JP2007309031A - 耐火遮煙装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 開口部前面において巻き上げ巻き下ろしされる耐火性シートからなるスクリーンと、当該スクリーンの両側に設けたシート状マグネットストリップと、開口部両側に設けた強磁性材からなる補助レールとからなり、下降時に当該シート状マグネットストリップが補助レールに吸着することによりスクリーンが開口部を遮煙する形式の耐火遮煙装置において、当該シート状マグネットストリップ部分には多数の他の固定手段を有し、これら全ての固定手段の温度上昇を防ぐ加熱膨張シートを有し、火炎又は高温の煙による温度上昇に対応して加熱膨張シートが膨張することによりこれら全ての固定手段の更なる温度上昇を防止する。
【選択図】図7
Description
ここで、特許文献1(特表平10−506158号公報)に記載された発明は本発明の基礎となるものであって、例えばエレベータ用の開口部の前面に、必要時に強化カーテンを巻き下ろす形式のものである。
すなわちこの発明は、上端が開口部上端に固定された可撓性スクリーン材によって開口部の少なくとも一部を閉鎖するスクリーン装置において、前記スクリーン材の左右両端部に可撓性吸着手段を設け、該吸着手段によってスクリーン材の左右両端部を、前記開口部の左右に立設されたレールに着脱可能に吸着せしめるとともに、スクリーン材に取り付けられた帯状又は線状の可撓性部材を巻き上げて、前記開口部を開放可能としたことを特徴とするものである。
また、上記他の固定手段は形状記憶合金により形成された棒状体であり、その両端が温度の上昇に伴って湾曲することにより、上記補助レールの係止部に係合固定することを特徴とする。
上記加熱膨張シートは全ての固定手段の前面部及び両側部に設置され、上記形状記憶合金からなる他の固定手段は、その棒状体の両端部が湾曲して上記補助レールに設けられた多数の係合孔又は、上記補助レールの外側に設けられた縦溝内に嵌入係合することを特徴とする。
更に、上記スクリーンは下部シャフトに巻き付けられており、当該シャフトの両端部に固定した巻き上げワイヤを巻き上げ機から解放することにより、自重により巻き下ろされるものであり、その解放は火災報知器からの信号、温度検知器或いは煙検知器からの信号又は手動スイッチの信号により行われることを特徴とする耐火遮煙装置である。
図1は、本発明に係る遮煙装置20が建物のエレベータ用開口部に設置された状態の正面図であり、図2は、当該遮煙装置20を設置した部分の概略側面図である。
これらの図面から判るように、遮煙装置20はそのスクリーン21がエレベータ開口部(図3参照)を遮蔽した状態を示しており、スクリーン21巻き付け用のシャフト(図3参照)のシャフトエンド23が床面FL上に達した状態を示している。
この時、スクリーン21の背面に設けられたシート状のマグネットストリップが強磁性材からなる補助レール12に吸着し、当該開口を遮蔽する点は従来公知の発明と同様である。
また、このようなスクリーン21が下部のシャフト(シャフトエンド23のみ表示)に巻き付けられており、ワイヤ35を上方の巻き上げ機により巻き上げた状態で、収納ボックス31内に収納することができる。
図3において、その一部の水平断面を示す建物構造部10及びエレベータ開口部11の側枠構造には、該枠構造にアンカー(図8等参照)で固定された補助レール下地材121に対して、補助レール12を補助レール用留付材122,122により固設する。
また、加熱膨張シート25Bも同様材質のもので作成され、その幅は約120mm、厚さ約2.1mmである。
なお、図4における符号27は、上記スクリーン21の表裏に加熱膨張シート25A,25Bを逢着するステンレス繊維系を示している。
この実施例においては、当該形状記憶合金がニッケルとチタンの合金で作成され、長さ約70mm、幅約5mm、厚さ約0.5mmとされ、その反応温度は約100℃とされている。
図5に示すように、本発明に係る遮煙装置20の作動状態では、シャフトエンド23が床面FLまで下降している。この時は、ワイヤ35は巻取シャフト22Aに巻回されており、後述するDCギヤモータ32(図6)の回動に伴って、該スクリーン等の自重により下降している。また、スクリーン21の一面(裏面)両側部に固定されたシート状マグネットストリップ24は、上記スクリーン21と一体的に巻戻されると同時に上方から順次補助レール12の表面に吸着される。ここで、図中の符号211はスクリーン取付け材であり、例えばスクリーン21の端部を巻取りシャフトに固定する複数の固定ネジの1つを示している。
上述の補助レール12は、建物構造部10の表面であってボックス31のためのボックス下地311の下端から下方に渡って固定されている。当該ボックス下地311を介して固定されたボックス31の内部には、スクリーン21の上端部が同じくシート状マグネットストリップ24の上端部と共に固定されている。
