JP2018041016A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度状態にトナーが圧縮された状態にあっても、高温高湿環境の使用後半の「中抜け」、及び後低温低湿環境の使用後半の「尾引き」を抑制することができるトナー。【解決手段】結着樹脂、着色剤、及び荷電制御剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを含有するトナーであって、該無機微粒子が、シリカ原体及びシリコーンオイルを含むシリカ微粒子を含有し、該トナーは、該シリカ微粒子をトナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下含有し、該シリカ微粒子中の該シリコーンオイルの含有量が、該シリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上40.0質量部以下であり、該シリカ微粒子における該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が50質量%以上であり、該荷電制御剤のシリコーンオイル沈降試験において吸光度が1.85以下であることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法のような画像形成方法に使用されるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進み、さらなる高速化、高画質化、高安定化の要求が高まっている。例えば、従来ではオフィス内で使用されることが主流であったプリンターなどが、高温、高湿度などの環境下でも使用されるようになってきており、このような環境におかれた場合でも安定した画質を提供することが重要となっている。
特に、高画質化が要求される市場においては、より信頼性が要求される軽印刷(パソコンによる文書の編集からコピー、製本までの多品種少量印刷が可能なプリント・オン・デマンド用途)向けに使われ始め、製品寿命を通して安定した高画質が求められている。
さらに、近年、モノクロプリント市場では大量のテキスト画像を出力するニーズも増加しており、トナーカートリッジ1本当たりの印刷枚数を増やすと共に、トナーカートリッジ交換による中断回数の削減が求められている。トナーカートリッジ1本当たりの長寿命化を達成するために、トナー充填密度を高めた高密度充填カートリッジの検討が進められているが、高画質化と長寿命化を両立させるためには、未だ課題が多いのが実情である。
テキスト画像の画質を考えると、ライン画像のトナー載り量を均一にし、ライン画像の精細さやトナーの飛び散りを抑制する必要がある。特に、信頼性が要求される契約書やカタログでは、ライン画像の抜けやムラといったガサツキを抑制する必要がある。それは、縦ライン画像の中心部のトナー載り量が少ない「中抜け」、及び横ライン画像の後端部のトナー載り量が多い「尾引き」と呼ばれる課題である。
これに対して、近年、高温高湿環境におけるトナーの帯電特性や流動性を高める目的で、シリカ微粒子を高疎水性のコーティング剤で被覆する技術が採用されている(特許文献1及び2参照)。
さらに、高温高湿環境においてもトナーの帯電低下を抑制し、耐久性を高めるという目的で、高い帯電量を有し、著しく高い帯電立ち上がり性を有するピラゾロンモノアゾ金属錯体化合物の荷電制御剤を含有するトナーが提案されている(特許文献3参照)。あるいは、苛酷環境に放置した際の画質を安定化させる目的で、荷電制御剤の結晶構造を最適化し、他の材料との親和性を高める試みもある(特許文献4参照)。
特許第5739223号公報 特開2015−146037号公報 国際公開第2005/095523号 特開2014−78003号公報
しかしながら、長寿命化に対応した高密度充填カートリッジを苛酷環境に放置した際、特に、ライン幅が少ない所でのライン画像では、高温高湿環境に起きる「中抜け」と低温低湿環境に起きる「尾引き」と呼ばれる課題が顕在化しやすい傾向がある。
本発明の目的は、高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に静置した場合であっても、高温高湿環境での長期使用時の「中抜け」、及び低温低湿環境での長期使用時の「尾引き」を抑制することができるトナーを提供することにある。
結着樹脂、着色剤、及び荷電制御剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを含有するトナーであって、
該無機微粒子が、シリカ原体及びシリコーンオイルを含むシリカ微粒子を含有し、
該トナーは、該シリカ微粒子をトナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下含有し、
該シリカ微粒子中の該シリコーンオイルの含有量が、該シリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上40.0質量部以下であり、
該シリカ微粒子における該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が50質量%以上であり、
該荷電制御剤15mgを25℃の動粘度が50mm/sの該シリコーンオイル8.0gに分散させた分散液を、静置し、該分散液の経時変化を測定したシリコーンオイル沈降試験において、静置してから48時間後の該分散液の波長700nmの吸光度が、1.85以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に静置した場合であっても、高温高湿環境での長期使用時の「中抜け」、及び後低温低湿環境での長期使用時の「尾引き」を抑制することができるトナーが得られる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明は、結着樹脂、着色剤、及び荷電制御剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを含有するトナーであって、
該無機微粒子が、シリカ原体及びシリコーンオイルを含むシリカ微粒子を含有し、
該トナーは、該シリカ微粒子をトナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下含有し、
該シリカ微粒子中の該シリコーンオイルの含有量が、該シリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上40.0質量部以下であり、
該シリカ微粒子における該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が50質量%以上であり、
該荷電制御剤15mgを25℃の動粘度が50mm/sの該シリコーンオイル8.0gに分散させた分散液を、静置し、該分散液の経時変化を測定したシリコーンオイル沈降試験において、静置してから48時間後の該分散液の波長700nmの吸光度が、1.85以下であることを特徴とする。
本発明者らが検討した結果、上記トナーを用いることにより、高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に静置した場合であっても、低温低湿環境での長期使用時の「尾引き」、及び高温高湿環境での長期使用時の「中抜け」を抑制できることを見出した。
この理由について、以下に説明する。
高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に静置されると、温度、湿度、及び圧力の影響でトナー粒子間の接触面積が大きくなる。その結果、トナー粒子表面のシリカ微粒子が埋め込まれると共に、シリカ微粒子に固定されていないシリコーンオイルがトナー粒子表面を可塑化、及び被覆する。シリコーンオイルがトナー粒子表面を可塑化することで、静電潜像担持体上のトナー層の付着力が上昇する。さらに、シリコーンオイルがトナー粒子表面の帯電付与サイトとなる荷電制御剤を被覆することで摩擦帯電が阻害され、帯電特性が低下する。特に、テキスト画像の高画質化が重要視される市場では、わずかなレベルでの付着量上昇と帯電特性の低下が低温低湿環境での「尾引き」、及び高温高湿環境での
「中抜け」を引き起こし、テキスト画像の画質低下が顕著に表れることが明らかになった。
低温低湿環境の長期使用時に起きる「尾引き」とは、トナーの帯電分布がブロードになることで、静電潜像担持体の潜像に対して忠実にトナーが飛翔しないことで起きる現象である。特に、低温低湿環境下での使用後半では、固定化されていないシリコーンオイルが荷電制御剤を被覆することで、摩擦帯電が阻害され、帯電分布のブロード化が顕著に表れやすい。この結果、低温低湿環境では、帯電特性の不均一化により、ライン潜像に対してトナーが忠実に飛翔できなくなることで「尾引き」が発生しやすくなる。
特に、画像部と非画像部の境界領域では静電潜像担持体上の境界線が不明瞭になりやすく、帯電分布が不均一化したトナーにより、尾引きが生じやすくなる。また、画像形成装置の小型化のために現像スリーブの小径化が進むと、現像スリーブの周囲長が短くなることで、現像スリーブとトナーの摩擦帯電の機会が減少し、帯電立ち上がりが悪くなることで、「尾引き」が発生しやすい傾向になる。
高温高湿環境の長期使用時に起きる「中抜け」とは、静電潜像担持体上に形成されたトナー画像を記録媒体に転写する工程において、転写されずにトナーが静電潜像担持体上に残ることで、画像上に抜けやムラが生じて引き起こされる画像欠陥である。高温高湿環境の使用後半では、シリカ微粒子の埋め込み、シリコーンオイルによる可塑化が促進される傾向にある。その結果、静電潜像担持体上のトナー層の付着力上昇と帯電低下が起こり、転写工程で「中抜け」が起きやすい。
