JP5264579B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理器に関する。
特許文献1〜3は、いずれもコンロ機能及びグリル機能を備える加熱調理器を開示している。この種の加熱調理器は、キッチンでの使用時に上面になる部分にコンロユニットが配置され、該コンロユニットの下方にグリルユニットと操作ユニットが左右に並べて配置されるように構成される。
コンロユニットは、鍋等の調理容器を載置して用いる加熱調理ユニットである。コンロユニットは、調理容器を載置するトッププレートの裏面に加熱装置を配置している。
グリルユニットは、加熱庫内に収容した被調理物を加熱する加熱調理ユニットである。グリルユニットは、被加熱物を収容する加熱庫内にヒータを備えてなる。加熱庫の扉はキッチンでの使用時に前面側に来るように配置される。
操作ユニットは、コンロユニットの加熱装置及びグリルユニットのヒータを操作するユニットである。操作ユニットは、オンオフスイッチ、温度上昇スイッチ、温度下降スイッチ等からなる操作入力装置を備える。操作入力装置もキッチンでの使用時に前面側に来るように配置される。
この種の加熱調理器には、システムキッチンに組み込んで使用する据付型のものと、置き台に載置して使用する据置型のものがあるが、いずれの型の加熱調理器も、上記コンロユニット、グリルユニット、操作ユニットの三点を備える構造をとっている。
上記従来の加熱調理器では、このように各機能毎にユニット化を図ることにより、高い組立作業効率、メンテナンス効率を実現させることを目指していた。また、特にグリルユニットや操作ユニットについては、据付型と据置型とで共通するユニットを使用できる場合があり、その場合は据付型と据置型とでユニットを作り分ける必要がなくなるためコスト減に資するという利点もあった。
特開2003−217806号公報 特開2006−344455号公報 特開平6−2863号公報
上記従来の加熱調理器は、コンロユニット、グリルユニット、操作ユニットの三点がすべて組み込まれた一組の加熱調理器として提供される。しかし、使用者によっては、加熱調理器はコンロ機能だけを備えていれば足り、グリル機能を必要としない場合もある。そのような使用者にとっては、グリルユニットは無駄な機能に過ぎない。また、無駄な機能を一緒に購入させられているという割高感の要因にもなっていた。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、グリルユニットを省略してコンロとして使用することも、グリルユニットを備えてグリル付きコンロとして使用することも可能な加熱調理器を提供する。
本発明の加熱調理器は、コンロユニットと、コンロユニットに着脱可能なグリルユニットを備えている。
コンロユニットは、コンロユニットの上面を覆って設けられ、その上面に鍋等の調理装置を載置可能なトッププレートと、該トッププレートの裏面に配置され、トッププレート上面に載置した調理容器を加熱する加熱装置を備える。更にコンロユニットは、加熱装置に操作命令を行うコンロユニット操作装置、電力供給用の電源コード、グリルユニットと電気的に接続するための接続器、及び、コンロユニットを制御するマイコンを備える。
グリルユニットは、被加熱物を収容する加熱庫と、加熱庫内を加熱するヒータと、ヒータに操作命令を行うグリルユニット操作装置と、コンロユニットと電気的に接続するための接続器を備える。
この加熱調理器では、コンロユニットの下部にグリルユニットを配置し、前記接続器同士を接続して両ユニットを電気的に接続して両ユニットを組み合わせ可能としている。
コンロユニットとグリルユニットが電気的に接続されている場合に、マイコンは、グリルユニットをさらに制御し、グリルユニット操作装置の操作命令に基づいてヒータの動作を制御する。
この加熱調理器は、グリルユニットがコンロユニットに着脱可能とされ、更にコンロユニットが加熱装置を操作するコンロユニット操作装置を備えており、グリルユニットがヒータを操作するグリルユニット操作装置を備えている。さらに、コンロユニットは、コンロユニットを制御するとともに、コンロユニットとグリルユニットが接続されている場合には、コンロユニットに加えてグリルユニットを制御するマイコンを備えている。なお、従来この種の加熱調理器に設けられるのが通常であった操作ユニットは設けられていない。
