JPH09131567A - アルミホイ−ルの塗装方法 - Google Patents

アルミホイ−ルの塗装方法

Info

Publication number
JPH09131567A
JPH09131567A JP29074395A JP29074395A JPH09131567A JP H09131567 A JPH09131567 A JP H09131567A JP 29074395 A JP29074395 A JP 29074395A JP 29074395 A JP29074395 A JP 29074395A JP H09131567 A JPH09131567 A JP H09131567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
thermosetting
acrylic resin
primer
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29074395A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Okada
章 岡田
Hiroki Takeda
浩希 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP29074395A priority Critical patent/JPH09131567A/ja
Publication of JPH09131567A publication Critical patent/JPH09131567A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はアルミニウム製ホイ−ルの塗装方法に
関し、特に自動車用アルミホイ−ルの耐食性、耐チッピ
ング性および平滑性などを改良した塗装方法に関する。 【解決手段】アルミニウムまたはそれを含む合金からな
るアルミホイ−ルを、熱硬化性プライマ−(A)、熱硬
化性アクリル樹脂系着色塗料(B)および熱硬化性アク
リル樹脂系クリヤ−塗料(C)をウエットオンウエット
で順次塗装し、ついで加熱して該3層塗膜同時に硬化せ
しめる塗装方法において、該熱硬化性プライマ−(A)
が、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、低分子量メ
ラミン樹脂(b)、ベンゾグアナミン樹脂(c)および
シランカップリング剤(d)を主成分とする組成物であ
ることを特徴とするアルミホイ−ルの塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム製ホイ
−ル(以下、「アルミホイ−ル」と略称する)の塗装方
法に関し、特に自動車用アルミホイ−ルの耐食性、耐チ
ッピング性および平滑性などを改良した塗装方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】チュ−ブやタイヤなどの取
付け部材である自動車用ホイ−ルとしてスチ−ル製やア
ルミニウム製などが使用されている。このうち、軽量
化、防食性および意匠性などにすぐれたアルミホイ−ル
が多く用いられている。そして、このアルミホイ−ルに
は、耐候性や装飾性を向上させるために、例えば、熱硬
化性アクリル樹脂系着色塗料および熱硬化性アクリル樹
脂系クリヤ−塗料が2コ−ト1ベイクもしくは2コ−ト
2ベイク方式で塗装されている。
【0003】しかしながら、かかる方法で塗装されたア
ルミホイ−ルは、走行中に跳ね上げられた小石などが塗
膜に衝突しその部分の塗膜が剥離し(チッピング)しや
すく、その剥離部分から白さびなどが発生し、またショ
ットブラスト処理した凹凸状の鋳肌面を鏡面状の切削面
と同程度の平滑な塗面に塗装することが困難であるなど
の欠陥を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は上記の欠
陥を解消し、アルミホイ−ルを耐食性、耐チッピング性
および平滑性などのすぐれた塗膜に仕上げることであ
り、その特徴は、アルミホイ−ルを、熱硬化性プライマ
−(A)、熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B)およ
び熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ−塗料(C)をウエッ
トオンウエットで順次塗装し、ついで加熱して該3層塗
膜同時に硬化せしめる3コ−ト1ベイク方式の塗装方法
で、該熱硬化性プライマ−(A)として、ウレタン変性
ポリエステル樹脂(a)、低分子量メラミン樹脂
(b)、ベンゾグアナミン樹脂(c)、およびシランカ
ップリング剤(d)を主成分とする組成物を使用すると
ころにある。
【0005】すなわち、本発明は、アルミニウムまたは
それを含む合金からなるアルミホイ−ルを、熱硬化性プ
ライマ−(A)、熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料
(B)および熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ−塗料
(C)をウエットオンウエットで順次塗装し、ついで加
熱して該3層塗膜同時に硬化せしめる塗装方法におい
て、該熱硬化性プライマ−(A)が、ウレタン変性ポリ
エステル樹脂(a)、低分子量メラミン樹脂(b)、ベ
ンゾグアナミン樹脂(c)およびシランカップリング剤
(d)を主成分とする組成物であることを特徴とするア
ルミホイ−ルの塗装方法に関する。
【0006】以下に本発明の方法について詳細に説明す
る。
【0007】アルミホイ−ル:乗用車、オ−トバイ、ト
ラックおよびワゴン車などの自動車のチュ−ブやタイヤ
などの取付け部材である自動車用ホイ−ルであり、アル
ミニウムを主成分とし、またはさらにマグネシウムやケ
イ素などを含む合金からなっており、特に、軽量化およ
び意匠性などの目的で、ショットブラストなどで表面を
処理してなる凹凸状の鋳肌面部分と切削してなる鏡面状
部分(平滑面)との両者が併存してるアルミホイ−ルに
本発明の方法を適用することが好ましい。
【0008】本発明では、アルミホイ−ルは、プライマ
−(A)の塗装に先立って、クロメ−ト(クロム酸クロ
ム、りん酸クロムなど)やノンクロム(りん酸ジルコニ
ウムなど)などであらかじめ表面処理しておくことがが
好ましい。
【0009】熱硬化性プライマ−(A):アルミホイ−
ルの鋳肌面や切削面などに直接塗装するもので、ウレタ
ン変性ポリエステル樹脂(a)、低分子量メラミン樹脂
(b)ベンゾグアナミン樹脂(c)およびシランカップ
リング剤(d)を主成分とする熱硬化性被覆組成物であ
る。
【0010】ウレタン変性ポリエステル樹脂(a) 該ウレタン変性ポリエステル樹脂は1分子中にエステル
結合、ウレタン結合および2個以上の水酸基を有してお
り、主としてポリエステルポリ−ルとポリイソシアネ−
ト化合物とを水酸基過剰の比率で反応させることによっ
て得られる。
【0011】ポリエステルポリ−ルは多塩基酸と多価ア
ルコ−ルとをエステル化反応させてなる1分子中に2個
以上の水酸基を有するポリエステル樹脂である。
【0012】多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキ
シル基を有する化合物であり、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸およびこれらの無水物などの芳香族酸:コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸およびこれらの無水物などの脂肪族
酸:テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テ
トラブロムフタル酸、ヘット酸、ハイミック酸およびこ
れらの無水物などの脂環族酸:などがあげられる。これ
らは1種もしくは2種以上が使用できる。多価アルコ−
ルは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であ
り、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレ
ングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水添ビスフェ
ノ−ルA、グリセリン、トリメチロルエタン、トリメチ
ロ−ルプロパンおよびペンタエリスリットなどがあげら
れる。これらは1種もしくは2種以上が使用できる。さ
