JPH10298460A - 塗料組成物およびその塗装法 - Google Patents

塗料組成物およびその塗装法

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JPH10298460A
JPH10298460A JP9120106A JP12010697A JPH10298460A JP H10298460 A JPH10298460 A JP H10298460A JP 9120106 A JP9120106 A JP 9120106A JP 12010697 A JP12010697 A JP 12010697A JP H10298460 A JPH10298460 A JP H10298460A
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JP
Japan
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resin
paint
composition
coating
parts
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JP9120106A
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English (en)
Inventor
Seiji Wada
誠司 和田
Yasumasa Okumura
保正 奥村
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚染性に優れた硬質塗膜を形成することが
可能な有機溶剤系熱硬化型塗料組成物を提供すること。 【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物と該樹脂組成物の樹
脂固形分100重量部あたり固形分量で10〜140重
量部のコロイダルシリカを含有することを特徴とする有
機溶剤系熱硬化性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の属する技術分野 本発明は、ツーコン硬度(20℃)が15以上の硬質塗
膜を形成することが可能な有機溶剤系熱硬化性塗料組成
物、およびそれを用いた、耐汚染性にすぐれ、汚染物質
が付着しても容易に除去することが可能な塗膜を形成す
る方法に関する。
【0002】従来の技術とその課題 熱硬化性塗料として、水酸基含有アクリル樹脂およびメ
ラミン樹脂を主成分とする、耐候性および仕上り外観な
どが良好な塗膜を形成しうる有機溶剤系塗料が知られて
いる。一方、近年クローズアップされている「耐酸性雨
性」が改良された塗料として、カルボキシル基含有樹脂
とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする有機溶剤系熱硬
化性塗料(通称、酸エポキシ型塗料)も提案されてい
る。この酸エポキシ型塗料は、耐酸性雨性にすぐれ、し
かも耐候性および仕上り外観も良好である。
【0003】しかしながら、これらの熱硬化性塗料の塗
膜は、耐汚染性に劣り、塗面に付着した汚染物質を痕跡
なく除去することが困難であるという欠点を有してお
り、特に、屋外において、汚染物質(例えば、鳥糞、花
粉、虫の死骸など)、鉄粉、砂泥、排気スス(カーボ
ン、パラフィンなど)などが付着したり、浸み込んだ
り、めりこんだりして汚染しやすい。例えば、塗膜に付
着した鳥糞は乾燥固化の際に凝縮し、それに伴って塗膜
面もちぢんでその部分の光沢や鮮映性などが低下し、ま
た、花粉や虫の死骸などは雨などで濡れるとたんぱく質
やアミノ酸などが溶出し、これが塗膜に浸み込んで汚染
源になる。さらに、鉄粉、砂泥、排気ススなども塗膜に
付着またはめりこんだりして汚染源になる。自動車外板
などは、夏季に屋外放置されると60℃以上になること
があり、かかる高温では塗膜が軟化して、上記の汚染現
象がさらに促進されやすい。
【0004】このようにして塗膜が汚染されると、単に
布などで拭き取ったりまたは洗剤やワックスなどを使用
しても、汚染を容易に除去することができず、塗膜の美
観性を損ねることになる。
【0005】課題を解決するための手段 本発明者らは、熱硬化性塗料の塗膜を硬質にし、耐汚染
性を向上させることを目的に、鋭意研究を行なった結
果、今回、熱硬化性塗料にコロイダルシリカを特定量含
有せしめることにより目的が達成できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明は、熱硬化性樹脂組成物
と該樹脂組成物の樹脂固形分100重量部あたり固形分
量で10〜140重量部のコロイダルシリカを含有する
ことを特徴とする有機溶剤系熱硬化性塗料組成物を提供
するものである。
【0007】本発明はまた、少なくとも1種の着色塗料
および少なくとも1種のクリヤー塗料を順次塗装して複
層上塗塗膜を形成するにあたり、最上層のクリヤー塗料
としての有機溶剤系熱硬化性塗料組成物を使用すること
を特徴とする複層上塗塗膜形成法を提供するものであ
る。
【0008】以下、本発明の有機溶剤系熱硬化性塗料組
成物(以下、「本発明塗料」という)および該塗料組成
物を用いて複層塗膜を形成する方法(以下、「本発明方
法」という)についてさらに詳細に説明する。
【0009】本発明塗料は、熱硬化性樹脂組成物、上記
特定量のコロイダルシリカおよび有機溶剤を含有し、さ
らに必要に応じて、着色顔料、硬化触媒、沈降防止剤、
流れ防止剤、紫外線安定剤、難燃剤、防汚剤などの塗料
添加物を配合してなる液状有機溶剤系熱硬化性塗料組成
物である。
【0010】本発明塗料において使用される熱硬化性樹
脂組成物は、基体樹脂および架橋剤からなるものであ
り、これら両成分は加熱により三次元的に架橋反応し
