JP5304255B2 - 炭化ケイ素基板、エピタキシャルウエハおよび炭化ケイ素基板の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素基板、エピタキシャルウエハおよび炭化ケイ素基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化ケイ素基板、エピタキシャルウエハおよび炭化ケイ素基板の製造方法に関する。
炭化ケイ素(SiC)は、バンドギャップが大きく、また最大絶縁破壊電界および熱伝導率はシリコン(Si)と比較して大きい一方、キャリアの移動度はシリコンと同程度に大きく、電子の飽和ドリフト速度および耐圧も大きい。そのため、高効率化、高耐圧化、および大容量化を要求される半導体デバイスへの適用が期待される。
このようなSiC半導体デバイスに用いられるSiC基板には、マイクロパイプなどの欠陥が多数存在する。このため、SiC基板に存在する欠陥をエピタキシャル成長にて消滅するためのエピタキシャル成長の条件等が研究されている(たとえば特許文献1〜3)。
特開2000−26199号公報 特開2003−332562号公報 特開2007−269627号公報
一般的に、SiC基板は、SiCインゴットを形成し、このSiCインゴットからSiC基板を切断し、研磨することにより製造される。しかしながら、上記特許文献1〜3では、SiC基板を製造する際に用いる研磨液、研磨する際にSiC基板を固定するための固定剤などが残渣として付着している。本発明者は、残渣が付着したSiC基板上にエピタキシャル層を形成すると、この残渣を起点とした欠陥がエピタキシャル層に形成されることを見い出した。このような欠陥を含むエピタキシャル層を半導体デバイスに用いると、半導体デバイスの動作に影響を及ぼしてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、半導体デバイスを作製すると、半導体デバイスの動作への影響を抑制できる、SiC基板、エピタキシャルウエハおよびSiC基板の製造方法を提供することである。
本発明者は、SiCインゴットから切り出し、表面を研磨した後のSiC基板の主面に付着している残渣と、エピタキシャル層を形成したときに発生する上記残渣による欠陥との関係について鋭意研究した。その結果、本発明者は、エピタキシャル層を形成したときに発生する上記残渣による欠陥を効果的に低減できる範囲を見い出した。
すなわち、本発明の一の局面におけるSiC基板は、主面を有し、かつSiCからなる下地基板を準備する工程と、主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程とを備えたSiC基板であって、主面を有し、主面の残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有し、主面の残渣が50μm四方で0.2個以上200個未満である。
本発明の他の局面におけるSiC基板は、主面を有し、かつSiCからなる下地基板を準備する工程と、主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、主面をエッチングする工程とを備えたSiC基板であって、主面を有し、主面の残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有し、主面の残渣が50μm四方で0.2個以上5個以下である。
本発明の一の局面におけるSiC基板によれば、エッチングする工程前の主面の残渣を50μm四方で0.2個以上200個未満にしている。本発明の他の局面におけるSiC基板によれば、エッチングする工程後の主面の残渣を50μm四方で0.2個以上5個以下にしている。これにより、SiC基板の主面上にエピタキシャル層を形成すると、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることを抑制できる。したがって、このSiC基板を用いて作製された半導体デバイスの動作への影響を抑制することができる。
また残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる。これにより、下地基板を準備するための研磨する工程時に、上記材料の研磨剤、固定剤などを用いることができる。
また残渣は、0.01nm以上10μm以下の直径を有する。10μmを超える直径の残渣は洗浄中、自重で落ちやすいため、SiC基板の主面に付着しにくい。つまり、10μm以下の直径の残渣が容易に測定される。一方、0.01nm未満の残渣は、欠陥に起因する残渣となりにくい。つまり、0.01nm以上の残渣がそれ自体が起因となる欠陥をエピタキシャル層に発生する。このため、上記直径の残渣を特定することで、エピタキシャル層に発生する欠陥をより抑制することができる。
ここで、上記「残渣」とは、インゴットからSiC基板を形成する際に生じたものを意味する。
上記一の局面におけるSiC基板において好ましくは、主面の残渣が50μm四方で0.2個以上50個以下である。
上記他の局面におけるSiC基板において、主面の残渣が50μm四方で0.2個以上0.4個以下である。
このように残渣を低減することによって、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることを効果的に抑制することができる。したがって、SiC基板を用いて作製された半導体デバイスの動作への影響を抑制することができる。
上記一の局面および他の局面におけるSiC基板において好ましくは、接着剤またはワックスは、ホットメルト系、アクリル系、およびエポキシ系からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる。
