JP5241712B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
一般的にポリカーボネート樹脂は石油資源から得られる原料を用いて製造されるが、石油資源の枯渇が懸念されており、生物起源物質の糖質から製造されるエーテルジオールを用いたポリカーボネート樹脂が検討されている。例えば、下記式(a)
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドはそれぞれD−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られる。例えばイソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
これまで上記のエーテルジオールの中でも、特に、モノマーとしてイソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂が検討されてきた。
例えば特許文献1には、溶融エステル交換法を用いて製造された203℃の融点を持つホモポリカーボネート樹脂が提案されている。非特許文献1には、酢酸亜鉛を触媒とする溶融エステル交換法により製造された、ガラス転移温度が166℃で、熱分解温度(5%重量減少温度)が283℃程度のホモポリカーボネート樹脂が提案されている。非特許文献2には、イソソルビドのビスクロロフォーメートを用いた界面重合法により製造されたガラス転移温度が144℃程度のホモポリカーボネート樹脂が提案されている。特許文献2には、スズ触媒を用いて製造されたガラス転移温度が170℃以上のポリカーボネート樹脂が提案されている。特許文献3には、イソソルビドと直鎖脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネート樹脂が提案されている。
一般的に耐衝撃性は樹脂の分子量(=比粘度)に大きく依存するため、耐衝撃性を改良しようとした場合、樹脂の分子量を増大させる必要がある。先に述べた特許文献1、2および非特許文献1、2に記載のイソソルビドポリカーボネート樹脂は、分子量を増大させると樹脂の溶融粘度が高くなりすぎて成形が困難になるという問題がある。
また、特許文献4には、イソソルビドポリカーボネート樹脂にABS樹脂などの付加重合型ポリマーを添加した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ABS樹脂などを添加すると、耐衝撃性は改良されるものの、ポリカーボネート樹脂の本来有する耐熱性が大きく低下する。
本発明者は、主として上記式(a)で表されるエーテルジオールを特定の触媒の存在下で溶融重合すると5%重量減少温度(Td)が300℃を超える従来にない熱安定性を有するポリカーボネート樹脂が得られことを見出した。またこのポリカーボネート樹脂にゴム質重合体を含有させると、ゴム質重合体の添加による熱安定性低下の影響が少なく、かつ耐衝撃性を向上させることができることを見出した。また、得られた樹脂組成物は、耐熱性に優れ、溶融粘度が低く成形加工性に優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。
本発明の樹脂組成物は、糖質由来のポリカーボネート樹脂を含有するので生物起源物質の含有割合が高い。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位を含有し、ガラス転移温度(Tg)が145〜165℃であり、5%重量減少温度(Td)が320〜400℃である。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位を含有する。式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。最も好適には、式(1)の繰り返し単位のみからなるホモポリカーボネート樹脂である。
式(1)で表される繰り返し単位は、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の繰り返し単位であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を含有していてもよい。他の繰り返し単位として、脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノール由来の繰り返し単位が挙げられる。
脂肪族ジオール由来の繰り返し単位として、直鎖アルカンジオール、シクロアルカンジオールなどから誘導される繰り返し単位が挙げられる。直鎖アルカンジオールとして、下記式(2)
で表される繰り返し単位が挙げられる。直鎖アルカンジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。シクロアルカンジオールとして、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。中でも1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールが好ましい。
芳香族ビスフェノール由来の繰り返し単位として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンなどから誘導される繰り返し単位が挙げられる。
また他の繰り返し単位として、ジメタノールベンゼン、ジエタノールベンゼンなどの芳香族ジオールなどから誘導される繰り返し単位が挙げられる。
他の繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、さらにより好ましくは5モル%以下、特に好ましくは2モル%以下である。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(3)または(4)で表される末端基を含有していてもよい。
R1のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは4〜22、より好ましくは8〜22である。アルキル基として、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
R1のアラルキル基の炭素原子数は、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜20である。アラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
R1のパーフルオロアルキル基の炭素原子数は好ましくは2〜20である。パーフルオロアルキル基として4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプチル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノニル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデシル基などが挙げられる。
式(5)中の炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロへキシル基、シクロデシル基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基等が挙げられる。炭素原子数6〜10のアリール基として、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
