JP4826164B2 - エレベータの乗場装置 - Google Patents

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この発明は、ビル火災発生時に用いられる遮煙・遮炎スクリーン装置が組み込まれたエレベータの乗場装置に関するものである。
従来、遮煙・遮炎スクリーンが組み込まれたエレベータの乗場装置は、例えば、図6〜図12に示すような構造である。図6は従来の遮煙・遮炎スクリーンが組み込まれたエレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んだ輸送時の状態を示す正面図、図7はエレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んでトラックに載せて輸送中の状態を示す図、図8は図6の矢視C方向から見た乗場装置の側面図、図9は図6の上方向から見た乗場装置の平面図、図10は図6のD部を拡大して示す詳細図、図11は乗場三方枠の幕板の高さが大きい場合の例を示す図10相当図、図12は乗場三方枠の縦枠の幅が大きい場合の例を示す図10相当図である。
図において、1は乗場装置の輸送コンテナ、2は乗場三方枠、2aは乗場三方枠2の正面上方部を構成する幕板、2bは乗場三方枠2の左右両側部を構成する縦枠、3は幕板2aの背面側に設置された箱状の遮煙・遮炎スクリーン装置のケース、3aは遮煙・遮炎スクリーン、3bは遮煙・遮炎スクリーン3aの先端部に取り付けられたスクリーン錘であり、これらは工場で一体的に組立てられ、一体の遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場三方枠を構成している。この遮煙・遮炎スクリーン装置は、スクリーン昇降用モータの無いタイプのものであり、火災等により制御信号を受けると、遮煙・遮炎スクリーン装置のラチェット等の係合が外れて遮煙・遮炎スクリーン3aの先端部に取り付けられたスクリーン錘3bにより遮煙・遮炎スクリーン3aが降下する構成のもので、遮煙・遮炎スクリーン3aを巻き付けるドラムの回転を機械的に制動して、遮煙・遮炎スクリーン3aの降下速度を一定にしている。
このように構成された遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置は、輸送時には乗場三方枠2を水平状態(エレベータ乗場側を上側)にして輸送コンテナ1に組み込まれ、乗場三方枠2の縦枠2bを輸送用固定金具1aにより固定し、トラックに載せて輸送される。乗場装置の輸送コンテナ1は、例えば、4本のパイプが長方形状に組立てられた下枠4bと、この下枠4bの4隅にそれぞれ立設固定された4本の縦柱4cと、この4本の縦柱4cの上端部を接続固定する4本のパイプが長方形状に組立てられた上枠4aと、縦柱4cの中央部のやや下方寄りに固定され、支持枠4dを支持するための支持金具4fとによって構成された枠組である。乗場三方枠2は、固定金具4e及び支持枠4dを介して上記輸送コンテナ1の枠組に着脱自在に固定されることで、簡易に輸送、保管される構造となっている。遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3は、乗場三方枠2の縦枠2bに設けられた遮煙・遮炎スクリーン3aをガイドするガイドレール2cの上部側面に固定されたL字形の取付金5を介して固定され、また、乗場三方枠2の幕板2aに固定された取付補強6を介してL字形の取付金7により固定されている。なお、10は運搬用補強板である。
ところが、以上のようなエレベータの乗場装置では、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3と乗場三方枠2の幕板2aとが固定されているため、輸送時に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの重みで乗場三方枠幕板が歪み、意匠性が低下する。また、幕板の変形等が大きい場合には、製作し直しとなる可能性がある。また、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース自体は0.8〜1.6mm厚程度の薄板であり、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースと乗場三方枠と固定しているため、輸送時に遮煙・遮炎スクリーン装置のケース内の巻き取りシャフトや、シャフト軸等の重みで巻き取りシャフトを支持しているブラケットと遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの固定箇所が変形し、遮煙・遮炎スクリーンの閉鎖性能、防火性能が低下する。また、三方枠の幕板部に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの取付補強があるため、乗場三方枠仕様(縦枠幅、幕板高さ等)により、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース取付補強の寸法及び取付位置を変化させる必要があり、工作性が悪い。また、遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置では、特別な輸送治具を取り付けるため、輸送性が悪い。また、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース自体は0.8〜1.6mm厚程度の薄板で出来ているため、輸送治具を取り付けていても、変形する可能性があり、防火性能が低下する恐れがある。
また、他の従来技術としては、遮炎・遮煙シャッターが火災発生時に乗場の開口部を閉鎖する機能を阻害することなく、エレベータ利用者の視界から遮炎・遮煙シャッターを隠すことができるエレベータの乗場装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−51257号公報
