JP5300295B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
通常、中間転写体を用いた転写方法においては、像担持体上に顕像化されたトナー像を中間転写体に転写後、更に中間転写体から転写材上に転写することが必要である。そのため、従来の方法と比べると転写回数が多くなり、トナーとしては、より高い転写効率を有することが望まれる。
例えば、懸濁重合や乳化重合などの重合トナー(特許文献1、2、3参照)や、粉砕トナーを球形化処理することにより得られるトナーが挙げられる。粉砕トナーの球形化処理に関する具体例として、水系媒体中で加熱球形化する方法(特許文献4参照)、機械的衝撃力で球形化する方法(特許文献5参照)、従来手法による熱風により球形化する方法(特許文献6参照)が提案されている。
即ち、転写効率が良く、クリーニング性の良い、ライン画像の飛び散りが軽減できるトナーを提供するものである。
また、上記ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体としては、ビニル系樹脂成分にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したビニル系樹脂成分を有するグラフト重合体が好ましい。
コン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系モノマー。2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系モノマー。アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位。
により得られることを特徴とする。また、上記熱風による表面処理が、トナーを熱風中に存在させることでトナーの表面を処理し、該熱風の温度が、100℃以上450℃以下の範囲で行うことが好ましい。更に好ましくは、100℃以上、400℃以下である。
トナー供給口、熱風を供給する熱風供給口、冷風を供給する冷風供給口、該トナー供給口に高圧エアを供給する高圧エア供給部材、該トナー供給口の下方にあるトナーを拡散するための気流を噴射する気流噴射部材、トナー表面処理されたトナーを移送する移送部材、該移送部材を冷却する冷却部材を少なくとも有し、噴射部材の下端はトナー供給口から5mm以上150mm以下の位置にある、トナーの表面処理を行う表面処理装置を用い、以下の条件で行われる。
・該熱風供給口からの熱風が、100℃以上450℃以下、好ましくは100℃以上400℃以下。
・該冷風供給口からの冷風が、−50℃以上10℃以下、好ましくは−40℃以上8℃以下。
・該冷風は、絶対水分量が5g/m3以下であって、好ましくは3g/m3以下。
ブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きモノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如きポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
が好ましく、更に好ましくは、全結着樹脂中に含まれるポリエステルユニットを有する樹脂が、全結着樹脂に対して50質量%以上であり、特に好ましくは、70質量%以上である。これは、ポリエステルユニットを有する樹脂を含有することにより、ワックスのトナー表面への移行速度を早めることができ、効率よく、トナーの表面処理を行うことができる。
2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
以上、8.0×10−2N/m以下であることが特に好ましい。
トナーの表面張力指数(N/m)=Pα/(A×B×106) ・・・(1)
Pα: 45体積%メタノール水溶液に対するトナーの毛管圧力(N/m2)
A:トナーの比表面積(m2/g)
B:トナーの真密度(g/cm3)
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の脂肪酸類とステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類のエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'ジオレイルアジピン酸アミド、N
,N'ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステ
アリン酸アミド、N,N'ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類
;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、
塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。特に、上記荷電制御剤としては、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸金属化合物が好ましい。
例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ。上記酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物、例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粉末が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。上記アルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉末が用いられる。結晶系としてはα,β,γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、アモルファスのいずれのものも用いられ、α,δ,γ,θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられる。上記微粉末は、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。微粉末の表面の疎水化処理方法は、微粉末と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
ゆる樹脂キャリア);一般に公知のもの;等が使用できる。
ここで、本発明に用いる表面処理装置の概略を、図1、図2を用いて説明する。
は、100℃以上、400℃以下である。
は、3g/m3以下である。このことは、トナー表面の表面張力指数を本発明の範囲に制
御するためには重要である。これらの冷風温度が−50℃未満の場合には装置内の温度が下がりすぎてしまい、本来の目的である熱による表面処理が十分に為されず、トナーの転写性能を向上させることができない場合があり、好ましくない。また、10℃を超える場合には、装置内における熱風ゾーンの制御が不十分になり、粒子同士の合一が進み、粉体粒子の粗大化が生じる傾向にある。
<トナーの重量平均粒子径(D4)の測定>
トナーの重量平均粒子径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3
Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%とな
るようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定した。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定した。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れた。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定した。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去した。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加えた。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加した。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させた。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整した。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させた。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続した。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節した。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なった。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒子径(D4)を算出した。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却した。測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナーを計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解
析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製の「5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行った。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式(2)で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L ・・・(2)
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
トナー 約5.5gを測定セルに静かに投入し、タッピングマシンPTM−1型(三協パイオテク社製)を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行った。これを測定装置(三協パイオテク社製:WTMY−232A型ウェットテスタ)内にセットし測定を行った。
本測定装置は、粉体濡れ特性測定装置であり、毛細管現象の原理を用いて、測定する装置である。
定流量法により毛管圧力Pα(N/m2)をもとめた。各条件は下記の通りである。
溶媒 :45体積%メタノール水溶液
測定モード :定流量法 (A2モード)
液体流量 :2.4ml/min
セル :Y型測定セル
トナー表面張力指数(N/m)とは、トナーの毛細管吸引時間法により測定された毛管圧力をPα(N/m2)、トナーの比表面積をA(m2/g)、トナーの真密度をB(g/cm3)とした時に、下記式(1)より算出される。
トナー表面張力指数(N/m)=Pα/(A×B×106) ・・・(1)
トナー及び外添剤のBET比表面積は、比表面積測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて行った。トナー及び外添剤の比表面積は、BET法にしたがって、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて、比表面積を算出した。比表面積の測定前には、試料管に資料を約2g精秤し、室温で、24時間真空引きを行った。真
空引き後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出した。
次に、BET測定装置のバランスポート及び分析ポートに空のサンプルセルをセットした。次に、所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定した。P0測定終了後、分析ポートに調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量及びP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始した。後は自動でBET比表面積が算出される。
トナーの真密度は、乾式自動密度計オートピクノメーター(ユアサアイオニクス社製)により測定した。条件は下記の通りである。
セル SMセル(10ml)
サンプル量 約2.0g
この測定方法は、気相置換法に基づいて、固体・液体の真密度を測定するものである。液相置換法と同様、アルキメデスの原理に基づいているが、置換媒体としてガス(アルゴンガス)を用いるため、微細孔への精度が高い。
樹脂及び低密度エチレンの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析(DSC)装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。即ち、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂及び低密度エチレン約5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂及び低密度エチレンのガラス転移温度Tgとする。また、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークのピーク温度を、本発明の結着樹脂及び低密度エチレンのDSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークのピーク温度とする。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをTHFに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で分子量分布を測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、
806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−25
00、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
