JPH06254482A - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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Publication number
JPH06254482A
JPH06254482A JP4346493A JP4346493A JPH06254482A JP H06254482 A JPH06254482 A JP H06254482A JP 4346493 A JP4346493 A JP 4346493A JP 4346493 A JP4346493 A JP 4346493A JP H06254482 A JPH06254482 A JP H06254482A
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JP
Japan
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coating
paint
chipping
weight
resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP4346493A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Yokouchi
慶一 横内
Masahiko Ishii
正彦 石井
Jiro Seki
二郎 関
Hideaki Fujiwara
英昭 藤原
Naotami Kubota
直民 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OOGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
OOGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by OOGI SHOKAI KK, Kansai Paint Co Ltd, Daihatsu Motor Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical OOGI SHOKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、4コート1ベイク方式による耐チ
ッピング性が優れた複層塗膜を形成し得る塗装方法を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明の方法は、ビニルゾル塗料、耐チッピ
ング用塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料をウエットオン
ウエットで塗装し、これらの複層塗膜を一回の加熱で硬
化せしめる4コート1ベイク方式による塗装方法であっ
て、該耐チッピング用塗料として、(A)ウレタン変性
ポリエステル樹脂、(B)ブロックポリイソシアネート
化合物、(C)メラミン樹脂、(D)エポキシ樹脂及び
(E)顔料を主成分とし、且つ(E)成分の含有率が上
記(A)〜(D)成分の合計量に対し200〜300重
量%であり、しかも耐チッピング用塗料硬化塗膜中43
〜75容量%である塗料組成物を使用することを特徴と
する塗装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装方法に関し、特に4
コート1ベイク方式による耐チッピング性が優れた複層
塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】自動車外面の底部、ロッカー
部及びドアー下部等に塗装した塗膜は、走行中に跳ね上
げられる砂利や小石等の衝撃破壊を受け、塗膜にスリキ
ズや斑点状塗膜剥離等が発生する、所謂“チッピング現
象”が多く見受けられる。その結果、塗膜外観が低下す
ると共に、塗膜剥離部分から錆が速やかに発生する等の
不都合があった。
【0003】従来、このチッピングによる塗膜剥離を防
止するために耐チッピング用塗料が使用されている。例
えば、上記の自動車外面は、下塗り塗料(例えばカチオ
ン電着塗料)を塗装し、次いで、ドアーより下部にビニ
ルゾル塗料を塗装してから、全面に中塗り塗料及び上塗
り塗料を塗装する方式において、ビニルゾル塗料塗装と
中塗り塗装との間に、ドアー下部保護の目的でドアー下
部に耐チッピング用塗料を塗装することは知られてい