転写工程では、紙の裏面から紙に、トナーとは逆の極性の電荷を与えることで、トナーを静電潜像担持体の表面から紙へ転写している。このため、静電潜像担持体上のトナー層の付着力上昇と帯電低下が起こると、紙への飛翔力が弱まり、転写工程で中抜けが起きやすい。特に、画像形成装置を高速化すると、機内昇温によりトナーへの負荷が大きくなることでトナー劣化が促進され、「中抜け」が発生しやすい傾向にある。
上記、低温低湿環境での長期使用時の「尾引き」、及び高温高湿環境での長期使用時の「中抜け」は、シリカ微粒子に固着されていない少量のシリコーンオイルがトナー表面に付着することで生じやすい。
本発明のトナーは、シリコーンオイルを含有するシリカ微粒子を用いた場合に、シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイルが及ぼす付着力上昇と帯電特性の低下を抑制することで、低温低湿環境での「尾引き」、及び高温高湿環境での「中抜け」を抑えている。
即ち、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、トナーの帯電特性の低下と付着力上昇に関しては、シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性、及びシリカ微粒子に含有されるシリコーンオイルの内、固定化されていないシリコーンオイル量を制御することが重要であること明らかとなった。つまり、シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性、及びシリカ微粒子に固定化されていないシリコーンオイル量を制御することにより、固定化されていないシリコーンオイルが荷電制御剤を介してシリコーンオイルが結着樹脂に染み込むことで、荷電制御剤の帯電性能低下と結着樹脂の付着力上昇を抑制することができることが明らかとなった。
シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性は、シリコーンオイル中での荷電制御剤の沈降試験において、荷電制御剤の沈降特性を一定の値以下にすることで制御することができる。また、シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイルの内、固定化されていないシリコーンオイル量は、シリカ微粒子の添加量、シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイル量、及びシリコーンオイルの固定化率により制御することができる。
シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性、及びシリカ微粒子に含有されるシリコーンオイルの内、固定化されていないシリコーンオイル量を制御することが、帯電特性の低下と付着力上昇の抑制につながる理由について、本発明者らは以下のように考えている。
シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイルの内、固定化されていないシリコーンオイル量を制御することにより、トナー表面に移行するシリコーンオイル量を抑制し、トナー表面の結着樹脂の可塑化を抑制する。さらに、シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性を制御することにより、トナー表面に移行したシリコーンオイルがトナー表面の荷電制御剤を被覆することを抑制する。この結果、シリカ微粒子固定化されていないシリコーンオイルがトナー粒子表面の荷電制御剤を被覆することを抑制し、さらに、トナー表面の結着樹脂を可塑化することを抑制していると考えている。
以上のことより、高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に静置したトナーを用いても、高温高湿環境の使用後半の中抜けの抑制、及び低温低湿環境の使用後半の尾引きを、高いレベルで両立することが可能となっていると考えられる。
本発明では、荷電制御剤15.0mgを25℃の動粘度が50mm/sのシリコーンオイル8.0gに分散させた分散液を、静置し、該分散液の経時変化を測定したシリコーンオイル沈降試験において、静置してから48時間後の該分散液の波長700nmの吸光度が1.85以下であることが必要である。
上記、シリコーンオイル中での荷電制御剤の沈降試験において、静置してから48時間後の該分散液の波長700nmの吸光度が1.85を超えると、シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性が高まる。これにより、高密度にトナーが充填された状態で苛酷環境に保管されると、トナー粒子間の接触面積が増加することで、シリカ微粒子に固定化されていないシリコーンオイルによりトナー表面の荷電制御剤が覆われ易くなる。
この結果、トナー粒子表面の荷電制御剤による摩擦帯電が阻害され、トナーの帯電特性が低下し、低温低湿環境での尾引きが発生しやすくなる。さらに、シリコーンオイルと荷電制御剤の親和性が高まることで、シリコーンオイルが荷電制御剤から結着樹脂に染み込むことにより、トナー粒子表面を可塑化し、トナーの付着力が上昇することで、高温高湿環境の中抜けが発生しやすくなる。
該吸光度は1.80以下であることが好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは1.70以上、より好ましくは1.72以上である。該吸光度は、荷電制御剤の化学構造を変更することにより制御できる。
本発明では、該シリカ微粒子の含有量が、トナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下であることが必要である。シリカ微粒子の含有量が0.40質量部未満であると、トナーの付着力が上昇し、中抜けが発生しやすくなる。中抜けは、苛酷環境に静置した後、高温高湿環境の使用後半でシリカ微粒子が埋め込まれることで発生しやすい。一方、1.50質量部を超えると、シリカ微粒子が部材汚染を起こすことで、使用後半で帯電特性が低下し、尾引きが発生しやすくなる。
また、該シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量がシリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上40.0質量部以下であることが必要である。さらに、該シリカ微粒子における該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が50質量%以上である。
シリカ微粒子の添加量、シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイル量、及びシリコーンオイルの固定化率が上記範囲にあると、シリカ微粒子に固定化されていないシリコーンオイル量が適正となる。固定化されていないシリコーンオイル量が多い場合、トナーの付着力が上昇し、中抜けが発生しやすくなる。
シリカ微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部あたり0.80質量部以上1.40質量部以下であることが好ましい。該シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量がシリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
また、該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は70質量%以上であることが好ましい。上限は特に制限されないが、該固定化率は、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。該固定化率は、シリカ微粒子に含有されるシリコーンオイ
ルの種類、シリコーンオイルの含有量、シリコーンオイル処理時の反応温度、及びシラン化合物等のシリコーンオイル以外の表面処理剤を使用する場合はシリコーンオイル以外の表面処理剤とシリコーンオイルの処理順により制御できる。
本発明では、シリカ微粒子に含有される固定化されていないシリコーンオイル量がトナー粒子100質量部あたり0.30質量部以下であることが好ましい。より好ましくは0.085質量部以下であり、さらに好ましくは、0.072質量部以下である。これは、上述したように、トナーに含有される固定化されていないシリコーンオイル量を一定の範囲内に制御することにより、固定化されていないシリコーンオイルによるトナー付着力上昇とトナー帯電分布のブロード化を抑制することができるためである。
シリコーンオイルの25℃の動粘度は50mm/s以上200mm/s以下であることが好ましく、50mm/s以上100mm/s以下であることがより好ましい。シリコーンオイルの25℃の動粘度が上記範囲内であることで、シリコーンオイルによるトナー付着力上昇を抑制できるためである。該動粘度は、異なる粘度の標準粘度シリコーンオイルを混合することにより制御することができる。
なお、シリコーンオイルの動粘度を測定する装置としては、全自動微量動粘度計(ビスコテック(株)製)が挙げられる。
無機微粒子としては、シリカ微粒子を含有する。シリカ微粒子としては以下のものを用いることができる。シリカ微粒子は、シリカ原体及びシリコーンオイルを含む。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粒子であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものをシリカ原体として用いることができる。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ原体としてはそれらも包含する。