式(5)中、R2、R3、R4、R5およびR6は、夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基および炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であることが好ましい。特に夫々独立してメチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であることが好ましい。
式(4)のXは、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合を表わす。Xは、好ましくは単結合、エーテル結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合である。なかでも単結合、エステル結合が好ましい。
aは、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1である。
上記式(3)または(4)で表される末端基は、生物起源物質由来であることが好ましい。生物起源物質として、炭素原子数14以上の長鎖アルキルアルコール、例えばセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
式(3)または(4)で表される末端基の含有量は、ポリマー主鎖に対して好ましくは0.3〜9重量%、より好ましくは0.3〜7.5重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%である。
ポリカーボネート樹脂(A成分)の末端に式(3)または(4)で表される末端基を含有させることにより、樹脂組成物の成形加工性(離型性)、耐吸湿性が向上する。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600sec−1の条件下で0.2×103〜2.4×103Pa・sの範囲にあることが好ましく、0.4×103〜2.0×103Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.4×103〜1.8×103Pa・sであることがさらに好ましい。溶融粘度がこの範囲であると機械的強度に優れ、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際に成形時のシルバーの発生等が無く良好である。
ポリカーボネート樹脂(A成分)の、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度の下限は、好ましくは0.14、より好ましくは0.20、さらに好ましくは0.22である。また上限は、好ましくは0.45、より好ましくは0.37、さらに好ましくは0.34である。比粘度が0.14より低くなると本発明の樹脂組成物より得られた成形品に充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.45より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなり好ましくない。
ポリカーボネート樹脂(A成分)のガラス転移温度(Tg)の下限は、145℃、好ましくは148℃である。またガラス転移温度(Tg)の上限は、165℃である。従って、ポリカーボネート樹脂(A成分)のガラス転移温度(Tg)は、145〜165℃である。
Tgが145℃未満であると耐熱性(殊に吸湿による耐熱性)に劣り、165℃を超えると本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の溶融流動性に劣る。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定する。
ポリカーボネート樹脂(A成分)の5%重量減少温度の下限は、320℃、好ましくは330℃である。また5%重量減少温度の上限は、400℃、好ましくは390℃、より好ましくは380℃である。従って、ポリカーボネート樹脂(A成分)の5%重量減少温度(Td)は320〜400℃である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。5%重量減少温度はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定する。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(a)
これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるD−グルコースに水添した後、脱水させることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
特に、エーテルジオールとして、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることができるエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、その特性を損なわない範囲で脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノールと共重合させても良い。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖状アルカンジオールや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルカンジオールなどが挙げられる。中でも1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノールは、全ジオール成分中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、さらにより好ましくは5モル%以下、特に好ましくは2モル%以下である。
末端変性されたポリカーボネート樹脂(A成分)は、主鎖に対して0.3〜15重量%の下記式(6)または(7)
反応温度は、エーテルジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは180〜270℃の範囲である。
また、反応初期にはエーテルジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10−3〜1.3×10−5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常1〜4時間程度である。
(i)含窒素塩基性化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
(ii−1)アルカリ金属化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二価フェノールのナトリウム塩またはカリウム塩などが挙げられる。(ii−2)アルカリ土類金属化合物として、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。なかでも、(i)含窒素塩基性化合物と(ii−1)アルカリ金属化合物とを併用して使用することが好ましい。