これにより、SiC基板を製造するために、上記材料の固定剤などを用いることができる。
本発明のエピタキシャルウエハは、上記SiC基板と、SiC基板の主面上に形成されたエピタキシャル層とを備えている。
本発明のエピタキシャルウエハによれば、上記残渣の少ない基板を用いているので、残渣に起因した欠陥を低減したエピタキシャル層を形成することができる。したがって、このエピタキシャルウエハを用いて半導体デバイスを作製する際に、半導体デバイスの動作への影響を抑制することができる。
本発明のSiC基板の製造方法は、以下の工程を備えている。まず、主面を有し、かつSiCからなる下地基板を準備する。主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する。第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄することにより、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有する残渣を主面において50μm四方で0.2個以上200個未満とする
本発明のSiC基板の製造方法によれば、アルカリ性溶液を用いた洗浄を複数回行なっている。これにより、第1のアルカリ性溶液を用いた洗浄で主面の残渣を除去しているので、目立った残渣を除去することができる。この状態で、第2のアルカリ性溶液を用いた洗浄を行なうので、細かい残渣あるいは強固に付着した残渣を除去できる。このため、上述したように残渣の数を50μm四方で0.2個以上200個未満まで低減することができる。
上記SiC基板の製造方法において好ましくは、第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程に先立って、主面を水酸化カリウムを含む第3のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程をさらに備えている。
水酸化カリウムを含むアルカリ性溶液は、残渣の低減に非常に効果が高いので、残渣をより効果的に低減することができる。
上記SiC基板の製造方法において好ましくは、主面を酸性溶液を用いて洗浄する工程をさらに備えている。これにより、主面に付着していた重金属などを低減することができる。
上記SiC基板の製造方法において好ましくは、第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、主面をエッチングする工程をさらに備えている。
これにより、主面に付着していた残渣の数をたとえば50μm四方で0.2個以上5個以下まで低減することができる。
上記SiC基板の製造方法において好ましくは、エッチングする工程では、水素ガスおよび塩化水素ガスの少なくとも一方を含むガスを用いて行なう。これにより、主面に付着していた残渣の数をより低減することができる。
以上説明したように、本発明のSiC基板およびSiC基板の製造方法によれば、主面の残渣を50μm四方で0.2個以上200個未満にすることによって、SiC基板を用いて作製された半導体デバイスの動作への影響を抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるSiC基板を概略的に示し、(A)は断面図であり、(B)は平面図である。 本発明の実施の形態1におけるSiC基板の主面をAFMで観察したときの残渣を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるSiC基板の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2におけるSiC基板の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3におけるSiC基板の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4におけるエピタキシャルウエハを概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるエピタキシャルウエハの製造方法を示すフローチャートである。 比較例1におけるSiC基板の製造方法を示すフローチャートである。 比較例1におけるSiC基板を用いて形成したエピタキシャル層をAFMで観察したときのエピタキシャル層に生じたシャローピットを示す図である。 残渣を有するSiC基板の主面を模式的に示す断面図である。 残渣を有するSiC基板上にエピタキシャル層を形成する状態を模式的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中においては、集合方位を<>、個別面を()でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の一実施の形態のSiC基板10を説明する。SiC基板10は、主面11を有している。
SiC基板10の主面11上の残渣は、0.2個以上200個未満であり、0.2個以上50個以下であることが好ましく、0.2個以上5個以下であることがより好ましく、0.2個以上0.4個以下であることがより一層好ましい。
残渣が200個未満の場合には、主面11上にエピタキシャル層を形成すると、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることを抑制できる。したがって、このSiC基板を用いて作製された半導体デバイスの動作への影響を抑制することができる。50個以下の場合、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることをより抑制できる。5個以下の場合、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることをより一層抑制できる。0.4個の場合、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることを最も効果的に抑制することができる。
