JP2004257071A - 開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともシート状の部位に、開口部11aを設けている開閉体本体11と、開閉体本体11の表面側と裏面側との双方に配設されて開口部11aを閉鎖するシート状の扉体12とを備え、これら開閉体本体11と扉体12とからなる開閉体10により空間を仕切るようにした開閉装置において、双方の扉体12,12の間には、これら双方の扉体12,12を、開閉可能なように、開口部11a内で接続する接続手段30が設けられ、各扉体12は、その端部側における開閉体本体11に固定されていない部位を、開口部11aの周囲の面に重ね合わせて開口部11aを閉鎖している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉可能な開口部を有するシート状の開閉体を開閉動作させることにより、空間を仕切ったり開放したりする開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置には、人や物等の物体が通過可能な開口部を有するシート状の開閉体本体と、該開閉体本体に吊り下げ状に固定され前記開口部を開閉可能にするシート状の扉体とから開閉体を構成し、前記扉体を前記開閉体本体の表裏両面に配設することで、前記開口部を前記扉体により閉鎖した際における遮炎性や遮煙性等、前記扉体による前記開口部の閉鎖性を良好にしたものが多々ある。
また、前記閉鎖性を更に良好にするためには、例えば、前記開閉装置の構成において、各扉体における端部側の内面と開閉体本体の面との間に、磁石やベルベットファスナー等からなる着脱手段を設け、各扉体を開閉体本体に対して着脱できるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1、図1参照)。
【0003】
ところで、上記のような開閉装置の設置状況においては、例えば火災の発生等により開閉体の内外に気圧の差を生じた場合、開閉体の中央側が、気圧の低い空間側へ略弓状に撓んで膨れ出る現象が発生する。
詳細には、開閉体の幅方向(開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向)において、その中央側が気圧の低い空間側へ略弓状に撓むようにして膨れ出し、開閉体の開閉方向(前記幅方向に略直交する方向)においても、その中央側が気圧の低い空間側へ略弓状に撓むようにして膨れ出る。そして、開閉体には、開閉体の幅方向及び開閉方向の成分を含んだ張力が作用する。
【0004】
したがって、上記後者の従来技術によれば、上記着脱手段による扉体と開閉体本体との接続が上記張力によって外されてしまうおそれがある。
そこで、上記着脱手段による接続が上記張力によって外されないようにするためには、上記着脱手段に接続力の強いものを用いるか、あるいは、上記着脱手段が設けられる面積や数量を増加する必要があり、この場合には、扉体を開放するために、強い力を要することになってしまう。
【0005】
【特許文献1】
特許第3007584号公報 (図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、開口部をシート状の扉体により閉鎖した状態で、開閉体に張力が作用した際にも扉体による閉鎖性を良好に維持することができる開閉装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために第一の発明では、少なくともシート状の部位に、開口部を設けている開閉体本体と、該開閉体本体の表面側と裏面側との双方に配設されて前記開口部を閉鎖するシート状の扉体とを備え、これら開閉体本体と扉体とからなる開閉体により空間を仕切るようにした開閉装置において、前記双方の扉体の間には、これら双方の扉体を、開閉可能なように、前記開口部内で接続する接続手段が設けられ、前記各扉体は、その端部側における前記開閉体本体に固定されていない部位であって該部位における少なくとも一部位を、前記開口部の周囲の面に重ね合わせて前記開口部を閉鎖していることを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明における開閉装置とは、上記開閉体の開閉動作により空間を仕切ったり開放したりする装置を意味し、この開閉装置には、上記開閉体が開動作のみを行う態様や、上記開閉体が閉動作のみを行う態様、上記開閉体が開動作と閉動作との双方を行う態様等を含む。
尚、上記開閉体の開閉方向は、略垂直方向とするのが好ましく、更には閉鎖方向が下降方向でありことがより好ましいが、略水平方向あるいは斜め方向とすることも可能である。
【0009】
また、「少なくともシート状の部位に、開口部を形成している開閉体本体」とは、上記開閉体本体が全体的または部分的にシート状の部位を有するとともに、このシート状の部位に、開口部を設けていることを意味し、例えば、略全体的にシート状物からなる上記開閉体本体に上記開口部を設けた態様や、スラットやパネル等とシート状物との組み合わせにより上記開閉体本体を構成し、この開閉体本体のシート状物からなる部位に、上記開口部を設けた態様等を含む。
また、上記シート状の部位及び上記扉体の材質は、可撓性を有するシート材であればよく、特に当該開閉装置を耐火性シャッター装置として用いる場合には、難燃性や耐火性を有するシート状素材、例えば、ガラスクロスやシリカクロス等の難燃性布地や、フッ素加工を施した塩化ビニル樹脂シート材、ガラス繊維を含んだ合成樹脂シート材等であることが好ましい。
【0010】
また、上記開口部は、上記双方の扉体を上記接続手段により接続可能な貫通状の開口部であればよく、例えば、上記開閉体におけるシート状の部位に、切欠や、切抜き等、貫通状の加工を施すことにより開口される。
この開口部には、比較的大きく形成されて例えば人や物等を通過可能にした開口部や、比較的小さく形成されて例えば覗き窓に用いるようにした開口部等を含む。