らに、カプロラクトンの開環反応によって得られるポリ
エステル樹脂も使用できる。
【0013】該ポリエステル樹脂と反応せしめるポリイ
ソシアネ−ト化合物は、1分子中に遊離のイソシアネ−
ト基を2個以上有する化合物である。具体的には、ヘキ
サメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トおよびト
リメチレンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ
−ト:イソホロンジイソシアネ−ト、メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネ−ト)およびシクロヘキサンジ
イソシアネ−トなどの脂環族ジイソシアネ−ト:キシリ
レンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジ
フェニルメタンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシ
アネ−トおよびビフェニレンジイソシアネ−トなどの芳
香族ジイソシアネ−ト:などがあげられる。これらは1
種もしくは2種以上が使用できる。このうち、脂肪族ジ
イソシアネ−トを使用することが塗膜の耐酸性を向上さ
せるのに有利である。
【0014】これらのポリエステルポリ−ルとポリイソ
シアネ−ト化合物との反応は通常のウレタン化反応を採
用できる。そして、かくしてえられるウレタン変性ポリ
エステル樹脂(a)の数平均分子量は約10000〜1
00000、好ましくは25000〜60000,水酸
基価は1〜150、好ましくは20〜60の範囲が適し
ている。
【0015】低分子量メラミン樹脂(b) 該メラミン樹脂は、平均重合度が約1〜3未満で、かつ
トリアジン核1個あたり、イミノ基を平均0〜1.5
個、メチロ−ル基を平均0〜1.2個、残り(4.8〜
6個)がアルコキシ基(炭素数1〜5個)であるメラミ
ン樹脂である。
【0016】該メラミン樹脂(b)は上記ウレタン変性
ポリエステル樹脂(a)の架橋剤として作用し、かつ熱
硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B)塗膜との混層(ツ
ヤヒケの原因となる)を防止するのに有用である。
【0017】該メラミン樹脂(b)に関し、平均重合度
が約1〜3未満、好ましくは1.5〜2.7で、この重
合度が約3以上になるとプライマ−(A)自体の流展性
が低下し塗面平滑性が劣化することがある。またメチロ
−ル基が平均1.2個より多くなると加熱硬化によりワ
キが発生したり耐チッピング性が低下することがあり、
またイミノ基が平均1.5個より多くなると着色塗料
(B)塗膜との層間付着性が劣ることがある。
【0018】ベンゾグアナミン樹脂(c) 該ベンゾグアナミン樹脂(c)はメラミン(2,4,6
−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)の1つのアミ
ノ基をベンゼン環に置換し、残りのアミノ基の全部をメ
チロ−ル化したもの、さらに該メチロ−ル基の一部もし
くは全部を炭素数1〜6個の1価アルコ−ルでエ−テル
化してなるアルコキシ化物も包含され、このものを使用
することによって塗膜の耐水性などが向上する。該ベン
ゾグアナミン樹脂(c)は、平均重合度が約1.2〜3
で、かつトリアジン核1個あたり、イミノ基を0.8〜
1.2個、メチロ−ル基を平均0.8〜1.2個、残り
がアルコキシ基(炭素数1〜5個)であることが好まし
い。かかるベンゾグアナミン樹脂(c)は既知であっ
て、例えば大日本インキ化学工業(株)製、商品名「ス
−パ−ベッカミンTD−126」があげられ、これはブ
チルエ−テル化ベンゾグアナミン樹脂である。
【0019】シランカップリング剤(d) 該シランカップリング剤(d)は、一般式 XSi(O
R)3 (Xは反応性官能基で、例えばアミノ基、ビニ
ル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基を湿し、R
は加水分解可能なメトキシ基、エトキシ基などの炭素数
1〜10のアルコキシ基を湿す。)で示される化合物で
あることが好ましい。
【0020】具体的には、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエ
