JP3929370B2 - エレベーターの乗場装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災発生時に乗場を火災時閉塞機構によって遮蔽して煙が昇降路へ侵入しないように構成されエレベーターの乗場装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11及び図12は、従来のエレベーターの乗場装置を示す図で、図11は乗場の正面図、図12は図11のA−A線断面拡大図である。図において、1はエレベーターの昇降路、2は昇降路1に設けられた乗場、3は昇降路1の壁に設けられた乗場2の開口部である。
【0003】
4は三方枠で、開口部3に設置されて乗場2の出入口5の縁部を形成し、側枠6及び幕板と一体に製作された上枠7によって構成されている。8は乗場ドアー装置で、三方枠4の昇降路1側に設けられて乗場2出入口5を開閉する引き戸9及び三方枠4の上枠7に設けられて引き戸9を開閉する開閉機構10によって構成されている。
【0004】
11は火災時閉塞機構で、三方枠4の上方に設置されて乗場2の開口部3に配置され、回転軸線が水平方向に配置されて駆動機12によって駆動される巻き取り機構13、巻き取り機構13に巻掛けられて常時は上昇位置に保持され要時に下降して乗場2出入口5を閉塞する閉塞シート体14及び閉塞シート体14の下降側先端に設けられたおもり15によって構成されている。
【0005】
16は案内溝で、側枠6に長手が上下方向に凹設されて閉塞シート体14の間口方向の縁部が移動可能に嵌合され、閉塞シート体14の下降動作を案内する。17は三方枠4の上枠7の上端から上方へ延長されて設けられた内装壁からなる乗場2の建築壁、18は建築壁17に接続した形成された乗場2の天井、19は天井18に設けられた煙感知器からなる火災検出器である。
【0006】
従来のエレベーターの乗場装置は上記のように構成され、常時は火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が上昇位置に保持され、また乗場ドアー装置8の開閉機構10により引き戸9が駆動されて引き戸9によって乗場2の出入口5が開閉される。また、エレベーターが設置された建物に火災が発生して火災検出器19が動作すると、この動作を介して火災時閉塞機構11の巻き取り機構13の制動が解放される。そして、閉塞シート体14が主として自重により下降し乗場2の出入口5を閉塞して防災区画を形成し、昇降路1への煙、火炎の侵入を防ぐようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーターの乗場装置では、三方枠4に幕板と一体に製作された上枠7が設けられて、縦枠6の奥行き及び幕板の高さによって形成された空所に火災時閉塞機構11が配置される。このため、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに対応した縦枠6の奥行き及び幕板の高さが必要となる。したがって、縦枠6の奥行き及び幕板の高さに関連する三方枠4の形態が制約されるという問題点があった。
【0008】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、火災時閉塞機構の設置に関わる三方枠の形態の制約が少ないエレベーターの乗場装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーターの乗場装置においては、エレベーターの昇降路に設けられた乗場の開口部に設置されて乗場出入口の縁部を形成する三方枠と、この三方枠の昇降路側に設けられて乗場出入口を開閉する乗場ドアー装置と、三方枠の上方に設置されて乗場開口部に配置され、回転軸線が水平方向に配置された巻き取り機構及びこの巻き取り機構に巻掛けられて常時は上昇位置に保持され要時に回転軸より昇降路側に下降して乗場出入口を閉塞する閉塞シート体からなる火災時閉塞機構と、乗場開口部の上縁部から下垂されるとともに、その下部が火災時閉塞機構の下方で昇降路内方向に屈折されて三方枠上縁部に固定された囲い板とが設けられる。
【0010】
また、この発明に係るエレベーターの乗場装置においては、一側が囲い板の下縁部に締結され、他側が三方枠の上縁部に締結された囲い板取付金具が設けられる。