【0011】
また、上記扉体は、上記開口部を開閉可能に閉鎖するシート状の部材であり、上記開閉体本体とは異なるシート材から形成されるものであってもよいが、部品材料の共通化によりコスト低減するためには、上記開閉体本体と略同一の材料から形成されるのが好ましい。
この扉体を上記開閉体本体に装着した具体例としては、該扉体の上端側を上記開閉体本体に固定した態様や、該扉体の上端側と一方の側端側とを上記開閉体本体に固定した態様等が挙げられ、これら態様によれば、前記固定箇所以外の部位が押す、引く、捲る等されることで上記開口部が開放され、また自重やバネ等の付勢手段により上記開口部が閉鎖される。
【0012】
また、上記接続手段とは、上記双方の扉体を、開閉可能なように、上記開口部内で接続する手段であればよい。
この接続手段の具体例としては、上記双方の扉体の中央側を縫付けや接着等の固定手段により着脱不能に接続し、その扉体の端部側が押す、引く、捲る等の操作により部分的に開閉されるようにし、人や物体等をこの部分的に開放される箇所に通過させるようにした態様や、上記双方の扉体を接着や縫付け等の手段により外すことが可能なように接続し、その接続された箇所が剥がされたり引き千切られたりすることで離脱されて上記扉体が開放され、同扉体が自重により閉鎖されるようにした態様、上記双方の扉体をベルベットファスナーや磁石等の着脱可能な手段により接続し、その接続箇所が離脱されて上記扉体が開放され、同扉体が自重により閉鎖されて再度接続されるようにした態様等が挙げられる。
また、上記「開閉可能なように」とは、上記双方の扉体を常時開閉可能な状態にする場合と、上記双方の扉体を所定の条件に応じて一時的に開閉可能な状態にする場合との双方を含む。
すなわち、上記開閉体は通常時に全開状態となり火災発生時には全閉状態となるが、上記双方の扉体の状態については、人が避難のために通過する可能性がある火災発生初期段階には通過性をより重視して接続していない状態とし、火災が進行し本格的な火災となり温度や煙濃度が増加し、これ以降は人が避難する可能性がほとんどないと判断できる段階には閉鎖性の方をより重視して接続状態にするのが好ましい。
また、他の状況における上記双方の扉体の状態としては、例えば保管室や実験室等で、通常時は気密や温度維持等のために閉鎖性を重視して人や物体等の通過可能な状態を避けて接続状態にし、例えば人や物体等の通過を一時的に許可するために、所定時刻から短時間だけ通過可能な状態である接続しない状態にするのが好ましい。
したがって、上記双方の扉体を所定の条件に応じて一時的に開閉可能な状態にするようにした接続手段には、上記双方の扉体を通常時は接続しないが所定の条件に応じて接続するようにした態様と、逆に上記双方の扉体を通常時は接続しているが所定の条件に応じて離脱するようにした態様とが挙げられる。
そして、これらの態様における上記接続手段の具体例としては、上記双方の扉体間に設けられる係合部と被係合部との内の一方又は双方を、所謂形状記憶合金やバイメタル等の熱影響により変形する部材を用いて形成し、該部材を火災時等の熱により変形させることで前記係合部を前記被係合部に係合又は離脱させるようにした接続手段が挙げられる。
また、前記態様における上記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体間に設けられる接合部と被接合部との内の一方又は双方を電磁石により構成するとともに、熱や煙、圧力等を検知するセンサーを備え、該センサーの検知信号が所定の条件を満たす場合に、前記一方又は双方の部材が磁化されて接合されるようにして接続手段が挙げられる。なお、この接続手段においては、前記電磁石を用いた接合部と被接合部を、モーター等を用いた他の電動機構により係脱される係合部と被係合部に置換することも可能である。
また、前記態様における上記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体間に設けられる接合部と被接合部との内の一方又は双方を、熱影響により粘着性を発生する部材(例えば発泡剤等)から構成し、火災時等の熱影響を受けた際の前記部材の粘着力により、前記接合部と前記被接合部とを接合さるようにした接続手段が挙げられる。
また、前記態様における上記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体間に、所定圧力以上の圧力により押圧された際に係合し合う係合部と被係合部とを設け、上記扉体が受ける所定圧力以上の気圧や物体等の押圧力により、前記係合部と前記被係合部とを係合させるようにした接続手段が挙げられる。
【0013】
また、上記「その端部側における前記開閉体本体に固定されていない部位」とは、上記各扉体の端部側の部位であって、且つ上記開閉体本体に固定されていない部位を意味する。すなわち、例えば、上記扉体を上記開閉体本体に吊り下げ状に設けた場合には、その扉体の上端側の上記開閉体本体に接続された部位が固定された部位であり、他の端部側が「前記開閉体本体に固定されていない部位」となる。
また、上記「上記開口部の周囲の面に重ね合わせて」とは、上記各扉体を、上記開閉体本体の表面または裏面や、上記開閉体本体の下端に接続される座板部材の表面または裏面等、上記開口部の周囲の部材の面に、接触または非接触な状態で重ね合わせていることを意味する。
そして、この重ね合わせられた部位は、上記開閉体の内外における気圧の差等により上記開閉体に張力が作用した際に、上記扉体と上記開口部の周囲の面との間のスライドにより、前記張力を逃がすように作用する。
したがって、上記扉体の端部側における前記開閉体本体に固定されていない部位と上記開口部の周囲の面とを重ね合わせた際の重ね合わせ代は、想定される前記スライドの最大幅よりも大きく設定することで、前記スライドにより上記扉体の周囲に隙間(換言すれば上記扉体の端部と上記開口部の縁部との間の隙間)が生じることがないようにするのが好ましい。