従って、この加熱調理器は、コンロユニット単体でもコンロとしての機能を果たすことができるようになる。この加熱調理器は、使用者の希望に応じて、グリルユニットを装備してグリル付きコンロとして提供することも、グリルユニットを省略してコンロ単体として提供することもできる。これによって、従来グリル機能を必要としない使用者が感じていた煩わしさや割高感を解消することができる。
また、操作ユニットを設けず、コンロユニットの下部にグリルユニットのみを配置する構成としたため、グリルユニットを従来のものより幅広にすることができる。グリルユニットの幅が広がることで、加熱庫の収容能力も増す。そのため、一度に多くの被調理物を加熱調理できるようになり、調理効率が良くなる。
この加熱調理器においては、コンロユニットは、加熱装置及びマイコンを収容するケースを有していることが好ましい。ケースの下部は、平板状に形成されており、コンロユニットを設置した場合に、ケースの下側全体をグリルユニットを配置するための配置空間として利用可能であることが好ましい。
この加熱調理器では、コンロユニットを設置した場合に、ケースの下側全体をグリルユニットを配置するための配置空間として利用可能である。そのため、コンロユニットの下側に、操作ユニットを配置するための空間を設ける必要がなく、コンロユニット全体を小型化することができる。また、コンロユニットの下部に幅広のグリルユニットを配置でき、グリルユニットによって一度に多くの被調理物を調理することができる。
本発明によれば、加熱調理器を、使用者の希望に応じて、グリルユニットを装備してグリル付きコンロとして使用することも、グリルユニットを省略してコンロ単体として使用することもできる。また、グリルユニットで一度に多くの被調理物を調理することもできる。
本発明の一実施例に係る加熱調理器を模式的に示す分解斜視図。 実施例に係る加熱調理器を模式的に示す側面図。 実施例に係る加熱調理器の平面図。 実施例に係る加熱調理器の正面図。 実施例に係る加熱調理器の制御系の主要構成を示すブロック図。 実施例に係る加熱調理器のマイコンの動作例を示すフローチャート。 実施例に係る加熱調理器のマイコンの動作例を示すフローチャート。 実施例に係る加熱調理器のマイコンの動作例を示すフローチャート。
以下に説明する実施例の技術的特徴を列挙する。
(形態1) 加熱調理器は、システムキッチンに組み込んで使用する据付型の加熱調理器である。
(形態2) コンロユニットは、電磁誘導式加熱調理器である。
本発明の一つの実施例について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は本実施例の加熱調理器を模式的に示す分解斜視図である。図2は同加熱調理器を模式的に示す断面側面図である。図3は同加熱調理器の平面図である。図4は同加熱調理器の正面図である。
本実施例の加熱調理器10は、図1に示すようにシステムキッチン2に組み込んで使用する据付型の加熱調理器であり、コンロユニット12とグリルユニット14を備えてなる。この加熱調理器10を組み込むシステムキッチン2は、図1に示すように、上面には収容穴4が、前面には前穴6がそれぞれ設けられている。加熱調理器10は、収容穴4に上からコンロユニット12を挿入し、前穴6に前からグリルユニット14を挿入し、収容穴4内にセットされているコンロユニット12にグリルユニット14を取り付けてシステムキッチン2に組み込まれる。
コンロユニット12は、トッププレート18上に載置した鍋等の調理容器を加熱して調理容器内の被調理物を加熱調理するユニットである。コンロユニット12は、図1に示すように、上面が開口した四角形状のケース16と、ケース16の上面の開口部を覆うトッププレート18を備えている。ケース16はシステムキッチン2の収容穴4に適合するサイズの四角形状に形成されている。
コンロユニット12は、左右二つの誘導加熱部20a、20bと中央加熱部22を備える。左右二つの誘導加熱部20a、20bは、トッププレート18上に調理容器を載置可能な左右二つの載置範囲24a、24bを設ける。その左右二つの載置範囲24a、24bの裏面に加熱装置である加熱コイル26を備える。中央加熱部22は、トッププレート18上に調理容器を載置可能な中央載置範囲28を設ける。その中央載置範囲28の裏面に加熱装置であるラジエントヒータ(図示しない)を備える。
なお、図1に示すように、トッププレート18上面手前側には操作パネル30が設けられている。