【0011】
また、この発明に係るエレベーターの乗場装置においては、乗場側に開口する囲い板点検孔を有する囲い板が設けられ、また囲い板点検孔の縁部に着脱自在に装着されて囲い板点検孔を閉塞する蓋板が設けられる。
【0012】
また、この発明に係るエレベーターの乗場装置においては、蓋板によって囲い板点検孔が閉塞されたときに動作する閉塞検出器と、この閉塞検出器の不動作時に火災時閉塞機構の下降動作を阻止する制御装置とが設けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は乗場の正面図、図2は図1のB−B線断面拡大図である。図において、1はエレベーターの昇降路、2は昇降路1に設けられた乗場、3は昇降路1の壁に設けられた乗場2の開口部である。
【0014】
4は三方枠で、側枠6及び上枠20によって構成されて開口部3に設置され乗場2の出入口5の縁部を形成する。8は乗場ドアー装置で、三方枠4の昇降路1側に設けられて乗場2出入口5を開閉する引き戸9及び三方枠4の上枠20に設けられて引き戸9を開閉する開閉機構10によって構成されている。
【0015】
11は火災時閉塞機構で、三方枠4の上方に設置されて乗場2の開口部3に配置され、回転軸線が水平方向に配置されて駆動機12によって駆動される巻き取り機構13、巻き取り機構13に巻掛けられて常時は上昇位置に保持され、要時に下降して乗場2出入口5を閉塞する閉塞シート体14及び閉塞シート体14の下降側先端に設けられたおもり15によって構成されている。
【0016】
16は案内溝で、側枠6に長手が上下方向に凹設されて閉塞シート体14の間口方向の縁部が移動可能に嵌合され、閉塞シート体14の下降動作を案内する。21は乗場2の内装壁からなる建築壁で、三方枠4の上枠20の上端から上方へ延長されて設けられて後述する囲い板の前側に設けられる。18は建築壁21に接続した形成された乗場2の天井、19は天井18に設けられた煙感知器からなる火災検出器である。
【0017】
22は囲い板で、上縁部が乗場2開口部3の上縁部に重合されてアンカーボルト及びこのアンカーボルトにねじ込まれたナットからなる締結具23によって締結されて下垂し、下側が昇降路1内方向に屈折されて再度下方に屈折され下端部が三方枠4の上枠20の前面に重合されてボルト及びこのボルトにねじ込まれたナットからなる締結具24によって締結されている。そして、囲い板22は乗場2開口部3の上縁部及び三方枠4上縁部の間を塞ぐように装備されて、火災時閉塞機構11の乗場2側における前面に対応した位置に配置される。
【0018】
上記のように構成されたエレベーターの乗場装置において、常時は火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が上昇位置に保持され、また乗場ドアー装置8の開閉機構10により引き戸9が駆動され引き戸9によって乗場2の出入口5が開閉される。また、エレベーターが設置された建物に火災が発生して火災検出器19が動作すると、この動作を介して火災時閉塞機構11の巻き取り機構13の制動が解放される。そして、閉塞シート体14が主として自重により下降し乗場2の出入口5を閉塞して防災区画を形成し、昇降路1への煙、火炎の侵入を防ぐ。
【0019】
また、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場2開口部3の上縁部及び三方枠4上縁部の間を塞ぐ囲い板22が設けられる。そして、囲い板22の前面に乗場2の内装壁からなる建築壁21が形成される。このため、三方枠4の上枠20を前述の幕板を有する形態のものとする必要がなく、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに関わりなく三方枠4を適宜な構造、寸法に設計することができる。
【0020】
したがって、火災時閉塞機構11の設置に対する三方枠4の形態の制約が少なくなり、三方枠4設計の自由度を向上することができる。また、乗場2開口部3の壁の厚さの差異に対して三方枠4の形態を容易に対応することができ、エレベーターの乗場装置の設計を容易化することができる。さらに、三方枠4の上枠20等の奥行きを短く設計することも容易に可能であって、三方枠4の製作費を低減することができる。
【0021】
実施の形態2.