チル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン−塩酸塩、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ビニリトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−
アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキ
シシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、トリメ
チルクロロシランなどがあげられる。これらは1種もし
くは2種以上使用できる。
【0021】本発明で使用する熱硬化性プライマ−
(A)は、上記のウレタン変性ポリエステル樹脂
(a)、低分子量メラミン樹脂(b)、ベンゾグアナミ
ン樹脂(c)およびシランカップリング剤(d)を主成
分とする熱硬化性被覆組成物であり、これらの成分を有
機溶剤に溶解もしくは分散せしめることによって得られ
る。これらの各成分の構成比率は目的に応じて任意に選
択できる。具体的には、固形分重量比率に基いて、例え
ば、(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計量
を基準にして、(a)成分は55〜85重量%、特に6
5〜75重量%、(b)成分は13〜35重量%、特に
15〜30重量%、(c)成分は2〜10重量%、特に
3〜8重量%の範囲が好ましい。また、(a)成分、
(b)成分および(c)成分の合計100重量部あた
り、(d)成分の配合量は0.5〜10重量部、特に3
〜8重量部が好ましい。
【0022】有機溶剤としては、これらの成分を溶解も
しくは分散が可能なものであれば特に制限されず、たと
えば、脂肪族、脂環族もしくは芳香族の炭化水素系、ア
ルコ−ル系、エステル系、ケトン系、アルコ−ル系の溶
剤から選ばれた1種もしくは2種以上が好ましい。
【0023】本発明で使用する熱硬化性プライマ−
(A)は、上記のウレタン変性ポリエステル樹脂
(a)、低分子量メラミン樹脂(b)、ベンゾグアナミ
ン樹脂(c)およびシランカップリング剤(d)を主成
分とするが、さらに必要に応じて、エポキシ樹脂
(e)、メラミン樹脂(f)および顔料(g)を配合す
ることができる。
【0024】エポキシ樹脂(e)は1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものであり、これを配合すること
によって塗膜の耐食性を向上させることができる。具体
的には、ビスフェノ−ルや脂肪族多価アルコ−ルなどの
グリシジルエ−テル類、脂肪酸などとのグリシジルエス
テル類、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化大豆
油、脂環式の環状の炭素原子にエポキシ基が直接結合し
てなる脂環式エポキシ樹脂などがあげられる。このう
ち、ビスフェノ−ルのグリシジルエ−テル類が特に好適
である。エポキシ当量は150〜1100、分子量は3
00〜2000の範囲が好ましい。
【0025】メラミン樹脂(f)は、平均重合度が約3
以上で、かつトリアジン核1個あたり、メチロ−ル基を
平均0.5〜1.6個、残りがアルコキシ基(炭素数1
〜5個)であり、イミノ基を含有しない。このものは、
顔料の分散性を向上させるのに有効であって、ウレタン
変性ポリエステル樹脂(a)の架橋剤としても作用す
る。
【0026】顔料(g)としては、通常の塗料用の着色
顔料、体質顔料およびメタリック顔料などが使用でき、
例えばチタン白、カ−ボンブラック、フタロシアニンブ
ル−、シンカシヤレッド、タルク、クレ−、アルミニウ
ム粉、マイカ粉などが例示できるが、これらのみに限定
されない。
【0027】熱硬化性プライマ−(A)において、これ
らのエポキシ樹脂(e)、メラミン樹脂(f)および顔
料(g)の配合量は目的に応じて任意に選択でき、具体
的には、上記(a)成分、(b)成分および(c)成分
の合計100重量部あたり、エポキシ樹脂(e)は0〜
10重量部、特に3〜8重量部、メラミン樹脂(f)は
0〜20重量部、特に5〜15重量部が好ましい。
