JP4149341B2 - 開閉装置の設置構造 - Google Patents
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Description
すなわち、上記従来技術によれば、巻取軸(34)に巻取られるシャッターカーテン(30)を収納するために、開口部用外枠組み(15)における開閉体厚さ方向の寸法を、巻取られたシャッターカーテン(30)の最大径よりも大きくしていた(特許文献1における図2参照)。
そのため、開口部用外枠組み(15)が開閉体厚さ方向に大きくなり、意匠性を損ねてしまったり、開口部用外枠組み(15)よりも手前側のエレベータホール(3)を狭くしてしまったり、あるいは開口部用外枠組み(15)の製造コストが高騰してしまったり等の要因となる場合があった。
なお、この枠組部材には、上枠部と左右の側枠部とからなる一般的な三方枠を含む。
また、上記「エレベータ用扉の手前側」および上記「エレベータ用扉よりも手前側」とは、エレベータ扉を基準にしてエレベータ籠と反対側であることを意味する。
この繰出収納装置の他の態様としては、開閉体を巻取ことなく上記上枠部の上方へ収納する態様や、開閉体を折り畳むことで上記上枠部の上方へ収納する態様、複数の板材等からなる開閉体をスライドさせて重ね合わせながら上記上枠部の上方へ収納するようにした態様等が挙げられる。
また、この繰出収納装置には、上記上枠部内に配置された態様や、上記上枠部の上部に載置された態様、上記上枠部よりも上方へ離れて配置された態様等を含む。
また、この繰出収納装置の駆動源は、電動モータ等を用いた電気的な構成や、バネ等の付勢部材を用いた構成、開閉体や錘部材の自重を利用した構成、これら構成を組み合わせてなる構成等、これらの内の何れの構成であってもよい。
この開閉体の特に好ましい態様としては、シリカクロス等の耐火性を有する布地により構成される。この態様によれば、当該開閉装置の設置構造を、防火防煙性能を有する構造とすることができる上、軽量な布地性の開閉体を用いているため、開閉体の開閉動作を高速化することができる。
この天井部には、上記上枠部の手前面に近接または接触した態様や、上記上枠部よりも低く位置した態様等を含む。
この天井部として用いられる具体的材料には、例えば、石膏ボードや、ベニヤ、鉄板等、一般建築用に用いられている天井材やその他の板材等が挙げられる。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、上記開閉体が開閉動作する方向であって、開閉体の幅方向や厚さ方向でない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、上記開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、更に好ましい態様としては、上記開口部における開閉体厚さ方向の寸法を、上記繰出収納装置の全体を通過可能な長さに設定することで、上記開口部からの上記繰出収納装置の搬入作業や、上記開口部を介して上記繰出収納装置全体の交換作業等を行えるようにする。
第一の手段によれば、エレベータ用扉よりも手前側であって繰出収納装置よりも下側に天井部が位置するため、例えば繰出収納装置の手前側部位が上枠部よりも手前側へ突出するような構成とした場合でも、突出した前記手前側部位を天井部により隠すことができる。
したがって、枠組部材の形状大きさが繰出収納装置により制約されてしまうのを軽減することができる。
例えば、繰出収納装置が枠組部材の上枠部から開閉体厚さ方向へ突出する構成、すなわち枠組部材の開閉体厚さ方向の寸法を、繰出収納装置の開閉体厚さ方向の寸法よりも小さく設定すれば、枠組部材の材料コストを低減したり、枠組部材の意匠性を向上したり、あるいは枠組部材よりも手前側の空間(例えばエレベータホール等の空間)をより広くし有効利用したり等することが可能である。
したがって、前記上方側のスペースをメンテナンスのための空間として有効利用できる上、枠組部材の高さ寸法を大きくして天井を高くすることも可能となる。
