JP5308941B2 - 防火防煙用スクリーンシャッター - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、建物の内部空間を火災側と非火災側とに間仕切る、不燃性、耐火性、又は難燃性の素材からなる可撓性を有するスクリーン幕と、該スクリーン幕の下端部に設けられた第1錘体と、前記スクリーン幕の一部に、スリットとスリットの上端より斜め下方に向かう折り曲げ辺とを設けることによって形成された三角形状の開口及び該開口を開閉する三角形状の避難扉と、該避難扉の下端部に設けられた第2錘体と、該第2錘体を前記第1錘体に回動自在に連結するヒンジとを備えた防火防煙用スクリーンシャッターにおいて、前記避難扉の表裏面の一方に設けられるケーシングと、該ケーシングを上下方向に移動可能に貫通するとともに、下方への移動時に下端部が前記第1錘体に係止されるロックピンと、前記ケーシング内に設けられるとともに、前記ロックピンを下方へ付勢する付勢部材とを備えたロック手段と、前記避難扉の開放方向に押圧することにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロックピンを上方に移動させて、前記ロックピンの前記第1錘体への係止状態を解除するロック解除部材とを設け、前記ロック解除部材は、一端が前記避難扉に連結され、他端が前記ロックピンの上端に連結される帯状をなし、前記第1錘体は、前記スクリーン幕の下端部を前記スクリーン幕の表裏方向から挟持する一対の断面L形状の座板からなり、該一対の座板の前記避難扉の下端部に対応する部分には、前記避難扉の下端部を係合させる切欠部が設けられ、該切欠部の底部は、一方の座板が他方の座板よりも高い段差部に形成され、該段差部の上段の一方の側面に前記ロックピンの下端部が係止され、他方の側面に前記避難扉が係止されることを特徴とする。
また、避難扉は、ロック手段のロックピンがスクリーン幕の第1錘体に係止されることにより、スクリーン幕の開口を閉塞した状態にロックされる。この場合、火災熱によってスクリーン幕の表裏面間で圧力差が生じても、ロック解除部材は火災側の空間又は非火災側の空間内に位置しているので、ロック解除部材に圧力差が作用することはなく、ロック手段のロックピンを第1錘体に係止させた状態に保持でき、避難扉によりスクリーン幕の開口を閉塞し続けることができる。
また、スクリーン幕で建物の内部空間を間仕切った状態で、ロック解除部材を避難扉の開放方向に押圧することにより、ロックピンを付勢部材の付勢力に抗して上方に移動させて、ロックピンの第1錘体に対する係止状態を容易に解除できるので、火災側の空間に取り残された人を通過させて非火災側に避難させることができる。
また、火災側の空間に取り残された人がスクリーン幕の開口を通過して避難が完了した後に、避難扉は自重によってスクリーン幕の開口を開放させた位置から自動的に元の閉塞した位置に復帰することになるので、取り残された人を避難させた後にスクリーン幕の開口の密閉状態が損われるようなことはない。
また、帯状のロック解除部材を避難扉の開放方向に押圧することにより、ロック手段のロックピンが付勢部材の付勢力に抗して上方に移動し、ロックピンの第1錘体への係止状態が解除され、避難扉がスクリーン幕の開口を開放させることになる。
また、第1錘体を、一対の断面L形状の座板によって構成することができるので、市販の等辺山形鋼等を材料として第1錘体を製作することができるので、第1錘体の材料費を削減できるとともに、第1錘体の製作、取り付けが容易となり、防火防煙用スクリーンシャッター全体としての製作費用を安く抑えることができる。
また、一対の座板の建物の床部への接触面積を大きくとることができるので、床面とスクリーン幕との間の密閉性を高めることができ、防煙効果を更に高めることができる。
また、第1錘体の切欠部の底部を段差部に形成し、段差部の上段の一方の側面にロックピンを係止させ、他方の側面に避難扉の下端部を係止させるように構成したので、スクリーン幕の表裏面間に圧力差が生じ、この圧力差による圧力によってスクリーン幕が一方に押圧されて弧状に張った場合には、ロックピンが段差部の上段の一方の側面に係止されることにより、避難扉がスクリーン幕の開口を閉塞した状態に保持される。また、差圧による圧力によってスクリーン幕が他方に押圧されて弧状に張った場合には、ロックピンの段差部の上段への係止状態が解除されるが、避難扉の下端部が段差部の上段の他方の側面に係止されることにより、避難扉がスクリーン幕の開口を閉塞した状態に保持されることになる。
また、ロック手段は、避難扉の表裏面の一方に設けられるケーシングと、ケーシングを上下方向に移動可能に貫通するとともに、下方への移動時に下端部が第1錘体に係止されるロックピンと、ケーシング内に設けられるとともに、ロックピンを下方へ付勢する付勢部材とからなる簡単な構成のものであるので、製作、組立、調整等を容易にすることができる。