トッププレート18は耐熱性に優れた結晶化ガラスで形成されている一枚の板状部材である。図1に示すように、載置範囲24a、24b及び中央載置範囲28には五徳等の突起物は設けられておらず、フラットに形成されている。載置範囲24a、24b及び中央載置範囲28には調理容器を載置する位置を示す模様25a、25b、29が夫々表示されているのみである。
前記誘導加熱部20aでは、載置範囲24aを示す模様25aにあわせて調理容器(図示しない)を載置すると、調理容器と加熱コイル26が向かい合う。この状態で加熱コイル26に通電すると、調理容器に電磁誘電電流が流れ、調理容器自体が発熱する。これによって調理容器内の被調理物を加熱することができる。
前記中央加熱部22では、中央載置範囲28を示す模様29にあわせて調理容器を載置し、ラジエントヒータに通電させて発熱させると、ラジエントヒータが発した熱が調理容器に伝導されて、調理容器内の被調理物を加熱することができる。
コンロユニット12のケース16内には、加熱コイル26を駆動制御するIH基板32、加熱コイル26を冷却するための冷却ファン36、前記グリルユニット14と電気的に接続するための接続器38も設けられている。接続器38は、電源用、通信用等、目的別に複数設けられている。また、各加熱コイル26やラジエントヒータ、後述するグリルユニット14の動作を全体的に制御する制御基板(図示しない)も、ケース16内に設けられている。
IH基板32にはインバータが備えられる。IH基板32には、インバータの電子回路を構成する電子部品の熱損傷を防止するために、多数枚のフィンを積層した放熱体34も設けられている。また、IH基板32は、加熱コイル26に接続されている。
前記図示しない制御基板には、メイン制御部40(図5参照)が形成されている。メイン制御部40は、操作パネル30、加熱コイル26、接続器38等のコンロユニット12内の各部と電気的に接続されている。
前記操作パネル30は、トッププレート18上面の手前側に設けられている。操作パネル30には、主電源スイッチ41のほかに電源オンオフスイッチ42a、温度下降スイッチ42b、温度上昇スイッチ42cといった各種スイッチ42a〜42cが、前記誘導加熱部20a、20b、中央加熱部22ごとに対応させて夫々設けられている。これらスイッチ42a〜42cを操作することで、各種操作信号を出力して誘導加熱部20a、20b、中央加熱部22を操作することができる。なお、この操作パネル30が、特許請求の範囲に記載のコンロユニットの「操作装置」に対応する。前記主電源スイッチ41及びスイッチ42a〜42cとしては、例えば、トッププレート18の裏面に設けられた検出電極(図示しない)と操作制御基板44(図2参照)で構成される静電容量式のタッチスイッチが使用される。ここに言うタッチスイッチとは、トッププレート18の表面に物体が触れたか否かを検出可能な非接触スイッチを指す。以下単にタッチスイッチという場合、同様のものを指すものとする。この場合、操作パネル30上に表示される主電源スイッチ41及びスイッチ42a〜42cの操作部分は、タッチスイッチ用の操作範囲を模様で表示したものとなる。
操作パネル30のスイッチ42a〜42cの隣には、夫々表示窓46が設けられている。前記表示窓46は、図3に示すようなセグの表示が可能な表示装置である。表示窓46には、載置範囲24a、24b、中央載置範囲28における運転状況やエラー状況等の種々の状況が表示されるようにしてある。表示窓46も、図3に示すように、載置範囲24a、24b、中央載置範囲28ごとに対応させて夫々設けられている。
トッププレート18の奥側の上面には、グリル排気口48及び冷却用空気供給口50が並べて設けられている。図2に示すように、グリル排気口48の下方には、ケース16底面を貫通して下端がケース下方に突出する排気路52が設けられ、後述するグリルユニット14の排気ダクト84と接続できるようにしてある。冷却用空気供給口50は、冷却ファン36の回転に伴って外部からケース16内に冷却用空気を取り入れる空気供給口である。
ケース16の底面には、コンロユニット12、グリルユニット14を含む加熱調理器10全体に電力を供給するための電源コード54が設けられている。また、ケース16の左右外側面には、グリルユニット14を保持する保持レール56が設けられている。
