JP2001276244A - 防火防煙シャッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さ寸法が小さく、室内高さを充分確保でき
て、見栄えが良好で、加えて後付け設置及び施工も容易
な防火防煙シャッターを提供する。 【解決手段】 天井等２にこれから耐火シート３を垂下
しその先端部を着床可能に配設し、火災等の必要時に耐
火シート３を垂下させその先端部を着床させて、建築構
造物等の内部空間を遮蔽してなり、耐火シート３を収納
できるシャッターケース４を有し、このシャッターケー
ス４内に直径が２０mm±５mmの範囲にある２本の軸５、
６を所定間隔を有して回転自在に設け、軸５、６にエン
ドレスベルト７を掛け、このエンドレスベルト７に耐火
シート３を固定してなり、エンドレスベルト３を一方に
回転させて軸５、６に耐火シート３を巻き取りシャッタ
ーケース４内に収納し、エンドレスベルト７を逆回転さ
せて軸５、６から耐火シート３を巻き出してシャッター
ケース４内から垂下させることで、シャッターケース７
の厚さ寸法を小さくできて、その偏平性を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井や梁下に設置
した耐火シートに重りを取り付け、火災等の必要時に重
りにより耐火シートを垂下させ着床させて、建築構造物
等の内部空間を遮蔽し、火災の延焼や煙の拡散を防止す
る防火防煙シャッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】建築構造物等の内部で、火災時の煙や火
炎が拡散するのを防止する手段として、ガラスクロス等
の耐火シートを使用した防火防煙シャッターが知られて
いる。この防火防煙シャッター５０の基本構造は、図７
に示すように、天井や梁下に耐火シート５１の収納場所
としてのシャッターケース５２を設置し、このシャッタ
ーケース５２内に、耐火シート５１を巻き取り巻き出す
ロール５３を回転可能に設け、耐火シート５１の先端部
に重りとしての座板５４を取り付けて、その耐火シート
５１を垂下させその先端部を着床可能にしたものであ
る。この防火防煙シャッター５０により、火災等の必要
時、例えば、煙や所定温度以上の室温を検知したりある
いは手動により、ストッパーを解除しシャッターケース
５２から耐火シート５１を座板５４の重さにより垂下さ
せその先端部を着床させて、建築構造物等の内部空間を
遮蔽するものである。そして、座板５４は、耐火シート
５１を垂下させその先端部を着床させる機能は無論のこ
と、火災時に発生する風圧により耐火シート５１がまく
れ上がらないようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した防火防煙シャ
ッター５０は、シャッターケース５２内にロール５３上
に巻き取った耐火シート５１を収納するから、巻き取り
後の直径が大きくなり、それの収納を可能にする厚さ寸
法Ｌを必要とする。しかしながら、天井や梁下にこの様
な厚さ寸法Ｌを必要とする防火防煙シャッター５０の設
置空間を確保することは、配管、ダクト、配線等により
困難であることが多い。加えて、天井や梁下に後付けで
防火防煙シャッター５０を設置する場合、その厚さ寸法
Ｌ分だけ天井や梁下から突出することになり、室内高さ
が低くなるばかりか見栄えも悪くなる。

【０００４】最近、既存のビルにおける各階のエレベー
タードア前に、防火防煙シャッター５０を設置する機運
が高まっている。即ち、この機運の高まりは、法的規制
が根底にあるものの、エレベーター設備のあるビルの火
災の際、同一階で防火防煙シャッター５０を設置して防
火防煙対策をしても、火災源側にエレベーターがある
と、火炎はエレベーター扉により防げるが煙は止められ
ず、エレベーターシャフトが煙突の役割をして、煙が上
の階にたやすく拡散してしまうからである。このような
場合には、防火防煙シャッター５０を後付けによる他は
なく、従って、従来タイプの防火防煙シャッター５０で
は設置できなかったり、辛うじて設置はできても見栄え
が極端に悪化する等の不都合が生じていた。

