JP2013095877A - 成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1):
【化1】
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂1質量部〜99質量部と、熱可塑性樹脂99質量部〜1質量部とを含むポリカーボネート樹脂組成物を発泡成形してなる成形体。
【選択図】なし
Description
〔2〕ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位とその他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有する共重合体である、〔1〕に記載の成形体。
〔3〕その他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が、下記式(2):
HO−R1−OH (2)
(式(2)中、R1は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、
下記式(3):
HO−CH2−R2−CH2−OH (3)
(式(3)中、R2は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、
下記式(4):
H−(O−R3)p−OH (4)
(式(4)中、R3は炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基を表し、pは2〜15の整数である。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、および
下記式(5):
HO−R4−OH (5)
(式(5)中、R4は炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルキレン基、又は置換若しくは無置換のアセタール環を有する基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位よりなる群から選ばれる何れかの構造単位である、〔2〕に記載の成形体。
〔4〕その他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類およびヘキサンジオール類に由来する構造単位よりなる群から選ばれる何れかの構造単位である、〔2〕又は〔3〕に記載の成形体。
〔5〕熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である、〔1〕ないし〔4〕の何れかに記載の成形体。
〔6〕熱可塑性樹脂が前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有さないポリカーボネート樹脂である、〔1〕ないし〔4〕の何れかに記載の成形体。
先ず、本発明で用いるポリカーボネート樹脂と熱可塑性樹脂について説明し、次に、樹脂組成物、発泡成形方法、成形体の用途等について説明する。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、下記式(1):
前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物(以下これを、「式(1)の化合物」と略称することがある。)としては、例えば、立体異性体の関係にあるイソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。これらの化合物は、それぞれ、D−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られるものである。例えば、イソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
その他ジヒドロキシ化合物としては、一般に用いられる重合方法で、上記式(1)の化合物とともにポリカーボネート共重合体を形成し得るものであれば特に制限されないが、例えば、下記式(2)〜(5)で表されるジヒドロキシ化合物よりなる群から選ばれる何れかの化合物が好ましい。なお、以下において、各種の基の炭素数は、当該基が置換基を有する場合、その置換基の炭素数をも含めた合計の炭素数を意味する。
(式(2)中、R1は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
(式(3)中、R2は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
(式(4)中、R3は炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基を表し、pは2〜15の整数である。)
(式(5)中、R4は炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルキレン基、又は置換若しくは無置換のアセタール環を有する基を表す。)
<式(2)で表されるジヒドロキシ化合物>
式(2)で表されるジヒドロキシ化合物(以下これを、「式(2)の化合物」と略称することがある。)は、R1に炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜18の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を有する脂環式ジヒドロキシ化合物である。ここで、R1が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1〜12の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、該アルキル基が置換基を有する場合、当該置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
