JPH059411A - 透明防食塗料組成物 - Google Patents

透明防食塗料組成物

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JPH059411A
JPH059411A JP18805591A JP18805591A JPH059411A JP H059411 A JPH059411 A JP H059411A JP 18805591 A JP18805591 A JP 18805591A JP 18805591 A JP18805591 A JP 18805591A JP H059411 A JPH059411 A JP H059411A
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weight
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phosphate
coating
paint
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Application number
JP18805591A
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English (en)
Inventor
Bunichi Matsuda
文一 松田
Takashi Ueda
尚 上田
Yasunori Hamada
恭典 浜田
Teruaki Kuwajima
輝昭 桑島
Akira Negi
章 祢宜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塗膜形成樹脂(クリヤー塗料)100重量部とリ
ン含有有機化合物1〜5重量部を主成分とする透明防食
塗料組成物。前記組成に架橋性重合体粒子1〜20重量部
を配合することが好ましい。 【効果】 金属地肌面の金属光沢を損ねることなく透明
で耐糸錆性に優れる塗料を提供することができる。した
がって、特に軽合金材料で製造されるホイールのような
自動車部品を目的とする塗装用途に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属地肌面に塗布して
地肌の金属光沢を損ねずに糸錆化を防止することができ
る透明防食塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、車体軽量化の要請に伴いホイー
ル、ブレーキシリンダー、ラジエーター、エンジンシリ
ンダーヘッド等の自動車部品をアルミニウム系あるいは
マグネシウム系の軽合金により構成する比率が高まって
いる。特にホイールをアルミニウム系合金で形成した所
謂アルミホイールの普及は目覚ましく、意匠性に優れた
ものを含め広く実用されている。
【0003】一般にアルミホイールはアルミニウム系合
金を鋳造、鍛造などの手段によりホイール形状に成形加
工したのち、内外面の必要部分を切削して作製される
が、美粧性や耐候性を付与するために全面もしくは一部
に塗装が施される。この塗装は、通常、着色顔料や金属
粉末顔料、防錆顔料、体質顔料などを含有する塗料で下
塗りし、種類によっては再度部分的に切削したのち、露
出する地肌の金属光沢を長期に保持するために無色透明
のクリヤー塗料で1〜2回上塗りする工程が採られてい
る。
【0004】このうち、下塗り塗料としてはストロンチ
ウムクロメート、ジンククロメート、塩基性硫酸鉛とい
った防錆顔料や、無公害顔料として知られるリンモリブ
デン酸系顔料等を含む組成のものが使用されているため
ホイールの耐食性は大いに向上している。しかし、従来
から上塗りに用いられている熱硬化性アクリルメラミン
樹脂系のクリヤー塗料は、透明性、耐候性、付着性など
の点では優れているものの、塗膜に傷が入った場合の耐
食性に難点がある。このため、ポリエステル樹脂やエポ
キシ樹脂と併用して塗膜形成成分の改善が進められてい
るが、防錆顔料を含む下塗り塗料に匹敵する耐食性を付
与するまでには至っていない。
【0005】他方、アルミホイールは回転切削法により
切削加工する際、角部に鋭角的なエッジ部が形成される
が、従来のクリヤー塗料では焼付け段階において該エッ
ジ部で塗料が流動し、均一塗膜の形成が阻害されて糸状
の錆が発生し易くなる現象が起きる。
【0006】このような問題点の解消を図るため、アル
ミホイールを塗装するにあたり塗装すべき外表面のうち
着色すべき個所をアクリル系着色塗料によって塗装した
のち、塗装すべき外表面全体を透明なシリコーン系塗料