【０００５】従って、本発明の目的は、厚さ寸法が小さ
くして、室内高さを充分確保できて、見栄えが良好であ
り、加えて後付け設置及びその施工も容易な防火防煙シ
ャッターを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、耐火シートを収納で
きるシャッターケース内に２本の軸を所定間隔を有して
回転自在に設け、２本の軸間にエンドレスベルトを掛
け、このエンドレスベルトに耐火シートを固定して、エ
ンドレスベルトを正逆回転させれば、偏平なシャッター
ケース内に耐火シートを収納でき且つ垂下させ得、その
偏平性を保持できることを見出し、本発明を完成するに
至った。

【０００７】すなわち、請求項１の発明は、天井や梁下
にこれから耐火シートを垂下しその先端部を着床可能に
配設し、火災等の必要時に耐火シートを垂下させその先
端部を着床させて、建築構造物等の内部空間を遮蔽して
なる防火防煙シャッターにおいて、前記耐火シートを収
納できるシャッターケースを有し、該シャッターケース
内に２本の軸を所定間隔を有して回転自在に設け、該２
本の軸間にエンドレスベルトを掛け、該エンドレスベル
トに耐火シートを固定してなり、前記エンドレスベルト
を回転させて前記２本の軸間に耐火シートを巻き取り前
記シャッターケース内に収納し、前記エンドレスベルト
を逆回転させて前記２本の軸間から耐火シートを巻き出
して前記シャッターケース内から垂下させることを特徴
とする防火防煙シャッターが提供される。かかる構成を
採ることにより、エンドレスベルトを正逆回転させて所
定間隔を有した２本の軸間に耐火シートを巻き取り収納
でき且つ垂下させ得、シャッターケースの厚さ寸法を小
さくできて、その偏平性を保持できる。

【０００８】また、請求項２の発明は、前記２本の軸の
直径は１５〜１００mmの範囲であることを特徴とする防
火防煙シャッターが提供される。かかる構成を採ること
により、この範囲の直径の軸であるから、２本の軸間に
耐火シートをスムーズに巻き取り収納でき且つ垂下させ
得、シャッターケースの厚さ寸法を小さくできて、その
偏平性を保持できる。２本の軸の直径は１５〜１００mm
であり、好ましくは３０〜６０mmである。１５mm未満で
は軸の剛性が低くて撓みが大きくなり、耐火シートを巻
き取る時にシワ等が入り易くなり、１００mmを越えると
径が太くなりすぎて装置のコンパクト化が図れない。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を挙げて本発明
を図１〜図６に基づいて詳述する。図１は本発明の実施
の形態である防火防煙シャッターを示す縦断面図、図２
は本発明の実施の形態である防火防煙シャッターを示す
横断面図、図３は本発明の実施の形態である防火防煙シ
ャッターを正面から見た縦断面図である。図面におい
て、１は防火防煙シャッターを示し、この防火防煙シャ
ッター１は、天井や梁下（以下、天井等という）２にこ
れから耐火シート３を垂下しその先端部を着床可能に配
設し、火災等の必要時に耐火シート３を垂下させその先
端部を着床させて、建築構造物等の内部空間を遮蔽して
なり、この耐火シート３を収納できるシャッターケース
４を有し、このシャッターケース４内に２本の軸５、６
を所定間隔を有して回転自在に設け、これら２本の軸
５、６間にエンドレスベルト７を掛け、このエンドレス
ベルト７に耐火シート３を固定することで、エンドレス
ベルト７を回転させて２本の軸５、６間に耐火シート３
を巻き取りシャッターケース４内に収納し、エンドレス
ベルト７を逆回転させて２本の軸５、６間から耐火シー
ト３を巻き出してシャッターケース４から垂下させるも
のである。