(i)含窒素塩基性化合物および(ii)アルカリ(土類)金属化合物からなる触媒を用いると、スズなどを触媒として製造する場合に比べ、5%重量減少温度(Td)が高いポリカーボネート樹脂を製造することができる。
炭酸ジエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(p−ブチルフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステルは全ジオール成分に対してモル比で1.02〜0.98となるように混合することが好ましく、より好ましくは1.01〜0.98であり、さらに好ましくは1.01〜0.99である。炭酸ジエステルのモル比が1.02より多くなると、炭酸ジエステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が0.98より少ない場合でも、充分な重合度が得られず好ましくない。
本発明で使用されるゴム質重合体(B成分)は、ガラス転移温度が10℃以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−30℃以下であるゴム成分からなる重合体、並びに該ゴム成分からなる重合体に他のポリマー鎖が結合してなる共重合体が好ましい。ゴム質重合体(B成分)は、そのゴム成分がゴム質重合体100重量%中少なくとも35重量%、より好ましくは45重量%含有することが好ましい。ゴム成分の含有量の上限は実用上90重量%程度が適切である。
B成分のゴム質重合体は、メチルメタクリレート・アクリル−ブタジエンゴム共重合体およびメチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体である。
メチルメタクリレート・アクリル−ブタジエンゴム共重合体として、ロームアンドハース(株)製の「パラロイドEXL2602」などが挙げられる。メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体として、三菱レイヨン(株)製の「メタブレンS−2001」などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含有していてもよい。離型剤として、アルコールと脂肪酸とのエステルが挙げられる。その中でも一価アルコールと脂肪酸とのエステル、または多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが好ましい。多価アルコールと脂肪酸との部分エステルおよび/または全エステルがより好ましく、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルがさらに好ましい。なお、部分エステルとは、多価アルコールの水酸基の一部が脂肪酸とエステル反応せずに残存しているものを意味する。さらに、(i)炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルおよび(ii)炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の離型剤が好ましい。特に炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。
一価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。
これらのエステルのなかでも、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンモノベヘネート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート等の部分エステルが好ましく、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートがより好ましく、特に、グリセリンモノステアレートが好ましい。かかるC成分の化合物は、1種または2種以上の混合物であってもよい。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部、特に好ましくは0.03〜0.2重量部である。離型剤がこの範囲内にあると、ヤケを抑制しつつ離型性の向上を達成することができる。
本発明の樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系熱安定剤および/またはリン系熱安定剤を含有していてもよい。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えばオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1ージメチルエチル)−4−ヒドロキシアルキルエステル(アルキルは炭素数7〜9で側鎖を有する)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−イソプロピリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルメタクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルメタクリレート、および2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルメタクリレートなどが挙げられる。ヒンダードフェノール系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
リン系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.001〜0.5重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.005〜0.3重量部、特に好ましくは0.01〜0.3重量部である。リン系安定剤がこの範囲内にあると、本発明の樹脂組成物を成形する際の分子量低下や色相悪化などを抑えることができる。
本発明の樹脂組成物は、250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600sec-1の条件下で0.2×103〜2.4×103Pa・sの範囲にあることが好ましく、0.4×103〜2.0×103Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.4×103〜1.8×103Pa・sの範囲にあることがさらに好ましい。溶融粘度が上記範囲にあると機械的強度に優れ、また溶融成形時のシルバーの発生等が無く良好な成形品が得られる。