る。斯かる耐チッピング用塗料として、例えば、ポリエ
ステル樹脂又はウレタン変性ポリエステル樹脂にメラミ
ン樹脂又はブロックイソシアネート化合物を配合してな
る塗料が多く使用されている。
【0004】しかしながら、該耐チッピング用塗料は、
実用的な耐チッピング性能を得るには約150μm以上
の厚さに塗装する必要があり、そのために、ビニルゾル
塗料、耐チッピング用塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料
による4コート1ベイク仕上げが困難であった。即ち、
従来の耐チッピング用塗料を使用すれば、下記(1) 〜
(3) の欠点を生ずる。
【0005】(1) 未硬化のビニルゾル塗膜に該耐チッピ
ング用塗料を150μm以上の厚さに塗装するとタレや
ワキ等が発生し易く、仮に未硬化のビニルゾル塗膜面に
該耐チッピング用塗料が塗装できたとしても、該両塗膜
を加熱硬化してから中塗り塗装を行なう必要がある。つ
まり、いずれにしても結果的には、少なくとも4コート
2ベイクになり、塗装工数が煩雑になる。
【0006】(2) 4コート1ベイクにすると、該耐チッ
ピング塗膜にタレやワキが発生し易いか、又は耐チッピ
ング性が劣る。
【0007】(3) 総合的に厚膜となり、車体重量が増加
する。
【0008】而して当業界ではこれらの欠点のない4コ
ート1ベイク方式による耐チッピング性が優れた複層塗
膜の形成方法の開発が強く望まれている。
【0009】本発明者らは、上記ビニルゾル塗料、耐チ
ッピング用塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料を用いた4
コート方式における上記欠点を解消するために鋭意研究
を行なった結果、特定組成の新規な耐チッピング用塗料
を使用することにより、上記欠点が全て解消され、4コ
ート1ベイク方式が可能になることを知見するに至っ
た。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものであ
る。
【0010】即ち、本発明は、必要に応じて下塗り塗装
した塗面に、ビニルゾル塗料、耐チッピング用塗料、中
塗り塗料及び上塗り塗料をウエットオンウエットで塗装
し、これらの複層塗膜を一回の加熱で硬化せしめる4コ
ート1ベイク方式による塗装方法であって、該耐チッピ
ング用塗料として、(A)ウレタン変性ポリエステル樹
脂、(B)ブロックポリイソシアネート化合物、(C)
メラミン樹脂、(D)エポキシ樹脂及び(E)顔料を主
成分とし、且つ該(E)成分の含有率が上記(A)〜
(D)成分の合計量に対し200〜300重量%であ
り、しかも該耐チッピング用塗料硬化塗膜中43〜75
容量%である塗料組成物を使用することを特徴とする塗
装方法に係る。
【0011】以下に本発明の塗装方法(以下「本方法」
と略称することがある)について詳細に説明する。
【0012】まず、本方法が適用できる基材(被塗物)
は特に制限されず、例えば、金属及びプラスチック等が
好適であり、更にガラス、木材、無機物質等にも可能で
ある。これらは、本方法を適用するに先立って、表面処
理や下塗り塗装等を予め施しておくことが好ましい。例
えば、金属にはカチオン電着塗料等の下塗り塗装を行な
い、加熱硬化しておくことが好適である。
【0013】本発明で用いられるビニルゾル塗料は、基
材(被塗物)に直接もしくは表面処理や下塗り塗装等が
施された面に塗装される塗料である。該ビニルゾル塗料
は、主として、ビニル樹脂粉末、充填材及び可塑剤から
なり、更に必要に応じて有機溶剤、着色剤、安定剤、各
種添加剤等が配合されてなる分散液である。
【0014】ここでビニル樹脂粉末としては、例えば、
塩化ビニル及び/又は酢酸ビニルを含むホモもしくはコ
ポリマーの粉末等が挙げられる。共重合せしめるコモノ
マーは、1分子中に1個以上の重合性二重結合を有する
化合物であり、例えば(メタ)アクリルエステル、ビニ
ルエステル、芳香族系ビニルモノマー、カルボキシル基
含有ビニルモノマー、水酸基含有ビニルモノマー等から
選ばれた1種もしくは2種以上が好ましいが、これらの
みになんら限定されない。この粉末の一次粒子の大きさ
は特に制限されないが、主として粒径10μm以下が適
しており、その形状は球形が好ましい。
【0015】充填剤としては、主として塗料用の着色顔
料及び体質顔料等から選ばれる粉末状が好ましい。具体
的には、チタン白、バリタ、沈降性硫酸バリウム、炭酸
バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、シリカ、ホ
ワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、
アルミニウムホワイト、シリカ、バライト、リサージ、
カーボンブラック、グロスホワイト、マイカ粉等が挙げ
られるが、これらのみに限定されない。
【0016】可塑剤としては、フタル酸エステル系、ア
ジピン酸エステル系、リン酸系、二塩基酸ジエステル
系、エポキシ系、脂肪酸エステル系、塩素化パラフィ
ン、ポリエステル系等が挙げられる。
【0017】ビニルゾル塗料において、ビニル樹脂粉
末、充填剤及び可塑剤の構成比率は特に制限されない
が、ビニル樹脂粉末100重量部当り、充填剤は5〜1
50重量部、可塑剤は10〜100重量部が好ましい。
【0018】有機溶剤は、上記ビニル樹脂粉末を全くも
しくは殆ど溶解しないものであることが好ましく、脂肪
族炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エ
ーテル系溶剤、エーテルエステル系溶剤等が好ましい。
【0019】本発明で用いられる耐チッピング用塗料
は、上記未硬化のピニルゾル塗料塗膜面に塗装される塗
料であって、(A)ウレタン変性ポリエステル樹脂、
(B)ブロックポリイソシアネート化合物、(C)メラ
ミン樹脂、(D)エポキシ樹脂及び(E)顔料を主成分
とし、且つ該(E)成分の含有率が上記(A)〜(D)
成分の合計量に対し200〜300重量%であり、しか
も該耐チッピング用塗料硬化塗膜中43〜75容量%含
有する塗料組成物である。
【0020】(A)成分:ウレタン変性ポリエステル樹
脂 これは、ポリエステルポリオールと主としてジイソシア
ネートとを水酸基過剰の比率で反応させることによって
得られる樹脂で、1分子中に2個以上の水酸基を有して
いることが好ましい。
【0021】ポリエステルポリオールは多塩基酸と多価
アルコールとをエステル化反応させてなる1分子中に2
個以上の水酸基を有する樹脂である。
【0022】多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する化合物で、例えば、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
及びこれらの無水物等の芳香族酸;コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸及びこれらの無水物等の脂肪族酸;テト
ラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブロ
ムフタル酸、テトラクロルフタル酸、ヘット酸、ハイミ
ック酸及びこれらの無水物等の脂環族酸;等が挙げられ
る。
【0023】また、多価アルコールは1分子中に2個以
上の水酸基を有する化合物で、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタ
エリトリット等が挙げられる。
【0024】これらの多塩基酸及び多価アルコールは、
それぞれ1種もしくは2種以上を使用できる。更に、カ
プロラクトンの開環反応によって得られるポリエステル
化合物もポリエステルポリオールとして使用できる。
【0025】ウレタン変性ポリエステル樹脂において、
上記ポリエステルポリオールとして、上記の芳香族酸等
の硬質成分を含む硬質ポリエステル樹脂と、アジピン酸
のような脂肪酸、ヘキサンジオール等の直鎖状グリコー
ル及びカプロラクトン等のような軟質成分を含む軟質ポ
リエステル樹脂とを併用することが好ましい。その場
合、両者の比率は、特に制限されないが、両成分の合計
重量に基づいて、硬質ポリエステル樹脂が10〜50重
量%、軟質ポリエステル樹脂が90〜50重量%の範囲
が特に適している。
【0026】ウレタン変性ポリエステル樹脂において、
硬質ポリエステル樹脂とは、芳香環(例えば、ベンゼン
環やナフタレン環等)を有する化合物を一部もしくは全
部に使用してなるポリエステル樹脂であり、一方、軟質
ポリエステル樹脂とは、直鎖状グリコール、直鎖状ジカ
ルボン酸及びカプロラクトンを一部もしくは全部に使用
してなる、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香環を含ま
ないポリエステル樹脂を意味する。
【0027】上記ポリエステルポリオールと反応せしめ