によってクリアー塗装する方法(特公平3−2024号公
報) 、伸び率30%(20 ℃) 以上、ガラス転移温度−25〜
60℃の熱硬化性樹脂 100重量部あたり、粒径5mμ〜50
mμの透明性シリカを5〜35重量部含有してなる塗料を
塗装し、ついで伸び率3〜30%(20 ℃) 、ガラス転移温
度60〜130 ℃である塗膜を形成する熱硬化性アクリル樹
脂塗料を塗装するアルミホイールの塗装方法(特開平1
−194979号公報) などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来技
術とは異なる塗料組成による上記課題の解決につき鋭意
研究を重ねた結果、特定量の塗膜形成樹脂とリン含有有
機化合物を組み合わせて配合した組成の塗料が極めて優
れた透明防食性能を示す事実を確証して本発明の開発に
至ったものである。
【0008】リン含有有機化合物でアルミニウム、鋼、
亜鉛、鉄、ニッケル、錫等の金属または合金からなる金
属粉末顔料を処理し、着色顔料を含む塗料組成物に入れ
ることによって貯蔵安定性の優れた着色メタリック塗料
組成物を得るころについては例えば特開昭58−168670号
公報、特開平2−261866号公報に記載されているが、本
発明は金属粉末顔料を含まない透明な塗膜を形成する点
で目的および組成的にこれら先行技術とは異なるもので
ある。
【0009】したがって本発明の目的は、アルミニウム
系やマグネシウム系合金の切削地肌独特の金属光沢(虹
色の干渉縞反射光を指す)を損なうことなく透明性と耐
食性に優れ、かつエッジ部においても均一な塗膜を形成
することができる透明防食塗料組成物を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による透明防食塗料組成物は、塗膜形成樹脂
100重量部とリン含有有機化合物1〜5重量部を主成分
とすることを構成上の特徴とするものである。
【0011】本発明の構成主体となる塗膜形成樹脂は、
特に限定させるものではなく、従来から自動車用、電気
機器什器用等として用いられている一般的な樹脂類を適
用することができる。これら樹脂は、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、これら
樹脂の2種類以上を組み合わせたもの、または前記樹脂
もしくは組み合わせた樹脂にアミノ樹脂、ブロック型イ
ソシアネート樹脂などの硬化剤を配合したもの等、通
常、熱硬化性樹脂塗料と称されるものである。
【0012】上記の塗膜形成樹脂に配合されるリン含有
有機化合物としては、下記の一般式(1) 〜(3) で示され
るものが用いられる。
【0013】
【化1】
【0014】上(1) 式において、rは0〜20の整数、R
3 は炭素数6〜24のアルキル置換基もしくは炭素数6〜
24のアルケニル基を一つ以上含むアリール基、Aは炭素
数2〜4のアルキレン、R1およびR2 は同一であって
も異なってもよい水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アリール基またはR3 −(OA)r ( ここで、
3 、Aおよびrは前記にものと同一) を示す。
【0015】
【化2】
【0016】上(2) 式において、lは0または1、mは
1〜4の整数、R4 はm価の脂肪族、脂環族または芳香
族の炭化水素基、R5 、R10およびR11は水素原子また
は炭素数1〜24の脂肪族、脂環族または芳香族炭化水素
基(同一であっても異なっていてもよい)、R6
7 、R8 およびR9 は水素原子、炭素数1〜3の脂肪
族炭化水素基もしくは炭素数6または7の芳香族炭化水
素基(同一であっても異なっていてもよい)を示す。
【0017】
【化3】
【0018】上(3) 式において、nは0、1または2、
pは1〜3の整数でn+p=3であり、qは0または
1、R12、R17およびR18は水素原子または炭素数1〜
24の脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素基(同一で
あっても異なっていてもよい)、R13、R14、R15およ
びR16は水素原子または炭素数1〜3の脂肪族炭化水素
基もしくは炭素数6または7の芳香族炭化水素基(同一
であっても異なっていてもよい)を示す。
【0019】これら (1)〜(3) 式で示されるリン含有有
機化合物としては、ヘキシルホスフェイト、ヘプテルホ
スフェイト、デシルホスフェイト、ウンデシルホスフェ
イト、ラウリルホスフェイト、トリデシルホスフェイ
ト、ミリスチルホスフェイト、ペンタデシルホスフェイ