保持レール56は、図1に示すような板状部材である。保持レール56はその上端部をケース16の左右外側面にビス止めし、ケース16の下方に向けて突出するように取り付けられている。保持レール56の下端部は、内側に向けて曲げられ、後述するグリルユニット14の本体ケース62の底面を保持できる保持部58とされている。図1に示すように、ケース16の底面と、左右両側の保持レール56と、下端部の保持部58で囲まれた空間は、グリルユニット14の本体ケース62を収容可能な収容空間60としてある。図2に示すように、この収容空間60にグリルユニット14の本体ケース62を収容し、保持部58でその本体ケース62の底面を下から保持固定することで、グリルユニット14をコンロユニット12の下方に配置することができる。
以上の構成を備える本実施例のコンロユニット12は、加熱コイル26及びラジエントヒータを操作するための操作パネル30を独自に備えており、コンロユニット12単体でコンロとしての機能を果たすことができる。
グリルユニット14は、加熱庫内に収容した被調理物を加熱調理するユニットである。グリルユニット14は、図1、図2に示すように、本体ケース62内に加熱庫64を備える。本体ケース62は、前記コンロユニット12下方の収容空間60に適合するサイズに形成される。なお、本実施例の加熱調理器10では、コンロユニット12の下方にグリルユニット14のみを備え、他のユニットを設けないのでグリルユニット14の本体ケース62はコンロユニット12のケースとほぼ同幅に形成されている。本体ケース62前面には、図4に示すように、加熱庫64を開閉する扉66と、その扉66の隣に配置されたグリル操作パネル68が設けられている。
加熱庫64内には加熱装置として上ヒータ70、下ヒータ72が備えられている。上ヒータ70と下ヒータ72の間で且つ下ヒータ72の直上には着脱可能な焼き網74が設けられ、被調理物を載置可能としている。焼き網74の下方には、焼き網74を載置固定するグリル皿76が備えられている。前記扉66の裏面側には引出し枠78が固定され、その引出し枠78の外周フランジに前記グリル皿76が載置されている。従って、扉66の前面に設けられた把手80を引くと、扉66が引かれる動作に伴って引出し枠78も引出され、それに伴ってグリル皿76及び焼き網74が加熱庫64から引出される。なお、扉66には、外部から加熱庫64内を覗き見ることができる窓82も形成されている。
加熱庫64の背面には、略L字型に曲げて形成された排気ダクト84が設けられている。排気ダクト84は、一端を加熱庫64と連通させて加熱庫64の背面に取り付け、他端を本体ケース62の背面を貫通して本体ケース62の後方に突出し、前記コンロユニット12の排気路52と接続できるように上向きに備えている。
本体ケース62の背面には、前記コンロユニット12と電気的に接続するためのコネクタ86が設けられている。コネクタ86も、電源用、通信用等、目的別に複数設けられている。これらコネクタ86を前記コンロユニット12の接続器38に接続することで、コンロユニット12とグリルユニット14とが電気的に接続される。なお、このコネクタ86が、特許請求の範囲に記載の、グリルユニットの「接続器」に対応する。
前記グリル操作パネル68には電源オンオフスイッチ、温度上昇スイッチ、温度下降スイッチ等の各種スイッチ90a〜90eが備えられ、これらスイッチ90a〜90eを操作することで操作信号を出力して、上ヒータ70及び下ヒータ72を操作することができる。なお、このグリル操作パネル68が、特許請求の範囲に記載の、グリルユニットの「操作装置」に対応する。
上記構成を備える本実施例のグリルユニット14をコンロユニット12に組み込むには次のようにする。まず、予めコンロユニット12をシステムキッチン2の収容穴4に収容させておく。次に、グリルユニット14の本体ケース62を、システムキッチン2の前穴6を通してコンロユニット12下方の収容空間60内に挿入する。保持レール56の下端の保持部58によって本体ケース62の底面を下から保持させ、グリルユニット14をコンロユニット12の下方に配置する。グリルユニット14の排気ダクト84をコンロユニット12の排気路52に接続させる。グリルユニット14のコネクタ86をコンロユニット12の接続器38に接続し、コンロユニット12とグリルユニット14を電気的に接続させ、組み込みが完了する。
