に応じてガラス転移温度が40℃未満の軟質アクリルモノマー、エポキシ基以外の官能基含有ラジカル重合性不飽和モノマー、その他のラジカル重合性不飽和モノマーを、ラジカル共重合反応させて得られるエポキシ基含有アクリル樹脂を挙げることができる。
この樹脂のエポキシ当量は、通常120〜8000程度である。
上記エポキシ基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等を、ガラス転移温度が40℃以上の硬質アクリルモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート等を、ガラス転移温度が40℃未満の軟質アクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリルメタクリレート等を、エポキシ基以外の官能基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を、その他のラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等を、それぞれ挙げることができる。
また、上記ポリカルボン酸架橋剤としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、無水アジピン酸、無水トリメリット酸等を挙げることができる。
上記粉体塗料(b)の基体樹脂としては、水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマー、ガラス転移温度が40℃以上の硬質アクリルモノマー及び必要に応じてガラス転移温度が40℃未満の軟質アクリルモノマー、水酸基以外の官能基含有ラジカル重合性不飽和モノマー、その他のラジカル重合性不飽和モノマーを、ラジカル共重合反応させて得られる水酸基含有アクリル樹脂を挙げることができる。
この樹脂の水酸基価は、通常20〜200mgKOH/g程度である。
上記水酸基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を、水酸基以外の官能基含有ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等を、それぞれ挙げることができる。
上記ガラス転移温度が40℃以上の硬質アクリルモノマー、ガラス転移温度が40℃未満の軟質アクリルモノマー、その他のラジカル重合性不飽和モノマーは、前記のとおりである。
また、ブロックポリイソシアネート架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、フェノール類、ラクタム類、アルコール類、オキシム類等のブロック剤によりブロックしたものを挙げることができる。
上記粉体塗料(a)又は(b)における基体樹脂と硬化剤の配合割合は、通常、基体樹脂100質量部(固形分)に対して硬化剤が10〜100質量部(固形分)の範囲が好適である。
また、上記熱硬化性ポリエステル樹脂系粉体塗料としては、粉体塗装が可能で加熱により硬化する、水酸基含有ポリエステル樹脂である基体樹脂にブロックポリイソシアネート架橋剤である硬化剤を配合した粉体塗料(c)等が挙げられる。
該粉体塗料(c)の基体樹脂としては、例えば、芳香族又は脂環族ジカルボン酸と2価アルコール、必要に応じてモノカルボン酸、3価以上のカルボン酸、3価以上のアルコールとを反応させて得られる水酸基含有ポリエステル樹脂を挙げることができる。
この樹脂の水酸基価は、通常約20〜300mgKOH/gである。
上記の芳香族又は脂環族ジカルボン酸としては、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸等を、2価アルコールとしては、例えば、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチルプロピオン酸等を、モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸等を、3価以上のカルボン酸としては、例えば、(無水)トリメリット酸等を、3価以上のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等を、それぞれ挙げることができる。ブロックポリイソシアネート架橋剤は、前記の通りである。
上記粉体塗料(c)における基体樹脂と硬化剤との配合割合は、通常、基体樹脂100質量部(固形分)に対して硬化剤が約10〜100質量部(固形分)、好ましくは約15〜80質量部(固形分)の範囲が好適である。
溶剤型塗料としては、特に制限なしに従来から公知のものを使用でき、例えば、溶剤型アクリル樹脂系塗料、溶剤型ポリエステル樹脂系塗料、溶剤型ウレタン樹脂系塗料、溶剤型アルキッド樹脂系塗料等が挙げられ、各種塗料に用いる硬化剤はメラミン樹脂、イソシアネート樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、カルボジイミド樹脂等が挙げられる。
