JP2011070019A - 反射材 - Google Patents
反射材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011070019A JP2011070019A JP2009221284A JP2009221284A JP2011070019A JP 2011070019 A JP2011070019 A JP 2011070019A JP 2009221284 A JP2009221284 A JP 2009221284A JP 2009221284 A JP2009221284 A JP 2009221284A JP 2011070019 A JP2011070019 A JP 2011070019A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polycarbonate
- reflector
- inorganic filler
- reflective material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の反射材は、特定の構造を有するポリカーボネートと、有機充填剤及び/又は無機充填剤とを主たる構成成分とする樹脂組成物からなり、反射材内部に空隙率が5%以上70%以下の範囲である微細な空洞を有することを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
さらに、近年LEDなどの高温発熱を伴う光源を備えた液晶表示装置、照明器具、及び照明看板などが使用されており、そのため、反射材にはより一層優れた耐熱性も求められている。
一方で、上記特許文献3〜6には、耐熱性に優れた各種のポリカーボネート系樹脂が開示されているが、これらの樹脂を反射材用途として用いるための検討はなされておらず、未だ好適な反射材は見出されていなかった。
填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、特定構造のポリカーボネート共重合体と有機充填剤及び/又は無機充填剤の周囲に形成される空洞との屈折率差による屈折散乱、さらに有機充填剤及び/又は無機充填剤の周囲に形成される空洞と有機充填剤及び/又は無機充填剤との屈折率差による屈折散乱などから光反射性を得ることができるので、薄肉でも優れた反射性を得ることができる。
ここで、本発明の反射材のとり得る形態としては、特に限定されるものではないが、フィルム状、あるいはシート状であることが好ましい。
<反射材>
本実施形態に係る反射材(以下「本反射材」ともいう)は、特定のポリカーボネートと、有機充填剤及び/又は無機充填剤を主たる構成成分とする樹脂組成物から形成されたものである。
(ポリカーボネート)
本反射材の主たる構成成分であるポリカーボネートとしては、分子内に下記構造式(1)で表される構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネートが用いられる。但し、構造式(1)中の酸素原子に水素原子は結合しない。
上記の中でもイソソルビドが最も好ましく、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪族ジヒドロキシ化合物の中でも、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、及び1,6−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
中でも、反射材の用途としては、80〜155℃に調整することが好ましく、100〜155℃に調整することが好ましい。このような範囲とすることで、反射材に耐熱性を付与することができ、液晶ディスプレイや照明器具用途での安定性を確保することが可能となる。
(YI値の改善)
本発明に係るポリカーボネートは、反射材として利用可能な程度に好適な透明性を有するものであるが、以下のような特徴を持たせることにより更に着色を抑えることができる。
(末端基濃度)
上記ポリカーボネートの末端には、副反応、恐らくは分子内脱水反応で生成した二重結合が存在することがあり、特に上記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物をモノマー成分の少なくとも1つとする場合、このユニットが脱水して生成したと考えられる下記構造式(A)で表される二重結合を有する末端が存在する(以下、末端二重結合基ということがある)。
れるポリカーボネートに着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられ、このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライドなどが挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられる。このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒ともなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなることもある。
上記ポリカーボネートの粘度は、還元粘度として、通常0.20dl/g以上、好ましくは0.40dl/g以上、より好ましくは0.42dl/g以上であり、また、通常2.00dl/g以下、好ましくは1.60dl/g以下、特に好ましくは1.00dl/g以下であることが好ましい。ここで、「還元粘度」とは、ポリカーボネートのフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1混合溶媒を用い、温度30.0℃±0.1℃において、濃度1.00g/dlで測定した値(ηsp/c)である。
本発明に係るポリカーボネートの有する末端フェニル基および末端二重結合基の量は、測定溶媒としてTMSを添加した重クロロホルムを使用し、1H−NMRスペクトルを測定することで算出することができる。
具体的には例えば、TMS(テトラメチルシラン)基準にて化学シフト6.6ppm〜6.7ppmに検出されるピークを前述した末端二重結合基に帰属することとする。同様に、化学シフト7.3ppm〜7.5ppmに検出されるピークを、前述した末端フェニル基に帰属することとする。
より具体的には、例えば共重合ジオールとしてトリシクロデカンジメタノール(以下、TCDDMということがある)を用いた場合のを例にすると、以下の方法で定量することが可能である。
・サンプル調製
ポリマーを25mgから30mg秤量し、重クロロホルム0.7mLに室温で溶解する。重クロロホルムは銀箔の安定剤が入っているものを使用し、基準物質としてTMS(テトラメチルシラン)を少量添加する。
溶解した液を外径5mmのNMR管に詰め、Bruker社製NMR(AVANCE400)を用いて、400MHz、45°パルス、照射時間4秒、待ち時間6秒、積算256回で測定を行う。
2.解析