ここで、上記「残渣」について説明する。残渣とは、SiCインゴットからSiC基板10を形成する際に生じたものを意味する。このような残渣は、図2に示すように、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)で測定したときに、白色または黄色の点として観察される。なお、小さい残渣は黄色の点として、大きい残渣は白色の点として観察される。
残渣の測定方法は、50μm四方の視野で、AFMを用いて5点測定したときの平均値である。視野が50μm四方と異なる場合には、50μm四方に換算したときの値である。たとえば50μm四方の視野で、4点の残渣の数が0個で、1点の残渣の数が1個の場合、平均値は0.2個となる。残渣の数は少ない程好ましいが、主面11のどこかには残渣が存在している可能性があるので、残渣の下限値は0.2個である。
測定する5点は、任意の5点であるが、たとえば図1(B)に示す5点のドットのように、主面11において、任意の直径R1、R2における中央近傍の1点と、中央を挟んだ2点と、直径R1に直交する直径R2において中央を挟んだ2点との合計5点を測定することが好ましい。
残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなることが好ましい。接着剤またはワックスは、たとえばホットメルト系、アクリル系、およびエポキシ系からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる。これにより、SiC基板10を製造するために、上記材料の研磨剤、固定剤などを用いることができる。
残渣は、たとえば0.01nm以上10μm以下の直径を有する。10μmを超える直径の残渣は洗浄中、自重で落ちやすいため、SiC基板10の主面11に付着しにくい。つまり、10μm以下の直径の残渣は容易に測定される。一方、0.01nm未満の残渣は、欠陥に起因する残渣となりにくい。つまり、0.01nm以上の残渣はそれ自体が起因となる欠陥をエピタキシャル層に発生する。このため、上記直径の残渣を特定することで、エピタキシャル層に発生する欠陥をより抑制することができる。
なお、上記残渣の直径とは、残渣が球形の場合にはその直径であり、球形以外の場合には外接球の直径を意味する。
続いて、図1および図3を参照して、本実施の形態におけるSiC基板10の製造方法について説明する。
まず、SiCインゴットを準備する(ステップS1:インゴット準備工程)。SiCインゴットは、たとえば、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法、OMVPE(OrganoMetallic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法、昇華法、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)法などの気相成長法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相成長法などにより成長されたSiCインゴットを準備する。
次に、SiCインゴットから主面を有する下地基板としてのSiC基板を切り出す(ステップS2:切断工程)。切り出す方法は特に限定されず、SiCインゴットからスライスなどによりSiC基板を切り出す。
次に、切り出したSiC基板の主面を研磨する(ステップS3:研磨工程)。研磨する面は、主面のみでもよく、主面と反対側の裏面をさらに研磨してもよい。
研磨工程(S3)では、たとえば、主面を平坦かつ傷などのダメージを低減するためにCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)を行なう。CMPでは、研磨剤としてコロイダルシリカ、砥粒としてダイヤモンド、酸化クロム、固定剤として接着剤、ワックスなどを用いることが好ましい。接着剤またはワックスとしては、ホットメルト系、アクリル系、およびエポキシ系からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を用いることが好ましい。
なお、研磨工程(S3)では、CMPと併せて、あるいは代わりに電界研磨法、化学研磨法、機械研磨法などの他の研磨をさらに行なってもよい。
以上のステップS1〜S3により、主面を有し、かつSiCからなる下地基板を準備することができる。
次に、下地基板の主面を第1の酸性溶液を用いて洗浄する(ステップS11:第1酸洗浄工程)。これにより、主面に付着していた重金属などの不純物を除去することができる。
第1の酸性溶液としては、たとえば硫酸と過酸化水素水とを混合した溶液を用いることができる。混合比率は特に限定されないが、たとえば硫酸:過酸化水素=5:1である。第1の酸性溶液の温度は特に限定されないが、たとえば80℃である。なお、第1酸洗浄工程(S11)は省略されてもよい。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、第1の酸性溶液の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、下地基板の主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する(ステップS12:第1アルカリ洗浄工程)。これにより、目立った残渣を除去することができる。