すなわち、繰出収納装置の大きさに拘わらずに、枠組部材を開閉体厚さ方向や開閉体幅方向へ大きくしたり小さくしたりすることが可能であり、枠組部材や該枠組部材が設置される躯体側の設計的な制約を軽減することができる。
その上、繰出収納装置が上枠部材よりも上方側に配置されているため、メンテナンス等の作業時に上枠部材が邪魔になるような状況を軽減できる。
その上、上記開口部からエレベータ用扉やエレベータ籠の上部等に対する点検やメンテナンス等を行うことも可能である。
特に、繰出収納装置の手前側部位を上枠部よりも手前側へ突出させた構成とすれば、前記手前側部位を効率的にメンテナンス作業することができる。
更には、繰出収納装置の上記駆動源を上枠部よりも手前側へ突出させた構成とすれば、比較的に点検等の機会が多い駆動源に対して、迅速なメンテナンス作業を行うことができる。
しかも、上記開口部から、繰出収納装置を設置したり、繰出収納装置を構成する部品や繰出収納装置全体を交換したり等することも可能であり、メンテナンス作業や設置作業等の際における現場状況への対応性に優れている。
先ず、本発明に係わる開閉装置の設置構造Aが適用される構造物90について説明すれば、この構造物90は、図1及び図2に示すようにエレベータ籠1が昇降する通路であるエレベータシャフト91とエレベータホール92との間に壁93を有する。
そして、この壁93は、エレベータシャフト91とエレベータホール92とを連通する略矩形状の開口部94を有するとともに、該開口部94の上方側に、略垂れ下がり状の下がり壁93aを形成している。
また、開口部94内のエレベータシャフト91側には、吊戸タイプのエレベータ用扉2が、横幅方向(図2における左右方向)に開閉動作するように配設されている。
この設置構造Aは、エレベータ用扉2の手前側(図示例によればエレベータホール92側)の空間を上側と左右側の少なくとも三方から囲む枠組部材10と、開閉体21を前記枠組部材10の上枠部11内から下方へ繰出したり同上枠部11内へ収納したりする繰出収納装置20とを具備し、前記繰出収納装置20を、前記上枠部11の手前側で前記上枠部11に近接または接触する天井部30よりも、上側に配置している。
上枠部11、左側の側枠部12、右側の側枠部13は、ステンレスや鋼板等の金属材料からなり、壁93の開口部94に容易に装着できるように、溶接等の接合手段により予め一体的に枠組されている。
なお、上枠部11、左側の側枠部12、右側の側枠部13の各部を予め別体に形成し、前記開口部94に装着される際に略コ字状に構成されるようにすることも可能である。
なお、この上枠部11の断面形状は、前記断面コ字状に限定されるものでなく、上端部で繰出収納装置20を受けることが可能な形状であればよい。
また、同下面部11cにおける前記開閉体挿通孔11c1よりも手前寄りには、扉部材11c2により開閉される開口部11c3が、上枠部11における開閉体幅方向の略全長にわたって設けられている。
扉部材11c2は、蝶番等の軸支部材により下面部11cに軸支され、開口部11c3を開閉可能に覆っている。
そして、側枠部12には、開閉体21を開閉方向(図示例によれば上下方向)へ導くガイドレール12aが設けられ、側枠部13にも、同様のガイドレール13aが設けられている。
そして、各ガイドレール12a(13a)と開閉体21の幅方向の端部との間には、開閉体21が各ガイドレール12a(13a)から開閉体幅方向に離れる方向へ抜けてしまうのを阻む構造や、開閉体21の幅方向の端部と各ガイドレール12a(13a)との隙間から炎や煙等が内外へ通過するのを阻む構造等、防災機能を目的とした構成が具備されている。
なお、本体部21aの材質は、上記態様に限定されるものでなく、ガラスクロスや、フッ素加工を施した塩化ビニル樹脂シート材、ガラス繊維を含んだ合成樹脂シート材等とすることも可能である。
そして、この座板部21bは、金属材料等の耐火性を有する材料から構成され、開閉体21が閉鎖される際に、自重により本体部21aの皺や弛みを引き伸ばすとともに、閉鎖状態の開閉体21と床面95との間に、煙や炎等が通過するのを阻む。