4.70ppmから4.46ppmのイソソルビドの主鎖に由来するシグナルの積分値を100とする。次に2.70ppmから0.50ppmのトリシクロデカンジメタノール(TCDDM)の主鎖に由来するシグナルの積分値を求め、積分値(1)とする。この領
域に重なる水の積分値は補正する。
シグナルの積分値を求め、積分値(3)とする。
これらの積分値から次の式を用いて末端フェニル基および末端二重結合基の量を算出する。
/g)
末端二重結合基濃度={積分値(3)/(100×イソソルビド主鎖ユニットの式量+積分値(1)/14×TCDDM主鎖ユニットの式量+積分値(2)/2×末端フェニル基ユニットの式量+積分値(3)×末端二重結合基ユニットの式量)}×106(単位:μeq/g)
(ポリカーボネート中に含まれるフェノールの定量)
本発明に係るポリカーボネートの有するフェノールの量は、具体的には例えば以下の方法で定量することが可能である。
用いた装置や条件は、次のとおりである。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ CBM−20A
ポンプ LC−10AT
カラムオーブン CTO−10Avp
検出器 SPD−10Avp
分析カラム:SUPELCO Ascentis Express C18(5cm×3.0mm、粒子サイズ2.7μm)
オーブン温度:40℃
・検出器:UV213nm
・溶離液:A)0.1%リン酸水溶液/アセトニトリル=5/1
B)アセトニトリル
(B液を3%から95%までグラジエント)
・試料注入量:3μl
(ポリカーボネート中に含まれる蟻酸の定量)
本発明に係るポリカーボネートの有する蟻酸の量は、具体的には例えば以下の方法で定
量することが可能である。
(還元粘度の測定法)
本発明に係るポリカーボネートの還元粘度は、具体的には例えば以下の方法で定量することが可能である。
サンプルを120℃で攪拌しながら、30分で溶解し、冷却後測定に用いる。
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求める。
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求める。この数値が高いほど分子量が大きい。
(5%熱減量温度の測定方法)
本発明に係るポリカーボネートの5%熱原料温度は、具体的には例えば以下の方法で定量することが可能である。
<リン系化合物>
上記ポリカーボネートを溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン系化合物であるリン酸化合物や亜リン酸化合物又はこれらの金属塩を重合時に添加することができる。
特に、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトの1種又は2種以上が好適に使用できる。
また、上記ポリカーボネートには、成形時等における分子量の低下や色調の悪化を防止するために熱安定剤を配合することができる。
かかる熱安定剤は、溶融重合時に添加した添加量に加えて更に追加で配合することができる。即ち、適当量の亜リン酸化合物やリン酸化合物を配合して、上記ポリカーボネートを得た後に、後に記載する配合方法で、さらに亜リン酸化合物を配合すると、重合時のヘイズの上昇、着色、及び耐熱性の低下を回避して、さらに多くの熱安定剤を配合でき、色調の悪化の防止が可能となる。
(有機充填剤)
本発明に用いることのできる有機充填剤としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等の熱架橋性樹脂粉末や、上記ポリカーボネートに非相溶な熱可塑性樹脂(以下非相溶樹脂という)から選ばれた少なくとも一種を挙げることができ、少なくとも非相溶樹脂を含む有機充填剤を用いるのが好ましい。ここで非相溶樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、中でもシクロオレフィン系樹脂が好ましい。また2種類以上の非相溶樹脂を併用してもよい。
本発明に用いることのできるシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであってもよい。
分散相の大きさが0.1μm以上であれば、延伸により反射材内部に形成される空洞の大きさが可視光領域の光を反射するのに十分なものとなる。また、分散相の大きさが5μm以下であれば、延伸により形成される空洞と上記ポリカーボネートとの界面の面積を充分に確保できるので、反射材に高反射性を付与することができるので好ましい。さらに、分散相の大きさが5μm以下であれば、その周囲に形成される空洞が緻密になり、機械的強度とともに延伸成形性が向上するので好ましい。
(無機充填剤)
本発明に用いることのできる無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも一種を挙げることができ、中でも炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び酸化チタンの群より選ばれる1種又は2種以上の組合せからなる混合物が好ましい。
のが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛又は酸化チタンを用いることが好ましく、中でも屈折率が高い酸化チタンが特に好ましい。但し、長期耐久性を勘案すると、酸やアルカリに対して安定な硫酸バリウムも特に好ましいものである。
従って、少なくとも酸化チタンを含む充填剤を用いるのが好ましく、この場合、酸化チタンの量は、無機充填剤の合計質量の30%以上、又は有機充填剤と無機充填剤とを組み合わせて使用する場合はその合計質量の30%以上とするのが好ましい。
また、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いるのが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意である。
塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、先ず四塩化チタンを生成させ、次いでこの四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度酸化チタンを得ることができる。
本発明に用いる酸化チタンとしては、不活性無機酸化物から形成された不活性無機酸化物層を表面に備えたものが好ましい。酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、酸化チタンの光触媒作用によって反射材が劣化するのを防ぐことができる。
当該有機化合物層は、例えば、シロキサン化合物、シランカップリング剤、多価アルコール、チタンカップリング剤、アルカノールアミン又はその誘導体、及び高級脂肪酸又はその金属塩等の有機化合物などで、酸化チタンの表面或いは上記不活性無機酸化物層の表面を被覆処理するようにして形成することができる。特にシロキサン化合物、多価アルコール、及びシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で被覆処理表するのが好ましい。これら2種類以上の化合物を組合せて使用してもよい。これらの有機化合物は、酸化チタン表面の水酸基と物理的吸着又は化学的に反応することにより、酸化チタンの疎水性、分散性及び樹脂との親和性を向上させることができる。