シリカ微粒子は、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的でシリコーンオイルを含有している。その他、有機ケイ素化合物、長鎖脂肪酸などを併用して処理されていてもよい。
上記シリコーンオイルとして、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
上記有機ケイ素化合物として、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどが挙げられる。これら有機ケイ素化合物は、一種類を用いてもよいし、二種類以上の混合物として用いてもよい。
上記長鎖脂肪酸として、炭素数10〜22の脂肪酸を好適に用いることができるが、直鎖脂肪酸であってもよいし、分岐脂肪酸であってもよい。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも用いることが可能である。
この中でも、炭素数10〜22の直鎖の飽和脂肪酸はシリカ微粒子の表面を均一に処理しやすい点で、より好ましい。
直鎖の飽和脂肪酸として、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
シリカ原体をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、有機ケイ素化合物で処理されたシリカ原体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて直接混合する方法や、シリカ原体にシリコーンオイルを噴霧する方法が挙げられる。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散させた後、シリカ原体を加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。
シリカ微粒子は一次粒子の個数平均粒径(D1)の異なる2種類のシリカ微粒子Aとシリカ微粒子Bを含有することが好ましい。そして、シリカ微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径が5nm以上20nm以下であり、シリカ微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径が25nm以上150nm以下であることが好ましい。
上記一次粒子の個数平均粒径の異なる2種類のシリカ微粒子を含有することで、高密度にトナーが充填された状態で高温高湿環境に静置した場合であっても、シリカ微粒子のトナー表面への埋め込みを抑制できるため、トナー付着力の上昇が抑えられる。即ち、粒径の大きいシリカ微粒子Bがトナー表面を被覆することで、上記高密度状態にトナーがおかれた場合でも、トナー間の接触面積を減らすことができるため、シリカ微粒子のトナー表面への埋め込みを抑制することができる。
また、粒径の小さいシリカ微粒子Aがトナー表面を被覆することで、トナーとして高い帯電性と流動性を得ることができる。この結果、高密度にトナーが充填された状態で高温高湿環境に静置した場合であっても、高温高湿環境の中抜けと低温低湿環境の尾引きがより抑制される。なお、2種類のシリカ微粒子Aとシリカ微粒子Bが添加されている時のシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は、シリカ微粒子Aの固定化率とシリカ微粒子Bの固定化率の平均値とする。
トナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したクロマトグラムにおいて、分子量1000以下の成分の量が15.0質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、分子量1000以下の成分の量が10.0質量%以下である。分子量1000以下の成分の量は、使用する結着樹脂の種類により制御できる。
分子量1000以下の成分量を15.0質量%以下に制御することにより、固定化されていないシリコーンオイルがトナー粒子表面の結着樹脂を可塑化するのを抑制することができる。分子量1000以下の低分子量成分はシリコーンオイルにより可塑化されるため、低分子量成分の量を抑制することで高温高湿環境の使用後半の現像性、転写性がさらに良くなる。
本発明のトナーは、結着樹脂がポリエステル樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂がポリエステル樹脂を含有することは、現像性と定着性の両立の点で好ましい。これは、結着樹脂がポリエステルを含有することで、現像性を低下させずにポリエステルの溶融特性を生かして低温定着性を伸ばすことができるからであると本発明者らは考えている。
ポリエステルの組成は例えば以下の通りである。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、芳香族ジオールとしては、下記式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体、下記式(B)で示されるジオール類。
Figure 2018041016

(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
Figure 2018041016
酸成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上18以下のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
上記ポリエステルは通常一般に知られている縮重合によって得られる。
結着樹脂として用いる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの保管性の観点から50℃以上75℃以下である事が好ましい。
また同様の観点から、軟化点は80℃以上150℃以下であることが好ましい。
また結着樹脂として用いる樹脂の重量平均分子量は、トナーの耐久性と、定着性の観点から、8,000以上1,200,000以下、好ましくは40,000以上300,000以下であることが好ましい。
結着樹脂として用いる樹脂の酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である事が、トナーの耐久性や帯電立ち上がり性の観点から好ましい。
結着樹脂として用いる樹脂は、1種類であってもよいが、複数種併用してもよい。
結着樹脂にビニル系樹脂を用いてもよく、構成するビニル系モノマーとしては、次の化合物が挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのようなスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルのようなビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸又はメタクリル酸誘導体。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンのようなヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
結着樹脂に用いられるビニル系樹脂は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び
以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10.00質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記ビニル系樹脂の重合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドのようなケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート。
荷電制御剤は、一次粒子の個数平均粒径(D1)が0.80μm以上2.00μm以下であることが好ましく、0.90μm以上1.50μm以下であることがより好ましい。
荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒径が上記範囲内であると、荷電制御剤をトナー粒子内で分散させた時に、適切な量がトナー粒子表面に露出することができるため、帯電付与剤としての効果を高めることができる。即ち、トナー粒子間の帯電特性のバラツキを抑制することができ、トナーが高密度充填された状態で苛酷環境に静置されたとしても、高温高湿環境の中抜けと低温低湿環境の尾引きを抑制しやすくなる。荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒径は、錯体化反応時間等の荷電制御剤の製造条件により制御できる。
荷電制御剤は、式[1]で表される化合物であることが好ましい。各種荷電制御剤の中でも式[1]で表されるピラゾロンモノアゾ金属錯体化合物は、高い帯電量と高い帯電立ち上がり性を有する。このため、トナー一粒当たりの帯電特性のバラツキを抑制すること
ができ、トナーが高密度充填された状態で苛酷環境に静置されたとしても、高温高湿環境の中抜けと低温低湿環境の尾引きを抑制しやすい。