また、前記重ね合わせられた部位は、上記開閉体に張力が作用した際に上記扉体と上記開口部の周囲の面との間をスライドさせるようにしていれば、上記扉体と上記開口部の周囲の面とを前記張力によって外されるように接続していてもよい。すなわち、例えば、双方の扉体間の上記接続手段を第一接続手段とするとともに、上記扉体と上記開口部の周囲の面との間にも第二接続手段を設け、前記張力が作用した際に、前記第二接続手段が外され、かつ前記第一接続手段による接続が維持されるようにしても構わない。
【0014】
更に、第二の発明では、上記接続手段は、上記双方の扉体を着脱可能に接続する手段であることを特徴とする。
【0015】
ここで、「上記接続手段は、上記双方の扉体を着脱可能に接続する手段である」とは、上記接続手段が、上記双方の扉体を接続したり、その接続を外したりすることができる技術的手段であることを意味する。
この接続手段の好ましい具体例としては、一方の扉体の内面に弾性を有するフック状の係合部を設けるとともに、他方の扉体の内面に、該係合部に係脱可能なように弾性を有するフック状あるいは環状の被係合部を設けた態様(所謂ベルベットファスナーを用いた態様)や、一方の扉体の内面に磁石を設けるとともに、他方の扉体の内面に前記磁石と引き合うように磁石または磁性体を設けた態様等が挙げられる。これらの態様によれば、一方の扉体を、例えば自重により垂れ下がった際に、他方の扉体に接続させることができる。
尚、この接続手段の他例としては、一方の扉体の内面に、衣服等に用いられる所謂ホックの片半部を設けるとともに、他方の扉体の内面に、前記片半部に係脱可能な前記ホックの他半部を設けてなる態様とすることも可能である。
【0016】
更に、第三の発明では、上記扉体は、上記開閉体本体に対して吊り下げ状に設けられ、上記接続手段は、この扉体における上下端部間の略中央以下の範囲内に配置されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、上記「吊り下げ状に設けられ」とは、上記扉体が部分的に上記開閉体本体に固定されることで、上記扉体の下部側が吊り下げられた状態にあることを意味し、例えば、上記扉体の上端側のみを上記開閉体本体に固定した態様や、上記扉体の上端側と一方の側端側とを上記開閉体本体に固定した態様等を含む。
また、「上記接続手段は、この扉体における上下端部間の略中央以下の範囲内に配置されている」とは、単数もしくは複数の上記接続手段が、上記扉体の上端部と下端部との間における略中央部を含む該中央部よりも下側の範囲内に配置されていることを意味する。
すなわち、上記接続手段の配置は、開閉体の中央側が内外の気圧の差により膨れ出た際、その凸側面(気圧の低い側の面)において、扉体の下端側が下方に垂れ下がることで、該下端側と開閉体本体との間に隙間が生じるのを防止する観点により、上記扉体の下端側に配置されるのが好ましく、また、その際の凹側面(圧力の高い側の面)においては、凹状に撓もうとする開閉体本体に扉体を追従させて撓ませることで、扉体と開閉体本体との間に隙間が生じるのを防止する観点により、上記扉体の上下方向の略中央側に配置されるのが好ましい。
したがって、上記接続手段の特に好ましい態様としては、上記扉体における上下端部間の略中央と、上記扉体における下端側とにそれぞれ配設される。
【0018】
更に、第四の発明は、上記接続手段は、上記扉体と上記開口部の周囲の面とが重ね合わせられた部位の近傍の少なくとも一箇所に配置されていることを特徴とする。
すなわち、上記接続手段は、上記扉体と上記開閉体本体との接続箇所以外の箇所であって、且つ上記開口部内における上記開口部の縁近傍に配置されることになる。
【0019】
更に、第五の発明では、上記接続手段は、上記双方の扉体を、所定の条件に応じて接続したり該接続を外したりする手段であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態による開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場などの構築・構造物の出入口などとなる開口部分や、構築・構造物の内部に配設され、この開口部分の閉鎖や、構築・構造物内部の区画を行う所謂スクリーンシャッター装置であって、特に、火災などが発生した際に、煙の拡散や延焼を防止するのに好適な開閉装置として説明するが、前記以外の目的で利用することも可能であり、例えば、合成樹脂製等の開閉体を備え保冷庫などに配設されるシート状シャッター装置としても利用可能であり、この場合、冷気等の流通を防止し、保温性の低下を極力抑える目的等で使用される。
【0021】
この開閉装置1は、シート状の開閉体10、該開閉体10の幅方向の端部を囲み開閉方向へ案内するガイドレール20、前記開閉体10を巻取ったり繰出したりする巻取り軸(図示せず)等を備え、該巻取り軸から繰出されたり該巻取り軸に巻き取られたりする前記開閉体10により、空間を仕切ったり開放したりする。(図1参照)
【0022】
開閉体10は、通過可能な開口部11aを下端側に有する開閉体本体11と、該開閉体10が前記ガイドレール20から離れる方向へ移動した際に前記ガイドレール20内に当接させる抜止部13a,13bと、該開閉体本体11に吊下げ状に設けられて前記開口部11aを開閉自在にする扉体12と、開閉体本体11及び開口部11aの下端部に幅方向にわたって設けられた座板部材14とを具備してなる。
尚、図示例の開閉装置1によれば、開閉体10は巻取り軸により巻取られたり繰出されたりする開閉体としているが、上記開閉装置1は、前記開閉体10を、折畳まれて収納される開閉体や、巻取られたり折畳まれたりすることなく平坦状のまま収納される開閉体等に置換した構成とすることも可能である。
【0023】