有機化合物層が酸化チタン全体の0.01質量%以上を占めれば、酸化チタンの水分吸着を防いで酸化チタン粒子の凝集を妨げることができるので、酸化チタンの分散性を向上させることができる。酸化チタンの分散性が向上すれば、ベース樹脂と酸化チタンとの界面の面積が充分に確保されるので、フィルムに高い光反射性を付与することができる。一方、有機化合物層が酸化チタン全体の5質量%以下であれば、酸化チタン粒子の滑性が適切になり、安定した押出し及び製膜が可能になる。
なお、酸化チタン以外の無機充填剤を用いる場合には、この無機充填剤は、ベース樹脂への分散性を向上させるために、無機充填剤の表面が、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理が施されたものを使用するのが好ましい。
有機充填剤及び/又は無機充填剤の含有量は、反射材の光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、反射材全体の質量に対して10〜70質量%であるのが好ましく、20〜60質量%であるのがさらに好ましい。
有機充填剤と無機充填剤とを組み合わせて使用する場合の、有機充填剤の含有割合は、反射材の光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、反射材全体の質量に対して1〜30質量%であるのが好ましく、3〜15質量%であるのがさらに好ましい。有機充填剤の含有割合が1質量%以上であれば、光反射性と耐熱性を同時に実現することができて好ましい。また、有機充填剤の含有割合が30質量%以下であれば、反射材に優れた延伸成形性を確保することができる。
本発明の反射材は、上記ポリカーボネート、有機充填剤及び/又は無機充填剤の効果を損なわない範囲内で、これら以外の樹脂(「他成分樹脂」という)を含有してもよい。また、前記効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤及びその他の添加剤を含有してもよい。
より高反射性を得るためには、反射材内部に微細な空洞を含有することが好ましい。反射材内部に微細な空洞を有していれば、上記ポリカーボネートと有機充填剤及び/又は無機充填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、上記ポリカーボネートと有機充填剤及び/又は無機充填剤の周囲に形成される空洞との屈折率差による屈折散乱、さらに有機充填剤及び/又は無機充填剤の周囲に形成される空洞と有機充填剤及び/又は無機充填剤との屈折率差による屈折散乱などから光反射性を得ることができるので、好ましい。
空隙率(%)={(延伸前のフィルムの密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のフィルムの密度}×100
本発明の反射材内部の空洞は、例えば、配合組成物を溶融しフィルム状に製膜した後、これを延伸することにより形成することができる。これは、延伸した時にベース樹脂と有機充填剤及び/又は無機充填剤との延伸挙動が異なるからである。すなわち、ベース樹脂に適した延伸温度で延伸を行えば、マトリックスとなるベース樹脂は延伸されるが、有機充填剤及び/又は無機充填剤はそのままの状態でとどまろうとするため、ベース樹脂と各充填剤との界面が剥離して、空洞が形成される。従って、各充填剤の種類と量、並びに延伸倍率などを調整することによって、反射材内部の空隙率を制御することができる。
(積層構成)
本発明の反射材は、上記ポリカーボネートと有機充填剤及び/又は無機充填剤を主たる構成成分とする樹脂組成物から形成された単層構成の反射材であってもよいし、上述した、上記ポリカーボネートと有機充填剤及び/又は無機充填剤を主たる構成成分とする樹脂組成物から形成された層を2層以上積層した多層構成の反射材としてもよい。
(反射材の形態)
本発明における反射材のとり得る形態は特に限定されるものではないが、フィルム状、あるいはシート状であることが好ましい。
本発明における反射材の厚みは、特に限定されるものではないが、30μm〜1500μmであるのが通常は好ましく、実用面における取り扱い性を考慮すると50μm〜1000μm程度の範囲内であるのが好ましい。
例えば小型、薄型の反射板用途の反射材としては、厚みが30μm〜200μmであるのが好ましい。かかる厚みの反射材を用いれば、例えばノート型パソコンや携帯電話等の小型、薄型の液晶ディスプレイ等にも使用することができる。
(反射率)
本発明の反射材の少なくとも片面の反射率は、波長615nm、545nm、440nmの光に対して、94%以上を有することが好ましく、さらに96%以上を有することが特に好ましい。かかる反射性能を有するものであれば、反射フィルムとして良好な反射特性を示し、この反射フィルムを組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が黄色味を帯び
ることなく、精彩性が良好になる。
次に、本発明の反射材の製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
先ず、上記ポリカーボネートに、有機充填剤及び/又は無機充填剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合して樹脂組成物を作製する。具体的には、上記ポリカーボネートに有機充填剤及び/又は無機充填剤を加え、さらに酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸又は2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度で混練することにより樹脂組成物を得ることができる。
得られたキャストシートは、少なくとも1軸方向に1.1倍以上延伸するのが好ましい。延伸することにより、有機充填剤及び/又は無機充填剤を核とした空洞がフィルム内部に形成され、フィルムの光反射性をさらに高めることができて好ましい。これは新たに上記ポリカーボネートと空洞、空隙と有機充填剤及び/又は無機充填剤、及び空隙と非相溶樹脂との界面が形成されるため、これらの界面で生じる屈折散乱の効果が増えるためと考えられる。
上記の場合の延伸倍率は、面積倍率として2倍以上に延伸することが好ましく、4倍以上に延伸することが更に好ましい。面積倍率において2倍以上に延伸することにより10
%以上の空隙率を実現することができ、4倍以上に延伸することにより30%以上の空隙率を実現することができる場合がある。なお、面積倍率4倍以上で一軸方向又は二軸方向に延伸するのが最も好ましい。
(用途)