ト、ノナデシルホスフェイト、エイコシルホスフェイ
ト、ヘンエイコシルホスフェイト、ドコシルホスフェイ
ト、トリコシルホスフェイト、テトラコシルホスフェイ
ト、2−メチル−7−エチル−4−ウンデシルホスフェ
イト、2,6,8−トリメチルノニルホスフェイト、4
−ドデシニルホスフェイト、シス−9−オクタデシニル
ホスフェイト、3−メチル−2−ノニルホスフェイト、
5,9−ジメチル−2−デシニルホスフェイト、オクチ
ルフェニルホスフェイト、ノニルフェニルホスフェイ
ト、ドデシルフェニルホスフェイト、これらのアシッド
ホスフェイトおよびエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド付加物とそれらの塩基性
物質が挙げられる。
【0020】上記成分は、塗膜形成樹脂 100重量部に対
しリン含有有機化合物1〜5重量部の割合で配合する。
リン含有有機化合物が1重量部未満では優れた耐食性が
付与されず、5重量部を越えると塗膜の耐水性が悪くな
る。
【0021】本発明の透明防食塗料組成物はこれら塗膜
形成樹脂とリン含有有機化合物の2成分系の配合組成を
主成分とするが、これに一定量の架橋性重合体粒子を配
合すると塗料のチクソトロピック性が向上し、エッジ部
に塗着した塗料の流動性が少なくなって被覆性が良好と
なる。
【0022】この架橋性重合体粒子は、分子内に2個以
上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を全単量体
中に0.1 %以上使用して公知の方法により乳化重合する
か、非水有機溶媒中で重合させることにより得ることが
できる。しかし、前記の単量体が0.1 %を下廻ると十分
な架橋が得られなくなるため、塗膜形成樹脂や溶剤に溶
解するようになって効果が減少する。また、該架橋性重
合体粒子の粒径については、余り小さくなり過ぎると塗
料中での安定性や塗膜の透明性、光沢などが低下するた
め1〜1000nmの範囲、好ましくは10〜200nm の調整する
ことが好適である。
【0023】かかる架橋性重合体粒子には、例えば特開
昭58−129066号公報に開示されている各種アクリルモノ
マーを主成分としてエマルジョン重合させたもの、特開
昭56−90819 号公報に記載されているエチレン性不飽和
モノマーからなる架橋重合のコアーを有するもの、特開
昭56−76447 号公報に示されている多官能価架橋剤で架
橋されたアクリル樹脂の水性ミクロゲルエマルジョン、
特開昭60−27702 号公報に開示されている(メタ)アク
リル酸のヒドロキシメチルアミノ基、アルコキシメチル
アミノ基、およびこれらと共重合しうる官能基を有する
重合体粒子等がある。しかしながら、金属素地の美粧性
を発現させるには、上記制約に加えて架橋重合体粒子を
含んだ塗膜が乾燥硬化後に無色透明にしなければならな
いため、該架橋性重合体粒子のモノマーの種類、粒子の
粒径を変えることによりクリヤー塗料との組合せを適宜
に選択する必要がある。
【0024】架橋重合体粒子の配合量は、1〜20重量部
に設定する。1重量部未満では被覆性が不十分となって
エッジ部からの糸錆が短期間内に発生するようになり、
また20重量部を越えると塗膜の平滑性が不良となる。
【0025】上記成分を混合した本発明の透明防食塗料
組成物は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽
金属地肌面に塗布されるが、その塗装工程をアルミホイ
ールを例にして説明すると次のようになる。まず、所定
の形状に鋳造成型されたホイールの内外面の必要部分を
切削し、化成処理剤(クロム系が主に使用されている)
で表面処理を施す。次に本発明の透明防食塗料組成物を
塗布し、その上に美粧性を付与するための着色顔料や金
属粉末顔料を含む下塗りを全外面に塗装し、この両塗膜
は同時に、または個別に乾燥硬化せしめる。ここにおい
て本発明の塗料防食塗料組成物を省略する場合もあり、
また本発明の塗料防食塗料組成物の替わりに一般の防錆
顔料を含む下塗りに置き換えて使用されることもある。
アルミ金属光沢部分を美粧性の目的に作り出す種類のア
ルミニウムホイールは更に部分的に切削し、再度、化成
処理剤で表面処理を施す。次に本発明の透明防食塗料組
成物を非切削部も含め外全面にスプレー塗装する。形成
する塗膜の厚さは5〜30μmが好適であり、これより厚
くなると内部応力が高くなって密着性や可撓性が低下
し、薄くなると不動態化の能力が低減する。また本発明
の透明防食塗料組成物の上に、耐候性や美粧性の向上の
ため紫外線吸収剤を含有する従来のアクリル/メラミン