開閉体本体11は、例えば、ガラスクロスやシリカクロス等の難燃性布地や、フッ素加工を施した塩化ビニル樹脂シート材、ガラス繊維を含んだ合成樹脂シート材等からなる。
この開閉体本体11は、開閉体幅方向(開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向)に長い略矩形帯状のシート材を、上下方向に複数連接するように縫い付けて構成してもよいし、一枚のシート材を略矩形状に裁断することで構成してもよい。
そして、この開閉体本体11の下端側には、人や物などの物体が通過可能な略矩形切欠状の開口部11aが形成され、更に、同開閉体本体11の最下端部には、座板部材14を接続するための袋部11bが形成されている。
【0024】
また、上記抜止部13a,13bは、開閉体本体11に貫通状に固定されて両先端側を開閉体厚さ方向へ突出させる金属棒状の部材であり、開閉体10における幅方向の両端側の各々に、開閉体10の開閉方向にわたって所定間隔置きに複数配設され、開閉体10の閉鎖状態においてはガイドレール20に内在される。
これら抜止部13a,13bは、開閉体10がガイドレール20から離れる方向へ移動した際に、ガイドレール20内の当接部21に当接することで、開閉体10がガイドレール20から抜けてしまうのを防止する。
【0025】
すなわち、上記開閉体10が風圧や該開閉体内外の気圧の差等によって厚さ方向へ撓んだ際、この開閉体10の幅方向の端部は、ガイドレール20から開閉体幅方向に抜ける方向へ移動しようとする。この移動の際に、抜止部13a,13bは、ガイドレール20内の当接部21に当接することで、開閉体10がガイドレール20から抜けてしまうのを防止する。
尚、前記移動方向には、開閉体10が単純に幅方向に移動する場合の方向や、開閉体10が風圧等の影響により幅方向と厚さ方向との両成分を併せ持った方向へ移動する場合の方向等を含む。
【0026】
そして、上記抜止部13a,13bの内、符号13aで示す抜止部は、開閉体10がガイドレール20から離れる方向へ移動した際の移動量W1(図2(a)参照)を、他の抜止部13bにおける同様の移動量W2(図2(b)参照)よりも小さく設定している。これら移動量W1,W2は、抜止部13a,13bとガイドレール20内の当接部21との間の距離である。
【0027】
上記構成の抜止部13a,13bによれば、閉状態にある開閉体10の内外に気圧の差が生じ、該開閉体10の中央側が撓んで気圧の低い側へ膨れ出た際、その膨出量を小さくすることができる(図3(b)参照)。
より詳細に説明すれば、前記膨出量は移動量を小さくした抜止部13aに略対応する部位aにおいて特に小さくなるが、開閉体10は、幅方向および開閉方向に連続する部材であるため、抜止部13aに略対応する部位aの膨出量が小さくなることに影響されて、ある程度全体的に膨出量が抑制されることになる。
【0028】
尚、本実施の形態では、上記膨出量を開閉体10の全体にわたって効果的に抑制するために、移動量の小さい抜止部13aを、開閉体10における開閉方向の端部間の中央又は中央近傍に配置している。
【0029】
更に、本実施の形態では、扉体12の閉鎖性を良好にするために、移動量の小さい抜止部13aの開閉体開閉方向の位置を、扉体12の上端側の止着部12b(開閉体本体11に止着された部位)に対応させている。
すなわち、例えば図3(a)に示す従来技術では、止着部12b’における膨出量が大きい場合、開閉体10’の膨出側(図3における左側)において、扉体12’の下端側が真下へ垂れ下がってしまうため、扉体12’下端側の自重による閉鎖性が損なわれて、扉体12’と開閉体本体11’との間に隙間を生じてしまう。
しかしながら、本実施の形態によれば、図3(b)に示すように、扉体12の上端側の止着部12bにおける膨出量が小さいため、扉体12下端側が開閉体本体11に近接し易く、扉体12下端側の自重による閉鎖性が比較的良好である。
【0030】
また、扉体12は、開閉体10の表面側と裏面側との双方に具備された略矩形状のシート材である。
各扉体12は、開閉体本体11と略同材質のシート材からなり、開閉体本体11同様に、開閉体幅方向に長い略矩形帯状のシート材を、上下方向に複数連接するように縫い付けて構成してもよいし、一枚のシート材を矩形状に裁断することで構成してもよい。
また、各扉体12の下端側は縦断面袋状に形成され、その袋状部位には、該扉体12の自重による閉動作を補助するように、錘部材12aを、該扉体12の幅方向にわたって内在している。
【0031】
そして、各扉体12は、その上端側の止着部12bが、開口部11aの上縁に沿うようにして開閉体本体11に縫付け固定されるとともに、前記止着部12b以外の端部側を、開口部11aの周囲の面に重ね合わせることで、開口部11aを閉鎖している。
詳細には、各扉体12の左右両端側の各々が、開閉体本体11における開口部11a近傍に重ね合わせられ、また、各扉体12の下端側が、座板部材14の上部側に重ね合わせられている。
【0032】
また、表面側と裏面側の両扉体12,12の間であって、且つ開口部11aの内側となる部位には、両扉体12,12を開閉可能なように接続する接続手段30が設けられている。
【0033】
この接続手段30は、上記双方の扉体12,12を、開閉可能となるように、上記開口部11a内で接続する構成であればよく、本実施の形態の好ましい一例によれば、着脱可能な接続部31と被接続部32とからなる所謂ベルベットファスナーを用いている。そして、この接続手段30は、一方の扉体12の内面に前記接続部31を止着するとともに、他方の扉体12の内面に、前記接続部31と係脱するように被接続部32を止着している。
【0034】
そして、この接続手段30は、各扉体12における左右側端側の内面と開閉体本体11の面との隙間を小さくするように、開口部11aの左右の側縁近傍となる箇所に配置されるのが好ましい。ここで、前記近傍とは、例えば開口部11aの幅寸法を略4等分した4つの部位の内、その幅方向の両端部側の二つの部位とし、更に好ましくは、より開口部11aの側縁に近い部位とする。