本発明の反射材は、例えば、フィルム形状のまま大型液晶テレビ等の反射フィルムとして使用する場合に有用であるが、金属板(例えばアルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板など)もしくは樹脂板に被覆した反射板としても好適に用いることができる。この反射板は、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射板として有用である。
反射材を金属板若しくは樹脂板に被覆する方法としては、接着剤を使用する方法、接着剤を使用せずに熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等があり、特に限定されるものではない。例えば、金属板若しくは樹脂板(まとめて「金属板等」という)の反射材を貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射材を貼り合わせることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、実施例に示す測定値及び評価は以下に示すようにして行った。ここで、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(1)空隙率(%)
延伸前の反射材の密度(「未延伸反射材密度」と表記する)と延伸後の反射材の密度(「延伸反射材密度」と表記する)とを測定し、下記式に代入して反射材の空隙率を求めた。
(2)反射率(%)
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長615nm、545nm及び440nmの光に対する反射率を求めた。なお、測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
試験機:岩崎電気製アイスーパUVテスターSUV−W151
UV照射強度:75mW/cm2 照射温度:63℃、照射湿度:50%
評価:UV照射前と照射50時間後のサンプルのYI値(黄色度)を測定した。
黄色度(YI値):黄色度は、JIS−K7103に基づいて測定した。なお、測定は分光測色計(「SC−T」、スガ試験機(株)製)を用いて行った。
ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドに由来する構成単位と、脂環式ジヒドロキシ化合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構成単位とを含むポリカーボネート共重合体(イソソルビド構成単位:1,4−シクロヘキサンジメタノールの構成単位=70:30(モル%)Tg=126℃、末端二重結合濃度=4μq/g、末端フェニル基濃度=90μq/g、フェノール含有量=40ppm、蟻酸含有量=2ppm未満、還元粘度=0.77dl/g、5%熱減量温度=349℃)と、ルチル型酸化チタン(KRONOS社製「KRONOS2230」)とを、7:3の質量割合で混合した後、230℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融混錬した後に押出し、冷却固化して厚み360μmの反射フィルム1を得た。得られた反射フィルム1について、空隙率、反射率の評価を行った。結果は表1に示した。
フィルムストレッチャーを用いて、実施例1で得られた反射フィルム1を温度135℃で、MD及びTD方向に各々2倍延伸を行い、厚み100μm程度の延伸フィルムを作製し、2枚重ねて、厚み200μmの反射フィルム2を得た。得られた反射フィルム2について、空隙率、反射率の評価を行った。結果は表1に示した。
フィルムストレッチャーを用いて、実施例1で得られた反射フィルム1を温度135℃で、MD及びTD方向に各々2倍延伸を行い、厚み100μmの延伸フィルムを作製し、3枚重ねて、厚み300μmの反射フィルム3を得た。得られた反射フィルム3について、空隙率、反射率の評価を行った。結果は表1に示した。
フィルムストレッチャーを用いて、実施例1で得られた反射フィルム1を温度140℃で、MD及びTD方向に各々2倍延伸を行い、厚み100μmの延伸フィルムを作製し、3枚重ねて、厚み300μmの反射フィルム4を得た。得られた反射フィルム4について、空隙率、反射率の評価を行った。結果は表1に示した。
ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドに由来する構成単位と、脂環式ジヒドロキシ化合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構成単位とを含むポリカーボネート共重合体(Tg=126℃、イソソルビド構成単位:1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの構成単位=70:30(モル%))を230℃に加熱された二軸押出機を用いて押出し、冷却固化して厚み406μmのフィルム5を得た。得られたフィルム5について、空隙率、反射率の評価を行った。結果は表1に示した。
(耐候性評価用フィルムの作製)
実施例1と同様のポリカーボネート共重合体を230℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融押出し、冷却固化してシートを形成した。得られたシートについて耐候性の評価を行った。結果は表2に示した。
ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロンH4000」)を240℃に加熱された二軸押出機を用いて溶融押出し、冷却固化してシートを形成した。得られたシートについて耐候性の評価を行った。結果は表2に示した。
Claims (9)
- 前記有機充填剤が、前記ポリカーボネートに非相溶な熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の反射材。
- 前記無機充填剤が、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、及び酸化チタンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は請求項2に記載の反射材。
- 前記有機充填剤及び/又は無機充填剤の含有量が、反射材の全体質量に対して10質量%以上70質量%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の反射材。
- 前記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位として、イソソルビド、イソマンニド及びイソイデットよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の反射材。
- 液晶ディスプレイ、照明器具或いは照明看板の構成部材として使用されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の反射材。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の反射材を、金属板又は樹脂板に積層してなる構成を備えた反射板。