この巻取軸22は、図2に示す一例によれば、上枠部11の開閉体幅方向の寸法よりも短く形成することで、構造物90における開口部94の側壁面との干渉を避けるようにしているが、構造物90の開口部94形状によっては、上枠部11の前記寸法よりも長く形成することも可能である。
なお、図示例の各支持ブラケット23,24は、手前側(図1における左側)の端部を、上枠部11の手前面部11aよりも更に手前側(エレベータホール92側)へ突出させて、該端部に固定される駆動源25を後述する天井部30の開口部31上方に配置することで、駆動源25に対するメンテナンス性を向上しているが、各支持ブラケット23,24の前記端部を手前面部11aよりも奥側(エレベータシャフト91側)とすることも可能である。
そして、この駆動源25は、略L字状の取付ブラケット25cを介して支持ブラケット23に固定されることで、上枠部11の手前面部11aよりも手前側(図1における左側)へ突出している。
その他、この駆動源25は、枠組部材10側の適所に設けられた手動操作スイッチ(図示せず)と電気的に接続されており、非常時等には前記手動操作スイッチの操作による開閉動作を可能にされている。
なお、開閉体21の開閉動作の契機となる手段は、上記以外の電気的な構成や機械的な構成(例えば手動等で引かれるワイヤーに連動して開閉体が開閉動作するようにした構成)等であってもよい。
この天井部30は、図示しない吊ボルト等の吊り部材や、ブラケット等により構造物90等に固定されている。
この開口部31は、上枠部11の手前面部11aから若干手前側(図1によれば左側)へ離れた位置であって、駆動源25の近傍となる位置に配置され、メンテナンス等の為に人が頭側から進入可能な大きさに形成されている。
この扉部材32は、その一端側が蝶番等の軸支部材を介して天井部30に軸支され、前記軸支部材を支点にして回動することで開口部31を開閉可能にするとともに、その他端側と天井部30との間に介在するラッチやマグネット等の係脱部材(図示せず)により、該他端側を天井部30に係脱させる。
したがって、枠組部材10の開閉体厚さ方向の寸法を比較的小さく設定して、意匠性を向上したり、エレベータホール92側のスペースを広げたりすることが可能である。
しかも、天井部30の開口部31を開放すれば、駆動源25等、繰出収納装置20の手前側部位を容易にメンテナンスすることができる上、上枠部11の開口部11c3を開放して、繰出収納装置20の下側部位を点検等することも可能である。
すなわち、天井部30の開口部31からは、例えば、壁93の開口部94における繰出収納装置20上方の空間を介して、エレベータ用扉2やエレベータ籠1の上部側を点検可能である。
また、上枠部11の開口部11c3からは、例えば開閉体21の座板部21bを外し本体部21aを全て巻取軸22に巻取ってしまえば、巻取られた本体部21aの下側の空間を介して、エレベータ用扉2やエレベータ籠1の上部側を点検可能である。なお、この効果を得るためには、座板部21bを本体部21aに対して着脱可能に接続した態様とすることが好ましい。
この設置構造Bによれば、天井部30を支持ブラケット23,24の下端面に当接させて位置決めできるため、天井部30の施工性が良い上、エレベータホール92側を、天井高さの高い広い空間とすることができ、しかも、開口部31から繰出収納装置20迄の距離が近くなるため、繰出収納装置20に対するメンテナンス性を一層向上することができる。
設置構造Bでは、設置構造Aにおける上枠部11の開口部11c3と扉部材11c2を、それぞれ開口部11c3’と扉部材11c2’に置換した構成としている。
開口部11c3’は、上枠部11における手前面部11aから下面部11cにわたって断面略L字状に形成された開口部であり、メンテナンス性を向上する観点より、繰出収納装置20における開閉体幅方向の略全長にわたって設けられるのが好ましいが、繰出収納装置20において比較的点検回数が多い要部(例えば巻取軸22両端側の軸支部位等)に対応させて単数もしくは複数設けるようにしてもよい。
