JP4445333B2

JP4445333B2 - エレベーターのドアー装置

Info

Publication number: JP4445333B2
Application number: JP2004166864A
Authority: JP
Inventors: 重信川上; 良昇中道; 辰徳海住
Original assignee: Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd
Priority date: 2004-06-04
Filing date: 2004-06-04
Publication date: 2010-04-07
Anticipated expiration: 2024-06-04
Also published as: JP2005343658A

Description

この発明は、出入口の幅方向に沿って動作して出入口を開閉する引き戸が設けられたエレベーターのドアー装置に関する。

従来のエレベーターのドアー装置においては、建物に火災が発生したときにエレベーターの昇降路に設けられた出入口から火煙が昇降路に進入することを防ぐために、出入口をシート状の密閉部材によって覆う構成が提案されている。（例えば、特許文献１参照）

特開２００３−３４４８２号公報（要約、図１）

従来のエレベーターのドアー装置では、通常時にシート状の密閉部材を巻き取って収納し、火災発生時に伸展する構造物を設ける必要がある。このため、密閉部材の構造物を設置するために大きいスペースを得ることが容易でなく、また密閉部材の構造物のために美観が損なわれるという問題点があった。また、既設エレベーターの出入口に密閉部材の構造物を追加する改修工事を行うことは、設置スペース及び改修工期の制約から実現困難である。

この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、簡易な構成であって火災発生時に出入口と引き戸との間からの火煙の進入を防ぐことができるエレベーターのドアー装置を得ることを目的とする。

この発明に係るエレベーターのドアー装置においては、エレベーターに設けられた出入口の幅方向に開閉動作して、全閉位置において縁部が出入口の上縁部、側縁部と空隙を形成して対面する引き戸と、全閉した引き戸の上縁部、側縁部に対面する出入口の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられた出入口縁部電磁石と、引き戸の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられて引き戸の全閉時において、出入口縁部電磁石と対面する引き戸縁部電磁石と、エレベーターが設置された建物の火災報知装置の動作によって作動し、戸開中の引き戸は戸閉させて引き戸の全閉を介して出入口縁部電磁石及び引き戸縁部電磁石の両者に、互いに吸引する方向の電流を流す指令を発するドアー制御装置とが設けられる。

この発明によるエレベーターのドアー装置は、エレベーターが設置された建物に火災が発生したときに全閉した引き戸における出入口縁部電磁石及び引き戸縁部電磁石が互いに吸着して出入口縁部と引き戸の間の空隙が閉塞される。これによって、出入口からの火煙の進入防止作用を簡易な装置構成によって得ることができる。

したがって、火災時の火煙進入防止のための構造物のために大きいスペースを得ることが容易でなかったり、密閉部材の構造物のために美観が損なわれたりすることによる火災時の火煙進入防止構造の設置制約を解消する効果がある。また、既設エレベーターの出入口に火災時の火煙進入防止構造を追加する改修工事において、設置スペースに起因する制約がなく、また短い改修工期によって容易に実施することができて改修工事を容易化する効果がある。

実施の形態１．
図１〜図７は、この発明の実施の形態を示す図で、図１はエレベーターの出入口を概念的に示す正面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は図２において電磁石が相互に吸引した状態を示す図、図４は図１のＢ−Ｂ線断面を拡大して示す図、図５は図４において電磁石が相互に吸引した状態を示す図、図６は図１のＣ−Ｃ線断面を拡大して示す図、図７は図１のエレベーターにおける電気的機器の接続を概念的に示す図である。

図において、出入口１が上縁部２を形成する上枠、両側の側縁部３を形成する側枠、下縁部を形成する敷居４によって構成される。そして、上枠の上側にハンガーケース５が設けられて内部に戸のレール６が長手を水平にして装着され、また上面に開口した案内溝７が敷居４に設けられて敷居４の長手に沿って配置される。そして、出入口１の幅方向に沿って互いに反対方向に開閉動作する引き戸８が設けられる。

なお、引き戸８は、全閉位置において縁部が出入口１の上縁部２、側縁部３に対して図２に示す空隙Ｄを形成して対面し、また引き戸８の上端に、戸のレール６に掛合した滑車を有する戸の吊り手９が設けられる。そして、戸のレール６の横断面における幅方向において、戸のレール６と戸の吊り手９の滑車との間に遊隙が形成される。また、引き戸８の下端に引き戸８幅に対応した長さの遮蔽板１０が設けられて敷居４の案内溝７に摺動自在に嵌合される。