これらは得られるポリカーボネート樹脂の要求性能に応じて、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物(以下これを、「式(3)の化合物」と略称することがある。)は、R2に炭素数4〜20、好ましくは炭素数3〜18の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を有する脂環式ジヒドロキシ化合物である。ここで、R2が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1〜12の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、該アルキル基が置換基を有する場合、当該置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
即ち、これらのジヒドロキシ化合物は、製造上の理由から異性体の混合物として得られる場合があるが、その際にはそのまま異性体混合物として使用することもできる。例えば、3,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、3,9−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、及び4,9−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンの混合物を使用することができる。
前記式(4)で表されるジヒドロキシ化合物(以下これを、「式(4)の化合物」と略称することがある。)は、R3に炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜5の置換若しくは無置換のアルキレン基を有する化合物である。pは2〜50、好ましくは2〜30の整数である。
これらは得られるポリカーボネート共重合体の要求性能に応じて、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(5)で表されるジヒドロキシ化合物(以下これを、「式(5)の化合物」と略称することがある。)は、R4に炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、又は置換若しくは無置換のアセタール環を有する基を有するジヒドロキシ化合物である。R4のアルキレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R4のアセタール環を有する基が置換基を有する場合、当該置換基としては炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
これらは得られるポリカーボネート共重合体の要求性能に応じて、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるポリカーボネート共重合体は、前記式(1)〜(5)の化合物に由来する構造単位の他に、それら以外のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。
ビスフェノール類としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂を構成する全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対する式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合は特に制限されないが、通常30モル%以上、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、また通常99モル%以下、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。
ここで、本発明におけるポリカーボネート樹脂の物理化学的性質は特に制限されないが、以下の性質を有するものを発泡させて成形体とすることが好ましい。
ガラス転移温度が高すぎると、発泡成形する際に高い温度が必要となる傾向があり、また、ポリマーへのガス溶解度が小さく発泡成形した時に高い発泡倍率が得られない虞がある。さらに、ガラス転移温度が低すぎると発泡成形体の耐熱性が悪くなる虞がある。
本発明においては、上記したポリカーボネート樹脂に熱可塑性樹脂を所定量配合する。
ポリカーボネート樹脂と熱可塑性樹脂の配合量は、ポリカーボネート樹脂1質量部〜99質量部と、熱可塑性樹脂99質量部〜1質量部との範囲であり、好ましくは、ポリカーボネート樹脂10質量部〜99質量部と、熱可塑性樹脂90質量部〜1質量部、より好ましくは、ポリカーボネート樹脂30質量部〜99質量部と、熱可塑性樹脂70質量部〜1質量部、さらに好ましくは、ポリカーボネート樹脂50質量部〜99質量部と、熱可塑性樹脂50質量部〜1質量部である。熱可塑性樹脂の配合量が多すぎると、植物由来度が低下し、逆に配合量が少なすぎると、ポリカーボネート樹脂の改良が充分にできない。
本発明において、上述したポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブルーイング剤等の各種の添加剤、分岐剤、気泡調整剤等を配合した樹脂組成物とし、発泡成形方法に応じた発泡剤とともに、発泡成形に供される。
これらの熱安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
これらの紫外線吸収剤や光安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのブルーイング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの気泡調整剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
本発明において、上述した樹脂組成物は、発泡成形方法に応じた発泡剤とともに、発泡成形することにより、本発明の成形体を得ることができる。
これらの発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、発泡剤は、あらかじめポリカーボネート樹脂組成物と混合して使用しても、押出機途中で圧入してもよい。
なお、本発明における発泡倍率は、実施例の項において示す方法により求められる値である。また、発泡体(成形体)の形状も特に制限は無く、用途等に応じて適宜定めることができる。