図3〜図5は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図3は前述の図2相当図、図4は図3の囲い板の斜視図、図5は図3の囲い板取付金具の斜視図である。図において、図1及び図2と同符号は相当部分を示し、25は囲い板で、上縁部が乗場2開口部3の上縁部に重合されてアンカーボルト及びこのアンカーボルトにねじ込まれたナットからなる上側締結具23によって締結されて下垂し、下側が昇降路1内方向に屈折された屈折部26が形成される。
【0022】
27は上縁部長穴で、囲い板25の上縁部に設けられて長手が上下方向に配置され、囲い板25幅方向に互いに離れて配置されて締結具23が挿通される。28は屈折部長穴で、囲い板25の屈折部26に設けられて長手が屈折部26の奥行き方向に配置され、囲い板25幅方向に互いに離れて配置される。
【0023】
29は囲い板取付金具で、横断面L字状をなしL字の一辺30に屈折部長穴28に対応した取付孔31が設けられて囲い板25の屈折部26に重合して配置され、またL字の他辺32に水平方向に長い溝穴33が設けられて三方枠4の上枠20の前面に重合して配置されている。
【0024】
34は下側締結具で、囲い板25の屈折部長穴28及び囲い板取付金具29の取付孔31に挿通されたボルトとこのボルトの挿通端にねじ込まれたナットによって構成されている。35は取付金具締結具で、三方枠4の上枠20前面及び囲い板取付金具29の溝穴33に挿通されたボルトとこのボルトの挿通端にねじ込まれたナットによって構成されている。
【0025】
上記のように構成されたエレベーターの乗場装置においても、常時は火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が上昇位置に保持され、また乗場ドアー装置8の開閉機構10により引き戸9が駆動され引き戸9によって乗場2の出入口5が開閉される。また、エレベーターが設置された建物に火災が発生して火災検出器19が動作すると、この動作を介して火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が下降して乗場2の出入口5を閉塞して防災区画を形成し、昇降路1への煙、火炎の侵入を防ぐ。
【0026】
また、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場2開口部3の上縁部及び三方枠4上縁部の間を塞ぐ囲い板25が設けられ、囲い板25の前面に乗場2の内装壁からなる建築壁21が形成される。したがって、詳細な説明を省略するが図3〜図5の実施の形態においても図1及び図2の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0027】
また、囲い板25及び囲い板取付金具29が上縁部長穴27、溝穴33等を介して締結具23、取付金具締結具34等によって、囲い板25及び囲い板取付金具29の両者が相互に締結され、また上記両者が乗場2開口部3の所定位置に据付けられる。このため、上記両者の据付作業性が向上して据付費を節減することができる。
【0028】
実施の形態3.
図6〜図8も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図6は乗場の正面図、図7は図6のC−C線断面拡大図、図8は図6の点検孔箇所の拡大図である。図において、図1及び図2と同符号は相当部分を示し、36は建築壁点検孔で、建築壁21に設けられて三方枠4上方の火災時閉塞機構11対応位置に配置されている。
【0029】
37は囲い板点検孔で、建築壁点検孔36の開口面積よりも狭い開口面積に形成され、囲い板22に設けられて建築壁点検孔36の中心対応位置に配置されている。38は蓋板で、囲い板点検孔37を乗場2側から覆って配置され、縁部が囲い板点検孔37の縁部に重合して配置されている。39は取付ねじで、蓋板38の縁部に挿通されて囲い板点検孔37の縁部にねじ込まれて、蓋板38を囲い板点検孔37縁部に着脱自在に締結する。
【0030】
上記のように構成されたエレベーターの乗場装置においても、常時は火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が上昇位置に保持され、また乗場ドアー装置8の開閉機構10により引き戸9が駆動され引き戸9によって乗場2の出入口5が開閉される。また、エレベーターが設置された建物に火災が発生して火災検出器19が動作すると、この動作を介して火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が下降して乗場2の出入口5を閉塞して防災区画を形成し、昇降路1への煙、火炎の侵入を防ぐ。
【0031】
また、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場2開口部3の上縁部及び三方枠4上縁部の間を塞ぐ囲い板22が設けられて、囲い板22の前面に乗場2の内装壁からなる建築壁21が形成される。したがって、詳細な説明を省略するが図6〜図8の実施の形態においても図1及び図2の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0032】
また、建築壁21の三方枠4上方の火災時閉塞機構11対応位置に、建築壁点検孔36、囲い板点検孔37及び囲い板点検孔37を覆って配置されて着脱自在に締結された蓋板38が設けられる。このため、囲い板点検孔37を介して乗場2側からの作業によって火災時閉塞機構11の保守作業を行うことができ、保守作業を容易化し、また能率化することができる。
【0033】
実施の形態4.
