JP5471348B2 - ポリカーボネートよりなる嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器 - Google Patents
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Description
、更に好ましく100℃以上であれば、広い温度範囲において寸法変化が抑制されるので、広範囲の用途に適用されるためには樹脂の耐熱性、たとえばガラス転移温度(Tg)が
重要な因子である。この点からは、ポリアクリレートのガラス転移温度は80〜90℃で、ポリスチレンの場合は、約100℃であるので、適用される用途に制約がある。ポリカーボネートのガラス転移温度は130〜150℃であるので、耐熱性の観点からは嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器のほとんどに適用可能である。
た、イソソルビドと他のジヒドロキシ化合物との共重合ポリカーボネートとして、ビスフェノールAを共重合したポリカーボネートが提案されており(例えば、特許文献2参照)、更に、イソソルビドと脂肪族ジオールとを共重合することにより、イソソルビドからなるホモポリカーボネートの剛直性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献3参照)。
このようにイソソルビドを用いたポリカーボネートの提案はなされているが、これらの文献にて開示されているのは、ガラス転移温度、さらには基本的な機械的特性のみで、上述の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器にとって重要な折り曲げ特性や表面硬度などの特性について開示されていない。
[1]下記構造式(1)で表される構造を含むジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートからなる、嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
[2] 前記ポリカーボネートのガラス転移温度が80℃以上である請求項1に記載の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
[3] 前記ポリカーボネートが、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有する請求項1または請求項2に記載の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
本発明の容器は、下記構造式(1)で表される構造を含むジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するポリカーボネートからなる、嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器である。但し、構造式(1)中の酸素原子に水素原子は結合しない。
容器または蓋の一部に一体的に形成されたヒンジ部を有するもの、容器および蓋に一体的に形成され、組み合わせることでヒンジとしての機能を奏するヒンジ構造部分を有するもの、等があげられる。
更に本発明に係るポリカーボネートからなる部材または部分が、本発明に係るポリカーボネートからなる部材または部分と接触し摺動する構造を有する容器が好ましい。また、ヒンジ部は、摺動部分を有さず、本発明に係るポリカーボネートからなる折り曲げ構造体からなるものであっても構わない。
本発明に係るポリカーボネートは、前記構造式(1)で表される構造を含むジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有するものであるが、当該ジヒドロキシ化合物の一部を他種類のジヒドロキシ化合物、例えば脂肪族、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位、またはポリアルキレングリコールなどの共重合構成単位に置き換えた共重合体であってもよい。
ヘキシル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン等で例示されるような、ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)アルカン類、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[3−シクロヘキシル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロペンタン等で例示されるような、ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル等で例示されるような、ジヒドロキシアルコキシジアリールエーテル類、4,4’−ビス(2−ヒドロキエトキシフェニル)スルフィド、4,4’−ビス[4−(2−ジヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]スルフィド等で例示されるような、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルフィド類、4,4’−ビス(2−ヒドロキエトキシフェニル)スルホキシド、4,4’−ビス[4−(2−ジヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]スルホキシド等で例示されるような、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルホキシド類、4,4’−ビス(2−ヒドロキエトキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス[4−(2−ジヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]スルホン等で例示されるような、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルホン類、1,4−ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,3−ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,2−ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,3−ビス[2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロピル]ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、1,3−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジメチルアダマンタン、下記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、および下記一般式(3)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物が挙げられ、これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
なお、イソソルビドは酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時の取り
扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが肝要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いてポリカーボネートを製造すると、得られるポリカーボネートに着色が発生したり、物性を著しく劣化させる原因となる。また、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られないこともある。また、蟻酸の発生を防止するような安定剤を添加してあるような場合、安定剤の種類によっては、得られるポリカーボネートに着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられ、このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライドなどが挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられるが、このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒ともなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなることもある。