Figure 2018041016
(式中、A、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。Bは水素原子又はアルキル基を示す。Mは、Fe原子、Cr原子、又はAl原子を示し、Xは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はこれらの混合イオンを示す。)
荷電制御剤は、下記式[2]で表される化合物であることがより好ましい。式[2]で表される荷電制御剤は配位金属を鉄原子とし、配位子に塩素原子を付加することでシリコーンオイルとの親和性を制御することができる。この理由について、本発明者らは以下のように考えている。
下記式[2]で表される化合物はピラゾロン骨格を複数持つことで、電子を安定して複数保持することができ、シリコーンオイル(好ましくは無極性のジメチルシリコーンオイル)との親和性を本発明の範囲内に制御しやすい。即ち、シリコーンオイルがトナー粒子表面を被覆した際にも、荷電制御剤を覆いにくくなり、帯電特性の低下を抑制することができるため、高温高湿環境の中抜けと低温低湿環境の尾引きを抑制しやすい。
Figure 2018041016
(式中、Xは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はこれらの混合イオンを示す。)
式[2]で表される荷電制御剤は、公知の方法を用いて製造することができる。以下に代表的な製造方法を記載する。まず、4−クロロ−2−アミノフェノールに、塩酸や硫酸のような鉱酸を加え、液温が5℃以下になったら、水に溶解させた亜硝酸ナトリウムを液温10℃以下に維持しながら滴下する。10℃以下で30分〜3時間以下撹拌して反応させることにより、4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化する。スルファミン酸を
加え、ヨウ化カリウムでんぷん紙により過剰に亜硝酸が残存していないことを確認する。
次に、カップリング成分である3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロン、水酸化ナトリウムの水溶液、炭酸ナトリウム、有機溶媒を添加し、室温で攪拌溶解する。そこに前記ジアゾ化合物を注加し、室温で数時間攪拌し、カップリングを行う。撹拌後、ジアゾ化合物とレゾルシンとの反応がないことを確認し反応終了とする。水を加えた後十分に攪拌し、静置してから分液する。さらに水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌洗浄し分液を行う。これによって、モノアゾ化合物の溶液を得る。
上記カップリングの際に使用する有機溶媒としては、1価アルコール、2価アルコール、ケトン系有機溶媒が好ましい。1価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、エチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜4)エーテルが挙げられる。2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。ケトン系としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
次に、金属化反応を行う。上記モノアゾ化合物の溶液に、水、サリチル酸、n−ブタノール、炭酸ナトリウムを添加し攪拌する。配位金属として鉄を用いる場合は、塩化第二鉄水溶液と炭酸ナトリウムを添加する。
液温を30℃〜40℃に昇温し、TLCで反応を追跡する。5時間〜10時間経過後、原料のスポットが消失したことを確認し、反応終了とする。攪拌停止後、静止し、分液を行う。更に水、n−ブタノール、水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ洗浄を行う。濾過を行い、ケーキを取り出し、水で洗浄する。
さらに、荷電制御剤の粒度分布をシャープにするために、以下の処理をしてもよい。上記で水洗浄したケーキを有機溶剤に溶解させる。この時用いる有機溶剤としては、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1価アルコール、2価アルコールが好
ましい。1価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、エチレングリコールモノアルキル(炭素数1〜4)エーテルが挙げられる。2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。
この溶解液を50℃に昇温し、撹拌させながら水を添加していくことで、徐々に荷電制御剤を析出させる。あらかじめ水に消泡剤を添加し、系内で発生する泡を除去することがより好ましい。冷却濾過後、水によりケーキを洗浄し、さらにケーキを真空乾燥して荷電制御剤を得る。この処理をすることで、荷電制御剤の粒度分布がシャープになり、本発明の効果をより得られやすくなる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量部以上5.0質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以上3.0質量部以下である。
トナーには磁性材料を含有させ磁性トナーとしてもよい。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。
磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
これらの磁性材料は平均粒子径が、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100質量部に
対し20質量部以上200質量部以下が好ましい。
着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック、グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好ましい。
トナーは、定着時の離型性を付与するために、離型剤を含有してもよい。
例えばポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。
また、これらの離型剤を、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものなどがある。
離型剤の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋アドレ株式会社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
離型剤の含有量は結着樹脂100.0質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下が好ましい。
離型剤の融点ピーク温度は、トナーの耐久性と低温定着性の観点から、60℃以上180℃以下であることが好ましく、70℃以上110℃以下であることがより好ましい。
本発明のトナーは、現像性や定着性のバランスの観点から、重量平均粒径(D4)が、5.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、より好ましく5.5μm以上9.5μm以下である。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、例えば粉砕法や、乳化重合法、懸濁重合法及び溶解懸濁法などを用いることができる。
粉砕法では、まず、トナー粒子を構成する結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、必要に応じてワックス等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分に混合する。次いで、得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後、粉砕及び分級を行う。これによって、トナー粒子を得られる。
さらに必要に応じ所望の外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により充分混合し
、トナーを得ることもできる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。FMミキサ(日本コークス工業株式会社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井三池化工機社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<荷電制御剤のシリコーンオイル沈降試験>
荷電制御剤のシリコーンオイル中での沈降試験方法について以下に述べる。
(1)荷電制御剤15mg、25℃の動粘度が50mm/sのシリコーンオイル8.0gを15mlバイアル瓶に秤量する。シリコーンオイルとしては、シリカ微粒子の表面処理に用いたシリコーンオイルと同じ種類のものを、動粘度を調整して用いる。例えば、後述の実施例ではジメチルシリコーンオイルでシリカ微粒子を処理しているため、当該試験においてジメチルシリコーンオイルを用いる。
(2)超音波式ホモジナイザーVP−050(タイテック株式会社製)を用いて、下記超音波分散条件で荷電制御剤をシリコーンオイル中に分散させる。
[超音波分散装置/条件]
装置:超音波式ホモジナイザーVP−050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、且つバイアル底面から5mmの高さ