られるポリイソシアネート化合物は、1分子中に遊離の
イソシアネート基を2個以上有する化合物である。具体
的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート及びトリメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート:イソホロンジイソシアネート、メチレン
ビス(シクロヘキシルイソシアネート)及びシクロヘキ
サンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;キ
シレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート及びビフェニレンジイソシアネート等の芳香
族ジイソシアネート;等が挙げられる。これらは1種も
しくは2種以上使用することができる。このうち、
(A)成分には、脂肪族ジイソシアネート等を使用する
ことが特に好ましい。
【0028】上記ポリエステルポリオールとポリイソシ
アネート化合物との反応には通常のウレタン化反応の反
応条件を広く適用することができる。
【0029】(A)成分の数平均分子量としては150
00〜35000の範囲内が、また水酸基価としては5
0〜200の範囲内が好ましい。
【0030】(B)成分:ブロックポリイソシアネート
化合物 これは、ポリイソシアネート化合物が有する遊離のイソ
シアネート基の殆どもしくは全てを活性水素を有するブ
ロック剤で封鎖してなる化合物であって、ブロック剤の
解離温度以上に加熱すると、ブロック剤が解離して、遊
離のイソシアネート基が再生し、架橋剤として機能する
ものである。
【0031】上記ポリイソシアネート化合物としては、
前記(A)成分の調製に使用するのに例示したポリイソ
シアネート化合物から選ばれる1種もしくは2種以上が
いずれも使用できる。
【0032】ブロック剤としては、イソシアネート基と
反応し得る活性水素を有する化合物であって、例えば、
フェノール、クレゾール及びブチルフェノール等のフェ
ノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−バレロ
ラクタム及びγ−ブチロラクタム等のラクタム系ブロッ
ク剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジ
ルアルコール、メトキシメタノール、グリコール酸、乳
酸及び乳酸メチル等のアルコール系ブロック剤;ホルム
アミドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシ
ム、ベンゾフェノンオキシム及びシクロヘキサンオキシ
ム等のオキシム系ブロック剤;マロン酸ジメチル、アセ
ト酢酸エチル及びアセチルアセトン等の活性メチレン系
ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタ
ン、ドデシルメルカプタン、チオフェノール及びエチル
チオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;アセト
アニリド、アクリルアミド及び酢酸アミド等の酸アミド
系ブロック剤、コハク酸イミド及びフタル酸イミド等の
イミド系ブロック剤;ジフェニルアミン、フェニルナフ
チルアミン、ナフチルアミン及びカルバゾール等のアミ
ン系ブロック剤;イミダゾール及びエチルイミダゾール
等のイミダゾール系ブロック剤:尿素、チオ尿素及びエ
チレン尿素等の尿素系ブロック剤;亜硫酸ソーダ及び亜
硫酸カリ等の亜硫酸系ブロック剤;等が挙げられる。こ
れらは1種もしくは2種以上使用できる。このうち、特
にラクタム系ブロック剤やオキシム系ブロック剤を使用
することが好ましい。
【0033】(C)成分:メラミン樹脂 メラミンにホルムアルデヒドを反応させてなるメチロー
ル化メラミン、又はこのメチロール化メラミンに炭素数
1〜6の1価アルコールを反応させてなるエーテル化物
等が使用できる。炭素数1〜6の1価アルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール及びこれらの
異性体等が挙げられる。これらのアルコールによるエー
テル化はメチロール化メラミンが有するメチロール基の
全てをエーテル化(フルエーテル化)してもよいが、部
分的であってもよい。また、上記メチロール化も、メラ
ミン骨格のN原子に結合する水素原子の全てをメチロー
ル化したもの、もしくは部分的にメチロール化してイミ