従来の遮煙・遮炎スクリーン装置が組み込まれたエレベータの乗場装置では、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3と乗場三方枠2の幕板2aとが固定されているため、輸送時に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの重みで乗場三方枠幕板が歪み、意匠性が低下する。また、幕板の変形等が大きい場合には、製作し直しとなる可能性がある。また、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース自体は0.8〜1.6mm厚程度の薄板であり、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースと乗場三方枠を固定しているため、輸送時に遮煙・遮炎スクリーン装置のケース内の巻き取りシャフトや、シャフト軸等の重みで巻き取りシャフトを支持しているブラケットと遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの固定箇所が変形し、遮煙・遮炎スクリーンの閉鎖性能、防火性能が低下する。また、乗場三方枠の幕板部に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの取付補強があるため、乗場三方枠仕様(縦枠幅、幕板高さ等)により、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース取付補強の寸法及び取付位置を変化させる必要があり、工作性が悪い。また、遮煙・遮炎スクリーン装置組込型乗場三方枠では、特別な輸送治具を取り付けるため、輸送性が悪い。また、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース自体は0.8〜1.6mm厚程度の薄板で出来ているため、輸送治具を取り付けていても、変形する可能性があり、防火性能が低下する恐れがある。
また、従来技術のエレベータの乗場装置では、塞ぎ板が利用者の視界から錘を隠し、第三者のイタズラを防止するものであり、遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置の輸送時の強度について考慮したものではない。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、遮煙・遮炎スクリーン装置と乗場三方枠の幕板との固定を廃止して、輸送中にスクリーンの重みで幕板部が歪むことも無く、意匠性を向上させるようにしたエレベータの乗場装置を提供することを目的とする。
この発明に係るエレベータの乗場装置は、乗場三方枠の幕板の裏面に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースを配置した遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置において、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースは、乗場三方枠縦枠のスクリーン用ガイドレールの乗場側上端部近傍に垂直部が固着されて設置され、水平部が遮煙・遮炎スクリーン装置のケース下面を固定支持するL字形のスクリーンケース固定金具を介して固定されており、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース内に設けられ、周囲に遮煙・遮炎スクリーンが巻かれた円筒状の巻き取りシャフトと、巻き取りシャフトを支持するために両端部に突設されたシャフト軸と、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースに固定され、シャフト軸を軸支する巻き取りシャフトの取付ブラケットとを備え、遮煙・遮炎スクリーン、巻き取りシャフト、及びシャフト軸を支持する巻き取りシャフトの取付ブラケットを、乗場三方枠の縦枠の上端部でかつスクリーン用ガイドレールの乗場側に固定して、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの重量が乗場三方枠の縦枠に直接掛かるように構成したものである。
この発明によれば、従来のように乗場三方枠の幕板部にスクリーン取付用補強がないため、乗場三方枠の幕板の歪みが無く意匠性が向上する。また、乗場三方枠の仕様(縦枠幅、幕板高さ等)の変化にも容易に対応ができるので、工作性が向上する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの乗場装置を示す正面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んだ輸送時の状態を示す要部拡大図、図4は図3のB−B線に沿った断面図、図5は遮煙・遮炎スクリーン装置を取外した状態を示す図4相当図である。
図において、1は乗場装置の輸送コンテナ、1aは輸送用固定金具、2は乗場三方枠、2aは乗場三方枠2の正面上方部を構成する幕板、2bは乗場三方枠2の左右両側部を構成する縦枠、2cは乗場三方枠2の縦枠2bに互いに対向するように設けられたガイドレールで、遮煙・遮炎スクリーンの昇降をガイドするものである。3は幕板2aの背面側に設置された箱状の遮煙・遮炎スクリーン装置のケース、3aは遮煙・遮炎スクリーン、3bは遮煙・遮炎スクリーン3aの先端部に取り付けられたスクリーン錘であり、これらは工場で一体的に組立てられ、一体の遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置を構成している。この遮煙・遮炎スクリーン装置は、スクリーン昇降用モータの無いタイプのものであり、火災等により制御信号を受けると、遮煙・遮炎スクリーン装置のラチェット等の係合が外れてスクリーン3aの先端部に取り付けられたスクリーン錘3bにより遮煙・遮炎スクリーン3aが降下する構成のもので、遮煙・遮炎スクリーン3aを巻き付けるドラムの回転を機械的に制動して、遮煙・遮炎スクリーン3aの降下速度を一定にしている。なお、スクリーン昇降用モータの無いタイプのもので説明しているが、スクリーン昇降用モータ付きの場合であっても差し支えはないものである。