[上塗塗膜の形成方法]
粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方の塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、各種コーター塗装、静電塗装等の一般的な方法を用いることができる。
粉体塗料の塗装は、塗膜外観と性能の観点から、好ましくは乾燥膜厚で50〜90μmとなるように行われ、より好ましくは60〜80μm、さらに好ましくは60〜70μmとなるように行われる。
また、溶剤型塗料の塗装は、塗膜外観と性能の観点から、好ましくは乾燥膜厚で15〜50μmとなるように行われ、より好ましくは20〜40μm、さらに好ましくは20〜30μmとなるように行われる。
なお、本明細書において、粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方の乾燥膜厚とは、被塗物に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗布後、K 5600−1−7:2014 5.5に準拠し、80℃で30分乾燥させた塗膜を電磁誘導式膜厚測定機(株式会社ケツト科学研究所製 LZ−200J)を用いることによって測定された値を意味する。
粉体塗料を乾燥させる際の温度は、150〜200℃が好ましく、160〜190℃がより好ましく、170〜180℃がさらに好ましい。
粉体塗料の乾燥時間は、5〜40分が好ましく、10〜30分がより好ましく、15〜20分がさらに好ましい。
また、焼付タイプの溶剤型塗料を乾燥させる際の温度は、100〜180℃が好ましく、120〜160℃がより好ましく、130〜150℃がさらに好ましい。
焼付タイプの溶剤型塗料の乾燥時間は、5〜40分が好ましく、10〜30分がより好ましく、15〜20分がさらに好ましい。
さらに、常温乾燥タイプの溶剤型塗料を乾燥させる際の温度は、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましく、70〜80℃がさらに好ましい。
常温乾燥タイプの溶剤型塗料の乾燥時間は、10〜120分が好ましく、20〜60分がより好ましく、25〜40分がさらに好ましい。
本発明では、上塗塗膜の上に、クリヤ塗料によってクリヤコート層が形成されていてもよい。
クリヤ塗料は、上塗塗膜を保護し、さらに上塗塗膜がプライマー塗膜全面に形成されていない場合には、プライマー塗膜をも保護するためのものであり、溶剤型塗料、水系塗料、粉体塗料など制限なく使用することができる。
クリヤ塗料は、ハケ塗り、スプレー塗装、各種コーター塗装、静電塗装等の一般的な方法を用いることができる。
クリヤコート層の厚さは、通常、乾燥膜厚で10〜50μm、好ましくは20〜45μmである。
クリヤ塗料の硬化条件は、クリヤ塗料が硬化する条件から適宜設定できる。
また、上塗塗膜の仕上がり状態をチェックし、仕上がり不良となっている部分があればサンディング等により上塗塗膜を補修することができる。
その結果、下地が透けて周囲と色味が異なる等、ダメージの程度が大きい場合に再度、同塗装仕様による塗装が行なわれる。このとき、ダメージ部分が目立つ部分である場合は全面塗装、目につきにくい部分であればダメージ部分のみに行なう部分塗装となる。部分塗装の場合は、補修上塗塗膜の焼付けは通常行なわれている既知の方法、例えば、赤外線照射加熱により、補修上塗塗膜の硬化が行なわれる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、「部」とあるのは、「質量部(固形分)」を意味する。
[実施例1]
(プライマー塗膜の形成)
表1に示すポリアミドアミン樹脂、エポキシ樹脂、顔料、添加剤及び溶剤を、表1に示す配合割合(質量部)で混合し、顔料粗粒子の粒子径が30μm以下となるまで顔料分散を行ってプライマー塗料を製造した。
なお、ポリアミドアミン樹脂としては表4に記載のものを、エポキシ樹脂としては表5に記載のものを、添加剤としては楠本化成株式会社製ディスパロンNS−30を、芳香族系溶剤としては丸善石油株式会社製キシレンを、エーテルアルコール系溶剤としてはKHネオケム株式会社製アーコソルブPMを、ケトン系溶剤としては三菱ケミカル株式会社製シクロヘキサノンを、アルコール系溶剤としてはJNC株式会社製ブタノールを使用した。
得られたプライマー塗料を、150mm×70mmの亜鉛溶射鋼板上にエアスプレー塗装することによって乾燥膜厚で30〜40μmになるように塗布した。
その後、温度80℃及び湿度5%RHの雰囲気中で30分間乾燥してプライマー塗膜を形成した。
(複層塗膜の形成)
得られたプライマー塗膜上に、熱硬化性ポリエステル樹脂系粉体塗料(商品名:ニッシンパウダー784−041ホワイト、久保孝ペイント株式会社製)を静電塗装することによって乾燥膜厚で60〜70μmになるように塗布した。
その後、温度180℃及び湿度5%RHの雰囲気中で20分間乾燥して複層塗膜を形成した。
〔評価試験〕