【0028】また、本発明で使用する熱硬化性プライマ
−(A)に関し、該プライマ−(A)の単独硬化塗膜の
伸び率(20℃)が40〜200%、特に60〜180
%、ゲル分率が80%以上、特に85%以上であること
が本発明の目的を達成させるのに好ましい。
【0029】本発明における塗膜の伸び率およびゲル分
率の測定は次のようにしておこなった。
【0030】塗膜の伸び率は、恒温槽付万能引張試験機
(島津製作所オ−トグラフS・D)を用いて20℃にお
いて測定したもので、試料(単離塗膜)の長さは20m
m、同巾は5mm、引張速度は20mm/分で行った。
単離塗膜は、硬化塗膜に基いて50μmになるようにブ
リキ板に塗装し、硬化温度に加熱して硬化させてから、
水銀アマルガム法により単離したものである。
【0031】また、ゲル分率は、上記伸び率測定で説明
したのと同様に作成した単離塗膜を、300メッシュの
ステンレススチ−ル製の編状容器に入れ、ソックスレ−
抽出器でアセトン溶媒を用いて還流温度で2時間抽出
し、下式により求めた。
【0032】ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量/抽
出前の塗膜重量)×100 本発明において、熱硬化性プライマ−(A)はアルミホ
イ−ルにエアレススプレ−、エアスプレ−および静電方
式などで塗装することが好ましい。塗装時の粘度は15
〜25秒/フォ−ドカップ#4/20℃が好ましく、塗
装膜厚は平坦部(切削面)における硬化塗膜を基準に約
20〜100μm、特に30〜65μmが好ましい。つ
いで、必要に応じて室温で放置または100℃以下で短
時間乾燥してから、該プライマ−(A)の未硬化の該塗
膜面に、熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B)を塗装
する。
【0033】熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B):
未硬化の熱硬化性プライマ−(A)の塗面に塗装する塗
料であって、該塗料(B)により色彩的美粧性を付与せ
しめる。熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B)として
は、アクリル樹脂、硬化剤および顔料を有機溶剤に溶解
もしくは分散してなる熱硬化性塗料が好ましい。
【0034】アクリル樹脂としては、耐候性、平滑性お
よび耐薬品性などのすぐれた塗膜を形成する水酸基、エ
ポキシ基およびカルボキシル基などから選ばれた1種も
しくは2種以上の官能基を有するアクリル樹脂およびこ
れらの変性樹脂があげられる。また、硬化剤としてはこ
れらの官能基と架橋反応しうる官能基を有する化合物が
使用でき、例えばメチロ−ル化および(または)アルキ
ルエ−テル化したメラミン樹脂、ポリイソシアネ−ト化
合物、ブロック化ポリイソシアネ−ト化合物およびカル
ボキシル基含有化合物から選ばれた1種以上が好まし
い。顔料としては、通常の塗料用の着色顔料およびメタ
リック顔料などが使用でき、例えばチタン白、カ−ボン
ブラック、フタロシアニンブル−、シンカシヤレッド、
アルミニウム粉、雲母粉、表面被覆雲母粉、雲母状酸化
鉄などが例示できるが、これらのみに限定されない。
【0035】熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料(B)に
おけるこれらの成分の構成比率は目的に応じて任意に選
べるが、例えば、アクリル樹脂および硬化剤は、該両成
分の合計重量を基準に、アクリル樹脂は50〜80%、
硬化剤は50〜20%が好ましく、顔料は該両成分の合
計100重量部あたり、メタリック顔料では10〜60
重量部、ソリッドカラ−顔料では2〜150重量部が適
している。
【0036】本発明において、熱硬化性アクリル樹脂系
着色塗料(B)は未硬化の熱硬化性プライマ−(A)の
塗面にエアレススプレ−、エアスプレ−および静電方式
などで塗装することが好ましい。塗装時の粘度は10〜
20秒/フォ−ドカップ#4/20℃が好ましく、塗装
膜厚は平坦部(切削面)における硬化塗膜を基準に約1
0〜35μm、特に15〜30μmが好ましい。つい
で、必要に応じて室温で放置または100℃以下で短時
間乾燥してから、該着色塗料(B)の未硬化塗膜面に、
熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ−塗料(C)を塗装す
る。
【0037】熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ−塗料
(C):未硬化の熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料
(B)の塗膜面に塗装するもので、透明塗膜を形成する
塗料である。具体的には、上記着色塗料(B)の説明で
例示したアクリル樹脂および硬化剤が好適に使用でき、
実質的に着色顔料やメタリック顔料を含有しない有機溶
剤系塗料である。
【0038】本発明において、熱硬化性アクリル樹脂系
クリヤ−塗料(C)は未硬化の熱硬化性アクリル樹脂系
着色塗料(B)の塗面にエアレススプレ−、エアスプレ
−および静電方式などで塗装することが好ましい。塗装
時の粘度は20〜30秒/フォ−ドカップ#4/20℃
が好ましく、塗装膜厚は平坦部における硬化塗膜を基準
に約15〜60μm、特に20〜40μmが好ましい。
【0039】本発明の塗装方法は、上記のように熱硬化
性プライマ−(A)、熱硬化性アクリル樹脂系着色塗料
(B)および熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ−塗料
(C)をウエットオンウエットで塗装し、ついで加熱し
てこの3層塗膜を架橋硬化せしめる。加熱温度は120
〜160℃が好ましい。
【0040】
【発明の効果】
1)本発明の方法によって形成した複層塗膜の耐チッピ
ング性が著しく改善され、走行中に小石などが当たって
もプライマ−塗膜まで剥離することは殆どない。
【0041】2)ショットブラスト面などの微細な凹凸
部を有する面に塗装しても、その上塗り塗面は平滑性に
すぐれ、切削面に塗装したのとほぼ同程度の平滑性を有
している。
【0042】次に、本発明に関する実施例および比較例
について説明する。
【0043】1.試 料 1)アルミホ−ル クロム酸クロムで表面化成処理したアルミホイ−ルで、
ショットブラスト処理による微細な凹凸面と平滑に切削
した平滑面とを有している。
【0044】2)熱硬化性プライマ−(A)の調製 ウレタン変性ポリエステル樹脂(a) (a−1):ポリカプロラクトンおよびイソフタル酸を
反応させてなるポリエステル樹脂をヘキサメチレンジイ
ソシアネ−トで変性せしめてなるウレタン変性ポリエス
テル樹脂。数平均分子量30000、水酸基価88、固
形分含有率60重量%、有機溶剤としてスワゾ−ル#1
500(シェル石油(株)製、商品名、芳香族系炭化水
素溶剤)とセロソルブとの6:4からなる混合溶剤を使
用した。 (a−2):プロピレングリコ−ルおよびアジピン酸を
反応させてなるポリエステル樹脂をイソホロンジイソシ
アネ−トで変性せしめてなるウレタン変性ポリエステル
樹脂。数平均分子量50000、水酸基価70、固形分
含有率60重量%、有機溶剤としてスワゾ−ル#150
0(シェル石油(株)製、商品名、芳香族系炭化水素溶
剤)とセロソルブとの6:4からなる混合溶剤を使用し
た。
【0045】(a−3):1、6−ヘキサンジオ−ルお
よびコハク酸を反応させてなるポリエステル樹脂をトリ
レンジイソシアネ−トで変性せしめてなるウレタン変性
ポリエステル樹脂。数平均分子量40000、水酸基価
75、固形分含有率60重量%、有機溶剤としてスワゾ
−ル#1500(シェル石油(株)製、商品名、芳香族
系炭化水素溶剤)とセロソルブとの6:4からなる混合
溶剤を使用した。
【0046】(a−4):ポリカプロラクトンおよびイ
ソフタル酸を反応させてなるポリエステル樹脂。数平均
分子量30000、水酸基価88、固形分含有率60重
量%、有機溶剤としてスワゾ−ル#1500(シェル石
油(株)製、商品名、芳香族系炭化水素溶剤)とセロソ
ルブとの6:4からなる混合溶剤を使用した。(比較
用) 低分子量メラミン樹脂(b) (b−1):サイメル370(アメリカンサイアナミド
カンパニ−製、商品名)、平均重合度1.8、トリアジ
ン核1個あたり、イミノ基0個、メチロ−ル基0.7個
およびメトキシ基3個有するメラミン樹脂。
【0047】(b−2):サイメル771(アメリカン
サイアナミドカンパニ−製、商品名)、平均重合度1.