以下の例において、樹脂やその発泡成形体の特性評価は次の方法により行った。なお、特性評価の手法は以下の方法に限定されるものではなく、当業者が適宜選択することができる。
示差走査熱量計(メトラー社製DSC822)を用いて、試料約10mgを10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K 7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求めた。
カラーメーター(日本電色社製300A)を用いて、チップカラーを測定した。
ガラスセルに、チップを所定量入れ、反射測定で測定し、b値を測定した。
この数値が小さいほど、黄色みが小さい。
中央理化社製DT−504型自動粘度計(ウベローデ型粘度計)を用い、溶媒として、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの質量比1:1混合溶媒を用い、温度30.0℃±0.1℃で測定した。濃度は1.00g/dlになるように、精密に調整した。
試料は120℃で攪拌しながら、30分で溶解し、冷却後測定に用いた。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t0(g・cm−1・sec−1)
より相対粘度ηrelを求め、相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求めた。
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。
この数値が高いほど分子量が大きい。
セイコー電子社製TG−DTA(SSC−5200、TG/DTA220)を用い、試料10mgをアルミニウム製容器に載せ、窒素雰囲気下(窒素流量200ml/分)で昇温速度10℃/分で30℃〜450℃まで測定し、5%質量が減少した際の温度を求めた。
この温度が高いほど、熱分解しにくい。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマックス射出成形機CS−183MMXを用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片を射出成形し、深さ1.2mmのノッチをノッチングマシンで付け、試験片とした。
この試験片について、カスタム・サイエンティフィック社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS−183TI型を用いて、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。
この数値が大きいほど、耐衝撃強度が大きく、割れにくい。
上記射出成形機を用いて温度240℃〜300℃で、平行部長さ9mm、平行部直径1.5mmの引張試験片を射出成形し、カスタム・サイテンティフィック社製引張試験機CS−183TE型を用いて、引張速度1cm/分の条件で引張試験を行い、降伏時伸び、引張降伏強さ、引張降伏弾性率、及び破断時伸びを測定した。
それぞれの数値が大きいほど、強さ、伸びがある。
100℃で5時間真空乾燥をした樹脂サンプル8gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度200〜250℃で、予熱1〜3分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスを用いて圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。このシートから幅1cm長さ2cmの試料を切り出した。厚さは1mmであった。
この試料について、加熱脱着−ガスクロマトグラフ/質量分析法(TDS−GC/MS)にて発生ガスを測定した。測定装置として、GERSTEL社製TDS2を用い、加熱脱着温度を250℃、10分、トラップ温度を−130℃、で実施した。
GC/MSとしてAgilent社製HP6890/5973N、カラムとしてHP−VOC:0.32×60m、1.8μmdfを用い、40℃、5分保持した後、8℃/分で280℃まで昇温後、280℃で25分保持して、測定した。キャリアガスは、ヘリウム1.3mL/分とした。
ガス発生量は製造時に留出するフェノール及びフェノールに由来するベンズアルデヒドを除いた単位面積当たりのトータル発生量としてトルエンによる換算値にて求めた。
「発泡成形体の厚み」に対する「キャビティの拡張以前の金型の厚み」の比〔(発泡成形体の厚み)/(キャビティの拡張以前の金型の厚み)〕を「発泡倍率」とした。
以下の製造例1において、反応に用いたイソソルビドはロケットフルーレ社製又は三光化学社製、1,4−シクロヘキサンジメタノールはイーストマン社製、ジフェニルカーボネートは三菱化学社製、炭酸セシウムは和光純薬工業社製である。
ISB:イソソルビド
1,4−CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
DPC:ジフェニルカーボネート
特開2009−161746号公報の実施例1に記載の方法に準じて次のとおり製造した。
ISB27.7質量部(0.516モル)に対して、1,4−CHDM13.0質量部(0.246モル)、DPC59.2質量部(0.752モル)、及び触媒として、炭酸セシウム2.21×10−4質量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPa(絶対圧、以下同様)にし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
また、このポリカーボネート共重合体(PC−1)を245℃で、金型温度90℃で成形して機械物性評価用の試験片(2種)を得た。これらの試験片を用いて、機械物性の評価を行った結果、引張降伏強さ84MPa、引張降伏弾性率748MPa、降伏時伸び16%、破断時伸び30%、アイゾット衝撃強度227J/m2であった。
また、このポリカーボネート共重合体(PC−1)の窒素雰囲気下での5%熱減量温度は344℃であった。また、フェノール成分以外の発生ガス量は3.7ng/cm2で、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物を除いたジヒドロキシ化合物由来の発生ガスは検出されなかった。