図中の符号33は上記巻上げ機構30におけるDCギヤモータ32の駆動制御基板であり、符号34は中間のプーリP〜Pの回動を制御するダウンリミットである。また、ボックス31の開閉パネル312は作動状態、すなわち開放状態とされているが、不作動時には上記スクリーンの全装置をボックス31内に収納して閉鎖状態とすることができる。
この建物構造体における上枠部15にはボックス下地材311がアンカーボルト123を介して固定され、開口側壁部(符号なし)には補助レール12が固定される。スクリーン21はそのシャフトエンド23が床面FL上に達するようにワイヤ35を繰り出しながら、スクリーン及び巻取りシャフトの自重により下降し、床面上に達するとダウンリミット34の作用でギヤモータ32の回動を停止して作動状態となる。
この場合は当然に、ボックス31の開閉パネル312が、天井材17の位置から図示の開放位置まで開放される。ここで、図示の符号H〜Hで示す係止孔は、次図において説明する。
これらの図において、エレベータ開口11の両側面は見切材13で画定され、建物構造部10の表面にはセメントモルタル14が施されている。
強磁性体からなる補助レール12は、上記セメントモルタル14にアンカーボルト123で固定された補助レール下地121に対して、補助レール用留付材122を用いて固定される。
従って、シート状マグネットストリップ24は補助レール12の表面に吸着した状態で、シート21を固定している。
他の実施例としては、図示していないけれども、上記の実施例における補助レール12の側面の孔の位置に連続した縦溝を設けることもできる。
11 エレベータ開口部
12 補助レール
121 補助レール下地
122 補助レール用留付材
123 アンカー
13 開口見切り材
14 セメントモルタル
15 上枠部
16 胴縁
17 天井材
20 遮煙装置
21 スクリーン
211 スクリーン取付材
22A 巻取りシャフト
22B 巻取りシャフト
23 シャフトエンド
24 シート状マグネットストリップ
241 マグネット用留付材
25 断熱手段
25A 加熱膨張シート
25B 加熱膨張シート
26 スクリーン固定手段
261 係止爪
30 巻き上げ機構
31 収納ボックス
311 収納ボックス下地材
312 開閉パネル
32 DCギヤモータ
33 基板
34 ダウンリミット
35 ワイヤー
FL 床面
H 係止孔
P プーリ
Claims (7)
- 開口部前面において巻き上げ巻き下ろしされる耐火性シートからなるスクリーンと、当該スクリーンの両側に設けたシート状マグネットストリップと、開口部両側に設けた強磁性材からなる補助レールとからなり、下降時に当該シート状マグネットストリップが補助レールに吸着することによりスクリーンが開口部を遮煙する形式の耐火遮煙装置において、当該シート状マグネットストリップ部分には多数の他の固定手段を有し、これら全ての固定手段の温度上昇を防ぐ加熱膨張シートを有し、火炎又は高温の煙による温度上昇に対応して加熱膨張シートが膨張することによりこれら全ての固定手段の更なる温度上昇を防止することを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項1記載の耐火遮煙装置において、上記他の固定手段は形状記憶合金により形成された棒状体であり、その両端が温度の上昇に伴って湾曲することにより、上記補助レールの係止部に係合固定することを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項1又は2記載の耐火遮煙装置において、上記加熱膨張シートは全ての固定手段の前面部及び両側部に設置されていることを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項2記載の耐火遮煙装置において、上記形状記憶合金からなる他の固定手段は、その棒状体の両端部が湾曲して上記補助レールに設けられた多数の係合孔に嵌入係合することを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項2記載の耐火遮煙装置において、上記形状記憶合金からなる他の固定手段は、その棒状体の両端部が湾曲して上記補助レールの外側に設けられた縦溝内に嵌入係合することを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項1又は2記載の耐火遮煙装置において、上記スクリーンは下部シャフトに巻き付けられており、当該シャフトの両端部に固定した巻き上げワイヤを巻き上げ機から解放することにより、自重により巻き下ろされることを特徴とする耐火遮煙装置。
- 請求項1又は6記載の耐火遮煙装置において、上記スクリーンは火災報知器からの信号、温度検知器或いは煙検知器からの信号又は手動スイッチの信号により巻き上げ機から解放されることを特徴とする耐火遮煙装置。
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