上記磁性キャリアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性装置VSM(Vibrating sample magnetometer)(理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30)を用い、下記手順で測定した。
円筒状のプラスチック容器に磁性キャリアを十分に密に充填し、一方で1000/4π(kA/m)(1000エルステッド)の外部磁場を作り、この状態で容器に充填された磁性キャリアの磁化モーメントを測定した。さらに、該容器に充填した磁性キャリアの実際の質量を測定して、キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)を求めた。
本発明の無機微粒子の個数平均粒径は電子顕微鏡により判定される。具体的に粒径の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)により20万倍で無機微粒子像を撮影し、その拡大写真を測定対象として行う。任意の1000個の粒子の粒径を測定した平均値を個数平均粒径とする。
樹脂含浸キャリアのキャリアコアに用いられる磁性体の体積分布基準の50%粒径(D50)は、キャリア粒子の測定に準じて測定され得る。
一方、磁性体分散型樹脂キャリアのキャリアコアに含まれる磁性体の個数平均粒径は、以下の手順で測定される。
ミクロトームにより切断されたキャリアの断面を、走査電子顕微鏡(50,000倍)で観察し、粒径が5nm以上の粒子をランダムに300個以上抽出する。抽出された各粒子の長軸と短軸の長さをデジタイザにより測定する。測定された長軸と短軸の長さの平均値を粒径とし、300個以上の粒子の粒径分布(カラム幅を5−15,15−25,(単位:nm)のように10nm毎に区切ったカラムのヒストグラムを用いる)のピークになるカラムの中心値の粒径を個数平均粒径とする。
キャリアコアに用いられる非磁性無機化合物の個数平均粒径も上記と同様にして測定される。
また、磁性体または非磁性無機化合物の個数平均粒径は、原材料の(樹脂に含まれていない状態の)磁性体または非磁性無機化合物を、透過電子顕微鏡(TEM)(50,000倍)で観察し、上記の方法と同様にして求めることができる。
ポリエステルユニット成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン55.1質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン19.3質量部、加えてテレフタル酸8.0質量部、無水トリメリット酸6.9質量部、フマル酸10.5質量部及びチタンテトラブトキシド0.2質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応せしめてポリエステルユニットを有する樹脂Aを得た。このポリエステルユニットを有する樹脂AのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)80000、数平
均分子量(Mn)3200であった。DSCによるガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
・スチレン 64.0質量部
・n−ブチルアクリレート 12.5質量部
・アクリロニトリル 3.5質量部
を重合体Aと同様に調製することで重合体Aを得た。重合体AのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)3000であった。DSCによるTgは65℃であった。
・重合体A 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機により分級を行い、シアン粒子を得た。得られたシアン粒子は、重量平均粒子径が、5.5μmであり、粒径4.0μm以下のトナー粒子が28.7個数%であり、粒径10.1μm以上のトナー粒子が0.1体積%であった。このシアン粒子を図1で示す表面処理装置において、運転条件はフィード量=5kg/hrで処理を行った。また、熱風温度C=200℃、熱風流量=6m3/min、冷風温度E=5℃、冷風流量=4m3/min、冷風絶対水分量=3g/m3、ブロワー風量=20m3/min、インジェクションエア流量=1m3/min、拡散エア=0.3m
3/minであった。
上記条件の表面処理において、重量平均粒子径5.8μm、粒径4.0μm以下のトナー粒子が22.5個数%であり、粒径10.1μm以上のトナー粒子が1.2体積%の表面処理シアン粒子1を得た。得られた表面処理シアン粒子1 100質量部に、熱処理によりイソブチルトリメトキシシランで表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及び熱処理によりヘキサメチルジシラザンで表面処理した一次平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.7質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合して、トナー1を得た。得られたトナー1の物性を表1に示す。
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 20.0質量部
・スチレン 62.0質量部
・n−ブチルアクリレート 15.5質量部
・アクリロニトリル 2.5質量部
を重合体Aと同様に調製することで重合体Bを得た。重合体BのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)3000であった。DSCによるTgは55℃であった。
・重合体B 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度200℃で表面処理を行うことに変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー2を得た。得られたトナー2の物性を表1に示す。
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 20.0質量部
・スチレン 70.0質量部
・n−ブチルアクリレート 8.0質量部
・アクリロニトリル 2.0質量部
をオートクレーブに仕込み、系内をN2置換後、昇温攪拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した重合体Cを得た。重合体CのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)5000であった。DSCによるTgは75℃であった。
・重合体C 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度200℃で表面処理を行うことに変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー3を得た。得られたトナー3の物性を表1に示す。
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 20.0質量部
・スチレン 73.5質量部
・n−ブチルアクリレート 4.5質量部