更に、同接続手段30は、開閉体本体11の中央側が内外の気圧の差により気圧の低い側へ膨出した際、その膨出側の面に吊り下げられた扉体12の下端側と開閉体本体11及び座板部材14の上部との間に隙間が生じ難いように、扉体12の下端側に配置されるのが好ましい。
更に、同接続手段30は、開閉体10の中央側が内外の気圧の差により膨れ出た際、その凹側面(圧力の高い側の面)に扉体12を追従させて撓ませることで、扉体12と開閉体本体11との間に隙間が生じるのを防止する観点より、扉体12の上下方向の略中央側に配置されるのが好ましい。
更に、同接続手段30を複数具備する場合、上述したように、扉体12の下端側と上下方向端部間の略中央とにそれぞれ配設されるのが好ましい。
また、別の観点からは接続手段30の配列方向は、開閉体幅方向の成分を有する方向であることが好ましく、この配列方向とした複数の接続手段30によれば、風圧を受けた際等に扉体12の幅方向の両端部がばたつくのを抑制することができる。
したがって、本実施の形態の好ましい一例では、上記接続部材30を、以下に示す少なくとも四箇所に配設するようにしている。すなわち、上記接続手段30は、開口部11aの左右の側縁近傍となる部位において、扉体12の上下端部間における略中央二箇所に開閉体幅方向に配置され、更に同扉体12の下端側二箇所にも開閉体幅方向に配置されことで、合計四箇所にそれぞれ配設されている。勿論、上記接続手段は、前記四箇所に加えて更に他の箇所にも配設されていてもよい。
【0035】
上記構成の接続手段30によれば、開閉体10に張力が作用した際にも扉体12による開口部11aの閉鎖性を良好に維持することができる。
すなわち、例えば図5(a1)〜(a3)に示す従来技術によれば、内外の扉体12’,12’をベルベットファスナー等の係脱手段30’により開閉体本体11に係合させているため、開閉体10’に内外の気圧の差等により張力が生じた場合、その張力によって前記係脱手段30’による係合が外されてしまうおそれがある。
しかしながら、本実施の形態では、図5(b1)及び(b2)に示すように、内外の扉体12,12を直接的に接続手段30によって接続するとともに、扉体12,12と開閉体本体11との重ね合わせ代Pを確保しているため、開閉体10に内外の気圧の差等により張力が生じた場合でも、前記重ね合わせ代Pの範囲内における扉体12,12と開閉体本体11との間のスライドにより、前記張力が逃がされることになる。
尚、前記重ね合わせ代Pは、開閉体10に内外の気圧の差等により張力が生じた場合でも、各扉体12と開閉体本体11との間に隙間が生じないように、扉体12,12と開閉体本体11との間の想定されるスライドの最大幅よりも大きく設定してある。
また、図示例によれば、開閉体10の幅方向における作用を示しているが、開閉体10の開閉方向において張力が生じた場合(図3(b)に示す状態の場合)にも、扉体12,12の下端側と座板部材14の上部及び開閉体本体11との間のスライドにより、前記張力を逃がす作用を奏する。
【0036】
また、開閉体本体11の表面と裏面との内の一方または双方の面には、応力集中箇所を補強するための補強部材15a,15b,15c1,15c2が、止着されている。
そして、これら補強部材15a,15b,15c1,15c2は、開閉体10が巻取り軸に巻き取られる際に、その巻径がいびつに偏心したり、大きくなったりすることを極力避けるようにシート材から形成され、材質共通化によってコスト削減効果を得るためには、開閉体本体11または扉体12と同材質のシート材とするのが好ましい。
【0037】
また、これら補強部材15a,15b,15c1,15c2を開閉体本体11に止着する手段は、例えば縫付けや接着等の技術的手段とすることができる。
前記手段を縫付けにした態様では、縫い糸の強度によって開閉体10に作用する張力に対抗するように、縫い糸の方向を前記張力の方向と交差させないようにすることが好ましく(換言すれば開閉体本体11が張力により引き裂かれた場合の裂け目方向と交差する方向とすのが好ましく)、特に好ましくは、縫い糸の方向を、前記張力の方向と略平行する方向、具体的には開閉体10の幅方向または開閉方向とする。
また、前記手段を接着にした態様は、縫い糸により開閉体本体11を貫通することがないので、開閉体本体11の強度を低下させ難い好ましい態様であるが、接着された補強部材15a,15b,15c1,15c2が剥がれてしまうことがないように、接着強度、耐候性、及び耐久性等を十分に考慮した接着剤が選定される。
【0038】
補強部材15aは、開口部11a上縁に沿うとともに扉体12上端の止着部に重ね合わせて設けられることで、開口部11a上縁における左右両側の入隅状の部位b,bが、応力集中によって裂けてしまうのを防止する。
すなわち、例えば図4(a)に示す従来技術では、開閉体10が内外の気圧の差によって気圧の低い側へ膨れ出た場合、開口部11a’上縁における左右両端側の入隅状部位b’,b’の近傍が、応力集中により引き裂けてしまう懸念がある。
しかしながら、本実施の形態では、開口部11a上縁の左右両端側の入隅状部位b,bの近傍が、扉体12上端の止着部12bと、該止着部12bに重ね合わせられた補強部材15aによって二重に補強されるため、応力集中により引き裂けてしまうのを防止することができる。
【0039】
更に、同補強部材15aは、開閉体10における幅方向の略全長にわたって設けられることで、開閉体10全体の幅方向の撓み及び伸びを抑制する。
更に、同補強部材15aは、移動量の小さい抜止部13aに対応して配置されることで、移動量が小さいために特に張力が大きくなる部位を補強している。
【0040】
また、補強部材15bは、開閉体10の左右の端部側各々において、抜止部13a,13bが配設された部位に止着され、抜止部13a,13bの周囲が、応力集中によって損傷するのを防止する。