て、本発明塗料から形成される塗膜を硬化せしめるもの
である。
【0011】該熱硬化性樹脂組成物における基体樹脂
は、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などを基本骨格と
し、その末端および/または側鎖に、例えば水酸基、エ
ポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基、イソ
シアネート基などから選ばれる1種もしくは2種以上の
架橋性官能基が導入された構造の樹脂であり、そのよう
な基体樹脂としては、塗料用樹脂としてそれ自体既知の
ものを使用することができる。
【0012】上記アクリル樹脂およびビニル樹脂は、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
トなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C22アルキルエス
テル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)
アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、
エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル
(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2
〜C18アルコキシアルキルエステル;N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N−
t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノプロピルメタクリレートなどのアミノアクリル系単
量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N
−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミ
ド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタク
リルアミドなどのアクリルアミド系単量体;スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香
族化合物;アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル
などのビニル系単量体などから選ばれる1種もしくは2
種以上の非官能性単量体を、水酸基、エポキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシシラン基などの架橋性官能基を
有する重合性単量体の1種もしくは2種以上と共重合さ
せることにより得ることができる。
【0013】この共重合に用いうる水酸基を有する重合
性単量体は、1分子中に水酸基および重合性不飽和結合
をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2〜C20ヒド
ロキシアルキルエステルなどがあげられる。
【0014】また、エポキシ基を有する重合性単量体
は、1分子中にエポキシ基および重合性不飽和結合をそ
れぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)ア
クリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−
(1,2−エポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデ
ン−5(6)−イル)オキシエチル(メタ)アクリレー
ト、5,6−エポキシ−4,7−メタノペルヒドロイン
デン−2−イル−(メタ)アクリレート、1,2−エポ
キシ−4,7−メタノペルヒドロインデン−5−イル−
(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル化ポリカプロラクトンの(メタ)アクリレ
ート、下記式で示される化合物などがあげられる。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】上記式中、R1は同一もしくは異なり水素
原子又はメチル基を示し、R2は同一もしくは異なりC
1〜8の炭化水素基を示し、R3は同一もしくは異なりC
1〜20の炭化水素基を示し、wは0〜10の整数を示
す。
【0018】カルボキシル基を有する重合性単量体は、
1分子中にカルボキシル基および重合性不飽和結合をそ
れぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;マレイ
ン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸およびこれら
の無水物やハーフエステル化などの不飽和ジカルボン酸
またはその変性物などなどがあげられる。
【0019】さらに、アルコキシシラン基を有する重合
性単量体は、1分子中にアルコキシシラン基および重合
性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリアセトオキシシラン、β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、2−スチリルエチルトリメトキシシランなどがあ
げられる。
【0020】前記アクリル樹脂およびビニル樹脂は、水
酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン
基などの架橋性官能基を、1分子あたり2個以上有する
ことができ、また、該樹脂の数平均分子量は約2000