超音波条件:強度30%(強度15W、120W/cm)、3分間。このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
(3)15mlバイアル瓶に振動が加わらない所で48時間静置し、静置後の上層のシリコーンオイル4mlを採取する。
(4)採取したシリコーンオイルを用いて、下記手順で吸光度を測定する。
採取したシリコーンオイルを石英セルに入れ、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて吸光度を測定する。波長700nm時の吸光度の値を荷電制御剤の濃度として測定する。また、このとき対照セルには25℃の動粘度が50mm/sのシリコーンオイル単品を入れておく。後述の実施例においては、シリコーンオイルとして、ジ
メチルシリコーンオイルを用いる。
測定条件:スキャン速度(中速)、スリット幅(0.5nm)、サンプリングピッチ(2nm)、測定範囲(800nm〜350nm)
吸光度の測定原理は以下の通りである。
A=log10(I0/I)
A:吸光度
I0:入射光強度
I:透過光強度
<シリカ微粒子の分離方法>
以下の方法で、トナーからシリカ微粒子を分離して、その物性を測定することもできる。
(1)磁性トナーの場合
まず、イオン交換水100mLに、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)を6mL入れ分散媒を作製する。この分散媒に、トナー5gを添加し、超音波分散機で5分間分散させる。その後、いわき産業(株)製「KM Shaker」(model: V.SX)にセットし、1分当たり350往復の条件で20分間振盪する。
その後、ネオジム磁石を用いてトナー粒子を拘束し、上澄みを採取する。この上澄みを乾燥させることにより、シリカ微粒子とトナー粒子を分離し、シリカ微粒子を採集する。十分な量のシリカ微粒子を採集することができない場合には、この作業を繰り返して行う。
この方法では、シリカ微粒子以外の外添剤が添加されている場合には、シリカ微粒子以外の外添剤も採集される。このような場合には、採集された外添剤から、遠心分離法などを利用して、シリカ微粒子を選別すればよい。
(2)非磁性トナーの場合
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンNを入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブを上記シェイカーにて1分当たり350往復の条件で20分間振盪する。振盪後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて、3500rpm、30分の条件で遠心分離を行う。遠心分離後のガラスチューブ内においては、最上層にはトナーが存在し、下層の水溶液側にはシリカ微粒子が存在する。下層の水溶液を採取して、遠心分離を行い、ショ糖とシリカ微粒子とを分離し、シリカ微粒子を採集する。必要に応じて、遠心分離を繰り返し行い、分離を十分に行った後、分散液を乾燥し、シリカ微粒子を採集する。
磁性トナーの場合と同様に、シリカ微粒子以外の外添剤が添加されている場合には、シリカ微粒子以外の外添剤も採集される。そのため、採集された外添剤から、遠心分離法などを利用して、シリカ微粒子を選別する。
<シリカ微粒子の炭素量の測定方法>
シリカ微粒子の疎水化処理剤に由来する炭素量は、HORIBA社製の炭素・硫黄分析装置(商品名:EMIA−320)を用いて測定する。サンプルであるシリカ微粒子0.3gを精秤し、上記炭素・硫黄分析装置用のルツボに入れる。これに、助燃剤としてスズ(補用品番号9052012500)0.3g±0.05g、タングステン(補用品番号9051104100)1.5g±0.1gを添加する。その後、上記炭素・硫黄分析装置付属の取り扱い説明書記載に従い、シリカ微粒子を酸素雰囲気中にて1100℃で加熱する。これによって、シリカ微粒子の表面の疎水化処理剤に由来する疎水基がCOに熱
分解されるため、その量を測定する。得られたCOの量からシリカ微粒子に含有される炭素量(質量%)を求め、これを疎水化処理剤に由来する炭素量(以下単に「炭素量」ともいう。)とする。
<シリカ微粒子における、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率の測定方法>
(固定化されていないシリコーンオイルの抽出)
三角フラスコにシリカ微粒子0.50g及びクロロホルム40mLを入れ、蓋をして2時間撹拌する。その後、撹拌を止めて、12時間静置する。次に、遠心分離して、上澄み液をすべて取り除く。遠心分離は、KOKUSAN社製の遠心分離機(商品名:H−9R)を用い、Bn1ローター及びBn1ローター用ポリ遠沈管を用い、20℃、10000rpm、5分の条件で行う。
遠心分離されたシリカ微粒子を再度三角フラスコに入れ、クロロホルム40mLを添加し、蓋をして2時間撹拌する。その後、撹拌を止めて、12時間静置する。次に、遠心分離して上澄み液をすべて取り除く。この操作をさらに2回繰り返す。そして、得られたサンプルを、恒温槽を用いて50℃にて2時間乾燥させる。さらに0.07MPaに減圧し50℃にて24時間乾燥させて、クロロホルムを十分に揮発させる。
(炭素量測定)
上記のようにクロロホルムにより処理したシリカ微粒子の炭素量と、クロロホルムによる処理をする前のシリカ微粒子の炭素量とを、上記の“シリカ微粒子の炭素量の測定方法”と同様にして測定する。シリカ微粒子におけるシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は、下式により、算出することができる。
シリカ微粒子におけるシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率(%)=(クロロホルムにより処理したシリカ微粒子の炭素量/シリカ微粒子の炭素量)×100
なお、シラン化合物等で疎水処理後にシリコーンオイルによる表面処理を行っている場合は、シラン化合物等で疎水処理後に“シリカ微粒子の炭素量の測定方法”に従ってシリカ微粒子中の炭素量を測定し、シリコーンオイル処理後に、シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(クロロホルムにより処理したシリカ微粒子の炭素量)/[(シリカ微粒子の炭素量−シラン化合物等で疎水処理後のシリカ微粒子の炭素量)]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
一方、シリコーンオイルによる表面処理後にシラン化合物等で疎水処理を行っている場合は、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(クロロホルムにより処理したシリカ微粒子の炭素量)/[(シリカ微粒子の炭素量)−(シラン化合物等で疎水処理前のシリカ微粒子の炭素量)]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
シリカ微粒子としては、原材料として使用したシリカ微粒子を用いてもよいが、前述した、トナーからのシリカ微粒子の単離方法に準じて単離したシリカ微粒子を用いてもよい。
<シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の測定方法>
(1)シリカ微粒子中のシリコーンオイル含有量の検量線作成
シリカ原体100質量部に対して、5質量部の25℃の動粘度が50mm/sのシリコーンオイル(シリカ微粒子の表面処理に用いたシリコーンオイルと同じ種類のもの。例えば、後述の実施例ではジメチルシリコーンオイルを用いる)で疎水化処理したシリカ微粒子の標準品を用いて、上述の“シリカ微粒子の炭素量の測定方法”と同様にして炭素量を測定する。同様に、10質量部、20質量部、及び40質量部のシリコーンオイルで疎水化処理したシリカ微粒子の標準品を用いて、炭素量を測定する。得られたシリコーンオイル由来の炭素量(質量%)を縦軸に、ジメチルシリコーンオイルの添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
(2)シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の定量
次に、上述の“シリカ微粒子の炭素量の測定方法”と同様にして、シリカ微粒子の炭素量を測定する。そして、シリカ微粒子の炭素量と上記の検量線からシリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量を求める。
<トナー中のシリカ微粒子の定量方法>
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー約4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mm、直径約39mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
(1)トナーからシリカ微粒子の分離
上記シリカ微粒子の分離方法と同様の方法により、シリカ微粒子を分離したトナー粒子を得る。
(2)シリカ微粒子の定量
上記トナー粒子100質量部に対して、シリカ(SiO)微粒子を0.10質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を0.20質量部、0.50質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象のトナーを、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線からトナー中のシリカ微粒子含有量を求める。