更に、同補強部材15bは、開閉体10の開閉方向にわたって連続的に設けられることで、開閉体10の開閉方向の撓み及び伸びを抑制する上、開閉体10が巻取られる際に作用する開閉方向の張力に対抗して、開閉体10を補強している。
【0041】
また、補強部材15c1(開口部11a側),15c2(開閉体本体11側端側)は、開閉体本体11における袋部11b上端側の左右両端部分を補強している。
すなわち、袋部11bは、開閉体本体11の下端側を二つ折り状に曲げ、その曲げられた上端部を開閉体本体11の面に縫い付けることで構成されている。したがって、袋部11b上端側は、縫い付けの際に糸が貫通されることにより、強度が弱くなるおそれがある。補強部材15c1,15c2は、袋部11bの上端側の縫い付け部分が、応力集中によって左右両端側から裂けてしまうことがないように補強している。
そして、この補強部材15c1,15c2の各々は、二つ折り状に曲げられ、その間に、前記袋部11bの縫い付け部分を挟むようにして、開閉体本体11に止着される。
【0042】
また、座板部材14は、袋部11b内外に構成される錘部材をカバー部材等によって束ね固定してなり、開閉体10の閉鎖動作の際、開閉体10を自重によって下方へ引っ張り、地面や床面等に当接される部材である。
また、ガイドレール20は、アルミ合金材料を引抜き成形あるいは押し出し成形することで、開閉体10の幅方向の端部を囲む横断面略コの字状に形成された部材であり、開閉体10を挿通する開口縁には、該ガイドレール20から離れる方向へ移動した際の上記抜止部13a,13bに当接させるように、当接部21,21を突出させて設けている。
尚、上記構成の開閉装置1によれば、ガイドレール20は予め固定的に設置されていて開閉体10を開閉方向へ案内するための部材としているが、当業者間においては、開閉体10が閉鎖状態になっているときに開閉体10の幅方向の両側に略直立等してガイドレール20と同じような状態になり、開閉体10の撓みやばたつきを抑制する部材であって、開閉体10の開閉動作に伴って送出された収納されたりする部材(連動タイプ)や、開閉体10の開閉動作と独立した動作により送出されたり収納されたりする部材(非連動タイプ)等を、ガイドレールと称する場合もあり、上記開閉装置1は、上記ガイドレール20を、前記のような連動タイプや非連動タイプのガイドレールに置換した構成とすることも可能である。
【0043】
而して、上記構成の開閉装置1によれば、抜止部13a,13bの構成によって、内外の気圧の差等に起因する開閉体10の膨れ出しを効果的に抑制できる上、扉体12の取付け構造により、開閉体10に張力が作用した際における扉体12による閉鎖性を良好に維持することができ、更には、補強部材15a,15b,15c1,15c2により、開閉体10における応力集中箇所を効果的に補強することができる。
【0044】
尚、上記実施の形態によれば、開口部11aにおける上縁と側縁とが出会う箇所に、入隅状部位b,bを有するが、前記箇所を上縁と側縁とが曲線で結ばれたR加工状に形成することで、前記入隅状部位b,bを省き、前記箇所に作用する応力集中を軽減してもよい。
【0045】
また、上記実施の形態によれば、上記補強部材15a,15b,15c1,15c2を、開口部11aの入隅状部位b,bの近傍、座板部材14を接続するための袋部11bの端部、及び抜止部13a,13bの周囲等に配設したが、この補強部材は、開閉体10における応力集中箇所にシート状の部材を止着した構成であればよく、例えば、図6に示すように、上記開閉体本体11に比較的小さめの覗き窓用の矩形状開口部11cを形成し、該矩形状開口部11cの四角近傍に、シート状の補強部材15dを止着した構成としてもよい。尚、この態様において、前記矩形状開口部11cは、貫通状であってもよいし、透明なシート材により閉鎖することで開閉体10による躯体開口部等の閉鎖性を良好にしてもよい。
【0046】
また、前記構成において、前記開口部11aを前記透明なシート材により閉鎖しない貫通状に形成した場合には、その貫通状の開口部11aを内外から閉鎖するようにして、上記扉体12,12と同様の構成の二枚の扉体(図示せず)、及び上記接続手段30と同様の構成の接続手段(図示せず)を設けることで、開閉体10による躯体開口部等の閉鎖性を良好にするとともに、必要に応じて開口部11aが開閉されるようにしてもよい。
【0047】
また、補強部材の他の態様としては、例えば、上記開閉体本体11に切り込み(図示せず)を形成し、該切り込みに沿う部位が押す、引く、捲る等されることで開放される開口部(図示せず)を構成し、前記切り込みの谷間近傍にシート状の部材を止着した構成であってもよい。
【0048】
また、上記実施の形態によれば、抜止部13a,13bは、開閉体本体11の表裏両面から厚さ方向へ突出するようにした好ましい態様を示しているが、ガイドレール20内に係合することで開閉体10がガイドレール20から抜け出ることを防止する構成とすれば、開閉体本体11の表裏面の内の一方の面から厚さ方向へ突出する態様としてもよい。
【0049】
また、上記接続手段30は、上記双方の扉体12,12を、開閉可能となるように、上記開口部11a内で接続する構成であれば、上記べルベットファスナーを用いた態様に限定されるものでなく、例えば、磁石や、衣服等に用いられる所謂ホック等を用いた態様であってもよいが、双方の扉体12,12の着脱を容易にし、且つ双方の扉体12,12が自重により接続されるようにするためには、上記ベルベットファスナーや磁石を用いた態様とするのが好ましい。
【0050】
また、上記接続手段30は、図7に示すように、双方の扉体12,12を幅方向の中央側で着脱不能に止着した接続手段30’とすることも可能である。この接続手段30’によれば、双方の扉体12,12は、その側端側が、押す、引く、捲る等することで開放され(図7(b)参照)、開閉体10に張力が作用した際には、上記実施の形態と同様に、その張力を、両扉体12,12と開閉体本体11との間のスライドにより逃がすことができる(図7(c)参照)。