ノ基(−NH)を残存せしめたものであっても差支えな
い。
【0034】特に、(C)成分としては、イミノ基含有
メラミン樹脂(エーテル基が併存してもよい)とエーテ
ル化メラミン樹脂(イミノ基含有せず)との混合物を使
用することが好ましい。該両メラミン樹脂の混合比率は
特に制限されないが、例えば両成分の合計重量を基準
に、イミノ基含有メラミン樹脂が30〜50重量%、エ
ーテル化メラミン樹脂が70〜50重量%の範囲が適し
ている。
【0035】(D)成分:エポキシ樹脂 これは、1分子中に2個以上なエポキシ基を有する樹脂
であり、それ自体既知のものが使用できる。
【0036】具体的には、ポリフェノールをエピクロル
ヒドリンと反応させることによって得られるポリフェノ
ールのグリシジルエーテルが好適である。ここで使用で
きるポリフェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−te
rt−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2
−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシ
ナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メ
タン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフォ
ン、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等
が挙げられる。このうち、ビスフェノールタイプのもの
が適している。
【0037】(D)成分としては、エポキシ当量180
〜500、好ましくは180〜200の範囲のものが好
ましい。
【0038】(E)成分:顔料 通常の塗料用顔料を使用でき、特に制限はない。具体的
には、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、ベンガ
ラ、シアニングリーン及びシアニンブルー等の着色顔
料;亜鉛末、ジンククロメート、ストロンチウムクロメ
ート、塩基性クロム酸鉛及び雲母状酸化鉄等の防錆顔
料;炭酸カルシウム、クレー、珪藻土、ホワイトカーボ
ン、ベントナイト、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム及び硫酸バリウム等の体質顔料、等が好適
である。更に、ガラスビーズ及び雲母粉等も使用でき
る。このうち、チタン白、珪藻土、炭酸バリウム、タル
ク、カーボンブラック等を使用することが好ましい。
【0039】本方法で用いられる耐チッピング用塗料は
上記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を
主成分とするものである。(A)成分は塗膜を形成する
基体樹脂であって、ウレタン変性することによって耐チ
ッピング性を向上させると共に、他の塗膜の基本的性能
を維持する。(B)及び(C)成分は、加熱により
(A)成分と架橋反応する硬化剤(架橋剤)として作用
する。この両成分を併用することによって、塗膜の可撓
性と硬化性とのバランスが優れ、140℃以下の温度で
も十分に架橋硬化し、耐チッピング性も良好である、等
の技術的効果が得られたのである。従って、上記両成分
のいずれかが欠けても本発明の目的は達成されない。例
えば(B)成分が欠如すると可撓性が不十分となり、そ
れに伴って耐チッピング性も低下する。一方、(C)成
分が欠如すると140℃以下の加熱温度では架橋反応が
十分でなく、チッピング剥離が増大し、しかも架橋硬化
前に塗膜のタレ抵抗性が低下するので好ましくない。ま
た、(D)成分は被塗面との付着性を向上させ、それに
伴って耐チッピング性も向上せしめる。更に、(E)成
分の配合量を上記した範囲に特定することによって、耐
チッピング性、塗膜のタレ抵抗性等を向上せしめ、しか
もワキ発生防止も可能となった等の技術的効果が発揮さ
れる。
【0040】上記耐チッピング用塗料における上記
(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の構成
比率は次の通りである。
【0041】まず、(A)、(B)、(C)及び(D)
成分の合計重量を基準にして、(A)成分は50〜70
重量%、特に55〜65重量%、(B)成分は5〜20
重量%、特に8〜15重量%、(C)成分は10〜30