本実施の形態の防火防煙用スクリーンシャッター1は、火災の発生時に、建物の内部空間を火災側と非火災側とに間仕切りして、火災側から非火災側への延焼や煙の拡散を防止するのに適用されるものであって、図1に示すように、建物の内部空間の天井部35に設けられる繰り出し巻き取り手段2と、繰り出し巻き取り手段2に繰り出し巻取り可能に巻回されるスクリーン幕5と、スクリーン幕5の一部に設けられる開口7と、スクリーン幕5の開口7を開閉する避難扉15と、スクリーン幕5に下方への張力を付与する第1錘体9と、避難扉15に下方への張力を付与する第2錘体16と、避難扉15をスクリーン幕5の開口7を閉塞した状態にロックするロック手段21と、ロック手段21による避難扉15のロック状態を解除するロック解除部材26とを備えている。
具体的には、図8に示すように、避難扉15をスクリーン幕5を開放させる方向(図8の矢印a1方向)に回動させると、避難扉15にワイヤー30を介して連結されている第3錘体28が図8の矢印a2の方向に引っ張られることにより、重合幕27がスリット6から離間する方向に回動する。この場合、支点となる斜めヒンジ17の連結軸20から力点となる避難扉15の開放側の端までの距離が、支点となる斜めヒンジ17の連結軸20から作用点となるワイヤー30と避難扉15の固定箇所の距離よりも長いため、梃子の原理により、容易に避難扉15及び重合幕27を開放させることができ、建物内部に取り残された人を通過させて避難させることができる。
2 繰り出し巻き取り手段
3 ドラム
5 スクリーン幕
6 スリット
7 開口
8 折り曲げ辺
9 第1錘体
10 一方の座板
11 他方の座板
12 切欠部
13 段差部
14 上段
14a 一方の側面
14b 他方の側面
15 避難扉
16 第2錘体
17 斜めヒンジ
18 第1取付板
19 第2取付板
20 連結軸
21 ロック手段
22 ケーシング
22a 上面
23 ロックピン
23a 傾斜面
24 付勢部材(圧縮コイルスプリング)
25 バネ止め
26 ロック解除部材
27 重合幕
28 第3錘体
29 バネ付きヒンジ
30 連動部材(ワイヤー)
31 ワイヤー止め
35 天井部
36 床部
Claims (4)
- 建物の内部空間を火災側と非火災側とに間仕切る、不燃性、耐火性、又は難燃性の素材からなる可撓性を有するスクリーン幕と、該スクリーン幕の下端部に設けられた第1錘体と、前記スクリーン幕の一部に、スリットとスリットの上端より斜め下方に向かう折り曲げ辺とを設けることによって形成された三角形状の開口及び該開口を開閉する三角形状の避難扉と、該避難扉の下端部に設けられた第2錘体と、該第2錘体を前記第1錘体に回動自在に連結するヒンジとを備えた防火防煙用スクリーンシャッターにおいて、
前記避難扉の表裏面の一方に設けられるケーシングと、該ケーシングを上下方向に移動可能に貫通するとともに、下方への移動時に下端部が前記第1錘体に係止されるロックピンと、前記ケーシング内に設けられるとともに、前記ロックピンを下方へ付勢する付勢部材とを備えたロック手段と、
前記避難扉の開放方向に押圧することにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロックピンを上方に移動させて、前記ロックピンの前記第1錘体への係止状態を解除するロック解除部材とを設け、
前記ロック解除部材は、一端が前記避難扉に連結され、他端が前記ロックピンの上端に連結される帯状をなし、
前記第1錘体は、前記スクリーン幕の下端部を前記スクリーン幕の表裏方向から挟持する一対の断面L形状の座板からなり、該一対の座板の前記避難扉の下端部に対応する部分には、前記避難扉の下端部を係合させる切欠部が設けられ、該切欠部の底部は、一方の座板が他方の座板よりも高い段差部に形成され、該段差部の上段の一方の側面に前記ロックピンの下端部が係止され、他方の側面に前記避難扉が係止されることを特徴とする防火防煙用スクリーンシャッター。 - 前記ロックピンは、下端部が所定の角度の傾斜面に形成され、前記避難扉が前記スクリーン幕の開口を開放し、この状態から元の状態に復帰する際に、前記ロックピンの傾斜面が前記段差部の上段に当接することにより、前記ロックピンが前記付勢部材の付勢力に抗して上方に移動し、前記ロックピンの下端部が前記段差部の上段を乗り越えて該上段の一方の側面に係止されることを特徴とする請求項1に記載の防火防煙用スクリーンシャッター。
- 前記スクリーン幕には、前記スリットの上部に接離可能に重合幕が設けられるとともに、該重合幕の下端部には第3錘体が設けられ、該第3錘体と前記第1錘体との間には、該第3錘体を前記スリットの方向に回動自在に連結するバネ付きヒンジが設けられ、
前記避難扉の第2錘体と前記重合幕の第3錘体との間に連動部材を設け、該連動部材を介して前記重合幕を前記避難扉に連動させ、前記避難扉で前記スクリーン幕の開口を閉じた後に、前記重合幕を前記スリットの上部に重合させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の防火防煙用スクリーンシャッター。 - 前記連動部材が前記段差部の上段の前記一方の側面に沿うように配置されたワイヤーから構成されることを特徴とする請求項3に記載の防火防煙用スクリーンシャッター。
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