組み込んだグリルユニット14をコンロユニット12から取り外す場合には、まずコネクタ86を接続器38から取り外す。次に、排気ダクト84と排気路52の接続も解除する。その後、グリルユニット14の本体ケース62をコンロユニット12の収容空間60内から引き抜けば、取り外しが完了する。なお、本実施例の加熱調理器10をグリルユニット14を取り外してコンロユニット12のみで使用する場合、システムキッチン2の前穴6は板などで塞いでおく。
本実施例のグリルユニット14は、コネクタ86を通じてコンロユニット12から電源供給を受けられるように構成され、独自の電源コードは備えていない。そのため、グリルユニット14はコンロユニット12に組み込むことで電源供給を受けることができ、グリルとしての機能を発揮できるように構成されている。グリルユニット14を組み込んだ加熱調理器10はグリル付きコンロとして提供される。
次に、本実施例の加熱調理器10の制御系の主要構成について、図5を示して説明する。図5は、本実施例の加熱調理器10の制御系の主要構成を示すブロック図である。図5に示すように、加熱調理器10の制御系は、コンロユニット12の制御基板に備えられるメイン制御部40を中心に、このメイン制御部40と電気的に接続される操作パネル30、IH基板32、加熱コイル26、冷却ファン36、接続器38、その接続器38とコネクタ86を介して電気的に接続されることによってメイン制御部40と電気的に接続されるグリルユニット14等から構成されている。メイン制御部40は、その中心となる部品としてマイコン92を備えている。
メイン制御部40の中心となるマイコン92は、CPU、ROMやRAM等の記憶装置、入出力ポート、タイマー等から構成されている。このマイコン92は、ROMに予め格納されている所定のプログラムに従って、または、操作パネル30の各種スイッチ、及びグリル操作パネル68の各種スイッチから入力される各種操作信号に基づいて、加熱調理器10の動作を全体的に制御している。
メイン制御部40には、操作パネル30からの操作信号を検出・増幅するとともに、マイコン92で処理可能なディジタル信号に変更するように構成された入力回路94が備えられている。また、メイン制御部40には、加熱コイル26を所定の態様で動作させる信号を出力する駆動回路96が設けられる。該駆動回路96から出力される信号に応じてIH基板32(インバータ)を介して加熱コイル26を駆動制御する。また、メイン制御部40には、グリルユニット14が接続されたか否かの信号を検出してマイコン92に入力する接続検出回路98、グリルユニット14のオンオフ状態や故障状態等の運転状態を示す信号を検出してマイコン92に入力する運転状態検出回路100、グリルユニット14を所定の態様で動作させるためのグリル駆動回路102も設けられている。
加熱調理器10の制御系にはこの他にも、メイン制御部40等に電源を供給する電源回路、マイコン部の処理周期を定めるクロック回路、中央加熱部22のラジエントヒータに電力を供給するための駆動回路等が設けられている。
前記マイコン92は、接続検出回路98からの信号によって、グリルユニット14がコンロユニット12に接続されているか否かを認識可能である。マイコン92は、グリルユニット14がコンロユニット12に接続されているか否かによって、加熱調理器10の運転内容を切り替える制御を行う。以下、内容を説明する。
マイコン92は、誘導加熱部20a、20b、中央加熱部22、グリルユニット14間の供給電力を調整する制御を行う。本実施例の加熱調理器10では、加熱調理器全体として使用可能な定格使用電力(ここでは4.8kW)が定められている。そして、各調理加熱部でも、個々に使用する場合の使用可能な電力が定められている。具体的には、誘導加熱部20a、20bでは夫々2.4kW、中央加熱部22では1.2kW、グリルユニット14では1.2kWである。
コンロユニット12にグリルユニット14が備えられている場合、マイコン92は、中央加熱部22とグリルユニット14を同時に使用できないように制限する制御を行う。更に、左右二つの誘導加熱部20a、20bと、中央加熱部22又はグリルユニット14の計三箇所が同時に使用された場合、加熱調理器10全体として使用可能な定格消費電力4.8kWを満たすように、二つの誘導加熱部20a、20bで使用可能な電力を夫々1.8kWに、加熱調理器10又はグリルユニット14で使用可能な電力を1.2kWに制限する制御を行う。