第1のアルカリ性溶液としては、アンモニア水と過酸化水素水とを混合した溶液を用いることができる。混合比率は特に限定されないが、たとえば水:アンモニア:過酸化水素水=5:1:5である。第1のアルカリ性溶液の温度は特に限定されないが、たとえば80℃である。また、洗浄時間は、たとえば1分以上2時間以下である。第1アルカリ洗浄工程(S12)では、たとえば第1のアルカリ性溶液に下地基板を浸漬する。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、第1のアルカリ性溶液の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程(第1アルカリ洗浄工程(S12))後に、主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する(ステップS13:第2アルカリ洗浄工程)。これにより、細かい残渣あるいは強固に付着した残渣を除去できる。
第2のアルカリ性溶液としては、第1のアルカリ性溶液と同様の溶液を用いる。なお、第2のアルカリ性溶液と第1のアルカリ性溶液とは異なっていてもよい。また、洗浄時間は、たとえば1分以上2時間以下である。第2アルカリ洗浄工程(S13)では、たとえば第2のアルカリ性溶液に下地基板を浸漬する。
第2のアルカリ性溶液は水酸化カリウムを含む溶液でないことが好ましい。この場合、水酸化カリウム中のカリウムイオンが洗浄後のSiC基板10に残存することを抑制できる。このため、SiC基板10を用いて半導体デバイスを作製すると、半導体デバイスの動作への影響を低減できる。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、第2のアルカリ性溶液の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、主面を第2の酸性溶液を用いて洗浄する(ステップS14:第2酸洗浄工程)。これにより、重金属などの不純物をさらに除去することができる。
第2の酸性溶液としては、たとえば水と塩酸と過酸化水素水との混合溶液を用いることができる。混合比率は特に限定されないが、たとえば水:塩酸:過酸化水素水=6:1:1である。第2の酸性溶液の温度は特に限定されないが、たとえば80℃である。なお、第2の酸性溶液は、第1の酸性溶液と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、この第2酸洗浄工程(S14)は省略されてもよい。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、第2の酸性溶液の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、主面を第3の酸性溶液を用いて洗浄する(ステップS15:第3酸洗浄工程)。第3の酸性溶液としては、たとえば硝酸と塩酸とを混合した王水を用いることができる。混合比率は特に限定されないが、たとえば硝酸:塩酸=3:1である。これにより、主面をエッチングすることができるので、不純物をさらに低減することができる。なお、この第3酸洗浄工程(S15)は省略されてもよい。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、第3の酸性溶液の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
次に、主面を第4の酸性溶液を用いて洗浄する(ステップS16:第4酸洗浄工程)。第4の酸性溶液としては、たとえばフッ酸系を用いることができる。これにより、不純物をさらに低減することができる。なお、この第4酸洗浄工程(S16)は省略されてもよい。
次に、主面を有機溶剤を用いて洗浄する(ステップS17:有機洗浄工程)。有機溶剤としては、たとえばイソプロピルアルコールを用いることができる。これにより、親油性の不純物を低減することができる。なお、この有機洗浄工程(S17)は省略されてもよい。
次に、下地基板の主面を純水で洗浄する。これにより、有機溶剤の付着を低減できる。なお、この工程は省略されてもよい。
以上の工程(S11〜S17)を実施することにより、図1に示すSiC基板10を製造することができる。このSiC基板10の主面11上の残渣は、たとえば0.2個以上200個未満であり、0.2個以上50個以下であることが好ましい。主面11の残渣をより低減する場合には、さらに以下の工程を実施する。
次に、第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程(S13)後に、主面11をエッチングする(ステップS18:エッチング工程)。このエッチング工程(S18)では、水素ガスおよび塩化水素ガスの少なくとも一方を含むガスを用いて行なうことが好ましく、両方を含むガスを用いて行なうことがより好ましい。このエッチング工程(S18)は、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)装置内で行なうことができる。これにより、SiC基板10の主面11上の残渣は、たとえば、0.2個以上5個以下まで低減でき、好ましくは0.2個以上0.4個以下まで低減することができる。
したがって、本実施の形態におけるSiC基板10は、たとえばトンネル磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗素子などの種々の磁気抵抗効果を利用した機能デバイス、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光素子、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)、スピンFET、HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)などの電子素子、温度センサ、圧力センサ、放射線センサ、可視−紫外光検出器などの半導体センサ、SAWデバイスなどに好適に用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態におけるSiC基板は、図1に示す実施の形態1のSiC基板10と同様である。