・アクリロニトリル 2.0質量部
を重合体Aと同様に調製することで重合体Dを得た。重合体DのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)3000であった。DSCによるTgは85℃であった。
・重合体D 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度200℃で表面処理を行うことに変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー4を得た。得られたトナー4の物性を表1に示す。
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 20.0質量部
・スチレン 58.0質量部
・n−ブチルアクリレート 19.0質量部
・アクリロニトリル 3.0質量部
を重合体Aと同様に調製することで重合体Eを得た。重合体EのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)3000であった。DSCによるTgは45℃であった。
・重合体E 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度200℃で表面処理を行うことに変更した以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー5を得た。得られたトナー5の物性を表1に示す。
・上記ポリエステルユニットを有する樹脂A 100.0質量部
・重合体A 5.0質量部
・ポリプロピレンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度140℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度300℃で表面処理を行うことに変更した以外は同様に製造して、トナー6を得た。得られたトナー6の物性を表1に示す。
・スチレン 78.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 19.6質量部
・メタクリル酸 2.0質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
0.8質量部
4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後、上記各成分を、4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去した。このようにして得られた樹脂をビニル樹脂Aとする。ビニル樹脂AのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)4000、数平均分子量(Mn)3000であった。ビニル樹脂AのDSCによるTgは54℃であった。
・スチレン 55.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 13.9質量部
・メタクリル酸 0.7質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.4質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。更に、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をビニル樹脂Bとする。ビニル樹脂BのGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)200000、数平均分子量(Mn)5000であった。ビニル樹脂BのDSCによるTgは54℃であった。
・重合体A 5.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混錬、粉砕し、熱風温度190℃で表面処理を行うことに変更した以外は同様に製造して、トナー7を得た。得られたトナー7の物性を表1に示す。
・ポリエステルユニットを有する樹脂A 100.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方に変更する以外は同様にして、トナー8を得た。得られたトナー8の物性を表1に示す。
トナーの製造例1において、表面処理を行わない以外は同様にして、トナー9を得た。得られたトナー9の物性を表1に示す。
・ポリエステルユニットを有する樹脂A 100.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方に変更する以外は同様にして、トナー10を得た。得られたトナー10の物性を表1に示す。
・ポリエステルユニットを有する樹脂A 100.0質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度140℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.0質量部
・C.I.ピグメンブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、上記処方で混合、混練、粉砕し、熱風温度300℃で表面処理を行うことに変更した以外は同様に製造して、トナー11を得た。得られたトナー11の物性を表1に示す。
個数平均粒径0.30μm、(10000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ75Am2/kg)のマグネタイト粉と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト粉に対して、夫々4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール 10.0質量部
・ホルムアルデヒド溶液 6.0質量部
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール質量10%、水50質量%)
・上記処理したマグネタイト 75.0質量部
・上記処理したヘマタイト 9.0質量部
上記材料と、28質量%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフ
ェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(0.7kpa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性体含有樹脂キャリアコアを得た。
コート材として、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体(共重合比(質量%比)80:20、重量平均分子量45,000)を用い、これがコート時に前記磁性体含有樹脂キャリアコア100質量部に対して1質量部となるように、メチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒を溶媒として10質量%の前記メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体を含有するキャリアコート溶液を作製した。また、このキャリアコート溶液に、メラミン樹脂(個数平均粒径0.2μm)0.5質量部、カーボンブラック(個数平均粒径30nm)1.0質量部をホモジナイザーによりよく混合する。ついで、この混合溶液に前記磁性体含有樹脂キャリアコアを投入し、これに剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性体含有樹脂キャリアコア表面へ前記メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体をコートした。