また、この態様において、前記接続手段30’を、着脱可能、あるいは外すことのみを可能とした構成とすることで、非常時等には外されて、開口部11aが大きく開放されるようにしてもよい。
【0051】
また、上記接続手段30は、上記双方の扉体12,12を、開閉可能なように、上記開口部11a内で接続する手段であればよく、この接続手段30の他の具体例としては、上記双方の扉体12,12を接着や縫付け等の手段により外すことが可能なように接続し、その接続された箇所が剥がされたり引き千切られたりすることで離脱されて扉体12,12が開放され、同扉体12,12が自重により閉鎖されるようにした態様等であってもよい。
【0052】
また、上記接続手段30は、上記双方の扉体12,12を所定の条件に応じて一時的に開閉可能な状態にする接続手段(図示せず)に置換されてもよい。
すなわち、上記開閉体10は通常時に全開状態となり火災発生時には全閉状態となるが、上記双方の扉体12,12の状態については、人が避難のために通過する可能性がある火災発生初期段階には通過性をより重視して接続していない状態とし、火災が進行し本格的な火災となり温度や煙濃度が増加し、これ以降は人が避難する可能性がほとんどないと判断できる段階には閉鎖性の方をより重視して接続状態にするのが好ましい。
また、他の状況における上記双方の扉体12,12の状態としては、例えば保管室や実験室等で、通常時は気密や温度維持等のために閉鎖性を重視して人や物体等の通過可能な状態を避けて接続状態にし、例えば人や物体等の通過を一時的に許可するために、所定時刻から短時間だけ通過可能な状態である接続しない状態にするのが好ましい。
したがって、上記双方の扉体12,12を所定の条件に応じて一時的に開閉可能な状態にするようにした接続手段には、上記双方の扉体12,12を通常時は接続しないが所定の条件に応じて接続するようにした態様と、逆に上記双方の扉体12,12を通常時は接続しているが所定の条件に応じて離脱するようにした態様とがあり、使用状況等に応じて適宜選択すればよい。
そして、前記接続手段の具体例としては、上記双方の扉体12,12間に設けられる係合部(図示せず)と被係合部(図示せず)との内の一方又は双方を、所謂形状記憶合金やバイメタル等の熱影響により変形する部材を用いて形成し、該部材を火災時等の熱により変形させることで前記係合部を前記被係合部に係合又は離脱させるようにした一例が挙げられる。
また、前記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体12,12間に設けられる接合部(図示せず)と被接合部(図示せず)との内の一方又は双方を電磁石により構成するとともに、熱や煙、圧力等を検知するセンサーを備え、該センサーの検知信号が所定の条件を満たす場合に、前記一方又は双方の部材が磁化されて接合されるようにした一例が挙げられる。なお、この接続手段においては、前記電磁石を用いた接合部と被接合部を、モーター等を用いた他の電動機構により係脱される係合部(図示せず)と被係合部(図示せず)に置換することも可能である。
また、前記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体12,12間に設けられる接合部(図示せず)と被接合部(図示せず)との内の一方又は双方を、熱影響により粘着性を発生する部材(例えば発泡剤等)から構成し、火災時等の熱影響を受けた際の前記部材の粘着力により、前記接合部と前記被接合部とを接合さるようにした一例が挙げられる。
また、前記接続手段の他の具体例としては、上記双方の扉体12,12間に、所定圧力以上の圧力により押圧された際に係合し合う係合部(図示せず)と被係合部(図示せず)とを設け、上記扉体12,12が受ける所定圧力以上の気圧や物体等の押圧力により、前記係合部と前記被係合部とを係合させるようにした一例が挙げられる。
【0053】
また、上記実施の形態によれば、開閉体10に内外の気圧の差等により張力が生じた場合に、上記重ね合わせ代Pの範囲内で扉体12,12と開閉体本体11との間をスライドさせるようにしているが、万が一、前記張力が大きすぎる場合でも、扉体12,12と開閉体本体11との間に隙間を生じることがないように、各扉体12の端部側の内面と、開閉体本体11における開口部11a近傍の面との間に、扉体12と開閉体本体11とのスライド量を規制する規制手段40(図8参照)を設けてもよい。
この規制手段40の好ましい態様としては、各扉体12の端部側の内面に開閉体厚さ方向へ突出する係合部41を設け、更に開閉体本体11における開口部11a近傍の面に開閉体厚さ方向へ突出するとともに前記係合部41に係合可能な被係合部42を設けてなる。そして、この態様によれば、各扉体12と開閉体本体11との間のスライド量が比較的大きい場合でも、そのスライド量が前記係合部41と前記被係合部42との当接により規制されるため、各扉体12と開閉体本体11との間に隙間が生じるのを防止することができる。
【0054】
また、上記実施の形態によれば、上記開口部11a及び扉体12は、開閉体10の幅方向の中央側に配置したが、開閉体10の左側または右側であってもよい。
更に、これら開口部11a及び扉体12は、人や物体等の通過を可能にする必要最小限の面積とするために、本実施の形態のように開閉体10の下側部位の一部に配置されていることが好ましいが、開閉体10の開閉方向の全長又は略全長にわたって配設することも可能である。
【0055】
また、上記実施の形態によれば、上記開口部11aは、略矩形状に切り抜かれた形状としたが、円形状や楕円形状、三角形状や逆三角形状その他の多角形状、スリットや切込みとすることも可能であり、特に人や物体等の通過性を向上にするためには、少なくとも下側部位に人や物体等の通過性の良好な広い面積を有する形状や、人や物体等の通過性を良好にするように下端側へ向かって幅広となる形状であることが好ましい。