一方、コンロユニット12にグリルユニット14が備えられていない場合には、マイコン92は、左右二つの誘導加熱部20a、20bと中央加熱部22を同時に使用した場合に、各加熱部で使用可能な電力を調節する制御のみを行う。
また、マイコン92は、コンロユニット12にグリルユニット14が備えられている場合、グリルユニット14の運転状態を検知し、グリルユニット14が故障した場合に、それを検知してグリルユニット14の運転を強制停止させる制御を行う。同時に、グリルユニット14の故障の内容をコンロユニット12の操作パネル30内の表示窓46に表示するように制御する。この制御は、コンロユニット12にグリルユニット14が備えられていない場合には行われない。
更に、マイコン92は、コンロユニット12にグリルユニット14が備えられている場合、グリルユニット14の継続運転時間を計測し、所定時間以上経過した場合にグリルユニット14の運転を強制停止させる制御を行う。これはグリルユニット14のスイッチ切り忘れを防止するためのタイマー制御である。この制御も、コンロユニット12にグリルユニット14が備えられていない場合には行われない。
前記マイコン92の動作について図6〜図8を用いて説明する。図6〜図8は、マイコン92の動作例を示すフローチャートである。
加熱調理器10のスイッチがオンされると、マイコン92は、接続検出回路98からの信号を受けて、コンロユニット12にグリルユニット14が接続されているのか否かを判定する(S1)。
グリルユニット14が接続されていなかった場合(S1:NO)、マイコン92は、入力回路94からの信号に基づいて、左右二つの誘導加熱部20a、20bと中央加熱部22が同時に運転されているのか否かを判定する(S2)。その結果、三つの加熱部が同時に運転されていれば(S2:YES)、マイコン92は、二つの誘導加熱部20a、20bで使用可能な電力を夫々1.8kWに、加熱調理器10で使用可能な電力を1.2kWに制限する制御を行う(S3)。また、三つの加熱部が同時に運転されていなければ(S2:NO)、マイコン92は使用電力制限制御を行わない(S4)。
グリルユニット14が接続されている場合(S1:YES)、マイコン92は、運転状態検出回路100からの信号を受けて、グリルユニット14が運転されているか否かを判定する(S5)。
グリルユニット14が運転されている場合(S5:YES)、マイコン92は中央加熱部22を運転できないように制御する(S6)。
グリルユニット14が運転されていない場合(S5:NO)、マイコン92は、入力回路94からの信号に基づいて中央加熱部22が運転状態にあるのか否かを判定する(S7)。中央加熱部22が運転状態にあれば(S7:YES)、グリルユニット14を運転できないように制御する(S8)。中央加熱部22が運転状態になければ(S7:NO)、マイコン92は制御を行わない(S9)。
グリルユニット14と中央加熱部22の一方が運転されている場合(S6又はS8)、マイコン92は、入力回路94からの信号に基づいて、左右二つの誘導加熱部20a、20bが同時に運転されているのか否かを判定する(S10)。
左右二つの誘導加熱部20a、20bが同時に運転されている場合(S10:YES)、マイコン92は、二つの誘導加熱部20a、20bで使用可能な電力を夫々1.8kWに、グリルユニット14又は加熱調理器10で使用可能な電力を1.2kWに制限する制御を行う(S11)。
左右二つの誘導加熱部20a、20bが同時に運転されていない場合(S10:NO)、マイコン92は、マイコン92は使用電力制限制御を行わない(S12)。
また、図7に示すように、マイコン92は、グリルユニット14が運転されて、中央加熱部22を運転できないように制御された場合(S6)において、運転状態検出回路100からの信号を受けて、グリルユニット14が正常に運転されているか否かを判定する(S13)。
グリルユニット14が正常に運転されていれば(S13:YES)、そのまま運転を継続させる(S14)。グリルユニット14に故障が発生してグリルユニットが正常に運転されなくなった場合(S14:NO)、マイコン92はグリル駆動回路102から信号を発生させてグリルユニット14の運転を強制停止させる制御を行う(S15)。その後マイコン92は、コンロユニット12の操作パネル30の表示窓46に、故障の内容を表示する(S16)。