そして、全閉した引き戸８の縁部に対面する出入口１の上縁部２、側縁部３にそれぞれ出入口縁部電磁石１１が設けられる。また、引き戸８の縁部に引き戸縁部電磁石１２が設けられて引き戸８の全閉時において、出入口縁部電磁石１１と対面する位置に配置される。また、出入口１が設けられたエレベーターのドアー制御装置１３にＩ／Ｏポート１４が設けられて、Ｉ／Ｏポート１４にコンピュータ１５が接続される。

また、コンピュータ１５はＲＡＭ１６、ＣＰＵ１７、ＲＯＭ１８によって構成される。そして、出入口１を有するエレベーターが設置された建物（図示しない）の火災報知装置１９がドアー制御装置１３に接続される。そして、引き戸８のドアー開閉装置がドアー制御装置１３に接続され、また出入口縁部電磁石１１及び引き戸縁部電磁石１２がドアー制御装置１３に接続される。また、引き戸８が全閉したときに動作する全閉検出器２０がドアー制御装置１３に接続される。

上記のように構成されたエレベーターのドアー装置において、通常時には出入口縁部電磁石１１及び引き戸縁部電磁石１２が消勢されている。これにより、出入口１の上縁部２、側縁部３と、これら縁部に対向する引き戸８の縁部との間には、図２、図４に示すように空隙Ｄが形成されている。

そして、建物に火災が発生して火災報知装置１９が動作し、引き戸８の全閉が検出されるとドアー制御装置１３によって出入口縁部電磁石１１及び引き戸縁部電磁石１２の両者に、互いに吸引する方向の電流を流す指令が発せられる。
なお、戸開中又は開閉動作中の引き戸８については戸閉動作させて全閉させる。

これによって、上記両者が相互に吸着して空隙Ｄが閉塞されて図３、図５に示す状態となる。なお、このときには戸のレール６と、戸の吊り手９の滑車との間に遊隙が縮小する。また、上記両者が相互に吸着したときに引き戸８の遮蔽板１０が、敷居４の案内溝７の側縁部３寄りに変位して、対向した案内溝７の側壁との間隔が縮小して図６に示す状態となる。

以上説明した構成によって、エレベーターが設置された建物に火災が発生したときに出入口１、引き戸８がエレベーターの昇降路に設けられた乗場に設置されている場合には、出入口１から火煙が昇降路に進入することを防ぐことができる。また、出入口１、引き戸８がエレベーターのかごに設置されている場合には、出入口１から火煙がかごに進入することを防ぐことができる。そして、このような火災時の火煙の進入防止作用を簡易な装置構成によって得ることができる。

したがって、火災時の火煙進入防止のための構造物のために大きいスペースを得ることが容易でなかったり、密閉部材の構造物のために美観が損なわれたりすることによる火災時の火煙進入防止装置の設置制約を解消することができる。また、既設エレベーターの出入口に火災時の火煙進入防止装置を追加する改修工事においても、設置スペースに起因する制約がなく、また短い改修工期によって容易に実施することができる。

なお、エレベーターの制御装置から戸開指令が発せられたときに、ドアー制御装置１３の機能によって出入口縁部電磁石１１及び引き戸縁部電磁石１２の両者に、互いに反発する方向の電流を流す指令を発する。次いで、ドアー開閉装置が付勢されて引き戸８が戸開動作する。このように上記両者、ドアー開閉装置を制御することによって、引き戸８の戸開時に上記両者が容易に離れて、ドアー開閉装置の少ない戸開力によって円滑に引き戸８を戸開させることができる。

また、図１〜図７の実施の形態において、建物の火災発生時に引き戸８が全閉していない場合に引き戸８を戸閉動作させる。そして、引き戸８の全閉を検出する全閉検出器２０の動作により、ドアー制御装置１３によって出入口縁部電磁石１１及び引き戸縁部電磁石１２の両者に、互いに吸引する方向の電流を流す指令を発するように構成する。このように構成されたエレベーターのドアー装置においても、建物の火災発生時に上記両者が相互に吸着して空隙Ｄが閉塞されて図３、図５に示す状態となる。したがって、詳細な説明を省略するが図１〜図７の実施の形態と同様な作用が得られる。

実施の形態２．
図８〜図１０は、この発明の他の実施の形態を示す図で、図８は前述の図２相当図、図９は図８のエレベーターのドアー装置に対応した前述の図４相当図、図１０は図８のエレベーターのドアー装置に対応した前述の図６相当図である。なお、図８のエレベーターのドアー装置の正面は前述の図１と同様に構成される。図において、前述の図１〜図６と同符号は相当部分を示す。