【００１０】この防火防煙シャッター１は、図１及び図
３に示すように、エレベーター扉１０前のホール１１に
位置する天井等２に設置される。天井等２の部分はシャ
ッターケース４により密封され、ホール１１の側壁１２
は後に詳述するガイドレール３２により密封され、エレ
ベーター側とその階の通路１３につながるホール１１側
とが遮蔽される。従って、耐火シート３が巻き出されて
シャッターケース４から垂下され、その先端部が床１４
に着床すれば、火災等による火炎及び煙は上述のエレベ
ーター側と通路１３につながるホール１１側との間を流
通することがなくなる。

【００１１】前記耐火シート３は、ガラス繊維の織布や
シリカクロス等の不燃・耐火材料により構成されてい
る。この耐火シート３の先端部は袋２０が形成され、そ
の袋２０の中に重りとなる座板２１が収納され、これら
の袋２０及び座板２１にて着床した際、床１４との密着
性を高めている。一方、耐火シート３の基端部２２は上
述のエンドレスベルト７に固定している。また、耐火シ
ート３の中央の先端部側には逃げ遅れた人の避難扉２３
が設けられている。

【００１２】前記シャッターケース４は、偏平な箱体を
なし、一端部に出入口２４が設けられ、この出入口２４
に臨んで一方の軸５がシャッターケース４の側壁に回転
自在に軸支されている。他方の軸６はシャッターケース
４の他端部側の側壁に回転自在に軸支されている。そし
て、これら２本の軸５、６の間には２本のエンドレスベ
ルト７が掛けられ、更に軸６の軸端に正逆回転できる駆
動機２５が接続されて、この駆動機２５により軸６が正
逆回転される。この軸６の正逆回転により２本のエンド
レスベルト７も連れ回りする。従って、２本のエンドレ
スベルト７に耐火シート３の基端部２３が固定されてい
るから、耐火シート３も２本のエンドレスベルト７に従
い連れ回りし、２本の軸５、６の間に耐火シート３が巻
き取られ、シャッターケース４内に収納されたり、２本
の軸５、６の間から巻き出され、シャッターケース４の
出入口２４から垂下されたりする。

【００１３】また、耐火シート３の幅方向の両端部は、
図４に示すように、袋３０が形成され、この袋３０内に
不燃性かつ可撓性のあるロープ３１が挿入されて、これ
らがガイドレール３２のガイド孔３３に挿通され、外れ
ないようになっている。このガイドレール３２は、図
１、３に示すように、シャッターケース４の出入口２４
から垂下する耐火シート３に沿って床１４まで、ホール
１１の側壁１２に設けられている。耐火シート３のガイ
ドレール３２への取付方法については、上記形態の他、
図５に示すように、耐火シート３の幅方向の両端部の袋
３０が、ガイドレール３２のガイド孔３３内にあり、下
端が床又はガイドレール３２の底材に固定され立設され
るガイド棒３１ａに挿入され、このガイド棒３１ａに沿
って移動自在とする方法を採ることもできる。このよう
にすれば、両側端部だけが厚く巻かれることなく、均一
な巻き取りができ、且つガイドレール３２からの抜けを
防止できる。

【００１４】図６は本発明の他の実施の形態である防火
防煙シャッターを示す縦断面図である。この防火防煙シ
ャッター１ａと図１〜図４に示す防火防煙シャッター１
との相違点は、防火防煙シャッター１ａの偏平なシャッ
ターケース４ａが、垂直に設置可能なように、出入口２
４ａが２本の軸５、６の並び方向と平行する位置に設け
られて、エレベーター扉１０前のホール１１に位置する
天井等２に垂直に設置されている点にある。その他の構
成は図１〜４に示す防火防煙シャッター１と同様なの
で、図面に符号を付してその説明を省略する。