9、トリアジン核1個あたり、イミノ基0個、メチロ−
ル基0.8個およびメトキシ基3個有するメラミン樹
脂。
【0048】ベンゾグアナミン樹脂(c) (c−1):トリアジン核1個あたり、イミノ基1.0
個、メチロ−ル基1.0個、ブトキシ基1.0個有する
ブチルエ−テル化ベンゾグアナミン樹脂。
【0049】シランカップリング剤(d) (d−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (d−2):γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン エポキシ樹脂(e) (e−1):エピコ−ト1001(シェルケミカル社
製、商品名、エポキシ当量450〜500、分子量90
0。
【0050】メラミン樹脂(f) (f−1):トリアジン核1個あたり、ブチルエ−テル
基2.5個、メチロ−ル基1.4個、イミノ基0.2個
からなり、かつ平均重合度8〜9のブチルエ−テル化メ
ラミン樹脂。
【0051】熱硬化性プライマ−(A) 上記成分を用いて熱硬化性プライマ−(A)を得た。こ
れらの各成分の構成比率は下記表1のとおりである。配
合量は固形分量で示した。下記成分を溶剤(キシロ−ル
と酢酸エチルとの等重量混合溶剤)で混合希釈して、塗
装粘度15〜20秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調
整した。このうち、A−1〜A−4は実施例用、A−5
〜A−6は比較例用である。
【0052】
【表1】
【0053】2.実施例および比較例 上記熱硬化性プライマ−(A)および熱硬化性アクリル
樹脂系着色塗料(B)、熱硬化性アクリル樹脂系クリヤ
−塗料(C)を用いて、3コ−ト1ベイク方式の塗装方
法で塗装した。塗装工程は表2のとおりである。
【0054】
【表2】
【0055】表2において 被塗物のアルミホイ−ルはショットブラスト部分(鋳肌
部)と切削部分(平滑部)とがあり、その表面はクロム
酸クロムで処理してある。
【0056】膜厚は硬化塗膜を基準。
【0057】マジクロンALC−2シルバ−は、関西ペ
イント(株)社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹
脂系シルバ−メタリック熱硬化性塗料。
【0058】マジクロンALC−2クリヤ−は、関西ペ
イント(株)社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹
脂系トップクリヤ−熱硬化性塗料。
【0059】3塗膜性能試験結果 上記実施例および比較例で得た塗板を使用し塗膜性能試
験を行った。その結果を下記表3に示した。
【0060】
【表3】
【0061】試験方法 平滑性:プライマ−(A)、着色塗料(B)およびクリ
ヤ−塗料(C)を塗装し加熱硬化せしめた後のショット
ブラスト部分の塗膜面を目視で評価した結果である。○
は切削部と同程度の平滑性を有している、×はショット
ブラストの痕跡が明確に認められる を示す。
【0062】付着性:プライマ−(A)、着色塗料
(B)およびクリヤ−塗料(C)を塗装し加熱硬化せし
めた後の切削部分の塗膜を素地に達するようにクロスカ
ットし、大きさ1mm×1mmのゴバン目を100個作
り、その表面に粘着セロハンテ−プを貼付し、20℃で
そのテ−プを急激に剥離したのちの残存ゴバン目塗膜数
を調べた。○は残存塗膜数100個、△は残存塗膜数9
9〜70個、×は残存塗膜数69個以下を示す。
【0063】耐水性:プライマ−(A)、着色塗料
(B)およびクリヤ−塗料(C)を塗装し加熱硬化せし
めたアルミホイ−ルを40℃の水に240時間浸漬し、
引上げ直後の切削部の塗面を目視で評価し、ついで1時
間室温で乾燥してから上記付着性試験と同様に行って切
削部の付着性を調べた。目視評価で○は全く異常なし、
△はマイクロブリスタ−少しあり、×はブリスタ−多く
ありを示す。付着性は上記と同様に行い評価した。
【0064】耐食性:プライマ−(A)、着色塗料
(B)およびクリヤ−塗料(C)を塗装し加熱硬化せし
めたアルミホイ−ルの切削部分の塗膜を素地に達するよ
うにクロスカットし、ソルトスプレ−(JISK540
0−9.1)で1000時間試験し、ついで水洗乾燥さ
せてから、クロスカット部分に粘着セロハンテ−プを貼
付し、20℃でそのテ−プを急激に剥離したのちのカッ
ト部からの塗膜の剥離巾(片側)を調べた。◎は0.5
mm以内、○は1mm以内、△は3mm以上、×は10
3mm以上を示す。
【0065】耐チッピング性:プライマ−(A)、着色
塗料(B)およびクリヤ−塗料(C)を塗装し加熱硬化
せしめたアルミホイ−ルの塗膜に、−20℃において6
号砕石500gを圧力4kg/cm2 で90゜の角度で
50cmの距離で噴射したのちの塗面を調べた。○は素
地の露出が全く認められない、△は素地が少し露出、×
は素地が多く露出していることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/06 PHQ C09D 175/06 PHQ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはそれを含む合金からな
    るアルミホイ−ルを、熱硬化性プライマ−(A)、熱硬
    化性アクリル樹脂系着色塗料(B)および熱硬化性アク
    リル樹脂系クリヤ−塗料(C)をウエットオンウエット
    で順次塗装し、ついで加熱して該3層塗膜同時に硬化せ
    しめる塗装方法において、該熱硬化性プライマ−(A)
    が、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、低分子量メ
    ラミン樹脂(b)、ベンゾグアナミン樹脂(c)および
    シランカップリング剤(d)を主成分とする組成物であ
    ることを特徴とするアルミホイ−ルの塗装方法。