系樹脂からなるクリアー塗料を塗装し、同時に、または
個別に乾燥硬化せしめることもできる。
【0026】
【作用】軽合金材料における防食性の付与効果は主に糸
錆発生を防止することにあるが、塗料樹脂の観点から考
察した場合の糸錆性の防止には、O2 、H2 O、イオ
ン透過性を小さくする、素地との密着性を強化する、
膜厚を大きくする、ヤング率の高い強靭な塗膜とす
る、内部応力を小さくする等の要件が必要となる。本
発明の塗料組成では、該糸錆性の防止効果を塗膜の内部
応力抑制と表面の不動態化との相乗作用によって有効に
達成するものである。
【0027】糸錆と内部応力は無関係のようにみられる
が、内部応力 密着性 糸錆性という図式を考えると密
着性を介して相互に関連していることが判る。つまり塗
膜の内部応力は、塗膜形成の初期段階よりも経時的な環
境条件によって増大するから内部応力の大きな塗膜ほ
ど、素材と塗膜間に付着劣化が生じ、糸錆の進行が容易
となる。本発明の組成において、塗膜成分となる塗膜形
成樹脂は主に内部応力の抑制化に寄与し、密着性の高い
強靭な塗膜を形成するために機能する。
【0028】基材表面を不動態化する働きは、樹脂成分
中の拡散するリン含有有機化合物中のリン成分によって
もたらされる。すなわち、本発明の塗料組成物を金属面
に塗装すると、塗料中に含まれるリン成分によりリン酸
塩皮膜が形成され、表面層を不動態化する。この不動態
層が上記の塗膜形成樹脂の作用と相俟って上塗塗膜の密
着性を助長させ、防食効果を著しく持続させる。
【0029】上記成分に架橋性重合体粒子を添加すると
塗料にチクソトロピー性が付与され、この作用により塗
装後の溶剤蒸発に伴って分散している架橋性重合体粒子
の距離が接近して粘度の増大をもたらすためエッジ部へ
の被覆性を一層向上させることが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0031】合成例1 リン含有有機化合物の合成 ノニルフェニルアシッドホスフェイトのモルホリン中和
物50重量部をイソプロピルアルコール50重量部に溶解
し、30℃で30分間撹拌してリン含有有機化合物を得た。
【0032】合成例2 リン含有有機化合物の合成 合成例1においてノニルフェニルアシッドホスフェイト
の代わりにトリデシルホスフェイトのモルホリン50重量
部を用い、その他は合成例1と同様にしてリン含有有機
化合物を得た。
【0033】合成例3 リン含有有機化合物の合成 合成例1においてノニルフェニルアシッドホスフェイト
の代わりにラウリルホスフェイトのモルホリン50重量部
を用い、その他は合成例1と同様にしてリン含有有機化
合物を得た。
【0034】合成例4 リン含有有機化合物の合成 合成例1においてノニルフェニルアシッドホスフェイト
の代わりにヘキシルホスフェイトのモルホリン50重量部
を用い、その他は合成例1と同様にしてリン含有有機化
合物を得た。
【0035】合成例5 リン含有有機化合物の合成 撹拌器と温度計を取り付けたフラスコに2,2′−m−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)10重量部と、モノ
−2−エチルヘキシルホスフェイトおよびジ−2−エチ
ルヘキシルホスフェイト52.6重量部(モノエステルとジ
エステルとの比はモル比で約1:1、酸価324 KOHmg
/g) とトルエン50重量部とを混合し、撹拌しながら80℃
に昇温した。昇温に伴い白色固体の2,2′−m−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)が徐々に溶解し、80℃
で反応させたところ混合物は無色透明の液体に転化し
た。引き続き80℃で2時間反応を継続したのち、減圧下
でトルエンを除去し、62.6重量部の目的物を得た(酸価
209 KOHmg/g) 。
【0036】このようにして得られた目的物をIR測定
によって分析したところ、1540cm-1にアミド基の吸収が
観測され、それぞれ下記の化学式 (4)〜(6) で表される
ジ−, トリ−およびテトラ−,2−エチルヘキシルホス
フェイト化合物と、原料であるモノ−2−エチルヘキシ
ルホスフェイトおよびジー2−エチルヘキシルホスフェ
イトとの混合物であることが確認された。
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】合成例6 リン含有有機化合物の合成 撹拌器と温度計を取り付けたフラスコにエチルオキサゾ
リン10重量部と、モノ−ノニルフェニルホスフェイトお
よびジ−ノニルフェニルホスフェイト93.8重量部(モノ