11は乗場三方枠2の縦枠2bの上端部裏面でかつガイドレール2cのエレベータ乗場側に固着されたL字形の固定金具で、この固定金具11を介して遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3下面を支持固定している。13は遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3内に設けられた円筒状の巻き取りシャフトで、その周囲には遮煙・遮炎スクリーン3aが巻かれている。14は巻き取りシャフト13を支持するために両端部に突設されたシャフト軸で、このシャフト軸14は巻き取りシャフトの取付ブラケット12に軸支されている。この巻き取りシャフトの取付ブラケット12は、予め遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3に取付ネジ30により固定されている。そして更に、この巻き取りシャフトの取付ブラケット12は、上記固定金具11に取付ネジ31により共締め固定されている。遮煙・遮炎スクリーン装置全体で最も質量を占めるのが、遮煙・遮炎スクリーン3aを巻き取る巻き取りシャフト13及びそのシャフト軸14である。すなわち、この発明においては、遮煙・遮炎スクリーン装置全体で最も質量を占めるスクリーン3a、巻き取りシャフト13、及びそのシャフト軸14を支持する巻き取りシャフトの取付ブラケット12を、乗場三方枠2の縦枠2bの上端部でかつガイドレール2cの乗場側に締結固定して、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3の重量が乗場三方枠2の縦枠2bの側に直接掛かるように構成している。なお、図4は遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3のカバーを取外した状態を示している。遮煙・遮炎スクリーン3aを降下させた状態にすると、遮煙・遮炎スクリーン装置は取外し可能となり、故障した場合の保守ができる。図5は遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3を取外した状態を示している。なお、10は運搬用補強板、20は乗場の壁、21は乗場の戸である。
このように構成された遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置は、遮煙・遮炎スクリーン装置のケースを、乗場三方枠2の縦枠2bの上端部でかつガイドレール2cの乗場側に締結固定し、遮煙・遮炎スクリーン装置のケース3の重量が乗場三方枠2の縦枠2bの側に掛かるように構成しているので、トラック輸送時の振動などにより乗場三方枠の幕板への影響を軽減させることができ、意匠部品に対する品質を従来のものより向上させることができる。
したがって、この実施の形態1によれば、従来のように乗場三方枠の幕板部にスクリーン取付用補強がないため、乗場三方枠の幕板の歪みが無く意匠性が向上する。また、乗場三方枠の仕様(縦枠幅、幕板高さ等)の変化にも容易に対応ができるので、工作性が向上する。
この発明の実施の形態1におけるエレベータの乗場装置を示す正面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んだ輸送時の状態を示す要部拡大図である。 図3のB−B線に沿った断面図である。 遮煙・遮炎スクリーン装置を取外した状態を示す図4相当図である。 従来の遮煙・遮炎スクリーンが組み込まれたエレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んだ輸送時の状態を示す正面図である。 エレベータの乗場装置を輸送コンテナに組み込んでトラックに載せて輸送中の状態を示す図である。 図6の矢視C方向から見た乗場装置の側面図である。 図6の上方向から見た乗場装置の平面図である。 図6のD部を拡大して示す詳細図である。 乗場三方枠の幕板の高さが大きい場合の例を示す図10相当図である。 乗場三方枠の縦枠の幅が大きい場合の例を示す図10相当図である。
符号の説明
1 輸送コンテナ
1a 輸送用固定金具
2 乗場三方枠
2a 幕板
2b 縦枠
2c ガイドレール
3 遮煙・遮炎スクリーン装置のケース
3a 遮煙・遮炎スクリーン
3b スクリーン錘
4a 上枠
4b 下枠
4c 縦柱
4d 支持枠
4e 固定金具
4f 支持金具
5、7 L字状の取付金
6 取付補強
10 運搬用補強板
11 L字形の固定金具
12 巻き取りシャフトの取付ブラケット
13 巻き取りシャフト
14 シャフト軸
20 乗場の壁
21 乗場の戸
30、31 取付ネジ

Claims (2)

  1. 乗場三方枠の幕板の裏面に遮煙・遮炎スクリーン装置のケースを配置した遮煙・遮炎スクリーン組込型乗場装置において、
    前記遮煙・遮炎スクリーン装置のケースは、前記乗場三方枠の縦枠のスクリーン用ガイドレールの乗場側上端部近傍に垂直部が固着されて設置され、水平部が前記遮煙・遮炎スクリーン装置のケース下面を固定支持するL字形のスクリーンケース固定金具を介して固定されており、
    前記遮煙・遮炎スクリーン装置のケース内に設けられ、周囲に遮煙・遮炎スクリーンが巻かれた円筒状の巻き取りシャフトと、前記巻き取りシャフトを支持するために両端部に突設されたシャフト軸と、前記遮煙・遮炎スクリーン装置のケースに固定され、前記シャフト軸を軸支する巻き取りシャフトの取付ブラケットとを備え、
    前記遮煙・遮炎スクリーン、巻き取りシャフト、及びシャフト軸を支持する巻き取りシャフトの取付ブラケットを、前記乗場三方枠の縦枠の上端部でかつスクリーン用ガイドレールの乗場側に固定して、前記遮煙・遮炎スクリーン装置のケースの重量が乗場三方枠の縦枠に直接掛かるように構成したことを特徴とするエレベータの乗場装置。
  2. スクリーンケース固定金具を介して遮煙・遮炎スクリーン装置のケース下面及び巻き取りシャフトの取付ブラケットを共締め固定することを特徴とする請求項記載のエレベータの乗場装置。
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