扉部材11c2’は、断面略L字状を呈し、ガイドレール12a(13a)寄りに配設された蝶番等の軸支部材によって下面部11cに軸支されて、開口部11c3を開閉可能に覆っている。
この構成によれば、開口部11c3’が上枠部11における手前面部11aから下面部11cにわたって広く開放されるため、繰出収納装置20の下部や、エレベータ用扉2の上部、エレベータ籠1の上部等に対するメンテナンス性を一層向上することができる上、開口部11c3’を開放する際に扉部材11c2’が開閉体21側へ回動するため、開放された扉部材11c2’がエレベータホール92側からのメンテナンス作業の邪魔になるのを防ぐことができる。
11:上枠部
11c2:扉部材
11c3:開口部
12,13:側枠部
10:枠組部材
21:開閉体
20:繰出収納装置
25:駆動源
30:天井部
31:開口部
32:扉部材
A:設置構造
Claims (6)
- エレベータ用扉の手前側の空間を少なくとも上枠部と左右の側枠部とにより三方から略コ字状に囲む枠組部材と、該枠組部材内の空間を上下方向へ仕切ったり開放したりすべく開閉体を前記上枠部内から繰出したり同上枠部内へ収納したりする繰出収納装置と、前記各側枠部に一体的に加工又は止着されて前記開閉体を上下方向へ導くガイドレールと、を備えた開閉装置の設置構造において、
前記上枠部の下面部には、開閉体を挿通させる開閉体挿通孔が、開閉体幅方向にわたって形成され、
前記繰出収納装置を、エレベータ用扉よりも手前側であって且つ前記上枠部に近接または接触する天井部よりも上側であり、且つ前記上枠部よりも上方側または前記上枠部内に配置し、
前記繰出収納装置の手前側部位を、前記上枠部よりも手前側へ突出させるとともに、前記手前側部位を前記繰出収納装置の駆動源とし、
前記天井部における前記上枠部側であって、且つ前記上枠部の手前面部から若干手前側へ離れた位置または前記上枠部の手前面部に接触させて、扉部材により開閉可能な開口部を設け、
前記開口部の上方側と前記繰出収納装置の上方側とエレベータ用扉の上方側とエレベータシャフトとを連通する空間を確保したことを特徴とする開閉装置の設置構造。 - 上記繰出収納装置は、前記開閉体を巻取ったり繰出したりする巻取軸と、該巻取軸を両端側で回動自在に支持する支持ブラケットとを備え、
前記支持ブラケットの各々は、前記上枠部に載置され固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置の設置構造。 - 上記繰出収納装置を上記上枠部内に配置するとともに、上記上枠部の手前面部に切欠部を形成し、該切欠部に上記繰出収納装置の手前側部位を挿通させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置の設置構造。
- 上記繰出収納装置は、前記開閉体を巻取ったり繰出したりする巻取軸と、該巻取軸を回動させる上記駆動源とを備え、
前記駆動源は、前記開口部の略真上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置の設置構造。 - 上記繰出収納装置は、前記開閉体を巻取ったり繰出したりする巻取軸と、該巻取軸を回動させる上記駆動源と、該巻取軸を両端側で回動自在に支持する支持ブラケットとを備え、
前記駆動源は、取付ブラケットを介して前記支持ブラケットに固定されることで、上記上枠部よりも手前側へ突出していることを特徴とする請求項1記載の開閉装置の設置構造。 - 上方側に略垂れ下がり状の下がり壁が形成された構造物の開口部に設置される開閉装置の設置構造であって、
上記繰出収納装置は、前記下がり壁の下方に配置されるとともに、上記手前側部位を前記下がり壁よりも手前側に配置していることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置の設置構造。
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