- 液晶ディスプレイ、照明器具或いは照明看板の構成部材として使用されることを特徴とする請求項8に記載の反射板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009221284A JP2011070019A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | 反射材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009221284A JP2011070019A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | 反射材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011070019A true JP2011070019A (ja) | 2011-04-07 |
Family
ID=44015368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009221284A Pending JP2011070019A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | 反射材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011070019A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012096395A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 木質樹脂成形体 |
JP2012214796A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及び光反射部材 |
WO2013031924A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | 三菱化学株式会社 | 発泡成形体 |
JP2013095877A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Mitsubishi Chemicals Corp | 成形体 |
JP2013136659A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
WO2013125540A1 (ja) * | 2012-02-20 | 2013-08-29 | 三菱化学株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
JP2013203931A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
JP2013209580A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 成形体 |
JP2014108555A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Kaneka Corp | 光学フィルムの製造方法 |
US8962733B2 (en) | 2011-12-13 | 2015-02-24 | Cheil Industries Inc. | Thermoplastic resin composition |
JP2021028361A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 凸版印刷株式会社 | 不燃シートの製造方法及び不燃シート |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006106652A1 (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | 光反射用ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2009191227A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-08-27 | Teijin Ltd | ポリカーボネート樹脂組成物 |
-
2009
- 2009-09-25 JP JP2009221284A patent/JP2011070019A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006106652A1 (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | 光反射用ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2009191227A (ja) * | 2008-02-18 | 2009-08-27 | Teijin Ltd | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Cited By (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012096395A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | 木質樹脂成形体 |
JP2012214796A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及び光反射部材 |
US20140179818A1 (en) * | 2011-08-31 | 2014-06-26 | Mitsubishi Chemical Corporation | Foam molded body |
WO2013031924A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-07 | 三菱化学株式会社 | 発泡成形体 |
JP2013108059A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-06-06 | Mitsubishi Chemicals Corp | 発泡成形体 |
CN108047686A (zh) * | 2011-08-31 | 2018-05-18 | 三菱化学株式会社 | 发泡成型体 |
JP2017061706A (ja) * | 2011-08-31 | 2017-03-30 | 三菱化学株式会社 | 発泡成形体 |
CN103764736A (zh) * | 2011-08-31 | 2014-04-30 | 三菱化学株式会社 | 发泡成型体 |
JP2013095877A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Mitsubishi Chemicals Corp | 成形体 |