重量%、特に12〜28重量%及び(D)成分は1〜1
0重量%、特に3〜6重量%が、それぞれ好ましい。そ
して、(E)成分は、上記(A)、(B)、(C)及び
(D)成分の合計重量に対して200〜300重量%、
好ましくは220〜260重量%であって、しかも該耐
チッピング用塗料によって形成される硬化塗膜中におけ
る含有率が43〜75容量%、特に好ましくは45〜6
0容量%である。(E)成分の含有率が(A)〜(D)
成分の合計重量に対して200重量%より少なくなると
タレやワキ等が発生し易くなり、一方逆に300重量%
より多くなると塗膜の平滑性、耐チッピング性等が低下
するので、いずれも好ましくない。また、硬化塗膜中に
おける(E)成分の含有率が43容量%より少なくなる
とタレやワキ等が発生し易くなり、一方逆に75容量%
より多くなると塗膜の平滑性、耐チッピング性等が低下
するので、いずれも好ましくない。
【0042】本発明の上記耐チッピング用塗料は上記
(A)〜(E)成分を有機溶剤に混合分散せしめること
によって得られる。これら成分の混合分散は既知の装置
や器具を用いて行なうことができる。該耐チッピング用
塗料には、(A)〜(E)成分に加えて、更に、顔料分
散剤、消泡剤、硬化調整剤及び沈降防止剤等を必要に応
じて適宜配合できる。
【0043】本発明の上記耐チッピング用塗料は既知の
方法で塗装することができ、その膜厚は制限されない
が、75〜120μm程度の薄膜でも耐チッピング性を
十分に向上させるこができる。そして、該塗膜は125
〜160℃に加熱することによって架橋硬化する。
【0044】中塗り塗料は、上記耐チッピング用塗料の
未硬化塗膜面に塗装される塗料であって、それ自体既知
のものが使用できる。
【0045】中塗り塗料としては、例えば、基体樹脂硬
化剤及び顔料を有機溶剤に混合分散してなる熱硬化型塗
料を挙げることができ、更に必要に応じて塗料用添加剤
等が配合されたものであってもよい。
【0046】基体樹脂としては、水酸基、エポキシ基及
びカルボキシル基等から選ばれた1種もしくは2種以上
の官能基を有するアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂及びこれらの変性樹脂等が挙げられる。ま
た、硬化剤はこれらの官能基と架橋反応し得る官能基を
有する化合物が使用でき、メチロール化及び/又はアル
キルエーテル化メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合
物及びブロックポリイソシアネート化合物等が好まし
い。また顔料は、上記耐チッピング用塗料の説明で例示
した顔料から選ばれたものが使用できるが、これらのみ
に限定されない。
【0047】本方法で使用される中塗り塗料の上記成分
の構成比率は目的に応じて任意に選べるが、例えば基体
樹脂及び硬化剤は、該両成分の合計固形分重量に基づい
て、基体樹脂は60〜80重量%、硬化剤は40〜20
重量%の範囲が好ましく、顔料は該両成分100重量部
当り40〜150重量部が適している。
【0048】上塗り塗料は、上記中塗り塗料の未硬化塗
膜面に塗装される塗料であって、それ自体既知のものが
使用できる。
【0049】上塗り塗料としては、例えば、基体樹脂及
び硬化剤を有機溶剤に溶解もしくは分散してなる熱硬化
型塗料が好ましく、更に必要に応じて塗料用添加剤等を
配合したものも使用できる。
【0050】基体樹脂としては、耐候性、平滑性及び耐
薬品性等の優れた塗膜を形成する水酸基、エポキシ基及
びカルボキシル基等から選ばれた1種もしくは2種以上
の官能基を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂及び
これらの変性樹脂等が挙げられる。また、硬化剤はこれ
らの官能基と架橋反応し得る官能基を有する化合物が使
用でき、メチロール化及び/又はアルキルエーテル化メ
ラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物及びブロックポ
リイソシアネート化合物等が好ましい。また顔料は、上
記耐チッピング用塗料の説明で例示した顔料から選ばれ
たものが使用でき、更にメタリック顔料(例えば、アル
ミニウム粉、雲母粉、表面被覆雲母粉、雲母状酸化鉄
等)等も挙げられるが、これらのみに限定されるもので
はない。
【0051】本方法で使用する上塗り塗料の上記成分の
構成比率は目的に応じて任意に選べるが、例えば基体樹