本実施の形態におけるSiC基板の製造方法は、基本的には実施の形態1におけるSiC基板10の製造方法と同様の工程を備えているが、図4に示すように、第1アルカリ洗浄工程(S12)と第2アルカリ洗浄工程(S13)との間に第5酸洗浄工程(S19)をさらに備えている点において異なっている。
第5酸洗浄工程(S19)は、下地基板の主面を第5の酸性溶液を用いて洗浄する。第5の酸性溶液は、第2酸洗浄工程(S13)で用いる第2の酸性溶液と同様の溶液を用いる。なお、第5の酸性溶液と第2の酸性溶液とは異なっていてもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態におけるSiC基板は、図1に示す実施の形態1のSiC基板10と同様である。
本実施の形態におけるSiC基板の製造方法は、基本的には実施の形態1におけるSiC基板10の製造方法と同様の工程を備えているが、図5に示すように、第3アルカリ洗浄工程(S21)および有機洗浄工程(S22)をさらに備えている点において異なっている。
第3アルカリ洗浄工程(S21)は、第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する第1アルカリ洗浄工程(S12)に先立って、たとえば、水酸化カリウムを含むの第3のアルカリ性溶液を用いて洗浄する。第3のアルカリ性溶液のpHは10を超えていることが好ましく、13を超えていることがより好ましい。
第3アルカリ洗浄工程(S21)では、たとえば第3のアルカリ性溶液に下地基板を浸漬する。また、洗浄時間は、たとえば1分以上2時間以下である。
有機洗浄工程(S22)は、第3アルカリ洗浄工程(S21)後に、主面を有機溶剤を用いて洗浄する。これにより、水酸化カリウムを含む第3のアルカリ性溶液を低減することができる。
有機洗浄工程(S22)後に、純水で洗浄する工程をさらに備えていることが好ましい。
(実施の形態4)
図6を参照して、本実施の形態におけるエピタキシャルウエハ20を説明する。本実施の形態におけるエピタキシャルウエハ20は、実施の形態1〜3のSiC基板10と、SiC基板10の主面11上に形成されたエピタキシャル層21とを備えている。
エピタキシャル層21は、たとえばSiC層である。エピタキシャル層21は。1層であってもよく、複数層であってもよい。
続いて、図6および図7を参照して、本実施の形態におけるエピタキシャルウエハ20の製造方法について説明する。
まず、図7に示すように、実施の形態3のSiC基板の製造方法にしたがって、SiC基板を製造する。なお、SiC基板は、アルカリ性溶液で洗浄する工程を2回以上実施すれば特に限定されず、図3に示す実施の形態1、または図4に示す実施の形態2のSiC基板の製造方法により製造されてもよい。
次に、図6および図7に示すように、SiC基板10の主面11上にエピタキシャル層21を形成する(ステップS31:エピタキシャル層形成工程)。エピタキシャル層21の形成方法は、特に限定されず、たとえばHVPE法、MBE法、OMVPE法、昇華法、CVD法などの気相成長法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相成長法などにより形成することができる。
以上のステップS1〜S3、S11〜S22、S31を実施することにより、図6に示すエピタキシャルウエハ20を製造することができる。このエピタキシャルウエハ20は、主面11上の残渣が0.2個以上200個未満であるSiC基板10を用いている。エピタキシャル層21を気相成長法および液相成長法により形成する場合には、この残渣が異常成長の核となることを抑制できるので、欠陥が生じることを抑制できる。また気相成長法の場合には、原料ガスおよびキャリアガスの流れが残渣により阻害されることを抑制できる。このため、原料ガスおよびキャリアガスの流れと反対側の位置でのエピタキシャル層21の成長が促進される。これにより、残渣を起因としたシャローピットなどの欠陥が発生することを抑制することができる。
本実施例では、SiC基板の主面上の残渣が0.2個以上200個未満であることの効果について調べた。
(本発明例1)
本発明例1のSiC基板の製造方法は、基本的には実施の形態1のSiC基板の製造方法にしたがった。
具体的には、まず、主面を有し、かつSiCからなる下地基板を準備した(S1〜S3)。下地基板は2インチの大きさを有していた。また、下地基板の主面は(0001)面であった。
次に、第1酸洗浄工程(S11)として、硫酸:過酸化水素水=5:1の混合比率で混合された80℃の第1の酸性溶液を用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、第1アルカリ洗浄工程(S12)として、水:アンモニア:過酸化水素水=5:1:1の比率で混合された80℃の第1のアルカリ性溶液を用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、第2アルカリ洗浄工程(S13)として、第1のアルカリ性溶液と同じ溶液を第2のアルカリ性溶液として用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、第2酸洗浄工程(S14)として、水:塩酸:過酸化水素水=6:1:1の混合比率で混合された80℃の第2の酸性溶液を用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、第3酸洗浄工程(S15)として、硝酸:塩酸=3:1の混合比率で混合された王水を用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、第4酸洗浄工程(S16)として、フッ酸、またはフッ硝酸を用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、有機洗浄工程(S17)として、イソプロピルアルコールを用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、エッチング工程(S18)として、下地基板の主面を水素ガス中でエッチングした。