前記メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体でコートされた樹脂コート磁性体分散樹脂コアを100℃で2時間撹拌することによって熱処理後、冷却、解砕し、200メッシュの篩で分級して、個数平均粒子径35μm、真密度3.73g/cm3、磁化の強さ55Am2/kgの磁性キャリア1を得た。
上記、トナーの製造例1で得られたトナー1 10質量部と磁性キャリアの製造例1で得られた磁性キャリア1 90質量部をV型混合機により混合し、二成分現像剤を得た。
上記二成分現像剤1を、プロセス条件を変更可能なように改造を施したキヤノン製フルカラー複写機iRC3170改造機を用いて常温常湿(N/N)(23℃、50%RH)、高温高湿(H/H)(30℃、80%RH)下で耐久画出し評価(A4横、50%印字比率、5万枚)を行った。耐久初期と5万枚通紙後の画出し評価の項目と評価基準を以下に示す。下記(1)〜(3)の評価結果を表2に示す。
画像のトナーの載量を0.6mg/cm2となるように現像電圧を調整したのち、耐久初期にベタ画像、5万枚後に上記トナーの載り量の画像を出力し、画像形成時の感光体ドラム上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取った粘着テープを紙上に貼ったものの濃度から、粘着テープのみを紙上に貼ったものの濃度を差し引いた濃度をそれぞれ算出した。そして、その濃度の値から、以下のようにして判定した。尚、濃度は前記したX−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ)で測定した。
(N/N評価基準)
A:非常に良好(0.05未満)
B:良好 (0.05以上、0.10未満)
C:普通 (0.10以上、0.20未満)
D:悪い (0.20以上)
(H/H評価基準)
A:非常に良好(0.08未満)
B:良好 (0.08以上、0.16未満)
C:普通 (0.16以上、0.24未満)
D:悪い (0.24以上)
N/N環境下及びH/H環境下での耐久において、初期と5万枚後に100μm(潜像)ラインでの格子パターン(1cm間隔)をプリントし、その飛び散りを、光学顕微鏡を
用いて目視で評価した。
(評価基準)
A:ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんどない
B:わずかに飛び散っている程度でラインは比較的シャープ
C:飛び散りがやや多くラインがぼんやりした感じになる
D:Cのレベルに満たない
クリーニング性は、N/N環境下及びH/H環境下での初期と5万枚後にハーフトーン画像を目視して観察することにより評価した。
(評価基準)
A(優) : 全く発生しない
B(良) : 微小な汚れが発生するが実用上問題ない
C(可) : 斑点状、線上の汚れが発生し、発生、消失を繰り返す。
D(悪い) : 汚れが発生し、消失しない
実施例1において、トナーの製造例2〜11で得られたトナー2〜11に変更した以外、実施例1と同様に評価を行った。表2及び表3に評価結果を示す。
101:熱風供給口
102:気流噴射部材
103:冷風供給口
104:第二の冷風供給口
106:冷却ジャケット
110:拡散エア
111:結露防止を目的とした気流供給口
112:複数の穴を持つ拡散部材
114:トナー
115:高圧エア供給ノズル
116:移送配管
Claims (7)
- 結着樹脂、及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と外添剤を有するトナーにおいて、前記トナー粒子は、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を含有し、該ビニル系樹脂成分が、構成単位として、スチレン系単位、エステル系単位、及びアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを含む樹脂成分であり、前記ワックスは脂肪族炭化水素系ワックスであり、前記トナー粒子は100℃以上、450℃以下の温度の熱風により表面処理を行うことにより得られたものであることを特徴とするトナー。
- 前記トナー粒子は、温度が100℃以上450℃以下の範囲である熱風中に、処理前の粒子を存在させることで粒子の表面処理を行うことにより得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記重合体は、ビニル系樹脂成分にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体、又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したビニル系樹脂成分を有するグラフト重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記結着樹脂がポリエステルユニットを有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
- 毛細管吸引時間法により計測され、下記(1)式により算出される、45体積%メタノール水溶液に対する前記トナーの表面張力指数が、3.0×10−3N/m以上1.0×10−1N/m以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
トナーの表面張力指数(N/m)=Pα/(A×B×106) ・・・(1)
Pα:45体積%メタノール水溶液に対するトナーの毛管圧力(N/m2)
A:トナーの比表面積(m2/g)
B:トナーの真密度(g/cm3) - 結着樹脂と、ワックスと、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体とを含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を含有する粒子を、熱風により表面処理して
トナー粒子を得る工程を有し、
該ビニル系樹脂成分が、構成単位として、スチレン系単位、エステル系単位、及びアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを含み、
前記ワックスは脂肪族炭化水素系ワックスであり、
前記表面処理の熱風の温度が100℃以上、450℃以下であることを特徴とする製造方法。 - 前記表面処理が、温度が100℃以上450℃以下の範囲である熱風中に、前記粒子を存在させることで行われることを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。
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