<トナー中に含有されるシリカ微粒子由来のシリカ微粒子に固定化されていないシリコーンオイル量の計算方法>
固定化されていないシリコーンオイル量は上記の“トナー中のシリカ微粒子の定量方法”から得られるトナー中のシリカ微粒子の含有量、上記“シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の測定方法”から得られるトナー中に含有されるシリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量、及び上記“シリカ微粒子における、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率の測定方法”から得られるシリカ微粒子における、シリコーンオイルの固定化率から、下記の通り計算する。
(固定化されていないシリコーンオイル含有量)=(トナー粒子100質量部に対するトナー中のシリカ微粒子の含有量)×(シリカ原体100質量部に対するシリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量)×[100−(シリカ微粒子における、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率)]/100
<シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、日立超高分解能電界放出形走査電
子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されるトナー表面のシリカ微粒子画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてシリカ微粒子のチャージアップが少ないため、シリカ微粒子の粒径を精度良く測定することができる。
S−4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]及び[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)シリカ微粒子の個数平均粒径(D1)の算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー表面上の少なくとも300個のシリカ微粒子について粒径を測定して、平均粒径を求める。ここで、シリカ微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)を得る。
<荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の測定方法>
荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の測定は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業後の測定及び解析条件で測定する。具体的な測定方法は、以下のとおりである。
まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加
える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となるように適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像測定装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個の荷電制御剤を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径0.50μm以上39.69μm未満に限定し、荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒子径(D1)を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間ごとに焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本発明においては、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用する。解析粒子径を円相当径0.50μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときの測定及び解析条件で測定を行う。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長Lなどが計測される。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、投影面積Sから計算することができる。本発明の荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒子径(D1)は上記円相当径のことを指す。
<トナーの分子量の測定方法>
本発明において、トナーの分子量は、上記シリカ微粒子の分離方法で得られたトナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)可溶分を用いて、GPCにより以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナー粒子をTHFに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作製した分子量校正曲線を使用する。(トナー粒子のTHF可溶分における分子量1000以下の成分の量)
上記、GPCの測定において、標準ポリスチレン試料により作成された検量線を用いて、分子量が1000になる溶出時間を算出した。そして、分子量1000の溶出時間以前と以降の溶液を分取する。分取したサンプルは室温にて48時間静置した後、真空乾燥機で50℃、24時間十分乾燥させる。乾燥したサンプルの重量を測定し、分子量1000以下の成分の量を下記式により算出した。
分子量1000以下の成分の量(質量%)=(分子量1000以下の質量)/{(分子量1000以上の質量)+(分子量1000以下の質量)}×100
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<シリコーンオイルの動粘度の測定>
シリコーンオイルの動粘度を測定する装置としては、全自動微量動粘度計(ビスコテック(株)製)を用い、25℃における粘度を測定した。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数又は%は、特に断りのない限り全て質量基準である。
<磁性体1の製造>
硫酸第一鉄を用い、Fe2+を2.0mol/リットル含有する硫酸鉄水溶液50リットルを調製した。また、ケイ酸ナトリウムを用い、Si4+を0.23mol/リットル含有するケイ酸ナトリウム水溶液10リットルを調製し、これを前記硫酸鉄水溶液に添加した。次いで、混合した水溶液に5.0mol/リットルのNaOH水溶液42リットルを撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12.0、温度90℃に調整し、30リットル/minの空気を吹き込み、水酸化第一鉄の50%が磁性酸化鉄粒子になるまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20リットル/minの空気を吹き込み、次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで10リットル/minの空気を吹き込んだ。さらに磁性酸化鉄粒子の割合が90%を超えた時点で、空気を5リットル/min吹き込んで酸化反応を完結させ、八面体形状のコア粒子を含むスラリーを得た。
得られたコア粒子を含むスラリーに、ケイ酸ナトリウムの水溶液(Siを13.4質量%含有)を94mlと、硫酸アルミニウム水溶液(Alを4.2質量%含有)を288ml同時に投入した。その後、スラリーの温度を80℃に、pHを希硫酸によって5以上9以下に調整し、コア粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成した。得られた磁性体を常法により濾過し、乾燥、粉砕を行い、磁性体1を得た。磁性体1の個数平均粒径(D1)は0.12nm、保磁力(Hc)は11.5kA/m、飽和磁化(σs)は85.0Am/kg、残留磁化(σr)は14.0Am/kgであった。
<荷電制御剤(C−1)の製造例>
水76.5部及び35%塩酸15.2部の混合溶液中に、4−クロロ−2−アミノフェノールの10部を加え、冷却下で撹拌した。氷冷し、溶液の温度が0℃〜5℃になるように維持し、水24.6部に溶解させた亜硝酸ナトリウム13.6部を塩酸水溶液に滴下し、2時間撹拌しジアゾ化した。これにスルファミン酸で過剰の亜硝酸を消失させた後、濾過を行ってジアゾ溶液とした。
次に、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロンの12.0部を水87部、25%水酸化ナトリウム12.1部、炭酸ナトリウム4.9部、及びn−ブタノール104.6部の混合溶液に添加し溶解させた。そこに上記ジアゾ溶液を加え、温度20℃〜22℃で4時間攪拌し、カップリング反応を行った。その後、水92.8部、
25%水酸化ナトリウム水溶液43.5部を加え攪拌洗浄し、下層の水層を分液除去した。