以上のステップS1〜S3およびS11〜S18を実施することによって、本発明例1のSiC基板を製造した。なお、本発明例1のSiC基板として、10枚製造した。
(本発明例2)
本発明例2のSiC基板の製造方法は、基本的には実施の形態3のSiC基板の製造方法にしたがった。つまり、本発明例2のSiC基板の製造方法では、アルカリ性溶液を用いて下地基板を洗浄する工程は3回であった。
具体的には、まず、第3アルカリ洗浄工程(S21)として、pHが13を超える水酸化カリウム溶液を用いて、下地基板の主面を洗浄した。
次に、有機洗浄工程(S22)として、イソプロピルアルコールを用いて、下地基板の主面を洗浄した。次に、下地基板の主面を純水で洗浄した。
次に、本発明例1と同様に、S11〜S18を実施した。以上のステップS1〜S3、S11〜S18、S21、S22を実施することによって、本発明例2のSiC基板を製造した。なお、本発明例2のSiC基板として、10枚製造した。
(本発明例3)
本発明例3のSiC基板の製造方法は、基本的には本発明例2のSiC基板の製造方法と同様の工程を備えていたが、第2アルカリ洗浄工程(S13)を備えていない点において異なっていた。つまり、本発明例3のSiC基板の製造方法では、アルカリ性溶液を用いて下地基板を洗浄する工程は2回であった。なお、本発明例3のSiC基板として、10枚製造した。
(比較例1)
比較例1のSiC基板の製造方法は、基本的には本発明例1のSiC基板の製造方法と同様の工程を備えていたが、第2アルカリ洗浄工程(S13)を備えていない点において異なっていた。つまり、比較例1のSiC基板の製造方法では、アルカリ性溶液を用いて下地基板を洗浄する工程は1回であった。なお、比較例1のSiC基板として、10枚製造した。
(測定方法)
本発明例1〜3および比較例1について、アルカリ性の溶液を用いて洗浄した後に、主面の残渣を測定した。その結果を下記の表1に記載する。残渣の測定は、SiC基板の主面について、50μm四方の視野で、AFMを用いて5点測定したときの平均値とした。5点は、図1(B)に示すような以下の領域とした。まず、主面の中心から1cm四方の範囲内の1点とした。また、<11−20>方向へ中心を挟んで中心から半径の70%の長さまで離れたそれぞれ位置を中心とした直径の1/2cm四方の範囲の2点とした。また、<1−100>方向へ中心を挟んで中心から半径の70%の長さまで離れたそれぞれ位置を中心とした直径の1/2cm四方の範囲の2点とした。測定した残渣は、0.01nm以上10μm以下の直径を有していた。
また、エッチング工程(S18)後のSiC基板の主面上に、CVD法によりエピタキシャル層としてSiC層を形成した。このエピタキシャル層の主面について、AFMでシャローピットの数を測定した。シャローピットの測定は、50μm四方の視野で、AFMを用いて5点測定したときの平均値とした。5点の測定点は、残渣のときの測定位置と同様とした。この場合、たとえば図9に示すように、シャローピットが観察された。シャローピット数の結果を下記の表1に示す。なお、表1中、0とは、シャローピットが発生しなかったことを示す。
(測定結果)
表1に示すように、アルカリ性溶液で2回以上洗浄した本発明例1〜3では、エッチング工程(S18)前の主面の残渣が5個以上199個以下であった。一方、アルカリ性溶液で1回しか洗浄しなかった比較例1では、エッチング工程(S18)前の主面の残渣が200〜300個であった。
また、アルカリ性溶液で2回以上洗浄した本発明例1〜3では、エッチング工程(S18)後の主面の残渣が0.2個以上5個以下であった。一方、アルカリ性溶液で1回しか洗浄しなかった比較例1では、エッチング工程(S18)後の主面の残渣が50個であった。
このため、本発明例1〜3のSiC基板上に形成したエピタキシャル層には、シャローピットが発生しなかった、または発生しても0.5個以下であった。一方、比較例1のSiC基板上に形成したエピタキシャル層にはシャローピットが5個発生していた。
このことから、アルカリ性溶液で2回以上洗浄することにより、主面の残渣を0.2個以上200個未満まで低減でき、さらにエッチングすると0.2個以上50個以下まで低減できることがわかった。この範囲の残渣数であれば、この主面上にエピタキシャル層を形成すると、この残渣に起因した欠陥が形成されることを抑制できることがわかった。この結果は、以下の理由によるものであることを本発明者は見い出した。
図10に示すように、SiC基板10の主面11に残渣15が存在していると、図11に示すように、気相成長法によりこの主面11上にエピタキシャル層21を形成すると、原料、キャリアガスなどのガスGの流れが残渣により阻害される。このため、ガスGの流れと残渣15に対して反対側に位置する主面11上ではエピタキシャル成長が遅れてしまう。したがって、SiC基板10の主面11の残渣に起因した欠陥が発生する。