図9及び図10も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図で、図9は前述の図8の縦断側面図に相当する図、図10は図9の制御装置の動作を説明するフローチャートである。なお、図9及び図10の他は前述の図6〜図8と同様にエレベーターの乗場装置が構成される。図において、図6〜図8と同符号は相当部分を示す。
【0034】
40は閉塞検出器で、囲い板点検孔37の縁部に設けられて囲い板点検孔37の縁部に締結された蓋板38に押圧されて動作する。41は閉塞検出器40に接続されたエレベーターの制御装置である。
【0035】
上記のように構成されたエレベーターの乗場装置においても、常時は火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が上昇位置に保持され、また乗場ドアー装置8の開閉機構10により引き戸9が駆動され引き戸9によって乗場2の出入口5が開閉される。また、エレベーターが設置された建物に火災が発生して火災検出器19が動作すると、この動作を介して火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が下降して乗場2の出入口5を閉塞して防災区画を形成し、昇降路1への煙、火炎の侵入を防ぐ。
【0036】
また、火災時閉塞機構11設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場2開口部3の上縁部及び三方枠4上縁部の間を塞ぐ囲い板22が設けられて、囲い板22の前面に乗場2の内装壁からなる建築壁21が形成される。また、建築壁21の火災時閉塞機構11対応位置に、建築壁点検孔36、囲い板点検孔37及び蓋板38が設けられる。したがって、詳細な説明を省略するが図9及び図10の実施の形態においても図6〜図8の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0037】
また、囲い板点検孔37を閉塞した蓋板38に押圧されて動作する閉塞検出器40に接続された制御装置41によって次に述べる制御が行われる。すなわち、図10に示すフローチャートのステップ101において、囲い板点検孔37が蓋板38により閉塞されていて閉塞検出器40が動作していればステップ102へ進む。
【0038】
そしてステップ102において、火災時閉塞機構11及びエレベーターが制御装置41によって通常時管制される。また、ステップ101において、乗場2が保守作業中であり囲い板点検孔37が開放されていて、閉塞検出器40が動作していなければステップ103へ進む。
【0039】
これによりステップ103において、保守作業中の乗場2に設けられた火災時閉塞機構11の閉塞シート体14の下降動作が阻止され、また保守作業中の乗場2へのエレベーターのかごの停止が阻止される。次いでステップ104へ進んで、火災検出器19が動作しなければステップ103へ戻り、火災検出器19が動作すればステップ105へ進み、蓋板38による囲い板点検孔37の閉塞が表示される。
【0040】
次にステップ101へ戻って、閉塞検出器40が動作していればステップ102へ進み、火災検出器19の動作を介して火災時閉塞機構11の閉塞シート体14が下降動作する。これによって、乗場2の出入口5が閉塞されて防災区画を形成し昇降路1への煙、火炎の侵入が防止される。
なお、図10において図示が省略してあるが、火災発生時においては火災検出器19の動作を介してエレベーターかごの運行が火災時制御される。
【0041】
このような制御装置41の機能によって、エレベーターを通常運転したまま乗場2から火災時閉塞機構11の保守作業を行うことができる。したがって、火災時閉塞機構11の保守作業に起因するエレベーターの運転効率低下を少なくすることができる。
【0042】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、エレベーターの昇降路に設けられた乗場の開口部に設置されて乗場出入口の縁部を形成する三方枠と、この三方枠の昇降路側に設けられて乗場出入口を開閉する乗場ドアー装置と、三方枠の上方に設置されて乗場開口部に配置され、回転軸線が水平方向に配置された巻き取り機構及びこの巻き取り機構に巻掛けられて常時は上昇位置に保持され要時に回転軸より昇降路側に下降して乗場出入口を閉塞する閉塞シート体からなる火災時閉塞機構と、乗場開口部の上縁部から下垂されるとともに、その下部が火災時閉塞機構の下方で昇降路内方向に屈折されて三方枠上縁部に固定された囲い板とを設けたものである。