〜約100000、特に約5000〜30000の範囲
内にあるのが適している。
【0021】また、基体樹脂としてのポリエステル樹脂
およびアルキド樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの
エステル化反応によって得られる。この反応に用いうる
多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
る化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ト
リメリット酸およびこれらの無水物などがあげられ、ま
た、多価アルコールは1分子中に2個以上の水酸基を有
する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどがあげられる。
【0022】これらのポリエステル樹脂およびアルキド
樹脂への架橋性官能基の導入はそれ自体既知の方法によ
って行なうことができ、例えば、水酸基およびカルボキ
シル基は、上記エステル化反応において多塩基酸および
多価アルコールのいずれか一方を過剰に使用するか、ま
たはエステル化反応後、さらに塩基酸または多価アルコ
ールを部分エステル化反応することによって導入するこ
とができる。イソシアネート基の導入は、例えば、ポリ
イソシアネート化合物が有する複数のイソシアネート基
の一部をポリエステル樹脂およびアルキド樹脂が有する
水酸基またはカルボキシル基に付加することによって行
なうことができる。
【0023】ポリエステル樹脂およびアルキド樹脂はこ
れらの架橋性官能基を1分子あたり2個以上有すること
ができ、また、該樹脂の数平均分子量は約500〜約5
0000、特に約1000〜20000の範囲内にある
のが適している。
【0024】さらに、基体樹脂としてのウレタン樹脂は
ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物をウレタ
ン化反応せしめることにより得ることができ、その際に
使用されるポリイソシアネート化合物は、1分子中に2
個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例え
ば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テ
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレン
ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネートおよびシクロペン
タンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;
該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加物、イ
ソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシアネー
トと低分子量もしくは高分子量のポリオール類とをイソ
シアネート基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート
基含有プレポリマーなどがあげられる。
【0025】ポリオール化合物は、1分子中に2個以上
の水酸基を有する化合物であり、例えば、上記ポリエス
テル樹脂およびアルキド樹脂の調製について前述した如
き多価アルコール、水酸基含有ポリエステル樹脂および
アルキド樹脂、水酸基含有アクリル樹脂などがあげられ
る。
【0026】ウレタン樹脂は架橋性官能基として水酸基
および/またはイソシアネート基を含有することがで
き、これらの官能基はウレタン樹脂の製造に際してポリ
イソシアネート化合物とポリオール化合物の比率を調整
することによって導入することができる。また、カルボ
キシル基は、ウレタン樹脂に1分子中に水酸基とカルボ
キシル基とを併存する化合物を付加することによって得
られる。
【0027】熱硬化性樹脂組成物のもう1つの構成成分
である架橋剤は、以上に述べた如き基体樹脂中の架橋性
官能基と反応しうる官能基を有する化合物であり、例え
ば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロッ
クされていてもよいポリイソシアネート化合物、カルボ
キシル基含有化合物などがあげられる。
【0028】メラミン樹脂、尿素樹脂およびグアナミン
樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、グアナミンな
どのアミノ成分とアルデヒドとの反応により得られるメ
チロール化アミノ樹脂、またはそのメチロール基の一部
もしくはすべてを炭素数1〜8の1価アルコールでエー
テル化してなる部分エーテル化もしくはフルエーテル化
アミノ樹脂などがあげられ、これらは300〜2000
の範囲内の数平均分子量を有していることが好ましい。
該アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パ
ラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデ
ヒドなどがあげられ、また、エーテル化に用いられる炭
素数1〜8の1価アルコールとしては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサ
ノール、2エチルヘキサノールなどがあげられる。
【0029】ポリイソシアネート化合物は、1分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例
えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジ
イソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロン
ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネ
ート、シクロヘキサンジイソシアネートおよびシクロペ
ンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネー
ト;該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加
物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシ
アネートと低分子量もしくは高分子量のポリオール類
(例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルポリオールなど)とをイソシアネート
基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート基含有プレ
ポリマーなどがあげられる。さらに、これらのポリイソ
シアネート化合物の遊離イソシアネート基をフェノール
類、オキシム類、活性メチレン類、ラクタム類、アルコ
ール類、メルカプタン類、酸アミド系、イミド系、アミ
ン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸系、イミ
ン系などのブロック剤で封鎖したブロックポリイソシア
ネートも使用することができる。これらのポリイソシア
ネート化合物の数平均分子量は一般に200〜1000
0の範囲内にあることが好ましい。
【0030】カルボキシル基含有化合物は、1分子中に
2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、該カ
ルボキシル基はモノカルボン酸、多価カルボン酸、ジカ
ルボン酸無水物および多価カルボン酸やジカルボン酸無
水物のハーフエステル化物などに由来するものがあげら
れる。例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘ
ット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリ
ット酸およびそれらの無水物およびそれらと一価アルコ
ールとのハーフエステル化物;これらの多塩基酸と多価
アルコールとを酸過剰で反応させてなるジまたはポリエ
ステル化物(数平均分子量200〜10000);アク
リル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸などの不
飽和ジカルボン酸およびそれらの無水物やハーフエステ
ル化物などのカルボキシル基を有する重合性単量体また
は該重合性単量体とそれ以外の重合性単量体との(共)
重合体(数平均分子量1000〜10000)などがあ
げられる。
【0031】熱硬化性樹脂組成物における基体樹脂およ
び架橋剤の両成分の構成比率は、目的に応じて広い範囲
にわたり変えることができるが、一般には、該両成分の
合計重量固形分を基準にして、基体樹脂は50〜90
%、特に65〜80%、架橋剤は50〜10%、特に3
5〜20%の範囲内にあるのが適している。なお、基体
樹脂の1分子中の末端および/または側鎖に、水酸基、
エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基、イ
ソシアネート基などから選ばれ、かつ相互に反応し得る
官能基が併存している、いわゆる自己硬化性樹脂を用い
る場合には架橋剤の配合を省略することができる。
【0032】本発明塗料に配合されるコロイダルシリカ
としてはそれ自体既知のものを使用することができる。
具体的には、二酸化ケイ素(SiO2)の超微粒子が有
機溶剤中にけん濁している分散液の状態のものが好適で
ある。該分散液中の超微粒子としては、ケイ素がシロキ
サン結合により高分子量化したものから構成され、その
表面に水酸基を有していてもよい真球状のものが好まし
い。また、該微粒子の大きさは2〜100nm、特に5
〜50nmの範囲内にあることが望ましい。これらの超
微粒子をけん濁させるための有機溶剤としては、例え
ば、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロ
ヘキサンなどの炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸
ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエステ
ル系溶剤;イソプロピルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルなどのエーテル系溶剤;エチルアルコール、ブ
チルアルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール
系溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、イソホロン、アセトフェノンなどのケトン系溶剤;
などがあげられる。二酸化ケイ素(SiO2)の超微粒
子が有機溶剤中にけん濁している分散液中の二酸化ケイ
素超微粒子の含有率は、通常、15〜50重量%、特に
20〜43重量%の範囲内にあることが好ましい。
【0033】本発明塗料において使用しうる二酸化ケイ
素の超微粒子が有機溶剤中にけん濁している分散液(コ
ロイダルシリカ)には、市販品として、例えば、スノー
テックスMA−ST−M、同IPA−ST、同EG−S
T、同EG−ST−ZL、同NPC−ST、同DMAC
−ST、同MEK、同XBA−ST、同MIBK−ST
(いずれも日産化学工業(株)製、商品名)などがあげ
られる。