また、前記したように開口部11aを円形状や楕円形状、三角形状や逆三角形状その他の多角形状等、幅寸法が開閉方向に変化する形状とした場合も、上記接続手段30は、上記実施の形態のように上記扉体12と上記開口部11aの周囲の面とが重ね合わせられた部位の近傍に配置されるのが好ましく、更には、扉体12による閉鎖性を一層向上するために、開閉方向に変化する前記幅寸法が、より広い部分又は該部分の近傍に配置されるのが好ましい。なお、この場合、前記「より広い部分」とは、例えば、開口部11aの最大幅の半分よりも広い部分とするのが好ましい。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、開閉体本体の表面側と裏面側との双方の扉体が接続手段により接続されるため、開口部を扉体により閉鎖した際における遮炎性や遮煙性等の閉鎖性に優れている。
その上、開閉体内外の気圧の影響等により該開閉体に張力が作用した際には、両扉体と開口部の周囲の面との間のスライドにより、前記張力が逃がされ、且つ、各扉体の端部側を開口部の周囲の面に重ね合わせているため、各扉体の周囲に周囲に隙間を生じ難い。
したがって、開口部を扉体により閉鎖した際の閉鎖性に優れている上、開閉体に張力が作用した際にも扉体による閉鎖性を良好に維持することができる。
【0057】
更に、第二の発明によれば、接続手段による接続を外すことで開口部を大きく開放することができる上、双方の扉体を接続手段により再度接続することも可能となる。
しかも、開閉体に作用する張力が両扉体と開口部の周囲の面との間のスライドにより逃がされるため、接続手段による接続力を、従来技術による着脱手段のように開閉体の張力を考慮して増強する必要がない。
したがって、接続手段による接続力を必要最小限の力に設定して、扉体を開放する際に接続手段による接続が容易に外されるようにすることができる。
【0058】
更に、第三の発明によれば、開閉体の中央側が内外の圧力差により膨れ出た際にも、扉体を開口部の周囲の面に近接させて、扉体による開口部の閉鎖性を良好にすることができる。
【0059】
更に、第四の発明によれば、扉体と開口部の周囲の面との隙間が小さくなるため、扉体による開口部の閉鎖性を一層向上にすることができる。
【0060】
更に、第五の発明によれば、上記双方の扉体を、所定の条件に応じて接続したり該接続を外したりできるので、より適切な閉鎖性と通過性を備えることができ、例えば通常時は双方の扉体同士の接続を外した状態とし、火災時等の所定の条件の際のみに双方の扉体を接続した状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる開閉装置の一例を示す要部正面側斜視図である。
【図2】同開閉装置の抜止部の構造を示す横断面図であり、(a)は移動量を小さく設定した抜止部の構造を示し、(b)はその他の抜止部の構造を示している。
【図3】同開閉装置の作用を従来技術との比較により示す概略縦断面図であり、(a)は従来技術を示し、(b)は本発明に係わる開閉装置の一例を示す。
【図4】同開閉装置の作用を従来技術との比較により示す概略正面側斜視図であり、(a)は従来技術を示し、(b)は本発明に係わる開閉装置の一例を示す。
【図5】同開閉装置の作用を従来技術との比較により示す横断面図であり、(a1)〜(a3)は従来技術を示し、(b1)〜(b2)は本発明に係わる開閉装置の一例を示す。
【図6】補強部材の他例を示す正面側斜視図である。
【図7】扉体の取付構造の他例を示す横断面図であり、(a)は扉体が閉じられた状態を示し、(b)は物体の通過のために扉体が部分的に開放された状態を示し、(c)は開閉体が内外の気圧の差を受けた状態を示す。
【図8】扉体の取付構造の他例を示す横断面図であり、(a)は開閉体が気圧の差を受けていない状態を示し、(b)は開閉体が内外の気圧の差を受けた状態を示す。
【符号の説明】
1:開閉装置
10:開閉体
11:開閉体本体
11a:開口部
12:扉体
30:接続手段
P:重ね合わせ代
Claims (5)
- 少なくともシート状の部位に、開口部を設けている開閉体本体と、該開閉体本体の表面側と裏面側との双方に配設されて前記開口部を閉鎖するシート状の扉体とを備え、これら開閉体本体と扉体とからなる開閉体により空間を仕切るようにした開閉装置において、
前記双方の扉体の間には、これら双方の扉体を、開閉可能なように、前記開口部内で接続する接続手段が設けられ、
前記各扉体は、その端部側における前記開閉体本体に固定されていない部位であって該部位における少なくとも一部位を、前記開口部の周囲の面に重ね合わせて前記開口部を閉鎖していることを特徴とする開閉装置。 - 上記接続手段は、上記双方の扉体を着脱可能に接続する手段であることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 上記扉体は、上記開閉体本体に対して吊り下げ状に設けられ、上記接続手段は、この扉体における上下端部間の略中央以下の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
- 上記接続手段は、上記扉体と上記開口部の周囲の面とが重ね合わせられた部位の近傍の少なくとも一箇所に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1記載の開閉装置。
- 上記接続手段は、上記双方の扉体を、所定の条件に応じて接続したり該接続を外したりする手段であることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
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