【0043】
このような構成により、火災時閉塞機構設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場開口部の上縁部及び三方枠上縁部の間を塞ぐ囲い板が設けられ、また囲い板の前面に乗場の内装壁からなる建築壁が形成される。このため、三方枠の上枠を幕板を有する形態のものとする必要がなく、火災時閉塞機構設置の所要スペースに関わりなく三方枠を適宜な構造、寸法に設計することができる。したがって、火災時閉塞機構の設置に関わる三方枠の形態の制約が少なくなり、三方枠設計の自由度を向上する効果がある。また、乗場開口部の壁の厚さの差異に対するエレベーターの乗場装置設計の対応を容易化する効果がある。
【0044】
また、この発明は以上説明したように、一側が囲い板の下縁部に締結され、他側が三方枠の上縁部に締結された囲い板取付金具を設けたものである。
【0045】
このような構成により、火災時閉塞機構設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場開口部の上縁部及び三方枠上縁部の間を塞ぎ、下縁部が囲い板取付金具を介して三方枠の上縁部に締結された囲い板が設けられる。また、囲い板の前面に乗場の内装壁からなる建築壁が形成される。このため、三方枠の上枠を幕板を有する形態のものとする必要がなく、火災時閉塞機構設置の所要スペースに関わりなく適宜な構造、寸法に設計することができる。したがって、火災時閉塞機構の設置に関わる三方枠の形態の制約が少なくなり、三方枠設計の自由度を向上する効果がある。また、乗場開口部の壁の厚さの差異に対するエレベーターの乗場装置設計の対応を容易化する効果がある。
また、囲い板の下縁部に囲い板取付金具が締結されてこの囲い板取付金具を介して三方枠の上縁部に締結される。そして、これらの締結部に長穴を配置することによって乗場開口部の縁部等に対する囲い板の締結位置を容易に調整することができる。これにより、囲い板を簡易な作業によって所定位置に据付けることができ、据付作業性が向上して据付費を節減する効果がある。
【0046】
また、この発明は以上説明したように、乗場側に開口する囲い板点検孔を有する囲い板を設け、また囲い板点検孔の縁部に着脱自在に装着されて囲い板点検孔を閉塞する蓋板を設けたものである。
【0047】
このような構成により、火災時閉塞機構設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場開口部の上縁部及び三方枠上縁部の間を塞ぎ、乗場側に開口した囲い板点検孔を有する囲い板が設けられる。また、囲い板点検孔を着脱自在に閉塞する蓋板が設けられ、また囲い板の前面に乗場の内装壁からなる建築壁が形成される。このため、三方枠の上枠を幕板を有する形態のものとする必要がなく、火災時閉塞機構設置の所要スペースに関わりなく適宜な構造、寸法に設計することができる。したがって、火災時閉塞機構の設置に関わる三方枠の形態の制約が少なくなり三方枠設計の自由度を向上する効果がある。また、乗場開口部の壁の厚さの差異に対するエレベーターの乗場装置設計の対応を容易化する効果がある。
また、囲い板に乗場側に開口した囲い板点検孔を設け、囲い板点検孔を着脱自在に閉塞する蓋板が設けられる。このため、囲い板点検孔を介して乗場側からの作業によって火災時閉塞機構の保守作業を行うことができ、保守作業を容易化し、また能率化する効果がある。
【0048】
また、この発明は以上説明したように、蓋板によって囲い板点検孔が閉塞されたときに動作する閉塞検出器と、この閉塞検出器の不動作時に火災時閉塞機構の下降動作を阻止する制御装置とを設けたものである。
【0049】
このような構成により、火災時閉塞機構設置の所要スペースに対応して構成されて、乗場開口部の上縁部及び三方枠上縁部の間を塞ぎ、乗場側に開口した囲い板点検孔を有する囲い板が設けられる。また、囲い板点検孔を着脱自在に閉塞する蓋板が設けられ、また囲い板の前面に乗場の内装壁からなる建築壁が形成される。このため、三方枠の上枠を幕板を有する形態のものとする必要がなく、火災時閉塞機構設置の所要スペースに関わりなく適宜な構造、寸法に設計することができる。したがって、火災時閉塞機構の設置に関わる三方枠の形態の制約が少なくなり三方枠設計の自由度を向上する効果がある。また、乗場開口部の壁の厚さの差異に対するエレベーターの乗場装置設計の対応を容易化する効果がある。