更に、図8に示すように、グリルユニット14が運転されて、中央加熱部22を運転できないように制御された場合(S6)において、マイコン92は、運転状態検出回路100からの信号と、内蔵のタイマーによって、グリルユニット14が所定時間継続して運転されたのか否かを判定する(S17)。
グリルユニット14が所定時間継続して運転されていなければ(S17:NO)、そのまま運転を継続させる(S18)。グリルユニット14が所定時間継続して運転されていれば(S17:YES)、マイコン92はグリル駆動回路102から信号を発生させてグリルユニット14の運転を強制停止させる制御を行う(S19)。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記実施例では、メイン制御部40をIH基板32と別体の制御基板中に設け、加熱調理器の制御系を図5に示すような構成としたが、加熱調理器の制御系は、マイコンが上記内容の制御を行いうる構成であれば、上記実施例で説明した構成に限られず、任意の構成とすることができる。
上記実施例では、保持レール56は、図1に示すような板状の部材としたが、コンロユニットの下方にグリルユニットを配置固定するための保持レールの形状や構造は、上記形状・構造に限られず、任意の形状や構造の保持レールを使用することもできる。その場合、必要に応じてグリルユニット側に被保持体を備えることもできる。また、コンロユニットの下方にグリルユニットを配置固定する手段は、前記実施例のような保持レールを用いた構造に限らず、任意の固定手段によることができる。
上記実施例では、コンロユニット12を電磁誘導式加熱調理器としたが、コンロユニットに使用する加熱調理器は電磁誘導式加熱調理器には限られず、ハロゲンヒータ、ラジエントヒータ等の電熱式加熱調理器であってもよい。
マイコンが行う制御は、前記実施例で説明した制御に限定されるものではない。従って例えば、グリルユニットやコンロユニットの温度が過上昇したときに温度制御を行う制御(温度過上昇防止制御)などを行わせることも可能である。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 システムキッチン
4 収容穴
6 前穴
10 加熱調理器
12 コンロユニット
14 グリルユニット
16 ケース(コンロユニット)
18 トッププレート
20a、20b 誘導加熱部
22 中央加熱部
26 加熱コイル
30 操作パネル
38 接続器
42a〜42c スイッチ
46 表示窓
48 グリル排気口
50 冷却用空気供給口
52 排気路
54 電源コード
56 保持レール
58 保持部
60 収容空間
62 本体ケース(グリルユニット)
64 加熱庫
66 扉
68 グリル操作パネル
70 上ヒータ
72 下ヒータ
84 排気ダクト
86 コネクタ
92 マイコン

Claims (2)

  1. 加熱調理器であって、
    加熱調理器は、コンロユニットと、コンロユニットに着脱可能なグリルユニットを備え、
    コンロユニットは、調理容器を載置可能なトッププレートと、トッププレートの裏面に配置された加熱装置と、加熱装置に操作命令を行うコンロユニット操作装置と、電力供給用の電源コードと、グリルユニットと電気的に接続するための接続器と、コンロユニットを制御するマイコンを備え、
    グリルユニットは、被加熱物を収容可能な加熱庫と、加熱庫内を加熱するヒータと、ヒータに操作命令を行うグリルユニット操作装置と、コンロユニットと電気的に接続するための接続器を備え、
    コンロユニットの下部にグリルユニットを配置し、前記接続器同士を接続して両ユニットを電気的に接続して両ユニットを組み合わせ可能であるとともに、
    コンロユニットとグリルユニットが電気的に接続されている場合に、マイコンは、グリルユニットをさらに制御し、グリルユニット操作装置の操作命令に基づいてヒータの動作を制御する、
    ことを特徴とする加熱調理器。
  2. コンロユニットは、加熱装置及びマイコンを収容するケースを有しており、
    ケースの下部は、平板状に形成されており、
    コンロユニットを設置した場合に、ケースの下側全体をグリルユニットを配置するための配置空間として利用可能である、
    ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
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