エステルとジエステルとの比はモル比で約1:1、酸価
201 KOHmg/g) をトルエン50重量部に溶解し、80℃で
30分間撹拌して反応させた。ついで、反応物を濃縮して
103.8 重量部の目的物を得た(酸価123 KOHmg/g) 。
得られた目的物をIR測定により分析したところ、1540
cm-1のアミド基の吸収が認められそれぞれ下記の化学式
(7)〜(9) で表されるモノ−,ジ−ノニルフェニルホス
フェイト化合物と、原料であるモノ−ノニルフェニルホ
スフェイトおよびジ−2−ノニルフェニルホスフェイト
との混合物であることが確認された。
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】合成例7 リン含有有機化合物の合成 撹拌器と温度計を取り付けたフラスコにラウリルアミン
93重量部とエチルセロソルブ93重量部とを混合し、撹拌
しながら80℃に昇温した。そこにビスフロロエチルビニ
ルホスフェイト〔大八化学(株)製、“ビニエイト
R”〕117 重量部を30分間で滴下し、その後3時間反応
させた。冷却後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液 300
重量部を添加し、100℃で2時間加熱して加水分解させ
た。ついで、反応物溶液を濃縮し、水、トルエンをそれ
ぞれ 500重量部添加したのち、塩酸(10%水溶液) を添
加して中和した。中和した溶液の水層を除去し、残った
有機溶剤を濃縮して2−ラウリルアミノエチルホスホニ
ックアシッドモノマーとクロロエチルエステルを得た。
【0045】次に上記で得られた反応物全量とトリエチ
ルアミン51重量部とをテトラヒドロフラン150 重量部に
溶解し、これを撹拌器と温度計を取り付けたフラスコに
入れて−20℃に冷却したのち、n−オクタノイルクロラ
イド81重量部を反応温度を−20℃に保持しながら滴下し
た。滴下終了後、氷冷下で1時間撹拌を継続したとこ
ろ、反応の進行に伴ってトリエチルアミンの塩酸塩が析
出した。更に室温で2時間反応させ、トリエチルアミン
塩酸塩を濾過により除去して下記化学式(10)で表される
アミド亜リン酸エステル226 重量部を得た。
【0046】
【化10】
【0047】実施例1〜11、比較例1〜2 熱硬化型アクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料A〔日
本ペイント(株)製、“スーパーラック5000AWクリヤ
ー”〕を有機溶媒(芳香族炭化水素系/ケトン系/アル
コール系/エステル系混合)で希釈し、塗料中の樹脂固
形分 100重量部に対し合成例1〜7で得られたリン含有
有機化合物を0.1 〜5 重量部の範囲で配合割合を変えて
加え、十分に撹拌混合して塗料とした。
【0048】切削加工したアルミホイールをクロム系化
成処理剤〔日本ペイント(株)製、“アルサーフ100
0”〕で表面処理を施し、その上に前記の塗料を約30μm
の乾燥塗膜になるようにスプレー塗装し、150 ℃で20
分間加熱して塗膜を硬化した。得られた各塗膜につき外
観および耐糸錆性を評価し、結果を表1に示した。
【0049】なお、評価方法は下記の方法によった。 (1) 塗膜外観評価 透明性:目視観察により、次の評価基準に従って塗膜の
透明性を判定した。 ○ … 全く透明である △ … 僅かに濁りはあるが、アルミホイールの金属感
あり × … 濁りひどく、アルミホイールの金属感なし 塗膜肌:目視観察により、次の評価基準に従って塗膜の
平滑性を判定した。 ○ … 全く滑らかな肌 △ … 少しざらつきがあるが滑らかである × … ざらつきがひどく滑らかさがない
【0050】(2) 耐糸錆性試験評価 カッターナイフでアルミ素地に達する3cmの直線切り傷
を付けたのち、食塩を5%重量濃度を含む1規定の塩酸
水(35 ℃) に浸漬し、直ちに取り出して室内で付着水滴
がなくなるまで乾かす。ついで、温度40〜45℃、湿度70
〜75%RHに保った恒温恒湿槽の中に72時間置いて取り
出した。このものにつき、次の評価基準によりカット
部、エッジ部に発生した糸錆の本数、長さを判定し、耐
糸錆性を判定した。 ◎ … 全く錆の発生がないか、長さ1mm以下の錆点の
み ○ … 最大長さ3mm以下の糸錆が2本以下 △ … 最大長さ6mm以下の糸錆が5本以下 × … 上記に該当しないもの
【0051】
【表1】
【0052】実施例12〜21、比較例3 実施例1の熱硬化型アクリル/メラミン樹脂系クリヤー
塗料に代えて下記B〜Cの各クリヤー塗料を用い、リン
含有有機化合物の種類および重量部を変えて実施例1と