【0034】本発明塗料において、コロイダルシリカの
配合量は、熱硬化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量
部あたり、10〜140重量部、好ましくは20〜80
重量部、より好ましくは40〜60重量部配合の範囲内
とすることができる。コロイダルシリカの配合量が熱硬
化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量部あたり、10
重量部より少なくなると、形成される硬化塗膜の硬度、
破断応力およびヤング率を向上させることは困難であ
り、一方、140重量部より多くなると、二酸化ケイ素
微粒子が凝集して貯蔵安定性が低下する傾向がみられ
る。
【0035】本発明塗料は、上記した熱硬化性樹脂組成
物および特定量のコロイダルシリカを有機溶剤に混合
し、溶解もしくは分散せしめることによって調製するこ
とができるが、さらに必要に応じて、着色顔料、硬化触
媒、沈降防止剤、流れ防止剤、紫外線安定剤、難燃剤、
防汚剤などを配合することができる。
【0036】着色顔料としては、例えば、酸化チタン、
亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブ
デンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブ
ルー、コバルトブルー、などの無機顔料、アゾ顔料、フ
タロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン
顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料など有機顔料などの
ソリッドカラー顔料;りん片状のアルミニウム、雲母、
金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄などのメ
タリックまたは干渉模様用顔料などが包含される。これ
らの着色顔料の配合量は、熱硬化性樹脂組成物100重
量部あたり0〜150重量部の範囲内が好ましい。
【0037】本発明塗料は、透明塗膜を形成するクリヤ
ー塗料、ソリッドカラー顔料を配合してなるソリッドカ
ラー塗料、メタリック顔料を配合してなるメタリック塗
料、干渉模様用顔料を配合してなる干渉模様塗料などと
して使用することができるが、本発明塗料は、ツーコン
硬度(20℃)15以上の硬質塗膜を形成し、その塗膜
は耐汚染性にすぐれ、汚染物質が付着しても容易に除去
することができるので、本発明塗料はこれらの性能が強
く要求される自動車外板部の複層上塗塗膜の最上層部を
形成させるためのクリヤ塗料または着色塗料として特に
適している。
【0038】本発明塗料によって形成される硬化塗膜
は、ツーコン硬度(20℃)で15以上、好ましくは1
7以上、さらに好ましくは20〜30にすることは可能
である。さらに、本発明塗料を用いれば、熱硬化性樹脂
組成物を適当に選択しおよび/またはコロイダルシリカ
の配合量を調節することにより、このツーコン硬度に加
えて、破断応力が500Kg/cm2 以上、好ましくは
600Kg/cm2 以上、さらに好ましくは700〜9
00Kg/cm2、そしてヤング率が20000Kg/
cm2 以上、好ましくは21000〜30000Kg/
cm2の硬化塗膜を形成にすることも可能である。
【0039】ここで、「ツーコン硬度(20℃)」は、
塗料をガラス板に硬化塗膜で30μmになるように塗装
し、所定の条件、例えば140℃で30分加熱硬化させ
た塗膜を、20℃において、American Chain & Cable C
ompany製のTUKON microhardness testerにて測定したと
きの値であり、その数値が大きいほど硬質であることを
意味する。従来の熱硬化性塗料によって形成される硬化
塗膜のツーコン硬度(20℃)は通常5〜10であるの
で、本発明塗料を用いることにより、それよりもはるか
に硬質の硬化塗膜を形成することが可能であり、それが
本発明塗料の大きな特徴の一つである。
【0040】破断応力は、塗料をブリキ板に硬化塗膜で
30μmになるように塗装し、所定の条件、例えば14
0℃で30分加熱硬化させた塗膜を、20℃において、
オリエンテックコーポレーション製のテンシロンメータ
を用いて測定したときの値であり、その数値が大きいほ
ど、塗膜強度が高いことを意味する。従来の熱硬化性塗
料によって形成される硬化塗膜の破断応力は(20℃)
は通常300〜500であり、本発明塗料を用いればそ
れよりもはるかに強靭な塗膜を形成することが可能であ
る。
【0041】ヤング率は、上記破断応力の場合と同様に
して調製した塗膜および機器を使用して測定したときの
値であり、塗膜硬度はヤング率にほぼ比例しており、こ
の数値が大きいほど硬度が高いことを意味する。従来の
熱硬化性塗料塗膜のヤング率は(20℃)は通常100
00〜20000Kg/cm2の範囲内であり、本発明
塗料を用いればそれよりも硬質な塗膜を形成することが
可能である。
【0042】本発明塗料を自動車外板部の上塗塗膜の形
成のために使用する場合の塗装法の具体例を示せば以下
のとおりである。
【0043】塗装法A:本発明塗料によるソリッドカラ
ー塗料の単独上塗塗膜で仕上げる。
【0044】塗装法B:少なくとも1種の着色塗料およ
び少なくとも1種のクリヤー塗料を順次塗装して複層上
塗塗膜を形成するにあたり、最上層のクリヤー塗料とし
て本発明塗料を使用して複層上塗塗膜を形成する。
【0045】この塗装法Bの具体例として、例えば、
(B−1) 着色塗料およびクリヤー塗料を順次塗装す
る2コート仕上げにおいて、該クリヤー塗料として本発
明本塗料を使用する、(B−2) 着色塗料、第1クリ
ヤー塗料および第2クリヤー塗料を順次塗装する3コー