US8962733B2 (en) | 2011-12-13 | 2015-02-24 | Cheil Industries Inc. | Thermoplastic resin composition |
JP2013136659A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
EP2818499A4 (en) * | 2012-02-20 | 2015-09-02 | Mitsubishi Chem Corp | RESIN COMPOSITION AND MOLDED BODY THEREOF |
CN104125977A (zh) * | 2012-02-20 | 2014-10-29 | 三菱化学株式会社 | 树脂组合物及其成型体 |
KR20140138130A (ko) * | 2012-02-20 | 2014-12-03 | 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 | 수지 조성물 및 그 성형체 |
US9193824B2 (en) | 2012-02-20 | 2015-11-24 | Mitsubishi Chemical Corporation | Resin composition and molded body of same |
WO2013125540A1 (ja) * | 2012-02-20 | 2013-08-29 | 三菱化学株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
KR102136974B1 (ko) * | 2012-02-20 | 2020-07-23 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 수지 조성물 및 그 성형체 |
JP2013203931A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
JP2013209580A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 成形体 |
JP2014108555A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Kaneka Corp | 光学フィルムの製造方法 |
JP2021028361A (ja) * | 2019-08-09 | 2021-02-25 | 凸版印刷株式会社 | 不燃シートの製造方法及び不燃シート |
JP7404704B2 (ja) | 2019-08-09 | 2023-12-26 | Toppanホールディングス株式会社 | 不燃シートの製造方法及び不燃シート |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011070019A (ja) | 反射材 | |
KR100885389B1 (ko) | 지방족 폴리에스테르계 수지 반사 필름 및 반사판 | |
JP5380334B2 (ja) | 光拡散性樹脂組成物及び成形体 | |
JP6245240B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、光学フィルム及びポリカーボネート樹脂成形品 | |
JP6108651B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、光学フィルム及びポリカーボネート樹脂成形品 | |
TWI538932B (zh) | 相位差薄膜、使用其之圓偏光板及影像顯示裝置 | |
TWI506056B (zh) | 聚碳酸酯樹脂薄膜、透明薄膜暨其製造方法、及偏光板 | |
TWI535755B (zh) | 相位差薄膜、使用其之圓偏光板及影像顯示裝置 | |
TWI689528B (zh) | 聚碳酸酯樹脂、成形品及光學薄膜 | |
KR102306920B1 (ko) | 위상차 필름, 원편광판 및 화상 표시 장치 | |
TWI437041B (zh) | An aliphatic polyester film | |
KR102285517B1 (ko) | 위상차 필름, 원 편광판 및 화상 표시 장치 | |
WO2004044033A1 (ja) | ポリカーボネート共重合体、樹脂組成物および成形品 | |
EP1898238A1 (en) | Retardation film and polyester resin for optical use | |
WO2011162386A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
KR20130035897A (ko) | 폴리에스테르 수지 조성물 및 이를 이용한 폴리에스테르 필름 | |
JP5506437B2 (ja) | 多層体 | |
US20070202320A1 (en) | Aliphatic Polyester-Based Resin Reflective Film And Reflective Plate | |
JP2009191226A (ja) | 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
KR20160146702A (ko) | 위상차 필름, 원편광판 및 화상 표시 장치 | |
JP2011237572A (ja) | シクロオレフィン系樹脂反射フィルム | |
JP2009029879A (ja) | 光学用樹脂及びこれを含有したフィルム | |
KR101450840B1 (ko) | 백색 다공성 폴리에스테르 필름 및 이의 제조방법 | |
KR101675350B1 (ko) | 백색 다공성 폴리에스테르 필름 | |
JP2019143097A (ja) | 反射材用ポリエステル樹脂組成物および反射材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20120120 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20120120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120120 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120612 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120629 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130430 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130521 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140107 |