JP29074395A 1995-11-09 1995-11-09 アルミホイ−ルの塗装方法 Pending JPH09131567A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29074395A JPH09131567A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 アルミホイ−ルの塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29074395A JPH09131567A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 アルミホイ−ルの塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09131567A true JPH09131567A (ja) 1997-05-20

Family

ID=17759959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29074395A Pending JPH09131567A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 アルミホイ−ルの塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09131567A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6413588B1 (en) 1999-01-11 2002-07-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method of producing durable layered coatings
JP2009203300A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性塗料組成物及びそれを塗布してなる被塗物
JP2010235829A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Dainippon Toryo Co Ltd アルミニウム部材用防錆プライマー及びアルミニウム部材
CN102181214A (zh) * 2011-04-15 2011-09-14 肇庆千江高新材料科技有限公司 镁铝合金基材用的烤漆及其制备和使用方法
CN102766238A (zh) * 2012-08-13 2012-11-07 佛山市高明同德化工有限公司 高附着力热固性丙烯酸树脂及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6413588B1 (en) 1999-01-11 2002-07-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method of producing durable layered coatings
JP2009203300A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性塗料組成物及びそれを塗布してなる被塗物
JP2010235829A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Dainippon Toryo Co Ltd アルミニウム部材用防錆プライマー及びアルミニウム部材
CN102181214A (zh) * 2011-04-15 2011-09-14 肇庆千江高新材料科技有限公司 镁铝合金基材用的烤漆及其制备和使用方法
CN102766238A (zh) * 2012-08-13 2012-11-07 佛山市高明同德化工有限公司 高附着力热固性丙烯酸树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4186080B2 (ja) アルミニウム基材の塗膜形成方法
JPH11207255A (ja) 複層上塗塗膜形成法
JPH09131567A (ja) アルミホイ−ルの塗装方法
WO1999020702A1 (fr) Composition de revetement et procede de revetement avec celle-ci
JP2004262988A (ja) 高白色パール調複層塗膜の形成方法
JP4641940B2 (ja) アルミニウムホイール用熱硬化性液状塗料組成物及びアルミニウムホイールの塗装方法
WO2001087502A1 (fr) Procede de formation d'une pellicule de protection a couches multiples
JPH06254482A (ja) 塗装方法
JPH0493374A (ja) 水性中塗り塗料
JP2000084483A (ja) 複層塗膜形成方法
JPH09132752A (ja) アルミホイ−ル用プライマ−
JP2003154310A (ja) アルミニウム製品の塗膜形成方法
JP2000136332A (ja) 塗料組成物およびその塗装法
JPH10298460A (ja) 塗料組成物およびその塗装法
JP4213796B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JPH09176571A (ja) 中塗塗料組成物
JP2003300010A (ja) 自動車塗膜の補修方法及び基材
JP2883958B2 (ja) 水性中塗り塗料
JP3153971B2 (ja) ポリウレタン用プライマー
JP2883699B2 (ja) 水性中塗り塗料
JPH04200776A (ja) 鋼板塗装方法
JP4323015B2 (ja) 塗膜形成法
JP2003253211A (ja) 水性中塗り塗料組成物及び塗膜形成方法
WO2022255216A1 (ja) 水性塗料組成物および塗装物品の製造方法
JPH10140077A (ja) 自動車上塗り塗料及びそれを用いた塗膜形成方法