JP5380334B2 - 光拡散性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
ポリカーボネート樹脂に光拡散性を付与するためには、ガラス、シリカ、水酸化アルミニウム等の無機化合物の添加が提案されているが、耐衝撃性等が低下するという課題があった。
ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)を、10モル%以上、65モル%以下含有する。
(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)を占めるものである。
本実施形態に係る光拡散性樹脂組成物及び成形体は、特定のポリカーボネート樹脂と微粒子を主たる構成成分とする樹脂組成物から形成されたものである。
本発明の主たる構成成分である脂肪族ポリカーボネート樹脂としては、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂が用いられる。
すなわち、前記ジヒドロキシ化合物は、二つのヒドロキシル基と、更に前記一般式(1)の部位を少なくとも含むものを言う。
この時、前記脂肪族ポリカーボネート樹脂中に占める構造単位(b)の割合が10モル%以上、65モル%以下であることが好ましい。構造単位(b)の割合の下限としては、より好ましくは20モル%であって、さらに好ましくは25モル%である。一方、構造単位(b)の割合の上限としては、より好ましくは50モル%であって、さらに好ましくは45モル%である。構造単位(b)の割合をかかる範囲内とすることで、本発明の光拡散性樹脂成形体の表面硬度と耐熱性を損なうことなく、耐衝撃性を付与することができる。
また、通例、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を多量に用いると、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が上昇して重合度を高めることが困難になり、その結果耐衝撃性が十分得られにくい傾向がある。また紫外線吸収する割合が増加して、耐候性も低下する傾向がある。
これに対し、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を用いることで、こうした一般的に想定される課題を回避することができるため、好適である。
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂は、光拡散性樹脂成形体として利用可能な程度に好適な無色透明性を有するものであるが、以下のような特徴を持たせることにより更に着色を抑えることができる。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂の末端には、副反応、恐らくは分子内脱水反応で生成した二重結合が存在することがあり、特に前記一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物をモノマー成分の少なくとも1つとする場合、このユニットが脱水して生成すると考えられる下記一般式(5)で表される二重結合を有する末端が存在する。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂の末端フェニル基濃度は、小さすぎると、重合反応の速度が小さくなり、結果的に触媒を増やしたり、余計な熱履歴をかけたりする必要があるだけでなく、熱滞留時の着色が大きくなり、特に成型時に品質の悪化を招くため、通常30μeq/g以上、中でも50μeq/g以上、特には80μeq/g以上が好ましい。また、末端フェニル基濃度が大きすぎても、重合速度が小さくなる傾向にあり、結果的に熱履歴の増大を招き、ポリマー品質の悪化を招くことがあるため、好ましくは200μeq/g以下、より好ましくは150μeq/g以下、中でも120μeq/g以下が好適である。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂は、重合反応により副生するフェノールを微量含むが
、製品ペレット中のフェノール残留量が多いと、成形時の臭気や、着色の原因となるため、通常500重量ppm以下、好ましくは300重量ppm以下、より好ましくは100重量ppm以下、特に好ましくは50重量ppm以下である。バッチ式の重合反応ではフェノールを低減することが困難であるが、横型反応器を使用すれば、蒸発界面積が大きく取れ、表面更新性を向上することができるため、残留フェノールの低減に有効である。また、重合反応終了後に一軸または二軸の押出機を用いて脱揮処理することによっても低減できる。
イソソルビドは酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管時や取扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが必要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いて重合すると、得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする傾向がある。また、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られないこともある。また、蟻酸の発生を防止するような安定剤を添加しても、安定剤の種類によっては、得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりすることがある。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられ、このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライドなどが挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられる。このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒にもなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなることがある。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂の粘度は、還元粘度として、通常0.20dl/g以上、好ましくは0.40dl/g以上、より好ましくは0.42dl/g以上であって、また、通常2.00dl/g以下、好ましくは1.60dl/g以下、より好ましくは1.00dl/g以下である。ここで「還元粘度」とは、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの重量比1:1混合溶媒を用い、温度30.0℃±0.1℃において、ポリカーボネート濃度1.00g/dlで測定した値(ηsp/c)である。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂の5%熱減量温度は、好ましくは340℃以上、より好ましくは345℃以上である。5%熱減量温度が高いほど、熱安定性が高くなり、より高温での使用に耐えるものとなる。また、製造温度も高くでき、より製造時の制御幅が広くできるので、製造し易くなる。低くなるほど、熱安定性が低くなり、高温での使用がしにくくなる。また、製造時の制御許容幅が狭くなり作りにくくなる。従って、5%熱減量温度の上限は特に限定されず、高ければ高いほど良く、共重合体の分解温度が上限となる。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂は、溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン系化合物であるリン酸化合物や亜リン酸化合物又はこれらの金属塩を重合時に添加することができる。
リン酸化合物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキルの1種又は2種以上が好適に用いられる。これらは、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物に対して、0.0001モル%以上、0.005モル%以下の割合で添加することが好ましく、0.0003モル%以上、0.003モル%以下の割合で添加することがより好ましい。リン化合物の添加量が前記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、前記上限より多いと、ヘイズが高くなる原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりすることもある。
前記脂肪族ポリカーボネート樹脂は、成形時等における分子量の低下や色調の悪化を防止するために熱安定剤を配合することができる。
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びベンゼンホスホン酸ジメチル等が好ましく使用される。
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂が有する末端二重結合及び末端フェニル基の量は、TMS(テトラメチルシラン)を添加した重クロロホルムを測定溶媒として使用し、1H−NMRスペクトルを測定することで算出することができる。
ポリマーを25〜30mg秤量し、重クロロホルム0.7mLに室温で溶解する。重クロロホルムは銀箔の安定剤が入っているものを使用し、基準物質としてTMS(テトラメチルシラン)を少量添加する。 溶液を外径5mmのNMR管に詰め、Bruker社製
NMR(AVANCE400)を用いて、400MHz、45°パルス、照射時間4秒、待ち時間6秒、積算256回で測定を行う。
4.70〜4.46ppmのイソソルビドの主鎖に由来するシグナルの積分値を100
とする。次に2.70〜0.50ppmのトリシクロデカンジメタノール(TCDDM)の主鎖に由来するシグナルの積分値を求め、積分値(1)とする。この領域に重なる水の積分値は補正する。
末端二重結合濃度={積分値(2)/(100×イソソルビド主鎖ユニットの式量+積分値(1)/14×TCDDM主鎖ユニットの式量+積分値(3)/2×末端フェニル基ユニットの式量+積分値(2)×末端二重結合ユニットの式量)}×106(単位:μe
q/g)
末端フェニル基濃度={(積分値(3)/2)/(100×イソソルビド主鎖ユニットの式量+積分値(1)/14×TCDDM主鎖ユニットの式量+積分値(3)/2×末端フェニル基ユニットの式量+積分値(2)×末端二重結合ユニットの式量)}×106(単位:μeq/g)
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂が有する残留フェノールの量は、例えば以下の方法で定量することが可能である。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ:CBM−20A
ポンプ:LC−10AT
カラムオーブン:CTO−10Avp
検出器:SPD−10Avp
分析カラム:SUPELCO Ascentis Express C18
(5cm×3.0mm、粒子サイズ2.7μm)
オーブン温度:40℃
・検出器:UV213nm
・溶離液:A)0.1%リン酸水溶液/アセトニトリル=5/1
B)アセトニトリル
(B液を3%から95%までグラジエント)
・試料注入量:3μl
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂が有する蟻酸の量は、例えば以下の方法で定量することが可能である。
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、例えば以下の方法で定量す
ることが可能である。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求める。