ト仕上げにおいて、該第2クリヤー塗料として本発明本
塗料を使用する、(B−3) 第1着色塗料、第2着色
塗料およびクリヤー塗料を順次塗装する3コート仕上げ
において、該クリヤー塗料として本発明本塗料を使用す
るなどの方法があげられる。
【0046】上記塗装法において着色塗料としては、ソ
リッドカラー塗料、メタリック塗料または干渉模様塗料
を使用することができる。
【0047】塗装法Aは、例えば、自動車用の金属製も
しくはプラスチック製の被塗物に直接、またはカチオン
電着塗料などの下塗塗料および必要に応じてさらに中塗
塗料を塗装し硬化させた後、粘度10〜25秒(フォー
ドカップ#4/20℃)、固形分含有率20〜60重量
%に調整してなる本発明塗料によるソリッドカラー塗料
をエアレススプレー、エアスプレー、静電塗装などの方
法によって膜厚が硬化塗膜で約20〜約80μmになる
ように塗装し、室温で数分間放置してから、約100〜
約180℃、好ましくは約120〜約160℃で約10
〜約40分加熱して架橋硬化させることにより行うこと
ができる。
【0048】塗装法(B−1)は、例えば、自動車用の
金属製もしくはプラスチック製の被塗物に直接、または
カチオン電着塗料などの下塗塗料および必要により中塗
塗料を塗装し硬化させた後、着色塗料をエアレススプレ
ー、エアスプレー、静電塗装などの方法によって膜厚が
硬化塗膜で約10〜約50μmになるように塗装し、約
100〜約180℃の温度で加熱して架橋硬化させてか
ら、または硬化させずに室温で数分間放置してから、粘
度10〜25秒(フォードカップ#4/20℃)、固形
分含有率20〜60重量%に調整してなる本発明塗料に
よるクリヤー塗料を同様な方法によって膜厚が硬化塗膜
で約20〜約70μmになるように塗装し、約100〜
約180℃、好ましくは約120〜約160℃で約10
〜約40分加熱して架橋硬化させることからなる、2コ
ート1ベイク方式(2C1B)または2コート2ベイク
方式(2C2B)により行なうことができる。
【0049】塗装法(B−1)で使用される着色塗料と
しては、ソリッドカラー塗料、メタリック塗料および光
干渉模様塗料が包含され、樹脂成分、着色顔料および溶
剤を含有するそれ自体既知の熱硬化性塗料を用いること
ができる。具体的には、該樹脂成分は架橋性官能基(例
えば水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシ
シラン基礎など)を有するアクリル樹脂、ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などか
ら選ばれる少なくとも1種の基体樹脂と、これらを架橋
硬化させるためのアルキルエーテル化したメラミン樹
脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ブロックされていても
よいポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カル
ボキシル基含有化合物などから選ばれる少なくとも1種
の架橋剤成分とからなり、該両成分の合計重量を基準に
して基体樹脂を50〜90%、架橋剤成分を50〜10
%の比率で含有するものが好ましい。該着色顔料にはソ
リッドカラー顔料、メタリック顔料および光干渉模様顔
料が包含され、これらは単独でもしくは2種以上併用す
ることが可能である。また、溶剤としては有機溶剤系が
適しているが、水系であっても差支えない。
【0050】塗装法(B−2)で使用される着色塗料と
しては、上記塗装法(B−1)で説明した着色塗料を使
用することができ、また、第1クリヤー塗料は透明塗膜
形成用塗料であり、上記着色塗料から着色顔料の殆ども
しくはすべてを除去してなる塗料または本発明塗料など
を使用することができる。そして、第2クリヤー塗料と
して本発明塗料を使用する。塗装法(B−2)は、具体
的には、自動車用の金属製ましくはプラスチック製の被
塗物に直接、またはカチオン電着塗料などの下塗塗料お
よび必要に応じて中塗塗料を塗装し硬化させてから、上
記着色塗料をエアレススプレー、エアスプレー、静電塗
装などの方法によって膜厚が硬化塗膜で約10〜約50
μmになるように塗装し、約100〜約180℃で加熱
して架橋硬化させてから、または硬化させずに室温で数
分間放置してから、該塗面に第1クリヤー塗料を同様な
方法によって膜厚が硬化塗膜で約10〜約50μmにな
るように塗装し、約100〜約180℃で加熱して架橋
硬化させてから、または硬化させずに室温で数分間放置
してから、粘度10〜25秒(フォードカップ#4/2
0℃)、固形分含有率20〜60重量%に調整してなる
本発明塗料(第2クリヤー塗料)を同様な方法によって
膜厚が硬化塗膜で約10〜約50μmになるように塗装
し、約100〜約180℃、好ましくは約120〜約1
60℃で約10〜約40分加熱して架橋硬化させること
からなる、3コート1ベイク方式(3C1B)、3コー
ト2ベイク方式(3C2B)または3コート3ベイク方
式(3C3B)により行なうことができる。
【0051】塗装法(B−3)で使用される第1着色塗
料としては、上記塗装法(B−1)で説明した着色塗料
を使用することができ、特にこのうち、素地を隠蔽でき
る塗料が好ましい。また、第2着色塗料としては、上記
塗装法(B−1)の着色塗料として例示したのうち、素
地(つまり第1着色塗料塗面)を透視できる程度の弱い
隠蔽性を有する着色透明塗膜を形成する塗料を使用する
ことができ、そして、第2クリヤー塗料として粘度10
〜25秒(フォードカップ#4/20℃)、固形分含有
率20〜60重量%に調整してなる本発明塗料を使用す
る。塗装法(B−3)は、具体的には、自動車用の金属
製ましくはプラスチック製の被塗物に直接,またはカチ
オン電着塗料などの下塗塗料および必要に応じて中塗塗