本発明の樹脂組成物は、ISO179に従って測定されたノッチ付シャルピー衝撃強度が10〜100kJ/m2の範囲にあることが好ましく、10〜50kJ/m2の範囲にあることがより好ましく、10〜40kJ/m2の範囲にあることがさらに好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、ISO178に従って測定された曲げ弾性率が2,500〜4,000MPaの範囲にあることが好ましく、2,750〜4,000MPaの範囲にあることがより好ましく、3,000〜4,000MPaの範囲にあることがさらに好ましい。本発明の樹脂組成物は、上述のごとく衝撃強度と曲げ弾性率とのバランスに優れた成形品を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、ISO75に従って測定された0.45MPa荷重下における荷重たわみ温度が100〜160℃の範囲にあることが好ましく、110〜150℃の範囲にあることがより好ましく、120〜150℃の範囲にあることがさらに好ましい。荷重たわみ温度が上記範囲にあると耐熱性と溶融流動性のバランスが良いという点で好ましい。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分および任意成分を予備混合し、その後、溶融混練しペレット化して製造することができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などを挙げることができる。予備混合においては、押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、ペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押出機が好ましい。他に、各成分および任意成分を予備混合することなく、それぞれ独立に二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法も取ることもできる。溶融混練する際のシリンダー温度は、好ましくは220〜270℃、より好ましくは230〜260℃、さらに好ましくは230〜250℃である。シリンダー温度が270℃を超えると、ポリカーボネート樹脂の熱分解の進行が大きくなる。
また、押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
B成分およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。
(ii)添加剤とA成分の樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。
(iii)添加剤とA成分の樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
(iv)他の予備混合の方法として、樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法。
押出機より押出された樹脂組成物は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後、ストランドをペレタイザーで切断してペレット化する。外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。ペレットの製造においては、光学ディスク用ポリカーボネート樹脂や光学用環状ポリオレフィン樹脂において既に提案されている方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜行うことが好ましい。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。
ペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。円柱の直径は、好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
また、本発明の樹脂組成物には、用途に応じて各種の添加剤(機能付与剤)を添加してもよく、例えば可塑剤、光安定剤、重金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などである。さらに、本発明の樹脂組成物には、用途に応じて各種の有機および無機のフィラー、繊維などを複合化して用いることもできる。フィラーとしては例えばカーボン、タルク、マイカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。繊維としては例えばケナフなどの天然繊維のほか、各種の合成繊維、ガラス繊維、石英繊維、炭素繊維などが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物には、例えば脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル、ABS、ポリウレタン、ポリ乳酸などと混合しアロイ化して用いることもできる。
本発明は、上記樹脂組成物から形成された成形品を包含する。成形品は、射出成形、押出成形などにより製造することができる。
射出成形は、シリンダー温度220〜270℃の範囲で行うことが好ましい。ポリマーの分解による着色や分子量低下を抑制するために、シリンダー温度は230〜260℃の範囲がより好ましく、230〜250℃の範囲が更に好ましい。シリンダー温度が270℃を超えると、ポリマーの分解が大きく促進されてしまう。金型温度は40〜140℃の範囲で行うことができるが、成形サイクルを短縮し、樹脂の溶融滞留時間を短くするため、40〜120℃が好ましく、更に好ましくは40〜100℃の範囲である。
射出成形は、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ホットランナー方式の成形法も可能である。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求めた。
ηsp=t/to−1
t:試料溶液のフロータイム
to:溶媒のみのフロータイム
(2)ガラス転移温度(Tg)
ペレットを用いてTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
(3)5%重量減少温度(Td)
ペレットを用いてTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定した。
(株)東洋精機製キャピラリーレオメータ(キャピログラフ 型式1D)を用い、キャピラリー長10.0mm、キャピラリー径1.0mm、測定温度250℃にて測定速度を任意に変更し測定した結果得られたShear Rate/Viscosityカーブより600sec-1での溶融粘度を読み取った。
(5)ノッチ付シャルピー衝撃強度
ペレットを120℃で12時間乾燥した後、日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度90℃にて曲げ試験片を成形した。ノッチ付シャルピー衝撃試験をISO179に従って行った。
(6)曲げ弾性率
上記(5)にて作成した曲げ試験片を用いて、曲げ試験をISO178に従って行った。
上記(5)にて作成した曲げ試験片を用いてISO75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度を測定した。
(8)末端変性基含有率
JEOL製JNM−AL400を用いてペレットの重クロロホルム溶液中における1H−NMRを測定し、エーテルジオール由来の特定プロトンと末端ヒドロキシ化合物由来の特定プロトンとの積分比から末端変性基含有率を求めた。なお末端変性基含有率は下記式から求めた。
Mt:末端ヒドロキシ化合物構成単位の分子量
Re:1H−NMRの積分比から求めた主鎖中におけるエーテルジオー ルの組成比
Me:エーテルジオール構成単位の分子量
(9)成形性
日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いて成形を行い、厚み2mmの見本板の形状を目視にて評価した(金型温度:80〜110℃、シリンダー温度:230〜260℃)。なお判断基準は以下の通りである。