【００１５】次に、上記構成になる防火防煙シャッター
１、１ａの使用方法を説明する。まず、建築構造物等の
内部空間を遮蔽する位置、例えば、既設のエレベーター
扉前の天井等２に防火防煙シャッター１、１ａを設置
し、更に耐火シート３をガイドするガイドレール３２を
エレベーター扉１０前方のホール１１の側壁１２に密着
させて取り付ける。火災等の発生あるいは点検等の必要
時、駆動機２５のロック機構（不図示）が自動あるいは
手動で解除され、座板２１の重さによりあるいは駆動機
２５の作動により、シャッターケース４及び４ａの出入
口２４及び２４ａから耐火シート３をガイドレール３２
にてガイドさせて垂下させ、その先端部の袋２０及び座
板２１を床１４に着床させて、エレベーターと各階とを
遮蔽する。従って、ある階で発生した火災による火炎及
び煙は着床した耐火シート３により遮蔽され、エレベー
ターシャフトが煙突の役目をして他の階に煙が拡散する
ことがない。また、エレベーター内にいた人は耐火シー
ト３に設けられた避難扉２３から他の階に逃げることが
できる。火災等の終了あるいは点検終了等の不必要時、
駆動機２５を作動させ耐火シート３をシャッターケース
４及び４ａ内に収納する。

【００１６】以上、本発明の実施形態を説明したが、具
体的な構成はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲内での変更、追加は本発明の範囲内である。

【００１７】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、エンドレスベ
ルトを正逆回転させて所定間隔を有した２本の軸間に耐
火シートを巻き取り収納でき且つ垂下させ得、シャッタ
ーケースの厚さ寸法を小さくできて、その偏平性を保持
できる。従って、厚さ寸法が小さいから、天井等の水平
あるいは壁面等の垂直の設置場所に設置しても、室内高
さを充分確保できて、見栄えも良好である。また、後付
けの場合も設置条件や設置規制をクリアーでき、その施
工もし易い。

【００１８】請求項２の発明によれば、１５〜１００mm
の範囲の直径の軸であるから、２本の軸間に耐火シート
をスムーズに巻き取り収納でき且つ垂下させ得、シャッ
ターケースの厚さ寸法を小さくできて、その偏平性を保
持できる。従って、上記効果をより効率よく達成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態である防火防煙シャッターを
示す縦断面図。

【図２】本発明の実施形態である防火防煙シャッターを
示す横断面図。

【図３】本発明の実施形態である防火防煙シャッターを
正面から見た縦断面図。

【図４】本発明の実施形態の防火防煙シャッターを構成
するガイドレールの断面図。

【図５】本発明の他の実施形態の防火防煙シャッターを
構成するガイドレールの断面図。

【図６】本発明の他の実施形態である防火防煙シャッタ
ーを示す縦断面図。

【図７】従来例を示す断面図。

【符号の説明】

１、１ａ、５０ 防火防煙シャッター ２ 天井等 ３、５１ 耐火シート ４、４ａ、５２ シャッターケース ５、６ 軸 ７ エンドレスベルト １０ エレベーター扉 １１ ホール １２ 側壁 １３ 通路 １４ 床 ２０、３０ 袋 ２１、５４ 座板 ２２ 基端部 ２３ 避難扉 ２４、２４ａ 出入口 ２５ 駆動機 ３１ ロープ ３１ａ ガイド棒 ３２ ガイドレール ３３ 挿通孔 ５３ ロール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井や梁下にこれから耐火シートを垂下
   しその先端部を着床可能に配設し、火災等の必要時に耐
   火シートを垂下させその先端部を着床させて、建築構造
   物等の内部空間を遮蔽してなる防火防煙シャッターにお
   いて、前記耐火シートを収納できるシャッターケースを
   有し、該シャッターケース内に２本の軸を所定間隔を有
   して回転自在に設け、該２本の軸間にエンドレスベルト
   を掛け、該エンドレスベルトに耐火シートを固定してな
   り、前記エンドレスベルトを回転させて前記２本の軸間
   に耐火シートを巻き取り前記シャッターケース内に収納
   し、前記エンドレスベルトを逆回転させて前記２本の軸
   間から耐火シートを巻き出して前記シャッターケースか
   ら垂下させることを特徴とする防火防煙シャッター。
2. 【請求項２】 前記２本の軸の直径は１５〜１００mmの
   範囲であることを特徴とする請求項１記載の防火防煙シ
   ャッター。