料を塗装し硬化させてから、上記第1着色塗料をエアレ
ススプレー、エアスプレー、静電塗装などの方法によっ
て膜厚が硬化塗膜で約10〜約50μmになるように塗
装し、約100〜約180℃で加熱して架橋硬化させて
から、または硬化させずに室温で数分間放置してから、
該塗面に第2着色塗料を同様な方法によって膜厚が硬化
塗膜で約10〜約50μmになるように塗装し、約10
0〜約180℃で加熱して架橋硬化させてから、または
硬化させずに室温で数分間放置してから、クリヤー塗料
である本発明塗料を同様な方法によって膜厚が硬化塗膜
で約10〜約50μmになるように塗装し、約100〜
約180℃、好ましくは約120〜約160℃で約10
〜約40分加熱して架橋硬化させることからなる、3コ
ート1ベイク方式(3C1B)、3コート2ベイク方式
(3C2B)または3コート3ベイク方式(3C3B)
により行なうことができる。
【0052】発明の効果 以上に述べた本発明塗料によれば、以下の如き効果が達
成される。
【0053】(1) 本発明塗料により形成される硬化
塗膜は、水酸基含有アクリル樹脂とメラミン樹脂とを主
成分とする有機溶剤系塗料に比べ、耐候性および仕上り
外観などは同等もしくはそれ以上であり、しかも耐汚染
性が顕著にすぐれている。
【0054】(2) 本発明塗料により形成される硬化
塗膜の耐酸性、耐候性および仕上り外観は、カルボキシ
ル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂とを主成分とする酸
エポキシ型塗料と同等もしくはそれ以上であり、しかも
耐汚染性は顕著にすぐれている。
【0055】(3) 本発明塗料は、ツーコン硬度(2
0℃)が15以上であり、且つ破断応力が500Kg/
cm2以上およびヤング率が20000Kg/cm2以上
である硬化塗膜を形成することができ、しかもこの硬化
塗膜は60℃以上の高温に晒されても軟化することが殆
どない。
【0056】(4) 本発明塗料により形成される硬化
塗膜は超硬質であるため、鳥糞、花粉、虫の死骸、排気
ススなどの汚染性物質が付着しても塗膜内部に浸み込む
ことが殆どなく容易に拭き取ることができ、その部分の
光沢や鮮映性などが低下することがない。
【0057】(5) 本発明塗料による硬化塗膜は超硬
質であるため、鉄粉、砂泥などが塗膜に付着またはめり
こんだりすることがない。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに具体的に説明する。なお、部および%は重量に基づ
くものである。
【0059】実施例 1 マレイン酸のエタノール半エステル化物200部、アク
リル酸50部、n−ブチルアクリレート200部、n−
ブチルメタクリレート350部およびスチレン200部
を用いて共重合させてなる重合体(数平均分子量約60
00のカルボキシル基含有アクリル樹脂)の50%キシ
レン溶液と、グリシジルメタクリレート350部、ヒド
ロキシエチルメタクリレート130部、n−ブチルアク
リレート300部、n−ブチルメタクリレート120部
およびスチレン100部を用いて共重合させてなる重合
体(数平均分子量約10000のエポキシ基含有アクリ
ル樹脂)の50%キシレン溶液とを、固形分比で、前者
/後者=60/40なるように混合し、さらに該両樹脂
の固形分100部あたりスノーテックスXBA−ST
(注1)を固形分量で45部およびテトラブチルアンモ
ニウムブロミドを0.5部配合し、溶剤(キシレンとソ
ルベントナフサとの等重量混合液)を加えて、粘度15
〜20秒/フォードカップ#4/20℃および固形分含
有率45%に調整して、有機溶剤系熱硬化性塗料組成物
(1)を得た。
【0060】(注1) スノーテックスXBA−ST
(日産化学工業株式会社製、商品名) シロキサン結合により高分子量化しコロイダルシリカが
有機溶剤(キシレン/ブタノール)中にけん濁している
分散液であり、その表面に水酸基を有し、形状は真球状
で、粒子径は10〜20nmである。固形分濃度30
%。
【0061】実施例 2 実施例1におけるスノーテックスXBA−STの配合量
を固形分比で該両樹脂100部あたり50部に変えた以
外はすべて実施例1と同様に処理して、有機溶剤系熱硬
化性塗料組成物(2)を得た。
【0062】実施例 3 スチレン200部、ヒドロキシエチルメタクリレート2
00部、n−ブチルアクリレート200部、n−ブチル
メタクリレート300部および2−エチルヘキシルアク
リレート100部を用いて共重合させてなる重合体(数
平均分子量約5000の水酸基含有アクリル樹脂)の5
0%キシレン溶液とメラミン樹脂(注2)とを固形分比
で、前者/後者=60/40なるように混合し、さらに
該両樹脂の固形分100部あたりスノーテックスXBA
−SR(注1)を固形分量で50部配合し、溶剤(キシ
レンとソルベントナフサとの等重量混合液)を加えて、
粘度15〜20秒/フォードカップ#4/20℃および
固形分含有率45%に調整して、有機溶剤系熱硬化性塗
料組成物(3)を得た。
【0063】(注2) メラミン樹脂 「ユーバン20SE−60」(三井東圧化学社製、商品
名)ブチルエーテル化メラミン樹脂60%溶液 実施例 4 実施例3におけるスノーテックスXBA−STの配合量
を固形分比で該両樹脂100部あたり55部に変えた以
外はすべて実施例3と同様に処理して、有機溶剤系熱硬
化性塗料組成物(4)を得た。
【0064】比較例 1 実施例1におけるスノーテックスXBA−STの配合量
を固形分比で該両樹脂100部あたり5部に変えた以外
はすべて実施例1と同様に処理して、有機溶剤系熱硬化
性塗料組成物(5)を得た。
【0065】比較例 2 実施例1におけるスノーテックスXBA−STの配合量
を固形分比で該両樹脂100部あたり150部に変えた
以外はすべて実施例1と同様に処理して、有機溶剤系熱