そして、全閉した引き戸８の縁部に対面する出入口１の上縁部２、側縁部３にそれぞれ出入口縁部磁石２１が設けられる。また、出入口縁部磁石２１は例えばゴム磁石からなり上縁部２、側縁部３における出入口１の中心寄り位置から出入口１幅方向の端部に向かって後退する傾斜面２２が形成されている。そして、引き戸８の縁部に引き戸縁部磁石２３が設けられて引き戸８の全閉時において、出入口縁部磁石２１と対面する位置に配置される。

なお、引き戸縁部磁石２３は例えばゴム磁石からなり上縁部２、側縁部３における出入口１の中心寄り位置から出入口１幅方向の端部に向かって前進する傾斜面２４が形成されている。また、引き戸８は、全閉前位置において縁部が出入口１の上縁部２、側縁部３に対して図８、図９に示す空隙Ｅを形成して対面するように配置される。そして、図８、図９に示す矢印Ｆ方向に引き戸８が移動して出入口１を全閉する。

上記のように構成されたエレベーターのドアー装置において、引き戸８が戸閉動作して出入口１を全閉したときに出入口縁部磁石２１の傾斜面２２と、この出入口縁部磁石２１の傾斜面２２に対向した引き戸縁部磁石２３の傾斜面２４とが相互に吸着する。これによって、互いに対向した出入口縁部磁石２１と引き戸縁部磁石２３との相互間の隙間が閉塞されて、出入口１から火煙が進入することを防ぐことができる。

このような構成によって、エレベーターが設置された建物に火災が発生したときに、簡易な装置構成によって火災時の火煙の進入防止作用を得ることができる。したがって、詳細な説明を省略するが図８〜図１０の実施の形態においても図１〜図７の実施の形態とほぼ同様な作用を得ることができる。

この発明の実施の形態１を示す図で、エレベーターの出入口を概念的に示す正面図。図１のＡ−Ａ線断面図。図２において電磁石が相互に吸引した状態を示す図。図１のＢ−Ｂ線断面を拡大して示す図。図４において電磁石が相互に吸引した状態を示す図。図１のＣ−Ｃ線断面を拡大して示す図。図１のエレベーターにおける電気的機器の接続を概念的に示す図。この発明の実施の形態２を示す図で、前述の図２相当図。図８のエレベーターのドアー装置に対応した前述の図４相当図。図８のエレベーターのドアー装置に対応した前述の図６相当図。

符号の説明

１出入口、２上縁部（縁部）、３側縁部（縁部）、８引き戸、１１出入口縁部電磁石、１２引き戸縁部電磁石、１３ドアー制御装置、１９火災報知装置、２０全閉検出器、２１出入口縁部磁石、２２傾斜面、２３引き戸縁部磁石、２４傾斜面。

Claims

エレベーターに設けられた出入口の幅方向に開閉動作し、全閉位置において縁部が上記出入口の上縁部、側縁部と空隙を形成して対面する引き戸と、全閉した上記引き戸の上縁部、側縁部に対面する上記出入口の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられた出入口縁部電磁石と、上記引き戸の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられて上記引き戸の全閉時において上記出入口縁部電磁石と対面する引き戸縁部電磁石と、上記エレベーターが設置された建物の火災報知装置の動作によって作動し、戸開中の上記引き戸は戸閉させて上記引き戸の全閉を介して上記出入口縁部電磁石及び引き戸縁部電磁石の両者に、互いに吸引する方向の電流を流す指令を発するドアー制御装置とを備えたエレベーターのドアー装置。
エレベーターに設けられた出入口の幅方向に開閉動作し、全閉位置において縁部が上記出入口の上縁部、側縁部と空隙を形成して対面する引き戸と、全閉した上記引き戸の上縁部、側縁部に対面する上記出入口の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられた出入口縁部電磁石と、上記引き戸の上縁部、側縁部にそれぞれ設けられて上記引き戸の全閉時において上記出入口縁部電磁石と対面する引き戸縁部電磁石と、上記エレベーターの乗場に設けられて上記引き戸の全閉を検出する全閉検出器の動作によって作動し、戸開中の上記引き戸は戸閉させて上記引き戸の全閉を介して上記出入口縁部電磁石及び引き戸縁部電磁石の両者に、互いに吸引する方向の電流を流す指令を発するドアー制御装置とを備えたエレベーターのドアー装置。