脂及び硬化剤は、該両成分の合計固形分重量に基づい
て、基体樹脂は50〜80重量%、硬化剤は50〜20
重量%の範囲が好ましく、顔料は該両成分100重量部
当りメタリック顔料では10〜50重量部、ソリッドカ
ラーでは30〜100重量部が適している。該上塗り塗
料は、メタリックタイプもしくはソリッドカラータイプ
に分類され、目的に応じてこれらから任意に使用でき
る。
【0052】本方法は上記各塗料を順次塗装し加熱硬化
することによって行なわれる。具体的には、前記基材に
必要に応じて下塗り塗料等を塗装し硬化させてから、ビ
ニルゾル塗料を塗装する。塗装はエアレス塗装又はロー
ルコーターと塗装で行なうのがよい。塗装膜厚は任意に
選択できるが、通常200〜500μm、特に300〜
400μmの範囲が好ましい。
【0053】次に、このピニルゾル塗料の未硬化塗膜面
に、上記耐チッピング用塗料を塗装する。塗装は前記エ
アレス塗装が好適である。塗装膜厚は任意に選択できる
が、通常70〜120μm、特に80〜100μmの範
囲が好ましい。
【0054】更に、この耐チッピング用塗料の未硬化塗
膜面に、上記中塗り塗料を塗装する。塗装はエアースプ
レー塗装又は静電塗装で行なうのがよい。塗装膜厚は任
意に選択できるが、通常10〜40μm、特に10〜3
0μmの範囲が好ましい。
【0055】最後に、この中塗り塗料の未硬化塗膜面
に、上記上塗り塗料を塗装する。塗装は前記方法のいず
れかで行ない得る。塗装膜厚は任意に選択できるが、通
常20〜50μm、特に25〜40μmの範囲が好まし
い。
【0056】上塗り塗装後、これらの4層塗膜を硬化さ
せるために、例えば約130〜160℃で10〜30分
加熱することが好ましい。この1回の加熱で4層塗膜が
ほぼ硬化し、本発明が目的とする技術的効果を有する複
層塗膜を形成される。
【0057】
【発明の効果】本発明による効果は次の通りである。
【0058】(1) 4コート1ベイク方式なので、従来の
塗装ラインの中に耐チッピング用塗料の塗装装置を設置
するだけで十分であり、焼付炉の増設は不要である。し
かも従来の4コート1ベイク方式に比べて工程が簡略さ
れた。
【0059】(2) 4コート1ベイク方式であっても、耐
チッピング用塗料塗膜にタレやワキ等の発生が全く認め
られない。
【0060】(3) 耐チッピング用塗料塗膜が薄膜でも耐
チッピング性が優れているので、塗装物体の軽量化に有
効であった。
【0061】(4) 4コート1ベイク方式なので、熱エネ
ルギーが節約でき、生産性向上が可能となった。
【0062】
【実施例】本発明の実施例及び比較例について説明す
る。尚、以下における「部」及び「%」は、いずれも原
則として重量に基づく。
【0063】I.試料 (1)基材(被塗物):カチオン電着塗料(関西ペイン
ト(株)製、エレクロンNo HB−200)を塗装し、
塗膜を加熱硬化せしめてなる鋼板 (2)ビニルゾル塗料:「サンダイン580DH」(ア
サヒコーポレーション(株)製、商品名) (3)耐チッピング用塗料: (A)成分; 硬質ポリエステル樹脂:イソフタル酸100.53部、
トリメチロールプロパン17.25部、1,6−ヘキサ
ンジオール35.73部及び1,3−ブチレングリコー
ル29.49部を用いてなるポリエステル樹脂。水酸基
価136、数平均分子量約1100であった。
【0064】軟質ポリエステル樹脂:ポリカプロラクト
ンポリオール(「プラクセル308」、ダイセル(株)
製、商品名)。水酸基価200、数平均分子量約850
であった。
【0065】ウレタン変性ポリエステル樹脂:硬質ポリ
エステル樹脂39部、軟質ポリエステル樹脂50部及び
ヘキサメチレンジイソシアネート11部を反応させてウ
レタン変性ポリエステル樹脂を得た。水酸基価は86、
酸価5及び数平均分子量は2650であった。
【0066】(B)成分; (B−1):εカプロラクタムでフルブロックしたヘキ
サンメチレンジイソシアネート。
【0067】(B−2):メチルエチルケトンオキシム
でフルブロックしたリジンジイソシアネート。
【0068】(C)成分; (C−1):イミノ基含有メラミン樹脂(「サイメル7
03」、三井サイアナミド(株)製、商品名) (C−2):アルキルエーテル化メラミン樹脂(「ユー
バン28SE」、三井東圧化学(株)製、商品名、イミ
ノ基含有せず) (D)成分; (D−1):「エポン828」(シェル化学(株)製、
商品名) (D−2):「エポン1001」(シェル化学(株)