○;濁り、割れ、ヒケ、および分解によるシルバーが見られない。
X;濁り、割れ、ヒケ、または分解によるシルバーが見られる。
イソソルビド7307重量部(50モル)とジフェニルカーボネート10709重量部(50モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを4.8重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを5.0×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し、30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.33のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度は165℃、5%重量減少温度は355℃であった。
最終的に255℃、6.66×10−5MPaで30分反応せしめた以外は参考例1と同様にして、比粘度が0.23のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度は158℃、5%重量減少温度は353℃であった。
イソソルビド7307重量部(50モル)とジフェニルカーボネート10923重量部(51モル)とステアリルアルコール270重量部(1.0モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを4.7重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを4.0×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.20×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.31のペレットを得た。このペレットの末端変性基含有率は1.7重量%であり、ガラス転移温度は150℃、5%重量減少温度は362℃であった。
イソソルビド7234重量部(49.5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン163重量部(0.5モル)、ジフェニルカーボネート11030重量部(51.5モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを9.4重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して2×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを5.2×10−2重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して2.5×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.38のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度は158℃、5%重量減少温度は356℃であった。
イソソルビド6722重量部(46モル)とジフェニルカーボネート10709重量部(50モル)と1,3−プロパンジオール304重量部(4モル)とした以外は参考例1と同様にして比粘度が0.28のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度は146℃、5%重量減少温度は342℃であった。
表1に記載の樹脂組成物を以下の要領で作成した。表1の割合の各成分を計量して、均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。押出機としては径15mmφのベント式二軸押出機((株)テクノベル社製KZW15−25MG)を使用した。押出条件は吐出量14kg/h、スクリュー回転数250rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで250℃とし、ペレットを得た。得られたペレットを100℃で12時間乾燥した後、各物性評価を行った。
また、表1に記載の使用した原材料等は以下の通りである。
A−1:参考例1にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−2:参考例2にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−3:参考例3にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−4:参考例4にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−5:参考例5にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
(B成分)
B−1:ポリブタジエンのコアとメチルメタクリレートおよびアルキルアクリレートのシェルからなるゴム質重合体(ロームアンドハース(株)製:「パラロイドEXL2602」)
B−2:シリコーンとアクリルとの複合ゴムのコアとアクリルのシェルからなるゴム質重合体(三菱レイヨン(株)製:「メタブレンS−2001」)
L−1:グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)リケマールS−100A)
S−1:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製 アデカスタブPEP−36)
Claims (10)
- 式(1)で表される繰り返し単位が、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の繰り返し単位である請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖に対して95〜100モル%含有する請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A成分)は、(i)含窒素塩基性化合物および(ii)アルカリ(土類)金属化合物の存在下で溶融重合された樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(3)または(4)で表される末端基を、主鎖に対し0.3〜9重量%含有する請求項1記載の樹脂組成物。
- ISO75に従って測定された0.45MPa荷重下における荷重たわみ温度が、100〜160℃の範囲にある請求項1記載の樹脂組成物。
- 250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600sec-1の条件下で0.2×103〜2.4×103Pa・sの範囲にある請求項1記載の樹脂組成物。
- ISO179に従って測定されたノッチ付シャルピー衝撃強度が10〜100kJ/m2の範囲にある請求項1記載の樹脂組成物。
- ISO179に従って測定されたノッチ付シャルピー衝撃強度が10〜50kJ/m2の範囲にある請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1記載の樹脂組成物から形成された成形品。
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