一方、本発明に用いるに適した共重合構成単位の由来となるジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族、環式脂肪族、芳香族系ジヒドロキシ化合物のいずれでも良い。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物として、例えばブタンジオール−1,4,ペンタンジオール−1,5,ネオペンチルグリコール,ヘキサンジオール−1,6,ヘプタンジオール−1,7,オクタンジオール−1,8,2−エチルヘキサンジオール−1,6,2,2,4−トリメチルヘキサン
ジオール−1,6,デカンジオール−1,10,水素化ジリノレイルグリコール,水素化
ジオレイルグリコールなどを挙げることができる。
また、共重合構成単位のポリアルキレングリコールとしては炭素数2〜4のアルコシル基を1分子あたり2〜40個含有するものが好ましく、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。
上を混合して用いても良い。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物あるいはポリアルキレングリコールを共重合成分として使用すると、ガラス転移温度の低下が激しく、土木建築資材部品としての用途に制約が生じ好ましくない。芳香族ジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用すると、構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と反応性が激しく異なり、透明性などが悪化する。構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物単独のポリカーボネート樹脂は、一般的に高分子量のものを得るのが困難である。一方、環式脂肪族(脂環式と表記することがある)ジヒドロキシ化合物を共重合成分として使用する場合は、以下に示すように構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との反応性のバランスが良好であり、且つ高分子量化も比較的容易であり、ガラス転移温度の低下も直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物よりも程度が小さく、表面硬度、機械的強度も十分高いという点で望ましい。
この溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
上記一般式(4)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
ム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
またアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と併用される塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、あるいはストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
上記重合触媒の使用量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1〜100μモルの範囲内で用い、好ましくは0.5〜50μモルの範囲内であり、さらに好ましくは1〜25μモルの範囲内である。重合触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性が得られず、一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られるポリ
カーボネートの色相が悪化し、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質のポリカーボネートの製造が困難になる。
2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノールを反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
本発明に係るポリカーボネートを溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン酸化合物や亜リン酸化合物を重合時に添加することができる。
リン酸化合物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキルの1種又は2種以上が好適に用いられる。これらは、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、さらに好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。リン化合物の添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりする。
かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましく使用される。 これらの熱安定剤は、1種を単
独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
01〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.2重量部が更に好ましい。
また、本発明に係るポリカーボネートには、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を配合することもできる。
また、本発明に係るポリカーボネートには、シート成形時の冷却ロールからのロール離れ、あるいは射出成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤を配合することも可能である。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
かかる離型剤の配合量は、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.01〜5重量部が好ましい。
また、本発明に係るポリカーボネートは、紫外線による変色は現行のポリカーボネート樹脂に比較して著しく小さいが、さらに改良の目的で、本願発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤を配合することができる。
かかる配合量は、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.01〜2重量部が好ましい。
また、本発明に係るポリカーボネートには、重合体や紫外線吸収剤に基づく嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器の黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としては、現行のポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
et31[CA.No 68210、一般名Solvent Violet33[CA.
No 60725;、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500]
、
一般名Solvent Violet36[CA.No 68210]、一般名Solv
ent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]および一
般名Solvent Blue45[CA.No 61110]が代表例として挙げられる。
これらブルーイング剤は、通常、ポリカーボネートを100重量部とした場合、0.1
×10−4〜2×10−4重量部の割合で配合される。
ジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器などの成形物にすることができる。
本発明に係るポリカーボネートの混和性を高めて安定した各物性を得るためには、溶融押出において単軸押出機、二軸押出機を使用するのが好ましい。単軸押出機、二軸押出機を用いる方法は、溶剤等を用いることがなく、環境への負荷が小さく、生産性の点からも好適に用いることができる。 本発明の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1