同一条件で塗膜を形成した。この場合の評価結果を表2
に示した。 B:熱硬化型ポリエステル/メラミン樹脂系クリヤー塗
料〔日本ペイント(株)製、“スーパーラックD1F J-15
アルミ用クリヤ−〕 C:熱硬化型エポキシ/ポリビニルアセタール/ブロッ
クイソシアネート系樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント
(株)製、“ニッペメタルプライマーN-20(クリヤ
ー)〕 D:低温硬化型イソシアネート/アクリルウレタン樹脂
系クリヤー塗料〔日本ペイント(株)製、“ナックスベ
スタ”アルミ用クリヤー〕
【0053】
【表2】
【0054】実施例22〜29 表3に示すクリヤー塗料およびリン含有有機化合物に下
記(イ)、(ロ)の架橋性重合体粒子を配合し、実施例
1と同様にして透明塗料組成物を作製した。 (イ):メチルメタアクリレート系架橋性粒子〔日本ペ
イント(株)製、“マイクロジェルS-5002”〕 (ロ):スチレン系架橋性粒子〔日本ペイント(株)
製、“マイクロジェルS-5001”〕 この塗料組成物を同様に塗装して得られた塗膜の評価結
果を、成分配合条件と対比させて表3に示した。
【0055】実施例30〜31 実施例30では合成例1〜2で得られたリン含有有機化
合物を熱硬化型エポキシ/ポリビニルアセタール/ブロ
ックイソシアネート樹脂系クリヤー塗料C〔日本ペイン
ト(株)製、“ニッペメタルプライマーN-20”クリヤ
ー〕に塗料樹脂分100 重量部に対し2重量部になるよう
に加え、更に架橋性重合体粒子(イ)を添加し、十分に
撹拌して透明塗料組成物を作製した。また、実施例31
では前記の架橋性重合体粒子を添加しないで透明塗料組
成物を得た。
【0056】切削加工したアルミホイールをクロム系化
成処理剤〔日本ペイント(株)製、“アルサーフ100
0”〕で表面処理を施したのち、上面に前記の透明塗料
組成物を約10μm の乾燥膜厚になるようにスプレー塗装
し、150 ℃で20分間加熱して塗膜を硬化した。更に、そ
の上に上塗塗料として熱硬化型アクリルメラミン樹脂系
塗料F〔日本ペイント(株)製、“スーパラック5000AW
-2”クリヤー〕を約30μmの乾燥膜厚になるようにスプ
レー塗装し、150 ℃で20分間加熱して塗膜を硬化させ
た。形成された塗膜の試験、評価結果を、成分配合条件
と対比させて表3に併載した。
【0057】比較例4〜7 リン含有有機化合物を配合しないで作製した各種塗料を
用いて実施例1と同様に塗膜を形成し、その評価結果を
成分配合条件と対比させて表3に併載した。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば金属地肌
面に塗装して金属光沢を損ねずに糸錆発生を効果的に防
止することができる透明で防食性に優れる塗料組成物を
提供することができる。したがって、例えばアルミニウ
ム系やマグネシウム系などの軽合金材で製造されるホイ
ール等の自動車部品を透明塗装する目的に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑島 輝昭 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社寝屋川事業所内 (72)発明者 祢宜 章 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜形成樹脂 100重量部とリン含有有機
    化合物1〜5重量部を主成分とすることを特徴とする透
    明防食塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成に、架橋性重合体粒子1
    〜20重量部を配合した透明防食塗料組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10298460A (ja) * 1997-04-24 1998-11-10 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物およびその塗装法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10298460A (ja) * 1997-04-24 1998-11-10 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物およびその塗装法

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