<樹脂組成物の製造>
十分に乾燥させた製造例1のポリカーボネート共重合体(PC−1)1.5kgと三菱エンジニアリングプラスチックス社製ビスフェノールA系ポリカーボネート(BPA−PC)『ノバレックス』7022IR 1.5kgとBASF社製『Joncryl』UVA3070PET(BASF社製樹脂添加剤ADR−4370S:PET=3:7の比率で作成されたマスターバッチ)30.0gを十分に混合(ドライブレンド)した。
次いで、得られた樹脂組成物ペレットを熱風乾燥機にて窒素ガスを流通させながら90℃にて5時間以上乾燥させた後、JSW社製MuCell射出成形機「J85AD−Mucell」のホッパーに投入し、計量の工程においてシリンダー内部(樹脂溶融部)に、物理発泡剤(窒素又は二酸化炭素)を表1に示すとおり加圧して導入(注入)し、溶融した樹脂組成物と物理発泡剤とを混合した。計量のストローク量は、全ての実施例・比較例において、厚み1.5mm×幅100mm×長さ180mmの板状形状の金型に射出された場合にフルショットとなる値に設定された。次いで、厚み1.5mm×幅100mm×長さ180mmの板状形状の金型へ射出し、充填完了とほぼ同時(充填完了の前後0.1秒以内)に金型の可動プレートを所定のストローク量(型開量)だけ後退(コアバック)し、キャビティの拡張を行うことにより発泡成形し、そのまま60秒間冷却し、発泡成形体を得た。この場合、発泡倍率の算出に用いる「キャビティの拡張以前の金型の厚み」は1.5mmである。射出開始から充填完了までに要する時間を1.0秒、金型の可動プレートの後退に要する時間を0.1秒に設定した。また、金型温度は60度に調温した。
結果を表1に示す。なお、表中の金型厚みは「キャビティの拡張以前の金型の厚み」を指す。
<樹脂組成物の製造>
実施例1の<樹脂組成物の製造>において、混練する樹脂組成を、製造例1のポリカーボネート共重合体(PC−1)2.1kgと三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート(PBT)『ノバデュラン』5010R5L 0.9kgとBASF社製『Joncryl』UVA3070PET(BASF社製樹脂添加剤ADR−4370S:PET=3:7の比率で作成されたマスターバッチ)9.0gとした事以外は、実施例1の<樹脂組成物の製造>と同様に樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物ペレットを実施例1の<樹脂組成物の発泡成形>と同様に発泡成形した。
結果を表1に示す。
<ポリカーボネート7022IR(ビスフェノールA系PC)の発泡成形>
三菱エンジニアリングプラスチックス社製のビスフェノールA系ポリカーボネート『ノバレックス』7022IRを実施例1の<樹脂組成物の発泡成形>と同様に発泡成形した。
結果を表1に示す。
<ポリブチレンテレフタレート5010R5Lの発泡成形>
三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート(PBT)『ノバデュラン』5010R5Lを実施例1の<樹脂組成物の発泡成形>と同様に発泡成形した。
Claims (6)
- 下記式(1):
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも有するポリカーボネート樹脂1質量部〜99質量部と熱可塑性樹脂99質量部〜1質量部とを含むポリカーボネート樹脂組成物を発泡成形してなることを特徴とする成形体。 - ポリカーボネート樹脂が、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位とその他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有する共重合体である、請求項1に記載の成形体。
- その他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が、下記式(2):
HO−R1−OH (2)
(式(2)中、R1は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、
下記式(3):
HO−CH2−R2−CH2−OH (3)
(式(3)中、R2は炭素数4〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、
下記式(4):
H−(O−R3)p−OH (4)
(式(4)中、R3は炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基を表し、pは2〜15の整数である。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位、および
下記式(5):
HO−R4−OH (5)
(式(5)中、R4は炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルキレン基、又は置換若しくは無置換のアセタール環を有する基を表す。)
で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位よりなる群から選ばれる何れかの構造単位である、請求項2に記載の成形体。 - その他ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位が、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類およびヘキサンジオール類に由来する構造単位よりなる群から選ばれる何れかの構造単位である、請求項2又は3に記載の成形体。
- 熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である、請求項1ないし4の何れか1項に記載の成形体。
- 熱可塑性樹脂が前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有さないポリカーボネート樹脂である、請求項1ないし4の何れか1項に記載の成形体。
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