また、囲い板に乗場側に開口した囲い板点検孔を設け、囲い板点検孔を着脱自在に閉塞する蓋板が設けられる。このため、囲い板点検孔を介して乗場側からの作業によって火災時閉塞機構の保守作業を行うことができ、保守作業を容易化し、また能率化する効果がある。
さらに、蓋板によって囲い板点検孔が閉塞されたときに動作する閉塞検出器と、この閉塞検出器の不動作時に火災時閉塞機構の下降動作を阻止する制御装置とが設けられる。これによって、制御装置の機能によって、エレベーターを通常運転したまま乗場から火災時閉塞機構の保守作業を行うことができ、保守作業能率を向上する効果がある。また、火災時閉塞機構の保守作業に起因するエレベーターの運転効率低下を少なくする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、乗場の正面図。
【図2】 図1のB−B線断面拡大図。
【図3】 この発明の実施の形態2を示す図で、前述の図2相当図。
【図4】 図3の囲い板の斜視図。
【図5】 図3の囲い板取付金具の斜視図。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す図で、乗場の正面図。
【図7】 図6のC−C線断面拡大図。
【図8】 図6の点検孔箇所の拡大図。
【図9】 この発明の実施の形態4を示す図で、前述の図8の縦断側面図に相当する図。
【図10】 図9の制御装置の動作を説明するフローチャート。
【図11】 従来のエレベーターの乗場装置を示す図で、乗場の正面図。
【図12】 図11のA−A線断面拡大図。
【符号の説明】
1 昇降路、2 乗場、3 開口部、4 三方枠、5 出入口、8 乗場ドアー装置、11 火災時閉塞機構、13 巻き取り機構、14 閉塞シート体、22 囲い板、29 囲い板取付金具、37 囲い板点検孔、38 蓋板、40閉塞検出器、41 制御装置。
Claims (4)
- エレベーターの昇降路に設けられた乗場の開口部に設置されて上記乗場出入口の縁部を形成する三方枠と、
この三方枠の上記昇降路側に設けられて上記乗場出入口を開閉する乗場ドアー装置と、
上記三方枠の上方に設置されて上記乗場開口部に配置され、回転軸線が水平方向に配置された巻き取り機構及びこの巻き取り機構に巻掛けられて常時は上昇位置に保持され要時に上記回転軸より上記昇降路側に下降して上記乗場出入口を閉塞する閉塞シート体からなる火災時閉塞機構と、
上記乗場開口部の上縁部から下垂されるとともに、その下部が上記火災時閉塞機構の下方で上記昇降路内方向に屈折されて上記三方枠上縁部に固定された囲い板と
を備えたエレベーターの乗場装置。 - 一側が囲い板の下縁部に締結され、他側が三方枠の上縁部に締結された囲い板取付金具を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベーターの乗場装置。
- 囲い板を、乗場側に開口する囲い板点検孔を有するものとし、また上記囲い板点検孔の縁部に着脱自在に装着されて上記囲い板点検孔を閉塞する蓋板を備えたことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載のエレベーターの乗場装置。
- 蓋板によって囲い板点検孔が閉塞されたときに動作する閉塞検出器と、
上記閉塞検出器の不動作時に火災時閉塞機構の下降動作を阻止する制御装置と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載のエレベーターの乗場装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002206666A JP3929370B2 (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | エレベーターの乗場装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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