硬化性塗料組成物(6)を得た。
【0066】実施例5〜8、比較例3〜4 カチオン電着塗料および中塗塗料を塗装し加熱硬化した
金属板に、アクリル樹脂・メラミン樹脂系有機溶剤型メ
タリック塗料(硬化膜厚20μ)を塗装し、室温で5分
放置してから、この未硬化塗面に上記実施例および比較
例で調製した有機溶剤系熱硬化性塗料組成物(クリヤ塗
料)を硬化膜厚が45μになるように塗装し、140℃
で30分加熱して、両塗膜を同時に硬化させた(2コー
ト1ベイク方式)。
【0067】得られた硬化塗膜の性能試験結果を表1に
示す。
【0068】表1において、仕上り外観 :目視評価の結果であり、○はツヤおよび平
滑性などが良好、△はツヤおよび平滑性などかなり劣
る、×はツヤおよび平滑性など著しく劣ることを示す。
【0069】硬度:塗板を20℃または60℃に加熱
し、その塗膜温度でツーコン硬度を測定した結果であ
る。
【0070】破断応力およびヤング率:各実施例および
比較例で得た塗料組成物の単独塗膜(硬化膜厚40μに
なるよに塗装し、140℃で30分加熱硬化)について
20℃において測定した。
【0071】耐酸性:塗面に40%硫酸水溶液を0.4
cc滴下し、熱風乾燥機で60℃で15分加熱したから
水洗したのち、目視評価した結果である。○は全く異常
を認めない、△はスポット跡が少し残る、×はシミ、白
化またはフクレが著しいことを示す。
【0072】耐スリキズ性:磨き粉(ダルマクレンザ
ー)を水で固練りして塗面におき、その上を0.5Kg
荷重をかけて、25往復摩擦したのち、目視評価した結
果である。○は初期光沢と比べて変化なし、△は初期光
沢と比べてツヤびけ少しある、×は初期光沢と比べてツ
ヤびけ多くあることを示す。
【0073】汚染除去性:カーボンブラック(日本粉体
工業技術協会製、試験用ダスト12種)0.25部と脱
イオン水99.75部との混合液に硫酸を加えてpH
3.0に調整した試験液を上記塗板に噴霧し、温度20
℃、湿度70%の雰囲気で17時間静置したのち、80
℃の熱風乾燥機内で6時間加熱する。これを4サイクル
繰り返してからスポンジで塗面を水洗した塗面を目視評
価した結果である。○は汚染を全く認めない、△は汚染
が少し認められる、×は汚染が著しく認められることを
示す。
【0074】耐鳥フン性:野外で採取したハト糞を脱イ
オン水に混合して濃度30%とし、ディスパーで30分
撹拌してからガーゼで濾過した濾液を試験液とし、この
試験液0.4ccを塗面に滴下し、グラジエントオーブ
ンで70℃30分加熱したのち水洗した塗面を目視評価
した結果である。○は汚染を全く認めない、△はシミ、
くもり、フクレが少し認められる、×はシミ、くもり、
フクレが著しく認められることを示す。
【0075】耐花粉性:野外で採取したスギ花粉を脱イ
オン水で0.5%液とし、この0.4ccを塗面に滴下
し、グラジエントオーブンで65℃30分加熱したのち
水洗した塗面を目視評価した結果である。○は汚染を全
く認めない、△はシミ、フクレ、チジミが少し認められ
る、×はシミ、チジミ、フクレが著しく認められるをこ
とを示す。
【0076】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 161:32)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂組成物と該樹脂組成物の樹
    脂固形分100重量部あたり固形分量で10〜140重
    量部のコロイダルシリカを含有することを特徴とする有
    機溶剤系熱硬化性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ツーコン硬度(20℃)が15以上、破
    断応力が500Kg/cm2 以上およびヤング率が20
    000Kg/cm2 以上である硬化塗膜を形成しうる請
    求項1記載の有機溶剤系熱硬化性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂組成物が、水酸基、エポキ
    シ基、カルボキシル基、アルコキシシラン基、イソシア
    ネート基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ビ
    ニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂およびウレ
    タン樹脂から選ばれる少なくとも1種の基体樹脂と、こ
    れらを架橋硬化させるためのメラミン樹脂、尿素樹脂、
    グアナミン樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシ
    アネート化合物およびカルボキシル基含有化合物から選
    ばれる少なくとも1種の架橋剤成分とからなる組成物で
    ある請求項1記載の有機溶剤系熱硬化性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂組成物と該樹脂組成物の樹
    脂固形分100重量部あたり固形分量で10〜140重
    量部のコロイダルシリカを含有することを特徴とする有
    機溶剤系熱硬化性自動車用上塗り塗料組成物。
  5. 【請求項5】 少なくとも1種の着色塗料および少なく
    とも1種のクリヤー塗料を順次塗装して複層上塗塗膜を
    形成するにあたり、最上層のクリヤー塗料として、請求
    項1〜3のいずれかに記載の有機溶剤系熱硬化性塗料組
    成物を使用することを特徴とする複層上塗塗膜形成法。
  6. 【請求項6】 被塗物が自動車車体である請求項5に記
    載の塗装法。
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