次に、水42.2部、サリチル酸5.9部、ブタノール24.6部、及び15%炭酸ナトリウム48.5部を上記反応液に添加し攪拌した。さらに、38%塩化第二鉄水溶液15.1部と15%炭酸ナトリウム18.0部を加え、酢酸で反応液のpHを4.5に調整した。液温を温度30℃に昇温した後、8時間攪拌し錯体化反応を行った。攪拌停止後、静置して下部水層を分液した。更に水189.9部を加え攪拌洗浄し、下部水層を分液した。濾過後、水253部でケーキを洗浄した。温度60℃で24時間真空乾燥の後、モノアゾ金属錯体化合物である荷電制御剤(C−1)を得た。
赤外吸収スペクトル、可視部吸収スペクトル、元素分析(C,H,N)、原子吸光分析、マススペクトルより、荷電制御剤(C−1)の構造を同定したところ、上記式[2]の構造(Xは、H)であることを確認した。荷電制御剤(C−1)の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、1.41μm、ジメチルシリコーンオイル中の荷電制御剤の分散試験で静置して48時間後の波長700nm時の吸光度は、1.75であった
<荷電制御剤(C−2)〜(C−5)の製造例>
荷電制御剤(C−1)の製造例において、錯体化反応の時間を変更することで、荷電制御剤(C−2)〜(C−5)を得た。荷電制御剤荷電制御剤(C−2)〜(C−5)の構造を同定したところ、式[2]の構造であることを確認した(Xは、H)。物性を表1に示す。
<荷電制御剤(C−6)の製造例>
荷電制御剤(C−1)の製造例において、3−メチル−1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−ピラゾロンを3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンに変更した。それ以外は、荷電制御剤(C−1)の製造例と同様にして、荷電制御剤(C−6)を得た。
荷電制御剤荷電制御剤(C−6)の構造を同定したところ、下記構造であることを確認した。荷電制御剤(C−6)の物性を表1に示す。
Figure 2018041016
<荷電制御剤(C−7)>
荷電制御剤(C−7)には、保土谷化学社製のT−77を使用した。荷電制御剤(C−7)の構造下記に示す。なお、a+b+cは1である。また、物性を表1に示す。
Figure 2018041016
Figure 2018041016
<結着樹脂(B−1)の製造例>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.2mol付加) 60.0部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.2mol付加) 40.0部
・テレフタル酸 77.0部
上記ポリエステルモノマー混合物をモノマー総量に対して、0.2質量%のジブチル錫オキシドとともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、Nガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にNガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂(B−1)を得た。結着樹脂(B−1)のガラス転移温度(Tg)は56℃、軟化点(Tm)は126℃、分子量1000以下の比率は8.4質量%であった。
<結着樹脂(B−2)〜(B−4)の製造例>
結着樹脂(B−1)の製造例において、重縮合反応の反応時間を調整することで、結着樹脂(B−2)〜(B−4)を得た。物性を表2に示す。
<結着樹脂(B−5)の製造例>
・スチレン 75.3部
・アクリル酸n−ブチル 20.0部
・アクリル酸 4.7部
・ジビニルベンゼン 0.05部
2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
(半減期10時間温度;92℃) 0.08部
4つ口フラスコに脱気水180部とポリビニルアルコールの2%水溶液20部を投入した後、上記混合液を加え、撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、80℃まで昇温して重合し、24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間温度;72℃)0.1部を追加添加し、さらに、12時間保持して重合を完了した。その後、還流下で十分に混合した後、有機溶剤を留去して結着樹脂(B−5)を得た。結着樹脂(B−5)の物性を表2に示す。
Figure 2018041016
<シリカ微粒子(S−1)の製造例>
ジメチルシリコーンオイル(温度25℃における動粘度:50mm/s)10部をヘキサン10,000部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(シリカ原体;球形、BET比表面積:300m/g)100部を徐々に添加し、温度130℃で反応させた後に溶剤を除去した。その後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理し、シリカ微粒子(S−1)を得た。得られたシリカ微粒子(S−1)の一次粒子の個数平均粒径は14nmであった。シリカ微粒子(S−1)の物性を表3に示す。シリカ微粒子(S−1)のシリカ原体100部に対するシリコーンオイルの含有量は、上述の“シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の定量”に基づいて測定したところ、10質量部であった。
<シリカ微粒子(S−2)の製造例>
90%のメタノール水10部、及びへキサメチルジシラザン10部をヘキサン10,000部に溶解させた液に、フュームドシリカ(シリカ原体;球形、BET比表面積:90m/g)100部をいれて反応させた。そして、溶剤及び副生成物を除去し、ピン式解砕装置を用いて解砕処理したものを、ジメチルシリコーンオイル(温度25℃における動粘度:100mm2/s)10部をヘキサン10,000部で希釈した溶液に徐々に入れ
温度130℃で反応させたてシリカ微粒子(S−2)を得た。得られたシリカ微粒子(S−2)の一次粒子の個数平均粒径は26nmであった。シリカ微粒子(S−2)の物性を表3に示す。シリカ微粒子(S−2)のシリカ原体100部に対するシリコーンオイルの含有量は、上述の“シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の定量”に基づいて測定したところ、10質量部であった。
<シリカ微粒子(S−3)〜(S−7)の製造例>
シリカ微粒子(S−1)の製造例において、シリカ原体のBET比表面積、ジメチルシリコーンオイルの添加部数、ジメチルシリコーンオイルの25℃の動粘度を変化させること以外は同様にして、表3に示すとおりにシリカ微粒子(S−3)〜(S−7)を製造した。物性を表3に示す。シリカ微粒子(S−3)〜(S−7)のシリカ原体100部に対
するシリコーンオイルの含有量は、上述の“シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の定量”に基づいて測定したところ、表3のシリカ原体100部に対するシリコーンオイルの添加量(質量部)と同じ値であった。
<シリカ微粒子(S−8)の製造例>
シリカ微粒子(S−2)の製造例において、シリカ原体のBET比表面積、シラン化合物の添加部数、ジメチルシリコーンオイルの添加部数、ジメチルシリコーンオイルの25℃の動粘度を変化させること以外は同様にして、表3に示すとおりにシリカ微粒子(S−8)を製造した。得られたシリカ微粒子(S−8)の物性を表3に示す。シリカ微粒子(S−8)のシリカ原体100部に対するシリコーンオイルの含有量は、上述の“シリカ微粒子中のシリコーンオイルの含有量の定量”に基づいて測定したところ、23質量部であった。
Figure 2018041016
<トナー粒子1の製造例>
・結着樹脂(B−1):100.0部
・磁性体1:40部
・フィッシャートロプッシュワックス:2.0部
(サゾール社製C105、融点:105℃)
・荷電制御剤(C−1):1.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)にて前混合した後、2軸押出機(商品名:PCM−30、池貝鉄工所社製)を用いて、吐出口における溶融物温度が150℃になるように、温度を設定し、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、粉砕機(商品名:ターボミルT250、ターボ工業社製)を用いて微粉砕した。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級することでトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2〜13の製造例>
トナー粒子1の製造例から、用いる荷電制御剤と結着樹脂の種類と添加量を表4のように変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にして、トナー粒子2〜13を得た。
Figure 2018041016
<トナー1の製造例>
トナー粒子1(100部)に表5に記載通りにシリカ微粒子(S−1)1.0部、及びシリカ微粒子(S−2)0.3部を、FMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で外添混合を行い、目開き100μmのメッシュで篩うことで、トナー1を得た。トナー1の物性を表6に示す。