比粘度ηspを濃度c(g/dl)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求める。この数値が高いほど分子量が大きい。
本発明に用・BR>「る脂肪族ポリカーボネート樹脂の5%熱減量温度は、例えば以下の
方法で定量することが可能である。
本発明に用いることの好ましい微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも一種の無機微粒子を挙げることができ、中でも炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び酸化チタンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の組み合わせからなる混合物が、安価でかつ様々な表面処理を施したものが市販されているため好適に選択される。
晶型の酸化チタンが挙げられるが、ルチル型酸化チタンが好ましい。酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いるのが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意である。
酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。従って、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
当該有機化合物層は、例えば、シロキサン化合物、シランカップリング剤、多価アルコール、チタンカップリング剤、アルカノールアミン又はその誘導体、及び高級脂肪酸又はその金属塩等の有機化合物などで、酸化チタンの表面或いは前記不活性無機酸化物層の表面を被覆処理するようにして形成することができる。特にシロキサン化合物、多価アルコール、及びシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で被覆処理をするのが好ましい。これら2種類以上の化合物を組合せて使用してもよい。これらの有機化合物は、酸化チタン表面の水酸基と物理的吸着又は化学的に反応することにより、酸化チタンの疎水性、分散性及び樹脂との親和性を向上させることができる。
有機化合物層が酸化チタン全体の0.01質量%以上を占めれば、酸化チタンの水分吸着を防いで酸化チタン粒子の凝集を妨げることができるので、酸化チタンの分散性を向上させることができる。酸化チタンの分散性が向上すれば、ベース樹脂と酸化チタンとの界
面の面積が充分に確保されるので、フィルムに高い光拡散性を付与することができる。一方、有機化合物層が酸化チタン全体の5質量%以下であれば、酸化チタン粒子の滑性が適切になり、安定した押出し及び製膜が可能になる。
なお、酸化チタン以外の無機微粒子を用いる場合には、ベース樹脂への分散性を向上させるために、無機微粒子の表面が、シリコーン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理が施されたものを使用するのが好ましい。
平均粒子径が0.1μm以上であることによって、良好な隠蔽性と光拡散性を発現することが可能となり、とりわけLED光源を用いた場合のギラつきを防止できる。一方重量平均粒子径が10μm以下であることによって、部材表面の凹凸を生じさせず、さらに引張破断強度等の機械強度を好適に維持できる。
分散相の大きさが0.1μm以上であれば、延伸により光拡散性樹脂組成物内部に形成される空洞の大きさが可視光領域の光を反射するのに十分なものとなる。また、分散相の大きさが5μm以下であれば、前記脂肪族ポリカーボネート樹脂との界面の面積を充分に確保できるので、本発明の光拡散性樹脂成形体に高い光拡散性を付与することができるの
で好ましい。さらに、分散相の大きさが5μm以下であれば、機械的強度とともに成形加工性や平滑性が向上するので好ましい。
微粒子の含有量を0.1重量%以上とすることで、十分な光拡散性を付与することができ、一方10重量%以下とすることで、耐衝撃性等の機械物性を著しく低下させることなく各種性能のバランスを取ることができる。
本発明の光拡散性樹脂組成物及び成形体は、発明の本質を損なわない範囲内で、これら以外の樹脂(「他成分樹脂」という)を含有してもよい。また、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤及びその他の添加剤を含有してもよい。
本発明の光拡散性樹脂組成物及び成形体の製造方法について、以下に例を挙げて説明す
るが、それらの製造方法になんら限定されるものではない。
本発明の光拡散性樹脂成形体は、発明の本質を損なわない範囲で、単層構造であってもよいし、配合量や組成の異なる光拡散性樹脂組成物を複数積層したものでもよい。さらに、必要に応じて表面にハードコート層、耐候性層、防汚層、耐熱樹脂層等を積層してもよい。また意匠性を付与するために樹脂を着色したり、成形体表面に印刷又は塗装したりエンボス加工等を施したりしてもよい。
また、耐衝撃性や耐熱性、耐候性に優れていることから、その光源に限定されることなく、特に照明カバー用途等の照明部材や、液晶等の光源内蔵型の表示装置の光拡散板等の部材として、より好適に利用することができる。
、実施例に示す測定値及び評価は以下に示すようにして行った。
射出成形した厚さ1mmのシートを用いて、JIS K7361及びK7136に準拠して測定した。全光線透過率が20%以上、かつヘイズが50%以上のものを合格とした。
射出成形した厚さ4mm、幅10mmの試験片を用いて、JIS K7110に準拠して、ノッチ切削したもので測定した。アイゾット衝撃強度が5kJ/m2以上のものを合格とした。
射出成形した厚さ4mm、幅10mmの試験片を用いて、JIS K7191に準拠して測定した。荷重たわみ温度が85℃以上のものを合格とした。
ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと、1,4−シクロヘキサンジメタノールを構造単位とする脂肪族ポリカーボネート樹脂(イソソルビドに由来する構造単位:1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=70:30(モル%)、Tg=126℃、末端二重結合濃度=4μq/g、末端フェニル基濃度=90μq/g、フェノール残留量=40ppm、蟻酸含有量=2ppm未満、還元粘度=0.77dl/g、5%熱減量温度=349℃、以下A−1という)100重量%と、ルチル型酸化チタン(KRONOS社製「KRONOS2230」、平均粒子径0.3μm、以下B−1という)0.1重量%を混合し、230℃に加熱した二軸押出機を用いて溶融混練し、ペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表3中に示した。
実施例1において、B−1の配合量を0.3重量%に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表3中に示した。
実施例1において、B−1の配合量を0.5重量%に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表3中に示した。
実施例1において、B−1の配合量を0.7重量%に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表3中に示した。
実施例1において、A−1をイソソルビドに由来する構造単位:1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=50:50(モル%)である脂肪族ポリカーボネート樹脂(A−2)に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表3中に示した。
実施例1において、B−1の配合量を0重量%に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表4中に示した。
実施例1において、A−1をイソソルビドに由来する構造単位=100(モル%)である脂肪族ポリカーボネート樹脂(A−3)に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表4中に示した。
実施例1において、A−1をイソソルビドに由来する構造単位:1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する構造単位=30:70(モル%)である脂肪族ポリカーボネート樹脂(A−4)に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表4中に示した。
実施例1において、A−1を、ビスフェノール−Aを構造単位とする芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロンH4000」、A−5)に変更した以外は、同様にペレットを作製した。このペレットを用いて行なった前記の評価の結果を表4中に示した。
下記の表1のポリカーボネート樹脂を230℃に加熱された二軸押出機を用いて押出し、設定温度100℃のキャストロールを用いて冷却し、厚さ300μmのシートを作製した。試験機として岩崎電気製アイスーパUVテスターSUV−W151を用いて、UV照射強度:75mW/cm2 照射温度:63℃、照射湿度:50%の条件により前記のシートをサンプルとしてUVを照射した。UV照射前と照射50時間後のサンプルのYI値(黄色度)をJIS−K7103に基づいて分光測色計(「SC−T」、スガ試験機(株)製)を用いて測定し、測定前後の差であるΔYIを算出した。測定結果を表2に示す。この結果に基づいて、実施例及び比較例の耐候性を以下の基準で評価した。
○:ΔYIが0以上1.0未満
×:ΔYIが1.0以上
Claims (8)
- 構造の一部にイソソルビドに由来する構造単位(a)’を35モル%以上、90モル%以下含有する脂肪族ポリカーボネート樹脂に、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下である微粒子を含有してなる光拡散性樹脂組成物であって、当該光拡散性樹脂組成物を用いて作製した射出成形試験片のアイゾット衝撃強度が5kJ/m2以上であることを特徴とする、光拡散性樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリカーボネート樹脂が、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)を、10モル%以上、65モル%以下含有することを特徴とする、請求項1に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリカーボネート樹脂100重量%に対し、前記微粒子を0.1重量%以上、10重量%以下の割合で含有してなることを特徴とする、請求項1または2に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 前記微粒子が、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、及び酸化チタンからなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の光拡散性樹脂組成物。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の光拡散性樹脂組成物を成形してなる光拡散性樹脂成形体。
- 光源に発光ダイオードを用いることを特徴とする請求項5に記載の光拡散性樹脂成形体。
- 請求項5または6に記載の光拡散性樹脂成形体を用いてなる照明器具。
- 請求項5または6に記載の光拡散性樹脂成形体を用いてなる表示装置。
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