製、商品名) (5)(E)成分;チタン白、バリタ、エロジル及びシ
リカを使用した。
【0069】これらの(A)〜(E)成分を下記表1に
示した配合比率で混合して耐チッピング用塗料を得た。
【0070】
【表1】
【0071】注)量1:(A)〜(D)成分の合計量に
対する重量% 量2:硬化塗膜中の顔料の容量% (A)〜(D)成分の配合量は固形分量 (3)−1及び(3)−2は本方法に該当するが、
(3)−3及び(3)−4は比較例である。
【0072】(4)中塗り塗料 (4)−1:アミラックWS TP37−1 (4)−2:DH中塗り HS27 (5)上塗り塗料 (5)−1:アミラックWS 6010黒 (5)−2:マジクロンDHブラックメタリック II.実施例及び比較例 上記塗料を用い、下記表2の記載に従って4コート1ベ
イク方式により塗装した。
【0073】
【表2】
【0074】III.性能試験結果 カチオン電着塗料を塗装し加熱硬化せしめてなる鋼板
に、上記ビニルゾル塗料、耐チッピング用塗料、中塗り
塗料及び上塗り塗料を上記表2に示した膜厚(硬化塗膜
として)になるように塗装し、140℃で18分加熱し
硬化せしめてなる、4コート1ベイク方式による複層塗
膜について性能試験を行なった。その結果を表3に示
す。
【0075】
【表3】
【0076】試験方法は次の通りである。
【0077】タレ・ワキ限界膜厚:カチオン電着塗料を
塗装し加熱硬化せしめた鋼板を垂直にし、上記ビニルゾ
ル塗料をエアレススプレー塗装機(日本グレイ株式会社
製、商品名「グラコエアレス塗装機」)で表3に示した
膜厚に塗装し、1分経過後に該塗面に各耐チッピング用
塗料を表3に示した膜厚に塗装し、1分経過後に中塗り
塗料を表3に示した膜厚に塗装し、3分経過後に上塗り
塗料を表3に示した膜厚に塗装し、7分間室温で放置
後、この4層塗膜を、熱風乾燥機で140℃で20分加
熱してほぼ同時に硬化せしめてなる塗面を目視で観察
し、評価した。
【0078】塗面状態:上記で得られた4層硬化塗膜面
の平滑性、塗膜間の混相による肌あれの有無等を目視で
観察し、評価した。○は平滑性が優れ、肌あれも認めら
れない、×は平滑性が劣り、肌あれ発生も認められるこ
とを示す。
【0079】耐水性:上記で得られた4層硬化塗膜を4
0℃の温水に240時間浸漬し、取り出し、室温で1時
間放置後の塗面を目視で観察し、評価した。○はフクレ
等の発生が殆んど認められないことを示す。
【0080】耐水後付着性:上記と同様に水に浸漬し室
温で放置後、JISK5400.8.5.3に準じて、
粘着セロハンテープによる剥離試験を行なった。○は剥
離が殆ど認められず、×は剥離が著しいことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 S 8720−4D T 8720−4D C09D 175/04 PHP 8620−4J (72)発明者 横内 慶一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 石井 正彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 関 二郎 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 藤原 英昭 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内 (72)発明者 久保田 直民 大阪府大阪市北区西天満3丁目13番7号 株式会社扇商会内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルゾル塗料、耐チッピング用塗料、
    中塗り塗料及び上塗り塗料をウエットオンウエットで塗
    装し、これらの複層塗膜を一回の加熱で硬化せしめる4
    コート1ベイク方式による塗装方法であって、該耐チッ
    ピング用塗料として、(A)ウレタン変性ポリエステル
    樹脂、(B)ブロックポリイソシアネート化合物、
    (C)メラミン樹脂、(D)エポキシ樹脂及び(E)顔
    料を主成分とし、且つ(E)成分の含有率が上記(A)
    〜(D)成分の合計量に対し200〜300重量%であ
    り、しかも耐チッピング用塗料硬化塗膜中43〜75容
    量%である塗料組成物を使用することを特徴とする塗装
    方法。
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