<トナー2〜21の製造例>
トナー1の製造例から、用いるシリカ微粒子の種類と添加量を表5のように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜21を得た。物性を表6に示す。
Figure 2018041016
Figure 2018041016
<実施例1>
本実施例において評価に用いるマシンは、市販の磁性一成分方式のプリンターHP LaserJet Enterprise600 M603dn(ヒューレットパッカード社製:プロセススピード350mm/s)を用いた。また、直径14mmの現像スリーブを直径10mmの現像スリーブに変更した改造カートリッジを用いた。このように改造した現像装置にトナー1を900g充填し、下記の評価を実施した。評価結果を表7に示す。
<実施例2〜17>
トナー2〜17を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
<比較例1〜4>
トナー18〜21を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
<評価1:高温高湿環境で長期使用した際の中抜け>
中抜けの評価は、高温高湿環境下(32℃,80%RH)で実施した。印字率2%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計20000枚の画出しをした。縦横ライン共に、200μm、500μm、1mm、2mmの線幅の繰り返しで構成された8mm方眼状の升目チャートを250g/m(A4)紙に両面プリントアウトした。その2面目プリントの任意の10箇所を目視及びルーペ(×30)で観察し、中抜けの評価とした。中抜けの評価基準は下記の通り。
A:中抜けなし
B:30倍ルーペを使った観察で、視野の一部に中抜けが確認される
C:目視で、ごく一部に中抜けが確認される
D:目視で、全体的に中抜けが確認できる
<評価2:高密度状態で苛酷環境に静置後、さらに高温高湿環境で使用した際の画像濃度と中抜け>
トナーを充填したカートリッジを300回タッピングし、苛酷環境(40℃,95%RH)に30日間静置した。その後、高温高湿環境下(32℃,80%RH)に1日間静置した後、ベタ黒画像を厚紙(105g/m)に1枚プリントアウトした。プリントアウトしたベタ黒画像の画像濃度を測定した。
ベタ黒の濃度画像は反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、ベタ画像の反射濃度を測定することにより測定した。ベタ黒画像5点(左上隅、右上隅、中央、左下隅、及び右下隅)の反射濃度の平均値を画像濃度とした。数値が大きい方が良いことを示す。
反射濃度の評価基準は下記の通り。
A:1.30以上
B:1.20以上1.30未満
C:1.10以上1.20未満
D:1.10未満
その後、印字率2%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計20000枚の画出しをし、ベタ画像を105g/m(A4)紙に1枚プリントアウトした。プリントアウトしたベタ黒画像の画像濃度を測定した。さらに、縦横ライン共に、200μm、500μm、1mm、2mmの線幅の繰り返しで構成された8mm方眼状の升目
チャートを250g/m(A4)紙に両面プリントアウトした。その2面目プリントの任意の10箇所を目視及びルーペ(×30)で観察し、中抜けの評価とした。
中抜けの評価基準は下記の通り。
A:中抜けなし
B:30倍ルーペを使った観察で、視野の一部に中抜けが確認される
C:目視で、ごく一部に中抜けが確認される
D:目視で、全体的に中抜けが確認できる
<評価3:高密度状態で苛酷環境に静置後、さらに低温低湿環境で使用した際の画像濃度と尾引き>
尾引きの評価は、尾引きが発生しやすい低温低湿環境下(15℃,10%RH)で実施した。トナーを充填したカートリッジを300回タッピングし、苛酷環境(40℃,95%RH)に30日間静置した。その後、低温低湿環境下(15℃,10%RH)に1日間静置した。その後、印字率2%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計20000枚の画出しをした。ベタ画像を105g/m(A4)紙に1枚プリントアウトした。プリントアウトしたベタ黒画像の画像濃度を測定した。
ベタ黒の濃度画像は反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、ベタ画像の反射濃度を測定することにより測定した。ベタ黒画像5点(左上隅、右上隅、中央、左下隅、及び右下隅)の反射濃度の平均値を画像濃度とした。数値が大きい方が良いことを示す。
反射濃度の評価基準は下記の通り。
A:1.30以上
B:1.20以上1.30未満
C:1.10以上1.20未満
D:1.10未満
その後、電子写真感光体の表面にレーザー露光により600dpiの10dot縦及び横線パターン潜像(静電潜像のライン幅が420μmである。)を1cm間隔で書いた画像をPET製OHP上に1枚プリンアウトし、尾引き画像とした。プリントアウトしたライン画像のライン幅を測定した。
尾引きの評価は得られた縦及び横線パターン画像を、(株)小坂研究所製の表面粗さ計(商品名:サーフコーダーSE−30H)を用い、縦及び横線ラインのトナーの乗り方を表面粗さのプロフィールとして得た。そして、このプロフィールの幅からそれぞれのライン幅を求め、縦/横ライン比を算出した。
尾引きは静電潜像担持体の回転方向に沿って発生するため、横ラインの幅は、縦ラインと比較して尾引きの影響を受けやすく、ライン幅が太くなる。よって、通常、縦/横ライン比は1以下となり、値が1に近いほど、尾引きは抑制されていると考えられる。尾引きの評価基準は下記の通り。
A:縦/横ライン比が0.95以上1.00以下
B:縦/横ライン比が0.90以上0.95未満
C:縦/横ライン比が0.80以上0.90未満
D:縦/横ライン比が0.80未満
<評価4:低温低湿環境で使用した際の尾引き>
低温低湿環境下(15℃,10%RH)に1日間静置した後、印字率2%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、合計20000枚の画出しをした。その後、電子写真感光体の表面にレーザー露光により600dpiの10dot縦及び横線パターン潜像(静電潜像のライン幅が420μmである。)を1cm間隔で書いた画像をPET製OHP上に1枚プリンアウトし、尾引き画像とした。プリントアウトしたライン画像の
ライン幅を測定した。
尾引きの評価は上記と同様に行った。
Figure 2018041016

Claims (7)

  1. 結着樹脂、着色剤、及び荷電制御剤を含有するトナー粒子と、無機微粒子とを含有するトナーであって、
    該無機微粒子が、シリカ原体及びシリコーンオイルを含むシリカ微粒子を含有し、
    該トナーは、該シリカ微粒子をトナー粒子100質量部あたり0.40質量部以上1.50質量部以下含有し、
    該シリカ微粒子中の該シリコーンオイルの含有量が、該シリカ原体100質量部に対し、5.0質量部以上40.0質量部以下であり、
    該シリカ微粒子における該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が50質量%以上であり、
    該荷電制御剤15mgを25℃の動粘度が50mm/sの該シリコーンオイル8.0gに分散させた分散液を、静置し、該分散液の経時変化を測定したシリコーンオイル沈降試験において、静置してから48時間後の該分散液の波長700nmの吸光度が、1.85以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記シリコーンオイルの25℃の動粘度が、50mm/s以上200mm/s以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記荷電制御剤の一次粒子の個数平均粒径(D1)が0.80μm以上2.00μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記荷電制御剤は、下記式[1]で表される化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2018041016

    (式中、A、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。Bは水素原子又はアルキル基を示す。Mは、Fe原子、Cr原子、又はAl原子を示し、Xは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はこれらの混合イオンを示す。)
  6. 前記荷電制御剤は、下記式[2]で表される化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 2018041016

    (式中、Xは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又はこれらの混合イオンを示す。)
  7. 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したクロマトグラムにおいて、分子量1000以下の成分の量が15.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
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