以上より、エッチング工程(S18)前の主面の残渣を0.2個以上200個未満にし、エッチング工程(S18)後の主面の残渣を0.2個以上5個以下にすることにより、SiC基板の主面上にエピタキシャル層を形成すると、残渣に起因した欠陥がエピタキシャル層に形成されることを抑制できることがわかった。したがって、このエピタキシャル層に電極を形成することで作製される半導体デバイスの動作への影響を抑制することができることがわかった。つまり、エピタキシャル層を形成する前のSiC基板の主面上の残渣数を上記範囲内におさめることで、安定的にエピタキシャル層内で生じる欠陥を低減できることがわかった。
特に、第1アルカリ洗浄工程(S12)に先立って、水酸化カリウムを含む第3のアルカリ性溶液を用いて洗浄する第3アルカリ洗浄工程(S21)を実施した本発明例2および3では、第2アルカリ洗浄工程(S13)後の残渣を低減でき、かつエッチング工程(S18)後の残渣の数を非常に低減できた。このため、SiC基板上に形成したエピタキシャル層にはシャローピットが発生しなかった。したがって、第3アルカリ洗浄工程(S21)を実施することにより、残渣の数を効果的に低減できることがわかった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 SiC基板、11 主面、15 残渣、20 エピタキシャルウエハ、21 エピタキシャル層、G ガス、R1,R2 直径。

Claims (11)

  1. 主面を有し、かつ炭化ケイ素からなる下地基板を準備する工程と、
    前記主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、
    前記第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、前記主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程とを備えた炭化ケイ素基板であって、
    前記主面を有し、
    前記主面の残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有し、
    前記主面の前記残渣が50μm四方で0.2個以上200個未満である、炭化ケイ素基板。
  2. 前記主面の前記残渣が50μm四方で0.2個以上50個以下である、請求項1に記載の炭化ケイ素基板。
  3. 主面を有し、かつ炭化ケイ素からなる下地基板を準備する工程と、
    前記主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、
    前記第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、前記主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、
    前記第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、前記主面をエッチングする工程とを備えた炭化ケイ素基板であって、
    前記主面を有し、
    前記主面の残渣は、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有し、
    前記主面の前記残渣が50μm四方で0.2個以上5個以下である、炭化ケイ素基板。
  4. 前記主面の前記残渣が50μm四方で0.2個以上0.4個以下である、請求項3に記載の炭化ケイ素基板。
  5. 前記接着剤または前記ワックスは、ホットメルト系、アクリル系、およびエポキシ系からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化ケイ素基板。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の炭化ケイ素基板と、
    前記炭化ケイ素基板の前記主面上に形成されたエピタキシャル層とを備えた、エピタキシャルウエハ。
  7. 主面を有し、かつ炭化ケイ素からなる下地基板を準備する工程と、
    前記主面を第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程と、
    前記第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、前記主面を第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄することにより、コロイダルシリカ、酸化クロム、ダイヤモンド、接着剤、およびワックスからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質よりなり、かつ0.01nm以上10μm以下の直径を有する残渣を前記主面において50μm四方で0.2個以上200個未満とする工程とを備えた、炭化ケイ素基板の製造方法。
  8. 前記第1のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程に先立って、前記主面を水酸化カリウムを含む第3のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程をさらに備えた、請求項に記載の炭化ケイ素基板の製造方法。
  9. 前記主面を酸性溶液を用いて洗浄する工程をさらに備えた、請求項またはに記載の炭化ケイ素基板の製造方法。
  10. 前記第2のアルカリ性溶液を用いて洗浄する工程後に、前記主面をエッチングする工程をさらに備えた、請求項のいずれか1項に記載の炭化ケイ素基板の製造方法。
  11. 前記エッチングする工程では、水素ガスおよび塩化水素ガスの少なくとも一方を含むガスを用いて行なう、請求項10に記載の炭化ケイ素基板の製造方法。
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