(発泡防止効果)
得られた複層塗膜上に5mm×5mmのマスが100マスある碁盤目を重ねたとき、発泡跡が何マスにあるかを目視にて確認し、複層塗膜の発泡状態を下記基準にて評価した。結果を表1に示す。
なお、下記基準でS、A及びBの複層塗膜を、発泡による外観不良を防止できていると判断した。
S:発泡跡を確認したマスの数が0〜3マスであった。
A:発泡跡を確認したマスの数が4〜9マスであった。
B:発泡跡を確認したマスの数が10〜29マスであった。
C:発泡跡を確認したマスの数が30〜100マスであった。
(付着性)
JIS K5600−5−6:1999に規定された碁盤目試験(カットの間隔:2mm)を実施し、プライマー塗膜の亜鉛溶射鋼板に対する付着性を下記基準にて評価した。結果を表1に示す。
○:試験結果が分類0〜1であった。
×:試験結果が分類2〜5であった。
(塗膜硬度)
JIS K5600−5−4:1999に規定された鉛筆法により、複層塗膜の鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
(耐湿性)
JIS K5600−7−2:1999に規定された湿潤試験(連続結露法)を、試験片の位置の温度50℃及び相対湿度98%の条件下で500時間実施後、複層塗膜の膨れの有無により、複層塗膜の耐湿性を下記評価基準にて評価した。結果を表1に示す。
○:複層塗膜に膨れがなかった。
△:複層塗膜全体中、膨れが発生した部分の面積が0.1%以上2%未満であった。
×:複層塗膜全体中、膨れが発生した部分の面積が2%以上であった。
(湿潤試験後の付着性)
上記湿潤試験を行った後、JIS K5600−5−6:1999に規定された碁盤目試験(カットの間隔:2mm)を実施し、プライマー塗膜の亜鉛溶射鋼板に対する付着性を下記基準にて評価した。結果を表1に示す。
○:試験結果が分類0〜1であった。
×:試験結果が分類2〜5であった。
[実施例2〜18、比較例1〜3]
ポリアミドアミン樹脂、エポキシ樹脂、顔料、添加剤及び溶剤の種類及び配合量を下記表1〜3に示すとおりとした以外は、実施例1と同様に試験した。ただし、比較例1〜3においては、発泡防止効果を評価する試験のみを行った。結果を下記表1〜3に示す。
なお、ポリアミドアミン樹脂は表4に記載のものを使用し、エポキシ樹脂は表5又は表6に記載のものを使用した。
[比較例4]
亜鉛溶射鋼板上に塗布したプライマー塗料の乾燥膜厚を15〜20μmとした以外は、実施例1と同様に試験した。結果を下記表3に示す。
Figure 0006933588
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Figure 0006933588
Figure 0006933588
Figure 0006933588
Figure 0006933588
[実施例19〜23]
プライマー塗膜上に塗布する上塗塗料、上塗塗膜の乾燥条件を下記表7に示すとおりとした以外は、実施例1と同様に試験した。結果を下記表7に示す。
Figure 0006933588
[実施例24、25]
プライマー塗膜を形成する際の温度を常温(20℃)とし、乾燥時間を下記表8に示すとおりとした以外は、実施例1と同様に試験した。結果を下記表8に示す。
Figure 0006933588
以上より、本発明の複層塗膜形成方法により形成された複層塗膜は、発泡による外観不良を防止するだけでなく、プライマー塗膜の亜鉛溶射鋼板に対する付着性、複層塗膜の硬度及び複層塗膜の耐湿性にも優れることが分かった。

Claims (5)

  1. 多孔質金属材料又は多孔質合金材料からなる被塗物に、
    重量平均分子量が800〜7000であるポリアミドアミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有するプライマー塗料を塗装して、乾燥膜厚が20μmより大きく60μm以下のプライマー塗膜を形成し、
    該プライマー塗膜上に粉体塗料及び溶剤型塗料の少なくとも一方を塗装して上塗塗膜を形成する、複層塗膜形成方法。
  2. 前記プライマー塗料が顔料を含有する、請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記ポリアミドアミン樹脂の活性水素当量が90〜500である、請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 前記プライマー塗料を強制乾燥させる際の温度が40〜180℃であり、乾燥時間が5〜120分である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 前記プライマー塗料を常温乾燥させる際の温度が10〜40℃であり、乾燥時間が2〜72時間である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
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