つを有する容器用途向けポリカーボネート(の場合は、押出機の溶融混練温度は通常200〜300℃、好ましくは220〜260℃である。溶融混練温度が200℃より低い温度であると、ポリカーボネートの溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、ポリカーボネートの劣化が起こりやすくなり、ポリカーボネートの色が黄変したり、分子量が低下するため強度が劣化したりする。
トの押出は、押出後の異物混入を防止するために、クリーンルーム中で実施することが望ましい。
(1)還元粘度
ウベローデ型粘度計を用い、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶液を用い、ポリカーボネートの濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度20.0℃±0.1℃で測定した。この数値が高いほど分子量が大きい。
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC822」)に試料約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K 7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた折線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度Tgを求めた。
ポリカーボネートを、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)及び巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み100μmのフィルムを製造し、当該フィルムを、フィルムの押出方向を長さとして、幅20mm、長さ100mmの短冊状に安全かみそりを用いて切り出したものを試料とした。当該フィルムを長さ方向で端部から50mmの位置で幅方向の折り曲げ線に沿って折り曲げることを、表および裏で行うことを1回として、破断若しくは破れが生じるまで繰り返し、破断若しくは破れが生じた際の折り曲げ回数を折り曲げ試験の回数とした。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマ
ックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試験片を射出成形し、深さ1.2mmのノッチをノッチングマシンで付け、試験片とした。
この試験片について、カスタム・サイエンティフィック社製ミニマックスアイゾット衝撃試験機「CS−183TI型」を用いて、23℃におけるノッチ付きのアイゾット衝撃強度を測定した。この数値が大きいほど、耐衝撃強度が大きく、割れにくい。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマ
ックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を射出成形し、摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数100サイクルの条件にて、テーバー摩耗試験(東洋精機社製Rotary Abrasion Tester)を行いて試験前後のヘーズ値の差ΔH%を測定した。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマ
ックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を射出成形し、コーテック社製引っかき硬度(鉛筆法)試験器を用いて、JIS K5600-5-4に準拠して、鉛筆硬度を6B〜6Hの範囲で測定した。6Bは表面硬度が低く、6Hは表面硬度が高いことを示す。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマ
ックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を射出成形し、UL−94規格 水平燃焼性試験(HB)に準拠して測定した。ただし、試験片の片方の端に試験炎を30秒間あてて取り去る方法での燃焼状況の確認を行った。試験片全体に燃え広がらずに、鎮火すれば自消性材料と判断される。
カスタム・サイエンティフィック(Custom Scientific)社製ミニマ
ックス射出成形機「CS−183MMX」を用いて、温度240〜300℃で、射出成形した長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ0.8mmの試験片を、三重県四日市市三菱化学(株)四日市事業所内で南面45度の傾斜面に設置して、2006年1月中旬〜10月中旬まで耐候変色試験を実施した。その試験前後の試験片に対して、日本電色工業社製分光式色差計SE−2000を用いて色差ΔEを測定した。ΔEが小さいほど、変色が小さいことを示している。
イソソルビドを純水で100倍希釈してイオンクロマトグラフDionex社製DX−500型で測定した。
なお、実施例1で用いたイソソルビドの蟻酸含有量は5ppmであった。
イソソルビド(ロケットフルーレ社製)27.7重量部(0.516モル)に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製、以下「1,4−CHDM」と略記する。)13.0重量部(0.221モル)、ジフェニルカーボネート(三菱化学社製、以下「DPC」と略記する。)59.2重量部(0.752モル)、および触媒として、炭酸セシウム(和光純薬社製)2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250℃まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネートのペレットを得た。得られたポリカーボネートを用いて、MEIKI製射出成形機「NADEM2000」を用いて、温度230〜260℃で、長さ120mm、幅50mm、高さ30mmの嵌合部を有するモデルテスト容器を射出成形した。
得られたポリカーボネートについて、上記記載の評価方法により、ガラス転移温度、折り曲げ試験、アイゾット衝撃値、テーバー磨耗、鉛筆硬度、燃焼性、および耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバレックス7020AD2)について、上記記載の評価方法により、ガラス転移温度、折り曲げ試験、アイゾット衝撃値、テーバー磨耗、鉛筆硬度、燃焼性、および耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリペットMF)について、上記記載の評価方法により、還元粘度、ガラス転移温度、折り曲げ試験、アイゾット衝撃値、鉛筆硬度、燃焼性、および耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
1)比較例1のポリカーボネート樹脂からなる容器は、嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器としてガラス転移温度、耐衝撃強度は充分な特性を有しており、また自消性材料である。しかし鉛筆硬度はBと低く、また耐候変色性が大きく劣っている。一方アクリル樹脂は鉛筆硬度は2Hと十分な性能を有しており、また変色は少ないが、ガラス転移温度、耐衝撃性に劣り、また易燃焼性である。
Claims (4)
- 前記ポリカーボネートのガラス転移温度が80℃以上である請求項1に記載の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
- 前記ポリカーボネートが、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を有する請求項1または請求項2に記載の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
- 前記ポリカーボネートの有する前記構造式(1)で表される構造を含むジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が100:0〜30:70の範囲である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009264340A JP5471348B2 (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | ポリカーボネートよりなる嵌合部およびヒンジ部から選ばれる少なくとも1つを有する容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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